JP2007238887A - 再生塩ビ防水シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度特性に優れた再生塩ビ防水シートの製造方法を提供する。
【解決手段】1種あるいは互いに異なる2種以上の塩ビ樹脂含有廃材をそれぞれ300μm以下に粉体化した粉体混合物と、バージン塩ビ樹脂と、可塑剤と、を混合してシートを形成する工程を備える。
【選択図】図1
【解決手段】1種あるいは互いに異なる2種以上の塩ビ樹脂含有廃材をそれぞれ300μm以下に粉体化した粉体混合物と、バージン塩ビ樹脂と、可塑剤と、を混合してシートを形成する工程を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、再生塩ビ防水シートの製造方法に関する。
最近のリサイクル技術の発達に応じて、塩ビ樹脂含有廃材のリサイクルが広く進められてきており、一部では既に塩ビ樹脂含有材の再生材料や製品が市場に供給されつつある。
一方、塩ビ樹脂含有材の中に、JIS A 6008に規定される塩ビ防水シートがあり、この塩ビ防水シートは、塩ビルーフィングシートとも呼ばれ、屋根の防水等、通常屋外で使用されるため、必要とされる性能、特に、引張り強さと伸び率に対して通常の塩ビ材に比べて高い性能が要求される。したがって、従来は再生塩ビ防水シートは製造されていなかった。
山部亮一、井村惠一、「複合塩ビ系防水シートのリサイクル可能性の検討」、日本建築学会大会学術講演梗概集、2000年9月、No.1043、P85
山部亮一、井村惠一、「複合塩ビ系防水シートのリサイクル可能性の検討」、日本建築学会大会学術講演梗概集、2000年9月、No.1043、P85
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、強度特性に優れた再生塩ビ防水シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る再生塩ビ防水シートの製造方法は、塩ビ樹脂含有廃材を300μm以下に粉体化した粉体と、バージン塩ビ樹脂と、可塑剤と、を混合してシートを形成する工程を備える。
これによれば、300μm以下の粉体を用いているので、混合での分散性がよくなり、十分な強度の塩ビ防水シートが得られる。
これによれば、300μm以下の粉体を用いているので、混合での分散性がよくなり、十分な強度の塩ビ防水シートが得られる。
また、上記粉体は、互いに異なる2種以上の塩ビ樹脂含有廃材の300μm以下の粉体の混合物であることが好ましい。
本発明者らの知見によれば、沢山の種類がある塩ビ樹脂含有廃材の中には、農業用塩ビシート(農ビ)等、高い配合率でバージン塩ビ樹脂及び可塑剤と混合しても、塩ビ防水シートに必要な十分な特性が得られるものがある一方、ホモジニアスタイル等、低い配合率でしかバージン塩ビ樹脂及び可塑剤と混合できないものがあることが判明した。
また、塩ビ樹脂含有廃材の排出量は、時代、季節、場所等により各種類毎に大きく変動する。したがって、特定の一種の塩ビ樹脂含有廃材のみを用いて塩ビ防水シートを長期安定的に大量に製造することは困難である。
したがって、複数種の塩ビ樹脂含有廃材の混合粉体を用いると、これらを好適に組み合わせることにより、十分な引張り強さと伸び率を要求される塩ビ防水シートを長期安定的に製造することができる。また、再生樹脂の配合率を高くし易い。
また、塩ビ樹脂含有廃材の排出量は、時代、季節、場所等により各種類毎に大きく変動する。したがって、特定の一種の塩ビ樹脂含有廃材のみを用いて塩ビ防水シートを長期安定的に大量に製造することは困難である。
したがって、複数種の塩ビ樹脂含有廃材の混合粉体を用いると、これらを好適に組み合わせることにより、十分な引張り強さと伸び率を要求される塩ビ防水シートを長期安定的に製造することができる。また、再生樹脂の配合率を高くし易い。
強度特性に優れた再生塩ビ防水シートの製造方法が提供される。
本実施形態のフローを図1を参照して説明する。塩ビ樹脂含有廃材は、大別すると、可塑剤含有率が少ない例えば5wt%未満の硬質塩ビ樹脂含有廃材10と、可塑剤含有率が多い例えば10wt%以上の軟質塩ビ樹脂含有廃材12に分けられる。
硬質塩ビ樹脂含有廃材10としては、例えば、塩ビ管継ぎ手(例えば塩ビ樹脂100重量部、可塑剤0重量部、充填剤・添加剤2〜3重量部)、塩ビホモジニアスタイル(例えば塩ビ樹脂25〜35重量部、可塑剤8重量部、充填剤60〜70重量部)等の廃棄物が挙げられる。
軟質塩ビ樹脂含有廃材12としては、タイルカーペットの塩ビバッキング材(例えば塩ビ樹脂12〜20重量部、可塑剤13重量部、充填剤67〜75重量部)、長尺塩ビシート(例えば、塩ビ樹脂30〜40重量部、可塑剤14.7重量部、充填剤40〜50重量部)、塩ビ壁材(例えば、塩ビ樹脂30〜40重量部、可塑剤20重量部、充填剤40〜45重量部)、農業用塩ビシート(いわゆる農ビ)(例えば、塩ビ樹脂100重量部、可塑剤50重量部)等の廃棄物が挙げられる。
そして、ステップS20及びステップS22で、それぞれ粉体化及び必要に応じて繊維等の異物の除去を行う。粉体化は、例えば、切削装置等により可能である。ここで、平均粒径300μm以下、好ましくは200μm以下に粉体化することが必要である。また、異物の除去は、風篩等により可能である。特に、塩ビ樹脂含有廃材粉中の、塩ビ樹脂(共重合体等を含む)、充填剤、可塑剤、滑材、安定化剤等から構成される塩ビ樹脂コンパウンド成分以外の繊維(パルプ含む)等の異物を0.5重量%以下にすることが好ましい。
さらに、バージン塩ビ樹脂14及び可塑剤16を用意する。バージン塩ビ樹脂の重合度等の物性は特に限定されず、共重合体等を含んでもよい。可塑剤も特に限定されず、例えば、DIDP、DOP等が挙げられる。また、必要に応じて添加剤18として、紫外線吸収剤等の安定剤、エポキシ化大豆油等の滑剤、炭酸カルシウム等の充填剤等を用意する。
そして、ステップS30において、塩ビ樹脂含有廃材粉、バージン塩ビ樹脂、可塑剤、及び必要に応じ他の添加剤を混合器内で混練してそれぞれを十分に分散させる。混練は公知の混練装置、例えば、ヘンシェルミキサーやバンバリミキサーを用いてすることができる。ここで、塩ビ樹脂含有廃材粉として、1種の塩ビ樹脂含有廃材の粉を用いても良いが、異なる2以上の塩ビ樹脂含有廃材の粉の混合物を用いることが好ましい。異なる2以上の塩ビ樹脂含有廃材の組合せとしては、軟質塩ビ材と硬質塩ビ材との組合せに限られず、軟質塩ビ材同士でもよく、硬質塩ビ材同士でもよく、要は、互いに異なる組成の塩ビ樹脂含有廃材粉の混合物であればよい。なお、各塩ビ樹脂含有廃材粉を互いに混合してもよく、2種以上の塩ビ樹脂含有廃材を混合した上で一緒に粉体化しても良い。
組み合わせ方は特に限定されず、伸び率向上に資する軟質塩ビ材と、強度向上に資する硬質塩ビ材との組み合わせ等、組成の異なる塩ビ樹脂含有廃材粉同士をうまく組み合わせることにより塩ビ樹脂含有廃材の配合率を高めつつ上述の特性の実現が容易に可能となる。
具体的には、例えば、試行錯誤的に好適な組合せ及び配合比を見出すことができる。また、各組み合わせにおける好適な配合比はある程度予測することができる。具体的には、バージン樹脂及び可塑剤と、塩ビ樹脂含有廃材粉とを混合した再生塩ビ樹脂において、引張強度や伸び率等の特性は、混合比率に対してほぼリニアな挙動を示す、すなわち、これらの特性には加成性がある。これは、複数の塩ビ樹脂含有廃材粉を配合した場合でも同じである。即ち、各成分nの配合割合をXnとし、各成分の特性に及ぼす寄与係数をAnとした時に、特性Y=A1X1+A2X2+…+AnXnと表すことができる。したがって、予め、バージン塩ビ樹脂及び可塑剤と、塩ビ樹脂含有廃材粉と、を異なる比率で配合した複数の再生樹脂の各特性を調べて寄与係数Anを求めておくと、バージン樹脂及び可塑剤と、一種又は複数種の塩ビ樹脂含有廃材粉とを混合した場合に現れる特性を予測可能である。
そして、組み合わせ方を工夫することにより、塩ビ樹脂含有廃材粉率=(塩ビ樹脂含有廃材粉重量/(バージン塩ビ樹脂重量+可塑剤重量+塩ビ樹脂含有廃材粉重量)を20〜80wt%とすることもできる。
続いて、ステップS40において、混練組成物のシート化を行う。シート化は、公知の方法、例えば、押出し成形、カレンダ成形、高密度化が容易なダブルベルト熱圧成形等により行うことができる。これにより、再生単層塩ビ防水シート20が完成する。
なお、この再生単層塩ビ防水シート20を用いて、例えば、塩ビ樹脂層の間に繊維層を挟んだ等の積層構造の再生積層塩ビ防水シート30を作成しても良い。少なくともいずれかの塩ビ樹脂層に、上述の再生単層塩ビ防水シート20を用いればよい。表面層のみバージン塩ビ防水シート24とし、1又は複数の下層に再生単層塩ビ防水シート20を用いることも好ましい。例えば、図1のように塩ビ表面層A/塩ビ中間層B/繊維層C/塩ビ中間層D/塩ビ裏面層Eのような構成の積層構造の場合には、特に、表面層Aをバージン塩ビシート24とし、中間層B,C及び裏面層Eを再生単層塩ビ防水シート20とし、繊維層Cに不織布やガラス繊維シートを使用すればよい。もちろん、表面層Aを再生単層防水塩ビシート20とすることも可能である。
塩ビ防水シートにおいては、JISA6008に記載されているように、引張り強度が10N/mm2以上、伸び率が200%以上という極めて高い特性が要求されるが、上述の製造方法によれば、上述の特性が達成可能である。また、塩ビ樹脂含有廃材の入手量は、時代、季節、地域等により大きく変動するので特定の塩ビ樹脂含有廃材を選択的に使用するのでは、長期安定的な再生塩ビ防水シートの供給は困難な場合が多い。しかしながら、2種以上の塩ビ樹脂含有廃材を組み合わせることにより長期安定的に高品質の再生塩ビ防水シートの製造も可能となる。
(実施例A1〜A13)
平均重合度1100の塩ビバージン樹脂MT−1100を100重量部と、可塑剤(DIDP)を60重量部と、図2に示す単一種の塩ビ樹脂含有廃材粉と、を混練し、シート化して単層シートを作成し、引張り強度及び伸び率を測定した。
(比較例1〜3)
樹脂として、図2に示すように、バージン塩ビ樹脂のみ(比較例1)、又は、塩ビ樹脂含有廃材粉のみを用いた(比較例2〜3)以外は実施例1と同様にした。
(実施例B1〜B23)
樹脂として、図3に示す複数種の塩ビ樹脂含有廃材の混合粉体を採用する以外は実施例1と同様とした。
平均重合度1100の塩ビバージン樹脂MT−1100を100重量部と、可塑剤(DIDP)を60重量部と、図2に示す単一種の塩ビ樹脂含有廃材粉と、を混練し、シート化して単層シートを作成し、引張り強度及び伸び率を測定した。
(比較例1〜3)
樹脂として、図2に示すように、バージン塩ビ樹脂のみ(比較例1)、又は、塩ビ樹脂含有廃材粉のみを用いた(比較例2〜3)以外は実施例1と同様にした。
(実施例B1〜B23)
樹脂として、図3に示す複数種の塩ビ樹脂含有廃材の混合粉体を採用する以外は実施例1と同様とした。
なお、各塩ビ含有材廃材の重量組成は、農ビ(塩ビ樹脂100部、可塑剤50部)、塩ビ管継ぎ手(塩ビ樹脂100部、充填剤0部)、塩ビ壁紙(塩ビ樹脂100部、可塑剤47〜48部、充填剤100部、添加剤36部)、タイルカーペットの塩ビバッキング材(塩ビ樹脂100部、可塑剤82部、充填剤407部)、長尺塩ビシート(塩ビ樹脂100部、可塑剤42部、充填剤129部)、塩ビホモジニアスタイル(塩ビ樹脂100部、可塑剤27部、充填剤217部)である。また、図3中の塩ビ樹脂含有廃材粉配合比は重量基準である。また、いずれの例でも塩ビ樹脂含有廃材粉の平均粒径は篩により300μm以下とした。
図2及び図3の結果に示すように、実施例A1〜A13,実施例B1〜B23では、引張強度が10N/mm2以上、伸び率が200%以上を満たし、塩ビ防水シートとして十分であった。また、一部の例では塩ビ樹脂含有廃材粉率80%も可能であった。また、実施例B1〜B23では種々の塩ビ樹脂含有廃材粉を組み合わせることになるので、ある塩ビ樹脂含有廃材に依存することが無いので、長期安定的な供給が可能である。
なお、例えば、比較例1〜3等や、実施例A5〜A7等によれば、塩ビ樹脂含有廃材粉の濃度増加に応じて引張強度や伸び率がほぼリニアに変化することがわかる。
なお、例えば、比較例1〜3等や、実施例A5〜A7等によれば、塩ビ樹脂含有廃材粉の濃度増加に応じて引張強度や伸び率がほぼリニアに変化することがわかる。
Claims (2)
- 塩ビ樹脂含有廃材を300μm以下に粉体化した粉体と、バージン塩ビ樹脂と、可塑剤と、を混合してシートを形成する工程を備える、再生塩ビ防水シートの製造方法。
- 前記粉体は、互いに異なる2種以上の塩ビ樹脂含有廃材の300μm以下の粉体の混合物である請求項1に記載の再生塩ビ防水シートの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2016216558A (ja) * | 2015-05-18 | 2016-12-22 | 株式会社エクセルシャノン | 樹脂サッシの製造方法 |
KR102127732B1 (ko) * | 2019-04-04 | 2020-06-30 | 강태호 | 다중방수시트 및 이를 이용한 다중방수공법 |
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