JP2001064430A - ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法

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JP2001064430A
JP2001064430A JP24380399A JP24380399A JP2001064430A JP 2001064430 A JP2001064430 A JP 2001064430A JP 24380399 A JP24380399 A JP 24380399A JP 24380399 A JP24380399 A JP 24380399A JP 2001064430 A JP2001064430 A JP 2001064430A
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sheet
foam
resin foam
based resin
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Kiyomi Kaminomachi
清巳 上ノ町
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽くて、生産性が高く、重量物の重さに耐え
ることのできて、畳の床材(芯材)や床用断熱材等の複
合建材に適したポリオレフィン系樹脂発泡体およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂発泡体は、中心部
に紡錘形の気泡5aを有しており、内在する気泡のアスペ
クト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜2.5で、発泡
倍率が7〜30倍で、Dxyの平均値が500μm以上
である。ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、ポ
リオレフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同
樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤
を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状
に賦形し、得られた発泡性シートを225℃未満に加熱
し、シートの厚み方向のみに発泡させて、紡錘形の気泡
5aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂を主体とする発泡体、特に、畳の床材(芯材)や床
用断熱材等の複合建材に適したポリオレフィン系樹脂発
泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性、柔
軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝材、浮揚材等に
幅広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂
発泡体は、ポリスチレン系樹脂発泡体と比較すると発泡
体の圧縮強度が小さいので、例えば建材畳の床材や床用
断熱材等の複合建材用途には、使用することができなか
った。例えばタンス等の重量物を長期間設置しておく
と、重量物の重さに耐えきれず、重量物の跡が畳に残っ
たり、床用断熱材においても形状回復が無く、へたりが
起こった。
【0003】この問題を解決すべく、例えば特開平8−
108440号公報には、気泡構造が(a)発泡板の面
と平行な方向の大きさに対する発泡板の面と垂直な方向
の大きさの比が2.5〜10.0であるものの割合が8
5%以上、(b)発泡板の面と平行な方向の大きさが5
00μm以下であるものの割合が70%以上の独立気泡
であり、発泡板の面と平行な方向の圧縮強度に対する発
泡板の面と垂直な方向の圧縮強度の比が2以上、発泡倍
率が5〜20倍であることを特徴とする、ポリオレフィ
ン樹脂発泡板と、その製造方法として、ポリオレフィン
樹脂、化学発泡剤および架橋剤からなる混合物を、対向
する一対の互いに内面が平行である成形型によって加圧
し、ついで上記成形型間を0.1〜10mm/秒の速度
で間隔を開いていって、ポリオレフィン樹脂を加圧時の
内面に垂直な方向へのみ膨脹させることを特徴とする、
ポリオレフィン樹脂発泡板の製造方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
を用いても、圧縮強度の改善効果は不充分で、複合建材
用途に使用できるだけの高い圧縮強度を有する発泡体は
得られていなかった。
【0005】本発明の目的は、上述の諸問題を解決し、
軽くて、生産性が高く、重量物の重さに耐えることので
きる複合建材等の用途に適したポリオレフィン系樹脂発
泡体およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、内在する気泡のアスペ
クト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜2.5で、発泡
倍率が7〜30倍で、Dxyの平均値が500μm以上
であることを特徴としている。
【0007】上記ポリオレフィン系樹脂発泡体の内在す
る気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値は、1.3
〜2.0であるのが好ましい。
【0008】また、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体の
内在する気泡のDxyの平均値は、800μm以上であ
るのが好ましい。
【0009】本発明の請求項4記載のポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂と変性
用モノマーとを反応させて同樹脂を変性し、得られた変
性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた
発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性
シートを225℃未満に加熱し、シートの厚み方向のみ
に発泡させることを特徴としている。
【0010】本発明におけるポリオレフィン系樹脂発泡
体の内在する気泡のアスペクト比の平均値は1.1〜
2.5、好ましくは1.3〜2.0である。これによ
り、シートの厚み方向に圧縮力を受けると、紡錘形の長
軸方向に力がかかることになるので、その方向に高い圧
縮強度を示す。アスペクト比が1.1を下回ると、気泡
がほゞ球形となり、紡錘形に起因する圧縮強度の向上が
得られず、床などに重量物を一定時間置いた後の変形回
復が無い。また、体感評価においても床が凹むため、歩
行感が悪い。
【0011】アスペクト比が2.5を越えると、圧縮弾
性率が高くなりすぎるため、振動に対するエネルギー吸
収時、歪みに対して高い応力が必要となり、畳や床の上
を歩いた時、すわった時に痛い感触が生じるので、好ま
しくない。
【0012】また、本発明におけるポリオレフィン系樹
脂発泡体の発泡倍率は7〜30倍である。ここで、発泡
倍率が7倍未満であれば、圧縮弾性率が高くなりすぎる
うえに、コストが高くつき、実用的でない。また発泡倍
率が30倍を越えると、気泡のセル壁の厚みが薄くな
り、圧縮強度が低下するので、好ましくない。
【0013】本明細書において用いられる用語「アスペ
クト比Dz/Dxy」は、熱可塑性樹脂発泡シート中の
気泡における定方向最大径の比の個数(算術)平均値で
あり、以下のようにして求められる。
【0014】・発泡シートのシート厚み方向(z方向と
呼ぶ)に平行な任意の断面の10倍の拡大写真を撮り、
無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡の定方向最大
径を(以下の)2方向で測り、個数平均値を算出する
(後述の図1参照)。
【0015】Dz:発泡シート中の気泡のz方向に平行
な最大径 Dxy:発泡シート中の気泡のシート幅または長手方向
すなわちz方向に垂直な面方向(xy方向と呼ぶ)に平
行な最大径 また、本発明における気泡のDxyの平均値は500μ
m以上、好ましくは800μm以上である。一般に気泡
径が細かいと、セル壁が薄くなり、座屈が生じやすくな
るため、床などに重量物を置いたときに、凹み等を生じ
やすくなる。気泡のDxyの平均値は500μm以上好
ましくは800μm以上であると、座屈に対する強度が
増し、畳床材や床用断熱材等の複合建材用途として好適
である。
【0016】本発明において、発泡体の種類としては、
化学発泡によって得られるものと、いわゆる物理発泡に
よって得られるものがあるが、本発明の方法では、熱分
解型化学発泡剤を用いる。すなわち、加熱により分解ガ
スを発生する熱分解型化学発泡剤を、予めポリオレフィ
ン系樹脂組成物に分散させておき、一旦シート状の発泡
原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスに
より発泡させることで製造され得る。このとき好適に用
いられる熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジ
カルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニル
ヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)等が挙げられる。これらは単独で用いても
または2種以上組み合わせて用いてもよい。その中でも
アゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。
【0017】本発明の発泡体シートの製造方法は、特に
限定されないが、好ましくはアゾジカルボンアミド等の
熱分解型化学発泡剤を、ポリオレフィン系樹脂組成物、
およびジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビ
ニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アク
リル系多官能モノマー、およびキノン化合物から選択さ
れる少なくとも1種類の変性用モノマーと混和して得ら
れる変性ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、2
〜20重量部を分散させ、一旦シート状に成形した後、
熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して化学発泡
させる方法である。
【0018】上記の変性方法をとることで、成形された
発泡シート原反は、架橋度が低いにもかかわらず、常圧
で発泡することが可能となる。
【0019】ここでいう架橋度が低いとは、ゲル分率で
25%の範囲である。一般に、ゲル分率の測定は、サン
プルの初期重量と120℃熱キシレン中で24時間で溶
解させたもののゲル分を乾燥させたサンプルとの重量比
で表現する。
【0020】本発明におけるポリオレフィン系樹脂と
は、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特に
限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダム
タイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン
等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の
エチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種
もしくは2種以上の単一物および混合物を意味する。な
お、ここで言う「(共)重合体」とは、「重合体」また
は「共重合体」を意味する。
【0021】上記ポリオレフィン系樹脂には、30重量
%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、
スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良
い。しかし、30重量%を上回ると、ポリオレフィンの
特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できな
いばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困
難となる場合がある。本発明のポリオレフィン系樹脂と
しては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もし
くは2種以上が用いられる。
【0022】発泡原反の賦形方法としては、押出成形の
他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング成形、射
出成形など、プラスチックの成形加工で一般的に行われ
る方法が適用可能である。しかしスクリュー押出機より
吐出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生
産性の点から好ましい。この場合は、一定寸法幅の連続
発泡性シートを得ることができる。
【0023】原反の発泡は、通常、熱分解型化学発泡剤
の分解温度以上、熱可塑性樹脂の分解温度以下の温度範
囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の
出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式
発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、
熱風恒温槽や、あるいは熱浴中で発泡を行なうオイルバ
ス、メタルバス、ソルトバスなどが用いられる。
【0024】なお上記において、内在する気泡のアスペ
クト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜2.5の発泡体
を成形するには、発泡中に原反の面内方向の発泡力を抑
制し得る強度を有する面材を、発泡以前に、原反の少な
くとも片面に積層することによって得ることができる。
これは発泡時に面内の2次元方向の発泡を抑制すること
で、厚み方向にのみ発泡させることが可能になるからで
あり、結果的に、発泡体の気泡は厚み方向に、その長軸
を配向した紡錘形となるからである。
【0025】本発明の方法で使用され得る面材は、発泡
原反の発泡温度、すなわちポリオレフィン系樹脂の融点
温度以上、かつ熱分解型化学発泡剤の分解温度以上の環
境に耐え得るものであればよく、例えば、紙、布、木
材、鉄等の金属、非鉄金属、不織布、寒冷紗、ガラス繊
維、無機物繊維など自由に選ぶことができる。
【0026】畳床材用の面材としては、特に不織布、寒
冷紗が好ましい。理由としては、畳の裏面に必要な滑り
性を発現したり、他の性能を有する分散、例えば吸放湿
材との接着面に利用したりすることが可能になるからで
ある。
【0027】なお、加熱発泡時の温度を225℃より低
い温度範囲とすることにより、内在する気泡のDxyの
平均値を500μm以上とすることができる。
【0028】500μm以上の気泡径を実現することに
よって、セル壁の厚みが増し、圧縮方向の力に対する座
屈強度が上がる。このため、クリープ特性が向上し、畳
床材や床用断熱材等の複合建材として好適に使用するこ
とができる。
【0029】本発明の第1実施形態を示す図1を参照す
ると、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、コンク
リート等の床下地材(1) の上に設置されて床用断熱材
(2) として使用され、その表面には、木質板等の床材
(3) が敷設される。
【0030】また、本発明の第2実施形態を示す図2を
参照すると、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、
畳床材(4) として使用され、その表面は畳表(6) によっ
て被覆される。
【0031】図2に詳しく示すように、本発明のポリオ
レフィン系樹脂発泡体すなわち畳床材(4) によれば、発
泡体に内在する気泡のうち中心部に存在する気泡(5a)は
紡錘形を有し、外表面近くに存在する気泡(5b)はほゞ球
形を有しており、これにより、発泡体シートのシート厚
み方向に圧縮力を受けると、中心部の紡錘形気泡(5a)の
長軸方向に力がかかることになるので、その方向に高い
圧縮強度を示すものである。
【0032】
【作用】発泡により紡錘形の気泡形状を実現すること
で、発泡体シートのシート厚み方向の圧縮力に対して
は、紡錘形の気泡の長軸方向に力がかかることになるの
で、高い圧縮強度を示す。さらに、本発明の気泡径を実
現することにより、セル壁が厚く、荷重に対する座屈強
度が増し、セルの耐クリープ特性が向上する。このた
め、重量物に対する凹みを軽減できる。従って、畳床材
や床用断熱材等の複合建材として好適に使用することが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明を実施例によってより具体
的に説明する。
【0034】実施例1 i)発泡性樹脂組成物の製造 (1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0035】操作条件は下記の通りである。
【0036】 ・スクリュー回転数:150rpm 上記構成の反応用スクリュー押出機に、まず、ポリオレ
フィン系樹脂およびジオキシム化合物をその後端ホッパ
ーから別々に投入し両者を溶融混和し、変性樹脂を得
た。このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベント
により真空引きした。
【0037】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンラ
ンダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8
g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供
給量は10kg/hとした。
【0038】変性用モノマーはp−キノンジオキシム
(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、
その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て0.75重量部とした。
【0039】ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0040】(2) 発泡性樹脂組成物の調製と複合シート
の調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成形ダイは出口幅500mm、出口隙間3.5mm
のTダイである。
【0041】温度設定区分は下記の通りである。
【0042】 第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部 発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダー
が設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空
ベントが設置されている。
【0043】操作条件は下記の通りである。
【0044】 ・スクリュー回転数:40rpm 上述のようにして得られた変性樹脂ペレットを発泡剤混
練用スクリュー押出機に供給した。変性樹脂の供給量は
20kg/hとした。また、同押出機にそのサイドフィ
ーダーから発泡剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾ
ジカルボンアミド(ADCA)であり、その供給量は1
kg/hとした。
【0045】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、3
本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表
面、裏面の両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不
織布(東洋紡績社製、「スパンポンド エクーレ 63
01A」、秤量30g/m2 、引張り強度:縦1.6k
g/cm、横1.2kg/cm)を熱融着し、幅460
mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性複
合シートを得た。
【0046】(3) 発泡 得られたポリオレフィン系樹脂発泡シートを200mm
角に切り出し、タルク上でオーブン発泡させた。210
℃で15分間、加熱発泡させ、厚み50mm、倍率15
倍、アスペクト比1.8、セル径1000μmの複合発
泡体を得た。
【0047】実施例2 実施例1のうち、発泡条件を220℃で8分間、加熱発
泡させ、厚み50mm、倍率15倍、アスペクト比2.
1、セル径600μmの複合発泡体を得た。
【0048】実施例3 実施例1のうち面材として、ガラスペーパー(オリベス
ト社製、SHU−30B、線膨脹係数:1.0×10-5
/℃、重量33.6g/m2 、厚み0.3mm、ガラス
繊維径:9μm、ガラス長:25mm)を熱融着し、オ
ーブンにて、220℃で10分間、加熱発泡させ、厚み
50mm、倍率15倍、アスペクト比2.3、セル径9
00μmの複合発泡体を得た。
【0049】実施例4 実施例1で得られたポリオレフィン系樹脂発泡シート
を、加熱発泡させる前に、プレスにより180℃で5分
間、10kgf/cm2 で加圧しながら予備加熱し、脱
圧後、サンプルを取り出して210℃で10分間、オー
ブンで加熱発泡させ、厚み30mm、倍率12倍、アス
ペクト比1.6、セル径700μmの複合発泡体を得
た。
【0050】比較例1 実施例1のうち、シート両面に不織布を貼っていないポ
リオレフィン系樹脂発泡シートを200mm角に切り出
し、200mm角の雄−雌型に入れ、加熱プレスで21
0℃で5分間加熱し、発泡剤によりガスを発生させた
後、成形型の温度を降下させ140℃に達した時点にお
いて、1.0mm/秒の速度で金型を解放し、徐圧を行
なった。なお、徐圧以前より、金型内の外周部には一定
量の冷却水を流し続け、樹脂周囲の冷却固化を行なうこ
とにより、厚み方向以外への膨脹を抑制した。冷却後、
両面にポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡
績社製、「スパンポンド エクーレ 6301A」、秤
量30g/m2 、引張り強度:縦1.6kg/cm、横
1.2kg/cm)を熱融着し、厚み50mm、倍率1
5倍、アスペクト比6.5、セル径250μmの複合発
泡体を得た。
【0051】比較例2 実施例1のうち、シート両面に不織布を貼っていないポ
リオレフィン系樹脂発泡シートを200mm角に切り出
し、タルク上で、220℃で10分間、加熱発泡させ
た。冷却後、両面にポリエチレンテレフタレート製の不
織布(東洋紡績社製、「スパンポンド エクーレ 63
01A」、秤量30g/m2 、引張り強度:縦1.6k
g/cm、横1.2kg/cm)を熱融着し、厚み50
mm、倍率15倍、アスペクト比1.0、セル径700
μmの複合発泡体を得た。
【0052】比較例3 実施例1のうち、発泡条件を210℃で6分間、加熱発
泡させ、厚み20mm、倍率6倍、アスペクト比1.
5、セル径300μmの複合発泡体を得た。
【0053】比較例4 実施例1のうち、発泡条件を240℃で5分間、加熱発
泡させ、厚み50mm、倍率15倍、アスペクト比3.
0、セル径600μmの複合発泡体を得た。
【0054】比較例5 実施例1のうち、発泡剤は(ADCA)の供給量を2.
5kg/hとし、発泡条件を240℃で5分間、加熱発
泡させ、厚み50mm、倍率35倍、アスペクト比2.
1、セル径1000μmの複合発泡体を得た。
【0055】性能評価 上記実施例および比較例で得られた複合発泡体を下記の
項目について性能評価した。
【0056】・厚さ測定:複合発泡体の厚さを測定し
た。
【0057】・発泡倍率測定:複合発泡体よりシート状
物をカッターで削り取った後、JIS K6767に従
い発泡体の発泡倍率を測定した。
【0058】・気泡観察 発泡体シートのシート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行
な任意の断面の10倍の拡大写真を撮り、無作為に選ば
れる少なくとも50個の気泡の定方向最大径を(以下
の)2方向で測り、個数平均値を算出する(図1参
照)。
【0059】Dz:発泡体シート中の気泡のz方向の直
径 Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅または長手方
向(xy方向と呼ぶ)の直径 ・アスペクト比:Dz/Dxy ・セル径:Dzの最大値 ・圧縮強度試験:JIS K6767に従い、複合発泡
体に厚み方向に圧力を加えた際の25%圧縮強度を測定
した。
【0060】・体感:発泡体の上に乗り、感触を評価し
た。
【0061】○:よい、△:歩いた場合に足をとられ
る、×:座った時に足が痛い。
【0062】・圧縮クリープ試験:JIS K6767
に従い、50mm角試験片を平行板に挟み、所定の荷重
(2kg/cm2 )をかけ、厚さの時間的変化を測定す
る。
【0063】Cc=(t0−t1)/t1 ×100 ここで、t0 :試験片のはじめの厚さ(mm) t1 :試験片の100時間後の厚さ(mm) ○:1%以内、△:2%以内、×:2%を越える。
【0064】評価結果を表1にまとめて示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のポリオレフィン
系樹脂発泡体は、上述のように、内在する気泡のアスペ
クト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜2.5で、発泡
倍率が7〜30倍で、Dxyの平均値が500μm以上
であることを特徴とするもので、本発明によれば、発泡
により紡錘形の気泡形状を実現することで、発泡体シー
トのシート厚み方向の圧縮力に対しては、紡錘形の気泡
の長軸方向に力がかかることになるので、高い圧縮強度
を示す。さらに、本発明の気泡径を実現することによ
り、セル壁が厚く、荷重に対する座屈強度が増し、セル
の耐クリープ特性が向上する。このため、重量物に対す
る凹みを軽減できる。従って、畳床材や床用断熱材等の
複合建材として好適に使用することができるという効果
を奏する。
【0067】また、本発明の請求項4記載のポリオレフ
ィン系樹脂発泡体の製造方法は、上述のように、ポリオ
レフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同樹脂
を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加
えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦
形し、得られた発泡性シートを225℃未満に加熱し、
シートの厚み方向のみに発泡させることを特徴するもの
で、本発明の方法によれば、上記のように優れた性能を
有するポリオレフィン系樹脂発泡体を非常に効率よく製
造することができて、ポリオレフィン系樹脂発泡体のコ
ストの削減、ひいては畳床材や床用断熱材等の複合建材
のコストの削減を達成することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す床用断熱材の断面
図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す畳床材の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 コンクリート等の床下地材 2 床用断熱材(ポリオレフィン系樹脂発泡体) 3 木質板等の床材 4 畳床材(ポリオレフィン系樹脂発泡体) 5a 紡錘形気泡 5b 球形気泡 6 畳表

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内在する気泡のアスペクト比Dz/Dx
    yの平均値が1.1〜2.5で、発泡倍率が7〜30倍
    で、Dxyの平均値が500μm以上であることを特徴
    とするポリオレフィン系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 内在する気泡のアスペクト比Dz/Dx
    yの平均値が1.3〜2.0であることを特徴とする請
    求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 内在する気泡のDxyの平均値が800
    μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載
    のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマー
    とを反応させて同樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱
    分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂
    組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートを2
    25℃未満に加熱し、シートの厚み方向のみに発泡させ
    ることを特徴とする、請求項1、2または3記載のポリ
    オレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006052263A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂発泡シート
JP2006052262A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂発泡シート
US11060924B2 (en) 2015-05-18 2021-07-13 Varcode Ltd. Thermochromic ink indicia for activatable quality labels

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