JP2005289045A - 熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である熱可塑性樹脂製発泡シートを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂および物理発泡剤を押出機にて溶融混練した発泡性溶融樹脂をダイから押出し成形する熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法であって、ダイリップ部で発泡性溶融樹脂に超音波振動を与え、該超音波振動の振幅λが5μm以上であり、振幅λとダイリップ開度h(mm)との関係が式1を満たす熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
【選択図】 なし
シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である熱可塑性樹脂製発泡シートを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂および物理発泡剤を押出機にて溶融混練した発泡性溶融樹脂をダイから押出し成形する熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法であって、ダイリップ部で発泡性溶融樹脂に超音波振動を与え、該超音波振動の振幅λが5μm以上であり、振幅λとダイリップ開度h(mm)との関係が式1を満たす熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
【選択図】 なし
Description
本発明は熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂からなる発泡シートは、断熱性、軽量性やリサイクル性に優れることから、食品包装容器や自動車部材等幅広い分野で使用されているが、用途によっては機械的強度が不十分であった。発泡シートの長所である断熱性や軽量性と、非発泡シートの長所である強度とをあわせ持つシートとして、シート表層部の気泡が表層部以外の部分(中間部)に位置する気泡よりも微細である発泡シートが注目されている。
シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である発泡シートを製造する方法としては、気泡が均一な発泡シートをロール等によりシート厚み方向に圧縮する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である発泡シートを製造する方法としては、気泡が均一な発泡シートをロール等によりシート厚み方向に圧縮する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら上記の方法では、製造した気泡が均一な発泡シートをさらに圧縮する工程が必要であるので、製造工程が複雑であり生産性がよくないという問題があった。
本発明の目的は、シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である熱可塑性樹脂製発泡シートを効率よく製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である熱可塑性樹脂製発泡シートを効率よく製造する方法を提供することである。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂および物理発泡剤を押出機にて溶融混練した発泡性溶融樹脂をダイから押出し成形する熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法であって、ダイリップ部で発泡性溶融樹脂に超音波振動を与え、該超音波振動の振幅λが5μm以上であり、振幅λとダイリップ開度h(mm)との関係が式1を満たす熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法である。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
50≦1000h/λ≦600 [式1]
本発明の熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法によれば、シート表層部の気泡が中間部の気泡よりも微細である熱可塑性樹脂製発泡シートを効率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において熱可塑性樹脂製発泡シートを構成する熱可塑性樹脂としては公知の樹脂を用いることができ、例えば低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂は1種類であってもよく、2種類以上の樹脂を併用してもよい。特に耐熱性や剛性の観点から、用いる樹脂の50重量%以上をプロピレン系樹脂とすることが好ましい。
プロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンのいずれの樹脂であってもよい。発泡性の観点から、用いる樹脂の10重量%以上が、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR(230))とが下式2を満足するプロピレン系樹脂であることが好ましい。
MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) [式2]
MT(190)≧7.52×MFR(230)(-0.576) [式2]
式2を満たすプロピレン系樹脂としては、分岐状プロピレン系樹脂や高分子量成分を含有する直鎖状プロピレン系樹脂が挙げられる。
直鎖状プロピレン系樹脂としては、例えば特開平11−228629号公報に開示されたような超高分子量成分を導入したプロピレン系重合体(T)、すなわち極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン系重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得られ、極限粘度が3dl/g未満であり、結晶性プロピレン系重合体部分(A)の割合が0.05重量%以上35重量%未満であるプロピレン系重合体(T)が挙げられる。
分岐状プロピレン系樹脂としては、特開昭62−121704号公報に開示されたような直鎖状プロピレン系樹脂に放射線を照射して得られる樹脂を挙げることができる。このような分岐状プロピレン系樹脂は、株式会社サンアロマよりPF814、SD632として上市されている。
直鎖状プロピレン系樹脂としては、例えば特開平11−228629号公報に開示されたような超高分子量成分を導入したプロピレン系重合体(T)、すなわち極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン系重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得られ、極限粘度が3dl/g未満であり、結晶性プロピレン系重合体部分(A)の割合が0.05重量%以上35重量%未満であるプロピレン系重合体(T)が挙げられる。
分岐状プロピレン系樹脂としては、特開昭62−121704号公報に開示されたような直鎖状プロピレン系樹脂に放射線を照射して得られる樹脂を挙げることができる。このような分岐状プロピレン系樹脂は、株式会社サンアロマよりPF814、SD632として上市されている。
230℃におけるメルトフローレート(MFR(230))とは、JIS K7210に従って、温度230℃、荷重2.16kgfで測定される値である(単位 g/10分)。190℃におけるメルトテンション(MT(190))とは、市販のメルトテンションテスターを用いて、サンプル量5g、加熱温度190℃、加熱時間5分間、ピストン降下速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取速度100rpmで巻き取ったときの張力である(単位 g)。
本発明で使用する物理発泡剤は、炭酸ガス、窒素ガス、空気、プロパン、ブタン等、公知の物理発泡剤である。熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹脂を用いる場合には、発泡剤の樹脂への溶解性および発泡剤の安全性の観点から、炭酸ガスを用いることが好ましい。炭酸ガスは7.4MPa以上かつ31℃以上で超臨界状態となり、樹脂への拡散および溶解性に優れた状態になるため、このような条件下で使用することがより好ましい。
プロピレン系樹脂に対する物理発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応じて適宜設定される。物理発泡剤として炭酸ガスを用いる場合、その添加量は一般に0.1〜2PHRである。
プロピレン系樹脂に対する物理発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応じて適宜設定される。物理発泡剤として炭酸ガスを用いる場合、その添加量は一般に0.1〜2PHRである。
一般に気泡核生成のメカニズムは、炭酸ガス等の物理発泡剤による均一核生成と、化学発泡剤やフィラー等を気泡核剤に用いる場合の不均一核生成の2つに大別される。
前者はビール等の炭酸飲料を開栓した場合に気泡が見られるのと同じメカニズムであって、樹脂中に物理発泡剤が溶解、分散された状態から圧力開放によって気泡が生成するメカニズムである。ただし、このメカニズムにおける気泡核生成の活性化エネルギーは高いため、一般に物理発泡剤を用いて発泡シートを製造する場合において、このメカニズムによって発生する気泡核は非常に少なく、気泡は粗大となりやすい。そのため通常物理発泡剤を用いて発泡シートを製造する場合には気泡核剤を用いることが多いが、本発明では気泡核剤を用いない。気泡核剤を用いた場合には、シート表層部と中間部の気泡の径が均一となる傾向がある。
前者はビール等の炭酸飲料を開栓した場合に気泡が見られるのと同じメカニズムであって、樹脂中に物理発泡剤が溶解、分散された状態から圧力開放によって気泡が生成するメカニズムである。ただし、このメカニズムにおける気泡核生成の活性化エネルギーは高いため、一般に物理発泡剤を用いて発泡シートを製造する場合において、このメカニズムによって発生する気泡核は非常に少なく、気泡は粗大となりやすい。そのため通常物理発泡剤を用いて発泡シートを製造する場合には気泡核剤を用いることが多いが、本発明では気泡核剤を用いない。気泡核剤を用いた場合には、シート表層部と中間部の気泡の径が均一となる傾向がある。
本発明では、前記したような熱可塑性樹脂および物理発泡剤を押出機にて溶融混練した発泡性溶融樹脂をダイから押出し成形する。押出機としては、単軸や多軸の通常の押出成形に用いられる押出機を使用することができ、複数の押出機を組み合わせたタンデム押出機も使用可能である。特に同方向回転2軸押出機が好ましく、スクリュー1回転あたりの押出量が多くて所定の押出量を低回転で得ることができ、スクリュー回転によるせん断発熱の少ない構造の押出機であることがより好ましく、スクリュー本体に冷却媒体を循環させて温調可能な押出機であることがさらに好ましい。ダイとしては、Tダイやサーキュラーダイの通常の押出成形に用いられるダイを使用することができる。
本発明の製造方法においては、振幅λが5μm以上であり、振幅λとダイリップ開度h(mm)との関係が式1を満たす超音波振動をダイリップ部で発泡性溶融樹脂に与える。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
発泡性溶融樹脂に超音波振動を与える方法としては、ダイリップ部に超音波振動装置を備えた押出し成形装置を用いる方法が挙げられる。超音波振動装置とは、超音波発振器、振動子、コーン、ホーンから構成され、周波数が15KHz以上の超音波振動を発生することができる装置である。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
発泡性溶融樹脂に超音波振動を与える方法としては、ダイリップ部に超音波振動装置を備えた押出し成形装置を用いる方法が挙げられる。超音波振動装置とは、超音波発振器、振動子、コーン、ホーンから構成され、周波数が15KHz以上の超音波振動を発生することができる装置である。
超音波振動装置は超音波溶着などで使用される公知の装置を使用することができる。超音波発振器は通常の電力を高周波電力に変換する装置であり、この高周波電力が振動子内部の電極を通じてチタン酸バリウム、チタン酸鉛やチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック系振動素子に供給される。振動素子で発生する振動の振幅は通常小さいため、必要な振幅まで拡大し、かつ振動系の固定を行うためにコーンと呼ばれる共振体(金属体)が振動子に取り付けられる。コーンには金属体であるホーンが接続され、該ホーンをダイリップの少なくとも一部に設置することにより、該ホーンを通して発泡性溶融樹脂へ超音波振動が伝えられる。
超音波振幅の制御方法は特に限定されるものではないが、定振幅制御方式が好ましい。この方式はホーン先端における超音波の振幅を一定に制御する方式である。一般的にホーンを無負荷状態から負荷状態に変化させると、振動系の機械音響抵抗が変化しホーン先端振幅は低下してしまうが、定振幅制御方式を採用することにより、前記変化を定振幅制御回路で常時感知し、振幅低下時に出力を上げて振幅の補正をかけ、一定の振幅を保持することができる。このようにして、負荷状態に変動が生じても一定の振幅を保ち、発泡性溶融樹脂に一定した超音波振動を与えることができる。
ダイがTダイである場合、ダイリップ部における樹脂流路幅は通常10〜3000mmであり、ダイがサーキュラーダイである場合、円形の樹脂流路直径は通常10〜500mmである。ダイが大きい場合にはダイリップ部に超音波振動装置を複数設け、シート幅方向に均一に超音波振動を付与することが好ましい。またダイリップ部の片方から、すなわちTダイの場合には発泡シート片面から、サーキュラーダイの場合にはダイ内部からまたはダイ外側からのみ超音波振動を与えてもよいし、シート両側から超音波振動を与えてもよい。
発泡性溶融樹脂へは、振幅λが5μm以上であり、振幅λ(μm)とダイリップ開度h(mm)の関係が下式1を満たすような超音波振動を与える。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
50≦1000h/λ≦600 [式1]
超音波の振幅λとは、発泡性溶融樹脂に接触するホーン先端における振幅であり、周期的振動変位の山谷の差である。振幅λが大きいほどシート表層部における気泡核の生成が促進されるため、与える超音波振動の振幅λは5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。その上限値は特に限定されるものではないが、振幅増加にともない消費電力も増加するため、通常50μm以下である。
ダイリップ開度h(mm)はシート厚み方向に対応するダイリップ部における樹脂流路の高さであり、通常0.1〜3mmである。本発明では超音波の振幅λ(μm)に対するダイリップ開度h(mm)の比、すなわち1000h/λが50以上600以下となるように、発泡性溶融樹脂に超音波振動を与える。1000h/λは好ましくは100以上300以下である。1000h/λが小さすぎる場合には、シート表層部に位置する気泡と中間部に位置する気泡の径との差が小さくなる、すなわち気泡径が微細で均一となる傾向がある。1000h/λが大きすぎる場合には、シート表層の気泡微細な部分のシート厚み全体に対する割合が小さくなり、シート折れ曲げ時の表面亀裂防止や機械物性の向上等の効果に劣る傾向がある。
本発明で得られる発泡シートの厚みや発泡倍率は特に限定されるものではないが、通常、厚みが1〜7mmであり、発泡倍率が1.05〜7倍である。また本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂製発泡シートは、シートの表層部に位置する気泡の平均気泡径が、中間部に位置する気泡の平均気泡径の半分以下である。
本発明で得られる発泡シートは、包装、通函、仕切り板、食品容器、文具、建材、自動車内装材等に使用することができる。また、発泡シートの片面または両面にシートやフィルム(薄板状物)を貼合したり、帯電防止剤溶液やガスバリア性樹脂組成物溶液等の溶液を塗布してコーティング層を設けてもよい。この場合、発泡シートの表面にコロナ処理、オゾン処理等の表面処理を行うことが好ましい。
貼合する薄板状物としては用途に応じて公知のものを使用することができ、例えば、アルミニウムや鉄等の金属、熱可塑性樹脂、紙、合成紙、麻、ガラスウール等からなる薄板状物や、不織布、織布等を挙げることができる。
貼合する薄板状物としては用途に応じて公知のものを使用することができ、例えば、アルミニウムや鉄等の金属、熱可塑性樹脂、紙、合成紙、麻、ガラスウール等からなる薄板状物や、不織布、織布等を挙げることができる。
本発明で得られる発泡シートを食品包装材として用いる場合、該シートの少なくとも片面に、10〜100μm厚みのプロピレン系樹脂フィルム、またはガスバリア性樹脂フィルムを貼合することが好ましい。ガスバリア性樹脂としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミドなど公知のガスバリア性樹脂が用いられる。
また本発明で得られる発泡シートを自動車内装材として用いる場合には、該シートの少なくとも片面に不織布、織布、麻、ガラスウール等を貼合して用いることが好ましい。
発泡シートを箱の仕切り板等として使用する場合には、内容物保護のため、発泡倍率の高い他の発泡シートを少なくとも片面に貼合することが好ましい。
発泡シートを箱の仕切り板等として使用する場合には、内容物保護のため、発泡倍率の高い他の発泡シートを少なくとも片面に貼合することが好ましい。
本発明で得られる発泡シートにフィルム、薄板状物を貼合する方法は特に限定されるものではなく、例えば、(1)接着剤を発泡シート表面および/または薄板状物表面に塗布して貼合する方法、(2)接着性樹脂フィルムがラミネートされた薄板状物を用い、該接着性樹脂フィルム面を加熱溶融して発泡シートと貼合する方法、(3)ヒーターや熱風などによって発泡シート表面および/または薄板状物表面を溶融させて貼合する方法、(4)溶融樹脂を薄板状物と発泡シートとの間に押出しラミネートして貼合する方法等が挙げられる。
本発明で得られる発泡シートおよび薄板状物などが貼合された発泡シートに、真空成形等の熱成形を行い所望の形状に成形した成形品として使用することもできる。
熱成形法としては、公知の方法を用いることができ、例えば真空成形や熱罫線加工が挙げられる。
熱成形法としては、公知の方法を用いることができ、例えば真空成形や熱罫線加工が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
(1)MFR
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。単位はg/10分。
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。単位はg/10分。
(2)メルトテンション(MT)
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3型を用いて、サンプル量5g、加熱温度190℃、加熱時間5分間、ピストン降下速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=g)。
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3型を用いて、サンプル量5g、加熱温度190℃、加熱時間5分間、ピストン降下速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=g)。
(3)発泡倍率
JIS K7112に従い、水中置換法による測定方法を使用し発泡シートの密度ρfを求め、樹脂密度ρsを用いて下式3により発泡倍率χを計算した。
χ=ρs/ρf [式3]
ρs:樹脂密度(g/cm3)、ρf:発泡体密度(g/cm3)
JIS K7112に従い、水中置換法による測定方法を使用し発泡シートの密度ρfを求め、樹脂密度ρsを用いて下式3により発泡倍率χを計算した。
χ=ρs/ρf [式3]
ρs:樹脂密度(g/cm3)、ρf:発泡体密度(g/cm3)
(4)平均気泡径
発泡シートの幅方向中央部のシート幅方向断面を20倍の倍率でSEM(走査型電子顕微鏡)観察し、該断面に存在する、シート表層部の気泡微細な部分と中間部とに分けて、各々領域について画像解析ソフト(WinRoof Ver5.0(三谷商事株式会社製))を用いて解析し、得られた円相当径を平均気泡径とした。
発泡シートの幅方向中央部のシート幅方向断面を20倍の倍率でSEM(走査型電子顕微鏡)観察し、該断面に存在する、シート表層部の気泡微細な部分と中間部とに分けて、各々領域について画像解析ソフト(WinRoof Ver5.0(三谷商事株式会社製))を用いて解析し、得られた円相当径を平均気泡径とした。
[実施例1]
下記に示す方法にてプロピレン系樹脂製発泡シートを作製した。
押出機として先端にギアポンプを設けた40mmΦ同方向回転2軸押出機(L/D=36、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)を用い、これにダイリップ部の樹脂流路幅が72mm、ダイリップ開度hが2.00mmであり、ダイリップ部に超音波振動装置を具備したTダイを接続して使用した。超音波振動装置はKAIJO製であり、周波数19.5KHz、出力1200W、定振幅制御方式のものを使用した。
プロピレン系樹脂として、株式会社サンアロマ製のPF814を単独で使用した。この樹脂のメルトフローレートMFRは3g/10分であり、メルトテンションMTは46gであった。また、[式2]の右辺7.52×MFR(230)(-0.576)は3.99となり、[式2]を満足するものであった。また、この樹脂密度ρsは0.90g/cm3であった。
前記プロピレン系樹脂を、定量フィーダーを経て押出機に投入して溶融混錬を行い、溶融が進んだ位置(L/D=18)で物理発泡剤として液化炭酸ガス0.36PHRをダイヤフラム式定量ポンプを用いて高圧で注入して十分溶融混練し発泡性溶融樹脂とした後、吐出量10kg/hとなるようにギアポンプを用いて調整しながらTダイ内へ導入した。Tダイ先端のダイリップ部に設けた超音波振動装置を作動させ、発泡性溶融樹脂に超音波振動を厚み方向に付与した。なおTダイ出口から押出された樹脂温度を、出口から2〜3mm離れた地点で測定したところ、樹脂温度は180℃であった。超音波振動の付与条件および得られた発泡シートの評価結果を表1にまとめた。
下記に示す方法にてプロピレン系樹脂製発泡シートを作製した。
押出機として先端にギアポンプを設けた40mmΦ同方向回転2軸押出機(L/D=36、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)を用い、これにダイリップ部の樹脂流路幅が72mm、ダイリップ開度hが2.00mmであり、ダイリップ部に超音波振動装置を具備したTダイを接続して使用した。超音波振動装置はKAIJO製であり、周波数19.5KHz、出力1200W、定振幅制御方式のものを使用した。
プロピレン系樹脂として、株式会社サンアロマ製のPF814を単独で使用した。この樹脂のメルトフローレートMFRは3g/10分であり、メルトテンションMTは46gであった。また、[式2]の右辺7.52×MFR(230)(-0.576)は3.99となり、[式2]を満足するものであった。また、この樹脂密度ρsは0.90g/cm3であった。
前記プロピレン系樹脂を、定量フィーダーを経て押出機に投入して溶融混錬を行い、溶融が進んだ位置(L/D=18)で物理発泡剤として液化炭酸ガス0.36PHRをダイヤフラム式定量ポンプを用いて高圧で注入して十分溶融混練し発泡性溶融樹脂とした後、吐出量10kg/hとなるようにギアポンプを用いて調整しながらTダイ内へ導入した。Tダイ先端のダイリップ部に設けた超音波振動装置を作動させ、発泡性溶融樹脂に超音波振動を厚み方向に付与した。なおTダイ出口から押出された樹脂温度を、出口から2〜3mm離れた地点で測定したところ、樹脂温度は180℃であった。超音波振動の付与条件および得られた発泡シートの評価結果を表1にまとめた。
[実施例2〜4]
超音波振動の振幅λを変更した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
超音波振動の振幅λを変更した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
[比較例1]
超音波振動装置を作動させず、発泡性溶融樹脂に超音波振動を与えなかった以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
超音波振動装置を作動させず、発泡性溶融樹脂に超音波振動を与えなかった以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
[実施例5、比較例2〜3]
超音波振動の振幅λを表1に示すように設定し、ダイリップ開度hを0.50mm、液化炭酸ガス1.00PHR、吐出量5kg/hとした以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
超音波振動の振幅λを表1に示すように設定し、ダイリップ開度hを0.50mm、液化炭酸ガス1.00PHR、吐出量5kg/hとした以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
[比較例4〜6]
超音波振動の振幅λを表1に示すように設定し、ダイリップ開度hを0.10mm、液化炭酸ガス1.00PHR、吐出量5kg/hとした以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
超音波振動の振幅λを表1に示すように設定し、ダイリップ開度hを0.10mm、液化炭酸ガス1.00PHR、吐出量5kg/hとした以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂および物理発泡剤を押出機にて溶融混練した発泡性溶融樹脂をダイから押出し成形する熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法であって、ダイリップ部で発泡性溶融樹脂に超音波振動を与え、該超音波振動の振幅λが5μm以上であり、振幅λとダイリップ開度h(mm)との関係が式1を満たす熱可塑性樹脂製発泡シートの製造方法。
50≦1000h/λ≦600 [式1]
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---|---|---|---|---|
JP2011161366A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Denso Corp | シート材の製造方法およびシート材の製造装置 |
CN113444278A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-09-28 | 四川大学 | 利用超声波辅助高压流体制备聚合物泡沫材料的方法 |
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2005
- 2005-03-03 JP JP2005058538A patent/JP2005289045A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011161366A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Denso Corp | シート材の製造方法およびシート材の製造装置 |
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