JP3994730B2 - 非発泡層用樹脂、多層発泡シートおよびその製造方法 - Google Patents

非発泡層用樹脂、多層発泡シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層共押出法により得られる多層発泡シートの表層に配される非発泡層用樹脂、多層発泡シートの製造方法および多層発泡シートに関する。
プロピレン系樹脂製発泡シートはその機械物性、軽量性、耐熱性、断熱性、耐油性等を活かして、包装、食品容器、文具、建材、自動車内装材等に使用される。特に層構成を適宜選択することで、機械物性・機能性の向上、他物品との貼合性向上等の高付加価値化が期待される。
【0002】
【従来の技術】
複数の層構成からなるプロピレン系樹脂製発泡シートの製造方法としては、各層に対応する樹脂原料を複数の押出機を用いて可塑化溶融させ、各押出機から供給される溶融樹脂をダイ内で積層一体化させてダイ外へ押し出す共押出法が経済的に有利である。
【0003】
発泡シートの厚みと倍率の関係において、特に倍率の高く、厚みの薄い発泡シートを製造する場合、ダイとしてサーキュラーダイを用いることが好ましい。一般に、サーキュラーダイから押し出された溶融シートは、円柱状の冷却温調されたマンドレルに沿わせて接触させることによって冷却固化される。冷却されたシートはマンドレル直後に少なくとも1箇所以上設置されたカッター刃によって円筒状から複数の平板状のシートに切り開かれ、各々ニップロールを設けた引取機で引き取られ、巻取機で所定径まで巻き取られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、複数の層構成からなり、表層に非発泡層を有するプロピレン系樹脂製発泡シートの開発に取り組んできたところ、エアギャップ通過時間を長くしたり、加工温度を高めにすると、シート表面にミカン肌状の外観不良が発生してしまい、外観良好な多層発泡シートを得ることができないという事態に立ち入った。
シート表層の非発泡層を観察したところ、このミカン肌状の外観不良は発泡層から散逸した発泡ガスが非発泡層を貫いたことによるガス抜け跡であることが分った。
【0005】
本発明は、多様な冷却条件や加工温度においても、ガス抜け跡によるミカン肌状の外観不良を改良し、特に薄物高倍率の外観良好な多層発泡シートの製造に適した非発泡層用樹脂を提供すること、多様な冷却条件や加工温度においても、ガス抜け跡によるミカン肌状の外観不良を改良した多層発泡シートの製造方法を提供すること、および製造適性に優れミカン肌状の外観不良の改良された多層発泡シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多層共押出法により得られる多層発泡シートの表層に配される非発泡層用樹脂であって、造核剤としてビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩を含有するプロピレン系樹脂からなる非発泡層用樹脂にかかるものであり、該非発泡層用樹脂を両面の表層用として用いて多層共押出法により発泡成形する多層発泡シートの製造方法、および該製造方法により得られる多層発泡シート、並びに両面の表層が該非発泡層用樹脂からなる多層発泡シートにかかるものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の非発泡層用樹脂に用いられるプロピレン系樹脂とは、ポリプロピレン結晶構造を有する結晶性プロピレン重合体を意味し、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと、結晶性を失わない程度の量のエチレンおよび/またはα−オレフィン等のコモノマーとの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられる。結晶性を失わない程度の量とはコモノマーの種類により異なるが、例えばエチレンの場合、共重合体中のエチレン単位の量は通常10重量%以下、1−ブテン等の他のα−オレフィンの場合、共重合体中のα−オレフィン単位の量は通常30重量%以下である。上記以外に結晶性のプロピレン重合体中に非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が分散している重合体も例示することができる。
該プロピレン系樹脂としてはこれらを単独で用いても、複数の混合物を用いてもよい。
【0008】
本発明の非発泡層用樹脂に用いられるプロピレン系樹脂のMFRは5g/10分以上30g/10分以下が好ましい。該MFRが低いと、ガス抜け跡であるミカン肌状の外観不良は発生しにくいが、ダイ内で各層の合流後における層界面のせん断応力が高くなりやすく、多層構成の乱れによる外観不良が発生しやすい。この外観不良はうろこ状の模様を示すことから、以下、うろこ状の外観不良と表現する。また、該MFRが高いと、ガス抜けしやすく、または、ダイ圧を十分に保持できずに気泡が粗大化するなどの悪影響が懸念される。
【0009】
プロピレン系樹脂としては、チーグラーナッタ型触媒を用いて製造される通常の直鎖状のプロピレン系樹脂や、直鎖状のプロピレン系樹脂に電子線等を照射して製造され伸張粘度が歪み硬化性を有する分岐鎖状のプロピレン系樹脂が知られているが、本発明は直鎖状のプロピレン系樹脂を使用する場合に改良効果が高い。本発明の非発泡層用樹脂として好ましくは直鎖状のプロピレン系樹脂である。
【0010】
本発明の非発泡層用樹脂は、プロピレン系樹脂に対する結晶造核作用を有する造核剤を含有する。造核剤としては、安息香酸アルミニウム、P−t:ブチルベンゾイックアッシド−アルミニウム(商品名PTBBA−Al、シェル製)、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)−ナトリウム(商品名NA10、アデカアーガス製)、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(商品名NA11、アデカアーガス製)、ビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩(商品名NA21、アデカアーガス製)、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、および1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールが挙げられ、これらの1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0011】
より好ましくは、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(商品名NA11、アデカアーガス製)、およびビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩(商品名NA21、アデカアーガス製)であり、より結晶化温度を上昇させることができる。例えば、通常の直鎖状プロピレン系樹脂の結晶化温度は約110〜120℃であるが、約130℃前後まで上昇させることができる。
【0012】
造核剤の非発泡層樹脂に対する添加量は、造核剤の種類によって異なるが、一般に0.01〜1PHR程度である。例えば、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(商品名NA11、アデカアーガス製)、またはビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d、g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩(商品名NA21、アデカアーガス製)であれば、添加量は0.1〜0.5PHRが好ましい。
【0013】
造核剤を添加することによってプロピレン系樹脂の結晶化温度を上昇させると、ダイとマンドレル間のエアギャップにおいて、よりダイに近い位置で結晶化が始まり、非発泡層樹脂の粘度が上昇する。これによって、ガス抜けによるミカン肌状の外観不良が解消・低減されるという機構が一案として挙げられる。
【0014】
本発明の非発泡層用樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で上記以外の成分を含んでいてもよく、そのような好適な例としてエチレン系樹脂をが好ましい。エチレン系樹脂を含有する場合の配合量は、剛性や耐熱性などの観点から、40重量%以下が好ましい。本発明の非発泡層用樹脂としてより好ましくは、プロピレン系樹脂60〜100重量%およびエチレン系樹脂40〜0重量%並びに樹脂成分合計に対する量が0.01〜1PHRの造核剤を含有する樹脂である。
【0015】
エチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどを単独または併用して使用できる。特に溶融張力の高い低密度ポリエチレンが好ましい。
【0016】
本発明の非発泡層用樹脂は、多層共押出法により得られる多層発泡シートの表層に配される非発泡層用樹脂であり、表層用の樹脂として用いて多層共押出法で発泡成形することにより、多層発泡シートが得られる。得られる多層発泡シートの外観不良の改善という点から、本発明の非発泡層用樹脂は両面の表層用として用いることが好ましく、これにより、両面の表層が本発明の非発泡層用樹脂からなる多層発泡シートが得られる。
【0017】
本発明において発泡層に用いられる樹脂は、発泡伸長変形時に破泡しにくくするため溶融強度の高い樹脂が好ましい。その観点で、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR(230))とが下式Aを満足するプロピレン重合体が好ましい。
MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) [式A]
【0018】
具体的には、超高分子量成分を導入した下記に示すプロピレン重合体(T)がより好ましい。
すなわち、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得られ、極限粘度が3dl/g未満であり、結晶性プロピレン重合体部分(A)の割合が0.05重量%以上35重量%未満であるプロピレン重合体(T)である。
【0019】
前記のプロピレン重合体(T)は(A)を製造する工程および(B)を製造する工程を含む重合方法により得られる重合体である。例えば第一段階で(A)を重合した後、引き続いて第二段階で(A)を重合したと同一の重合槽で(B)を重合する回分式重合法や、2槽以上の重合槽を直列に配置し、第一段階として(A)を重合後生成物を次の重合槽へ移送し、その重合槽で第二段階として(B)を重合する連続式重合法等の方法で得られる重合体である。なお、連続式重合法の場合は、第一段階および第二段階それぞれの重合槽は1槽でも2槽以上でもよい。
【0020】
該プロピレン重合体(T)はその溶融強度が高い方が発泡体を得る上で好ましく、かかる観点から(A)の極限粘度は5dl/g以上が好ましく、6dl/g以上がさらに好ましく、7dl/g以上が特に好ましい。(A)の極限粘度は高いほど好ましく特に上限はないが、通常は15dl/g未満である。(A)の極限粘度としてより好ましくは6〜13dl/gであり、特に好ましくは7〜11dl/gである。
【0021】
結晶性プロピレン重合体部分(A)のプロピレン重合体(T)中の含有量は溶融強度の観点から0.05重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましい。また伸び特性の観点から結晶性プロピレン重合体部分(A)の量は発泡体を得るに十分な溶融強度を有している限り、少ない方が好ましく、通常は35重量%未満が好ましく、20重量%以下がより好ましい。即ち、該プロピレン重合体(T)中の結晶性プロピレン重合体(A)の含有量は0.05重量%以上35重量%以下が好ましく、より好ましくは0.3〜20重量%である。(A)の割合は重合時に重合条件等で所定の量に調節してもよく、溶融工程または混練工程において(B)に相当する成分を追加して(A)の量を調節してもよい。
【0022】
流動性と加工性の観点から、(B)の極限粘度は3dl/g未満が好ましく、さらに流動性と加工性の観点から、プロピレン重合体(T)全体の極限粘度も3dl/g未満であることが好ましい。MFRでは、プロピレン重合体(T)として5g/10分以上30g/10分以下の範囲が好ましい。プロピレン重合体(T)のMFRが高すぎると、発泡に必要な溶融張力を保持できず、低すぎると加工性への影響、具体的にはせん断による発熱、樹脂温上昇の影響が大きい。より好ましくは、8g/10分以上25g/10分以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、10g/10分以上20g/10分以下の範囲が好ましい。
また、発泡体の外観の観点から、プロピレン重合体(T)全体の分子量分布は10未満が好ましい。なお本発明でいう分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価する。
【0023】
なお連続的に重合する場合、(B)の極限粘度は(B)の製造条件を適宜設定することにより上記範囲内とすることができる。通常は極限粘度の加成性が成り立つとして、(A)と(B)とからなるプロピレン重合体(T)の場合、最終的に得られたプロピレン重合体(T)の極限粘度[η]T と(A)の極限粘度[η]A および(A)、(B)それぞれの(T)中の含有量(重量%)から下記数式2により(B)の極限粘度を求める。
[η]B =([η]T ×100−[η]A ×WA )÷WB [数式2]
[η]T :プロピレン重合体(T)の極限粘度(dl/g)
[η]A :結晶性プロピレン重合体部分(A)の極限粘度(dl/g)
A :結晶性プロピレン重合体部分(A)の含有量(重量%)
B :結晶性プロピレン重合体部分(B)の含有量(重量%)
【0024】
さらに、プロピレン重合体(T)の溶融強度の観点から、(A)の極限粘度[η]A (dl/g)および含有量WA (重量%)が、下記数式3を満たすことがさらに好ましい。
A ≧400×EXP(−0.6×[η]A ) [数式3]
A が上記式の範囲内であると、溶融強度の改善効果が十分であり好ましい。
【0025】
(A)および(B)は、それぞれポリプロピレン結晶構造を有する結晶性プロピレン重合体部分であり、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと、結晶性を失わない程度の量のエチレンおよび/またはα−オレフィン等のコモノマーとの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられる。結晶性を失わない程度の量とはコモノマーの種類により異なるが、例えばエチレンの場合、共重合体中のエチレン単位の量は通常10重量%以下、1−ブテン等の他のα−オレフィンの場合、共重合体中のα−オレフィン単位の量は通常30重量%以下である。(A)と(B)とは同一組成であっても異なっていてもよい。また(A)と(B)とはブロック的に結合しているものがあってもよい。さらには(A)と(B)がブロック的に結合したものとそれ以外の(A)および(B)とが共存していてもよい。
【0026】
また(B)は上記以外に結晶性のプロピレン重合体(T)中に非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が分散している重合体も例示することができる。
【0027】
上記プロピレン重合体(T)は、例えば、Ti原子、Mg原子、ハロゲン原子を含有する固体触媒を使用して製造することができ、例えば、特開平11−228629号公報に記載の方法が挙げられる。
【0028】
発泡層に用いられるプロピレン系樹脂には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂等の他のオレフィン系樹脂を少量、例えば40重量%までブレンドして使用してもよい。
【0029】
本発明で用いられる発泡剤は特に限定されるものではなく、物理発泡剤として、炭酸ガス、窒素ガス、空気、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタンなどが単体または併用して使用できるが、好ましくは、窒素ガス、炭酸ガス、空気等の安全で環境にやさしい無機ガスであり、最も好ましくは炭酸ガスである。炭酸ガスはポリプロピレン系樹脂への溶解性が無機ガスの中では比較的高いため好ましい。炭酸ガスは7.4MPa以上、31℃以上で超臨界状態となり、樹脂への拡散、溶解性に優れた状態になる。
【0030】
化学発泡剤としては、重曹、重曹とクエン酸、クエン酸ナトリウム、ステアリン酸などの有機酸との混合物、アゾジカルボン酸アミド、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物、アゾビスブチロニトリル、バリウム・アゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼン、トリヒドラジノトリアジンなどのアゾ、ジアゾ化合物、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニル・ヒドラジド)、トルエン・スルホニル・ヒドラジドなどのヒドラジン誘導体、N,N’−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソ・テレフタルアミドなどのニトロソ化合物、P−トルエン・スルホニル・セミカルバジド、4,4’オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジドなどのセミカルバジド化合物の他アジ化合物やトリアゾール化合物などが単体または併用して使用できるが、特に、重曹、クエン酸、アゾジカルボン酸アミドが好ましい。
【0031】
これら物理発泡剤や化学発泡剤は単体で使用してもよいが、これらの併用も可能である。また、これら化学発泡剤の使用において、その分解温度・速度を調整するために発泡助剤を併用してもよい。例えば、アゾジカルボン酸アミド単体では分解温度が約200℃と高く、低温で加工したい場合には発泡助剤として酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素などを少量添加してもよい。
なお、物理発泡の場合、特に気泡核剤を添加することが多いが、核剤としては、タルク、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、マイカ、クレー、ワラストナイト、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、PMMA等のポリマービーズ、合成アルミノシリケートや上記の化学発泡剤を少量添加してもよい。
【0032】
本発明においては、発泡層用樹脂と発泡剤を複数の押出機等を用いて溶融混練を行い、該押出機に接続した多層ダイ内で積層一体化し、大気中に共押出する。本発明は、加工温度が高く、そのためガス抜けによるミカン肌状の外観不良が発生しやすい多層サーキュラーダイ共押出法に好適に適用される。多層サーキュラーダイ共押出法により押出された筒状の溶融シートを、ダイ直後に設置され冷却温調されたダイ径よりも大きな円筒状のマンドレルに沿わせて冷却した後、少なくとも1箇所以上に設置されたカッターまたは刃物で筒状シートをスリットし、少なくとも1枚以上の平板状シートに切り開き、ニップロールを設けた引取機で引き取って、巻取機で巻き取って多層発泡シートを製造する。
【0033】
かかる押出機としては、単軸や多軸押出機が挙げられ、また、それら複数の押出機を組み合わせたタンデム押出機も使用可能である。発泡層に用いる押出機としては、特に2軸押出機が好ましく、さらに、スクリュー1回転あたりの押出量が多くて所定の押出量を低回転で得ることができ、スクリュー回転によるせん断発熱の少ない構造が好ましい。また、スクリュー本体に冷却媒体を循環させ、温調してもよい。
また、押出機とダイの間にギヤポンプを、原料供給用に定量フィーダーを設けて、ギアポンプ入口圧力を一定に制御するため、スクリュー回転数や原料供給量へフィードバックする制御システムも有効である。
さらに、押出機とダイをつなぐアダプタには、スタティックミキサーなどを挿入して樹脂温度均一化をはかるのも有効である。
物理発泡の場合、発泡用押出機は発泡剤を途中で圧入できる構造であるが、圧入位置以前には樹脂原料を十分に溶融可塑化させ、圧入以降は樹脂と発泡剤を十分に混合均一化させ、発泡に適切な樹脂温に制御できることが必要である。
【0034】
多層サーキュラーダイの流路構造としては、各層の円周方向の厚み分布を調整でき、各層がダイ先端に近いところで合流積層する構造が好ましく、各層の樹脂原料の流動性が異なる場合にも円周方向における各層の厚み分布を均一にしやすく有効である。また、ダイ内で発泡層から非発泡層に発泡剤ガスが拡散することを低減でき、非発泡層に拡散した発泡剤ガスがガス抜けして生じる外観不良も低減できるため、各層の合流点はダイ先端に近いほうが好ましい。
【0035】
また、ダイから共押出された筒状シートの内側はマンドレルにて冷却されるが、必要に応じてマンドレル円周外部にエアリングを設けてエアをシートに吹きつけて冷却を補助することも有効である。
さらに、通常、プロピレン系樹脂製発泡シートの表面に施される、コロナ処理、オゾン処理や帯電防止剤塗布などの表面処理を行うこともできる。
【0036】
本発明における発泡倍率や発泡シート形状は使用するダイ径、マンドレル径、樹脂、発泡剤、引取成形条件等の諸条件によって異なるが特に限定されることはなく、高倍率で層構成良好な多層発泡シートを得ることができる。
例えば、炭酸ガスを発泡剤として用いた2種3層シートの場合、発泡倍率が1.1〜10倍、厚みが0.2〜3mmの層構成良好な多層発泡シートを得ることができる。
ここで、発泡倍率とは多層発泡シート全体の見かけの発泡倍率を指し、発泡層のみにおける発泡倍率ではなく、厚みもシート全体の厚みを指す。
【0037】
本発明者らは複数の層構成からなり、多層サーキュラーダイ共押出法による多層発泡シートの製法について鋭意検討した結果、ダイ内で各層の合流後における層界面でのせん断応力を5000Pa以上、50000Pa以下に制御することが、層構成の乱れによるうろこ状の外観不良を解消・低減するために重要であることを見出した。
【0038】
層界面のせん断応力を制御するための方法としては、次の4つの方法の何れか、または各方法の組合せを用いることができる。
方法▲1▼全体の押出量を下げ、ダイリップにおける圧力を低下させる。
方法▲2▼リップ開度を広くし、ダイリップにおける圧力を低下させる。(ダイ径は固定であるとした場合)
方法▲3▼各層の押出量の比率を変更し、リップ壁面に接する最外層の厚みを増すなど、層界面の位置をせん断応力の低い厚み中心部に近づける。
方法▲4▼各樹脂の流動性を増す(特に最外層)。
【0039】
ただし、層界面のせん断応力を低下させるための方法▲1▼は生産性を損ないやすく、ダイ内発泡が進み破泡による不良も発生しやすいという欠点も有する。方法▲2▼もダイ内発泡が進み破泡による不良が発生しやすく、また厚物に限定されやすい。方法▲3▼は、例えば、中間層の発泡体に非発泡の最外層が厚く積層された多層発泡体であり、機械物性、特に曲げ剛性が高く望まれる用途では有効な手段である。しかし、例えば、発泡体に高価な機能性材料を積層し、高付加価値を与える場合、機能性材料は極力最小厚みに抑えたい。
【0040】
本発明者らは層界面のせん断応力を低下させるための方法▲1▼〜▲4▼について鋭意検討を行った結果、生産性・発泡性・製品範囲の自由度を考慮し、また、様々な用途・目的に対応できる方法として、方法▲4▼、または、方法▲4▼と他の方法との組合せが最も好ましいと考えている。
方法▲4▼において、流動性を増す樹脂層としては、せん断応力の高いダイリップ壁面に接する最外層が最も効果的で適している。厚み中心部ではせん断応力は低いため樹脂層の流動性を増しても効果は少ないと考えられる。
【0041】
各層の界面におけるせん断応力は層構成の乱れ、うろこ状の外観不良を低減するため50000Pa以下が好ましいが、45000Pa以下がより好ましく、さらには40000Pa以下が好ましい。層界面のせん断応力が低いほど、うろこ状の外観不良は低減する傾向である。
なお、層界面のせん断応力の下限値は5000Paであるが、この下限値を下回ると、生産性を損ねたり、気泡が粗大化するなど、うろこ状の外観不良以外の悪影響が懸念される。
層界面のせん断応力は上記範囲にて低い方が好ましいが、用途にも影響される。例えば、乱れが発生しやすい界面に接する両層に含量等を添加した用途等であれば、層構成の乱れは隠蔽されやすく、多少の乱れは実用上問題ないこともある。
一方、高価な機能性材料を含有する層を薄く均一に表層として積層したい場合には、より低いせん断応力にすることが好ましい。
【0042】
層界面のせん断応力の求め方について以下説明する。
溶融樹脂のレオロジー特性を表現する構成方程式としては下記数式1に示す指数則流体モデルを採用する。
Figure 0003994730
ここで、各層の溶融樹脂に特有の定数Kおよびnは、加工温度におけるキャピラリーレオメーター測定を行い、実施例で示している数式6および7を用いて決定する。
つぎに、各層に用いられる溶融樹脂の定数Kおよびn、ダイ形状、各層の押出量等の加工条件を用いて、多層流動解析を文献 J.Appl.Polym.Sci.,17,1203(1973) に基づいて行い、層界面のせん断応力を求める。
【0043】
層界面のせん断応力は各層に用いられる溶融樹脂の定数Kおよびn、ダイ形状、各層の押出量等の加工条件によって決定されるが、せん断応力の低下方法▲4▼の樹脂の流動性を増すということは、定数K値を低くすることであり、このK値の選択・制御が生産性・発泡性・製品範囲の自由度等を考慮した場合、もっとも有効な方法であると考えている。また、この方法と組み合わせて、各層の押出量の制御(方法▲1▼、方法▲3▼)、ダイ形状の制御(方法▲2▼及びダイ径)を併用することも有効である。
K値の制御方法としては、樹脂の重合条件の調整、または、重合パウダーをペレットに造粒する際に有機過酸化物を少量添加し、その添加量を調整するなど、一般にMFRの調整に用いられる公知技術を用いることができる。なお、加工時の樹脂温度で調整する方法も発泡性に悪影響をもたらさないかぎり有効である。
【0044】
少なくとも両面の表層に非発泡層を有し、発泡層と非発泡層からなる複数の層構成としては、ダイ内で発生した気泡がせん断応力を受けて破泡しにくくするために、発泡層の位置はダイ壁面から離れて、せん断応力の低い中間層であることが好ましい。ただし、ダイ壁面に近い層であっても、少量の発泡剤を添加した低倍率の発泡層であればこの限りではない。
2種3層の構成であれば非発泡層/発泡層/非発泡層が好ましく、非発泡のリサイクル層を設けた3種5層であれば非発泡層/リサイクル層/発泡層/リサイクル層/非発泡層が好ましい。これらの層構成は機械物性も高く、表層に機能性を与えることもできるため好ましい構成である。
【0045】
本発明の多層発泡シートはリサイクル可能である。リサイクル方法としては、多層発泡シートを粉砕機にて粉砕し、必要に応じて粉砕品を押出機にて脱気造粒、再生ペレット化する。これら粉砕品または再生ペレットをリサイクル層用押出機に投入し、リサイクル層用の流路構造を設けた多層ダイに導入する。
【0046】
本発明で得られる多層発泡シートには、用途に応じてシートやフィルム等の表皮材を積層貼合したり、これら多層発泡シート、または、シートやフィルム等の表皮材積層発泡シートに真空成形等の熱成形を施すことも可能である。
積層用のシートやフィルム等の表皮材としては用途に応じて公知のものを使用することができ、例えば、アルミニウムや鉄等の金属薄板、熱可塑性樹脂シート、熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂加飾シート、熱可塑性樹脂加飾フィルム、熱可塑性樹脂発泡シート、紙、合成紙、不織布、織布、麻、ガラスウール、カーペット等が挙げられる。
【0047】
例えば、食品用途であれば、10〜100μm厚みのプロピレン系樹脂フィルムや気体バリア樹脂フィルムを貼合することが多い。バリア樹脂としては、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PVA(ポリビニルアルコール)、PA(ポリアミド)などを使用することができる。なお、これら気体バリア樹脂は単体または混合して使用してもよいし、単体のフィルムを2種類以上、積層して使用してもよい。
【0048】
また、自動車内装材用途であれば、不織布、織布、麻、ガラスウール、カーペット等を貼合することが多い。他に包装用途、例えば、箱の仕切り板として使用する場合には、内容物保護のため、高倍率発泡シートのような緩衝シートを貼合してもよい。
【0049】
表皮材の貼合方法は特に限定されることはなく、例えば、▲1▼接着剤を発泡シート表面に塗布して貼合する方法、▲2▼接着樹脂フィルムがラミネートされたシートやフィルムを用い、その接着樹脂フィルム面を加熱溶融させて発泡体と貼合する方法、▲3▼接着剤や接着樹脂フィルムを使用せず、ヒーターや熱風などを用いて直接互いの表面を溶融させて貼合する方法、▲4▼溶融樹脂を表皮材と発泡シートの間に押出しラミネートして貼合する方法等が挙げられる。
【0050】
熱成形としては、真空成形や熱罫線加工が挙げられるが、特に限定されることはない。本発明の発泡シートは層構成や厚み分布良好で、気泡微細であるため、熱成形性に優れている。
【0051】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を損なわない限り、これらの例に何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価方法について以下に示す。
【0052】
(1)重合体の極限粘度
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。なお、結晶性プロピレン重合体部分(B)の極限粘度は結晶性プロピレン重合体部分(A)および全体のプロピレン重合体(T)の極限粘度より明細書中に記載の計算式より求めた。
【0053】
(2)分子量分布
G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。なお分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム:Shodex M/S 80
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度:5mg/8mL
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。この条件で測定された標準ポリスチレン(NBS706:Mw/Mn=2.0)のMw/Mnは1.9〜2.0であった。
【0054】
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。
【0055】
(4)メルトテンション(MT)
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3型を用いて、サンプル量5g、余熱温度190℃、余熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取り速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=g)。
【0056】
(5)定数K、n、および層界面のせん断応力の算出方法
各層に用いられる樹脂について、東洋精機社製キャピラリーレオメーターCAPIROGRAPH 1Bを用いて定数K、nを求めた。内径0.955cmのバレルおよび、長さ4cm、内径0.1cmのオリフィスを用いて、加工温度と同一の温度で0.2、0.5、1、2、5、10、20、または50cm/分の各ピストン速度にて樹脂を押出し、樹脂圧力P(Pa)を測定した。その樹脂圧力P(Pa)および吐出量Q(cc/s)を両対数プロットし、直線回帰を行い、下記数式4を用いてNおよびηを算出し、数式6、7にてK、nを求めた。
log(P)=log(2L/r(N+3)/N)+(1/N)log((N+3)η/π)+(1/N)log(Q) [数式4]
なお、上記数式4において、Lはオリフィスの長さ(4cm)であり、rはオリフィス内径の半径(0.05cm)であり、Qは下記数式5で求められる。
Q=πR2V [数式5]
上記数式5において、Rはバレル内径の半径(0.4775cm)であり、Vはピストン速度を単位cm/sに換算した値である。
K=η1/N [数式6]
n=1/N [数式7]
つぎに、これら各層の定数K、n、ダイ形状、各層の押出量等の加工条件を用いて、多層流動解析を文献 J.Appl.Polym.Sci.,17,1203(1973) に基づいて行い、層界面のせん断応力を計算した。
【0057】
(6)発泡倍率
JIS K7112に準拠し、水中置換法による測定方法を使用し発泡体の密度ρfを求めた。発泡倍率は未発泡の熱可塑性樹脂の密度ρsをρfで割ったものである。実施例ではプロピレン系樹脂組成物を使用しているが、ρs=0.9g/ccとして発泡倍率を算出した。
【0058】
(7)発泡体外観
うろこ状およびミカン肌状の外観不良は目視判定で○×とした。○は不良無し、または、実用上問題なし、×は顕著に発生、または、実用上問題ありとした。
【0059】
[参考例1](プロピレン系樹脂PP1の製造)
[1](固体触媒成分の合成)
攪拌機付きの200リットルSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80リットル、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/リットルのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51リットルを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間攪拌した後室温で固液分離体ルエン70リットルでの洗浄を3回繰り返した。
次いで、スラリー濃度が0.6Kg/リットルになるようにトルエンを加えた後、n−ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混合液を加え、さらにフタル酸クロライドを20.8モル加えて110℃で3時間反応を行った。反応終了後、95℃でトルエンでの洗浄を2回行った。
次いで、スラリー濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モル、n−ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後同温度で固液分離した後、95℃でトルエン90リットルでの洗浄を2回行った。
次いで、スラリー濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、n−ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン90リットルでの洗浄を3回行った。
次いで、スラリー濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、n−ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン90リットルでの洗浄を3回行った後、さらにヘキサン90リットルでの洗浄を3回した後減圧乾燥して固体触媒成分11.0Kgを得た。
固体触媒成分はチタン原子1.9重量%、マグネシウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有していた。
【0060】
[2](固体触媒成分の予備活性化)
内容積3リットルのSUS製、攪拌機付きオートクレーブに十分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5リットル、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモル、上記[1]で得られた固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15gを30分かけて連続的に供給して予備活性化を行った。
【0061】
[3](結晶性プロピレン重合体部分(A)の重合)
SUS製の内容積300リットルの重合槽において、重合温度60℃、重合圧力27kg/cm2 Gを保持するように液状プロピレンを57kg/hで供給しながら、トリエチルアルミニウム1.3ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン0.13ミリモル/hおよび予備活性化された固体触媒成分0.51g/hを連続的に供給し、水素の実質的非存在下でプロピレン重合を行い、2.0kg/hの重合体が得られた。この時の重合体生成量は触媒1g当たり3920gであり、その一部をサンプリングして分析した結果、極限粘度は7.7dl/gであった。得られた重合体はそのまま第二槽目に連続的に移送した。
【0062】
[4](結晶性プロピレン重合体部分(B)の重合)
内容積1m3 の攪拌機付き流動床反応器において、重合温度80℃、重合圧力18Kg/cm2 G、気相部の水素濃度8vol%を保持するようにプロピレンおよび水素を供給しながら、第一槽目より移送された触媒含有重合体およびトリエチルアルミニウム60ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル/hを供給しながらプロピレン重合を連続的に継続することにより18.2kg/hの重合体が得られた。この重合体の極限粘度は1.9dl/gであった。
以上の結果から(B)の重合時の重合体生成量は触媒1gあたり31760gであり、第一槽目と第二槽目の重合重量比は11:89であり、(B)の極限粘度は1.2dl/gと求められた。
【0063】
[5](重合体のペレット化)
この重合体粉末100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、商品名イルガノックス1010(チバガイギー社製)0.05重量部、商品名スミライザーBHT(住友化学工業社製)0.2重量部を加えて混合し、230℃で溶融混練し、メルトフローレートMFRが12g/10分、分子量分布が8.0のペレット(ポリプロピレン系樹脂PP1)を得た。このペレットのメルトテンションMTを測定したところ、4.7gであり、[式A]の右辺7.52×MFR(230)(-0.576)は1.80となり、[式A]を満足していた。
【0064】
[実施例1](押出発泡試験)
下記に示す方法にて中間層に発泡層を、その両面に非発泡層を設けた2種3層のプロピレン系樹脂製多層発泡シートを作成した。
発泡層用押出機として先端にギアポンプを設けた65mmΦ同方向回転2軸押出機(L/D=41.5、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)を、非発泡層用押出機として60mmφ単軸押出機(L/D=30)を使用し、これら押出機に230mmΦ多層サーキュラーダイ(外リップ半径r2 =11.710cm、内リップ半径r1 =11.515cm、リップ開度r2 − r1 =0.195cm)を接続した装置を使用した。上記参考例1[5]で得られたプロピレン系樹脂PP1(MFR=12g/10分)70重量部と低密度ポリエチレンPE1(住友化学工業(株)製、スミカセンG201(MFR=2g/10分))30重量部の配合物に対して、気泡核剤(日本ベーリンガーインゲルハイム(株)製、ハイドロセロールCF40E)を1PHRブレンドした原料樹脂を定量フィーダーを経て発泡層用押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行い、溶融が進んだ位置(L/D=20)で液化炭酸ガス0.8PHRをダイヤフラム式定量ポンプを用いて高圧で注入した。原料樹脂の分散性や、原料樹脂と炭酸ガスの分散性を高めるため、200℃の高温で混練・調整し、吐出量110Kg/h(40.7cc/s、但し溶融樹脂の密度を0.75g/ccとした)でギアポンプを用いて安定して多層ダイに導入した。
【0065】
一方、非発泡層用樹脂として、直鎖状プロピレン系樹脂PP2(住友化学工業(株)製、ノーブレンAW161C(MFR=8g/10分))、直鎖状プロピレン系樹脂PP3(住友化学工業(株)製、ノーブレンAH161C(MFR=3g/10分)、低密度ポリエチレンPE1(住友化学工業(株)製、スミカセンG201(MFR=2g/10分))を重量比PP2/PP3/PE1(49/21/30)で混合し、これに対して造核剤ビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩(商品名NA21、アデカアーガス製)を0.20PHR添加し、定量フィーダーを経て非発泡層用押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行い、200℃に調整し、吐出量33Kg/h(12.2cc/s、但し溶融体の密度を0.75g/ccとした)で多層ダイに導入した。なお、PP2/PP3(重量比49/21)の組成物のMFRは6g/10分であった。
【0066】
多層ダイから押出した円筒状発泡シートを直後に設置したチラー冷却温調された外径700φマンドレルによりブローアップするとともに冷却し、その後この円筒状発泡シートに左右からカッターでスリットを入れ、円筒を平板状に切り開いて上下2枚の約1100mm幅の平板状シートとし、各々のシートをニップロールを備えた引取機で3.9m/分の速度で引取ったのち、2軸ターレット電動反転式巻取機にて巻き取った。
得られた発泡シートは、発泡倍率3.7倍、厚み1.0mm、うろこ状外観は○、ミカン肌状外観は○であり、気泡微細で良好なシートであった。
【0067】
次に、加工温度である200℃におけるキャピラリーレオメーター測定を行い、定数K、nを求めたところ、PP1とPE1の上記配合物のKは3960(Pa・sn)、nは0.500(−)であり、非発泡層用樹脂のKは9740(Pa・sn)、nは0.370(−)であった。また、層界面のせん断応力を計算したところ37310(Pa)であった。
【0068】
[実施例2および比較例1]
実施例2では造核剤としてリン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(商品名NA11、アデカアーガス製)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。また、比較例1では造核剤を添加しなかった以外は実施例1と同様に実施し、これら結果を表1にまとめた。
【0069】
【表1】
Figure 0003994730
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、多様な冷却条件や加工温度においても、ガス抜け跡によるミカン肌状の外観不良を改良し、特に薄物高倍率の外観良好な多層発泡シートの製造に適した非発泡層用樹脂が提供され、多様な冷却条件や加工温度においても、ガス抜け跡によるミカン肌状の外観不良を改良した多層発泡シートの製造方法が提供され、そして製造適性に優れミカン肌状の外観不良の改良された多層発泡シートが提供される。
多層発泡シートはその軽量性、断熱性等を活かして、包装、食品容器、文具、建材、自動車内装材等に使用され、層構成を適宜選択することで、機械物性・機能性の向上、他物品との貼合性向上等の高付加価値化が期待される。

Claims (10)

  1. 多層共押出法により得られる多層発泡シートの表層に配される非発泡層用樹脂であって、造核剤としてビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩を含有するプロピレン系樹脂からなる非発泡層用樹脂。
  2. エチレン系樹脂をさらに含有する請求項1に記載の非発泡層用樹脂。
  3. 請求項1または2に記載の非発泡層用樹脂を両面の表層用として用いて多層共押出法により発泡成形する多層発泡シートの製造方法。
  4. 発泡層の樹脂として、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR(230))とが下式Aを満足するプロピレン重合体を用いる請求項3記載の多層発泡シートの製造方法。
    MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) [式A]
  5. 発泡層の樹脂として、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得られ、極限粘度が3dl/g未満であり、結晶性プロピレン重合体部分(A)の割合が0.05重量%以上35重量%未満であるプロピレン重合体を用いる請求項3または4記載の多層発泡シートの製造方法。
  6. 層構成が非発泡層/発泡層/非発泡層の2種3層である請求項3〜5のいずれかに記載の多層発泡シートの製造方法。
  7. 層構成が非発泡層/リサイクル層/発泡層/リサイクル層/非発泡層の3種5層であり、前記リサイクル層が請求項のいずれかに記載の製造方法で得られる多層発泡シートの粉砕品または該粉砕品を押出機にて脱気造粒した再生ペレットからなる非発泡のリサイクル層である請求項3〜5のいずれかに記載の多層発泡シートの製造方法。
  8. 多層共押出法が、多層サーキュラーダイ共押出法である請求項3〜7のいずれかに記載の多層発泡シートの製造方法。
  9. 請求項〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる多層発泡シート。
  10. 両面の表層が請求項1または2に記載の非発泡層用樹脂からなる多層発泡シート。
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