JP3947527B2 - 温水式暖房床及び床暖房システム - Google Patents
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Description
昨今では、例えば、捨て貼り材の上部に、温水を通す配管が組み込まれた温水マットまたは温水パネルを敷き込み、その上部に板状体(仕上げ材)、いわゆるフローリング材が敷かれる、温水式床暖房システムが普及している(例えば、特許文献1)。
このため、ガス温水式床暖房システムなどでは、運転スタート1時間程度は80℃近くの温水を流すため、暖房床にたどり着くまでの、配管部分での熱ロスが大きい。
MDFや合板などの木質ボードを用いると、圧縮に対する変形はしにくいが、熱伝導率が大きいために、上向き以外への方向にも熱が伝導し、上部放熱性が悪くなる。
さらに、集合住宅では、スラブに直に貼り付ける(直貼り)温水式床暖房がある。この床暖房は、階下に音を伝わらせない、いわゆる防音仕様にするために、温水マットの上部に板状体として、裏面に不織布や、樹脂発泡体等を設置した、いわゆる防音フローリングを用いることが多いが、温水マットの直近上に、不織布や樹脂発泡体層が来るため、上部への熱伝導が極めて悪いという欠点があった。
つ、全体厚みが18mm以下の構成である。
本発明の請求項2に記載の温水式暖房床は、板状体の基材が、木粉又は木片と樹脂との複合材からなることを特徴とする請求項1記載の温水式暖房床である。
本発明の請求項3に記載の温水式床暖房システムは、ヒートポンプ式温水器、又は排熱利用型温水器を温水熱源とし、請求項1又は2記載の暖房床と連結することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の温水式床暖房システムは、55℃以下の温度で出湯する熱源を用いて、請求項1ないし3に記載の暖房床と連結することを特徴とする。
本発明で用いる板状体は、熱伝導率が0.08W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導率が0.08W/(m・K)以下であると、上部への熱伝導が悪くなり、床暖房の昇温が遅くなったり、安定時の熱効率が悪くなる。
板状体は、下記の温水マットに固定される。固定方法は特に限定されないが、フィニッシュネイル等の釘、または接着剤、両面テープ、ファスナーテープなどが主に用いられる。
温水マット中に設置されるパイプまたは温水経路は、熱源で温められた温水、または不凍液等が、流れるための経路である。内径が4〜13mm程度の樹脂管または銅管または金属強化樹脂管等が好適に用いられる。温水が漏れなく流れ、放熱体として機能するなら、真円パイプ形状に限定されず、断面が楕円状、小判状、多角形状、袋状などになっていても良い。マット母材そのものに加工を施して、そのまま温水を流すものも含む。固定治具もしくは溝等を有するとパイプまたは経路が固定されやすく望ましい。
温水マットの施工方法は、予めパイプ等を母材に設置した形で現場に運び設置する方法、現場で母材を敷設した後にパイプ等を据え付け、接続する方法等がある。
温水マットは、床下地材の上に固定される。固定方法は特に限定されないが、フィニッシュネイル等の釘類や、木ねじ等のビス類や接着剤等が主に使用される。
本発明で用いられる温水マットの母材樹脂は、融点が90℃以上である。融点が90℃以下であると、暖房床使用中に樹脂発泡体が軟化してしまい、充分な床性能が発揮できない。
例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前者は加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を、あらかじめ樹脂組成物に分散させておき、一旦シート状の発泡原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスにより発泡させることで製造されうる。このとき好適に用いられる熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。
後者は高圧下で樹脂に発泡剤を一旦溶解し、それを常圧下に置くときに発生するガスにより発泡させることで製造されうる。このとき好適に用いられる物理的発泡剤としては水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤、等が挙げられる。
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体等に用いられる熱可塑性樹脂は、必要に応じて架橋されていてもよい。架橋されることによって、発泡時の破泡が防止でき、発泡倍率が増加し、床仕上げ材の軽量化につながるからである。
本発明において、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂薄膜に含有される発泡剤として熱分解型の発泡剤が用いられる。
発泡性熱可塑性樹脂シート状体は、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置しており、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されているものである。
発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱状の場合、その径は、目的とする発泡体の発泡倍率や厚さによっても異なるため特に限定されるものではないが、大きすぎると発泡速度が低下し、小さすぎると発泡時の加熱で円柱が溶融し、変形し易く一次元発泡性を発現できなくなり、厚み精度、重量精度のばらつきが大きくなる。また表面平滑性も低下する。従って、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱の場合、その径は、1〜30mmが好ましく、2〜20mmの範囲が特に好ましい。
また、温水マットを構成する母材が厚み方向にリブ構造を有して厚み方向に連続して連なる柱または壁構造成分が多くなり、厚み方向からの圧縮力に対して強くなるので、局所荷重の負担を受けても、へたりにくい。
更に、ヒートポンプ式温水器、または排熱利用型温水器を温水熱源とし、床暖房と連結することにより、効率よく温水を作れ、昇温速度が速く、快適でランニングコストの安い床暖房システムが提供される。
図1は、本発明の温水式暖房床の一例を示す断面図である。
図1に示すように本発明の温水式暖房床は、上から、硬質板状体11、平板状発熱体20、及び樹脂発泡体1がこの順に積層されている。この場合において、樹脂発泡体1には所定の寸法の溝6が形成され、温水供給パイプ5が挿入されている。
の高発泡部3が、一方の表面は凸状に形成され、他方の表面が凹状に形成されている場合、高い圧縮強度を示しながら、緩衝性が更に向上するため特に好ましい。
るものではない。
構造となり、全体としてハニカム状の樹脂発泡体1が得られることになり、表面平滑性が向上し、圧縮強度が特に優れた樹脂発泡体1となるため特に好ましい。
占める割合である。
後、熱プレス等で成形する方法等が挙げられる。
ト)1´を用いる方法がよい。ここで、この発泡性樹脂薄膜2´は発泡性樹脂柱状部3´…を連結して一体化している。発泡性樹脂シート1´を発泡剤の分解温度以上で加熱して発泡させる工程と、発泡により得られた発泡体を冷却する工程とを備え、この場合の冷却装置としては、樹脂発泡体1の厚み以上の隙間を有する冷却装置で冷却する方法が最も好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂には、その特性を損なわない範囲で、別の樹脂、添加剤が混ぜられていてもかまわない。ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらは、単独で用いられても、併用されてもよい。
ことにより連続発泡層2と高発泡部3との融着力が高くなり、これにより熱可塑性樹脂発泡体1の圧縮荷重付与時の破壊が起こりにくくなる。
本発明において、発泡性樹脂柱状部3´及び発泡性樹脂薄膜2´に含有される発泡剤として熱分解型発泡剤が用いられる。
発泡体の強度を高めるために、発泡性樹脂柱状部3´及び発泡性樹脂薄膜2´に用いられる熱可塑性樹脂(P1)には、必要に応じて、ガラス短繊維、炭素短繊維、ポリエステル短繊維等の補強材;炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー等の充填材等を添加してもよい。これにより、熱可塑性樹脂発泡体1の圧縮強度が向上される。
発泡性樹脂シート1´の形状について図8の発泡性樹脂シート1´を例にとり以下に示す。発泡性樹脂シート1´2では、発泡性樹脂柱状部3´3が、発泡性樹脂薄膜2´により一体的に連結されている。言い方を変えれば、発泡性樹脂シート1´2は、発泡性樹脂柱状部3´3で構成される柱状突出部が、発泡性樹脂薄膜2´の一方面から突出するように形成されている形状を有する。もっとも、発泡性樹脂柱
状部3´3は、図8に示した例では、その一端すなわち下端側において発泡性樹脂薄膜2´により連結されているが、発泡性樹脂柱状部3´の高さ方向のほぼ中心部において発泡性樹脂薄膜2´により連結されていてもよい。
配置する態様としては、特に限定されるものではなく、図8に示したように格子状に配置されていてもよく、図9に示すように千鳥状に配置されていてもよい。
いて大きく膨張することになる。従って、円柱状の発泡性樹脂柱状部3´の高さは1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
ることが好ましい。
発泡性樹脂シート1´の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、1)熱可塑性樹脂(P1)及び発泡剤などを射出成形機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練し、発泡性樹脂柱状部3´の形状に応じた凹部を有する金型に射出した後冷却する方法等が挙げられるが、2)発泡性樹脂シート1´を構成する熱可塑性樹脂(P1)及び発泡剤などを押出機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練した後、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)を、該シート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の厚みより狭いクリアランスを有し、少なくとも一方の外周面に多数の凹部が均一に配設された異方向に回転する一対の賦形ロールに導入し、前記凹部に軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の一部を圧入した後、冷却、離型する方法がもっとも好ましい。
から、格子または千鳥に配設されていることが最も好ましい。
柱状部3´が破壊するため、1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
性樹脂シート1´が形成できないため、1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
発泡性樹脂シート1´を、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させた後、発泡膨張する熱可塑性樹脂(P1)シート状体が完全充填される以上の隙間を有する冷却装置により冷却する。この場合、加熱により発泡させる工程については、発泡性樹脂柱状部3´に含有されている熱分解型発泡剤の分解温度以上に発泡性熱可塑性樹脂(P1)シートを加熱し得る適宜の方法を用いることができ、例えば、電気ヒーター、遠赤外線ヒーター、加熱された油や空気等の加熱媒体を循環させてなる加熱装置などを用いて加熱する方法を挙げることができる。
硬質板状体11には、組み合わせがしやすいように、さね加工がされてもよい。さね部分は、おすめす部分が明確になった本さね構造、またはあいじゃくり構造などが用いられる。
上記のヒートポンプ式温水器は、ヒートポンプの原理を応用した加熱器であり、投入エネルギーの他に、自然界の熱エネルギーも吸収し、温水を作り出すため、熱効率いわゆる成績係数が2〜4になり、燃焼系温水器が100%の熱効率を超えないのに対して、環境負荷が非常に小さくなる。
暖房系などに上記でできた温水を用いる場合、直接この温水を利用する方法と、熱交換器などを通して、温水の熱エネルギーのみを取り出す方法があり、一般的には後者が用いられる。この場合、暖房系への熱媒体としては、(温)水、不凍液などが使用される。
これらの温水器は、コージェネシステムとなっており、非常に効率のいい温水器のうちの一つである。
これらの上記の熱源は、環境負荷が小さい熱源ではあるが、瞬発能力が小さいため、温水温度、放熱エネルギーに限界が生じるため、従来の暖房床では、充分に暖まらない。本発明の暖房床では、少熱量で充分な暖房能力を発揮するので、上記の熱源との組み合わせによって、環境負荷低減と快適性を両立できる。
通常、床暖房に用いられる温水温度は出湯温度60℃の温水であり、熱ロス等も多く、ランニングコストが大きくなる。
本発明では、放熱性のいい床暖房と連結するので、55℃以下の温度でも充分暖房能力を確保し、結果として、ランニングコストが減少する。好ましくは、50℃以下の温水を用いれば、さらにランニングコストが減少する。
i)ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜6バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃
第2〜6バレル;220℃
ダ イ;220℃
・スクリュー回転数:150rpm
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(日本ポリケム製「EX6」、MI;1.8、密度;0.9g/cm3 )であり、その供給量は10kg/hとした。
また、有機過酸化物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を用い、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部とした。
ポリオレフィン系樹脂、ジビニルベンゼン、有機過酸化物の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは7穴ストランドダイである。温度設定区分は下記の通りである。
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
・シリンダーバレル設定温度:第1ゾーン;150℃
第2ゾーン;170℃
第3ゾーン;180℃
第4ゾーン;160℃
・スクリュー回転数:40rpm
上述のようにして得られた変性樹脂及びホモタイプのポリプロピレン(日本ポリケム製「FY4」、MI;5.0、密度;0.9g/cm3)を、それぞれ10kg/hの供給量で、発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。また、発泡剤(アゾジカルボンアミド(ADCA))を、それぞれ1.0kg/hの供給量で、同押出機にサイドフィーダーから供給した。
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、幅1000mm×厚み0.5mmのシート状成形体を得た。
上記のようにして得られた発泡性樹脂組成物シートの両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ 6301A」、秤量30g/m2 )を積層し、ダブルシート発泡機を用い、ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、ZFと表記)を製造した。
得られたZFを下記の項目について評価した。
・発泡倍率:
ZFよりシート状物をカッターで削り取った後、JIS K6767に従い発泡体の発泡倍率を測定したところ、発泡倍率は10倍であった。
・気泡形状(平均アスペクト比):
図2に示すように、ZF (a)を厚み方向(z方向)にカットし、断面 (b) の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真(c)を撮った。写真(c)に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測り、気泡毎にDz/Dxyを算出し、気泡100個分のDz/Dxyの個数平均を算出し、平均アスペクト比とした。ただし測定中、Dz(実際の径)が0.05mm以下の気泡、及び10mm以上の気泡は除外した。
この結果、Dz/Dxyの平均値は1.8であった。
・圧縮弾性率、圧縮降伏応力(強度)
JIS K 7220に基づいて、測定した。降下速度10mm/min。
・ガラス転移点
ZF発泡体の表層の不織布層をカッターを用いて切除した後、熱プレス機によって、220℃、10MPaでプレスした後、冷却して平板を得た。それを用いて、ガラス転移点を測定した。
・融点
上記平板から得られた樹脂を、DSCを用いて、5℃/minで200℃まで昇温後、10℃/minで0℃まで冷却し、その後、5℃/minで昇温して、測定された融解吸熱ピークの温度を、融点とした。
(5)溝加工
得られたZFにピッチ75mmでルーター加工を施した。
45mmの角材を303mmピッチで仮の根太を作り、その上に12mmの合板を2,100mm×1,200mm敷き詰めた。根太の間には、40mmのポリスチレン発泡体を合板に裏側より固定した。i)で得られた溝付きZF1,800×900mm(ヒーター部)を先ほど敷き詰めた厚み12mmの合板の中心部分に接着剤で固定した。周囲部の残りの部分には溝を付けていないZF(ボーダー部)を敷き詰めた。発泡体の溝部に架橋ポリエチレン管(積水化学工業社製 5A)を配置し、ボーダー部を通して、配管を出した。その上にアルミ粘着テープ(約50μm)を全面に貼り付け、その上から厚み3mmの合板(900×150mm)を両面テープで固定し、敷き詰めた。
金型温調器と暖房床をさや管付の架橋ポリエチレン管(積水化学工業社製 7A)で行き・戻りを接続した。
iii)評価
5℃に制御した恒温室に入れ、安定してから、恒温室の制御をやめ、金型温調器を作動させ、55℃の温水を流した。流速0.5L/min。
温水を流し始めてから、床表面温度が20℃に到達する時間。
(2)到達温度
温水を流し始めてから、1時間後の床表面温度。
(3)上面放熱効率
床暖房の上下面に熱流束計を設置。昇温開始10分後のそれぞれの熱流束より、放熱効率を計算。
(4)熱ロス
熱源機の出湯温度と、暖房床の温水流入温度を測定し、その差温(℃)を算出し、熱ロスとした。
発泡体(ZF)のみに、80℃の雰囲気下で、80kgfの荷重をφ50の平円圧
子で10万回、繰り返し荷重をかける。繰り返し荷重をかけた部分を、フローリング、アルミシートを取り除き、最初の厚みからの減少率を算出した。
(6)目スキ量
上記の熱性能評価が終わった後、55℃のまま5日間通水した後、フローリング同士の長手方向の間隙、目スキの量をすき間ゲージにより測定した。
暖房床を200×200mmに切断し、硬質板状体側にφ50mmの鋼製円柱圧子を、パイプのピッチ間に載置し、2m/分の速度で80kgfの圧縮荷重を負荷したときの沈み込み量(mm)を測定した。
床暖房を敷設しない他の部屋との厚みの取り合いを、別途平面の合板状に設置して、評価した。全厚が12mmとなるので、多種にわたる試販の12mmのフローリングと高さが合うため、厚み調整の必要がない。
◎:厚み調整の必要なく、床暖房をしない部屋とのバリアフリー化が可能である。
○:厚み調整が少なく、バリアフリー化が可能となる。
×:バリアフリー化するために、厚み調整が煩雑となる。
上記と同様の構成で、スラブ構造の上に両面テープで固定した後、JIS A1418に準拠して軽量床衝撃騒音レベルを測定した。
(比較例2)
温水温度を70℃とする以外は、比較例1と同様に評価を行った。
低(無)架橋性樹脂として、高密度ポリエチレン(三菱化学社製;品番「HY340」、密度0.952g/cm3 、MI=1.5g/10分、融点133℃)25重量部、高架橋性樹脂として、高密度ポリエチレン(三菱化学社製;品番「HJ381P」、密度0.951g/cm3 、MI=9.0g/10分、融点132℃)25重量部、ポリプロピレン(三菱化学社製;品番「MA3」、密度0.900g/cm3 、MI=11g/10分、融点151℃)29重量部、シラン架橋性ポリプロピレン(三菱化学社製;品番「XPM800HM」)21重量部、シラン架橋触媒(三菱化学社製;品番「PZ−10S」)1重量部、熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製;品番「SO−20」)9重量部の混合物を、2軸押出機(径44mm)にて180℃で溶融混練し、面長300mm、リップ1.5mmのTダイにより軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押出した。
評価は比較例1と同様にして行った。
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「HY340」、MI=1.5g/10分)50質量%、シラングラフトポリプロピレン(三菱化学社製、商品名「XPM800H」、MI=11g/10分、架橋後のゲル分率80質量%)20質量%、ポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名「MA3」、メルトインデックス(MI)=11g/10分)30質量%からなる熱可塑性樹脂(P1)100質量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商品名:SO−20、分解温度210℃)4.5質量部及びシラン架橋触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.1質量部を含有する組成物を、径44mmの二軸押出機5に供給し、組成物を180℃で溶融混練し、面長500mm、リップ1.0mmのTダイ6により軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押し出した。
別の片面にも、凹凸状がみられた。
この樹脂発泡体(RF)の凸状に多数配置された高発泡部に、接着剤を塗布し、3mmのウレタン発泡体を貼り付け、全体として、11mmのマットを得た。これに、200℃、φ8mmの熱棒を押し当て、溝を付けた後、実施例1と同様の評価を行った。
ブロックポリプロピレン(日本ポリケム社製:商品名「BC03B」、MI=30/10分)100質量部、酸変成ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1010)10質量部、木粉(商品名:セルコント45)150質量部、ステアリン酸亜鉛(サカイ化学社製、商品名:SZ−2000)20質量部を含有する組成物を、直径44mmの二軸混練押出機に供給した。
上記、硬質板状体を、合板の代わりに用いること以外は、比較例1と同様の評価を行った。
3mmの合板の代わりに、9mmの合板を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
(比較例5)
12mm合板使用で比較例4と同様。
(比較例6)
温水温度70℃で、比較例5と同様。
(比較例7)
ZFの代わりに、ポリスチレン発泡体(発泡倍率20倍 厚み9mm)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
ZFの代わりに、架橋ポリプロピレン発泡体(積水化学工業社製 ソフトロン)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。発泡倍率30倍、厚み3mm。これを3枚重ねて、9mmとした。
(比較例9)
ZFの代わりに、MDFを用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
(比較例10)
13mm遮音フローリング(松下電工社製 9mm仕上げ材+4mm不織布)を用いたこと以外は、比較例1と同様に。
11 板状体
30 ポリオレフィン系樹脂発泡体
5 温水供給パイプ
Claims (4)
- 板状体、母材にパイプまたは温水経路が組み込まれている温水マット、が上から順に配置されてなる温水式暖房床において、板状体の厚みが1〜8mmであり、温水マットを構成する母材が、ガラス転移点が0℃以下、融点が90℃以上の樹脂を用いた厚み方向にリブ構造を有する樹脂発泡体であり、樹脂発泡体は、シート状の連続発泡層の少なくとも一面に凸状に形成された発泡倍率の高い複数の高発泡部を備え、該高発泡部の全表面は前記連続発泡層と共に発泡倍率の低い低発泡層により被覆され、前記低発泡層により被覆された相隣接する前記高発泡部間に凹部が形成されることにより凹凸が形成されている樹脂発泡体であり、且つ、全体厚みが18mm以下の構成であることを特徴とする温水式暖房床。
- 板状体の基材が、木粉又は木片と樹脂との複合材からなることを特徴とする請求項1記載の温水式暖房床。
- ヒートポンプ式温水器、又は排熱利用型温水器を温水熱源とし、請求項1又は2記載の暖房床と連結することを特徴とする温水式床暖房システム。
- 55℃以下の温度で出湯する熱源を用いて、請求項1ないし3に記載の暖房床と連結することを特徴とする温水式床暖房システム。
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