JP3947527B2 - 温水式暖房床及び床暖房システム - Google Patents

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Description

本発明は、温水を用いる暖房床及び床暖房システムに関する。
従来より、灯油ボイラー等で加熱した湯、または不凍液を循環させる温水式暖房システムが、厳寒地域においてよく使われていた。
昨今では、例えば、捨て貼り材の上部に、温水を通す配管が組み込まれた温水マットまたは温水パネルを敷き込み、その上部に板状体(仕上げ材)、いわゆるフローリング材が敷かれる、温水式床暖房システムが普及している(例えば、特許文献1)。
特開平07−217920号公報
しかし、温水式床暖房システムには、以下のような問題がある。温水マットまたはパネルの上部に、12〜15mmの厚いフローリング等が敷き込まれるのが一般的なため、上部への熱のぬけが悪くなり、部屋、及び床表面の温まりの立ち上がりが遅くなる。
このため、ガス温水式床暖房システムなどでは、運転スタート1時間程度は80℃近くの温水を流すため、暖房床にたどり着くまでの、配管部分での熱ロスが大きい。
また、熱の抜けを良くするために上部の仕上げ材に11mm以下の薄いフローリングを用いると、局所荷重を下部に伝えやすくなり、下部の温水マット、温水パネルへの荷重負担が大きくなる。とくに、温水マットの母材としては、断熱材としての機能が求められるため、ポリスチレン発泡体が多く使われているが、通常のポリスチレンは、ガラス転移点(Tg)が、100℃近辺であるため、暖房床としての通常の温度条件(5〜80℃)ではガラス状態であり、歩くことによる繰り返し荷重などに対して、厚みの回復度合いが小さくなり、へたりやすくなる。
これに対して、ポリオレフィン系発泡体は、結晶性樹脂でありながら、ガラス転移点が0℃以下のものが多く、暖房床温度条件下では、半ゴム状態、皮革状であるため、柔軟性と強靱性を併せ持ち、変形に対する回復性が良い(参考文献:高分子学会編集,「高分子化学の基礎」,東京化学同人,第4章(1978))。しかし、通常のポリオレフィン発泡体を用いると、圧縮強度などが不足し、ふかふかしたり、歩行時の沈み込みが大きくなる。
MDFや合板などの木質ボードを用いると、圧縮に対する変形はしにくいが、熱伝導率が大きいために、上向き以外への方向にも熱が伝導し、上部放熱性が悪くなる。
さらに、集合住宅では、スラブに直に貼り付ける(直貼り)温水式床暖房がある。この床暖房は、階下に音を伝わらせない、いわゆる防音仕様にするために、温水マットの上部に板状体として、裏面に不織布や、樹脂発泡体等を設置した、いわゆる防音フローリングを用いることが多いが、温水マットの直近上に、不織布や樹脂発泡体層が来るため、上部への熱伝導が極めて悪いという欠点があった。
加えて、フローリングは、合板などの木質ボードを基材としているため、床暖房の仕上げ材として用いた場合、熱がかかって、とくに厚み方向表層部の木の含水率が下がり、収縮し、フローリング間の継ぎ目が開く、いわゆる目スキ現象が起きやすくなる。上記の目的でフローリングを11mm以下に薄くしていくと、厚み方向中心部の水分まで揮発しやすくなり、目スキが大きくなる。
また、近年、環境負荷を小さくする熱源として、ヒートポンプを用いる給湯暖房機、温水器や、マイクロガスエンジン、マイクロガスタービン、燃料電池などのコージェネ機が、登場してきている。しかし、従来の燃焼系温水器と比較して、温水を作る瞬発力が非常に弱いため、温水温度、取得熱量に制限が付く場合が多く、とくに、これら省エネ型熱源と接続する暖房床としては、低温、少熱量でも、立ち上がりが速く、床表面温度が充分に温かいものが切望されている。
本発明の目的は、薄い仕上げ材を用い、圧縮強度の大きく、暖房床の温度条件下でゴム状の発泡体を温水マットの母材として用いることで、初期の温まりが非常に速く、高効率で、ランニングコストが安く、温水マットがへたりにくい温水式床暖房を提供することにある。
また、形状を工夫した発泡体を使用することで、同時に防音効果をもつ温水式暖房床を提供することにある。また、木粉または木片が樹脂と混合された複合材をフローリングの基材として用いることで、薄くても目スキが大きくならない、寸法安定性の良い温水式暖房床を提供することにある。また、低温でも充分な暖房特性を発揮することを活かし、高効率熱源と組み合わせ、環境に対して負荷が小さく、かつ快適な温水式暖房システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の温水式暖房床は、板状体、母材にパイプまたは温水経路が組み込まれている温水マット、が上から順に配置されてなる温水式暖房床において、板状体の厚みが1〜8mmであり、温水マットを構成する母材が、ガラス転移点が0℃以下、融点が90℃以上の樹脂を用いた厚み方向にリブ構造を有する樹脂発泡体であり、樹脂発泡体は、シート状の連続発泡層の少なくとも一面に凸状に形成された発泡倍率の高い複数の高発泡部を備え、該高発泡部の全表面は前記連続発泡層と共に発泡倍率の低い低発泡層により被覆され、前記低発泡層により被覆された相隣接する前記高発泡部間に凹部が形成されることにより凹凸が形成されている樹脂発泡体であり、且
つ、全体厚みが18mm以下の構成である。
本発明の請求項2に記載の温水式暖房床は、板状体の基材が、木粉又は木片と樹脂との複合材からなることを特徴とする請求項1記載の温水式暖房床である。
本発明の請求項3に記載の温水式床暖房システムは、ヒートポンプ式温水器、又は排熱利用型温水器を温水熱源とし、請求項1又は2記載の暖房床と連結することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の温水式床暖房システムは、55℃以下の温度で出湯する熱源を用いて、請求項1ないし3に記載の暖房床と連結することを特徴とする。
床暖房の板状体としては、フローリング、コルク、タイル、畳、カーペット、化粧板等が挙げられる。下記の要件を満たすものであれば、特に限定されないが、一般的には木質材料で作られたフローリングが用いられることが多い。フローリングの基材としては、例えばスギ、ヒノキ等の天然木、合板、パーチクルボード、ウエハーボード、MDF等の木質ボード類なども用いられる。また、下記で詳細を記述するが、樹脂に木粉や木片を混在させた複合材等が用いられても良い。
本発明で用いる板状体の厚みは1〜8mm、好ましくは2〜7mmである。1mm以下であると、仕上げ材の強度が不足し、運搬時等に壊れやすくなる。8mm以上であると熱の伝導が悪くなり、床暖房の昇温が遅くなったり、安定時の熱効率が悪くなる。
本発明で用いる板状体は、熱伝導率が0.08W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導率が0.08W/(m・K)以下であると、上部への熱伝導が悪くなり、床暖房の昇温が遅くなったり、安定時の熱効率が悪くなる。
板状体は必要に応じて、突板、合成樹脂シート、または合成樹脂発泡シート、化粧紙、合成樹脂含浸シートなどの表面化粧材を接着、積層し、例えば木目調や大理石調に加飾してもよい。
板状体は、下記の温水マットに固定される。固定方法は特に限定されないが、フィニッシュネイル等の釘、または接着剤、両面テープ、ファスナーテープなどが主に用いられる。
温水マットとは、温水が供給されるパイプまたは経路とそれが設置される母材とで構成される。温水マットは、床下地材と板状体の間に設置される。
温水マット中に設置されるパイプまたは温水経路は、熱源で温められた温水、または不凍液等が、流れるための経路である。内径が4〜13mm程度の樹脂管または銅管または金属強化樹脂管等が好適に用いられる。温水が漏れなく流れ、放熱体として機能するなら、真円パイプ形状に限定されず、断面が楕円状、小判状、多角形状、袋状などになっていても良い。マット母材そのものに加工を施して、そのまま温水を流すものも含む。固定治具もしくは溝等を有するとパイプまたは経路が固定されやすく望ましい。
樹脂管の材質は、例えば耐熱性ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が用いられる。また金属強化樹脂管には、例えば、ポリオレフィン/アルミニウム/ポリオレフィンの三層構成からなる多層管が挙げられる。
母材は平面上のパネル体になっていることが好ましい。母材の材質は、合成樹脂発泡体が用いられる。
温水マットの施工方法は、予めパイプ等を母材に設置した形で現場に運び設置する方法、現場で母材を敷設した後にパイプ等を据え付け、接続する方法等がある。
温水マットの上面には、均熱の目的でアルミ等の金属シート等が用いられても良い。また、物性、機能を損なわない範囲で、別の部材を設置しても良い。
温水マットは、床下地材の上に固定される。固定方法は特に限定されないが、フィニッシュネイル等の釘類や、木ねじ等のビス類や接着剤等が主に使用される。
本発明で用いられる温水マットの母材樹脂は、ガラス転移点が0℃以下である。ガラス転移点が0℃以上であると、樹脂そのものの圧縮弾性率は大きくなるが、耐衝撃性が悪くなり、特に発泡体のような、セル壁が薄い場合では、座屈、変形がしやすくなる。本発明では、熱伝導をよくするため、薄い板状体を温水マットの上に設置するため、歩行時の短期局所荷重が、繰り返しかかることになり、上記条件を満たさない樹脂から作られた発泡体においては、長期の使用において、へたりやすくなる。
本発明で用いられる温水マットの母材樹脂は、融点が90℃以上である。融点が90℃以下であると、暖房床使用中に樹脂発泡体が軟化してしまい、充分な床性能が発揮できない。
本発明で用いられる温水マットの母材の樹脂は、以上の条件を満たすものであれば、とくに限定されない。暖房床使用温度条件下では、ガラス転移点を越えているので、クリープなどの現象が起きにくいよう、結晶性樹脂の方が好ましい。
例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、ポリブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。尚、ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」又は「共重合体」を意味する。
上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなど、がブレンドされていても良い。しかし30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
発泡体の種類としては、化学発泡によって得られるものと、物理発泡によって得られるものがあるが、とくに限定されない。
前者は加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を、あらかじめ樹脂組成物に分散させておき、一旦シート状の発泡原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスにより発泡させることで製造されうる。このとき好適に用いられる熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。
後者は高圧下で樹脂に発泡剤を一旦溶解し、それを常圧下に置くときに発生するガスにより発泡させることで製造されうる。このとき好適に用いられる物理的発泡剤としては水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤、等が挙げられる。
本発明では、厚み方向にリブ構造を有する発泡体が用いられる。リブは厚み方向に柱、壁状に形成されるものであり、厚み方向からの圧縮力に対して、つぶれにくくなる。柱、壁状に形成されていれば、その形状自体は特に限定されるものではない。ペーパーハニカムに好適に用いられるハニカム構造であってもよい。また、I鋼やC鋼、梁等、建築で用いられるような圧縮に強い構造等であっても良い。
本発明で用いられる温水マットの母材としては、特願平9−43975号明細書記載の熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層と、連続発泡層の少なくとも片面上に複数配置される熱可塑性樹脂よりなる高発泡体と、高発泡体の外表面を被覆する熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜とを備え、前記複数の高発泡体が互いに前記低発泡薄膜を介して熱融着されている熱可塑性樹脂発泡体が、最適なうちの一つである。
上記熱可塑性樹脂発泡体を構成する連続発泡層、高発泡体、及び低発泡薄膜に用いられる樹脂としては、発泡可能な熱可塑性樹脂であれば、特に限定されるものではなが、得られる熱可塑性発泡体の平滑性を高め得るので、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物が好ましく、表面平滑性と、得られる床仕上げ材の歩行時の沈み込みの防止を両立するためには、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン又はこれらの少なくとも一方を含む混合物が特に好ましい。
上記熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、発泡剤を含有した発泡性熱可塑性樹脂組成物を所定の容器中で発泡させ、一面を除いた外表面が熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜が被覆されている高発泡体を製造し、これを上記低発泡薄膜を介して熱融着し、別途製造した熱可塑性樹脂よりなる連続発泡シート層を熱融着等により積層してもよいが、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に配置され、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させることにより得る方法が好ましい。
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体を構成する発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、上記熱可塑性樹脂樹脂発泡体に使用される樹脂と同様のものが使用される。
上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体に用いられる熱可塑性樹脂と、発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用いられる熱可塑性樹脂とは、同一の樹脂である必要性はないが、発泡性及び接着性等の観点から、同種の樹脂を用いることが好ましい。上記連続発泡層を構成する熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、発泡可能な熱可塑性樹脂であれば、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いられても、併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂の中でも、得られる発泡体の表面平滑性を高め得るので、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物が好ましく、表面平滑性と圧縮強度を両立するためには、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレンまたはこれらの少なくとも一方を含む混合物が特に好ましい。
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体等に用いられる熱可塑性樹脂は、必要に応じて架橋されていてもよい。架橋されることによって、発泡時の破泡が防止でき、発泡倍率が増加し、床仕上げ材の軽量化につながるからである。
本発明において、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂薄膜に含有される発泡剤として熱分解型の発泡剤が用いられる。
発泡性熱可塑性樹脂シート状体は、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置しており、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されているものである。
上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体の形状は、特に限定されず、例えば、六方体、円柱状、球状体などが挙げられるが、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡する際に、発泡を均一に行わせるには、円柱状が最も好ましい。
発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱状の場合、その径は、目的とする発泡体の発泡倍率や厚さによっても異なるため特に限定されるものではないが、大きすぎると発泡速度が低下し、小さすぎると発泡時の加熱で円柱が溶融し、変形し易く一次元発泡性を発現できなくなり、厚み精度、重量精度のばらつきが大きくなる。また表面平滑性も低下する。従って、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱の場合、その径は、1〜30mmが好ましく、2〜20mmの範囲が特に好ましい。
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、1)発泡性熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤などを射出成形機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練し、発泡性熱可塑性樹脂粒状体の形状に応じた凹部を有する金型に射出した後冷却する方法等が挙げられるが、2)発泡性熱可塑性樹脂シート状体を構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤などを押出機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練した後、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を、該シート状発泡性熱可塑性樹脂の厚みより狭いクリアランスを有し、少なくとも一方の外周面に多数の凹部が均一に配設された異方向に回転する一対の賦形ロールに導入し、前記凹部に軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂の一部を圧入した後、冷却、離型する方法が最も好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、板状体の厚みが1〜8mmであるので熱伝導がよくなり、上面への放熱性に優れる。
また、温水マットを構成する母材が厚み方向にリブ構造を有して厚み方向に連続して連なる柱または壁構造成分が多くなり、厚み方向からの圧縮力に対して強くなるので、局所荷重の負担を受けても、へたりにくい。
更に、ヒートポンプ式温水器、または排熱利用型温水器を温水熱源とし、床暖房と連結することにより、効率よく温水を作れ、昇温速度が速く、快適でランニングコストの安い床暖房システムが提供される。
本発明を実施例によってより具体的に説明する。
図1は、本発明の温水式暖房床の一例を示す断面図である。
図1に示すように本発明の温水式暖房床は、上から、硬質板状体11、平板状発熱体20、及び樹脂発泡体1がこの順に積層されている。この場合において、樹脂発泡体1には所定の寸法の溝6が形成され、温水供給パイプ5が挿入されている。
本発明に記載の樹脂発泡体1の形態は通常凹凸形状を表面に有する板又はシート状である。本発明における樹脂発泡体1は、図3、図4にその一例を示すように、熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層2と、連続発泡層2の少なくとも一面に凸状に形成された熱可塑性樹脂よりなる複数の高発泡部3を備えている。
また、この高発泡部3の全表面は、連続発泡層2又は低発泡層4により被覆され、かつ、相隣接する高発泡部3…間の低発泡層4は互いに凹部41が形成されることにより、この表面にが凹凸が形成されている。また、相隣接する高発泡部3…間の低発泡層4は互いに熱融着されているが、必ずしも融着されていなくてもよいし、また、図5に見られるように互いの高発泡部3は離間されていても良い。ここで、高発泡部3とは低発泡層4に比較して発泡倍率が高いことを意味している。
また、図3に示す樹脂発泡体1の連続発泡層2の表面は平坦であるが、図4又は図5に示す樹脂発泡体1では、高発泡部3の連続発泡層2に接する側に凹部32が形成され、これにより連続発泡層2には凹部22が形成されている。このように、樹脂発泡体1の複数
の高発泡部3が、一方の表面は凸状に形成され、他方の表面が凹状に形成されている場合、高い圧縮強度を示しながら、緩衝性が更に向上するため特に好ましい。
すなわち、本発明における樹脂発泡体1は、少なくとも一方の面が凸状に形成された複数の高発泡部3を備え、その側面の一部で隣接する高発泡部3と接合され(又は接合されずに離間されて)、接合されていない部分(又は接合されずに離間された部分)が空隙(又は凹部41)となることにより凹凸形状を形成している構造となる。
図4及び図5における樹脂発泡体1では、凹部22の深さは、大きすぎると高い圧縮強度を発現することが困難となり、低すぎると緩衝性の向上の効果が得られないため、1mm〜5mmが好ましく1mm〜3mmが特に好ましい。
樹脂発泡体1の厚み精度、質量精度の向上及び圧縮強度のバラツキの低減の為には、複数の高発泡部3が発泡体横断面方向において平面的に略均一に配置されることが好ましい。もっとも、複数の高発泡部3を平面的に略均一に配置する態様としては、特に限定され
るものではない。
例えば、図6に示すように、複数の高発泡部3…が低発泡層4により画成されて格子状に配置されていてもよく、この場合には、個々の高発泡部3…が四角柱の形状となり、樹脂発泡体1の表面平滑性が良好となり、かつ圧縮強度も十分となる。
また、図7に示すように、複数の高発泡部3…がハニカム状に形成された低発泡層4に画成されて千鳥状に配置されていてもよい。この場合、複数の六角柱状の高発泡部3…が形成され、隣接する高発泡部3同士の壁面が熱融着時に低発泡層(低発泡薄膜)4となる
構造となり、全体としてハニカム状の樹脂発泡体1が得られることになり、表面平滑性が向上し、圧縮強度が特に優れた樹脂発泡体1となるため特に好ましい。
樹脂発泡体1の曲げ強度の向上のために、必要に応じて、ガラスペーパー、チョップドストランドマット等の無機繊維の織布あるいは不織布;ポリプロピレン、ポリエステル等の有機繊維の織布あるいは不織布;熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂からなるシート;繊維強化熱可塑性樹脂シート;金属からなるシートを積層してもよい。
樹脂発泡体1の平均的な発泡倍率が低いと軽量性が損なわれ、高いと圧縮強度が低下するので、2倍〜30倍の範囲内が好ましく、3倍〜20倍がさらに好ましく、5倍〜10倍が特に好ましい。
樹脂発泡体1の厚みは、3mm〜17mmの範囲内が好ましく、3mm〜15mmがさらに好ましく、5mm〜12mmが特に好ましい。
高発泡部3の発泡倍率は、低いと軽量化が困難となり、また高いと圧縮強度の高い樹脂発泡体1が得られないので、2倍〜100倍が好ましく、5倍〜50倍がさらに好ましく、8倍〜35倍が特に好ましい。
高発泡部3の大きさは、大きいと得られる樹脂発泡体1の圧縮強度が低下し、また小さいと軽量化が困難となるので、平面方向(横断面方向)の最大直径として3mm〜50mmが好ましく、5mm〜30mmが特に好ましい。なお、この高発泡部3の大きさは均一である必要はなく、不均一であってもよい。
連続発泡層2の発泡倍率は、低いと軽量化が困難となり、また高いと融着力が低下して高い圧縮強度を有する樹脂発泡体1が得られないので、1.1倍〜10倍が好ましく、2倍〜8倍がさらに好ましく、2倍〜7倍が特に好ましい。
連続発泡層2の厚みは、厚いと樹脂発泡体1の軽量化が図れず、また薄いと高い圧縮強度を有する樹脂発泡体1が得られないので、樹脂発泡体1の縦断面方向の平均厚さで100μm〜5mmの範囲内が好ましく、300μm〜3mmがさらに好ましく、500μm〜2mmが特に好ましい。なお、連続発泡層2の厚みは均一である必要はなく、不均一であってもよい。
高発泡部3の連続発泡層2からの高さ(凸状部の高さ)は、低すぎると高い緩衝性を得られないため、1mm以上が好ましく、2mm以上がさらに好ましく、3mm以上が最も好ましい。
また、本発明の樹脂発泡体1の充填率は、大きすぎると高い圧縮強度を示すことができず、小さすぎると緩衝性が低下することから、30%〜95%が好ましく、50%〜90%が特に好ましい。
なお、本発明における充填率とは、平板状に樹脂発泡体1を置いた際の最大高さから求められる体積(嵩体積)における、樹脂発泡体1の質量を密度で割ることで求められる体積(真体積)の比であり、図3において一点鎖線で示す直方体Kに対する樹脂発泡体1の
占める割合である。
一例としては、発泡剤を含有した熱可塑性樹脂(P1)のペレット(発泡性熱可塑性樹脂ペレット)を発泡させ熱可塑性樹脂(P1)よりなる複数の高発泡部3を成形し、これを互いに熱融着した後、別工程で成形した熱可塑性樹脂(P1)よりなる連続発泡層2を熱融着させた
後、熱プレス等で成形する方法等が挙げられる。
この場合、例えば、図8に示すように、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂薄膜(発泡性樹脂薄膜)2´の上に発泡性熱可塑性樹脂粒状体(発泡性樹脂柱状部)3´が平面的に略均一に間隔を開けて配置された発泡性熱可塑性樹脂シート状体(発泡性樹脂シー
ト)1´を用いる方法がよい。ここで、この発泡性樹脂薄膜2´は発泡性樹脂柱状部3´…を連結して一体化している。発泡性樹脂シート1´を発泡剤の分解温度以上で加熱して発泡させる工程と、発泡により得られた発泡体を冷却する工程とを備え、この場合の冷却装置としては、樹脂発泡体1の厚み以上の隙間を有する冷却装置で冷却する方法が最も好ましい。
発泡性樹脂シート1´を発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させると、発泡性樹脂柱状部3´の部分が発泡するが、このとき、隣接する発泡性樹脂柱状部3´の壁面同士が発泡圧力により低発泡層4を有する構造となる。この結果、柱状体内部の高い発泡倍率の高発泡部3同士を低発泡層4が熱融着して低発泡層4が低発泡薄膜を形成した状態となる。
また発泡性樹脂薄膜2´も同様に発泡するが、厚みが薄く、気泡保持が困難になるため低発泡な連続発泡層2となる。発泡後に冷却装置の隙間を、発泡膨張する熱可塑性樹脂(P1)シート状体が完全充填される以上に設定することで融着が一部分のみ進行し、完全充填できない空隙(凹部41)を有する。これにより、この連続発泡層2の上に高発泡部3が複数配置された図3…の樹脂発泡体1が得られる。
発泡性ポリオレフィン系樹脂としては、発泡可能なポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂(P1)に発泡剤を含有させたものが例示される。
このようなポリオレフィン系樹脂(P1)としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はこれらの混合物を総称して単に「ポリエチレン」という。)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン(以下、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン又はこれらの混合物を総称した単に「ポリプロピレン」という。)等が挙げられる。これらは、単独で用いられても、併用されていても良い。
上記ポリオレフィン系樹脂には、その特性を損なわない範囲で、別の樹脂、添加剤が混ぜられていてもかまわない。ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらは、単独で用いられても、併用されてもよい。
発泡性樹脂柱状部3´に用いられる発泡性熱可塑性樹脂と、発泡性樹脂薄膜2´に用いられる発泡性熱可塑性樹脂とは、同一の樹脂である必要性はないが、発泡性及び接着性等の観点から、同種の樹脂を用いることが好ましい。同一の樹脂又は同種の樹脂を用いる
ことにより連続発泡層2と高発泡部3との融着力が高くなり、これにより熱可塑性樹脂発泡体1の圧縮荷重付与時の破壊が起こりにくくなる。
本発明において、発泡性樹脂柱状部3´及び発泡性樹脂薄膜2´に含有される発泡剤として熱分解型発泡剤が用いられる。
熱分解型発泡剤としては、用いられる熱可塑性樹脂(P1)の溶融温度より高い分解温度を有するものであれば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、Pートルエンスルホニルヒドラジド、P,P´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン等が挙げられ、分解温度や分解速度の調整が容易でガス発生量が多く、衛生上優れているアゾジカルボンアミドが好ましい。
熱分解型発泡剤の添加量が多すぎると、破泡したり、均一なセルが形成されず、逆に少なすぎると十分に発泡しなくなることがあるため、熱分解型発泡剤は、熱可塑性樹脂(P1)100質量部に対し、1質量部〜25質量部の範囲内の割合で含有させることが好ましい。
発泡体の強度を高めるために、発泡性樹脂柱状部3´及び発泡性樹脂薄膜2´に用いられる熱可塑性樹脂(P1)には、必要に応じて、ガラス短繊維、炭素短繊維、ポリエステル短繊維等の補強材;炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー等の充填材等を添加してもよい。これにより、熱可塑性樹脂発泡体1の圧縮強度が向上される。
発泡性樹脂シート1´の形状について図8の発泡性樹脂シート1´を例にとり以下に示す。発泡性樹脂シート1´2では、発泡性樹脂柱状部3´3が、発泡性樹脂薄膜2´により一体的に連結されている。言い方を変えれば、発泡性樹脂シート1´2は、発泡性樹脂柱状部3´3で構成される柱状突出部が、発泡性樹脂薄膜2´の一方面から突出するように形成されている形状を有する。もっとも、発泡性樹脂柱
状部3´3は、図8に示した例では、その一端すなわち下端側において発泡性樹脂薄膜2´により連結されているが、発泡性樹脂柱状部3´の高さ方向のほぼ中心部において発泡性樹脂薄膜2´により連結されていてもよい。
最終的に得られる樹脂発泡体1の厚み精度、質量精度を向上し、形状と発泡倍率を均一化するには、発泡性樹脂柱状部3´は、発泡性樹脂シート1´において平面的に略均一に配置されることが必要である。もっとも、熱可塑性樹脂(P1)粒状体を平面的に略均一に
配置する態様としては、特に限定されるものではなく、図8に示したように格子状に配置されていてもよく、図9に示すように千鳥状に配置されていてもよい。
発泡性樹脂柱状部3´の形状は、特に限定されず、例えば、六方体状、円柱状、球状体などが挙げられるが、発泡性樹脂柱状部3´が発泡する際に、発泡を均一に行わせるには、図8,図9に示すように円柱状の形状が最も好ましい。
発泡性樹脂柱状部3´が円柱状の場合、その径は、目的とする樹脂発泡体1の発泡倍率や厚さ等によっても異なるため特に限定されるものではないが、大きすぎると発泡速度が低下し、小さすぎると発泡時の加熱で円柱が溶融・変形し、変形しやすく1次発泡性を発現できなくなり、厚み精度、質量精度のバラツキが大きくなる。従って、発泡性樹脂柱状部3´が円柱の場合、その径は、1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmの範囲が特に好ましい。
発泡性樹脂柱状部3´が円柱状の場合、その高さは、目的とする樹脂発泡体1の発泡倍率や厚さ等によっても異なるため特に限定されるものではないが、高すぎると発泡速度が低下し、低すぎると発泡性樹脂薄膜2´と同時に発泡するため、幅方向及び長手方向にお
いて大きく膨張することになる。従って、円柱状の発泡性樹脂柱状部3´の高さは1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
発泡性樹脂柱状部3´間の距離は、目的とする樹脂発泡体1の発泡倍率や厚さ等によっても異なるため、特に限定されるものではないが、距離が長すぎると発泡性樹脂柱状部3´が発泡した時に充填不足が大きく発生する可能性があり、短すぎると完全充填してしまう。従って、発泡性樹脂柱状部3´間の中心間距離は、2mm〜50mmが好ましく、3mm〜30mmが特に好ましい。
発泡性樹脂柱状部3´が格子状に配置されている場合には、個々の発泡性樹脂柱状部3´が発泡して得られる高発泡部3が四角柱の形状となり、樹脂発泡体1の緩衝性が均一となり、かつ圧縮強度も十分な値とされるため、発泡性樹脂柱状部3´は格子状に配置され
ることが好ましい。
また、発泡性樹脂柱状部3´が千鳥状に配置されている場合には、個々の発泡性樹脂柱状部3´が発泡して得られる高発泡部3が六角柱の形状となるため、擬似的なハニカム構造を構成することになる。そのため、得られる樹脂発泡体1の緩衝性が均一となり、圧縮強度も十分なものとなる。従って、好ましくは、発泡性樹脂柱状部3´は、千鳥状に配置される。
発泡性樹脂薄膜2´の厚みは、目的とする樹脂発泡体1の発泡倍率や厚み等によっても異なるため、特に限定されるものではないが、厚くなりすぎると、発泡時に発泡性樹脂柱状部3´を移動させ、幅方向及び長手方向における膨張が大きくなり、薄すぎると発泡性樹脂柱状部3´を保持できなくなる。従って、発泡性樹脂薄膜2´の厚みは、0.05〜3mmが好ましく、0.1〜2mmが特に好ましい。
発泡性樹脂シート1´の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、1)熱可塑性樹脂(P1)及び発泡剤などを射出成形機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練し、発泡性樹脂柱状部3´の形状に応じた凹部を有する金型に射出した後冷却する方法等が挙げられるが、2)発泡性樹脂シート1´を構成する熱可塑性樹脂(P1)及び発泡剤などを押出機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練した後、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)を、該シート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の厚みより狭いクリアランスを有し、少なくとも一方の外周面に多数の凹部が均一に配設された異方向に回転する一対の賦形ロールに導入し、前記凹部に軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の一部を圧入した後、冷却、離型する方法がもっとも好ましい。
上記2)の方法をさらに詳しく説明する。先ず、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)を得るには、通常、押出機により発泡性熱可塑性樹脂(P1)を溶融混練押出しする方法やカレンダーロールを用いて溶融化する方法が挙げられ、押出機を用いた溶融化が連続質量精度、定量性の点から最も好ましい。
軟化状態の発泡性熱可塑性樹脂(P1)の形態は、連続的に成形できる形態であれば特に限定されず、シート形態、多数のストランド形態等が挙げられるが、流れ直角方向(幅方向)の定量性の点からシート形態が最も好ましい。
賦形ロールの外周面の凹部の配設は、得られる発泡性樹脂シート1´の質量精度、厚み精度の向上の為、略均一的に配置されることが好ましい。賦形ロールの外周面の凹部の配設は、賦形ロール外周面全体で均一的にあれば特に限定されないが、より均一であること
から、格子または千鳥に配設されていることが最も好ましい。
賦形ロールの外周面の凹部の形状は、特に限定されず、例えば、六方体状、円柱状、球状体等が挙げられるが、凹部を成形し易い点、発泡性樹脂柱状部3´を均一に成形しやすい点、冷却後の離型が行い易い点から円柱が最も好ましい。
賦形ロールの外周面の凹部の形状が円柱状であるとき、円柱の径は、目的とする発泡性樹脂シート1´の形状により変化するため、特に限定されないが、大きすぎると冷却後の離型が行い難く、発泡性樹脂薄膜2´が破れ、小さすぎると冷却後の離型時に発泡性樹脂
柱状部3´が破壊するため、1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
賦形ロールの外周面の凹部の形状が円柱状であるとき、円柱の高さは、目的とする発泡性樹脂シート1´の形状により変化するため、特に限定されないが、高すぎると冷却後の離型が行い難く、発泡性樹脂薄膜2´が破れ、低すぎると1次元発泡をおこなえる発泡
性樹脂シート1´が形成できないため、1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
賦形ロールのクリアランスは、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の厚みより狭いことが必要である。よって、この範囲であれば、目的とする発泡性樹脂シート1´の形状により変化するため、特に限定されないが、厚すぎると、1次元発泡をおこなえる発泡性樹脂シート1´が形成できなくなり、薄すぎると冷却後の離型時に発泡性樹脂薄膜2´が破れ易いため、0.05mm〜3mmが好ましく、0.1mm〜2mmが特に好ましい。
軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の一部を凹部へ圧入する方法は、1対の賦形ロールのクリアランスを変化させないことにより、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)に賦形ロールからの圧力が付与されて成し遂げられる。
一部を圧入された賦形された軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂(P1)の冷却方法は、発泡性熱可塑性樹脂(P1)の融点以下に下げることができれば、特に限定されず、例えば賦形ロール内部に冷却水を流すなどの方法がある。
発泡性樹脂シート1´を、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させた後、発泡膨張する熱可塑性樹脂(P1)シート状体が完全充填される以上の隙間を有する冷却装置により冷却する。この場合、加熱により発泡させる工程については、発泡性樹脂柱状部3´に含有されている熱分解型発泡剤の分解温度以上に発泡性熱可塑性樹脂(P1)シートを加熱し得る適宜の方法を用いることができ、例えば、電気ヒーター、遠赤外線ヒーター、加熱された油や空気等の加熱媒体を循環させてなる加熱装置などを用いて加熱する方法を挙げることができる。
樹脂発泡体1の冷却装置についても、発泡膨張する熱可塑性樹脂(P1)シート状体が完全充填される以上の隙間を有していれば特に限定されず、発泡体を構成する樹脂の軟化点以下の温度に冷却し得る適宜の方法を採用することができ、例えば、冷却された水や空気などの冷却媒体を循環させる形式の冷却装置などを用いて冷却する方法を採用することができる。
発泡膨張する熱可塑性樹脂(P1)シート状体が完全充填される以上の隙間は、発泡性樹脂シート1´の発泡倍率、質量等から計算される大きさであるが、隙間が大きすぎると樹脂発泡体1全体が大きく波打つため、発泡性樹脂シート1´の発泡倍率、質量等から計算される完全充填の隙間より10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることが最も好ましい。
本発明で用いられる床暖房は、それを構成する仕上げ材、温水マット、その他の部材の合計厚みが、18mm以下である。18mm以上であると、下地構造が同じ場合、床暖房を用いていない部屋との段差が大きくなり、バリアフリーにならず、また天井までの部屋高さが小さくなる。また、床高さを合わせようとすると、床の下地構造を変える必要があり煩雑となる。
本発明で用いられる板状体の基材としては、木粉又は木片と樹脂との複合材が用いられる。とくに、木質チップ、木粉、木片等を合成樹脂等に充填した合成木材、合成樹脂、及びこれらの積層体は、木の持つ吸湿、放湿による寸法変化が少なく、寸法安定性が高い。ここでいう木粉又は木片とは、廃棄木材、または天然木材を粉砕した木質系の粒状または粉状のもののことである。大きさは特に限定されないが、樹脂との混ざりやすさ、成形のしやすさ、物性の分布等を考慮すると、10mm以下のものが好ましく用いられる。
木粉又は木片と樹脂とからなる複合材とは、木粉又は木片の配合比は、20〜90%が好ましい。20%より小さいと、樹脂の熱伸縮性が顕著に現れる。90%より大きいと、木質本来の吸放湿寸法変化が顕著に現れる。樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS、エラストマーなどが挙げられる。
このような硬質板状体11を製造する方法は限定されないが、例えば、硬質板状体11を構成する合成樹脂及び木粉などを押出機に供給し、溶融混練した後、硬質板状体11の形状に応じた金型より賦形しながら冷却される方法が最も好ましい。その他の方法としては、例えばつぎの方法が挙げられる。
1)硬質板状体11を構成する合成樹脂及び木粉などを射出成形機に供給し、溶融混練し、硬質板状体11の形状に応じた金型に射出した後冷却する方法。
2)硬質板状体11を構成する合成樹脂及び木粉などを押出機に供給し、溶融混練した後、金型より押し出された軟化状態の板状体を、該板状体の厚みより狭いクリアランスを有し、異方向に回転する一対の冷却ロールに導入し、冷却する方法。
3)硬質板状体11を構成する合成樹脂及び木粉などを押出機に供給し、溶融混練した後、金型より押し出された軟化状態の板状体を冷却水槽に導入し、前記水槽内に設けられた金型で賦形しながら冷却する方法。
この硬質板状体11は合成樹脂と木粉以外に他の添加剤が含有されたものでもよい。このような添加剤は、例えば合成樹脂と木粉との親和性を上げるものが例示され、例えば、酸変性ポリプロピレンや低密度のポリエチレンが挙げられる。また、成形時の金型と軟化状態の板状体あるいは硬質板状体11との滑りを良くするために、例えば、ステアリン酸亜鉛等の外滑剤を添加することが好ましい。
硬質板状体11には、必要に応じて、突き板、合成樹脂または合成樹脂発泡シート、化粧紙、合成樹脂含浸シートなどの表面化粧材を接着、積層してもよい。さらに意匠性、木質感、耐傷性などを付与するために、印刷、塗装、着色、コーティング、溝切加工等を行ってもよい。また、表面に「突き板」を接着する場合、裏面に「捨て貼り」と呼ばれる板を接着して硬質板状体11の反りを防止することが好ましい。
硬質板状体11には、樹脂発泡体1との積層面に任意方向に延長する凹溝11aが設けられてもよく、これにより硬質板状体11の曲げ剛性をさらに低下させ、防音性をより向上させることが可能である。凹溝11aの形状は通常U字状、V字状、コの字状に形成され、その溝幅は1mm〜5mm程度である。
硬質板状体11には、組み合わせがしやすいように、さね加工がされてもよい。さね部分は、おすめす部分が明確になった本さね構造、またはあいじゃくり構造などが用いられる。
本発明で用いられるヒートポンプ式温水器とは、ヒートポンプの原理を用いて温水器を得る仕組みを持ったものであれば特に限定されない。冷媒の断熱圧縮を行い、その際の気化熱を熱交換して、温水または熱媒を取り出せる装置である。冷媒としては、フロン系化合物、炭化水素化合物、二酸化炭素等が挙げられる。暖房用循環ポンプを有した多機能型ヒートポンプ給湯器、ヒートポンプ温水器や、床暖房一体型エアコン等が挙げられる。ヒートポンプ式温水器は、ヒートポンプの原理によって温水が作られるので、非常に熱効率が良く、連続して用いることの多い床暖房の熱源として、好適に用いられる。

上記のヒートポンプ式温水器は、ヒートポンプの原理を応用した加熱器であり、投入エネルギーの他に、自然界の熱エネルギーも吸収し、温水を作り出すため、熱効率いわゆる成績係数が2〜4になり、燃焼系温水器が100%の熱効率を超えないのに対して、環境負荷が非常に小さくなる。
暖房系などに上記でできた温水を用いる場合、直接この温水を利用する方法と、熱交換器などを通して、温水の熱エネルギーのみを取り出す方法があり、一般的には後者が用いられる。この場合、暖房系への熱媒体としては、(温)水、不凍液などが使用される。
本発明で用いられる排熱利用型温水器とは、例えば発電機の発電時に排出される熱を温水の形で有効利用するような温水器のことで、例としては、マイクロガスエンジンコージェネシステム、マイクロガスタービンコージェネシステム、燃料電池等が挙げられる。
これらの温水器は、コージェネシステムとなっており、非常に効率のいい温水器のうちの一つである。
これらの上記の熱源は、環境負荷が小さい熱源ではあるが、瞬発能力が小さいため、温水温度、放熱エネルギーに限界が生じるため、従来の暖房床では、充分に暖まらない。本発明の暖房床では、少熱量で充分な暖房能力を発揮するので、上記の熱源との組み合わせによって、環境負荷低減と快適性を両立できる。
本発明で用いられる55℃以下の温度で出湯する熱源とは、暖房用循環温水の往き部分の初期温度が55℃以下である熱源のことを指す。種類はとくに限定されず、上記のような高効率熱源も好適に用いられる。また灯油ボイラー、ガス給湯器等も使用される。
通常、床暖房に用いられる温水温度は出湯温度60℃の温水であり、熱ロス等も多く、ランニングコストが大きくなる。
本発明では、放熱性のいい床暖房と連結するので、55℃以下の温度でも充分暖房能力を確保し、結果として、ランニングコストが減少する。好ましくは、50℃以下の温水を用いれば、さらにランニングコストが減少する。
その他、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、接着剤、コーキング材、不陸材(遮音材)、厚み調整材、均熱材、遮熱材、遠赤外線発生材その他の付属部材を用いることができる。
(比較例1)
i)ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜6バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃
第2〜6バレル;220℃
ダ イ;220℃
・スクリュー回転数:150rpm
上記構成の変性用スクリュー押出機に、まず、ポリオレフィン系樹脂その後端ホッパーから投入し、第3バレルからジビニルベンゼンと有機過酸化物の混合物を押出機内に注入し、これらを溶融混和して変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(日本ポリケム製「EX6」、MI;1.8、密度;0.9g/cm3 )であり、その供給量は10kg/hとした。
変性用モノマーはジビニルベンゼンであり、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5重量部とした。
また、有機過酸化物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を用い、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部とした。
ポリオレフィン系樹脂、ジビニルベンゼン、有機過酸化物の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
(2)発泡性樹脂組成物の調製
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは7穴ストランドダイである。温度設定区分は下記の通りである。
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1ゾーン;150℃
第2ゾーン;170℃
第3ゾーン;180℃
第4ゾーン;160℃
・スクリュー回転数:40rpm
上述のようにして得られた変性樹脂及びホモタイプのポリプロピレン(日本ポリケム製「FY4」、MI;5.0、密度;0.9g/cm3)を、それぞれ10kg/hの供給量で、発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。また、発泡剤(アゾジカルボンアミド(ADCA))を、それぞれ1.0kg/hの供給量で、同押出機にサイドフィーダーから供給した。
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、幅1000mm×厚み0.5mmのシート状成形体を得た。
(3)発泡体の製造
上記のようにして得られた発泡性樹脂組成物シートの両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ 6301A」、秤量30g/m2 )を積層し、ダブルシート発泡機を用い、ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、ZFと表記)を製造した。
(4)評価
得られたZFを下記の項目について評価した。
・発泡倍率:
ZFよりシート状物をカッターで削り取った後、JIS K6767に従い発泡体の発泡倍率を測定したところ、発泡倍率は10倍であった。
・気泡形状(平均アスペクト比):
図2に示すように、ZF (a)を厚み方向(z方向)にカットし、断面 (b) の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真(c)を撮った。写真(c)に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測り、気泡毎にDz/Dxyを算出し、気泡100個分のDz/Dxyの個数平均を算出し、平均アスペクト比とした。ただし測定中、Dz(実際の径)が0.05mm以下の気泡、及び10mm以上の気泡は除外した。
この結果、Dz/Dxyの平均値は1.8であった。
・圧縮弾性率、圧縮降伏応力(強度)
JIS K 7220に基づいて、測定した。降下速度10mm/min。
・ガラス転移点
ZF発泡体の表層の不織布層をカッターを用いて切除した後、熱プレス機によって、220℃、10MPaでプレスした後、冷却して平板を得た。それを用いて、ガラス転移点を測定した。
・融点
上記平板から得られた樹脂を、DSCを用いて、5℃/minで200℃まで昇温後、10℃/minで0℃まで冷却し、その後、5℃/minで昇温して、測定された融解吸熱ピークの温度を、融点とした。
(5)溝加工
得られたZFにピッチ75mmでルーター加工を施した。
ii)床暖房の作成
45mmの角材を303mmピッチで仮の根太を作り、その上に12mmの合板を2,100mm×1,200mm敷き詰めた。根太の間には、40mmのポリスチレン発泡体を合板に裏側より固定した。i)で得られた溝付きZF1,800×900mm(ヒーター部)を先ほど敷き詰めた厚み12mmの合板の中心部分に接着剤で固定した。周囲部の残りの部分には溝を付けていないZF(ボーダー部)を敷き詰めた。発泡体の溝部に架橋ポリエチレン管(積水化学工業社製 5A)を配置し、ボーダー部を通して、配管を出した。その上にアルミ粘着テープ(約50μm)を全面に貼り付け、その上から厚み3mmの合板(900×150mm)を両面テープで固定し、敷き詰めた。
金型温調器と暖房床をさや管付の架橋ポリエチレン管(積水化学工業社製 7A)で行き・戻りを接続した。
iii)評価
5℃に制御した恒温室に入れ、安定してから、恒温室の制御をやめ、金型温調器を作動させ、55℃の温水を流した。流速0.5L/min。
(1)昇温時間
温水を流し始めてから、床表面温度が20℃に到達する時間。
(2)到達温度
温水を流し始めてから、1時間後の床表面温度。
(3)上面放熱効率
床暖房の上下面に熱流束計を設置。昇温開始10分後のそれぞれの熱流束より、放熱効率を計算。
(4)熱ロス
熱源機の出湯温度と、暖房床の温水流入温度を測定し、その差温(℃)を算出し、熱ロスとした。
(5)へたり(繰り返し圧縮試験)
発泡体(ZF)のみに、80℃の雰囲気下で、80kgfの荷重をφ50の平円圧
子で10万回、繰り返し荷重をかける。繰り返し荷重をかけた部分を、フローリング、アルミシートを取り除き、最初の厚みからの減少率を算出した。
(6)目スキ量
上記の熱性能評価が終わった後、55℃のまま5日間通水した後、フローリング同士の長手方向の間隙、目スキの量をすき間ゲージにより測定した。
(7)沈み込み
暖房床を200×200mmに切断し、硬質板状体側にφ50mmの鋼製円柱圧子を、パイプのピッチ間に載置し、2m/分の速度で80kgfの圧縮荷重を負荷したときの沈み込み量(mm)を測定した。
(8)厚み調整
床暖房を敷設しない他の部屋との厚みの取り合いを、別途平面の合板状に設置して、評価した。全厚が12mmとなるので、多種にわたる試販の12mmのフローリングと高さが合うため、厚み調整の必要がない。
◎:厚み調整の必要なく、床暖房をしない部屋とのバリアフリー化が可能である。
○:厚み調整が少なく、バリアフリー化が可能となる。
×:バリアフリー化するために、厚み調整が煩雑となる。
(9)防音評価
上記と同様の構成で、スラブ構造の上に両面テープで固定した後、JIS A1418に準拠して軽量床衝撃騒音レベルを測定した。
(比較例2)
温水温度を70℃とする以外は、比較例1と同様に評価を行った。
(実施例1)
低(無)架橋性樹脂として、高密度ポリエチレン(三菱化学社製;品番「HY340」、密度0.952g/cm3 、MI=1.5g/10分、融点133℃)25重量部、高架橋性樹脂として、高密度ポリエチレン(三菱化学社製;品番「HJ381P」、密度0.951g/cm3 、MI=9.0g/10分、融点132℃)25重量部、ポリプロピレン(三菱化学社製;品番「MA3」、密度0.900g/cm3 、MI=11g/10分、融点151℃)29重量部、シラン架橋性ポリプロピレン(三菱化学社製;品番「XPM800HM」)21重量部、シラン架橋触媒(三菱化学社製;品番「PZ−10S」)1重量部、熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製;品番「SO−20」)9重量部の混合物を、2軸押出機(径44mm)にて180℃で溶融混練し、面長300mm、リップ1.5mmのTダイにより軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押出した。
さらに、図10に示すように、高さ5mm、直径4mmの凹部が賦形ロール7のみに千鳥状に配置された、径250mm、面長300mmの該発泡性熱可塑性樹脂シート状体を賦型しつつ冷却し、さらに発泡性熱可塑性シート状体を98℃の熱水中に2時間浸漬した後乾燥させることにより、図8に示すような発泡性熱可塑性樹脂シート状体(架橋度15%)を得た。上記のようにして得た発泡性熱可塑性樹脂シート状体では、上記賦型ロールの凹部に対応する部分において発泡性熱可塑性樹脂粒状体8が構成されており、該発泡性熱可塑性樹脂粒状体8がその端部にて厚み0.4mmの発泡性熱可塑性樹脂薄膜により連結されて、全体として発泡性熱可塑性樹脂シート状体が構成されていた。
得られた発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、ポリテトラフルオロエチレンシート上に配置した状態で加熱装置を有する無端ベルトに供給し、発泡性熱可塑性樹脂シート状体を発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させると、発泡樹脂柱状部8の部分が発泡するが、このとき、隣接する発泡樹脂柱状部8の壁面同士が発泡圧力により低発泡層9を有する構造となる。この結果、柱状部の高い発泡倍率の高発泡部8同士を低発泡層9が熱融着して低発泡層9が低発泡薄膜を形成した状態となる。このような構造により、厚み方向にリブ(低発泡層9)構造となる。
そして、図3に示すような硬質発泡体(以下CFと表記)を得た。なお、発泡性熱可塑性樹脂シート状体の送り速度は0.5mm/min、加熱装置長さ5mm、温度210℃であった。また、冷却装置16は長さ5mm、温度30℃であった。得られたCFの厚みは9mmであった。
得られたCF(倍率10倍)を、310×910mmに切断した後、ピッチ間75mmで凹溝6(幅、深さ10mm)をルーター加工法により付け、実施例1のように合板捨て貼り上に敷き詰めた。周囲(ボーダー部)には、同様に溝無しのCFを配置した。溝に架橋ポリエチレン管(積水化学工業製 5A)を挿入し、さらにCFの上面にアルミテープ2(イノアック社製モジュラーパネル用均熱アルミテープ、雛板DMTA470−25)を貼付し、その上面に厚み3mmの合板(900×150mm)を貼付し、試験体を得た。
評価は比較例1と同様にして行った。
(実施例2)
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「HY340」、MI=1.5g/10分)50質量%、シラングラフトポリプロピレン(三菱化学社製、商品名「XPM800H」、MI=11g/10分、架橋後のゲル分率80質量%)20質量%、ポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名「MA3」、メルトインデックス(MI)=11g/10分)30質量%からなる熱可塑性樹脂(P1)100質量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商品名:SO−20、分解温度210℃)4.5質量部及びシラン架橋触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.1質量部を含有する組成物を、径44mmの二軸押出機5に供給し、組成物を180℃で溶融混練し、面長500mm、リップ1.0mmのTダイ6により軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押し出した。
さらに、図10に示すように、深さ約10mm、直径4mmの円柱状の凹部が、賦形ロール7のみに千鳥状に配置された、径250mm、面長500mmのロール7,8(クリアランス0.2mm)間でシート状発泡性熱可塑性樹脂を賦形しつつ冷却し、ついでシート状発泡性熱可塑性を98℃の水中に2時間浸漬した後乾燥することにより、実測高さ、平均4.2mm、標準偏差1mm;直径4mmの円柱状の発泡性樹脂柱状部3´が、千鳥状に構成された発泡性樹脂シート1´を得た。このようにして得た発泡性樹脂シート1´では、発泡性樹脂柱状部3´が発泡性樹脂薄膜2´(薄膜2´)により連結されていた。
得られた発泡性樹脂シート1´を300×900mmに切断し、図11に示したように、ポリフッ化エチレンシート9上に配置し、さらにポリフッ化エチレンシート9´をその上面に配置して、ハンドプレスにより、ポリフッ化エチレンシート9、9´間が9mmの厚みとなるようにして、210℃で10分間加熱発泡した後、30℃の冷却プレスで10分間冷却し、発泡倍率9倍、厚み9mmの凹凸状樹脂発泡体1を得た。さらに、この発泡体を電動かんなで厚みを調整して8.5mmの凹凸状樹脂発泡体1を得た。
この樹脂発泡体1は、板状体の連続発泡層2の一面に凸状に多数配置された高発泡部3を備え、高発泡部3の表面は連続発泡層2とともに低発泡層4により被覆されていた。
別の片面にも、凹凸状がみられた。
この樹脂発泡体(RF)の凸状に多数配置された高発泡部に、接着剤を塗布し、3mmのウレタン発泡体を貼り付け、全体として、11mmのマットを得た。これに、200℃、φ8mmの熱棒を押し当て、溝を付けた後、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例3)
ブロックポリプロピレン(日本ポリケム社製:商品名「BC03B」、MI=30/10分)100質量部、酸変成ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1010)10質量部、木粉(商品名:セルコント45)150質量部、ステアリン酸亜鉛(サカイ化学社製、商品名:SZ−2000)20質量部を含有する組成物を、直径44mmの二軸混練押出機に供給した。
二軸混練押出機において、組成物を180℃で溶融混練し、面長160mm、リップ3.0mmのTダイにより軟化状態のシート状樹脂を押し出した。
さらに、所望の形状になるような型枠を有した冷却水槽にシート状樹脂を導入し、冷却後、厚み3.0mmの板状体を得た。
上記、硬質板状体を、合板の代わりに用いること以外は、比較例1と同様の評価を行った。
(比較例4)
3mmの合板の代わりに、9mmの合板を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
(比較例5)
12mm合板使用で比較例4と同様。
(比較例6)
温水温度70℃で、比較例5と同様。
(比較例7)
ZFの代わりに、ポリスチレン発泡体(発泡倍率20倍 厚み9mm)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
(比較例8)
ZFの代わりに、架橋ポリプロピレン発泡体(積水化学工業社製 ソフトロン)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。発泡倍率30倍、厚み3mm。これを3枚重ねて、9mmとした。
(比較例9)
ZFの代わりに、MDFを用いたこと以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
(比較例10)
13mm遮音フローリング(松下電工社製 9mm仕上げ材+4mm不織布)を用いたこと以外は、比較例1と同様に。
実施例1、2、比較例1〜10で得られた板状体(仕上げ材)の厚みや熱伝導率、温水マットの厚みや圧縮降伏応力や熱伝導率を測定すると共に床材の各種性能評価を行ない、結果を表1にまとめた。
Figure 0003947527
本発明にかかる温水暖房床の断面図 本発明にかかる温水暖房床に使用される温水マットを構成する母材の樹脂発泡体1の説明図 本発明の実施形態に係る樹脂発泡体1の一例を説明するための部分切欠断面図 本発明の実施の形態に係る樹脂発泡体1の他の一例を説明するための部分切欠断面図 本発明の実施の形態に係る樹脂発泡体1の他の一例を説明するための部分切欠断面図 本発明の実施の形態に係る樹脂発泡体1における高発泡部3が格子状に配置されている状態を説明するための平面図 本発明の実施の形態に係る樹脂発泡体1において高発泡部3が千鳥状に配置されている形態を説明するための平面図 発泡性樹脂シート1´の一例を部分側面及び平面により説明する説明図 発泡性樹脂シート1´の他の例を説明する平面図 本発明の発泡性樹脂シート1´を製造する工程を説明するための略図的断面図 本発明の発泡性樹脂シート1´を発泡させて発泡体を得る工程を説明するための断面図
符号の説明
1 熱可塑性樹脂発泡体(樹脂発泡体)
11 板状体
30 ポリオレフィン系樹脂発泡体
5 温水供給パイプ

Claims (4)

  1. 板状体、母材にパイプまたは温水経路が組み込まれている温水マット、が上から順に配置されてなる温水式暖房床において、板状体の厚みが1〜8mmであり、温水マットを構成する母材が、ガラス転移点が0℃以下、融点が90℃以上の樹脂を用いた厚み方向にリブ構造を有する樹脂発泡体であり、樹脂発泡体は、シート状の連続発泡層の少なくとも一面に凸状に形成された発泡倍率の高い複数の高発泡部を備え、該高発泡部の全表面は前記連続発泡層と共に発泡倍率の低い低発泡層により被覆され、前記低発泡層により被覆された相隣接する前記高発泡部間に凹部が形成されることにより凹凸が形成されている樹脂発泡体であり、且つ、全体厚みが18mm以下の構成であることを特徴とする温水式暖房床。
  2. 板状体の基材が、木粉又は木片と樹脂との複合材からなることを特徴とする請求項1記載の温水式暖房床。
  3. ヒートポンプ式温水器、又は排熱利用型温水器を温水熱源とし、請求項1又は2記載の暖房床と連結することを特徴とする温水式床暖房システム。
  4. 55℃以下の温度で出湯する熱源を用いて、請求項1ないし3に記載の暖房床と連結することを特徴とする温水式床暖房システム。
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