JP6453111B2 - 樹脂構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセルが並設されるコア層とその表面に配されるスキン層とを備えた樹脂構造体に関する。
従来、内部に多角形状又は円柱状をなす複数のセルが並設される板状の樹脂構造体が知られている。例えば、特許文献1の樹脂構造体は、六角柱状のセルが並設されてハニカム形状をなすコア層の表面に、多軸繊維シート及びスキン層が順に接合されている。また、特許文献1では、コア層及びスキン層を構成する材料として、塩化ビニル樹脂が提案されている。
塩化ビニル樹脂は、火源を取り除けば燃焼を継続できない性質、いわゆる自己消火性を持つ。また、塩化ビニル樹脂は、印刷等の二次加工が行いやすいといった特性を持つ。したがって、樹脂構造体のコア層及びスキン層の材料として塩化ビニル樹脂を採用することにより、樹脂構造体の適用の幅が拡大することが期待できる。
特開2013−116630号公報
特許文献1のような樹脂構造体を製造するにあたっては、コア層に対して何らかの加熱工程が施される。例えば、シート材を折り畳んでコア層を製造する場合には、シート材の折畳み時や折り畳み後にコア層を加熱して、折り畳まれたコア層同士を熱溶着することがある。また、コア層にスキン層を熱溶着で接合する際には、コア層もスキン層と共に相応に加熱することになる。
ここで、塩化ビニル樹脂は比較的に溶融温度が高いため、コア層の材料として塩化ビニル樹脂を採用した場合、コア層の加熱温度を高くしたり加熱時間を長くしたりする必要がある。そして、コア層が過度に加熱されると、当該コア層において加熱溶融されるべきでない箇所までも加熱溶融され、その箇所において意図しない折れや歪みが生じることがある。仮に、コア層に意図しない折れや歪みが生じているとコア層のセルが座屈しやすく、樹脂構造体の曲げ強度や圧縮強度の低下の原因となる。
本発明は、このような従来技術の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、コア層及びスキン層として塩化ビニル樹脂を含有するものを採用する樹脂構造体において、コア層におけるセルの座屈を抑制することである。
本発明は、複数のセルが並設されるコア層と、当該コア層の表面に配されるスキン層とを備えた樹脂構造体であって、前記コア層は、上壁と下壁と上壁及び下壁の間にセルを並設する中間壁とから構成されており、前記コア層は、塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有するとともに、当該コア層の弾性率を低下させるための耐衝撃性改良剤を含有し、前記スキン層は、塩化ビニル樹脂及び当該スキン層の弾性率を低下させるための耐衝撃性改良剤を含有し、前記コア層における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、コア層全体の重量を100重量部としたとき、50重量部以上である。
上記構成によれば、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有しないコア層に比較して、コア層の溶融温度を相応に低下させることができる。したがって、コア層を加熱成形する際に、加熱温度を低くしたり加熱時間を短くしたりすることができ、コア層において意図しない箇所が加熱溶融されることを抑制できる。その結果、コア層におけるセルの座屈を抑制できる。
上記の発明において、前記コア層における耐衝撃性改良剤の配合割合はコア層全体の重量を100重量部としたとき1〜10重量部であり、前記スキン層における耐衝撃性改良剤の配合割合は、前記コア層における耐衝撃性改良剤の配合割合よりも大きいことが好ましい。
また、上記の発明において、前記スキン層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有しない、又は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合が前記コア層における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合よりも小さいことが好ましい。
本発明によれば、コア層及びスキン層として塩化ビニル樹脂を含有するものを採用する樹脂構造体において、コア層におけるセルの座屈を抑制できる。
(a)は樹脂構造体の斜視図、(b)は(a)におけるβ−β線断面図、(c)は(a)におけるγ−γ線断面図。 (a)は樹脂構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した樹脂構造体10を図1及び図2に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の樹脂構造体10は、複数のセルSが並設されたコア層2の上下両面にシート状のスキン層3、4を接合することにより形成されている。
図1(b)及び(c)に示すように、コア層2は、所定形状に成形された一枚のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層2は、上壁21と、下壁22と、上壁21及び下壁22の間に立設されて六角柱状の筒部を並設する中間壁23とから構成されている。また、これら上壁21、下壁22、中間壁23によって、コア層2の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。
コア層2の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が二層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が一層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の上壁21の各層は互いに熱溶着で接合されている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2は、その上端が一層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が二層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の下壁22の各層間は互いに熱溶着で接合されている。また、図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ二層構造の中間壁23によって区画されている。二層構造の中間壁23の上端部同士及び下端部同士は、熱溶着で接合されている。
図1(a)に示すように、第1セルS1及び第2セルS2は、X方向において第1セルS1同士又は第2セルS2同士が隣接して列を形成するように配置されている。また、X方向に直交するY方向において、第1セルS1の列と第2セルS2の列とが交互に隣接配置されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層2は、ハニカム構造を成している。
このように形成されたコア層2の上端及び下端に、シート状のスキン層3、4を熱溶着で接合することにより樹脂構造体10が形成される。図1(b)及び(c)に示すように、樹脂構造体10の上面はコア層2の上壁21とスキン層3とから構成されるとともに、樹脂構造体10の下面はコア層の下壁22とスキン層4とから構成される。
コア層2は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、コア層2の弾性率を低下させるための耐衝撃性改良剤、分子間を繋げて劣化等を防ぐための安定剤を含有する組成物により構成されている。本実施形態では、耐衝撃性改良剤としてメタクリル酸アルキルブタジエンスチレン共重合体(以下、MBSと略記する。)が含有され、安定剤としてスズ系安定剤が含有されている。
コア層2における各材料の配合割合は、組成物全体の重量を「100重量部」としたとき、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合が50〜90重量部、MBSの配合割合が1〜10重量部、スズ系安定剤の配合割合が0.5〜5重量部であり、残りが塩化ビニル樹脂である。
上下両面のスキン層3、4は、塩化ビニル樹脂、MBS、スズ系安定剤を含有する組成物により構成されている。スキン層3、4における各材料の配合割合は、組成物全体の重量を「100重量部」としたとき、MBSの配合割合が4〜30重量部、スズ系安定剤の配合割合が0.5〜5重量部であり、残りが塩化ビニル樹脂である。また、スキン層3、4には、コア層2とは異なるMBSが含有されている。具体的には、スキン層3、4におけるMBSは、コア層2におけるMBSよりも、ブタジエンの配合割合が大きいものが採用されている。したがって、スキン層3、4におけるMBSは、コア層2におけるMBSよりも平均分子径が大きくて透明度も低いものである。
次に、一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層2とする態様を説明する。
図2(a)に示すように、シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120がその幅方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体に亘って形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
図2(a)及び(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100を加熱して軟化させる。そして、そのシート材100を境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層2が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図2(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより板状のコア層2が形成される。
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層2における二層構造の上壁21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層2における二層構造の下壁22が形成される。なお、図2(c)に示すように、上壁21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって二層構造を形成する部分、及び下壁22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって二層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が二層構造をなす中間壁23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上端が閉塞され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下端が閉塞されている。
このようにして得られたコア層2は厚み方向(図2(c)において上下方向)両側から加熱され、第1セルS1における二層構造の上壁21(重ね合わせ部131)、及び第2セルS2における二層構造の下壁22(重ね合わせ部131)が熱溶着で接合される。また、二層構造の中間壁23の上端部同士及び下端部同士が熱溶着で接合される。この加熱処理により、コア層2の折り畳み構造が固定される。その後、コア層2の上面及び下面には、それぞれスキン層3、4が熱溶着により接合され樹脂構造体10が製造される。また、スキン層3をコア層2に熱溶着する際には、第1セルS1における二層構造の上壁21(重ね合せ部131)も再度熱溶着される。同様に、第2セルS2における二層構造の下壁22(重ね合せ部131)も再度熱溶着される。
本実施形態の樹脂構造体10の効果をその作用とともに記載する。
(1)上述したとおり、本実施形態では、シート材100を折り畳んでコア層2を成形した後、当該コア層2を厚み方向両側から加熱する。このときの加熱温度や加熱時間は、コア層2において、第1セルS1における二層構造の上壁21(重ね合わせ部131)、及び第2セルS2における二層構造の下壁22(重ね合わせ部131)が熱溶着で接合できる温度、時間に設定される。しかしながら、コア層2において上壁21及び下壁22のみを加熱することは困難で、コア層2の中間壁23も加熱されることになる。そして、コア層2の溶融温度が高い場合、加熱する際の加熱温度を高くしたり加熱時間を長くしたりする必要があり、コア層2における中間壁23が過度に加熱されるおそれがある。コア層2において中間壁23が過度に加熱されて溶融すると、その中間壁23に折れや歪みが生じることになる。この場合、コア層2のセルSにおいて、折れや歪みが生じた部分を起点として座屈が生じやすくなり、樹脂構造体10としての曲げ強度、圧縮強度の低下に繋がる。
この点、本実施形態では、コア層2(シート材100)は、50〜60重量部の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有しているため、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していない塩化ビニル樹脂製のコア層に比べて、相応に溶融温度が低下している。したがって、コア層2を加熱する際の加熱温度を低くしたり加熱時間を短くしたりして、コア層2の中間壁23に折れや歪みが生じることを抑制することができる。
(2)本実施形態では、スキン層3、4には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が含有されてなく、その分、塩化ビニル樹脂の配合割合が高くなっている。樹脂構造体10の外表面の大部分を占めるスキン層3、4について、塩化ビニル樹脂の配合割合を高めることにより、自己消化性、印刷等の二次加工が行いやすいといった塩化ビニル樹脂の好ましい特性を、樹脂構造体10において適切に発揮させることができる。
なお、スキン層3、4は、コア層2のようにセルSを有していないので、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有せずその溶融温度が多少高くても、それを原因としてセルSが座屈しやすくなるといった問題が生じるとは考えにくい。
(3)本実施形態においてコア層2は、耐衝撃性改良剤としてMBSを含有する。コア層2にMBSが含まれることにより、コア層2の弾性率が低下して柔らかくなる。したがって、樹脂構造体10に対して切断等の加工を施す際に、コア層2にひびが入ったり割れたりすることが抑制できる。
(4)本実施形態におけるスキン層3、4は、それぞれ1枚のシート状をなしており、コア層2のように折り畳まれていないため、衝撃が集中しやすい。また、スキン層3、4は、樹脂構造体10の外表面を構成しているため、樹脂構造体10に切断等の加工を施す際にはその応力が直接的に作用しやすい。したがって、樹脂構造体10に対して切断等の加工を施す際には、コア層2よりもスキン層3、4の方がひびや割れが発生しやすい。
本実施形態では、スキン層3、4は、コア層2よりも多くのMBSを含有している。したがって、スキン層3、4の方がコア層2よりも弾性率が低く、ひびや割れ等の発生をより適切に抑制できる。
(5)仮に、スキン層3、4におけるMBSの配合割合とコア層2におけるMBSの配合割合が同じであれば、ブタジエンを多く含むMBSを採用した方が弾性率を低下させる効果が高い。このような特性を利用して、本実施形態では、スキン層3、4におけるMBSは、コア層2におけるMBSよりも、ブタジエンの配合割合が大きいものが採用されている。したがって、本実施形態では、スキン層3、4の弾性率をより適切に低下させて、ひびや割れ等の発生を効果的に抑制できる。
(6)上記実施形態では、所定形状のシート材100を得る工程(真空成形法や圧縮成形法等)、シート材100を折り畳む工程、コア層2(折り畳まれたシート材100)にスキン層3、4を熱溶着で接合する工程、といったように、複数の加熱工程を経て樹脂構造体10が製造される。そして、複数回の加熱を経ると熱履歴の影響で特にコア層2が硬くて脆くなってしまう。このような製造工程を経る樹脂構造体10において、コア層2にMBSを含有させて弾性率を低下させることは、コア層2における熱履歴による硬化を防止するという観点からも好適である。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ 一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層2を構成するのに限らず、複数のシートを使用してコア層2を構成してもよい。例えば、帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させるとともに、湾曲・屈曲させた帯状のシートを複数向かい合わせて並置することによりコア層2を構成してもよい。さらに、セルを形成したシートを複数積み重ねてコア層2を構成してもよい。すなわち、スキン層3、4の間において、シートによって複数の空間が区画形成されるのであれば、スキン層3、4の間に配されるシートの枚数やその湾曲・屈曲の態様は問わない。
・ 上記実施形態では、コア層2の内部に六角柱状のセルSが区画形成されていたが、セルSの形状は、特に限定されるものでなく、例えば、円柱状、円錐状であってもよいし、四角柱状、八角柱状等の多角形状であってもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。なお、セルとセルとの間に隙間(空間)を設ける場合において、その隙間の寸法は問わない。
・ 上記実施形態では、コア層2とスキン層3、4とを熱溶着により接合したが、これらを接着剤により接合してもよい。また、スキン層3、4の少なくとも片側面に、熱溶着しやすい樹脂で形成された接着層を接合し、この接着層を介してスキン層3、4とコア層2とを接合してもよい。
・ 上記実施形態において、スキン層3、4の外面(コア層2とは反対側の面)に、さらに一又は複数の層が接合されていてもよい。例えば、樹脂構造体10の外面に特定の化学的・物理的性質(撥水性、遮光性、高い剛性など)を付与するための層や所定の模様や色彩を印刷した層をスキン層3、4の外面に接合してもよい。なお、スキン層3、4の外面に接合される層は、樹脂層に限らず、金属層、紙層、木材層など、比較的に薄く成形できるものであれば、どのような材質であっても採用でき得る。
・ 上記実施形態では、コア層2の両面にスキン層3、4を接合したが、コア層2の片側面にスキン層3、4が接合されていなくともよい。この場合、コア層2のスキン層3、4が接合されていない面には、塩化ビニル樹脂を含有しない他の層、例えばアクリル樹脂等の樹脂層、金属シート等の金属層が接合されていてもよい。
・ コア層2の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、上記実施形態において例示した50〜90重量部の範囲内で適宜変更できる。ただし、コア層2における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合が高くなると、その分、塩化ビニル樹脂の配合割合が少なくなる。そして、塩化ビニル樹脂の配合割合が過度に少なくなると、シート状に成形することが困難になる。そのため、コア層2における塩化ビニル樹脂の配合割合としてある程度の割合を確保しておくべきである。このような観点からは、コア層2の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、50重量部〜60重量部が好ましい。
・ コア層2におけるMBSの配合割合は、上記実施形態において例示した1〜10重量部の間で適宜変更できる。ただし、MBSの配合割合が低いと、コア層2に割れ等が発生しやすくなって加工が難しくなるおそれがある。そういった観点からは、MBSの配合割合は5〜10重量部が好ましい。
・ 同様に、スキン層3、4におけるMBSの配合割合も、上記実施形態において例示した4〜30重量部の間で適宜変更できるが、スキン層3、4の割れ等を防ぐ、塩化ビニル樹脂の配合割合を確保するという観点からは、MBSの配合割合は10〜20重量部が好ましい。
・ 上記実施形態では、コア層2における耐衝撃性改良剤とスキン層3、4における耐衝撃性改良剤とで異なるものを採用したが、これに限らない。例えば、上記実施形態では、スキン層3、4におけるMBSとして、コア層2におけるMBSよりも、ブタジエンの配合割合が大きいものを採用したが、スキン層3、4とコア層2とで、ブタジエンの配合割合が同じMBS(同種のMBS)を採用してもよい。また、コア層2におけるMBSとして、スキン層3、4におけるMBSよりも、ブタジエンの配合割合が大きいものを採用してもよい。すなわち、コア層2、スキン層3、4に求められる弾性率(柔軟性)を考慮して、ブタジエンの配合割合の異なる種々のMBSの中から適切なものを選択すればよい。
・ コア層2及びスキン層3、4におけるスズ系安定剤の配合割合は、上記MBSと同様に種々の事情に応じて適宜変更できる。なお、塩化ビニル樹脂の配合割合を確保するという観点からは、スズ系安定剤の配合割合は0.5〜2重量部が好ましい。
・ スキン層3、4が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していてもよい。
ところで、スキン層3、4をコア層2に熱溶着で接合する場合、コア層2よりもスキン層3、4の方が熱が伝わりやすい。このとき、スキン層3、4の溶融温度がコア層2の溶融温度よりも低い場合、スキン層3、4が過度に軟化してしまうおそれがある。そのため、スキン層3、4の溶融温度が、コア層2の溶融温度よりも過度に低いことは避けるべきである。そういった観点からは、スキン層3、4が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する場合でも、その配合割合は、コア層2における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体以下であることが好ましい。
・ 耐衝撃性改良剤は、コア層2及びスキン層3、4の弾性率を低下させることができるのであればMBSに限らない。この種の耐衝撃性改良剤としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(以下、ABSと略記する。)、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、アクリル系樹脂などが挙げられる。なお、耐衝撃性改良剤としてABSを採用する場合には、上記実施形態におけるMBSと同様に、スキン層3、4におけるABSとして、コア層2におけるABSよりも、ブタジエンの配合割合が大きいものを採用することが好ましい。
・ 上記実施形態においてスズ系安定剤はどのようなものでも採用できるが、具体的な例としてはオクチルスズビス塩が挙げられる。また、安定剤は、スズ系安定剤に限らず、例えば、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、鉛系安定剤、金属石けん等を採用してもよい。
・ コア層2及びスキン層3、4において、上記実施形態で例示した成分以外の添加剤が含有されていてもよい。この種の添加剤としては、例えば、透明性の向上や艶出しのための滑剤、色付けのための着色剤、燃えにくくするための難燃剤等が挙げられる。
・ 樹脂構造体10の製造方法は、上記実施形態で例示したものに限らない。樹脂構造体10を製造するにあたってコア層2(シート材100)に何らかの加熱処理が施されるのであれば、本発明のコア層2の材料構成を適用することにより、コア層2におけるセルSの座屈を抑制できる。
・ シート材100のシート厚は問わない。ただし、シート材100の折り畳み成形のしやすさという観点や、樹脂構造体10(コア層2)の軽量化といった観点からは、シート厚は薄いほうが好ましい。したがって、シート材100のシート厚は、スキン層3、4のシート厚と同一又はそれ以下であるのが好適である。また、シート材100のシート厚が薄いと、コア層2におけるセルSの座屈が生じやすくなるが、本発明では、このようなセルSの座屈は適切に抑制できる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
・ 耐衝撃性改良剤は、メタクリル酸アルキルブタジエンスチレン共重合体又はアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体であり、コア層における耐衝撃性改良剤に含有されるブタジエンの配合割合よりも、スキン層における耐衝撃性改良剤に含有されるブタジエンの配合割合の方が大きい。
・ コア層は、塑性を有する1枚のシートが所定の形状に成形されてなるシート材を、内部に多角形状又は円柱状をなす複数のセルが互いに隣接されるように折り畳み成形したものである。
2…コア層、3…スキン層、4…スキン層、10…樹脂構造体、S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、100…シート材。

Claims (3)

  1. 複数のセルが並設されるコア層と、当該コア層の表面に配されるスキン層とを備えた樹脂構造体であって、
    前記コア層は、上壁と下壁と上壁及び下壁の間にセルを並設する中間壁とから構成されており、
    前記コア層は、塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有するとともに、当該コア層の弾性率を低下させるための耐衝撃性改良剤を含有し、
    前記スキン層は、塩化ビニル樹脂及び当該スキン層の弾性率を低下させるための耐衝撃性改良剤を含有し、
    前記コア層における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、コア層全体の重量を100重量部としたとき、50重量部以上であることを特徴とする樹脂構造体。
  2. 前記コア層における耐衝撃性改良剤の配合割合はコア層全体の重量を100重量部としたとき1〜10重量部であり、
    前記スキン層における耐衝撃性改良剤の配合割合は、前記コア層における耐衝撃性改良剤の配合割合よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の樹脂構造体。
  3. 前記スキン層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有しない、又は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合が前記コア層における塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合割合よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂構造体。
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