JP3949538B2 - 塩化ビニル樹脂押出成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な塩化ビニル樹脂押出成形体に関する。詳しくは、優れた耐衝撃性を有しながら、屋外で使用した場合のチョーキングの発生を長期間にわたり防止することが可能な塩化ビニル樹脂押出成形体(以下、PVC押出成形体ともいう)を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、また、有機溶媒に溶け難いという優れた特性を有するため、屋外で長期間使用されるパイプ、雨樋、窓枠等の加工製品の材料として使用されている。
【0003】
上記の加工製品、特に建築構造体である窓枠には、高度な耐衝撃性能が要求されるため、かかる用途に使用される塩化ビニル樹脂には、一般に衝撃性改良剤が添加されている。例えば、上記塩化ビニル樹脂用の衝撃性改良剤としては、アクリル系ゴムが効果的であり、その主流を占めている。
【0004】
一方、塩化ビニル樹脂は、前記優れた特性を有している半面、熱や光に対して不安定であるという欠点を有し、屋外で日光に曝露されることにより、その表面にチョ−キングと呼ばれる白化現象が起こる。特に、上記衝撃性改良剤が添加されている塩化ビニル樹脂押出成形体は、日光に暴露される事により、塩化ビニル樹脂と衝撃性改良剤の熱膨張率の違いから界面に隙間を生じ、この界面に雨水が浸透して亀裂が拡大し、その表面にチョ−キング現象が起こり易いという問題を有している。
【0005】
上記問題に対して、成形体を構成する塩化ビニル樹脂組成物における衝撃性改良剤の添加量を低下させることも考えられるが、その場合には当然にして衝撃性能が低下するという問題を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、優れた耐衝撃性能を発揮すると共に極めて高いチョ−キング防止性能を有するPVC押出成形体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、PVC押出成形体の外層を、衝撃性改良剤を添加しないか或いはその含有量を特定の値となるように低く抑えた塩化ビニル樹脂組成物より構成し、また、PVC押出成形体の内層を、衝撃性改良剤を特定の値となるように多く配合した組成物により構成することにより、優れた耐衝撃性能を発揮すると共に、極めて高いチョ−キング防止性能を発揮し得るPVC押出成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、塩化ビニル樹脂、該塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.2〜2.2重量部の衝撃性改良剤、及び、二酸化チタンを含む着色剤を含有する樹脂組成物(A)よりなる外層と、塩化ビニル樹脂、及び、該塩化ビニル樹脂100重量部に対して5〜30重量部の衝撃性改良剤を含有する樹脂組成物(B)よりなる内層とより構成されることを特徴とする塩化ビニル樹脂押出成形体である。
【0009】
従来から、塩化ビニル樹脂の成形体における耐衝撃性能の低下の機構は、成形体の表面にノッチが発生することによるものとされており、かかる耐衝撃性の高い押出成形体を目的として、上記本発明のように、該成形体の外層における衝撃吸収剤の使用量を低下せしめることは、従来の常識から考えも及ばないことである。そして、本発明は、上記構成において、内層の衝撃性改良剤を多く存在せしめることによって、衝撃性改良剤を低減せしめた外層が存在するにも拘わらず、押出成形体が優れた耐衝撃性を発揮するという驚くべき効果を発揮する。また、上記外層における衝撃吸収剤の使用量を低下せしめることによって表面のチョーキングを効果的に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、樹脂組成物(A)は本発明の塩化ビニル樹脂押出成形体の外層部分の原料となるものである。該樹脂組成物(A)は、塩化ビニル樹脂、衝撃性改良剤及び着色剤から基本的に構成される。
【0011】
上記塩化ビニル樹脂としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの重合方法によって得られる、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、架橋塩化ビニル重合体、塩化ビニル−各種ビニルエ−テル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクロロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体などの塩化ビニル樹脂、およびそれら相互のブレンド品あるいは上記塩化ビニル樹脂と他の合成樹脂、例えばアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩素化塩化ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレ−ト共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体等とのブレンド品が挙げられる。塩化ビニル樹脂としては可塑剤が添加された軟質塩化ビニル樹脂であってもよい。
【0012】
また、塩化ビニル樹脂の平均重合度は、特に限定されるものでないが、400〜2500が好ましく、600〜2000が特に好ましい。
【0013】
即ち、上記平均重合度が小さすぎると塩化ビニル樹脂そのものの耐候性が低下し、衝撃性能や弾性率等の機械的特性や熱安定性が低下する傾向があり、一方、平均重合度が大きすぎると成形性が低下する傾向がある。
【0014】
本発明の樹脂組成物(A)を構成する着色剤は、従来から塩化ビニル樹脂に使用される無機着色剤および有機着色剤などの公知の着色剤が特に制限なく使用される。例えば、無機着色剤としては、弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒、二酸化チタン、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、亜鉛フェライト顔料、群青、コバルトブル−、酸化クロム、スピネルグリ−ン、黄鉛、クロムオレンジ、モリブデンレッド、カ−ボンブラック、および焼成着色剤などが挙げられる。
【0015】
また、有機着色剤としては、キナクリドン系、ポリアゾ系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、ペリノン系、キノフタロン系、インダンスレン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系着色剤などが挙げられる。これら着色剤は、いずれか一方だけを使用しても良いし、併用しても良い。
【0016】
上記着色剤の配合量は適宜決定すればよいが、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部となる割合が一般的である。即ち、上記着色剤の配合量が10重量部を超える場合、成形加工性が低下する恐れがある。一方、着色剤の配合量が0.01重量部未満の場合、着色剤の種類にもよるが、成形体を十分に着色できない傾向がある。
【0017】
上記着色剤を使用した樹脂組成部(A)の色調は、特に制限がなく、赤色、茶色や淡黄色等の有彩色および、白色、黒色等の無彩色であっても良い。
また、本発明のチョ−キング防止効果は、樹脂組成物(A)を着色剤によって着色した状態において顕著に現れるため、樹脂組成物(A)が着色剤を含有する態様において、本発明の塩化ビニル樹脂押出成形体は特に良好なチョ−キング防止効果を発揮する。
【0018】
本発明において、樹脂組成物(A)を構成する衝撃性改良剤としては、公知のものが特に制限なく使用される。代表的なものとして、メチルメタクリレ−ト・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、スチレン・ブタジエンゴム共重合体(SBR)、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体、アクリルゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリルゴム・メチルメタクリレ−ト・アクリロニトリル共重合体、AES、NBR、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム系グラフト共重合体、塩素化ゴム、熱可塑性エラストマ−等が挙げられる。これら衝撃性改良剤は、それぞれ単独、または組み合わせて使用しても良い。
【0019】
上記衝撃性改良剤の配合量は、樹脂組成物(A)の色調に関わらず、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0〜4重量部である。即ち、上記衝撃性改良剤の配合量が4重量部を超えた場合、得られるPVC押出成形体のチョ−キング防止性能が低下し、本発明の目的を達成することができない。
【0020】
特に、樹脂組成物(A)が二酸化チタンを含まない場合、衝撃性改良剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、好ましくは、0〜2重量部、特に、0〜1重量部であることが望ましい。
【0021】
また、樹脂組成物(A)が二酸化チタンを含む場合、衝撃性改良剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.2〜2.2重量部、特に、0.4〜1.5重量部であることが望ましい。
【0022】
上記のように、樹脂組成物(A)に配合する着色剤の違いによる耐衝撃性改良剤の好ましい添加量の差は、着色剤に含まれる二酸化チタンが、紫外線と水と酸素により、光触媒反応を生じて、二酸化チタン粒子周辺の樹脂を酸化分解させるため、二酸化チタンを含む場合には、前記量の衝撃性改良剤を積極的に配合することが、上記現象による強度低下の緩和に有効であるものと推定される。
【0023】
本発明において、樹脂組成物(B)は、本発明の塩化ビニル樹脂押出成形体の内層部分の原料となるものである。樹脂組成物(B)は、塩化ビニル樹脂及び衝撃性改良剤から基本的に構成される。
【0024】
ここで使用される塩化ビニル樹脂や衝撃性改剤は、公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、前記組成物(A)で挙げたものが特に制限無く使用される。この場合、使用する塩化ビニル樹脂、及び衝撃性改良剤は、組成物(A)と同じ種類のものを使用してもよいし、違う種類のものを使用してもよい。
【0025】
樹脂組成物(B)の衝撃性改良剤の配合割合は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは、7〜20重量部が好適である。
【0026】
即ち、上記衝撃性改良剤の配合量が30重量部を超えた場合、得られるPVC押出成形体の機械的強度が低下する傾向がある。一方、衝撃性改良剤の配合量が5重量部未満の場合、PVC押出成形体の衝撃性能が十分に発揮できない。
【0027】
本発明において、上述した 樹脂組成物(A)、(B)には、成形加工性を高める目的で炭酸カルシウムを配合することが好ましい。この炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムを問わず使用できる。また、炭酸カルシウムは、天然物であってもよく、また合成物であっても良い。
【0028】
得られるPVC押出成形体の衝撃性能を、より向上させるためには、軽質炭酸カルシウムの多量添加が好ましい。
【0029】
上記炭酸カルシウムの使用量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部となる割合が一般的である。即ち、炭酸カルシウムの配合量が20重量部を超える場合、成形品の外観が悪くなる傾向がある。また、前記配合量が0.5重量部より小さい場合には、成形加工性が低下する場合がある。
【0030】
また、前記組成物(A)、(B)には、必要に応じて公知の各種添加剤を配合することができる。各種添加剤としては、安定剤、安定化助剤、滑剤、炭酸カルシウム以外の充填剤、可塑剤、耐候性改良剤、抗酸化剤などが挙げられる。
【0031】
安定剤としては一般の塩化ビニル樹脂に配合されるものであれば特に制限はなく、ラウレ−ト系、マレ−ト系、メルカプタイド系などの有機スズ安定剤、Ca、Ba、Pb、Cuなどの金属石けん安定剤、三塩基性硫酸鉛、ケイ酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛などの鉛安定剤などが挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで使用される。
【0032】
また、安定化助剤としては、エポキシ化合物などが、また、滑剤としてはパラフィンワックスやポリエチレンワックスなどの脂肪酸系、ステアリンアルコ−ルなどの脂肪族アルコ−ル系、脂肪酸とアルコ−ルとのエステル系および脂肪酸と多価アルコ−ルとの部分エステル系などが挙げられる。
【0033】
さらに、炭酸カルシウム以外の充填剤としては、ハイドロタルサイト、タルクなどが挙げられる。
【0034】
更にまた、耐候性改良剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安定剤やp−t−ブチル安息香酸銅などの有機カルボン酸銅化合物が挙げられる。
【0035】
該組成物(A)、(B)を製造する方法は特に限定されず、衝撃性改良剤、及び必要に応じて配合される着色剤、その他の添加剤をそれぞれ樹脂に直接添加混合する方法であっても良い。
【0036】
本発明のPVC押出成形体は、外層と内層からなる。ここで、外層は前記用途において屋外に対面する側の層をいう。
【0037】
図1〜3は、本発明のPVC押出成形体の代表的な態様を示す概略図である。図1は、成形体の中が中空である態様の断面図を示すものであり、中空の内層2の外周に外層1を形成した態様である。また、図2は、非中空の内層2の外周に外層1を形成した態様である。図3は、平板状の内層1の片面に外層2を形成した態様を示す。勿論、上記PVC押出成形体の断面形状は図に示すような単純な形状のみに限られるものではなく、窓枠等のような異形であってもよい。
【0038】
本発明において、上記PVC押出成形体は、内層1の厚みbが0.5mm以上、一般には0.7〜10mm、特に、0.7〜7mmの厚みを有し、外層2の厚みaが該内層の厚みに対して1〜150%、好ましくは5〜150%、特に、20〜150%の厚みであり、且つ7mmを超えない厚みを有することが好ましい。
【0039】
即ち、外層の厚みが、内層に対して150%の厚みを超えるか、または、該厚みを超えなくとも7mmを超えた場合、得られるPVC押出成形体の衝撃性能が低下する傾向がある。一方、外層の厚みに対して内層の厚みの1%の厚み未満の場合、得られるPVC押出成形体の耐候性能が悪くなり、また、機械強度が低下する傾向がある。
【0040】
尚、図2において外層の厚みは内層の薄い厚みを基準として外層の厚みが決定される。また、図2のように、内層2が非中空体であり、その周囲に外層1を設けて形成される場合、上記外層1の厚みは、図に示すように、それぞれの外層1の厚みとなる。
【0041】
本発明のPVC押出成形体の製造方法は、特に限定されるものではない。代表的な製造方法として、Tダイ押出成形や異型押出成形等公知の成形法によって行う方法が挙げられる。具体的には、樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)とを、それぞれ異なる押出機に供給して共押出し、溶融若しくはゲル化した両組成物を一組の共通ダイに導き、ダイ内部あるいはダイ開口部において該両組成物を、最終的に得られる押出成形体の少なくとも屋外に対面する部分の表層が樹脂組成物(A)で形成されるように接触させ、単一の形材に異形押出成形する。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明のPVC押出成形体は、衝撃性能を下げることなく、極めて高いチョ−キング防止性能を有し、特に、着色剤を使用する場合、かかる効果が顕著である。
【0043】
従って、本発明の塩化ビニル樹脂押出成形体は、パイプ、雨樋、窓枠、サイジングボ−ド、平板、波板、ガスケット、継手などの建築材料、家具、屋内装置品、看板などの屋外装置品などに、極めて有用である。
【0044】
【実施例】
本発明を更に明確に説明するため、以下実施例及び比較例を添えて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
尚、実施例及び比較例で示した記号は以下の通りである。
【0046】
1.樹脂
A1.塩化ビニル(単独重合体) 重合度:1000
A2.塩化ビニル(単独重合体) 重合度:1300
B. 塩化ビニル(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)重合度:800
2.衝撃性改良剤
C.塩素化ポリエチレン (CPE)
D.メチルメタクリレ−ト・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS)
E.ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
3.着色剤
F.鮮紅色複合着色剤
(重量比;二酸化チタン/クロムオレンジ/黄鉛=3/1/5)
G. 淡白色複合着色剤
(重量比:二酸化チタン/クロムオレンジ/黄鉛/黒鉛=15/1/6/1)
H.濃茶色複合着色剤
(重量比:クロムオレンジ/黄鉛/黒鉛=15/25/3)
I.二酸化チタン
4.充填剤
J.炭酸カルシウム
また、実施例及び比較例において、各種試験は下記の要領で実施した。
【0047】
樹脂組成物(A)を30mmφ単軸押出機、樹脂組成物(B)を30mmφ2軸押出機にそれぞれ供給して、共押出成形を行い、2層押出成形体(外層厚さ0.15〜3.0mm、内層厚さ1.25〜1.5mm)を作成した。その後、試験片を切出して、下記(a)、(b)及び(c)の試験を行った。
【0048】
(a)耐候性試験
共押出成形した2層成形体を、アイ・ス−パ−UVテスタ−耐候促進試験機(ダイプラ・ウィンテス製)に入れて、促進耐候試験を行った。
【0049】
促進耐候試験において、50時間、100時間、200時間経過時点でのチョ−キングによる色調変化を、未試験の2層成形体を標準として、大日精化工業製カラ−コンピュ−タ−にて測定した。チョ−キング防止性能を白色度(ASTME313規格に準拠)で評価した。白色度の数値が小さい程、チョ−キング防止性能が高い事を示している。
【0050】
(b)衝撃性能試験
JIS K7111に準拠したシャルピ−衝撃試験により、衝撃値(7.5Jハンマー使用)を測定した。
【0051】
(c)平滑性確認試験
成形した2層成形体の平滑性を手による感覚にて確認した。
【0052】
良:平滑性良好、 不良:平滑性不良
実施例1〜5 比較例1〜7
表1に示す塩化ビニル樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシウムを0.4重量部、ステアリン酸亜鉛を0.3重量部、ステアリン酸を0.1重量部、そして、衝撃性改良剤、着色剤(組成物Aのみ)及び充填材を表1に示す割合となるように、ヘンシェルミキサーにより混合して樹脂組成物(A)、(B)を得た。得られた樹脂組成物(A)と、(B)とを、それぞれ異なる押出機に供給して共押出して、外層(厚さ1.5mm)と内層(厚さ1.5mm)からなる塩化ビニル樹脂押出成形体を作成した。
【0053】
上記塩化ビニル樹脂押出成形体について、各種試験を行った結果を表2に示した。
【0054】
比較例8
実施例1において、樹脂組成物(A)、(B)の衝撃性改良剤の量を表1に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂押出成形体を得、各種試験に供した。結果を表2に示した。
【0055】
比較例9
実施例5において、樹脂組成物(B)の衝撃性改良剤の量を表1に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂押出成形体を得、各種試験に供した。
結果を表2に示した。
【0056】
比較例10
比較例4において、樹脂組成物(A)衝撃性改良剤の量を表1に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂押出成形体を得、各種試験に供した。結果を表2に示した。
【0057】
【表1】
【表2】
実施例6〜10
表3に示す塩化ビニル樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシウムを0.4重量部、ステアリン酸亜鉛を0.3重量部、ステアリン酸を0.1重量部、そして、衝撃吸収剤、着色剤(組成物Aのみ)及び充填材を表3に示す割合となるように、ヘンシェルミキサーにより混合して樹脂組成物(A)、(B)を得た。得られた樹脂組成物(A)と、(B)とを、それぞれ異なる押出機に供給して共押出して、外層(厚さ1.5mm)と内層(厚さ1.5mm)からなる塩化ビニル樹脂押出成形体を作成した。
【0058】
上記塩化ビニル樹脂押出成形体について、各種試験を行った結果を表4に示した。
【0059】
比較例11
実施例8において、樹脂組成物(A)、(B)の衝撃性改良剤の量を表3に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂押出成形体を得、各種試験に供した。結果を表4に示した。
【0060】
比較例12
実施例9において、樹脂組成物(B)の衝撃性改良剤の量を表3に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂押出成形体を得、各種試験に供した。
結果を表4に示した
【0061】
【表3】
【表4】
実施例11〜15
表3に示す塩化ビニル樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシウムを0.4重量部、ステアリン酸亜鉛を0.3重量部、ステアリン酸を0.1重量部、そして、衝撃吸収剤、着色剤(組成物Aのみ)及び充填材を表5に示す割合となるように、ヘンシェルミキサーにより混合して樹脂組成物(A)、(B)を得た。得られた樹脂組成物(A)と、(B)とを、それぞれ異なる押出機に供給して共押出して、外層(厚さ0.15,0.6,0.9,1.2,1.5,2.1,3.0mm)と内層(厚さ1.5,2.5mm)からなる塩化ビニル樹脂押出成形体を作成した。
【0062】
上記塩化ビニル樹脂押出成形体について、各種試験を行った結果を表6に示した。
【0063】
【表5】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本図は、成形体の中が中空であるPVC押出成形体の断面図である。
【図2】 本図は、内層を外層が全て包み込んだPVC押出成形体の断面図である。
【図3】本図は、内層と外層が単純に重なった平板状のPVC押出成形体の断面図である。
【符号の説明】
1 外層
2 内層
Claims (3)
- 塩化ビニル樹脂、該塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.2〜2.2重量部の衝撃性改良剤、及び、二酸化チタンを含む着色剤を含有する樹脂組成物(A)よりなる外層と、塩化ビニル樹脂、及び、該塩化ビニル樹脂100重量部に対して5〜30重量部の衝撃性改良剤を含有する樹脂組成物(B)よりなる内層とより構成されることを特徴とする塩化ビニル樹脂押出成形体。
- 更に、前記樹脂組成物(A)、(B)が、塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部の炭酸カルシウムを含有する請求項 1 記載の塩化ビニル樹脂押出成形体。
- 内層が0.5mm以上の厚みを有し、外層の厚みが該内層のみに対して1〜150%の厚みであり、且つ7mmを超えない厚みを有する請求項1又は2記載の塩化ビニル樹脂押出成形体。
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