JP2005186615A - 発泡シートの製造装置、およびそれを用いたプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも押出機とTダイ、冷却成形機、端部トリミング装置、引取機、切断機から構成される発泡シートの製造装置であって、端部がトリミングされた製品発泡シートの端面またはトリミングされて除かれたシート端部の端面をオンライン画像処理し、観察される連続気泡である巣のサイズと発生頻度を計測する巣計測装置を具備していることを特徴とする発泡シートの製造装置、およびこの製造装置を用いて、プロピレン系樹脂を発泡成形することを特徴とするプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法。
【選択図】 なし
Description
シートの巣の評価方法としては、端面を目視で評価する定性的な方法、製品端部の極めて一部であるサンプル小片の独立気泡率を評価するような方法(非特許文献1参照。)が知られている。
しかしながら、このような巣の評価方法では、製造条件に迅速に反映し、品質管理できる発泡シートの製造装置は構築できない。
すなわち本発明は、少なくとも押出機とTダイ、冷却成形機、端部トリミング装置、引取機、切断機から構成される発泡シートの製造装置であって、端部がトリミングされた製品発泡シートの端面またはトリミングされて除かれたシート端部の端面をオンライン画像処理し、観察される連続気泡である巣のサイズと発生頻度を計測する巣計測装置を具備している発泡シートの製造装置、該製造装置を用いたプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法を提供するものである。
さらに、このアダプタの内部にはスタティックミキサーと呼ばれる、駆動の無い攪拌羽根を挿入し、樹脂温度の均一化をはかることがより好ましい。
冷却成形機と引取機の間には、カッター刃を用いた端部トリミング装置が設けられ、シートを所定幅に左右両側をトリミングする。トリミングされて除かれたシート端部は、通常、粉砕機にて小片に粉砕され、脱気可能な造粒押出機にてペレット化され、リサイクルされる。
該巣計測装置の構成の一例を図1に示す。端部がトリミングされた製品発泡シート(1)の端面を照明(2)で照らしてCCDカメラ(3)で撮影し、画像処理装置(4)で画像処理して端面の巣を計測する。発泡シートの位置を特定するためにエンコーダ(7)で発泡シートの搬送速度を計測する。これらはパーソナルコンピュータ(PC)からなる制御処理装置(5)で制御およびデータ処理され、モニター(6)に表示される。更には結果等の印刷装置、警報装置が設けられる(図示されていない。)。
なお、上記のとおり、端部がトリミングされた製品発泡シート(1)の代わりにトリミングされて除かれたシート端部としても良いし、照明およびCCDカメラを増設し、製品発泡シートの左右両側の端面を計測するのが好ましい。
画像処理装置は、画像処理ウインドウをその厚み方向の二本の枠を撮影した画像の発泡シートの厚みの位置に設定する手段(画像処理ウインドウ設定手段)、設定した画像処理ウインドウの位置を補正する手段(位置補正処理手段)、処理ウインドウの画像を二値化する手段(二値化処理手段)、二値化した画像を収縮および膨張処理する手段(収縮膨張処理手段)並びに巣のサイズおよび個数を計測する手段(巣の計測手段)を有している。
先ず、巣を計測する領域である画像処理ウインドウが、その厚み方向の二本の枠を発泡シートの厚みの両端から0.3〜0.5mmの位置に設定される。通常、発泡シートの端面を水平状態で検査するので、画像処理ウインドウの上下の枠は、発泡シートの厚みの上下からそれぞれ0.3〜0.5mmの位置に設定される。これは、0.3mm未満の位置に設定すると、下記する画像処理ウインドウの位置補正処理を行っても、極僅かのずれによって画像処理ウインドウの上端部または下端部に、背景に由来する巣と区別し難い画像が現れるので、それを防止するためである。また、発泡シートの厚みの両端から0.5mm以内には巣の発生が見られないことからである。
このようにして搬送する発泡シートの端面の巣が画像処理ウインドウ単位で連続して計測される。
プロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等、公知のプロピレン系樹脂を用いることができる。
MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) (1)
直鎖状プロピレン系樹脂としては、例えば特開平11−228629号公報に開示された、超高分子量成分を導入したプロピレン重合体(T)、すなわち、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得られ、極限粘度が3dl/g未満であり、結晶性プロピレン重合体部分(A)の割合が0.05重量%以上35重量%未満であるプロピレン重合体(T)が挙げられる。
分岐状プロピレン系樹脂としては、特開昭62−121704号公報に開示されたような直鎖状プロピレン系樹脂に放射線を照射して得られる樹脂を挙げることができる。このような分岐状プロピレン系樹脂は、株式会社サンアロマよりPF814、SD632として上市されている。
使用される物理発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、空気、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタンなどを例示することができ、好ましくは窒素ガス、炭酸ガス、空気等の安全で環境にやさしい無機ガスを用いることである。とりわけプロピレン系樹脂への溶解性が高い炭酸ガスを発泡剤として用いることにより、発泡倍率の高い発泡シートを製造することができるため、炭酸ガスの利用が好ましい。炭酸ガスは7.4MPa以上、31℃以上で超臨界状態となり、樹脂への拡散、溶解性に優れた状態になるため、このような条件下で使用することがより好ましい。
発泡剤として物理発泡剤を使用する場合には、気泡核剤を添加することが好ましい。気泡核剤としては、タルク、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、マイカ、クレー、ワラストナイト、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、PMMA等のポリマービーズ、合成アルミノシリケートや下記の化学発泡剤等を使用することができ、その添加量は通常発泡層を形成する樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部である。
また発泡剤として化学発泡剤を使用する場合には、その分解温度・速度を調整するために酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素などの発泡助剤を添加してもよい。
例えば、発泡層の樹脂組成物がプロピレン系樹脂である場合、融点に近い180℃近辺が好ましい。樹脂温度を制御する方法としては、例えば、押出機やギアポンプ、Tダイなどの設定温度を変更する方法、スクリュー1回転当たりの押出量を増加させる方法、ギアポンプの上流側の樹脂圧力を低く設定し一定となるよう制御する方法などが挙げられる。スクリュー1回転当たりの押出量を増加させる方法は、具体的には2軸押出機の場合、押出機投入口に供給する原料重量は一定とし、投入口が原料で充満しないか、もしくは押出機のトルクが上限を超えない限りにおいて、スクリューの回転数を低くすることである。ギアポンプの上流側の樹脂圧力を低く設定し一定となるよう制御する方法としては、具体的には、ギアポンプの回転数にフィードバックし、上流側の樹脂圧力が高くなるとギアポンプの回転数を速くすることである。もしくは、ギアポンプの回転数は一定とし、スクリュー回転数にフィードバックし、ギアポンプ上流側の樹脂圧力が高くなるとスクリューの回転数を遅くすることも可能である。
発泡倍率は発泡剤の添加量で決まるが、発泡剤添加量を横軸にして発泡倍率を縦軸にすると添加量にしたがって発泡倍率が直線的に上昇したのち、あるところで発泡倍率が直線から外れて低下しやすい。したがって、同じ発泡倍率であっても発泡剤を多く入れすぎて直線関係から外れた状態の可能性もあるため、発泡剤の添加量を少しずつ減らして発泡倍率との関係を調べることが好ましい。
本発明において多層の場合、層構成自体は特に限定されないが、芯層が発泡層であり、両外層に非発泡層を有しており、多層発泡シート総厚み中の発泡層厚みの割合が90〜99%であることが好ましい。
貼合する薄板状物としては用途に応じて公知のものを使用することができ、例えば、アルミニウムや鉄等の金属、熱可塑性樹脂、紙、合成紙、麻、ガラスウール等からなる薄板状物や、不織布、織布等を挙げることができる。
さらに、箱の仕切り板等として使用する場合には、内容物保護のため、発泡倍率の高い発泡シートを少なくとも片面に貼合することが好ましい。
熱成形法としては、公知の方法を用いることができ、例えば真空成形や熱罫線加工が挙げられる。本発明の発泡シートは連続気泡である巣が少なく、均一であるため、熱成形性に優れている。また、巣を介して内部に異物が混入することも少ない。
なお、樹脂物性の測定は次のとおり行った。
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。なお、結晶性プロピレン重合体部分(B)の極限粘度は結晶性プロピレン重合体部分(A)および全体のプロピレン重合体(T)の極限粘度より特開平11−228629号公報に記載の計算式より求めた。
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。単位はg/10分。
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3型を用いて、サンプル量5g、加熱温度190℃、加熱時間5分間、ピストン降下速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=g)。
JIS K7112に準拠し、水中置換法による測定方法を使用し多層発泡シート全体の密度ρ(全)を求め、下式により多層発泡シート全体の発泡倍率を計算した。発泡層の密度ρ(発)は、多層発泡シート全体の密度ρ(全)と厚みt(全)、各非発泡層の厚み(t(非))および密度(ρ(非))を用いて下式より計算し、発泡層のみの発泡倍率を求めた。
なお使用したプロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂の密度ρ0は0.9g/cm3とし、各層の厚みは通常の光学顕微鏡を用いて測定した。密度ρの単位はg/cm3、厚みtの単位はcmである。
・全体の発泡倍率=ρ0/ρ(全)
・発泡層の密度ρ(発)=[t(全)×ρ(全)−t1(非)×ρ1(非)−t2(非)×ρ2(非)]/{t(全)−[t1(非)+t2(非)]}
・発泡層の発泡倍率=ρ0/ρ(発)
特開平11−228629号公報に開示された方法により、プロピレン重合体粉末を製造した。該プロピレン重合体粉末は、極限粘度7.7dl/gの結晶性プロピレン重合体部分Aと、極限粘度1.2dl/gの結晶性プロピレン重合体部分Bを有するものであった。なお、AとBの重量比は11:89であり、プロピレン重合体全体の極限粘度は1.9dl/gであった。
上記プロピレン重合体粉末100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、商品名イルガノックス1010(チバガイギー社製)0.05重量部、商品名スミライザーBHT(住友化学工業社製)0.2重量部を加えて混合し、230℃で溶融混練し、メルトフローレートMFRが12g/10分のペレット(プロピレン系樹脂PP1)を得た。このペレットのメルトテンションMTを測定したところ、4.7gであり、式(1)の右辺7.52×MFR(230)(-0.576)は1.80となり、式(1)を満足するものであった。
実施例1
下記に示す方法にて単層の発泡シートを作成した。
押出機として先端にギアポンプを設けた120mmΦ単軸押出機(L/D=32、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)を使用し、出口流路幅が1500mmであるシングルマニホールドの単層Tダイを使用した。なお、押出機のシリンダーは6つのゾーンに区画されており、電気ヒーターと冷却水によって温度制御されている。設定温度を表1に示す。
参考例で得られた直鎖状プロピレン系樹脂PP1(MFR=12g/10分)を70重量部、直鎖状プロピレン系樹脂PP2(住友化学工業(株)製、ノーブレンAW191(MFR=11g/10分))を15重量部、直鎖状低密度ポリエチレンPE1(住友化学工業(株)製、エクセレンFX、CX3502(MFR=4g/10分))を15重量部の配合物を樹脂原料に用いた。化学発泡剤として、アゾジカルボンアミド5重量%、炭酸水素ナトリウム95重量%からなる複合発泡剤を用い、発泡助剤としてアゾジカルボンアミドと同量の酸化亜鉛を用いた。複合発泡剤は上記樹脂原料に対して1.4PHR配合した。樹脂原料と発泡剤、発泡助剤をブレンドしたものを押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行い、180℃に冷却・調整し、押出量160Kg/hでギアポンプを用いて安定してTダイ内に導入した。
Tダイより押し出された発泡シートは、直径が300mmであって、60℃に温度制御されたロールを水平に多数配置した冷却成形機にて冷却、平滑に成形した。
冷却成形機の下流側に、カッター刃を用いた端部トリミング装置を設け、発泡シート全幅1500mmから1250mm幅にトリミングした。
1250mm幅の製品部分はニップされたゴムロールを用いた引取機によって引き取られ、2000mm長さ毎に切断機にて切断し、製品をパレットに積載した。
CCD白黒カメラCA-CM20((株)キーエンス製)を発泡シートの端面から400mmの位置に配置し、100Wの電球型蛍光ランプで端面を照射し、端面を撮影した。撮影して得られるデジタル信号は画像処理装置XV−1000((株)キーエンス製)にて画像処理を行った。エンコーダで発泡シートの搬送速度を計測し、発泡シートの位置を特定した。
画像処理ウインドウには位置補正処理を施し、全長20mの発泡シート端面について画像処理ウインドウ単位毎に画像を取り込みつつ各画像(全画像:400)について画像処理を行った。
画像の輝度に閾値175を設定し、それを境にして0(白色)または1(黒色)の二値化を行い、次に、二値化処理をした画像に8近傍収縮膨張処理を1回行った。
画像処理を行った画像について、連続して繋がっている画素の部分を1個の巣としてその数を、各巣の画素数からその巣の大きさを求めた。
シート全長20mにわたって計測し、画像処理装置に接続する制御処理装置(パーソナルコンピュータ)で単位長さ1m当たりの平均個数を算出した。押出機のシリンダーの設定温度および巣の発生状況を表1に示す。
得られた発泡シートは発泡倍率3.6倍、厚み4.0mmであり、巣の発生は少なく良好であった。
押出機の設定温度を表1に示すとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、巣の発生状況を表1にまとめた。なお、発泡倍率、厚みは実施例1と同じであった。
下記に示す方法にて層構成が表層/発泡層/表層の2種3層のプロピレン系樹脂製多層発泡シートを作成した。
発泡層用押出機として先端にギアポンプを設けた104mmΦ同方向回転2軸押出機(L/D=32、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)を、表層用押出機として75mmφ単軸押出機(L/D=32)を使用し、出口流路幅が1600mmであるマルチマニホールド方式の多層Tダイを使用した。
上記実施例1と同じ直鎖状プロピレン系樹脂PP1(MFR=12g/10分)を70重量部、直鎖状プロピレン系樹脂PP2(住友化学工業(株)製、ノーブレンAW191(MFR=11g/10分))を15重量部、直鎖状低密度ポリエチレンPE1(住友化学工業(株)製、エクセレンFX、CX3502(MFR=4g/10分))を15重量部の配合物に対して、気泡核剤(日本ベーリンガーインゲルハイム(株)製、ハイドロセロールCF40E)を0.5PHRブレンドした原料樹脂を定量フィーダーを経て発泡層用押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行い、溶融が進んだ位置(L/D=20)で液化炭酸ガス0.5PHRをダイヤフラム式定量ポンプを用いて高圧で注入した。原料樹脂と炭酸ガスを十分溶融混練したのち、180℃に冷却・調整し、吐出量160Kg/hでギアポンプを用いて安定して多層Tダイ内に導入した。
次に、非発泡である表層用の樹脂として直鎖状プロピレン系樹脂PP3(住友化学工業(株)製、ノーブレンAS171G(MFR=1g/10分))を60重量部、直鎖状プロピレン系樹脂PP4(住友化学工業(株)製、ノーブレンAD571(MFR=0.6g/10分))を20重量部、帯電防止剤(三洋化成工業(株)製、ペレスタット300)を20重量部配合したものを用いた。これら配合物を定量フィーダーを経て表層用押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行い、200℃に冷却・調整し、吐出量25Kg/hで多層Tダイ内に導入した。
多層Tダイより押し出された発泡シートは、直径が210mmであって、60℃に温度制御されたロールを水平に多数配置した冷却成形機にて冷却、平滑に成形した。
冷却成形機の下流側に、カッター刃を用いた端部トリミング装置を設け、発泡シート全幅1600mmから1250mm幅にトリミングした。
1250mm幅の製品部分はニップされたゴムロールを用いた引取機によって引き取られ、2000mm長さ毎に切断機にて切断し、製品をパレットに積載した。
実施例1と同様に巣計測装置をトリミング装置と引取機の間に配置し、シート全長20mにわたって計測し、単位長さ1m当たりの発生個数を算出した。
得られた多層発泡シートは、発泡層の発泡倍率が4.0倍、全体の発泡倍率が3.5倍、表層の厚みが85μm、全体の厚みが4.0mmであり、多層発泡シート総厚み中の発泡層厚みの割合は96%であった。
巣の発生状況は、直径1.3〜2.0mmの巣が単位長さ1m当たり3個、直径2.0mmより大きい巣が単位長さ1m当たり0.7個であり、その発生は少なく良好であった。
発泡層に用いる式(1)を満たすプロピレン重合体として、分岐状プロピレン系樹脂PP4((株)サンアロマ製、PF814)を用いた。この樹脂のメルトフローレートMFRは3g/10分、メルトテンションMTは46g、式(1)の右辺7.52×MFR(230)(-0.576)は3.99となるため、式(1)を満足するものであった。
発泡層用樹脂として、分岐状プロピレン系樹脂PP4を50重量部、直鎖状プロピレン系樹脂PP2(住友化学工業(株)製、ノーブレンAW191(MFR=11g/10分))を40重量部、直鎖状低密度ポリエチレンPE1(住友化学工業(株)製、エクセレンFX、CX3502(MFR=4g/10分))を10重量部の配合物を用いた以外は実施例2と同様に実施した。
得られた多層発泡シートは、発泡層の発泡倍率が4.0倍、全体の発泡倍率が3.5倍、表層の厚みが85μm、全体の厚みが4.0mmであり、多層発泡シート総厚み中の発泡層厚みの割合は96%であった。
巣の発生状況は、直径1.3〜2.0mmの巣が単位長さ1m当たり0個、直径2.0mmより大きい巣が単位長さ1m当たり0個であり、巣の発生はまったく見られず良好であった。
2 照明
3 CCDカメラ
4 画像処理装置
5 制御処理装置
6 モニター
7 エンコーダ
Claims (5)
- 少なくとも押出機とTダイ、冷却成形機、端部トリミング装置、引取機、切断機から構成される発泡シートの製造装置であって、端部がトリミングされた製品発泡シートの端面またはトリミングされて除かれたシート端部の端面をオンライン画像処理し、観察される連続気泡である巣のサイズと発生頻度を計測する巣計測装置を具備していることを特徴とする発泡シートの製造装置。
- 巣計測装置が、発泡シート端面を照射する照明、発泡シート端面を撮影するCCDカメラ、撮影した画像を処理する画像処理装置、発泡シートの位置を特定するためのエンコーダおよびこれらを制御し、データ処理する制御処理装置を具備している請求項1記載の発泡シートの製造装置。
- 画像処理装置が、画像処理ウインドウを発泡シートの端面に設定する画像処理ウインドウ処理手段、設定した画像処理ウインドウの位置を補正する位置補正処理手段、処理ウインドウの画像を二値化する二値化処理手段、二値化した画像を収縮および膨張処理する収縮膨張処理手段並びに巣のサイズおよび個数を計測する巣の計測手段を具備している請求項2記載の発泡シートの製造装置。
- 190℃におけるメルトテンション(MT(190))および230℃におけるメルトフローレート(MFR(230))が下式(1)を満足するプロピレン系重合体を含むプロピレン系樹脂を、請求項1、2または3に記載の製造装置を用いて発泡成形することを特徴とするプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法。
MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) (1) - 端部がトリミングされた製品発泡シートの端面の少なくとも片側の端面またはトリミングされて除かれたシート端部の少なくとも一方の端面における直径1.3〜2.0mmの巣が単位長さ1m当たり3個以下、直径2.0mmより大きい巣が単位長さ1m当たり1個以下である請求項4記載のプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法。
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