JP2016156176A - 床用化粧材 - Google Patents

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峰帆 関野
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Abstract

【課題】帯電防止性能を維持でき、帯電防止助剤を添加することによる層間の密着性の低下を防ぐ床用化粧材を提供する。【解決手段】木粉または紙粉からなる木質系の紛体を含有する樹脂層15と、樹脂層15の一方の面に形成された化粧シート3と、によって床用化粧材1を構成する。そして、樹脂層15は、帯電防止助剤を含まないカチオン系の帯電防止剤を5質量%以上20質量%以下含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、床に敷設される床用化粧材に関する。
現在、建築物の床面等に敷設される床用化粧材がある。床用化粧材は、床用化粧材は、床面に敷設されることによって床面に高い意匠性を付すと共に、床面に高い耐衝撃性及び耐キャスター性を与えている。
床用化粧材としては、合板や中密度繊維板(MDF(medium density fiberboard)、パーティクルボード等の木質系基材の表面に化粧シートを張り付けたシートフローリング材がある。シートフローリング材は、既存の突板において発生する、板間で色目が合わない、あるいは高価であるためにコストがかかるといった不具合を解消することができる。
ただし、シートフローリング材には、木質系基材の耐衝撃性や耐キャスター性にばらつきがあり、品質が安定しないという課題もあった。このような課題を解消するため、シートフローリング材の裏面に厚さが0.1mmから0.6mm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムや有機充填材を含有した樹脂シート等のバッカー材を貼り合わせることがなされている。現在では、有機充填材として木粉を使用する木粉含有樹脂シートをバッカー材とする仕様のシートフローリング材が広く普及している。なお、木粉含有樹脂シートをバッカー材としたシート状の化粧シートは、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2009−297896号公報
ところで、バッカー材に用いられる材料や、バッカー材の上に貼られる化粧シートは、一般的に導電性がなく、帯電しやすい。このため、バッカー材に帯電防止剤を添加することによって帯電防止効果を付与することが行われている。
帯電防止剤を付与する公知の方法として、多価アルコール脂肪酸エステルを主成分とした界面活性剤をバッカー材に添加する方法が知られている。しかし、この方法は、水分に大きく影響されるので、帯電防止効果の永続性に課題があった。
帯電防止効果の永続性の課題は、高分子型の帯電防止剤を用いることによって解決できる。そして、高分子型の帯電防止剤の中でも、とりわけカチオン系の帯電防止剤を用いることが多く、カチオン系の帯電防止剤は強い帯電防止性能を有する。
また一般的に、熱可塑性樹脂では加工時の密着性、接着性の低下を防ぐため、熱可塑性樹脂材料の融点や有機充填材の平均粒径、帯電防止剤の存在範囲等が細かく制御されている。密着性や接着性の問題を解決するために、帯電防止剤に帯電防止助剤として無機フィラー(体質顔料)を入れる場合がある。無機フィラーとしては、特に硫酸バリウムが耐候性及び密着性を向上させることができる。
しかしながら、帯電防止助剤は、好適な添加量の範囲が狭く、限定的である。また、帯電防止助剤には、熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂の場合には耐候性及び密着性に悪影響を与えることが知られている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、帯電防止助剤を添加することによる層間の密着性の低下を防ぎ、しかも帯電防止性能を維持できる床用化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の床用化粧材は、木粉または紙粉からなる木質系の紛体を含有する樹脂層と、樹脂層の一方の面に形成された化粧シートと、を有し、樹脂層は、帯電防止助剤を含まないカチオン系の帯電防止剤を5質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする。
上記発明によれば、帯電防止性能を維持でき、帯電防止助剤を添加することによる層間の密着性の低下を防ぐことができる床用化粧材を提供することができる。
本発明の一実施形態の床用化粧材の断面図である。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の床用化粧材を説明するための図である。
床用化粧材1は、木質系基材11と、木質系基材11の一方の面(木質系基材の上面とする)に形成された樹脂層15と、樹脂層15の木質系基材11と接していない側の面(樹脂層15の上面とする)に形成された化粧シート3と、木質系基材11と樹脂層15とを接着する第1接着材層13と、を有している。
以下、図1に示した各層について説明する。
(木質系基材)
本実施の床用化粧材の木質系基材11には、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板、日本農林規格に規定される普通合板等公知のものが使用可能である。特には木粉を添加したオレフィン系樹脂からなる基材が好適であるが、特にこれらに限定されるものではなく、後述する化粧シート3を積層して床用化粧材とできるものであればどのようなものであってもよい。
なお、木質系基材11の厚みは、3〜25mm程度が好適である。
(第1接着材層)
第1接着材層13は、木質系基材11と樹脂層15を積層する際の接着性を向上させるために適宜設けられるものである。第1接着材層13に使用される接着材としては、公知の2液のウレタン変性ビニル樹脂からなる水性接着材や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着材、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着材等が使用可能である。また熱可塑性樹脂ホットメルト接着材も使用可能である。塗布量は、乾燥後の重さが3〜20g/m程度が接着性の観点から好適である。
(樹脂層)
樹脂層15は、後述する木粉または紙粉と、木粉または紙粉のバインダーとなる熱可塑性樹脂と、無機充填材と、帯電防止剤と、を含んでいる。木粉または紙粉は、樹脂層15がバッカー材として機能するために含有される木質系の紛体である。樹脂層15の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
また、無機充填材としては、炭酸カルシウム等の球形のものよりもタルク、マイカ等の鱗片状のものが好ましい。
帯電防止剤としては、カチオン系の帯電防止剤が使用される。本実施形態では、カチオン系の帯電防止剤として、例えば、第四級アンモニウム塩が使用できる。帯電防止剤中には、無機フィラー等の帯電防止助剤は使用されていない。
また、本実施形態では、帯電防止剤としての第四級アンモニウム塩を樹脂層15に5質量%以上20質量%以下配合している。この理由は、帯電防止剤が5質量%未満であると十分な帯電防止効果が得られず、20質量%より多いと帯電防止剤のブリードアウトが発生しやすくなって床用化粧材1の層の界面で密着性の低下が起きるためである。
木粉としては、製材所等で発生する杉、ツガ等の切断屑が使用できる。紙粉には、バージンパルプ、製紙段階での断裁片、加工段階での加工ロス、印刷段階での裁ち落とし及び古紙等の損紙等を利用することができる。木粉または紙粉の成形安定性を考慮すると、木粉または紙粉の原料は、一定の品種に絞られることが好ましい。
木粉または紙粉の粒径は、10μm以上50μmが好ましい。粒径が50μmを超えると、樹脂層15の断面において、木粉または紙粉と熱可塑性樹脂との間で海島模様が発生する。海島模様は、目視で視認されるために意匠的に好ましくない。
樹脂層15の厚みは、コストと耐衝撃性のバランスを考慮すると0.1mm以上1.0mm以下とするのが好ましい。樹脂層15の厚みが1.0mmを超えると、樹脂層15をロール上で巻き取ることが困難で、かつコストも高くなってしまう。また、樹脂層15の厚みが0.1mm未満だと耐衝撃性、耐キャスター性の効果が低くなってしまう。
[化粧シート]
化粧シート3は、第2接着剤層17、シート基材19、絵柄層21、第3接着剤層23、熱可塑性樹脂層25及び表面保護層27によって構成されている。
化粧シート3の総合的な厚さは400μm以下とするのが好ましい。400μm以下とすることで、化粧シート3を連続的なロールで製造し、貼り合わせた状態で巻き取ることが可能となり、その後、樹脂層15及び木質系基材11と貼り合せることが可能となる。
以下、上記した各層について説明する。
(第2接着材層)
第2接着材層17は樹脂層15と後述するシート基材19を接着するために適宜設けられる。第2接着材層17に使用される接着材としては、目的を達成できるものであれば特に限定するものではないが、2液ウレタン樹脂接着材等が使用可能である。塗布量としては乾燥後の塗布量が1〜10g/m程度が望ましい。
(シート基材)
本実施形態のシート基材19は、ポリオレフィン系樹脂からなるものが用いられる。具体的には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチレンアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上を目的として酸変性したもの、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等、或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体等、各種のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択が可能であり、また、これらの中から選ばれる同種又は異種のポリオレフィン系樹脂からなる複数層の積層体を使用することもできる。
また、シート基材19としては、化粧シート3に木質系基材に対する隠蔽性を付与するために着色したものが好適に用いられる。着色するにはポリオレフィン系樹脂にイソインドリノン、ポリアゾ、フタロシアニン等の顔料を適宜添加することで可能であるが、その表面全体あるいは裏面全体に印刷によりベタ印刷層を設けるということでも可能である。シート基材19の厚みは、50μmから150μmが好ましい。
(絵柄層)
絵柄層21は、所望の絵柄の意匠を付与するために適宜設けられるものである。所望の絵柄の種類は特に限定されず、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等、任意に決定することができる。
絵柄層21は、印刷インキ等の印刷により設けることが可能である。印刷インキ等の種類は特に限定されない。
印刷インキの具体例としては、例えばセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アクリル、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アルキド、ポリアミン等のバインダー樹脂がある。本実施形態は、上記の印刷インキを単独もしくは各変性物の中から適宜選択される。また、印刷インキは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキをイソシアネートで硬化させる方法である。
さらに、本実施形態は、通常のインキに含まれている有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて耐湿顔料、充填材、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整してなる、従来公知の任意の印刷インキが使用可能である。
(第3接着剤層)
第3接着材層23は、シート基材19と熱可塑性樹脂層25とを接着するために適宜設けられる。第3接着材層23の接着材としては、目的を達成できるものであれば特に限定されないが、2液ウレタン樹脂接着材等が使用可能である。塗布量としては乾燥後の塗布量が1〜10g/m程度が望ましい。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂層25は、透明の熱可塑性樹脂であって、PBTからなるものが用いられる。具体的には、熱可塑性樹脂25にPBTを単独で用いてもよいし、適量の共重合ポリエステル樹脂やエラストマー樹脂を混合してもよい。さらに紫外線吸収剤、光安定剤を適宜添加してもよい。
熱可塑性樹脂層25の厚みは70μmから200μmとするのが好ましい。これにより印刷、積層後の化粧シート3の巻取りのし易さや、耐傷、凹み等の表面強度が高いものとなる。
熱可塑性樹脂層25を設ける方法としては、溶融押出成形により設ける方法がある。溶融押出成形は、シート基材19に絵柄層21を設けてから第3接着材層23を介して上面にシート状の熱可塑性樹脂層25を貼り合わせる方法である。ただし、本実施形態は、熱可塑性樹脂層25を溶融押出成形によって作製するものに限定されるものではない。
また、図示しないが、熱可塑性樹脂層25の表面に金属ロール等からなるエンボス版を押し当てて凹部を設けてもよいし、その凹部に着色剤を埋め込むといったことを行ってもよい。このような処理によれば、木目の持つ照り感等を表現することが可能となる。
さらには図示しないが、熱可塑性樹脂層25の表面側にエンボスによる凹部を設けてもよいし、凹部に着色剤を埋め込んでもよい。
(表面保護層)
表面保護層27は、表面の各種耐性を付与するために適宜設ける。表面保護層27は、すべり性を考慮して公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズ等が添加された紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン樹脂を6g/mから15g/m程度塗布することによって形成される。このとき、表面保護層27の表面硬度は、耐衝撃性試験、耐キャスター性試験の復元性を考慮に入れておいて調整されることが望ましい。
また、本実施形態の床用化粧材1は、以下の方法によって製造することができる。
先ず、適宜着色したシート基材19の表面にグラビア印刷等で絵柄層21を設け、表面側に熱可塑性樹脂層25、裏面側に樹脂層15を、それぞれ第1接着材層13、第2接着剤層17、第3接着剤層23を介して木質系基材11に、あるいは互いに貼り合わせる。そして、表面にコーティングにより表面保護層27が設けられる。ただし、本実施形態は、床用化粧材1をこのような方法によって製造するものに限定されるものではなく、木質系基材の風合いを生かすためにシート基材19や樹脂層15までを透明な樹脂としてもよい。また、本実施形態は、木質系基材11上に絵柄層21を設けてもよいし、最表面に表面保護層27を設けなくてもよい。
以上説明した実施形態は、以下の効果を有する。
即ち、本実施形態は、カチオン系の帯電防止剤を使用することにより、帯電防止助剤を用いることなく帯電防止性能を維持できる。その結果、帯電防止助剤を添加することによる、層間の密着性の低下を防ぐことができる。このとき、帯電防止剤が5質量%未満だと、十分な帯電防止効果が得られない。また、帯電防止剤が20質量%より多いと、帯電防止剤のブリードアウトが発生し易くなって樹脂層界面の密着性の低下が起きてしまう。
したがって、本実施形態は、帯電防止助剤を含まないカチオン系の帯電防止剤を5質量%以上20質量%以下配合したことにより、帯電防止助剤を用いることなく帯電防止性能を維持でき、しかも樹脂層界面の密着性の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態において、樹脂層15の厚みが0.1mm未満だと耐衝撃性、耐キャスター性向上の効果が薄れる。また、樹脂層15の厚みが1mmより多いと、樹脂層15をロール上で巻き取ることが困難で、かつコストも高くなってしまう。
したがって、本実施形態は、樹脂層15の厚みを0.1mm以上1.0mm以下としたことにより、耐衝撃性、耐キャスター性が高く、製造工程において扱いやすく、しかも低コストの床用化粧材1を提供することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を以上のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、本実施形態で説明した図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
(実施例1)
実施例1では、市販のホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製E2000GV:製品名)40質量%、バージン紙をボールミルを使用して粒径50μmとなるように粉砕した紙粉を15質量%、平均粒径5μmのタルクを32質量%、ステアリン酸カルシウム3質量%及び第四級アンモニウム塩を含む帯電防止剤10質量%を、2軸押出機によって混合、押出し、厚さ0.5mm、幅450mmの板状の層を成形した。そして、成形された板状の層の表裏にコロナ放電処理を施し、紙粉含有の樹脂層を得た。
さらに、実施例1では、樹脂層の表面側にPUR接着材(DIC製タイフォースFH315:製品名)50μmを塗布し、厚さ160μmの化粧シートを接着した。また、樹脂層の裏面側には、酢酸ビニル系接着材30μmを塗布し、厚さが12mmのラワン普通合板を貼り合せて床用化粧材を得た。
(実施例2)
実施例2では、実施例1の条件を、樹脂層に含まれる帯電防止剤の量及びホモポリプロピレン樹脂の量の条件のみ変更して床用化粧材を作製した。実施例2の樹脂層は、帯電防止剤を5質量%、ホモポリプロピレン樹脂を45質量%含んでいる。
(実施例3)
実施例3では、実施例1の条件を、樹脂層に含まれる帯電防止剤の量及びタルクの量の条件のみ変更して床用化粧材を作製した。実施例2の樹脂層は、帯電防止剤を20質量%、タルクを22質量%含んでいる。
なお、実施例1から実施例3の床用化粧材の作製条件は、いずれも本発明の請求項1の条件に合致している。
本発明の発明者らは、さらに、上記実施例の床用化粧材と比較される比較例の床用化粧材を作製した。そして、上記実施例の床用化粧材と比較例の床用化粧材とを比較し、実施例の床用化粧材を評価した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1の条件を、樹脂層に含まれる帯電防止剤の量及びホモポリプロピレン樹脂の量の条件のみ変更して床用化粧材を作製した。比較例1の樹脂層は、帯電防止剤を0、ホモポリプロピレン樹脂を50質量%含んでいる。
(比較例2)
比較例2では、実施例1の条件を、樹脂層に含まれる帯電防止剤の量及びタルクの量の条件のみ変更して床用化粧材を作製した。比較例2の樹脂層は、帯電防止剤を25質量%、タルクを17質量%含んでいる。
(比較例3)
比較例3では、実施例1の条件において、帯電防止剤に硫酸バリウムからなる帯電防止助剤を加えて床用化粧材を作製した。帯電防止助剤の添加量は、帯電防止剤100質量部に対して100質量部である。
なお、比較例1から比較例3の床用化粧材の作製条件は、いずれも帯電防止剤において本発明の請求項1の条件から外れている。
(評価)
本発明の発明者らは、上記した実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3について、帯電防止性能の評価を行った。帯電防止性能の評価は、床用化粧材の表面を形成する化粧紙の表面をゴム手袋で20往復擦り、表面電位の変化を静電気測定器(シムコジャパン株式会社製「FMX−003」:製品名)を使って測定した。そして、帯電防止性能を、「〇」、「△」及び「×」で評価した。各評価の基準は、以下のとおりである。
「〇」:電位の変化がない
「△」:電位の上昇があるが速やかに減衰する
「×」:電位の上昇があり、減衰も緩やか
また、本発明の発明者らは、上記した実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3について、層間の密着性の評価を行った。密着性の評価では、床用化粧材を温度が80℃の環境下に2時間置いた後、さらに温度が−20℃の環境下に2時間置く処理を1サイクルとし、これを10サイクル繰り返した。10サイクルの処理が終わった床用化粧材は、室温の環境下で静置される。本発明の発明者らは、静置後の床用化粧材の各層間の剥離の有無を目視にて確認した。そして、目視の結果により、密着性を、「〇」、「△」及び「×」で評価した。各評価の基準は、以下のとおりである。
「〇」:剥離なし
「△」:微小な浮きが確認される
「×」:剥離発生
Figure 2016156176
表1は、上記実施例1から実施例1と比較例1から比較例4の評価をまとめて示した図である。表1に示したように、実施例1から実施例3で作製された床用化粧材は、帯電防止剤が5質量%から20質量%の範囲であれば、熱可塑性樹脂の量や無機充填材の量によらず「△」以上の帯電防止性能を得ることができる。また、実施例1から実施例3で作製された床用化粧材は、帯電防止剤が5質量%から20質量%の範囲であれば、熱可塑性樹脂の量や無機充填材の量によらず「△」以上の層間密着性能を得ることができる。
また、表1によれば、帯電防止剤が5質量%以下の比較例1において、層間密着性能が「〇」と評価された一方、帯電防止性能においては「×」の低い評価を得た。また、20質量%より多量の帯電防止剤を含む比較例2は、帯電防止性能が「〇」と評価された一方、層間密着性能において「△〜×」の低い評価を得た。
さらに、比較例3は、帯電防止助剤が添加されたため、帯電防止助剤以外の条件が帯電防止性能及び層間密着性能共に「〇」の評価を得た実施形態1と同様であっても、層間密着性能について「×」の低い評価を得た。このような評価から、比較例3の条件で作製された床用化粧材は、帯電防止助剤の添加によって層間の密着性が低下したものと考える。
以上説明した本発明は、床用化粧材一般に適用することができる。
1 床用化粧材
3 化粧シート
11 木質系基材
13 第1接着剤層
17 第2接着剤層
15 樹脂層
19 シート基材
21 絵柄層
23 第3接着材層
25 熱可塑性樹脂
27 表面保護層

Claims (2)

  1. 木粉または紙粉からなる木質系の紛体を含有する樹脂層と、前記樹脂層の一方の面に形成された化粧シートと、を有し、
    前記樹脂層は、帯電防止助剤を含まないカチオン系の帯電防止剤を5質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする床用化粧材。
  2. 前記樹脂層の厚みは、0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の床用化粧材。
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