JP2014105284A - 樹脂成形体および樹脂積層体 - Google Patents

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祥孝 水野
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Abstract

【課題】帯電防止能が高く、しかも、長期に亘って持続する、床材などに好適な樹脂成形体、樹脂積層体を提供する。
【解決手段】ABS樹脂やASA樹脂などの(A)熱可塑性樹脂、(B)木粉、および(C)高分子帯電防止剤を含む樹脂組成物を押出成形してなる樹脂成形体であって、樹脂組成物中の(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の配合比率が、(A)50〜95質量%、(B)5〜50質量%であり、樹脂組成物中の(C)高分子帯電防止剤の配合量が、(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の合計量100質量部に対して3〜20質量部であり、樹脂成形体中の含水率が、2〜10質量%であることを特徴とする前記樹脂成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築材料として好適な木質様で、長期に亘る帯電防止能に優れる樹脂成形体、および樹脂積層体に係わる。
住宅のベランダやバルコニーの床材、フェンス材、手すり材等として、木粉を含有した木質様の樹脂成形体が広く利用されている。
樹脂成形体からなる床材や手すり材等は、樹脂自体が電気絶縁性であるため、特に湿度の低い冬季には、人体と接触して摩擦で帯電しやすい。一旦静電気を帯びると、塵埃が付着しやすくなったり、人体が接触した場合に放電して所謂、不快な感電現象が起こる。
上記問題を解決するために、従来、界面活性剤からなる帯電防止剤が樹脂に配合されてきた(特許文献1)。界面活性剤のうち、ポリアルキルアミンやポリアルキルエーテルなどの非イオン系界面活性剤は耐熱性が良く、練り込み配合が中心である。第4級アンモニウムクロライド等のカチオン系界面活性剤も練り込み配合が中心であるが、耐熱性・着色性に問題があるものが多く、これらの問題を改善したものが開発されている。アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤は樹脂との相溶性が劣るため、合成繊維の表面塗布が中心であった。
界面活性剤からなる帯電防止剤は、練り込み配合の場合、樹脂成形体表面にブリードしてその効果を発現するものであるが、長年使用した場合、風雨などで消失してその効果が持続しないと云う問題があった。表面塗布の場合は、帯電防止能が十分でない上に、表面の摩耗等によって帯電防止能が消失する場合もあった。
帯電防止能の持続性を改良するために、高分子帯電防止剤を使用した樹脂成形体も開発されている(特許文献2)。当該技術においては、少量の高分子帯電防止剤で高い帯電防止能を発現させることを課題としているが、それでも、高分子帯電防止剤を、樹脂成分に対して3.3〜5質量倍の高い配合比で使用するものであり、樹脂本来の特性や成形性を損なうことがあった。また、高価な高分子帯電防止剤を多量に配合することは工業的に問題となる。
特開2007−169350号公報 特開2008−239635号公報
本願発明者らは、高分子帯電防止剤と木粉とを組み合わせた樹脂成形体について鋭意研究する過程で、木粉に含有されている含水を利用して、樹脂成形体中の含水率を制御することにより、少量の高分子帯電防止剤で、優れた帯電防止能を発現し、しかも、その効果が長期に亘って持続することを発見し、本願発明に到った。
本発明によれば、(A)熱可塑性樹脂、(B)木粉、および(C)高分子帯電防止剤を含む樹脂組成物を押出成形してなる樹脂成形体であって、樹脂組成物中の(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の配合比率が、(A)50〜95質量%、(B)5〜50質量%〔(A)および(B)の合計を100質量%とする〕であり、樹脂組成物中の(C)高分子帯電防止剤の配合量が、(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の合計量100質量部に対して3〜20質量部であり、樹脂成形体中の含水率が、2〜10質量%であることを特徴とする前記樹脂成形体が提供される。
上記樹脂成形体の発明において、
1)熱可塑性脂が、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)またはアクリロニトリル・スチレン・アクリレート共重合体樹脂(ASA樹脂)、或いは両樹脂の混合樹脂であることが好適である、
本発明によれば、更に、樹脂基材上に、上記樹脂成形体からなる表皮層が積層されてなることを特徴とする樹脂積層体が提供される。
上記樹脂積層体の発明において、
1)表皮層の厚みが、0.5〜5mmであること
2)表皮層の表面に凹凸が設けられていること
が好ましい。
本発明によれば、更にまた、上記樹脂積層体からなる床材が提供される。
本発明によって提供される樹脂成形体、並びに当該成形体を表皮層として積層した樹脂積層体は、木粉に含有される含水を利用するので、簡便であり、しかも、水の含有効果が極めて効果的である。その結果、高価な高分子帯電防止剤を少量使用するにも関わらず、帯電防止能が高く、しかも、その効果が長期に亘って持続する。帯電防止能を有する樹脂成形体からなる表皮層を、基材上に積層した樹脂積層体は、帯電防止能を有する木質様の床材等の建築材料として有用である。
本発明の樹脂積層体の構造を模式的に示した図である。
本発明の樹脂成形体は、木粉を含んで木質様の外観を持ち、しかも、優れた帯電防止能を有する。
当該樹脂成形体は、(A)熱可塑性樹脂、(B)木粉、並びに(C)高分子帯電防止剤を特定量配合した樹脂組成物を押出成形した樹脂成形体からなるもので、しかも、樹脂成形体中の含水量を特定の範囲に制御したと云う特徴を有している。
詳しくは、樹脂成形体中の含水率が、2〜10質量%である。2質量%未満では、高分子帯電防止剤との相乗効果が認められず、帯電防止能の向上は小さい。10質量%を超えると、押出成形時に一部水蒸気化して成形に悪影響を及ぼし、更に、得られた成形体の諸物性を低下させる。
〔(A)熱可塑性樹脂〕
本発明における熱可塑性樹脂は特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;フッ素樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリルーエチレンースチレン樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリルースチレンーアクリレート(ASA樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂;ポリフェニレンオキサイド樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の市販の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中で、耐衝撃性や剛性、耐候性の観点から、ABS樹脂、ASA樹脂、或いはこれらの混合樹脂が好適である。
ABS樹脂は、アクリロニトリル、ブタジエン、およびスチレンの共重合体であり、耐衝撃性、剛性、引っ張り強度及び光沢性に優れた樹脂である。その構造は、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂などのマトリックスの中にポリブタジエンなどの弾性体が島状に分散した不均一の構造を持ち、正確には、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの3つのモノマーの共重合体ではないと言われている。アクリロニトリルの含有量は一般に20〜35%であるが40%程度のものもある。ブタジエンは5〜30%程度である。上記三成分の一部を代え、光沢性、流動性、耐熱性などの特性を向上させた改良ABS樹脂も多数存在する。これらは、「テクノABS」(テクノポリマー社)、「UMGABS」(UMGABS社)、「デンカABS」(電気化学工業社)などとして市販されているので、目的に応じて選択し使用することができる。
ASA樹脂は、アクリロニトリル、スチレン、およびアクリル酸メチルの共重合体樹脂である。ABS樹脂のブタジエン成分に代替してアクリルゴム成分を有し耐衝撃性を維持しつつ耐候性に優れる樹脂であり、それ自体公知である。例えば、UMGABS社から「ダイヤラック」シリーズとして市販されている。
熱可塑性樹脂の配合量は、後述する(B)木粉との合計量を100質量%とした場合、50〜95質量%とする。50質量%未満である場合は押出成形性や機械的強度が低下し、95質量%を超えると木粉による木質感が減少する。また、この範囲内にあれば、成形体中に含まれる水が相分離することなく安定に存在しうる。
〔(B)木粉〕
木粉としては、針葉樹、広葉樹、ラワン材なの任意の木材の粉砕物が使用される。粒径も特に限定されるものではないが、一般に、20〜250メッシュ程度のものが使用される。木材の粉砕物以外にも、樹皮、穀物殻、廃材などの粉砕物も使用できる。
〔(C)高分子帯電防止剤〕
高分子帯電防止剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、例えば、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体、ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリアルキレンオキシド共重合体等を挙げることができる。具体的には、ポリエーテルエステルアミドとしては富士化成工業株式会社製のTPAE、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体としては三洋化成工業株式会社製のペレスタットシリーズ、ペレクトロンシリーズ等が挙げられる。
当該高分子帯電防止剤の配合量は、(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の合計量100質量部に対して3〜20質量部である。好ましくは5〜15重量部である。3質量部未満である場合は十分な帯電防止能が発現せず、20質量部を超えても帯電防止能はそれ以上向上せず、費用が嵩むだけである。
本発明において重要な特徴は、前記のとおり、樹脂成形体中の含水率が、樹脂成形体を基準にして2〜10質量%であることにある。なお、樹脂成形体中の含水率は、加熱乾燥式水分計(エーアンドデイ社 MS−70)によって測定した。但し、使用する熱可塑性樹脂の質量、木粉の質量、および木粉中の水分含有量から簡易的に計算される値で代表することもできる。
樹脂成形体中に含まれる水としては、木粉に付随的に含まれている含水を利用することが簡便で、しかも水の帯電防止に寄与する作用が効果的なため好ましい。しかし、木粉に含まれる含水の量が少なく成形体中の含水率を上げる必要がある場合には、別途、蒸留水などの水を添加してもよい。
〔(D)他の添加剤〕
本発明の樹脂成形体には他の添加物を任意に含有させることができる。具体的には、押出成形に供される樹脂組成物に、前記必須の成分に加えて、成形体の色目を調節するための着色剤、加工性や成形性向上のための滑剤、加工助剤、その他光安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤など公知の他の添加剤、更に、炭酸カルシウムやタルクなどの充填剤を、それ自体公知の処方に従って配合することができる。
〔樹脂組成物の調製〕
前記本発明の必須成分並びに必要に応じて配合される他の添加剤は、混合調製して樹脂組成物とし、該樹脂組成物を押出成形することにより、樹脂成形体を製造する。
樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、代表的には、ブレンダーやヘンシルミキサー等を用いてドライブレンドする方法や、押出機、バンバリーミキサー、ニ―ダ―等を用いてメルトブレンドする方法が採用される。
配合の順序も特に制限なく、全成分を同時に混合してもよく、多段階的に混合してもよい。例えば、高分子帯電防止剤を除く全成分を先に予備混合し次いで高分子帯電防止剤を混合する方法や、木粉と高分子帯電防止剤、更には任意の添加剤を先に予備混合し次いで熱可塑性樹脂を混合する方法が挙げられる。別途水を添加する場合は、予め水と木粉を混合することが好ましい。
〔樹脂成形体の製造〕
調製された樹脂組成物を用いて溶融押出成形を行って樹脂成形体を製造する。代表的には押出機を用いて行う方法が採用される。即ち、樹脂組成物は押出機のホッパーに供給され、押出機中で機械的に溶融混練され、ダイを経て空気中へ押し出されることにより、樹脂成形体を形成する。押出機としては、単軸或いは二軸のスクリューを備えたそれ自体公知の押出機が使用され、各成分の混練、押出成形が一台の押出機で行われ、操作が簡単であると共に生産性も高いという利点を有する。
〔樹脂積層体〕
前記本発明の樹脂成形体は、高い帯電防止能を有する。当該樹脂成形体を利用して床材などの建築材料に使用する場合には、強度や剛性が必要であるため、当該樹脂成形体を、下地の樹脂基材上に積層して用いることが好適である。
樹脂基材とし使用される樹脂としては、前記(A)熱可塑性樹脂が制限なく使用されるが、これらの熱可塑性樹脂の中で、耐衝撃性や剛性、難燃性、耐候性の観点から、ABS樹脂、ASA樹脂、塩化ビニル樹脂或いはこれらの混合樹脂が好適である。
更に、当該樹脂基材は、木質感があり、且つ、自消性、更には不燃性であることが建築材料としては特に好ましい。この目的の為、通常、上記熱可塑性樹脂、木粉に加えて難燃剤が5〜15質量%程度配合される。難燃剤としては、特に限定されず公知の材料が使用できる。具体的には、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤;トリフェニルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステルなどのリン系難燃剤;テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニールエーテル、臭素化ポリエチレン、臭素化ポリカーボネートなどのハロゲン系有機難燃剤が例示される。ハロゲン系有機難燃剤または無機系難燃剤が好適に使用される。
上記難燃剤の使用がコスト的或いは環境的に問題となる場合は、先に本出願人らが提案した、難燃剤を含有しない自消性、或いは不燃性の樹脂成形体を樹脂基材とすることが好適である(特願2012-37388)。具体的には、自消性を発現させるためには、ABS樹脂15〜45質量%、塩化ビニル樹脂20〜40質量%、および木粉30〜50質量%〔三成分の合計を100質量%とする〕を配合した成形用組成物の溶融成形体が挙げられる。不燃性を発現させるためには、ABS樹脂15〜30質量%、塩化ビニル樹脂30〜40質量%、および木粉40〜50質量%〔三成分の合計を100質量%とする〕を配合した成形用組成物の溶融成形体が挙げられる。これらの成形体には、先に挙げた(D)他の添加剤を制限なく配合できる。
本発明の樹脂積層体は、その表皮層の厚みが、0.5〜5mmであることが好ましい。0.5mm未満では、積層体の帯電防止効果が小さい。5mmを超えても、帯電防止性が一定値となって帯電防止能のそれ以上の向上が見られない。しかも、表皮層に含まれる高分子帯電防止剤が多く必要になり工業的に好ましくない
上記表皮層は、更に、その表面に凹凸が設けられていることが、接触面積が小さくて摩擦による帯電が起きにくく、且つ、表面積が大きくて放電し易いので、好ましい。従って、同程度の帯電防止性を発現させる場合、高分子帯電防止剤の使用量を抑制できるという利点を有する。
表面の凹凸の形成方法は特に限定されず、具体的には、化学薬品で表面処理する化学的粗面化法、レーザー照射で表面処理する物理的粗面化法、金属ブラシ、サンドペーパーなどで表面処理する機械的粗面化法、および成形機金型の表皮層面に凹凸を設け押出と同時に形成する成形法等が挙げられる。
〔樹脂積層体の製法〕
樹脂積層体の製法は特に制限されないが、積層と成形を同時に行うことができる共押出成形法が、操作が簡便であるため好ましい。具体的には、樹脂基材に対応する第一の押出機と、帯電防止能を有する樹脂成形体からなる表皮層に対応する第二の押出機とを使用し、基材成形用組成物を第一の押出機中で溶融混練し、表皮層用の樹脂組成物を第二の押出機中で溶融混練する。押出積層成形に当たっては、各成分をドライブレンドし、各押出機のホッパーにこれを供給する。押出機としては、単軸或いは二軸のスクリューを備えたそれ自体公知の押出機が使用される。第一の押出機からの樹脂基材の樹脂流及び第二の押出機からの表皮層の樹脂流は、多層多重ダイ中で合流し、積層状態で空気中に押し出され、樹脂積層体が得られる。
本発明の樹脂成形体および樹脂積層体は、木質の外観を有しており、且つ帯電防止能が高いので、テラス用の床材やパイプ材、フェンス材、サイディング材、バルコニー材、ルーバー材に広く使用できる。
本発明を実施例で更に説明する。以下の実施例は、説明のためのものであり、いかなる意味においても本発明はこれに限定されるものではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
以下の実施例及び比較例で用いた各種成分と略号は、以下の通りである。
(A)熱可塑性樹脂
A−1:ASA樹脂 ダイヤラック E610(UMG ABS社製)
A−2:ABS樹脂 クララスチックSR(日本A&L社製)
A−3:塩化ビニル樹脂 TH1000(大洋塩ビ社製);平均重合度1000
A−4:ポリプロピレン樹脂 E701G(プライムポリマー社製);MFR=0.5。
(B)木粉
B−1:平均粒径50μmの木粉、含水率=10〜15質量%
(C)高分子帯電防止剤
C−1:ペレクトロンHS(三洋化成工業社製)
(D)他の添加剤(非高分子帯電防止剤)
D−1:第四級アンモニウム塩界面活性剤「アデカミン4MAC-30」
実施例及び比較例における含水率の測定、帯電防止性試験は、次の通りに行った。
[含水率]
樹脂積層体の樹脂成形体(表皮層)を切り出し、次いで粉砕機により粒径2〜3mm程度に粉砕した粉砕物を試験片とした。加熱乾燥式水分計(エーアンドデイ社 MS−70)を用いて加熱温度120℃、23℃、50%の室内で測定した。含水率は試験片の重量変化が平衡状態に達したときの重量と初期の重量から算出した。
[帯電防止性試験]
得られた長さ300mm×幅250mm×厚さ30mmの樹脂積層体を試験片とした。該試験片を一日放置後、四つ折りにしたコピー用紙(A4サイズ)を、当該試験片の表皮層上の長手方向に30往復擦りつけ静電気を発生させた。次いで、試験片表面(表皮層外面)から5cm離れた位置での帯電圧(kV)を、非接触型静電気チェッカー「JD−11」(日本化薬社製)で測定した。この数値が小さい程、放電し易い、即ち帯電防止能が高いことを示す。帯電防止能の持続性を示すために、試験片を75日、23℃、湿度50%の室内で放置し、その後上記と同様にして帯電圧を測定した。
実施例1〜9
表1に示す処方に従って、表皮層として(A)熱可塑性樹脂、(B)木粉、および(C)高分子帯電防止剤の混合物を第2の用押出機に投入し、一方樹脂基材として(A)熱可塑性樹脂、および(B)木粉の混合物を第2の用押出機に投入し、150〜230℃の成形温度で溶融混練して積層状態で共押出し、長さ300mm×幅250mm×厚さ30mmの木質様の樹脂積層体を作製した。尚、実施例4においては、表皮層が当接するダイ面(出口)に凹凸を形成し、溝深さ3mm、幅3.5mm、ピッチ3mmの凹凸を表皮層表面に設けた。実施例5においては、サンドペーパー#500(粗さ)にて表面をサンディング(研磨)し、表皮層表面に微細な凹凸を施した。
得られた樹脂積層体から、前記測定用の試験片を各々作製し、各物性測定を実施した。その結果を表1に示す。
表皮層表面に凹凸を設けた実施例4、5の樹脂積層体は、少量の高分子帯電防止剤の配合で、他の実施例と同じ帯電防止性能が発現した。
比較例1〜5
比較例1は、高分子帯電防止剤に代えて帯電防止剤である第4級アンモニウム塩界面活性剤「アデカミン4MAC-30」を、熱可塑性樹脂と木粉との混合成形体からなる表皮層表面にロールコータで厚み100μmに塗布した、比較例2は比較例1と同じ非高分子帯電防止剤を高分子帯電防止剤に代えて表皮層中に練り込んだ、比較例3は高分子帯電防止剤の含有量を2重量部とした、比較例4はASA樹脂と木粉の配合比率を20:80として成形体中の含水率を13質量%とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。比較例4で得られた樹脂積層体は、成形がスムースに行えず表面状態が不良であり、硬度等の機械的物性が劣っていた。比較例5はASA樹脂と木粉の配合比率を95:5として成形体中の含水率を1質量%とした以外は、実施例2と同様にして樹脂積層体を作製した。得られた樹脂積層体の各物性を測定し結果を表1に示す。
Figure 2014105284

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂、(B)木粉、および(C)高分子帯電防止剤を含む樹脂組成物を押出成形してなる樹脂成形体であって、
    樹脂組成物中の(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の配合比率が、(A)50〜95質量%、(B)5〜50質量%〔(A)および(B)の合計を100質量%とする〕であり、
    樹脂組成物中の(C)高分子帯電防止剤の配合量が、(A)熱可塑性樹脂および(B)木粉の合計量100質量部に対して3〜20質量部であり、
    樹脂成形体中の含水率が、2〜10質量%である
    ことを特徴とする前記樹脂成形体。
  2. 熱可塑性樹脂が、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)またはアクリロニトリル・スチレン・アクリレート共重合体樹脂(ASA樹脂)、或いは両樹脂の混合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 樹脂基材上に、請求項1または2記載の樹脂成形体からなる表皮層が積層されてなることを特徴とする樹脂積層体。
  4. 表皮層の厚みが、0.5〜5mmであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂積層体。
  5. 表皮層の表面に凹凸が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の樹脂積層体。
  6. 請求項3〜5の何れか一項に記載の樹脂積層体からなる床材。
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