JP2006264081A - 衝撃吸収パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 厚みが薄く軽量であり、耐候性及び耐摩耗性に優れ、複雑な製造工程を必要とせず製造が容易な衝撃吸収パネルを提供する。
【解決手段】 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなる芯材が、袋状シートに封入されてなる。
【選択図】 なし
【解決手段】 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなる芯材が、袋状シートに封入されてなる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、衝撃吸収パネルに関する。
屋内競技施設、テニスコート、野球場、陸上競技場などのスポーツ施設又はレジャー施設、若しくは教育施設や介護施設などにおいて人が活動する場合に、施設の壁面、床面、又は柱構造物などに対して、衝突、転倒などにより急激な加速衝撃を受けることがあるが、時には骨折や打撲、重度の障害に繋がる重大な事故に繋がることがある。この場合に人に与える障害を防止するために、従来、各種の衝撃緩和材料が検討されている。このような材料としては、例えば、高発泡のウレタン樹脂系、スチレン樹脂系、又は酢酸ビニル樹脂系などの発泡体、或いは、高弾性ゴム系素材やゲル状粘弾性体などを利用したマット状製品や衝撃吸収パネルなどが提案されている。
上記材料の中でも、例えばウレタンフォームに代表される連続気泡構造体は、製造工程に起因するコストが安価であり、また、厚みを持つことで、比較的大きな衝撃力を吸収し緩和できる機能を持っているため、一般に広く用いられている。
しかし、上記ウレタンフォームの場合、発泡倍率が高く、また広範囲にわたって弾性変位特性を保持するがゆえに、所謂底付きの危険性が生じやすくなり、マット状製品として用いる場合はもちろんのこと、床面や壁面に衝撃吸収パネルとして用いる場合にも相当の厚さが必要とされていた。そのため、施工上の問題や輸送面、加工面で大きな制約を受けるという問題があった。
上記の問題を解決するため、例えば特許文献1には、対向する独立気泡発泡体より成るシート間に、空間を持たせて介在接着させるように、独立気泡発泡体からなる棒状片を並設固定した衝撃吸収ボードなどが開示されている。
しかし、上記のような衝撃吸収ボードは、製造工程が複雑になり、コスト増を招き、また、衝撃吸収性も連続気泡発泡体と比較して必ずしも十分ではないという問題があった。
また、上記衝撃緩和材料として、単純な硬質発泡体パネルを用いることも考えられるが、この場合には、連続気泡発泡体よりも衝撃吸収能力がないため、大きな衝撃を緩和させる用途に関しては連続気泡発泡体との積層構成とすることも考えられる。
このような積層構成を有するものとしては、例えば、本出願人により特許文献2に、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層することを特徴とするものが開示されている。
しかし、上記特許文献2にあるようなポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを単に衝撃吸収用パネルとして用いた場合は、長時間の屋外における使用を行った場合に必ずしも耐候性に関する性能が十分ではなく、強度物性の劣化が起こることがあった。また、上記におけるシート状物(以下、単に「面材」ともいう)として用いる材料によっては、必ずしも耐摩耗性が十分とは言えず、例えば不織布などを用いた場合は、繰り返しの衝撃負荷がパネルに加わった場合、表面が摩耗し劣化しやすいという問題があった。
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、厚みが薄く軽量であり、耐候性及び耐摩耗性に優れ、複雑な製造工程を必要とせず製造が容易な衝撃吸収パネルを提供することにある。
請求項1記載の衝撃吸収パネルは、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなる芯材が、袋状シートに封入されてなることを特徴とする。
請求項2記載の衝撃吸収パネルは、請求項1記載の衝撃吸収パネルであって、芯材が、上記面材の少なくとも片面に更に高倍率発泡体が積層されてなることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における芯材は、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなるものである。
上記芯材の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物、ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーおよびキノン化合物から選択される少なくとも1種類の変性用モノマーと溶融混和して得られる変性ポリオレフィン100重量部に対して、アゾジカルボンアミド等の熱分解型化学発泡剤を2〜20重量部を分散させ、これを一旦シート状に成形して発泡性シート原反とした後、得られた発泡性シート原反の両面に面材を融着させ、原反を熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して、該面材によって面内方向に生じる発泡力を抑制しつつこれを厚み方向にのみ発泡させる方法が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂を上記のように変性させることで、成形された発泡性シート原反は架橋度が低いにも拘らず、これを常圧で発泡させ、さらに発泡方向に異方性を持たせることが可能となる。
ここで架橋度が低いとはゲル分率が25%以下であることをいう。一般的にゲル分率の測定は、サンプルの初期重量と、サンプルを120℃の熱キシレン中で24時間で溶解させたもののゲル分を乾燥させたものとの重量比で表現する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダム
タイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。尚、ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」または「共重合体」を意味する。
タイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。尚、ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」または「共重合体」を意味する。
上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良い。しかし30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
熱分解型化学発泡剤は、加熱により分解ガスを発生するもので有れば特に限定されるものではなく、次ぎのものが例示される。アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)。これらは単独であるいは2種以上が混合されて用いられる。その中でもアゾジカルボンアミドが好適に用いられる。
発泡性シート原反の賦形方法としては、押出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング成形、射出成形など、プラスチックの成形加工で一般的に行われる方法が適用可能である。しかしスクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直接賦形する方法が、生産性の観点から好ましい。この場合は、一定寸法幅の連続発泡性シートを得ることができる。
発泡性シート原反の両面に面材を積層する方法は特に限定されるものではないが、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートに面材を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態になるまで加熱しておき、これを面材に熱融着する方法、(ハ)発泡性シートに面材を接着剤で貼り合わせる方法などが挙げられる。
発泡性複合シートすなわち芯材の厚み精度を確保するには方法(イ)または(ハ)が最も好ましい。方法(ロ)の熱融着法としては、例えば、Tダイから押し出された直後の溶融状態の発泡性シート原反の少なくとも片面に面材を軽く積層した状態で、これらを対向状の冷却ロール間を通過させ、ロールの押圧力で両者を一体化する方法が好ましい。なお、上記のように発泡性シート原反と面材を積層して一体化するとは、原反と面材を両者の界面において剥離しようとした場合に、高い割合で材料破壊が生じる程度に両者が固着されている状態を意味するものとする。
ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反の発泡方向を規制するのに使用される面材は、厚さ1mm未満のシート材である。その具体例は以下のものがある。
1)ガラスクロス
ガラスクロスの代表例は、ガラス繊維を抄造して得られるサーフェイスマット、ガラスロービングが織られて作成されるものである。サーフェイスマットは、ガラス短繊維同士を結着するためのバインダーを含んでいてもよい。該バインダーは、面材の引張強度が上記範囲を満たすものであれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
ガラスクロスの代表例は、ガラス繊維を抄造して得られるサーフェイスマット、ガラスロービングが織られて作成されるものである。サーフェイスマットは、ガラス短繊維同士を結着するためのバインダーを含んでいてもよい。該バインダーは、面材の引張強度が上記範囲を満たすものであれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
2)カーボンマット
3)織布、不織布、寒冷紗、ニードルパンチ
これらを構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。また、綿やケナフ等の天然繊維等がある。
3)織布、不織布、寒冷紗、ニードルパンチ
これらを構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。また、綿やケナフ等の天然繊維等がある。
4)紙類
紙類としては、パルプ系(セルロース含有量90%以上)等がある。
紙類としては、パルプ系(セルロース含有量90%以上)等がある。
面材の目付重量は好ましくは10〜300g/mm2である。目付重量が10g/mm2未満であると、ピンナップ性が得られ難くなることがあり、300g/mm2を超えると、面材の柔軟性が損なわれ、これを芯材に連続的に貼り付けることが困難となり、また面材を介して発泡性シートを加熱することが難しくなるため面材と発泡性シートが均一に融着せず剥離等により気泡構造が不均一となる。
発泡性シート原反の発泡は、通常、熱分解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用される。
上記方法で製造された発泡体は、気泡径の長軸が厚み方向に配列しており、圧縮強度に優れた物性を示す。
上記発泡体の発泡倍率としては、特に限定されないが、軽量性と衝撃吸収性のバランスの点で、5〜30倍であることが好ましい。
本発明の衝撃吸収パネルは、上記芯材が、袋状シートに封入されてなるものである。袋状シートに封入されることで、耐候性及び耐摩耗性を向上することが可能となる。また、水の侵入を防止することができるので、水分による衝撃吸収性能の低下を防止することが可能である。
上記袋状シートとしては、特に限定されず、必要に応じて、耐候性、耐摩耗性、又は耐水性を有するものが選択されて用いられる。
中でもポリエステル系繊維をなどの合成樹脂系繊維を主原料としたシートを袋状に加工したものが、耐候性、耐摩耗性、及び耐水性を兼ね備えている点で好ましい。
袋状シートの形状としては、特に限定されないが、芯材が破損した場合の交換が容易な点で、ファスナーやマジックテープなどが用いられた開閉自在な形状であることが好ましい。
袋状シートの厚みとしては、対人衝撃性や、引張りに対する強度の点で、0.3mm以上であることが好ましく、また、加工性を考慮すると、1mm以下であることが好ましい。
本発明の衝撃吸収パネルは、上記芯材が、上記面材の少なくとも片面に更に高倍率発泡体が積層されてなるものであってもよい。この場合には、上記効果に加えて、高倍率発泡体により更に高水準の衝撃吸収性能を得ることができる点で好ましい。
上記において高倍率とは発泡倍率が20倍以上であることを意味する。倍率が低すぎると衝撃吸収性能が不十分になることがある。
上記高倍率発泡体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの発泡体が挙げられる。
本発明の衝撃吸収パネルは、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなる芯材が、袋状シートに封入されてなることを特徴とするので、厚みが薄く軽量であり、耐候性及び耐摩耗性に優れ、複雑な製造工程を必要とせず製造が容易な衝撃吸収パネルを提供することができる。
上記芯材が、上記面材の少なくとも片面に更に高倍率発泡体が積層されてなる場合には、衝撃吸収性が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
本発明を実施例によってより具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
i)発泡性樹脂組成物の製造
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
i)発泡性樹脂組成物の製造
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃
第2バレル;220℃
第3バレル;220℃
第4バレル;220℃
ダ イ;220℃
・スクリュー回転数:150rpm
第2バレル;220℃
第3バレル;220℃
第4バレル;220℃
ダ イ;220℃
・スクリュー回転数:150rpm
上記構成の変性用スクリュー押出機に、まず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をその後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8g/10分、密度;0.9g/cm3)であり、その供給量は10kg/hとした。
変性用モノマーはp−キノンジオキシム(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.75重量部とした。
ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
(2)発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅910mm、出口隙間3.5mmのTダイである。
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅910mm、出口隙間3.5mmのTダイである。
温度設定区分は下記の通りである。
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;150℃
第2バレル;170℃
第3バレル;180℃
第4バレル;160℃
・スクリュー回転数:40rpm
第2バレル;170℃
第3バレル;180℃
第4バレル;160℃
・スクリュー回転数:40rpm
上述のようにして得られた変性樹脂を反応用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミド(ADCA)であり、その供給量は1.2kg/hとした。
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、3本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表面、裏面の両面に、面材として、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンポンドエクーレ6301A」、目付重量30g/m2、引張り強度:縦1.6kg/cm、横1.2kg/cm)を熱融着し、幅910mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得た。
(3) 発泡
得られたポリオレフィン系樹脂発泡複合シートを加熱ゾーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱発泡させトリミングして、厚さ12mm、長さ1820mm×幅910mmの複合発泡体を得た。得られた複合発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂発泡体は、気泡が厚み方向に配向し、発泡倍率は10倍であった。
得られたポリオレフィン系樹脂発泡複合シートを加熱ゾーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱発泡させトリミングして、厚さ12mm、長さ1820mm×幅910mmの複合発泡体を得た。得られた複合発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂発泡体は、気泡が厚み方向に配向し、発泡倍率は10倍であった。
得られた複合発泡体からなる芯材を、ポリエステル系養生シート(クラレプラスチック社製、「KE−1100」)を用いて加工したファスナー付きの袋状シートに封入し衝撃吸収パネルを得た。
(実施例2)
厚みを8mmとしたこと以外は実施例1と同様にして得られた芯材の片面に、発泡倍率30倍の軟質オレフィン系樹脂発泡体(厚み4mm)を積層したこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
厚みを8mmとしたこと以外は実施例1と同様にして得られた芯材の片面に、発泡倍率30倍の軟質オレフィン系樹脂発泡体(厚み4mm)を積層したこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
(比較例1)
袋状シートを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
袋状シートを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
(比較例2)
芯材として厚さ12mmのウレタンフォームを用いたこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
芯材として厚さ12mmのウレタンフォームを用いたこと以外は実施例1と同様にして衝撃吸収パネルを得た。
実施例及び比較例について以下の評価を行った。
(耐摩耗性)
実施例1及び比較例1の衝撃吸収パネルから円盤状の試料を切り出し、以下の測定方法で評価した。尚実施例1の芯材と袋状シートとはエポキシ系接着剤で固定した。
測定方法:テーバー式摩耗試験(JIS K7204)による。
摩耗輪;H18タイプ、輪への荷重;4.9N、
試料直径;100mm、回転速度;60回転/分
測定結果:摩耗による表面劣化が目視で確認できた回転数(N=5の平均値)は、実施例1においては1112であったのに対し、比較例1においては57であった。
(耐摩耗性)
実施例1及び比較例1の衝撃吸収パネルから円盤状の試料を切り出し、以下の測定方法で評価した。尚実施例1の芯材と袋状シートとはエポキシ系接着剤で固定した。
測定方法:テーバー式摩耗試験(JIS K7204)による。
摩耗輪;H18タイプ、輪への荷重;4.9N、
試料直径;100mm、回転速度;60回転/分
測定結果:摩耗による表面劣化が目視で確認できた回転数(N=5の平均値)は、実施例1においては1112であったのに対し、比較例1においては57であった。
(耐衝撃性)
実施例1,2及び比較例2の衝撃吸収パネルに対し、図1に示すような鉄球衝撃落下試験(鉄球を30cm高さから落下させ、鉄球が受ける衝撃値(加速度)を計測)を行った。
試験条件:鉄球重さ;2kg、落下高さ(h);30cm、
衝撃値;衝撃時の最大加速度(単位:m/s2)を用いた。尚、加速度は、鉄球2に加速度ピックアップセンサ3を取り付け、加速度検出器4で測定した。
測定結果:衝撃時の最大加速度(N=10の平均値)は、実施例1においては720m/s2、実施例2においては540m/s2であったのに対し、比較例2においては6520m/s2であった。
実施例1,2及び比較例2の衝撃吸収パネルに対し、図1に示すような鉄球衝撃落下試験(鉄球を30cm高さから落下させ、鉄球が受ける衝撃値(加速度)を計測)を行った。
試験条件:鉄球重さ;2kg、落下高さ(h);30cm、
衝撃値;衝撃時の最大加速度(単位:m/s2)を用いた。尚、加速度は、鉄球2に加速度ピックアップセンサ3を取り付け、加速度検出器4で測定した。
測定結果:衝撃時の最大加速度(N=10の平均値)は、実施例1においては720m/s2、実施例2においては540m/s2であったのに対し、比較例2においては6520m/s2であった。
以上の評価の結果、本発明の衝撃吸収パネルは、高い衝撃吸収性能を有しつつも、耐摩耗性に優れることが判明した。
1 試料(衝撃吸収パネル)
2 鉄球
3 加速度ピックアップセンサ
4 加速度検出器
5 コンクリートフロアー
2 鉄球
3 加速度ピックアップセンサ
4 加速度検出器
5 コンクリートフロアー
Claims (2)
- 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制する為の面材が積層されてなる芯材が、袋状シートに封入されてなることを特徴とする衝撃吸収パネル。
- 芯材が、上記面材の少なくとも片面に更に高倍率発泡体が積層されてなることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収パネル。
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---|---|---|---|
JP2005085004A JP2006264081A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 衝撃吸収パネル |
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JP2005085004A Pending JP2006264081A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 衝撃吸収パネル |
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- 2005-03-23 JP JP2005085004A patent/JP2006264081A/ja active Pending
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