JP5572364B2 - 樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂発泡シートに関し、より詳しくは、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを有する積層構造を備えた樹脂発泡シートに関する。
従来、樹脂組成物をシート状に発泡させた樹脂発泡シートは、軽量性と緩衝性とが求められる用途において広く用いられている。
なかでも、ポリプロピレン系樹脂を主成分としたポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された樹脂発泡シートは、その主材料となるポリプロピレン系樹脂が、樹脂材料のなかでも比較的安価であることから広く用いられている。
このような樹脂発泡シートは、通常、ポリプロピレン系樹脂組成物を押出し発泡させて連続的に製造されており、前記ポリプロピレン系樹脂組成物が用いられてなる発泡樹脂層単独の樹脂発泡シートや、フィルム層などと呼ばれる非発泡樹脂層を前記発泡樹脂層とともに共押出しによって形成させた樹脂発泡シートがその目的に応じて使用されており、シート形状のままガラス板の緩衝シートなどに用いられる他、シート成形法によって発泡トレーなどの立体的構造を有する発泡成形品を作製する際の原材料としても用いられている。
特に、表面に前記非発泡樹脂層を形成させた樹脂発泡シートは、表面が滑らかで、光沢を有する成形品を容易に形成させ得ることから種々の用途に広く用いられている。
このような緩衝シートや発泡トレーは、通常、静電気を帯電させやすく、埃を静電気的に吸着して汚れを発生させたり、火花放電によって電気・電子機器の故障を発生させたりするおそれを有する。
このようなことから、例えば、表面層を形成する樹脂組成物に帯電防止剤を配合して上記のような問題を抑制させることが従来検討されている(下記特許文献1参照)。
このような帯電防止性能を樹脂発泡シートに発揮させるための帯電防止剤としては、下記特許文献1に記載されているような高分子型の帯電防止剤に比べて、安価で、しかも、少ない添加量で優れた帯電防止効果が得られる低分子型の帯電防止剤が広く用いられている。
中でも、非イオン性帯電防止剤は、樹脂発泡シートの帯電防止に広く用いられている。
このような帯電防止剤は、樹脂発泡シートの表面に滲出する、いわゆる、ブリードアウトと呼ばれる現象を起こして樹脂発泡シートの表面抵抗率を低下させる作用を生じるものである。
したがって、例えば、樹脂発泡シートの表面層の形成に、非イオン性帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いたとしても、樹脂発泡シートが製造された後、しばらく時間を経過して初めて帯電防止効果が発揮されるものである。
このようなことから帯電防止性能の出現まで保管期間を設ける必要が生じ、メーカーなどにおいては、多大なスペースをその保管のために使用している。
したがって、このような樹脂発泡シートにおいては、従来、より早い帯電防止性能の発揮が望まれているが、これまで帯電防止性能の出現までの期間を短縮させる具体的な手段は見出されてはいない。
特開2006−035832号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、製造後にすばやく帯電防止性能が発揮される樹脂発泡シートの提供を課題としている。
上記課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討を行った結果、ポリプロピレン系樹脂組成物に所定の成分を含有させることにより、非イオン性帯電防止剤のブリードアウトを促進させうることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、樹脂発泡シートに係る本発明は、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを有する積層構造を備え、表面層が前記非発泡樹脂層である樹脂発泡シートであって、結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体か、又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂かのいずれかを非イオン性帯電防止剤とともに含有するポリプロピレン系樹脂組成物で前記表面層が形成されていることを特徴としている。
本発明においては、非イオン性帯電防止剤とともに、結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体か、又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂かのいずれかが、表面層の形成に用いられているポリプロピレン系樹脂組成物に含有されている。
そして、このエチレン−α−オレフィン共重合体や低密度ポリエチレン樹脂を非イオン性帯電防止剤の拡散に有効に利用することができることから、ブリードアウトの促進を図り得る。
したがって、製造後にすばやく帯電防止性能が発揮されうる。
本実施形態に係る樹脂発泡シートの構造を示す断面図。 本実施形態に係る樹脂発泡シートの製造装置の構成を示す概略図。 合流金型の構造を示す断面図。 「縞立ち」の形成プロセスを示す概略図。
以下に、樹脂発泡シートとして、非発泡樹脂層である表面層と、発泡樹脂層とが積層された積層構造を有する樹脂発泡シートを例示しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態における樹脂発泡シート1は、上面側と下面側とのそれぞれの表面を構成する非発泡樹脂層(表面層11、12)とその間に形成された発泡樹脂層20との3層の積層構造を有している。
すなわち、本実施形態の樹脂発泡シート1は、この発泡樹脂層20を介してその両側に非発泡樹脂層(表面層11、12)を有する状態に形成されている。
この表面層11、12は、いずれもポリプロピレン系樹脂成分を主成分とするポリプロピレン系樹脂組成物によって非発泡状態となるように形成されたものである。
本実施形態の樹脂発泡シート1においては、図1正面視上側の表面層11(以下「第一表面層11」ともいう)と、下側の表面層12(以下「第二表面層12」ともいう)とは、必ずしも、その構成を一致させている必要はなく、それぞれの厚みなどを異ならせていても良い。
また、前記発泡樹脂層20は、ポリプロピレン系樹脂成分を主成分とするポリプロピレン系樹脂組成物が後述する方法で押出し発泡されて形成されたものである。
そして、前記表面層11、12は、それぞれを形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物が後述する方法で前記発泡樹脂層20を形成させるための前記ポリプロピレン系樹脂成分とともに共押出しされて形成されたものである。
前記表面層11、12と前記発泡樹脂層20との形成に用いられているポリプロピレン系樹脂組成物は、それぞれに適した組成とされることから、通常、異なる組成のものが用いられる。
また、本実施形態の樹脂発泡シート1においては、第一表面層11と第二表面層12との形成に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物の配合内容は異ならせてもよい。
本実施形態に係る樹脂発泡シート1においては、優れた帯電防止性能を発揮させるべく前記表面層11、12を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物には、非イオン性帯電防止剤が、結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体か、又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂かのいずれかとともに含有されていることが重要である。
すなわち、本実施形態に係る樹脂発泡シート1は、結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体か、又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂かの少なくとも一方とポリプロピレン系樹脂とを含有するポリマー成分及び非イオン性帯電防止剤を含む樹脂組成物によって前記表面層11、12が形成されている。
このポリプロピレン系樹脂組成物の主たるポリマー成分であるポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず一般的なポリプロピレン系樹脂が使用可能である。
なかでも、メルトマスフローレイト(MFR)が0.5g/10分以上、10g/10分以下で、溶融張力が、5cN以上50cN以下の特性を有するような高溶融張力ポリプロピレン樹脂(HMS−PP)が好適に使用されうる。
このHMS−PPとしては、電子線などの活性エネルギー線の照射によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたり、化学架橋によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたりして高い溶融張力が付与されたものが用いられ得る。
また、ポリエチレンブロックなどのオレフィンブロックを分子内に導入させて、オレフィンブロックとポリプロピレンブロックとのブロックコポリマー化によって高い溶融張力が付与されたHMS−PPも前記ポリプロピレン系樹脂組成物のベースポリマーとして用いられ得る。
このようなHMS−PPの中でも化学架橋によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたものが前記表面層11、12の形成材料として好適に用いられ得る。
このHMS−PP以外に前記ポリマー成分として用いるポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂(PP)などが挙げられる。
前記表面層11、12を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物に含有させる非イオン性帯電防止剤としては、例えば、アルコール系帯電防止剤、エーテル系帯電防止剤、エステル系帯電防止剤、エステル・エーテル系帯電防止剤などが挙げられる。
さらに、前記非イオン性帯電防止剤としては、例えば、アミン系帯電防止剤や、アミド系帯電防止剤などの窒素含有型の帯電防止剤が挙げられる。
この非イオン性帯電防止剤は、ポリプロピレン系樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下となる割合でポリプロピレン系樹脂組成物に含有されることが好ましく、1.0質量部以上4.0質量部以下となる割合とされることがより好ましい。
非イオン性帯電防止剤の含有量が上記のような範囲内であることが好ましいのは、少量では帯電防止性能が十分発揮されないおそれを有する一方で過剰な含有量とすると得られる樹脂発泡シートがコスト高となるおそれを有するためである。
また、上記に示す上限値を超えて非イオン性帯電防止剤を含有させた場合には、表面層を押出す際に押出し機内におけるスリップが発生して吐出量変動などを発生させるおそれも有する。
前記アルコール系帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(又はポリエチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)ブロック共重合体などのポリアルキレンオキシドなどが挙げられる。
なお、前記アルコール型帯電防止剤において、アルキレンオキシドの重合度は、通常、1以上、300以下(例えば、5以上、200以下)であり、好ましくは10以上、150以下(例えば、10以上、100以下)である。
さらに好ましくは15以上、50以下程度である。
前記エーテル系帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。
前記エステル系帯電防止剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル等の多価アルコール脂肪酸エステル;が挙げられ、例えば、グリセリンモノステアリン酸エステルなどのグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記エステル・エーテル系帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンオレイン酸エステル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル;が挙げられ、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
前記窒素含有型の帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミンなどの炭素数6以上、24以下程度のアルキル構造を分子中に有するポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレンステアリン酸アミドなどの炭素数6以上、24以下程度の脂肪酸構造を分子中に有するポリオキシエチレン脂肪酸アミド;N−エタノールアルキルアミンなどのN−アルカノールアルキルアミンや、N,N−ジエタノールアルキルアミンなどのN,N−アルカノールアルキルアミンなどのアルカノールアルキルアミン;N−エタノールステアリン酸アミドなどのN−アルカノール脂肪酸アミドや、N,N−ジエタノールステアリン酸アミドなどのN,N−アルカノール脂肪酸アミドなどのアルカノール脂肪酸アミドが挙げられる。
なお、前記非イオン性帯電防止剤を構成するアルキルや脂肪酸としては、通常、炭素数6以上、24以下程度のものが挙げられる。
脂肪酸については飽和脂肪酸、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数6以上、24以下の飽和脂肪酸;オレイン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
また、この非イオン性帯電防止剤に加えてアニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、高分子型帯電防止剤を併用しても良く前記アニオン系低分子型帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩などが挙げられ、カチオン系低分子型帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩などが挙げられ、両性系低分子型帯電防止剤としては、アルキルベタインなどが挙げられる。
また、前記高分子型帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミドなどのアイオノマーやその第四級アンモニウム塩や、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体)などのオレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体等が挙げられる。
この非イオン性帯電防止剤やアニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤といった低分子型の帯電防止剤は、樹脂発泡シート1の表面に滲出し、いわゆる、“ブリードアウト”と呼ばれる現象を生じて帯電防止機能を発揮するものである。
したがって、表面層11、12を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物には、前記非イオン性帯電防止剤とともに、該非イオン性帯電防止剤のブリードアウトを促進させる成分を含有させることが必要である。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体(結晶化度20〜55%)や前記低密度ポリエチレン樹脂(結晶化度20〜55%)は、この非イオン性帯電防止剤のブリードアウトを促進させる成分として含有されるものである。
このエチレン−α−オレフィン共重合体や低密度ポリエチレン樹脂は、表面層11、12を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物に1種単独で含有させても良く、複数種を含有させても良い
また、エチレン−α−オレフィン共重合体の1種以上と低密度ポリエチレン樹脂の1種以上とを混合して非イオン性帯電防止剤のブリードアウト促進成分とすることも可能である。
なお、非イオン性帯電防止剤のブリードアウトを促進させるためには、これらの合計量は、ポリプロピレン系樹脂組成物のポリマー成分において20質量%以上とされることが好ましく、25質量%以上とされることがより好ましい。
また、上限は、通常、40質量%程度であり、好ましくは35質量%とされる。
このエチレン−α−オレフィン共重合体又は低密度ポリエチレン樹脂における結晶化度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」により測定することができる。
具体的には、SIIナノテクノロジー社製の示差走査熱量計(DSC)装置「DSC6220型」を用い、測定容器に試料を7mg充てんして、窒素ガス流量30ml/minのもと10℃/minの昇温冷却速度で昇温・冷却しながら、DSC曲線がベースラインから離れた点を結晶化、融解の開始点とし、再びベースラインに戻った点をこれらの終了点として結晶化熱量と融解熱量を測定し、結晶化度を次式により求めることができる。

結晶化度(%)=(結晶化熱量(mJ)/完全結晶の融解熱量(mJ))×100

(ただし、完全結晶融解熱量(理論値)は、285.7mJ/mgとする。)
ポリプロピレン系樹脂組成物のポリマー成分は、前記ポリプロピレン系樹脂と、この非イオン性帯電防止剤のブリードアウトを促進させるための成分のみで構成させても良く、これらに、さらに、ポリプロピレン系樹脂との親和性が高いオレフィン系樹脂などを適宜加えて構成させることができる。
なお、このポリプロピレン系樹脂組成物は、樹脂発泡シート1の表面を構成させるものであるため、この表面に備えさせる機能を発揮させるための各種添加剤を必要に応じて含有させることができる。
例えば、耐候剤、老化防止剤を含有させて樹脂発泡シート1や発泡トレーの劣化防止を図ったり、スリップ剤を含有させてすべり性の向上を図ったりすることができる。
あるいは、顔料を含有させて着色による美観の向上を図ったりすることができる。
このとき、例えば、発泡トレーの外側に相当する側にだけ顔料を含有させて着色を施し、発泡トレーの内側に相当する側は自然色(あるいは白色)とすることもできる。
また、前記非イオン系帯電防止剤や、ブリードアウト促進成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体、あるいは、低密度ポリエチレン樹脂も、発泡トレーの外側に相当する側にだけ含有させて内側に相当する側には含有させないようにすることも可能である。
本実施形態に係る樹脂発泡シート1は、前記表面層11,12が上記のようなポリプロピレン系樹脂組成物によって形成されることによって、シート形状のままガラス板の緩衝材として利用される場合や、精肉、鮮魚などの展示用容器などとして汎用されている発泡トレーに成形加工される場合など、多くの場合において求められている帯電防止性能が発揮されることとなる。
一方で、前記発泡樹脂層20の形成に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物は、本実施形態に係る樹脂発泡シート1を製造する際に“縞立ち”などと呼ばれる問題が発生することを抑制し得る点において、前記高溶融張力ポリプロピレン樹脂(HMS−PP)の占める割合が20質量%以上50質量%未満であることが好ましい。
なお、この“縞立ち”とは、押出し発泡によって樹脂発泡シートを形成させる際に見られるもので、縞状に見られる部分とそうでない部分とで物性の変化を生じさせるものである。
この“縞立ち”の現象については、押出し条件などによって表面光沢などの風合いの違いが押出し方向に連続する縞状に見られるもので、この縞模様においては、通常、表面の風合いのみならずシートの厚みや密度(発泡度)などをも相違させている。
したがって、樹脂発泡シートに“縞立ち”を発生させると、この縞となって見える箇所とそうでない箇所との界面においてシート物性が大きく変化するため真空成形や圧空成形においてこのような箇所に過大な伸びが生じる結果、成形品に外観不良や“裂け”の不具合を生じさせる可能性が高くなる。
そのためその防止方法が広く求められているものである。
この“縞立ち”の抑制に重要な関係を有するHMS−PPには、電子線などの活性エネルギー線の照射によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたり、化学架橋によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたりして高い溶融張力が付与されたものが用いられ得る。
また、ポリエチレンブロックなどのオレフィンブロックを分子内に導入させて、オレフィンブロックとポリプロピレンブロックとのブロックコポリマー化によって高い溶融張力が付与されたものもHMS−PPとして用いられ得る。
このHMS−PP以外のポリプロピレン系樹脂としては、実質的にプロピレン成分のみからなるホモポリプロピレン樹脂(PP)が挙げられる。
なお、ポリプロピレン系樹脂が、HMS−PPであるか、そうでないかについては、上記のような分子構造上の違いのみならず、通常、その溶融張力をもって判定することができる。
本明細書において高溶融張力ポリプロピレン樹脂(HMS−PP)とは、メルトマスフローレイト(MFR)が0.5g/10分以上、10g/10分以下で、溶融張力が、5cN以上50cN以下のものを意図している。
そして、このMFRについては、JIS K7210(1999)のA法に準拠して、試験温度230℃、荷重21.18N(2.16kgf)にて測定され、“溶融張力”については、具体的には、以下のようにして測定され得る。
すなわち、“溶融張力”については、垂直方向に配された内径15mmのシリンダー内に試料となるポリプロピレン系樹脂を収容させて、230℃の温度で5分間加熱して溶融させた後に、シリンダーの上部からピストンを挿入して、該ピストンで押出し速度が0.0773mm/s(一定)となるようにしてシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90度(コニカル))から溶融樹脂を紐状に押し出させ、この紐状物を、上記キャピラリーの下方に配置した張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて巻き取らせることで測定することができ、巻取り初めの初速を4mm/sとし、その後の加速を12mm/s2として徐々に巻取り速度を速め、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を“破断点速度”として決定し、この“破断点速度”が観察されるまでの最大張力を“溶融張力”として測定することができる。
なお、本明細書においては、ある程度の溶融張力を有するようにオレフィンブロックが導入されたブロックコポリマーであっても、上記測定による溶融張力の値が、前記の値に及ばないものは、本実施形態においてポリプロピレン系樹脂組成物中の含有量を規定するHMS−PPとしては扱わないものとする。
以下において、「ブロックコポリマー」や「ブロックPP」との用語は、特段の記載がない限りにおいて、オレフィンブロックとポリプロピレンブロックとを有するブロックコポリマーの内の溶融張力の値が、前記の値に及ばない(「HMS−PP」に該当しない)ものを意図して用いる。
上記溶融張力の値を示すHMS−PPの具体例としては、例えば、Borealis社から、商品名「WB130HMS」、「WB135HMS」、及び「WB140HMS」として市販されているものが挙げられる。
また、HMS−PPの具体例としては、Basell社から、商品名「Pro−fax F814」として市販されているものが挙げられる。
さらに、日本ポリプロ社から、商品名「FB3312」、「FB5100」、「FB7200」、及び「FB9100」として市販されているものもHMS−PPの具体例として挙げられる。
なかでも、化学架橋によって分子内に自由末端長鎖分岐を形成させたBorealis社の商品名「WB135HMS」などを採用することが発泡樹脂層20を押出し発泡によって形成させる際の発泡度の向上などを容易に図り得る上において好適である。
このHMS−PPが、ポリプロピレン系樹脂組成物に含有されているポリマー成分に20質量%以上50質量%未満となる割合で含有されることが好ましいのは、ポリマー成分全体に占めるHMS−PPの割合が50質量%以上になると、当該ポリプロピレン系樹脂組成物が、押出し発泡されて樹脂発泡シートが作製される際に“縞立ち”を発生させ易いためである。
また、HMS−PPの下限値が20質量%とされているのは、HMS−PPがこれを下回る含有量とされると、ポリプロピレン系樹脂組成物を良好な状態で発泡させることが難しくなって、押出し条件を狭くさせてしまうおそれを有するためである。
このような観点において、全ポリマー成分におけるHMS−PPの含有量は、25質量%以上50質量%未満であることがより好ましく30質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、このHMS−PPを含めた全てのポリプロピレン系樹脂の合計量が、発泡樹脂層20の形成に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物の全ポリマー成分に占める割合としては、通常、80質量%以上とされ、好ましくは90質量%以上とされる。
このポリプロピレン系樹脂成分以外にポリマー成分を構成すべく用いられるものとしては、ポリプロピレン系樹脂に相溶性の高いポリマーが好適であり、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリブテン樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂などのポリオレフィン系樹脂や、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)が挙げられる。
また、前記発泡樹脂層20の形成に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物には、上記のようなポリマー成分以外に、通常、発泡のための成分が含有されることとなる。
この発泡のための成分としては、例えば、押出し温度において気体状態となるガス成分や、該ガス成分によって気泡を形成させる際の核となる核剤や、押出し温度において熱分解を生じて気体が発生される熱分解型発泡剤などが挙げられる。
前記ガス成分としては、プロパン、ブタン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素、窒素、二酸化炭素、水などが挙げられる。
なお、これらのガス成分は単独で使用されても複数併用されてもよい。
前記核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレン、などの有機化合物粒子などが挙げられる。
この核剤は、例えば、マスターバッチ方式で発泡樹脂層の形成材料に含有させることができ、前記核剤を5質量%以上、50質量%以下の範囲の内のいずれかとなるようにマトリックス樹脂に分散させたマスターバッチを用いることで、核剤をより効果的に使用することができる。
さらに、加熱分解型の発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などが挙げられる。
この加熱分解型の発泡剤についても、10質量%以上50質量%以下の範囲の内のいずれかの含有量となるようにマトリックス樹脂に分散させてマスターバッチ化することで、より効果的に使用することができる。
また、発泡樹脂層20の形成に用いるポリプロピレン系樹脂組成物には、一般的な樹脂製品の形成に利用される樹脂組成物と同様に各種添加剤を含有させることができ、例えば、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤などを適宜含有させることができる。
このような樹脂発泡シート1における第一表面層11、第二表面層12、及び発泡樹脂層20の各層の厚みは、特に限定がされるものではないが、第一表面層11や第二表面層12は、通常、50μm以上150μm以下の範囲の内のいずれかの厚みとされる。
また、発泡樹脂層20は、通常、0.5mm以上5.0mm以下の範囲の内のいずれかの厚みとなるように形成され、密度(見掛け密度)が0.15g/cm3以上0.6g/cm3以下とされる。
このような樹脂発泡シート1は、樹脂発泡シートの製造に一般的に用いられる押出し機を用いて前記ポリプロピレン系樹脂組成物の押出し発泡を実施することによって製造することができる。
以下に、樹脂発泡シート1の製造方法について、図2、図3を参照しつつより詳しく説明する。
なお、図2は、樹脂発泡シートの製造装置にかかる概略構成図であり、図3は、図2に示されている合流金型(符号XH)の内部の様子を示す断面図である。
また、図4は、ポリプロピレン系樹脂組成物が押出し発泡される様子を示すものであり図2の破線Aによって示される部分の様子を示したものである。
この図2に示されている樹脂発泡シートの製造装置には、タンデム押し出し機である第1押し出し機70と、シングル押し出し機である第2押し出し機80の2系列の押し出し機が備えられている。
また、これらの押し出し機において溶融混練された樹脂組成物が合流される合流金型XHと、該合流金型XHで合流された樹脂組成物を筒状に吐出するサーキュラーダイCDとが備えられている。
さらに、この製造装置には、サーキュラーダイCDから筒状に吐出された樹脂発泡シートを空冷する冷却装置CLと、この筒状の樹脂発泡シートを拡径して所定の大きさの筒状にするためのマンドレルMDと、該マンドレルMD通過後の樹脂発泡シートをスリットして2枚のシートに分割するスリット装置(図示せず:図2においては上下に分割する様子のみを示す)と、スリットされた樹脂発泡シート1を複数のローラ91を通過させた後に巻き取るための巻き取りローラ92が備えられている。
前記第1押し出し機70は、発泡樹脂層20を形成させるためのものであり、その上流側の押し出し機(以下「上流側押し出し機70a」ともいう)には、発泡樹脂層20を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物(以下「発泡性樹脂組成物」ともいう)を投入するためのホッパー71と、炭化水素などのガス成分をシリンダー内に供給するためのガス導入部72が設けられている。
そして、この上流側押し出し機70aの下流側には、ベース樹脂とガス性成分とを含有する発泡性樹脂組成物を溶融混練して合流金型XHに吐出するための押し出し機(以下「下流側押し出し機70b」ともいう)が備えられている。
また、前記第2押し出し機80は、第一表面層11と第二表面層12とを形成させるためのものであり、非発泡な状態で表面層を形成するためのポリプロピレン系樹脂組成物(以下「非発泡性樹脂組成物」ともいう)をホッパー81から投入して、シリンダー内部で非発泡性樹脂組成物を溶融混練して合流金型XHに吐出すべく構成されている。
前記合流金型XHは、図3にその概略断面図を示すように、図3正面視右側から左側に向けて中心部を貫通する第一の樹脂流路W1と、この第一の樹脂流路W1の途中において該第一の樹脂流路W1内に樹脂を流入させるための第二の樹脂流路W2と、この第二の樹脂流路W2よりも上流側(図3正面視右側)において該第一の樹脂流路W1内に樹脂を流入させるための第三の樹脂流路W3とが形成されている。
前記第二の樹脂流路W2は、樹脂流路W1を形成する壁面に開口された円環状のスリットS1から樹脂流路W1に樹脂組成物を流入させ得るように形成されており、前記第三の樹脂流路W3は、前記第一の樹脂流路W1の中心部に開口端を配した管体Pに接続され、第一の樹脂流路W1の中心部に樹脂組成物を流入させ得るように形成されている。
前記第一の樹脂流路W1は、その上流側が第1押し出し機70に接続され、下流側がサーキュラーダイCDに接続されており、前記第2の樹脂流路W2及び前記第三の樹脂流路W3は、第2押し出し機80から非発泡性樹脂組成物を流入させ得るように分配管Dを介して第2押し出し機80に接続されている。
すなわち、本実施形態の合流金型XHは、第一の樹脂流路W1の下流側において、非発泡性樹脂組成物/発泡性樹脂組成物/非発泡性樹脂組成物の3重構造となる円柱状の流れをサーキュラーダイCDに向けて供給しうるように備えられている。
そして、サーキュラーダイCDは、合流金型XHから流入される3重(中心から外側に向けて「非発泡製樹脂組成物」/「発泡性樹脂組成物」/「非発泡製樹脂組成物」)の樹脂組成物の流れに対して、該流れの中心部に設けた型で円柱状の流れを円筒状の流れに変化させて円環状の吐出孔から共押し出しされるべく形成されている。
このような装置によって樹脂発泡シートを作製するには、まず、第1押し出し機70のホッパー71から発泡樹脂層20の形成に用いるポリプロピレン系樹脂組成物を投入し、且つ第2押し出し機80に表面層11、12を形成するためのポリプロピレン系樹脂組成物を投入し、樹脂の溶融温度以上での溶融混練を各押し出し機内で実施させた後にサーキュラーダイCDから共押し出しする方法が挙げられる。
なお、それぞれの樹脂組成物は、予め均質な混合状態とさせておいても、別々にホッパーから投入して押出し機内で混合させるようにしてもよい。
これらの押し出し機の内、第1押し出し機70においては、発泡のための成分を溶融混練させる必要があることから、上流側押し出し機70aに設けられたガス導入部72からガス成分を圧入して溶融樹脂との混合が実施される。
前記サーキュラーダイCDからの共押し出しは、第1押し出し機70における上流側押し出し機70aで溶融混練された発泡性樹脂組成物を下流側押し出し機70bで押し出し発泡に適した温度に調整して合流金型XHへと送り、一方で第2押し出し機80では、非発泡性樹脂組成物を第一、第二表面層11、12の形成に適した温度に調整して合流金型XHへと送って溶融樹脂による積層構造を予め合流金型XH内に形成させることが実施可能ある。
そして、合流金型XH内で合流されたそれぞれの樹脂組成物を、サーキュラーダイCDの円環状の吐出孔から共押し出しさせ、それぞれのポリプロピレン系樹脂組成物によって発泡樹脂層20や表面層11、12を備えた積層構造を有する円筒状の発泡体を形成させる。
その後、前記発泡体をサーキュラーダイCDの吐出孔よりも径大なるマンドレルMDの外周面に沿わせて周方向に延伸させるとともに冷却し、冷却された発泡体を切断具(図示せず)で上下2分割して帯状の樹脂発泡シート1とし、それぞれロール92に巻き取らせる。
このとき発泡樹脂層20を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物にHMS−PPが含有されていることにより良好なる発泡性が発揮され前記円筒状の発泡体は、吐出された直後に発泡度の増大に伴う厚みの増大を生じ、見かけ上の体積を膨張させることになる。
なお、この発泡体は、厚み方向にのみ体積膨張するわけではなく、周方向にも体積膨張を生じる。
また、前記円筒状の発泡体は、ロール92による引取り力によってマンドレルMDの方向に移動され、該移動に伴って徐々にマンドレルMDの外径に近づくように拡径されることとなる。
したがって、図4に示すように、押出された後の周方向の膨張速度が、この発泡体FBが拡径されるスピード以下であれば特に問題を生じるおそれは低いが、通常は、サーキュラーダイCDの近傍においては、膨張速度が高いために発泡体FBに弛み部FEが形成される。
すなわち、サーキュラーダイCDとマンドレルMDとの間の発泡体FBは、サーキュラーダイCDの開口を上底とし、該サーキュラーダイCDに向けたマンドレルMDの端面を下底とした円錐台形状を想定するとロール92による引取り力が作用している箇所FT(以下「張力部FT」ともいう)は、前記円錐台形状の側面の傾斜に沿う形でサーキュラーダイCDからマンドレルMDの間を移動することになるが、前記弛み部FEは、その傾斜よりも内側を通ってサーキュラーダイCDからマンドレルMDの間を移動する。
しかもこのような場合には、通常、この発泡体FBには複数の弛み部FEが形成され、サーキュラーダイCD付近は、周方向に弛み部FEと張力部FTとが交互に形成された状態となる。
なお、体積の膨張は、通常、サーキュラーダイCDから僅かに離れた箇所で収束してしまうため、マンドレルMDに近い箇所においては、拡径の進行によって弛み部FEに周方向の張力が加えられるため、通常、“弛み”は観察されない。
しかし、この間、弛み部FEが解消されるまでの間に、弛み部FEと張力部FTとに加えられる延伸や、冷却風の当たり方(冷却条件)の違いによってシート厚みや、密度などにおいて違いが生じ、マンドレルMDを通過した後の樹脂発泡シートに、前記弛み部FEと前記張力部FTとの存在を原因とする縞模様が形成される。
本実施形態におけるポリプロピレン系樹脂組成物は、HMS−PPの含有量に上限が定められているために、発泡挙動がマイルドなものとなり、サーキュラーダイCDから押し出された後の体積膨張が緩やかなものとなる。
したがって、大きな弛みが発泡体FBに発生し難く、発泡体FBに加わる延伸が全体に略均一に作用され、冷却条件も略均一化されるため“縞立ち”が抑制されることとなる。
なお、HMS−PPの含有量が下限値未満となると、良好なる発泡状態とするための押出し条件が狭い範囲になることについては、先に示した通りである。
なお、引き取り速度(樹脂発泡シートが単位時間当たりにロール92に巻き取られる長さ)を早めることによって発泡体FBが拡径されるスピードを向上させることができるため、このことでも“縞立ち”の抑制を図ることが有る程度は可能であるが、前記体積膨張は、瞬時に生じることからポリプロピレン系樹脂組成物におけるHMS−PPの含有量を調整することに比べて、“縞立ち”の抑制効果は小さなものである。
また、引き取り速度を上げ過ぎると、発泡体FBに大きな張力を発生させることにもなるため、ポリプロピレン系樹脂組成物におけるHMS−PPの含有量によって“縞立ち”の抑制を図る方が簡便な方法であるとも言える。
なお、この引き取り速度は、作製する樹脂発泡シートの種類や厚みなどにもよるが、通常、2m/分以上10m/分以下とされる。
また、同様に、サーキュラーダイCDの口径(d1:吐出口の内側円と外側円との間の中間円の直径)とマンドレルMDの外形(d2)との比率(d2/d1)を大きなものとすることで、周方向への延伸を増大させることでも“縞立ち”の抑制を図ることが有る程度は可能であるが、このような場合における効果もHMS−PPの含有量を調整する場合において得られる効果に比べて小さなものである。
通常、この比率(d2/d1)は、1.9以上3.2以下とされる。
なお、サーキュラーダイCDのスリットクリアランスについては、通常、0.3mm以上1.5mm以下の範囲内から選択される。
さらには、発泡剤を調整することで、体積膨張の挙動をある程度は制御することができるものの発泡剤の含有量を過度に減量すると当然ながら樹脂発泡シートが良好なる発泡状態を示さなくなるおそれを有する。
このような観点からも、HMS−PPの含有量によって“縞立ち”の抑制を図る方法は簡便な方法であるとも言える。
なお、発泡剤は、例えば、ブタン(n−ブタン、i−ブタン、あるいは、これらの混合液)を用いるような場合であれば、通常、ポリマー成分100質量部に対する割合が、1質量部以上、6質量部以下とされる。
このようにして作製される樹脂発泡シートは、厚みや発泡状態も均質なものとなる。
また、表面層11、12においては、結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂が非イオン性帯電防止剤とともに含有されているため該非イオン性帯電防止剤が素早く表面にブリードアウトされ得る。
このことによって、常温に於いて、例えば、表面抵抗率が1×1013Ω/□以下に低下され帯電防止性能が発揮され得る。
したがって、所望の帯電防止性能が発揮されるまでの養生期間等を設けることなく、あるいは、設けるにしても短期間で済むため樹脂発泡シートの在庫期間の短縮を図り得る。
また、このような樹脂発泡シートは、その物性が均質化されているためシート成形法などによって成形加工する際に、局所的な伸びが発生して、成形品に“外観不良”や“裂け”が生じるおそれが低い。
すなわち、成形品の歩留まり向上に有用なものである。
なお、“縞立ち”によって厚みに変化があると、成形型に最初に接触する厚みの厚い部分においてブリードアウトされている帯電防止剤が、成形型との接触によって周囲に移動され易くなる。
しかも、シート成形法においては、樹脂発泡シートが加熱状態にされているため、帯電防止剤の移動性も高められているため、“縞立ち”によって厚みに変化があると、成形品の表面に帯電防止剤が濃化された箇所と、帯電防止性が失われてしまっている箇所とを形成させるおそれを有する。
すなわち、表面層11、12を成形型に接触させてシート成形法によって成形品を作製する場合に、本実施形態の樹脂発泡シートは、特に好適に用いられ得るものであるといえる。
なお、本実施形態においては、発泡樹脂層の両面を覆う表面層を有する3層構造の樹脂発泡シートを例示しつつ本発明の実施の形態を説明しているが、複数の発泡層を有する4層以上の積層構造を有する場合でも、表面層を上記のようなポリプロピレン系樹脂組成物で形成させる場合には、ブリードアウトの促進効果が発揮される点においては上記例示と同じである。
また、表面層が発泡樹脂層の片面側のみに形成されている場合も同様である。
なお、ここではこれ以上詳細に説明することを省略するが、樹脂組成物やその押出し発泡技術、あるいは、樹脂発泡シートやその製造方法などに関する技術事項で公知な事項については、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において本発明に採用が可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
樹脂発泡シートの作製には、図2に示すような装置構成と同種の設備を用いた。
すなわち、第1押し出し機70より発泡性樹脂組成物が流入される樹脂流路W1の上流側及び下流側の二箇所において第2押し出し機80より分岐管Dを介して非発泡性樹脂組成物が流入されるように、第1、第2押し出し機を合流金型XHに接続させ、該合流金型XHの下流側にサーキュラーダイCDを接続して共押し出しを実施した。
まず、発泡樹脂層の形成材料を溶融混合するための第1押し出し機として、口径が90mmの単軸押し出し機(上流側押し出し機)と、該単軸押し出し機に接続された口径が115mmの単軸押し出し機(下流側押し出し機)とからなるタンデム型押し出し機を用意した。
そして、Borealis社から商品名「WB135」として市販のHMS−PPを39質量%、日本ポリプロ社から商品名「BC6C」として市販のブロックPPを55質量%、サンアロマー社から商品名「Q−100F」として市販のTPOを6質量%の割合で含むポリマー成分と、これらのポリマー成分の合計量を100質量部とした場合に、0.5質量部となる重曹−クエン酸系発泡剤(大日精化社製マスターバッチ、商品名「ファインセルマスターPO410K」)を含む発泡樹脂層形成用のポリプロピレン系樹脂組成物を上流側の口径が90mmの単軸押し出し機一段目のホッパーに供給し、200℃〜210℃の温度で加熱溶融した後、この溶融樹脂100質量部に対する割合が、4質量部となるようにガス成分であるブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65質量%)を圧入し混練した。
この発泡性樹脂組成物を、下流側の押し出し機に供給し、発泡性樹脂組成物の温度を低下させ、120kg/時間の吐出量で押し出し機先端に接続された合流金型XHに供給した。
一方で、表面層の形成材料を溶融混合するための第2押し出し機として口径65mmの単軸押し出し機を用意した。
そして、Borealis社から商品名「WB135」として市販のHMS−PPを70質量%、日本ポリエチレン社から商品名「KS240T」(結晶化度:26%)として市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を質量%の割合で含むポリマー成分と、これらのポリマー成分の合計量を100質量部とした場合に、2.0質量部となる非イオン性帯電防止剤(花王社製、商品名「TS−2B」)を表面層形成用のポリプロピレン系樹脂組成物を第2押し出し機のホッパーに供給し、200℃の温度で加熱溶融した。
次いで、この溶融状態の(非発泡性の)ポリプロピレン系樹脂組成物を、分岐流路を有する分配管で二分した後、合流金型の管体とスリットから、それぞれの合計が15kg/時間となる量で吐出させ、発泡性樹脂組成物の内層側と外層側に積層合流させた後、合流金型先端に接続されたサーキュラーダイ(口径140mm、スリット間隙1.0mm)から135kg/時間となる樹脂吐出量で円筒状に共押し出しさせることによって発泡樹脂層を介してその内外両側に非発泡な表面層が積層された円筒状の発泡体を形成させた。
この押出し発泡によって作製された円筒状の発泡体を直径:414mm×長さ:500mmの冷却用マンドレル上に添わせて拡径させるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却し、該マンドレルの周方向に対称となる(180度ひらいた)2点でカッターにより切開して2枚の帯状の樹脂発泡シートを作製した。
得られた実施例1の樹脂発泡シートに対して、JIS K 6911−1995に基づき表面抵抗率を測定した。なお、前処理時間は24時間として測定を行った。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を温度22℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置した後、温度22℃、湿度60%の環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の抵抗値を測定し、次式により算出した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)
結果は、3.5×1012Ω/□の表面抵抗率の値が観測された。
また、この樹脂発泡シートには、目立った“縞立ち”は観測されなかった。
そして、シート成形法によって発泡トレーを作製したが、外観は美麗で機械的強度も優れたものであった。
(実施例2)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における日本ポリエチレン社製のエチレン−α−オレフィン共重合体(KS240T)に代えて、日本ポリエチレン社より商品名「LD400」として市販の結晶化度50%の低密度ポリエチレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例2の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、5.0×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例3)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における日本ポリエチレン社製のエチレン−α−オレフィン共重合体(KS240T)に代えて、日本ポリエチレン社より商品名「LF441B」として市販の結晶化度53%の低密度ポリエチレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例3の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、6.5×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例4)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における日本ポリエチレン社製のエチレン−α−オレフィン共重合体(KS240T)に代えて、住友化学工業社より商品名「エリクセン VL−100」として市販の結晶化度36%の超低密度ポリエチレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例4の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、4.0×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例5)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における非イオン性帯電防止剤の含有量を2.0質量部に代えて3.0質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例5の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、3.0×1011Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例6)
発泡樹脂層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物におけるHMS−PP(WB135)の割合を39質量%に代えて25質量%とし、代わりに、ブロックPP(BC6C)の割合を55質量%に代えて69質量%とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例6の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、3.5×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(比較例1)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における日本ポリエチレン社製のエチレン−α−オレフィン共重合体(KS240T)に代えて、日本ポリエチレン社より商品名「LF580」として市販の結晶化度59%の低密度ポリエチレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この比較例1の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、3.0×1013Ω/□の表面抵抗率を示し、実施例1の樹脂発泡シートに比べて非イオン性帯電防止剤の表面への移行性(ブリードアウト)が低いことがわかった。
ただし、樹脂発泡シート自体には、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例7)
発泡樹脂層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物におけるHMS−PP(WB135)の割合を39質量%に代えて18質量%とし、代わりに、ブロックPP(BC6C)の割合を55質量%に代えて76質量%とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例7の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、3.5×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
しかし、樹脂発泡シートは、上記のような製造条件では、十分な厚みとなるように発泡されておらず、目立った“縞立ち”は観測されなかったものの当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、機械的強度が他の実施例の場合に比べて劣るものであった。
すなわち、製造条件に微調整が必要な配合内容になっていることが確認できた。
(実施例8)
発泡樹脂層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物におけるHMS−PP(WB135)の割合を39質量%に代えて50質量%とし、代わりに、ブロックPP(BC6C)の割合を55質量%に代えて44質量%とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例8の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、3.5×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
しかし、樹脂発泡シートは、上記のような製造条件では、“縞立ち”が目立ち、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーには、穴あき不良が見られ、良好なる外観の発泡トレーを得ることが困難であった。
すなわち、製造条件に微調整が必要な配合内容になっていることが確認できた。
(実施例9)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における非イオン性帯電防止剤の含有量を2.0質量部に代えて0.5質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例9の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、9.0×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例10)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における非イオン性帯電防止剤の含有量を2.0質量部に代えて1.0質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例10の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、7.8×1012Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例11)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における非イオン性帯電防止剤の含有量を2.0質量部に代えて4.0質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例11の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、8.0×1010Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
(実施例12)
表面層を形成させるためのポリプロピレン系樹脂組成物における非イオン性帯電防止剤の含有量を2.0質量部に代えて5.0質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを製造し、発泡トレーを作製した。
この実施例12の樹脂発泡シートは、実施例1と同様に表面抵抗率を測定したところ、7.5×1010Ω/□の表面抵抗率を有していることがわかった。
また、目立った“縞立ち”は観測されず、当該樹脂発泡シートによって形成された発泡トレーは、外観が美麗で機械的強度に優れたものであった。
以上の実施例、比較例の検討結果を下記の比較表(表1)に示す。
Figure 0005572364
このようなことからも、本発明によれば、帯電防止剤のブリードアウトが促進され、帯電防止性能が発揮されるまでの樹脂発泡シートの保管期間の短縮を図り得ることがわかる。
1: 樹脂発泡シート
11: 第一表面層(非発泡樹脂層)
12: 第二表面層(非発泡樹脂層)
20: 発泡樹脂層

Claims (5)

  1. 発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを有する積層構造を備え、表面層が前記非発泡樹脂層である樹脂発泡シートであって、
    結晶化度が20%以上55%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体か、又は結晶化度が20%以上55%以下の低密度ポリエチレン樹脂かのいずれかを非イオン性帯電防止剤とともに含有するポリプロピレン系樹脂組成物で前記表面層が形成されていることを特徴とする樹脂発泡シート。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂組成物は、そのポリマー成分に占める前記エチレン−α−オレフィン共重合体の割合と前記低密度ポリエチレン樹脂の割合との合計が20質量%以上、40質量%以下であり、且つ、前記ポリマー成分100質量部に対する前記非イオン性帯電防止剤の割合が、0.5質量部以上、5.0質量部以下である請求項1記載の樹脂発泡シート。
  3. 前記発泡樹脂層の形成に用いられる樹脂組成物と前記ポリプロピレン系樹脂組成物とが共押出しされて前記表面層と前記発泡樹脂層とが積層されており、前記発泡樹脂層の形成に用いられる樹脂組成物が、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂組成物で、しかも、含有されているポリマー成分に占める割合が20質量%以上50質量%未満となるように前記高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有している請求項1又は2記載の樹脂発泡シート。
  4. 前記高溶融張力ポリプロピレン樹脂には、化学架橋によって自由末端長鎖分岐が備えられている請求項3記載の樹脂発泡シート。
  5. 加熱された状態で成形加工が施され、しかも、前記表面層を成形型に接触させて前記成形加工が施される用途に用いられる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
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