JP2003225978A - ポリプロピレン系樹脂発泡シート - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡シート

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JP2003225978A
JP2003225978A JP2002026036A JP2002026036A JP2003225978A JP 2003225978 A JP2003225978 A JP 2003225978A JP 2002026036 A JP2002026036 A JP 2002026036A JP 2002026036 A JP2002026036 A JP 2002026036A JP 2003225978 A JP2003225978 A JP 2003225978A
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polypropylene
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Akira Hanada
暁 花田
Hiroaki Takahata
弘明 高畑
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • Y10T428/249953Composite having voids in a component [e.g., porous, cellular, etc.]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性および剛性に優れ、かつ、熱成形性に
優れたポリプロピレン系樹脂発泡シートを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂材料か
らなる発泡層を有するポリプロピレン系樹脂発泡シート
であって、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なく
とも一方の表面は、ポリプロピレン系樹脂と充填剤とを
含有してメルトテンションが1〜20gの範囲内である
樹脂組成物からなる非発泡層で構成されており、かつ、
該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれる上記発泡
層の坪量と、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートの上記
少なくとも一方の表面を構成する非発泡層の坪量との比
を100:1〜100:100の範囲内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量性、剛性に優
れ、かつ、熱成形性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂発泡体は、断熱
性、軽量性に優れており、例えば、包装用容器、自動車
材料および建築・土木材料等に利用されている。そし
て、特に、ポリプロピレン系樹脂発泡体をシート状にし
たポリプロピレン系樹脂発泡シート(以下、発泡シート
と称する)が広く用いられている。
【0003】上記様々な用途において、発泡シートに、
さらに剛性が要求される場合には、ポリプロピレン系樹
脂を含む樹脂材料に、タルク等の充填剤を配合(添加)
した発泡シートが用いられる。そして、該充填剤を非発
泡層のみに配合して、発泡層と非発泡層とを積層した多
層発泡シートとすることにより、軽量性、断熱性、剛性
に優れた発泡シートを得ることができる。上記発泡シー
トを用いているものとしては、例えば、実用新案登録第
2605351号公報が挙げられる。該公報には、ポリ
オレフィン系樹脂の発泡層と、樹脂100重量部に対し
て10〜400重量部の充填剤を含むポリオレフィン系
樹脂の非発泡層とよりなる積層体シートから形成された
事務用ファイルが開示されている。
【0004】また、上記発泡シートを上記の用途に使用
する場合には、該発泡シートを熱成形により成形する場
合が多い。上記発泡シートを、例えば、食品用容器とし
て使用する場合には、発泡シートを熱成形により、カッ
プ、トレー、コップ、ボックス等の形状にしたものが広
く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発泡層と充
填剤が配合された非発泡層とから構成された発泡シート
を、熱成形(真空成形)により、カップ、トレー等の各
種形状の容器とする際には、発泡シートの加熱時に、該
発泡シートに大きな垂れ下がり(ドローダウン)が生じ
るという問題を生じている。
【0006】上記発泡シートを熱成形するためには、一
般に、発泡シートを周囲を固定して、加熱により、該発
泡シートを柔らかくする必要がある。しかし、加熱され
た発泡シートは、自重により、シートの中央部が垂れ下
がることとなる。このドローダウンの度合いが大き過ぎ
る場合には、成形品に大きなしわができる場合がある。
また、上記垂れ下がった部分が、加熱用のヒータに接触
して溶融したり、発泡シートが燃えたりする場合があ
る。
【0007】一方、上記ドローダウンの発生を抑制する
ために、加熱をあまり行わない場合には、成形が不完全
となり、所望の形状にならなかったり、成形品が破損し
たりする場合がある。
【0008】従って、ドローダウンの発生が制御され
た、熱成形に良好な発泡シートが求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、発泡層と充填剤を含
有している非発泡層とからなる多層構成のポリプロピレ
ン系樹脂発泡シートにおいて、表面の非発泡層を構成し
ている樹脂材料のメルトテンション(溶融張力)を特定
の範囲内とすることにより、熱成形時のドローダウンが
少なく、かつ、成形性に優れたポリプロピレン系樹脂発
泡シートが得られることを見出した。
【0010】すなわち、本発明のポリプロピレン系樹脂
発泡シートは、上記の課題を解決するために、ポリプロ
ピレン系樹脂を含む樹脂材料からなる発泡層を有するポ
リプロピレン系樹脂発泡シートであって、該ポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの少なくとも一方の表面は、ポリ
プロピレン系樹脂と充填剤とを含有してメルトテンショ
ンが1〜20gの範囲内である樹脂組成物からなる非発
泡層で構成されており、かつ、該ポリプロピレン系樹脂
発泡シートに含まれる上記発泡層の坪量と、該ポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートの上記少なくとも一方の表面を
構成する非発泡層の坪量との比が100:1〜100:
100の範囲内であることを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、上記表面の非発泡層
を構成している樹脂組成物のメルトテンションが1〜2
0gの範囲内であるので、得られるポリプロピレン系樹
脂発泡シートのドローダウンを抑制することができる。
これにより、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いて
成形品を作製する場合、例えば、成形品のフランジ部に
しわができること等がないので、成形品の外観を良好と
することができる。また、上記メルトテンションを、1
〜20gの範囲内とすることにより、ドローダウンを低
く抑えることができるので、熱成形(真空成形)による
成形品の製造時に、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが
ドローダウンにより加熱用のヒータと接触したりするこ
とがない。これにより、ポリプロピレン系樹脂発泡シー
トがヒータによって溶融したり、燃えたりすることがな
い。従って、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いた
成形品をより安全に製造することができる。
【0012】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記非発泡層は、上記樹脂組成物に含まれ
ているポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、4
0〜100重量部の範囲内の充填剤を含有している構成
がより好ましい。
【0013】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記非発泡層を構成する樹脂組成物のメル
トフローレートが0.5〜5g/10分の範囲内である
構成がより好ましい。
【0014】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両
方の表面が上記非発泡層である構成がより好ましい。
【0015】上記の構成によれば、両方の表面を上記非
発泡層とすることにより、より一層ドローダウンを抑制
(制御)することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本実施の形態にかかるポリプロピ
レン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂を含む
樹脂材料からなる発泡層を有するポリプロピレン系樹脂
発泡シートであって、該ポリプロピレン系樹脂発泡シー
トの少なくとも一方の表面は、ポリプロピレン系樹脂と
充填剤とを含有してメルトテンションが1〜20gの範
囲内である樹脂組成物からなる非発泡層で構成されてお
り、かつ、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれ
る上記発泡層の坪量と、該ポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートの上記少なくとも一方の表面を構成する非発泡層の
坪量との比が100:1〜100:100の範囲内であ
る構成である。
【0017】なお、以下の説明では、便宜上、発泡層を
構成するポリプロピレン系樹脂を第1のポリプロピレン
系樹脂、非発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂を第
2のポリプロピレン系樹脂として説明する。
【0018】まず、発泡層について説明する。上記発泡
層とは、1種類以上の第1のポリプロピレン系樹脂を含
む樹脂材料からなる層である。上記発泡層は、発泡倍率
が1.5倍を超える層であり、発泡倍率としては、2倍
以上40倍以下がより好ましく、3倍以上10倍以下が
さらに好ましい。上記発泡倍率を上記範囲とすることに
より、断熱性および強度に優れたポリプロピレン系樹脂
発泡シート(以下、発泡シートと称する)を得ることが
できる。上記発泡層の発泡倍率は、使用する発泡剤の添
加量や成形加工等の製造時の物理的条件を適宜変更する
ことにより調整することが可能である。
【0019】上記発泡層を形成するために使用される発
泡剤としては、いわゆる化学発泡剤および物理発泡剤の
いずれも使用することができる。上記化学発泡剤として
は、具体的には、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,
p'−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
等の窒素ガスを発生させる熱分解型発泡剤;重炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の炭
酸ガスを発生させる熱分解型無機発泡剤等が挙げられ
る。また、上記物理発泡剤としては、具体的には、例え
ば、プロパン、ブタン、水、炭酸ガス等が挙げられる。
上記例示の発泡剤のうち、高温条件や、火に対して不活
性な物質であることから、水や炭酸ガス等が好適に用い
られる。本実施の形態において、上記発泡剤の使用量
は、臨界的ではなく、所望の発泡倍率が得られるよう
に、用いる発泡剤の種類および樹脂の種類に応じて適宜
調節すればよい。
【0020】上記第1のポリプロピレン系樹脂として
は、具体的には、例えば、プロピレンの単独重合体、お
よび、プロピレン単位を50モル%以上含むプロピレン
系共重合体を挙げることができる。
【0021】上記ポリプロピレン系共重合体における、
プロピレンと共重合可能なものとしては、例えば、エチ
レンおよび炭素数が4〜10のα−オレフィンが挙げら
れる。上記炭素数が4〜10のα−オレフィンとして
は、具体的には、1−ブテン、4−メチルペンテン−
1,1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。上記
例示のα−オレフィンのうち、上記プロピレンと共重合
可能なものとしてエチレンを用いる場合、共重合体中の
エチレン単位の含有量は、10重量%以下であることが
より好ましい。また、上記プロピレンと共重合可能なも
のとして炭素数が4〜10のα−オレフィンを用いる場
合、その含有量は、30重量%以下であることがより好
ましい。
【0022】また、上記第1のポリプロピレン系樹脂と
して、長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂、および/また
は重量平均分子量が1×105以上のポリプロピレン
系樹脂を用いることにより、均一性のより高い気泡構造
を有する発泡層を形成することができる。
【0023】また、上記およびのポリプロピレン系
樹脂のうち、さらに、Meissener型伸張レオメーター
(例えば、東洋精機製メルテンレオメーター)等の装置
を用いて、測定温度;融点+30℃、伸張ひずみ速度
0.1秒-1の測定条件において、一軸溶融伸張粘度測定
を実施したとき、歪み開始後から1秒後、100秒後の
各時点における一軸溶融伸張粘度η1とη100との比(η
100/η1)が10以上である(η100/η1≧10)もの
が特に好ましい。
【0024】上記の長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂と
は、分岐度指数[A]が0.20以上0.98以下の範
囲内(0.20≦[A]≦0.98)であるポリプロピ
レン系樹脂を示している。上記長鎖分岐ポリプロピレン
系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、またはプロ
ピレンとエチレンおよび炭素数が4〜10のオレフィン
から選択される1種類以上のモノマーとを重合してなる
プロピレン共重合体等の構造を有するものが挙げられ
る。上記プロピレン共重合体は、ブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。
【0025】上記分岐度指数[A]が0.20以上0.
98以下の範囲内である長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂
の具体例としては、モンテル社製のポリプロピレンPF
−814が挙げられる。
【0026】なお、上記分岐度指数[A]とは、長鎖の
分岐の程度を示すものであり、下記の式において定義さ
れるものである。 分岐度指数[A]=〔η〕Br/〔η〕Lin ここで、〔η〕Brとは、長鎖分岐を有するオレフィン系
樹脂の固有粘度であり、〔η〕Linとは、該長鎖分岐を
有するオレフィン系樹脂と同じ繰り返し単位と重量平均
分子量とを有する直鎖オレフィン系樹脂の固有粘度であ
る。上記〔η〕 Br、〔η〕Linにポリプロピレン系樹脂
の固有粘度を用いることにより、本実施の形態にかかる
ポリプロピレン系樹脂の分岐度指数を求めることができ
る。
【0027】また、上記固有粘度は、極限粘度数とも呼
ばれ、ポリマー分子の溶液粘度を増強する能力を表す尺
度である。該固有粘度は、特に、樹脂の重量平均分子量
と分岐度とに依存する。従って、長鎖分岐を有するポリ
マーを、同じ重量平均分子量の直鎖ポリマーと比較した
場合、上記固有粘度は、ポリマーの分岐度(枝分かれ)
を表す尺度となる。従って、ポリマーの重量平均分子量
が同じ場合には、上記固有粘度の比を分岐度指数とする
ことができる。本実施の形態にかかるポリプロピレン系
樹脂の固有粘度の測定には、エリオット等により、[J.
Appl.Polym.Sci.,14,2947-2963(1970)]に開示されて
いる測定方法を用いればよい。上記測定方法を用いて、
本実施の形態にかかるポリプロピレン系樹脂の固有粘度
を測定する場合には、ポリプロピレン系樹脂をテトラリ
ンまたはo−ジクロロベンゼンに溶解させた試料を用い
て、例えば、135℃で測定すればよい。なお、上記重
量平均分子量(Mw)は、種々の方法により測定するこ
とができるが、例えば、M.L.McConnelによって、Americ
an Laboratory,May,63-75(1978)に開示されている方
法、すなわち、低角度レーザー光散乱強度測定法が特に
好ましく用いることができる。
【0028】上記の重量平均分子量が1×105以上
のポリプロピレン系樹脂を得るには、例えば、以下に示
す方法を用いればよい。
【0029】まず、第一段階として重合温度60℃、重
合圧力27kg/cm2G(ゲージ圧)の条件下で、液
状プロピレンを57kg/h、トリエチルアルミニウム
を1.3ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメ
トキシシランを0.13ミリモル/h、および、予備活
性された固体触媒成分を0.51g/hで連続的に供給
して、プロピレンの重合を行う。これにより、固有粘度
が7.7dl/gの重合体を得る。そして、得られた重
合体を触媒の活性を失うことなく第二段階に連続的に移
送する。
【0030】次に、第二段階として、重合温度80℃、
重合圧力18kg/cm2Gの条件下で、気相部の水素
濃度が8vol%を保持するようにプロピレンおよび水
素を供給しながら上記第一段階より移送されてきた触媒
含有重合体およびトリエチルアルミニウム60ミリモル
/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシランを6
ミリモル/hを供給しながらプロピレン重合を継続す
る。これにより、固有粘度が7.7dl/gの重合体を
得る。
【0031】上記第一および第二段階を経て得られるポ
リプロピレン系樹脂の重量平均分子量は3.4×105
程度である。該ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量
は、樹脂を構成するモノマーの供給量により調節が可能
である。
【0032】ところで、発泡層を構成する樹脂材料は、
上記第1のポリプロピレン系樹脂以外の、その他の樹脂
を含んでいてもよい。上記その他の樹脂としては、具体
的には、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン等の炭素数が6以下のオレフィン単独重合体、あるい
は、炭素数が2〜10のオレフィンから選択される2種
類以上のモノマーを共重合させたオレフィン共重合体等
が挙げられる。上記オレフィン共重合体としては、ブロ
ック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体の
いずれでもよい。また、上記オレフィン単独重合体およ
びオレフィン共重合体は、単独で用いてもよく、2種類
以上を併用してもよい。
【0033】上記例示のその他の樹脂のうち、エチレン
の単独重合体またはエチレン単位を含む共重合体がより
好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度
ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が
特に好ましい。また、発泡層を構成する樹脂材料には、
ポリエチレンが少量配合されていることがより好まし
い。
【0034】また、上記樹脂材料は、可塑剤や充填剤等
を含有していてもよい。
【0035】なお、本発明の発泡シートは、第1のポリ
プロピレン系樹脂を含む樹脂材料からなる複数の発泡層
を有していてもよい。このように、複数の発泡層が存在
する場合、それぞれの発泡層は、同一の種類(組成)の
ポリプロピレン系樹脂から構成されていてもよく、ま
た、別の種類(組成)のポリプロピレン系樹脂から構成
されていてもよい。
【0036】次に、非発泡層について説明する。上記非
発泡層とは、1種類以上の第2のポリプロピレン系樹脂
および充填剤を含む樹脂組成物からなる層である。上記
非発泡層の発泡倍率としては、1.0倍以上1.5倍以
下がより好ましく、1.0倍以上1.1倍以下がさらに
好ましい。
【0037】上記第2のポリプロピレン系樹脂として
は、具体的には、例えば、プロピレンの単独重合体およ
びプロピレン単位を50モル%以上含むプロピレン系共
重合体を挙げることができる。また、第2のポリプロピ
レン系樹脂として、上記第1のポリプロピレン系樹脂と
同じものを用いてもよい。すなわち、上記発泡層と非発
泡層とは、同一の種類(組成)のポリプロピレン系樹脂
から構成されていてもよく、また、別の種類(組成)の
ポリプロピレン系樹脂から構成されていてもよい。
【0038】また、本発明の発泡シートは、第2のポリ
プロピレン系樹脂および充填剤を含む樹脂組成物からな
る複数の非発泡層を有していてもよい。このように、複
数の非発泡層が存在する場合、それぞれの非発泡層は、
同一の種類(組成)のポリプロピレン系樹脂から構成さ
れていてもよく、また、別の種類(組成)のポリプロピ
レン系樹脂から構成されていてもよい。
【0039】上記第2のポリプロピレン系樹脂のうち、
メルトフローレート(以下、MFRと称する)が0.
5〜5g/10分の範囲内のポリプロピレン系樹脂、
長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂を用いることが特に好ま
しい。該長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂は、前述した
長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂と同様であり、詳細な
説明は省略する。
【0040】上記メルトフローレートが0.5〜5g
/10分の範囲内のポリプロピレン系樹脂としては、ホ
モポリマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グ
ラフト共重合体のいずれでもよい。
【0041】本実施の形態にかかるポリプロピレン系樹
脂のメルトフローレート(MFR)の測定は、JIS
K7210に準拠する。また、本実施の形態にかかるポ
リプロピレン系樹脂のMFRとしては、0.5〜5g/
10分の範囲内が好ましく、1〜3g/10分の範囲内
がより好ましい。従って、MFRを上記範囲内とするこ
とにより、真空成形時のドローダウンを小さくして成形
性を向上させる効果をより一層高めることができる。
【0042】従って、上記第2のポリプロピレン系樹脂
としては、長鎖分岐ポリプロピレン系樹脂であり、か
つ、MFRが0.5〜5g/10分の範囲内であるポ
リプロピレン系樹脂が最も好ましい。
【0043】ところで、上記非発泡層は、充填剤(フィ
ラー)を含んでなるものである。上記充填剤としては、
無機物が好ましく、具体的には、例えば、ガラス繊維、
カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、
炭酸カルシウム等の無機粒子等が挙げられる。上記充填
剤がタルクである場合、タルクの平均粒子径としては、
0.1〜50μmの範囲内のものが特に好ましい。
【0044】上記非発泡層に含まれる充填剤の割合とし
ては、第2のポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、40〜100重量部の範囲内であることがより好ま
しく、55〜85重量部の範囲内であることがさらに好
ましい。第2のポリプロピレン系樹脂100重量部に対
して、充填剤の量を上記範囲内とすることにより、発泡
シートとしたときの高温加熱時の曲げ剛性を充分に備
え、かつ、発泡シートの成形を容易に行うことができ
る。
【0045】また、上記非発泡層を構成する樹脂組成物
としては、上記第2のポリプロピレン系樹脂および充填
剤以外に、その他の樹脂を含んでいてもよい。該その他
の樹脂としては、前述した発泡層を構成している樹脂材
料に含まれていてもよい、その他の樹脂と同様であり、
詳細な説明は省略する。
【0046】本実施の形態にかかる発泡シートについて
説明する。該発泡シートは、1層以上の上記発泡層と1
層以上の非発泡層とが積層されてなるものである。発泡
シートの表面のうち、少なくとも一方は、非発泡層であ
り、両方の表面が非発泡層で形成されていることがより
好ましい。また、複数の上記発泡層を有している場合に
は、該発泡層の間に、上記非発泡層が設けられていても
よい。上記発泡シートの積層形態としては、図1に示す
ように、例えば、(a)発泡層と非発泡層とが一層ずつ
積層されたもの、(b)非発泡層が発泡シートの両表面
を形成しており、該非発泡層の間に発泡層が形成されて
いるもの、(c)発泡シートの一方の表面から順に、非
発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層と積層さ
れたもの、(d)上記(a)の発泡層と非発泡層とが一
層ずつ積層されたもの同士をさらに積層したもの等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0047】本実施の形態にかかる発泡シートの非発泡
層は、充填剤を含んでなるものである。この充填剤を発
泡層に配合した場合には、該発泡シートの製造時に、発
泡過程が阻害されて破泡しやすくなる。
【0048】また、曲げ剛性の向上を目的として、充填
剤を発泡層に配合した場合には、発泡シートの単位面積
あたりの重量が大きく増加してしまう。これに対して、
非発泡層のみに充填剤を配合した場合には、単位面積あ
たりの発泡シートの重量を大きく増加させることなく、
曲げ剛性を向上させることが可能となる。
【0049】本実施の形態にかかる発泡シートにおい
て、非発泡層の第2のポリプロピレン系樹脂中に分散し
た充填剤の粒子径は、0.1〜10μmの範囲内である
ことがより好ましく、1〜5μmの範囲内であることが
さらに好ましい。該充填剤の粒子径を上記範囲内とする
ことにより、曲げ剛性に優れた発泡シートを得ることが
できる。
【0050】上記第2のポリプロピレン系樹脂中に分散
した充填剤の粒子径は、以下の方法によって求められ
る。
【0051】すなわち、発泡シートの、非発泡層の厚さ
方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて充填剤を
明確に認識することができる倍率で観察し、該充填剤2
0個以上のそれぞれの最大長さを測定して、その平均値
を充填剤の粒子径とする。
【0052】本実施の形態にかかる発泡シートの厚さ
は、0.1〜3mmの範囲内であることがより好まし
い。発泡シートの厚さを上記範囲内とすることにより、
実用上十分な曲げ剛性を有するとともに、その製造を容
易に行うことができる。
【0053】発泡シートの発泡層の厚さとしては、0.
1mm以上がより好ましく、十分な断熱性を達成するた
めには0.3mm以上であることがさらに好ましい。ま
た、断熱性の観点からは、発泡シートの発泡層の厚さは
厚いほど好ましい。
【0054】一方、非発泡層の厚さとしては、発泡シー
トの表面の平滑性、すなわち、外観が良好であれば特に
限定されるものではないが、1μm以上であることがよ
り好ましく、10μm以上であることがさらに好まし
く、50μm以上であることが特に好ましい。非発泡層
が厚すぎると、発泡シートの軽量性が損なわれるととも
に、成形性も低下する。
【0055】上記発泡層と非発泡層との厚さの比として
は、それぞれの層の発泡倍率にもよるが、100:1〜
100:30の範囲内がより好ましく、100:1〜1
00:10の範囲内がさらに好ましい。上記発泡層と非
発泡層との厚さの比を上記範囲内とすることにより、発
泡シートの目付量を抑制して、かつ、本発明にかかる発
泡シートの特徴の一つである軽量性に優れた発泡シート
とすることができる。
【0056】また、発泡シートの上記発泡層と表面を構
成している非発泡層との単位面積あたりの重量の比は
(坪量の比)としては、100:1〜100:100の
範囲内が好ましく、100:10〜100:80の範囲
内がより好ましい。上記坪量の比が下限値を外れた場
合、すなわち、表面を構成している非発泡層に対する発
泡層の坪量が100/1よりも大きいと、非発泡層の効
果が不十分であり、発泡シートの剛性が損なわれるため
好ましくない。一方、上記坪量の比が上限値を外れた場
合、すなわち、表面を構成している非発泡層に対する発
泡層の坪量が100/100よりも小さいと、シートの
目付量が大きくなり軽量性が損なわれるため好ましくな
い。従って、上記坪量の比を上記範囲内とすることによ
り、剛性と軽量性とのバランスに優れた発泡シートを得
ることができる。
【0057】なお、本発明において、発泡層および/ま
たは表面の非発泡層が複数存在する場合には、上記坪量
の比は、それぞれの層の坪量の合計における比を示して
いる。すなわち、発泡層、表面の非発泡層がそれぞれ複
数存在する場合には、発泡層の坪量の合計と表面の非発
泡層の坪量の合計との比が100:1〜100:100
の範囲内が好ましく、100:10〜100:80の範
囲内がより好ましい。また、発泡層のみが複数存在する
場合には、発泡層の坪量の合計と表面の非発泡層の坪量
との比が、100:1〜100:100の範囲内が好ま
しく、100:10〜100:80の範囲内がより好ま
しい。なお、上記表面の非発泡層とは、発泡シートの表
面を構成している非発泡層であり、上記「表面の非発泡
層が複数存在する」とは、発泡シートの両方の表面が非
発泡層で構成されていることを示している。
【0058】また、2層以上の非発泡層が存在し、発泡
シートの表面を構成していない非発泡層が存在している
場合、上記発泡シートの表面を構成している非発泡層の
重量は、全ての非発泡層の総重量の10〜30重量%の
範囲内であることがより好ましい。表面を構成している
非発泡層の重量を非発泡層の総重量に対して、上記範囲
内とすることにより、剛性と軽量性とのバランスにより
優れた発泡シートを得ることができる。なお、ここで重
量、総重量とは、単位面積あたりの重量のことである。
【0059】また、上記発泡層および非発泡層は、必要
に応じて、可塑剤や着色剤等が含まれてなるものであっ
てもよい。
【0060】本実施の形態にかかる発泡シートは、上記
表面の非発泡層を構成している第2のポリプロピレン系
樹脂を含む樹脂組成物のメルトテンションが1〜20g
の範囲内である。上記メルトテンションとは、溶融張力
のことである。上記メルトテンションの測定方法につい
ては、後述する。
【0061】上記メルトテンションとしては、1〜20
gの範囲内であることが好ましく、1〜5gの範囲内で
あることがより好ましい。該メルトテンションが1gよ
りも小さいと、真空成形時のドローダウンが極端に大き
くなり、成形品にしわが発生したり、成形時にシートが
加熱ヒータに接触するトラブルの原因となるため好まし
くない。一方、メルトテンションが20gよりも大きい
と、熱成形時のシート強度が高すぎて金型形状に賦形す
るときの賦形性が極端に損なわれるため好ましくない。
従って、上記メルトテンションを上記範囲内とすること
により、真空成形時の、発泡シートのドローダウンを制
御することができるので、発泡シートの成形性を向上さ
せることができる。
【0062】なお、非発泡層が発泡シートの表面以外に
も形成されている、例えば、発泡層が複数存在しており
該発泡層の間に非発泡層が形成されている発泡シートの
場合には、それぞれの非発泡層を構成している樹脂組成
物のメルトテンションが1〜20gの範囲内であること
が最も好ましい。
【0063】ここで、ドローダウンについて、図2を参
照して説明する。発泡シートを真空成形するには、発泡
シートを金型に成形するために真空吸引が必要であり、
この真空吸引を行うために、発泡シートを加熱して柔ら
かくする必要がある。このとき、外周部が固定されてい
る発泡シートは、加熱されることにより、発泡シートの
自重で中央部が垂れ下がった状態になる。
【0064】この垂れ下がり(ドローダウン)が大きい
場合には、発泡シートが大きく垂れ下がるので、垂れ下
がった部分が加熱用のヒータと接触して、溶融したり、
発泡シートが燃えたりする場合がある。また、加熱用の
ヒータと接触しなかったとしても、フランジ部にしわが
できる場合があり、成形品の外観不良の原因となる場合
がある。
【0065】一方、上記ドローダウンを小さくするため
に、発泡シートの加熱を抑制した場合には、十分に加熱
ができないために、成形不良を生じたり、成形品が破損
したりする場合がある。
【0066】従って、本実施の形態にかかる発泡シート
は、発泡シートの表面を構成する上記非発泡層を構成す
る樹脂組成物のメルトテンションを1〜20gの範囲内
とすることにより、十分に加熱しても、ドローダウンが
制御されているので、該発泡シートの熱成形性を向上さ
せることができる。また、メルトテンションを上記の範
囲内とすることにより、ドローダウンを抑制することが
できるので、発泡シートが加熱用のヒータによって、溶
融したり、燃えたりすることがない。従って、より安全
に、発泡シートを成形することができる。
【0067】本実施の形態にかかる発泡シートは、上記
発泡層と表面を構成する非発泡層と以外に、必要に応じ
て、熱可塑性樹脂からなる層を有することができる。上
記熱可塑性樹脂からなる層としては、具体的には、例え
ば、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、無延伸ポ
リプロピレンフィルム(CPP)またはエチレンービニ
ルエステル共重合体ケン化物からなる層等が特に好適に
用いられる。
【0068】また、上記例示の熱可塑性樹脂をグラフト
変性、架橋あるいは分子鎖末端を修飾して得られる、い
わゆる変性樹脂も使用することができる。
【0069】上記熱可塑性樹脂からなる層は、2層以上
の積層構造を有するものが特に好適に用いられる。熱可
塑性樹脂からなる層が単層である場合には、10〜10
0μmの範囲内の厚さであることがより好ましく、多層
である場合には、層の合計の厚さが50〜200μmの
範囲内であることがより好ましい。
【0070】熱可塑性樹脂からなる層が2層以上の積層
構造を有する場合には、さらに、接着性樹脂層を設けて
もよい。上記接着性樹脂を構成する樹脂としては、具体
的には、例えば、マレイン酸等の不飽和カルボン酸また
はその無水物によりグラフト変性したポリプロピレン系
樹脂等が挙げられる。
【0071】上記二層以上の熱可塑性樹脂の層を上記発
泡シートに積層させて成形することにより得られる複合
発泡シートの層構成としては、具体的には、例えば、無
延伸ポリプロピレン層/接着性樹脂層/エチレンービニ
ルエステル共重合体ケン化物層/接着性樹脂層/非発泡
層/発泡層/非発泡層という層構成や、無延伸ポリプロ
ピレン層/接着性樹脂層/エチレンービニルエステル共
重合体ケン化物層/接着性樹脂層/非発泡層/発泡層/
非発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層という層構成が
挙げられる。上記例示の層構成を備えた複合発泡シート
を例えば、電子レンジ調理用の容器として成形する場合
には、容器体の内面側を上記無延伸ポリプロピレン層と
なるように成形すればよい。
【0072】上記複合発泡シートの製造方法としては、
例えば、押出しラミネーションや、熱可塑性樹脂のシー
トまたはフィルムと発泡シートとの間にポリプロピレン
等の他の熱可塑性樹脂を溶融押出しして積層するサンド
ラミネーション、熱可塑性樹脂のシートまたはフィルム
と発泡シートとの少なくとも一方の表面を熱風あるいは
赤外ヒータにより加熱溶融させて積層する方法等が挙げ
られる。
【0073】上記積層の方法としては、複合発泡シート
の軽量性、コストの観点から、発泡シートと熱可塑性樹
脂からなる層とを二本以上のロールから構成されている
ニップロールに通し、ニップ部にエアナイフ等から熱風
をあてることで発泡シートと熱可塑性樹脂からなる層と
の少なくとも一方の表面を加熱溶融させて、ニップロー
ルにより圧着することにより積層する熱貼合法が特に好
ましい。
【0074】本実施の形態にかかる発泡シートには、さ
らに、添加剤を含有させることができる。上記添加剤と
しては、具体的には、例えば、造核剤、酸化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、防霧剤、可塑剤、帯電
防止剤、滑剤、着色剤、ダイオキシン抑制剤、エチレン
ガス吸収剤、脱臭剤、鮮度保持剤、抗菌剤等を挙げるこ
とができる。上記例示の添加剤は、本発明の作用効果が
阻害されない範囲内で発泡層または非発泡層に配合する
ことができる。特に、有機リン酸塩等の造核剤を非発泡
層(スキン層)に配合することにより、結晶生成速度を
速くしてドローダウンを小さくすることができる。
【0075】本実施の形態にかかる発泡シートの製造方
法は、特に限定されるものではないが、フラットダイ
(Tダイやコートハンガーダイ等)、ストレートダイ、
サーキュラーダイ(クロスヘッドダイ等)等のダイから
溶融した樹脂を押出し、発泡させながら延伸を行う方法
が好ましく用いられる。また、溶融した樹脂をダイから
押出し、発泡させた後に、延伸を行う方法も好ましい。
【0076】本実施の形態にかかる発泡シートを成形す
ることにより、例えば、電子レンジ調理用のポリプロピ
レン系樹脂発泡容器等を製造することができる。上記発
泡シートを、例えば、電子レンジ調理用のポリプロピレ
ン系樹脂発泡容器に成形する成形方法としては、該容器
を形成する発泡シートを赤外ヒータ等により、加熱して
軟化させ、次いで、雄型、雌型、雄雌対型等の金型を用
いて、真空、圧空、真空圧空等の方法により賦形して、
これを冷却して固化させる方法等が挙げられる。また、
上記成形方法において、雄型および雌型のいずれか一方
の型で真空、圧空成形する前または成形後に、容器の形
状と相似形のプラグをシートに接触させて容器の形状へ
の予備賦形を行うこともできる。
【0077】また、本実施の形態にかかる発泡シート
は、さらに、ヒートシール層を備えていてもよい。上記
ヒートシール層が備えられている発泡シートを容器に成
形する場合、該ヒートシール層は、容器の最内層に配置
することが好ましい。上記ヒートシール層は、容器の蓋
材をヒートシールすることが可能であり、適度の接着強
度(剥離強度)で蓋材による封緘が可能であること、す
なわち人為的に力を加えられない限り120〜140℃
程度の高温条件でも蓋材は剥離しないが、人の手によっ
て容易に蓋材が剥離することができる層が好ましい。こ
のような性質を有するヒートシール層としては、熱可塑
性樹脂100重量部と、有機微粒子および無機微粒子か
らなる郡より選ばれる平均粒子径が0.05〜20μm
の微粒子0.5〜160重量部とを含有する樹脂組成物
からなる層が挙げられる。ここで用いられる熱可塑性樹
脂としては、ポリプロピレン系樹脂100重量部とポリ
エチレン系樹脂10〜100重量部とからなる樹脂が好
ましい。
【0078】また、本発明にかかるポリプロピレン系樹
脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂材料
からなる少なくとも1層の発泡層を有するポリプロピレ
ン系樹脂発泡シート(ただし、発泡層が2層以上存在す
る場合、全ての発泡層が同じポリプロピレン系樹脂を含
む必要はない)であって、該ポリプロピレン系樹脂発泡
シートの一方の表面が、ポリプロピレン系樹脂と充填剤
とを含有してメルトテンションが1〜20gの範囲内に
ある樹脂組成物からなる非発泡層を有しており、かつ、
該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれる全発泡層
の坪量の合計と、上記非発泡層の坪量との比が100:
1〜100:100の範囲内である構成であってもよ
い。
【0079】また、本発明にかかるポリプロピレン系樹
脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂材料
からなる少なくとも1層の発泡層を有するポリプロピレ
ン系樹脂発泡シート(ただし、発泡層が2層以上存在す
る場合、全ての発泡層が同じポリプロピレン系樹脂を含
む必要はない)であって、該ポリプロピレン系樹脂発泡
シートの両方の表面が、それぞれ、ポリプロピレン系樹
脂と充填剤とを含有してメルトテンションが1〜20g
の範囲内にある樹脂組成物からなる非発泡層(ただし、
両非発泡層に含有されるポリプロピレン系樹脂は同一で
あっても異なっていてもよく、両非発泡層に含有される
充填剤は同一であっても異なっていてもよい)であり、
かつ、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれる全
発泡層の坪量の合計と、上記両非発泡層の坪量の合計と
の比が100:1〜100:100の範囲内にある構成
であってもよい。
【0080】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0081】〔実施例1〕以下に示す方法により、非発
泡層/発泡層/非発泡層の二種類三層からなるポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートを作成した。
【0082】(発泡層構成材料)発泡層構成材料は、2
段階重合法により重合したポリプロピレンとポリエチレ
ンとを重量比70/30の割合でペレットブレンドした
混合物を使用した。以下に、上記ポリプロピレンの調整
方法および発泡層構成材料の作製方法について説明す
る。
【0083】(1)固体触媒の合成 攪拌機付きの200Lステンレス製反応容器を窒素で置
換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.
55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテ
トラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とし
た。次に濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロ
リドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内
の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下し
た。滴下終了後、室温でさらに1時間撹伴した後室温で
固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。
次いで、スラリー濃度が0.6kg/Lになるようにト
ルエンを加えた後に、n−ブチルエーテル8.9モルと
四塩化チタン274モルとの混合液を加え、更にフタル
酸クロライド20.8モルを加えて、110℃で3時間
反応を行った。反応終了後、95℃でトルエンを用いて
2回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度を0.6kg
/Lに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モ
ル、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタ
ン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。
反応終了後、同温度で固液分離した後、95℃でトルエ
ン90Lを用いて2回洗浄を行った。次いで、スラリー
濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエー
テル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、
95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固
液分離してトルエン90Lで3回洗浄した。次いで、ス
ラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ブチル
エーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加
え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度
で固液分離してトルエン90Lで3回洗浄を行った後、
さらにヘキサン90Lで3回洗浄した後、減圧乾燥して
固体触媒成分11.0kgを得た。
【0084】固体触媒成分は、チタン原子1.9重量
%、マグネシウム原子20重量%、フタル酸エステル
8.6重量%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基
0.21重量%を含有しており、微粉のない良好な粒子
形状を有していた。
【0085】(2)固体触媒成分の予備活性化 撹拝機を備えた内容積3Lのステンレス製のオートクレ
ーブに十分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5
L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブ
チル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモ
ル、上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を5〜
15℃に保ちながらプロピレン15gを30分かけて連
続的に供給して予備活性化を行った。
【0086】(3)プロピレン系重合体の重合 第1段階 ステンレス製の内容積300Lの重合槽(第一重合槽)
において、重合温度60℃、重合圧力27kg/cm2
G(ゲージ圧)を保持するように、液状プロピレンを5
7kg/hで供給しながら、トリエチルアルミニウム
1.3ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメト
キシシラン0.13ミリモル/hおよび予備活性化され
た固体触媒成分0.51g/hを連続的に供給し、水素
の実質的非存在下でプロピレン重合を行い、2.0kg
/hの重合体を得た。このとき、重合体の生成量は触媒
1gあたり3920gであり、その一部をサンプリング
して分析した結果、固有粘度は7.7dL/gであっ
た。得られた重合体を失活することなく第二重合槽に連
続的に移送した。
【0087】第2段階 内容積が1m3である撹枠機付き流動床反応器(第二重
合槽)において、重合温度80℃、重合圧力18kg/
cm2G、気相部の水素濃度を8vol%に保持するよ
うにプロピレンおよび水素を供給しながら、上記第1段
階の第一重合槽より移送された触媒含有重合体およびト
リエチルアルミニウム60ミリモル/h、t−ブチル−
n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル/hを供給し
ながらプロピレン垂合を連続的に継続することにより1
8.2kg/hの重合体を得た。この重合体の固有粘度
は1.9dL/gであった。
【0088】以上の結果から、第2段階における重合体
の生成量は触媒1gあたり31760gであり、第一重
合槽と第二重合槽との重合重量比は11/89であっ
た。また、第2段階の重合反応にて形成される重合体の
固有粘度は1.9dL/gであった。
【0089】(4)重合体のペレット化 上記2段階の反応により得られた重合体粉末100重量
部に対して、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、フ
ェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス101
0、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.05重量
部、フェノール系酸化防止剤(商品名:スミライザーB
HT、住友化学工業株式会社製)0.2重量部を加えて
混合し、230℃で溶融混練して、メルトフローレート
(MFR)が12g/10分(230℃ 21.168
N(2.16kgf))のポリプロピレンのペレットを
得た。
【0090】(5)発泡層構成材料のブレンド 上記方法により得られたポリプロピレンと、ポリエチレ
ン(商品名:スミカセンG201、住友化学工業株式会
社製、MFR;2g/10分(190℃ 21.168
N(2.16kgf)、密度0.919g/cm3)の
ペレットを重量比70/30でドライブレンドした混合
物を発泡層構成材料とした。
【0091】(非発泡層構成材料)ポリプロピレン(住
友化学工業株式会社製ポリプロピレン AH161C
MFR;3g/10分、230℃ 21.168N
(2.16kgf))とタルク(商品名:ミクロンホワ
イト#5000S、林化成製、主成分:けい酸マグネシ
ウム、平均粒子径2.8μm)とを重量比60/40で
ドライブレンドし、同方向二軸押出機(商品名:池貝P
CM45、株式会社池貝製45mmφ、L/D30)に
より、200rpm、ダイス温度240℃で造粒し、乾
燥させた樹脂組成物を非発泡層構成材料とした。
【0092】(押出発泡)50mmφ二軸押出機と32
mmφ単軸押出機とに90mmφのサーキュラーダイを
取り付けた装置を使用した。上記発泡層構成材料100
重量部に対して1重量部の核剤(商品名:ハイドロセロ
ール、ベイリンガーインゲルハイムケミカルズ社製)を
ブレンドした原料を上記50mmφ二軸押出機のホッパ
ーに投入し、溶融が進んだ位置から炭酸ガス1重量部を
注入し、原料と炭酸ガスとを十分に混練溶融してダイに
送り込んだ。上記発泡層となる溶融混合物と上記32m
mφ単軸押出機に送り込んだ非発泡層となる非発泡層構
成材料とをダイ内で積層して、押出し、上記90mmφ
のサーキュラーダイの直後に設置された210mmφマ
ンドレルに沿って冷却し、2.3倍に拡張させることに
より、円筒状発泡シートとした。その後、この円筒状発
泡シートにカッターでスリットを入れ、円筒を開いて平
板状発泡シートとした。そして、巻取機にて巻き取るこ
とにより、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートを
得た。
【0093】〔実施例2〕非発泡層構成材料として、ポ
リプロピレン(モンテル社製ポリプロピレン 商品名
PF814 MFR2g/10分(230℃ 21.1
68N(2.16kgf)))とタルク(商品名:ミク
ロンホワイト#5000S、林化成製、主成分:けい酸
マグネシウム、平均粒子径:2.8μm)とを重量比6
0/40でドライブレンドし、同方向二軸押出機(商品
名:池貝PCM45、株式会社池貝製、45mmφ、L
/D30)により、200rpm、ダイス温度240℃
で造粒し、乾燥させた樹脂組成物を使用する以外は、実
施例1と同様の方法によりポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートを作製した。
【0094】〔比較例1〕非発泡層構成材料として、ポ
リプロピレン(住友化学工業株式会社製ポリプロピレン
商品名 AW161C MFR8g/10分(230
℃ 21.168N(2.16kgf)))とタルク
(商品名:ミクロンホワイト#5000S、林化成製、
主成分:けい酸マグネシウム、平均粒子径:2.8μ
m)とを重量比60/40でドライブレンドし、同方向
二軸押出機(商品名:池貝PCM45、株式会社池貝
製、45mmφ、L/D30)により、200rpm、
ダイス温度240℃で造粒し、乾燥させた樹脂組成物を
使用する以外は、実施例1と同様の方法によりポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートを作製した。
【0095】(評価)実施例および比較例により得られ
たポリプロピレン系樹脂発泡シートを、メルトテンショ
ン、MFR、ドローダウン性および成形品の外観につい
て評価した。具体的な評価方法については以下に示す。
【0096】(メルトテンションの測定)表面の非発泡
層を構成している樹脂組成物のメルトテンション測定
は、図3に示すように、キャピロメーター((株)東洋
精機製キャピログラフ)を用いて、長さ350mm直径
9.55mmのバレル(シリンダー)、および長さ20
mm、内径1mmのノズルをバレルの先端に取り付けお
こなった。バレル内に、測定する樹脂組成物を充填し、
ピストンをバレルに挿入して230℃で予熱した。加熱
開始から8分後に樹脂が完全に溶融し、気泡を含まずに
押出すことができることを確認した後、ピストン押出し
速度10mm/minで樹脂を押出し、バレルの先端に
取り付けたノズルの細穴から樹脂をストランド状で押出
した。押出したストランド状の樹脂を張力検出用プーリ
ー(直径45mm)に掛けた後、巻取ローラー(直径5
0mm)で10m/minで巻き取った。このとき張力
検出用プーリーと連結されている検出器により検出され
るストランド状の樹脂の溶融張力(メルトテンション)
を経時で測定した。そして、図4に示すように、縦軸に
メルトテンションを、横軸に時間を取ったグラフを得
た。上記測定を3回以上行い、各グラフにおけるメルト
テンションの振幅が安定した以降の部分について、振幅
の中央値を平均したものを、この樹脂のメルトテンショ
ンとした。得られた結果を表1に示す。
【0097】(樹脂のメルトフローレート(MFR))
樹脂のメルトフローレート測定は、JIS K7210
に準拠して行った。
【0098】すなわち、市販のメルトインデクサー(宝
工業製 メルトインデクサー 型式L207)を用い、
長さ160mm、直径9.55mmのバレル;長さ8m
m、外径9.5mm、内径2.1mmのダイ;ヘッドの
長さ6.35mmヘッドの直径9.47mmのピストン
を使用して測定を行った。
【0099】まず、バレル内に、測定する樹脂組成物を
充填した後、ピストンをシリンダーに挿入して、上記ピ
ストンに2.16kgのおもりを載せ、ポリプロピレン
の場合には230℃、ポリエチレンの場合には190℃
という適切な温度で予熱した。加熱開始から6分後に樹
脂が完全に溶融し気泡を含まずに押出すことができるこ
とを確認した後、押出し初期に押出されてくるダイ出ロ
からの押出物を除去し、その後に押出された樹脂の重量
と押出にかかった時間とを測定し、10分あたりの押出
量を算出した。メルトフローレート3.5〜10g/1
0分程度の樹脂ならば、5〜8g程度の樹脂をシリンダ
ー内に充填し、約30秒間の押出量を測定するのがよ
い。この測定を3回以上行い、各測定値の平均値をその
樹脂のメルトフローレートとした。得られた結果を表1
に示す。
【0100】(熱成形性(ドローダウン))ドローダウ
ンの測定には、1000mm×1000mmの実施例お
よび比較例で得られたポリプロピレン系樹脂発泡シート
を使用し、外側の大きさが1050mm×1050mm
で内側に950mm×950mmの穴のあいた角型の金
属製クリップ部材を該発泡シートの上下にあてシートを
固定する。
【0101】次に、1100mm×1100mmの大き
さの2個の赤外ヒータを、シートの両面(上下)のそれ
ぞれから30cm離れた位置に固定し、上側の赤外ヒー
タを400℃の温度に設定し、下側の赤外ヒータの温度
を350℃に設定した状態で、上記発泡シート上側表面
の温度が150℃となるようにシートを加熱する。
【0102】そして、シート上側表面の温度が150℃
になった時点で赤外ヒータを除き、クリップ部材位置か
らシート中央部の垂れ下がりの大きさを、物差しを用い
て目測により測定し、ドローダウンの大きさとした。得
られた結果を表1に示す。
【0103】(成形品の外観)成形品の外観の評価を行
うために、真空成形によって、ポリプロピレン系樹脂発
泡シートからなる容器を作製した。以下に、真空形成に
よる成形方法を説明する。
【0104】実施例および比較例で得られたポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの真空成形は、真空成形装置にて
成形した。まず、上記発泡シートをクリップ部材で挟持
して、発泡シートの両面(上下方向)を赤外ヒータによ
り発泡シートの表面が150℃になるように加熱した。
その後、発泡シートの表面が150℃になると、上記赤
外ヒータを取り除き、その後、プラグをシート側に移動
させて発泡シートと該プラグとを当接させた。そして、
上記プラグをクリップ部材で挟持された面に対して、垂
直方向に移動させて、発泡シートを雌金型に当接させる
ことにより、発泡シートを容器形状に予備賦形した。次
に、雌金型から真空吸引することにより、雌金型と発泡
シートとを密着させ、雌金型と同じ形状の容器に形成し
た。
【0105】その後、成形した容器をファンにより空冷
で冷却して固化させ、容器形状の発泡シートをクリップ
部材による固定から外し、雌金型から取り出した。そし
て、発泡シートの端部をトリミングすることにより、ポ
リプロピレン系樹脂発泡シートからなる容器(開口部口
径130mm、縁部幅10mm、底部径60mm、高さ
50mm)を得た。
【0106】そして、得られたカップ状容器のフランジ
部のシワの状態について目視により評価をおこなった。
評価としては、容器フランジ部にシワがほとんど認めら
れなかった場合を○、容器フランジ部にシワが多く認め
られた場合を×とした。得られた結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】以上の結果から、非発泡層を構成している
樹脂組成物のメルトテンションを、1〜20gの範囲内
とすることにより、得られるポリプロピレン系樹脂発泡
シートのドローダウンを抑制することができる。これに
より、本発明にかかるポリプロピレン系樹脂発泡シート
を用いて成形品を作製する場合、成形品のフランジ部に
しわができることがなく、成形品の外観を良好とするこ
とができる。また、上記メルトテンションを、1〜20
gの範囲内とすることにより、ドローダウンを低く抑え
ることができるので、真空成形による成形品の製造時
に、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが加熱用のヒータ
と接触したりすることがないので、より安全に成形品を
製造することができる。
【0109】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シー
トは、以上のように、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂
材料からなる発泡層を有するポリプロピレン系樹脂発泡
シートであって、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートの
少なくとも一方の表面は、ポリプロピレン系樹脂と充填
剤とを含有してメルトテンションが1〜20gの範囲内
である樹脂組成物からなる非発泡層で構成されており、
かつ、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれる上
記発泡層の坪量と、該ポリプロピレン系樹脂発泡シート
の上記少なくとも一方の表面を構成する非発泡層の坪量
との比が100:1〜100:100の範囲内である構
成である。
【0110】それゆえ、上記表面の非発泡層を構成して
いる樹脂組成物のメルトテンションが1〜20gの範囲
内であるので、得られるポリプロピレン系樹脂発泡シー
トのドローダウンを抑制することができる。これによ
り、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いて成形品を
製造する場合には、例えば、成形品のフランジ部にしわ
ができること等がないので、成形品の外観を良好とする
ことができるという効果を奏する。また、上記メルトテ
ンションを、1〜20gの範囲内とすることにより、ド
ローダウンを低く抑えることができるので、真空成形に
よる成形品の製造時に、ポリプロピレン系樹脂発泡シー
トがドローダウンにより加熱用のヒータと接触したりす
ることがないので、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが
溶融したり、燃えたりすることがない。従って、ポリプ
ロピレン系樹脂発泡シートを用いた成形品をより安全に
成形品を製造することができるという効果を奏する。
【0111】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記シート表面を構成し、メルトテンショ
ンが1〜20の範囲内である非発泡層は、第2のポリプ
ロピレン系樹脂100重量部に対して、40〜100重
量部の範囲内で充填剤を含有している構成がより好まし
い。
【0112】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記シート表面を構成し、メルトテンショ
ンが1〜20の範囲内である非発泡層を構成する樹脂組
成物のメルトフローレートが0.5〜5g/10分の範
囲内である構成がより好ましい。
【0113】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、さらに、上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両
方の表面が上記非発泡層である構成がより好ましい。
【0114】上記の構成によれば、両方の表面を上記非
発泡層とすることにより、より一層ドローダウンを抑制
(制御)することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、ともに本発明のポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの積層された状態を示す模式図で
ある。
【図2】ポリプロピレン系樹脂発泡シートのドローダウ
ンを説明する概略の斜視図である。
【図3】メルトテンションを測定するための装置の概略
を示す正面図である。
【図4】測定されたメルトテンションを示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 竜磨 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA24 BA03 BA04 BA13 BA14 BA16 BA17 BA18 BA32 BA34 BA36 BA37 CA03 CA22 DA19 DA34 4F100 AA03B AA03C AA03H AC10B AC10C AC10H AK07A AK07B AK07C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA13 BA25 CA23B CA23C DJ01A GB07 GB16 GB32 JA06B JA06C JK01B JK01C JL01 JL03 YY00B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂材料から
    なる発泡層を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートで
    あって、 該ポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なくとも一方の
    表面は、ポリプロピレン系樹脂と充填剤とを含有してメ
    ルトテンションが1〜20gの範囲内である樹脂組成物
    からなる非発泡層で構成されており、 かつ、該ポリプロピレン系樹脂発泡シートに含まれる上
    記発泡層の坪量と、該ポリプロピレン系樹脂発泡シート
    の上記少なくとも一方の表面を構成する非発泡層の坪量
    との比が100:1〜100:100の範囲内であるこ
    とを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】上記非発泡層は、上記樹脂組成物に含まれ
    ているポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、4
    0〜100重量部の範囲内の充填剤を含有していること
    を特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡
    シート。
  3. 【請求項3】上記非発泡層を構成する樹脂組成物のメル
    トフローレートが0.5〜5g/10分の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポリプロピレ
    ン系樹脂発泡シート。
  4. 【請求項4】上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両
    方の表面が上記非発泡層であることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹
    脂発泡シート。
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