JPH09105056A - 弾性伸縮性不織布 - Google Patents

弾性伸縮性不織布

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JPH09105056A
JPH09105056A JP8198845A JP19884596A JPH09105056A JP H09105056 A JPH09105056 A JP H09105056A JP 8198845 A JP8198845 A JP 8198845A JP 19884596 A JP19884596 A JP 19884596A JP H09105056 A JPH09105056 A JP H09105056A
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ethylene
nonwoven fabric
resin composition
elongation
density
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JP8198845A
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Kazunari Nishino
野 和 成 西
Shigeyuki Motomura
村 茂 之 本
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】等方的に優れた伸縮性を有し、50%伸長後の
残留歪が10%以下、かつ100伸長後の残留歪が25
%以下であり、通気性に優れ、さらに繊維径が細かく、
均一性に優れた弾性伸縮性不織布の提供。 【解決手段】エチレン・α−オレフィン共重合体を主成
分とする樹脂組成物(A)と、スチレン−エチレン/ブ
チレン−スチレンブロック共重合体を含有する樹脂組成
物(B)とを、(A)/(B):90/10〜50/5
0の重量割合で含む混合物からなる弾性伸縮性不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性伸縮性不織布に
関し、特に等方的に優れた伸縮性を有し、50%伸長後
の残留歪が10%以下、かつ100%伸長後の残留歪が
25%以下であり、通気性に優れ、さらに繊維径が細か
く、均一性に優れた弾性伸縮性不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、不織布は、各種用途に用いられ、
また、その用途が拡大されている。例えば、おむつ用伸
縮性部材、使い捨てパンツ用伸縮性部材、生理用ナプキ
ン等の衛生材料の伸縮性部材、伸縮性テープ、伸縮性包
帯、サポーター、手袋、ウレタンゴム紐代替品、湿布材
の基布、合成皮革の基材、マスク、その他の医療関連部
材、芯地等の衣料用部材などの各種の用途に用いられて
いる。これらの用途に用いられる不織布は、装着または
使用時の動きに柔軟に対応して適度なフィット感、ある
いは肌触り、風合い等を与えるために、適度な弾性また
は伸縮性を有することが要求される。また、いわゆる”
ヘタリ”が少ない、すなわち、引張、伸長等による強度
の弾性変形後にも所定の弾性力を発揮する性質として、
残留歪が少なく弾性回復率が大きいことも要求される。
【0003】従来、弾性不織布として、メルトブローン
法によって、エラストマー樹脂を高温で溶融混練し押し
出して微細な樹脂流とし、この樹脂流を高速の加熱気体
と接触させて極細繊維とし、さらに極細繊維を多孔性支
持体上に集積させてなるものが知られている。しかし、
メルトブローン法による弾性不織布の成形は、高温によ
る成形であるため、エラストマー樹脂中のスチレンに由
来する構造単位が高温により分解するおそれがある。そ
のため、成形温度を低温にせざるを得ず、得られる不織
布は、繊維径が太く、均一性が悪く、均一性を改善する
ために目付量を増加させるとコストの上昇を招き、その
用途が制限されるものであった。また、エラストマー樹
脂は、ゴム様のぬめり感があり、さらっとした感触に欠
ける特性(ゴムライク性)を有し、また、ソフトな感触
に欠ける短所があった。
【0004】これらのエラストマー樹脂のみからなる従
来の不織布の短所を改善するため、エラストマー樹脂
に、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
を混合した組成物を素材として用いた各種の不織布が提
案されている(特開平2−259151号公報、同3−
130448号公報、同4−136250号公報、同4
−257361号公報)。しかし、これらの不織布は、
ゴムライク性が改善され、また、ソフトな感触を有する
ものであるが、低応力下での伸縮性、および弾性回復性
が劣り、用途が制限されるものであった。また、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、あるいは
ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの熱可塑性
樹脂を素材として単独で用いて成形されたメルトブロー
法不織布は、柔軟性に優れ、風合いにも優れているもの
の、衛生材料、医療部材、衣料関連部材等の用途分野に
おいて要求される伸縮性等の弾性力において十分満足で
きるものではなかった。
【0005】さらに、伸縮性のある繊維材料として、ポ
リウレタン(特公昭43−2659号公報、同44−2
1508号公報)、ポリエステル系エラストマー(特開
昭57−82552号公報)を使用したものが知られ、
また、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレ
ンブロック共重合体等からなる繊維不織布も知られてい
る。しかし、これらの素材からなる不織布は、高価であ
り、通常のポリオレフィン不織布に比べ耐熱性にも劣っ
ているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、等方的に優れた伸縮性を有し、50%伸長後の残留
歪が10%以下、かつ100%伸長後の残留歪が25%
以下であり、通気性に優れ、さらに繊維径が細かく、均
一性に優れた弾性伸縮性不織布を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、前記
課題を解決するために、エチレン・α−オレフィン共重
合体を主成分とする樹脂組成物(A)と、スチレン−エ
チレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を含有す
る樹脂組成物(B)とを、(A)/(B):90/10
〜50/50の重量割合で含む混合物からなる弾性伸縮
性不織布を提供するものである。
【0008】以下、本発明の弾性伸縮性不織布(以下、
「本発明の不織布」という)について詳細に説明する。
【0009】本発明の不織布は、基本的に、エチレン・
α−オレフィン共重合体を主成分とする樹脂組成物
(A)と、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブ
ロック共重合体を主成分とする樹脂組成物(B)とを含
む混合物からなるものである。本発明の不織布は、1層
のみから構成されていてもよいし、複数層から構成され
ていてもよい。
【0010】樹脂組成物(A)の主成分であるエチレン
・α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィ
ンの共重合体である。α−オレフィンとしては、炭素数
3〜10のオレフィンが挙げられ、具体例としては、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げら
れ、これらの中でも、好ましくは炭素数3〜5のオレフ
ィン、特に1−ブテンが好ましい。また、このエチレン
・α−オレフィン共重合体は、エチレン含有量が85〜
95モル%、好ましくは88〜93モル%のものであ
る。
【0011】さらに、このエチレン・α−オレフィン共
重合体は、密度が0.910g/cm3 以下、好ましく
は0.87〜0.910g/cm3 のものである。
【0012】さらにまた、このエチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、結晶化度が5〜40%、好ましくは7〜
30%であるものである。結晶化度が40%を超えて高
くなると、引張応力−歪のヒステリシスループ特性が悪
化する傾向にある。本発明において、結晶化度は、X線
回折によって測定されるものである。
【0013】また、このエチレン・α−オレフィン共重
合体は、適度な粘度を示し、不織布の製造における成形
性が良好で、適正な繊維径で所望の強度を有する不織布
を得ることができる点で、メルトフローレートが15〜
200g/10分、さらに18〜100g/10分のも
のが好ましい。本発明において、メルトフローレート
は、ASTM D1238に準拠して190℃、荷重:
2.16kgで測定されるものである。
【0014】また、このエチレン・α−オレフィン共重
合体は、耐熱性に優れる点で、融点(Tm)が、40〜
110℃の範囲、特に80〜95℃の範囲にあるものが
好ましい。本発明において、融点は、DSC(示差走査
熱量計)で測定されるものである。
【0015】本発明において、樹脂組成物(A)は、前
記エチレン・α−オレフィン共重合体を1種単独でも2
種以上の組合せを含んでいてもよい。樹脂組成物(A)
におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の含有量
は、通常、60〜80重量%程度である。
【0016】また、樹脂組成物(A)は、前記エチレン
・α−オレフィン共重合体以外に、必要に応じて他の成
分を含んでいてもよい。例えば、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等を含んでいてもよい。
【0017】樹脂組成物(B)の成分であるスチレン−
エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(以
下、「SEBS」と略す)は、ポリスチレンブロック
と、ポリブタジエンブロックとのブロック共重合体の水
素添加共重合体である。このSEBSおよびそれを含有
する樹脂組成物(B)は、適度な粘度を示し、伸縮性不
織布の製造における成形性が良好で、適正な繊維径で所
望の強度を有する伸縮性不織布を得ることができる点
で、メルトフローレート(ASTM D1238,23
0℃,2.16kg)が40〜200g/10分、さら
に50〜150g/10分であるものが好ましい。
【0018】また、このSEBSおよびそれを含有する
樹脂組成物(B)は、成形性の点で、密度が0.88〜
0.93g/cm3 、さらに0.89〜0.92g/c
3のものが好ましい。
【0019】本発明において、樹脂組成物(B)は、前
記SEBSを1種単独でも2種以上の組合せを含んでい
てもよい。樹脂組成物(B)におけるSEBSの含有量
は、通常、20重量%以上である。
【0020】また、樹脂組成物(B)は、前記SEBS
以外に、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。例
えば、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体(SIS)等を含んでいてもよ
い。
【0021】本発明の不織布は、前記樹脂組成物(A)
と樹脂組成物(B)とを、(A)/(B):90/10
〜50/50、好ましくは85/15〜55/45、さ
らに好ましくは80/20〜60/40の重量割合で含
む混合物からなるものである。
【0022】本発明の不織布の製造は、例えば、前記樹
脂組成物(A)と樹脂組成物(B)とを含む混合物を、
高温で溶融混練し押し出して微細な溶融物流とする。こ
の溶融物流を高速の加熱気体流と接触させて不連続な微
細繊維とし、この微細繊維を多孔性支持体上に集積させ
る方法によって行うことができる。樹脂組成物(A)と
樹脂組成物(B)の溶融混練および押し出しは、メルト
ブロー装置等の装置を用いて、通常、230〜280
℃、80〜200kg/cm2 の圧力で行うことができ
る。また、押し出される溶融物流と接触される加熱気体
流は、230〜290℃程度の高圧空気をダイスから1
50〜300Nm3 /hrの流量で供給して用いられ
る。
【0023】本発明の不織布は、繊維径が3〜15μm
程度、好ましくは5〜12μm程度の繊維から構成され
るものである。目付量は、通常、10〜200g/m2
程度、好ましくは15〜60g/m2 程度である。
【0024】本発明の不織布は、50%伸長後の残留歪
が10%以下、かつ100%伸長後の残留歪が25%以
下であるものである。本発明において、50%または1
00%伸長後の残留歪とは、50%または100%伸長
のヒステリシスループにより測定される残留歪を言い、
引張試験において、50%および100%まで伸長さ
せ、その直後、同じ速度で伸長を緩和して元に戻した
際、試料の長さが、伸長前の試料の長さに対して伸びた
割合を言う。
【0025】本発明の不織布の厚さは、用途、要求品質
等に応じて適宜選択することができる。通常、0.15
〜0.30mm程度であり、好ましくは0.20〜0.
30mm程度である。この不織布の厚さは、JIS L
1906に準じて荷重20g/cm2 で測定されるもの
である。
【0026】
【作用】本発明において、樹脂組成物(B)の主成分と
して用いられるスチレン−エチレン/ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体(SEBS)は、単独でもメルトブ
ロー法によって伸縮性不織布を得ることが十分に可能で
あるが、得られる不織布は、ゴム様のぬめり感があり、
さらっとした感触に欠け、しかも繊維径が太く、均一性
に欠け、目付量を高くしないと、十分な特性を有するも
のが得られない短所があった。
【0027】そこで、弾性回復率を有し、しかも伸長性
の性質を持つエチレン・α−オレフィン共重合体を混合
して、SEBS単体の伸縮性を損なわずに、しかもゴム
様のぬめり感のある、さらっとした感触に欠ける特性
(ゴムライク性)を改善させることができたと考えられ
る。しかも、このSEBSとエチレン・α−オレフィン
共重合体の混合物からなるメルトブロー法不織布は、高
温成形によって分子内のスチレンに由来する構造単位が
分解して粘度が低下するおそれがないため、単独では繊
維径が3.0〜25.0μmと荒いSEBS繊維を、エ
チレン・α−オレフィン共重合体が補って繊維径を細く
する効果と、目付量が低下する効果があり、製造コスト
の低減が可能となる。このように、エチレン・α−オレ
フィン共重合体にSEBSを混合することにより、SE
BS単独の不織布よりも、繊維径が細く、均一性も良好
(目付量のむらが小さく)で、肌触り、風合いおよびソ
フト感が良好であるとともに隠蔽性にも優れ、しかも伸
縮性を損なうことなく、目付量を低くすることができ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例によって
本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例お
よび比較例における引張試験、耐水度および通気度の測
定、ヘタリならびにブロッキングの評価は、下記の方法
にしたがって行った。
【0029】(1)引張試験 幅25mmの不織布の試験片を、引張試験機を用いて、
チャック間距離100mmのチャックの間に保持し、室
温下、100mm/分の引張速度で引張試験を行った。
縦方向(MD)および横方向(CD)の2方向につい
て、伸び率が5%、10%、15%および20%、50
%および100%の時の荷重をそれぞれ測定し、さらに
破断するまで引張試験を継続し、破断したときの最大強
度および最大伸度を測定した。
【0030】(2)ヘタリの評価(残留歪の測定) 幅25mmの試験片を、引張試験と同様に、引張試験機
のチャック間距離100mmのチャックの間に保持し、
室温下、引張速度100mm/分で50%または100
%まで伸長させた後、同じ速度で戻し、応力が0となっ
た時の伸び率を残留歪として測定し、ヘタリの指標とし
た。また、50%伸長後の弾性回復率および100%伸
長後の弾性回復率を下記式にしたがって求めた。 50%伸長後の弾性回復率(%)=100−(残留歪×2) 100%伸長後の弾性回復率(%)=100−残留歪
【0031】(3)通気度 A法(フラジール形法)にしたがって、15cm×15
cmの試験片を3枚採取した。フラジール形通気性試験
機を用い、円筒の一端の底面に1枚の試験片を取り付け
た後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が水中1.27
cmの圧力で吸い込むように、吸い込みファンの吸い込
み力を調整した。そのときの垂直圧力計が示す圧力と、
使用した空気孔の種類から付属表により試験片を通過す
る空気量(cm3 /cm2 /s)を求めた。3枚の試験
片について測定を行い、平均値を求めて、測定値とし
た。
【0032】(4)耐水度試験(A法(低水圧法)) 耐水度試験装置を用い、15×15cmの試験片を4枚
採取し、試験片の表側(水に当たる部分が100c
2 )が水に当たるように保持し、水準装置を10±
0.5cm/分の速さで上昇させて、試験片の裏側の3
か所から水が出た時の水位を0.5cm単位で測定し
た。この試験を4枚の試験片について行い、測定値の平
均値を少数点以下1桁を四捨五入して表した。
【0033】(5)ブロッキング 不織布の約100mを、巻取った状態のまま常温で数日
以上放置した後、2次加工用原反ロールにセットし、そ
の繰り出し状態からブロッキングの有無を判断した。ブ
ロッキングが有る場合は、スムーズな繰り出しができな
い。
【0034】(比較例1)SEBS(MFR:160g
/10分(ASTM D1238,230℃、荷重2.
16kg),密度:0.91g/cm3 (JIS K7
112))を、シリンダー温度250℃、ダイス温度2
40℃、ダイス内エアー温度243℃、単孔吐出量0.
35g/分、捕集距離200mm、エアー量200Nm
3 /hの条件のメルトブローン法によって不織布を製造
した。得られた不織布は、平均繊維径16.4μmおよ
び最大径22.0μmの繊維からなるものであった。ま
た、この不織布を、一旦、巻き取った後、再度引き延ば
してみると、かなりブロッキングが生じていた。さら
に、得られた不織布の物性を評価または測定した。結果
を表1に示す。
【0035】(比較例2)エチレン・α−オレフィン共
重合体(MFR:70g/10分(ASTM D123
8,190℃、荷重2.16kg),密度:0.89g
/cm3 (JISK7112))を用いて、比較例1と
同様にして不織布を製造した。得られた不織布は、平均
繊維径7.0μmと比較例1に比して細い繊維からなる
ものであった。また、50%伸長後の回復率は比較例1
とほぼ同等であったが、100%伸長後の弾性回復率
(MD)が65%(残留歪35%)と比較例1に比して
低いものであり、しかも巻取り時のブロッキングが生じ
なかった。さらに、得られた不織布の物性を評価または
測定した。結果を表1に示す。
【0036】(比較例3)比較例1で使用したものと同
じSEBSと、LLDPE(MFR:50g/10分,
密度:0.938g/cm3 )とを、40/60の重量
割合で混合した樹脂混合物を用いた以外は、比較例1と
同様にして不織布を製造した。得られた不織布の物性を
評価または測定した。この不織布は、50%伸長後の弾
性回復率(MD)が64%(残留歪18%)、および1
00%伸長後の弾性回復率(MD)が50%(残留歪5
0%)と悪化し、伸度においても、LLDPEを混合し
た効果が得られなかった。結果を表1に示す。
【0037】(比較例4)比較例1で使用したものと同
じSEBSと、ポリプロピレン(MFR:200g/1
0分,密度:0.90g/cm3 )とを、60/40の
重量割合で混合した樹脂混合物を用いた以外は、比較例
1と同様にして不織布を製造した。得られた不織布の物
性を評価または測定した。この不織布は、50%伸長後
の弾性回復率(MD)が74%(残留歪13%)、およ
び100%伸長後の弾性回復率(MD)が72%(残留
歪28%)と比較例3よりも改善されたが、十分なもの
ではなかった。結果を表1に示す。
【0038】(比較例5)比較例1で使用したものと同
じSEBSと、ポリプロピレン(MFR:200g/1
0分,密度:0.90g/cm3 )とを、20/80の
重量割合で混合した樹脂混合物を用いた以外は、比較例
1と同様にして不織布を製造した。得られた不織布の物
性を評価または測定した。この不織布は、弾性回復率
が、比較例4よりも低いものであった。結果を表1に示
す。
【0039】(比較例6)市販のポリウレタン弾性不織
布について、物性の評価または測定を行った。この不織
布は、弾性回復率は優れているものであったが、目付量
が高く、平均繊維径が25.6μm、最大径50μmと
荒い繊維から構成されているものであった。結果を表1
に示す。
【0040】(実施例1)比較例2で使用したものと同
じエチレン・α−オレフィン共重合体と、比較例1で使
用したものと同じSEBSとを、80/20の重量割合
で混合した樹脂混合物を用いて、比較例1と同様にして
不織布を製造した。得られた不織布の物性を測定したと
ころ、50%伸長後の弾性回復率は、SEBS単体から
なる比較例1の不織布よりも高い値を示し、また、平均
繊維径も9.8μmと細く、巻取り時のブロッキングも
生じないものであった。結果を表1に示す。
【0041】(実施例2)エチレン・α−オレフィン共
重合体と、SEBSの重量割合を60/40とした樹脂
混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして不織布を
製造した。得られた不織布の物性を測定したところ、5
0%伸長後の弾性回復率は、実施例1よりもさらに改善
され、また、平均繊維径も11.2μmと比較例1の不
織布に比して細い繊維であった。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の不織布は、等方的に優れた伸縮
性を有し、50%伸長後の残留歪が10%以下、かつ1
00%伸長後の残留歪が25%以下であり、通気性に優
れ、さらに繊維径が細かく、均一性に優れたものであ
る。そのため、本発明の不織布は、各種の用途に好適に
用いることができる。例えば、おむつ用伸縮性部材、使
い捨てパンツ用伸縮性部材、生理用ナプキン等の衛生材
料の伸縮性部材、伸縮性テープ、伸縮性包帯、サポータ
ー、手袋、ウレタンゴム紐代替品、湿布材の基布、合成
皮革の基材、マスク、その他の医療関連部材、芯地等の
衣料用部材等の用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・α−オレフィン共重合体を主成
    分とする樹脂組成物(A)と、スチレン−エチレン/ブ
    チレン−スチレンブロック共重合体を含有する樹脂組成
    物(B)とを、(A)/(B):90/10〜50/5
    0の重量割合で含む混合物からなる弾性伸縮性不織布。
  2. 【請求項2】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、密度0.910g/cm3 以下、かつ結晶化度5〜
    40%であるものである請求項1に記載の弾性伸縮性不
    織布。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共
    重合体であり、エチレン含有量が85〜95モル%、メ
    ルトフローレート(190℃、荷重2.16kg)が1
    5〜200g/10分、密度が0.87〜0.910g
    /cm3 、かつ結晶化度が5〜40%であるものである
    請求項1に記載の弾性伸縮性不織布。
  4. 【請求項4】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、融点が40〜110℃の範囲にあるものである請求
    項1〜3のいずれかに記載の弾性伸縮性不織布。
  5. 【請求項5】前記樹脂組成物(B)が、メルトフローレ
    ート(230℃、荷重2.16kg)が40〜200g
    /10分、かつ密度が0.88〜0.93g/cm3
    ものである請求項1〜4のいずれかに記載の弾性伸縮性
    不織布。
  6. 【請求項6】50%伸長後の残留歪が10%以下、かつ
    100%伸長後の残留歪が25%以下である請求項1〜
    5のいずれかに記載の弾性伸縮性不織布。
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