JPH08270217A - コンクリート打ち止め用のハニカムコアパネル及びコンクリート打ち止め施工法。 - Google Patents

コンクリート打ち止め用のハニカムコアパネル及びコンクリート打ち止め施工法。

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JPH08270217A
JPH08270217A JP10775595A JP10775595A JPH08270217A JP H08270217 A JPH08270217 A JP H08270217A JP 10775595 A JP10775595 A JP 10775595A JP 10775595 A JP10775595 A JP 10775595A JP H08270217 A JPH08270217 A JP H08270217A
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concrete
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panel
plate
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Hiroyasu Ooka
裕保 大岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの打ち止め施工において、従来
の型枠に代わり、容易に取り付け取り外しができるハニ
カムコアパネルと、このハニカムコアパネルを使用する
打ち止め施工法を提供する。 【構成】 熱湯で軟化するか、刃物切断が容易な、剛性
と耐水性を備えた材料で作られたハニカムコアと表面板
とを接着し、周辺部に取り外し部材を貼着し、鉄筋など
が貫通する孔が明けられたハニカムコアパネル、及び更
に凹部又は凸部が設けられ、又は剛性線条が植設された
ハニカムコアパネル、並びにこれらのハニカムコアパネ
ルを使用し、止水板を用い、又は浸透性防水剤や凝結遅
延剤を多孔質層に含ませて施工する施工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリートの打ち
止め施工において、従来の取り外し困難な木製やプラス
チック製や金属製の型枠などに代わる、合成樹脂薄板や
厚手金属箔などで作られたハニカムコアを用いた取り外
しが非常に容易なパネル、及び該パネルを用いるコンク
リート打ち止め施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来コンクリートの打ち止めには、バラ
板やエキスパンドメタルや押出し発泡ポリスチレンボー
ドなどが使われていた。バラ板を止め型枠として使用す
る場合は、型枠の片壁を建て込んだあと、バラ板に鉄筋
が貫通する位置に孔を明け、桟木で固定し、配筋後に返
し壁を組み立てて取り付けていた。
【0003】エキスパンドメタルを型枠として使用する
場合は、型枠の片壁を建て込んだあと、鉄筋が貫通する
位置でエキスパンドメタルに孔を明け、配筋後に押さえ
鉄筋を介して溶接して固定し、型枠との隙間を桟木で塞
いで、返し壁を組み立てて取り付けていた。
【0004】隣棟建物との外壁間隔が狭い場合は、型枠
の組み立てと解体が著しく困難なので、発泡ポリスチレ
ンボードなどの板を、隣棟建物の外壁との間に挿入して
埋め殺しとしていた。
【0005】本発明に使用するハニカムコアの或るもの
は市販品であって、硬質の合成樹脂フィルムや金属箔で
作られたハニカムコアがこれである。これらのハニカム
コアはフィルターや、蜜蜂の巣、畳などに使用されてい
るが、打ち止め型枠としては全く使用されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術には
次のような問題点がある。コンクリートの打ち止めにバ
ラ板を使用した場合は、内部に鉄筋やセパレータが錯綜
しているため、打ち止め板との間にできた隙間から、コ
ンクリートが流れ出して打ち止め板を埋め込み、打ち止
め板の取り外しが不能になったり、型枠を分解除去しな
いかぎりバラ板の取り外しができなく、工事が不能にな
るという問題点があった。
【0007】打ち止めにエキスパンドメタルを使用した
場合は、エキスパンドメタルの取り付けのため、押さえ
鉄筋を介して溶接するのに手間がかかり、エキスパンド
メタルの網目からコンクリートのノロが流れ出し、打ち
継ぎ部にジャンカが発生する欠点があり、さらにエキス
パンドメタルや鉄筋などの金物が表面に出ていると錆が
発生するので、片側打設後の反対側打設前に、突出した
鉄筋などを切断除去する必要があった。
【0008】隣棟建物との外壁間隔が狭いため発泡ポリ
スチレンボードを使用した場合は、建物の動きによって
きしみ音が発生する欠点があった。
【0009】本発明は、コンクリートの打ち止め施工に
おいて、従来の木製やプラスチック製や金属製の型枠
が、取り外しが著しく困難であった欠点を解決するもの
で、極めて容易に取り付けと取り外しができるコンクリ
ート打ち止め用のハニカムコアパネルと、このハニカム
コアパネルを使用する、先打ちコンクリートと後打ちコ
ンクリートの結合が強固な、打ち止め施工法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、コン
クリート打ち止め用のハニカムコアパネルである。即
ち、熱湯で軟化する性質を有するか、又は刃物切断が容
易であって、剛性と耐水性を有する材料で作られた、硬
質合成樹脂の薄板や、厚手の金属箔などで作られたハニ
カムコア1の表裏両面に、これと同質の材料で作られた
表面板2を接着した構造の、表面板付きハニカムコアの
周辺部を被覆して、取り外し部材3が貼着され、これに
鉄筋4やセパレータ5が貫通する孔6が設けられたハニ
カムコアパネルである。
【0011】本発明のハニカムコアパネルの構成を、図
1の孔のあるハニカムコアパネルの一部切欠き一部省略
斜視図によって説明する。ハニカムコア1は、熱湯で軟
化するか、又は刃物による切断が容易であることによ
り、取り外しが容易であることが必要であり、かつ剛性
と耐水性が要求される。これに適した材料は硬質合成樹
脂薄板や、厚手の金属箔などであって、セルの形状は通
常6角形であるが、円形や波形などでもよい。合成樹脂
薄板としては、熱湯に軟化するものとして硬質塩化ビニ
ール、ポリプロピレンなどが使用され、切断が容易なも
のとしてポリカーボネート、塩化ビニリデンなどの薄板
で、厚さ0.06〜0.2mm程度のものが使用され
る。厚手金属箔の場合は、材質がアルミニウム、ステン
レススチール、又は鋼板であって、厚さ0.03〜0.
06mmのものが使用される。
【0012】表面板2もハニカムコア1と同様の性質を
持っていることが必要で、材料として耐水性板紙、合成
樹脂薄板、厚手金属箔、耐水性のコルゲートコアシート
15などであって、耐水性板紙はフェノール樹脂塗料な
どを含浸させた板紙や、アクリル樹脂やウレタン樹脂を
含む塗料を塗布した板紙であり、厚手金属箔はアルミニ
ウム、ステンレススチール又は鋼板の箔である。耐水性
コルゲートコアシート15は、紙製のコルゲートコアシ
ート15に上記の塗料を含浸又は塗布したものである。
表面板2とハニカムコア1の材質は、同質の例えば合成
樹脂薄板と合成樹脂薄板の場合もあれば、異質の組み合
わせ例えば厚手金属箔とコルゲートコアシート15であ
ってもよい。この表面板2はハニカムコア1の表裏両面
に接着されている。
【0013】ハニカムコア1と表面板2との接着は、そ
れぞれの材質によって酢酸ビニール系などの熱可塑性接
着剤や、エポキシ系やポリウレタン系の熱硬化性接着剤
や、ニトリルゴム系やブチルゴム系の合成ゴム接着剤、
あるいは溶剤による接着、加熱による熱融着などが選択
される。
【0014】取り外し部材3は、ハニカムコアパネル7
の取り外しに際して、これを引っ張ることにより容易に
取り外すことができる働きをするもので、ハニカムコア
パネル7の周辺部に貼着され、粘着ビニールテープ、粘
着ポリエステルテープ、粘着ポリカーボネートフィル
ム、布製ガムテープ、あるいはポリエチレン、ポリ塩化
ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネートなどの合成樹脂薄板よりな
り、その形状は図1に示すように、周辺部に貼ったうえ
で、両縁部を折り曲げて表裏両面へかけて貼った断面コ
字形の他に、断面L字形や、周側面のみを被覆する板状
のものがある。
【0015】本発明のハニカムコアパネル7は、当然施
工場所に要求される強度以上の強度を持っていることが
必要であり、強度が不足する場合はコンクリート打設中
にハニカムコアパネル7が側圧に耐えられなく崩壊して
工事を不能にし、必要以上に強度を持つものは高価につ
くと共に、取り外しに手間がかかる問題点がある。
【0016】施工場所が要求する強度とは、施工場所の
コンクリート8の側圧に十分耐える強度であって、例え
ばコンクリート8の打ち込み速さ10m/h以下で、打
ち込み高さが4mの場合に、側圧0.46kg/cm
の分布荷重を受けるので、これが側圧であって、この施
工場所ではこれ以上の強度のあるハニカムコア1と表面
板2を使用する必要がある。ハニカムコア1の強度は材
質やセルの形状、厚さなどによって、また表面板2の強
度も材質、厚さ、構造などによって異なり、各種の規格
品が販売されているので、その中から上記の強度以上の
強度を持つものが使用可能である。
【0017】ハニカムコア1に明けられた多数の孔6
は、図2の孔のあるハニカムコアパネルを使用する床の
施工状態を示す縦断面図や、図3の孔のあるハニカムコ
アパネルを使用する壁の施工状態を示す横断面図に示す
ように、鉄筋4又はセパレータ5が貫通される。ハニカ
ムコアパネル7は容易に孔6を明けることができ、孔6
が明いていても、内部がコアで仕切られているため、孔
6の隙間からコンクリート8が回り込む恐れはない。鉄
筋5は直径9、13、22、25mmのものが使用さ
れ、セパレータ5は直径7mmのものが使用されている
から、孔6の直径はこれに対応する大きさである。孔6
のピッチについては鉄筋4のピッチが100、125、
200、300mmなどであり、セパレータ5のピッチ
が通常600mmであるから、これに対応するピッチに
なっている。
【0018】ハニカムコアパネル7を壁や梁に取り付け
る場合は、鉄筋4やセパレータ5に固定するので、ハニ
カムコアパネル7にかかるコンクリート8の側圧は2辺
支持の分布荷重となる。ハニカムコアパネルの強度は表
面板2の最大応力と中芯となるハニカムコア1の最大剪
断応力によって決まり、表面板2の最大応力はハニカム
コア1と表面板2の厚さの積に反比例し、ハニカムコア
パネル7の最大剪断応力はハニカムコアパネル7とハニ
カムコア1の厚さの和に反比例する。従ってこの表面板
2の最大応力と、ハニカムコア1の最大剪断応力よりも
大きい強度を持つ表面板2とハニカムコア1とが使用さ
れることになる。
【0019】例えば、セパレータ5のピッチが30c
m、ハニカムコアパネル7の厚さが6cmであって、コ
ンクリート8の側圧が0.46kg/cmの場合は、
最大モーメントが51.75kgcmとなる。表面板2
とハニカムコア1が共に硬質塩化ビニール製のハニカム
コアパネル7であり、表面板2の厚さが0.2mmとす
ると、表面板2の最大応力は434kg/cm、ハニ
カムコア1の最大剪断応力は1.15kg/cmとな
る。従ってハニカムコア1及び表面板2は、それぞれの
応力以上の応力に耐えるものが使用されることになる。
【0020】請求項2の発明の構成を、図4の凹部のあ
るハニカムコアパネルの一部切欠き斜視図、及び図5の
凹部のあるハニカムコアパネルを使用する壁の施工状態
を示す横断面図によって説明する。即ち、先打ち側にな
る面に凹部9又は凸部を設けたものであり、コンクリー
ト8を打ち継ぐ場合の止め型枠として使用するものであ
る。凹部9又は凸部は先打ちコンクリート8と後打ちコ
ンクリート8との接合を強固にするものであって、凹部
9又は凸部の数は1個でも2ないし数個でもよく、形状
は4角形、円形、矩形、楕円形などの形状のほか、細長
い凸条や凹条であってもよく、凸条又は凹条のものが広
く使用される。
【0021】請求項3の発明は、図6の剛性線条を持つ
ハニカムコアパネルの一部切り欠き一部省略斜視図、及
び図7の剛性線条を持つハニカムコアパネルを使用する
壁の施工状態を示す横断面図に見るような、先打ち側に
なる面に多数の剛性線条10が植設されたものであり、
コンクリート8を打ち継ぐ場合の止め型枠として使用す
る。剛性線条10としては、ステンレススチールなどの
丸線、角線、平線のほか、ガラス繊維や硬質プラスチッ
クの線条が使用され、その形状は直線でもS字形でもよ
く、大きさは直径0.5mm、長さは6cm程度で密度
は1cmに1本程度が普通であるが、この大きさや密
度に限定されるものではない。剛性線条10はハニカム
コアパネルの除去後に先打ちコンクリート8に植設され
て残り、長さの半分は後打ちコンクリート8に埋没する
から、両者の接合が強固になる。
【0022】請求項4の発明は、図8の止水板を使用す
る壁の施工状態を示す横断面図に見るように、請求項1
の発明や請求項2又は3の発明のハニカムコアパネル7
の先打ち側の面に、打継ぎ面に直交する方向に止水板1
1を半ば埋設して施工場所に装着し、次に先打ち側コン
クリート8を打設し、コンクリート養生期間を経過した
後に該ハニカムコアパネル7を取り外し、次に後打ちコ
ンクリート8を打設する施工法である。止水板11は非
加硫ブチルゴムなどの材料で作られた、厚さ5mm、巾
100mm、長さ1800〜2400mmの板状体のも
のを適宜接続、又は切断して使用する。ハニカムコアパ
ネル7に深さ50mm程度の切り込みを入れ、巾の半分
即ち50mmを埋め込んである。止水板11は、コンク
リート外壁の打ち継ぎ部から、雨水が浸透することを防
止するもので、コンクリート打設後は、先打ちコンクリ
ート8と後打ちコンクリート8とに埋め込まれた状態に
なる。
【0023】請求項5の発明は、図9の浸透性防水剤を
使用する壁の施工状態を示す縦断面図に見るように、請
求項1や請求項2又は3の発明のハニカムコアパネル7
の先打ち側の面に、液体保有力のある多孔質層12を設
け、これに先打ちコンクリート8に防水性を与えるため
の、市販されている浸透性防水剤13を含ませて施工場
所に装着し、次に先打ち側コンクリート8を打設し、コ
ンクリート養生期間を経過した後に該ハニカムコアパネ
ル7を取り外し、次に後打ちコンクリート8を打設する
施工法である。多孔質層12はプラスチックスポンジや
不織布などの厚さ5mm程度のものであり、比較的脆く
てハニカムコアパネル7の取外し時に、容易に壊れて除
去できるものが使用される。
【0024】請求項6の発明は、図10の凝結遅延剤を
使用する壁の施工状態を示す横断面図に見るように、請
求項1や請求項2又は3の発明のハニカムコアパネル7
の先打ち側の面に、液体保有力のある多孔質層12を設
け、これに先打ちコンクリート8の凝結を遅らせるため
の、市販されている凝結遅延剤14を含ませて施工場所
に装着し、次に先打ち側コンクリート8を打設し、コン
クリート養生期間を経過した後に該ハニカムコアパネル
7を取り外し、次に後打ちコンクリート8を打設する施
工法である。多孔質層12には上記と同様のものが使用
される。凝結遅延剤は、先打ちコンクリート8の硬化を
遅らせ、後打ちコンクリート8の硬化と時間を合わせる
ことにより、両コンクリート8が一体化して強固に結合
するものである。
【0025】
【作用】ハニカムコアパネルは圧縮強度や剪断強度が大
きいので、打設コンクリート8の側圧に耐えて形状を保
持する作用があり、ハニカムコアパネル7を構成するハ
ニカムコア1や表面板2が、熱湯で軟化する材質のもの
である場合は、熱湯を注ぐことによって軟化して形状を
崩すから、容易に取り外すことができ、ハニカムコア1
や表面板2が、薄くて切断し易い材質のものである場合
は、刃物で切断して容易に取り外すことができる作用が
ある。
【0026】取外し部材3は、ハニカムコアパネル7を
引っ張って取り外すもので、熱湯で形状を崩したか、又
は刃物で切断されたハニカムコアパネルを、極めて容易
に取り外せるようにする作用がある。
【0027】請求項1の発明において、ハニカムコアパ
ネル7に設けられた孔6は、床や壁や梁などに錯綜して
いる鉄筋4やセパレータ5が挿入されるものであるが、
ハニカムコアパネル7の内部はコアで仕切られているの
で、孔6の隙間からのコンクリート8の回り込みをコア
が防止する。
【0028】請求項2の発明において、ハニカムコアパ
ネル7の先打ち側になる面に設けられた凹部9又は凸部
は、先打ち側のコンクリート8の面に、4角形や矩形あ
るいは条形の凹部9又は凸部を形成して、剪断に対する
抵抗力を増大するとともに、後打ちコンクリート8との
接触面積を広くして、打ち継ぎ部の結合を強固にする作
用をする。
【0029】請求項3の発明において、ハニカムコアパ
ネル7の先打ち側になる面に植設された剛性線条10
は、先打ち側コンクリート8から後打ちコンクリート8
にまたがって埋設されるため、打ち継ぎ部を非常に強固
にする作用をする。
【0030】請求項4の発明において、ハニカムコアパ
ネル7の先打ち側になる面に半ば埋め込まれた止水板1
1は、先打ちコンクリート8と後打ちコンクリート8と
の打ち継ぎ面に直交する方向に長く埋設されるから、外
壁の打ち継ぎ部からの雨水の浸透を防止する作用をす
る。
【0031】請求項5の発明において、ハニカムコアパ
ネル7の先打ち側になる面に設けた多孔質層12に含ま
せた浸透性防水剤13は、ハニカムコアパネル7の取り
外し後も残留していてコンクリート8に浸透し、打ち継
ぎ部付近の防水性を保持し、打ち継ぎ部からの雨水の浸
透を防止する作用をする。
【0032】請求項5の発明において、ハニカムコアパ
ネル7の先打ち側になる面に設けた多孔質層12に含ま
れた凝結遅延剤14は、先打ちコンクリート8に浸透し
て、先打ちコンクリート8の打継ぎ部付近の硬化を遅ら
せ、ハニカムコアパネル7の取り外し後の後打ちコンク
リート8の硬化時期を、先打ちコンクリート8とほぼ同
じにすることにより、コンクリート8を構成するケイ酸
2石灰水和物やアルミン酸石灰水和物の結晶を、緻密に
連結させて両コンクリート8の一体化を図り、継ぎ目の
ない状態とすることにより打ち継ぎ部を強固にする作用
をする。
【0033】
【実施例】請求項1の発明の実施例を図1及び図2によ
って説明する。床の厚さが15cmの場合、側圧が0.
0345kg/cmである。ハニカムコアパネル7に
鉄筋4が貫通する孔6が設けられており、鉄筋4は上端
筋に直径10mmと13mm、下端筋に直径13mmの
ものがそれぞれピッチ150mmで配筋してある。ハニ
カムコアパネル7の支持スパンは桟木16で支持するの
で、床の厚さ150mmが支持スパンとなる。
【0034】ハニカムコアパネル7が硬質塩化ビニール
フィルム製で、厚さが5cm、表面板2の厚さが0.1
mmの場合、表面板2の最大応力は194kg/c
、ハニカムコア1の最大剪断応力は0.051kg
/cmである。この応力に耐えるハニカムコア1は、
セルが6角形でセルサイズが13mm、フィルム厚さが
0.1mmで密度が28kg/mのものである。表面
板2はハニカムコア1に熱融着され、周辺部に取り外し
部材3として、厚さ0.2mmの粘着ポリカーボネート
テープが貼着され、鉄筋4が貫通する位置に孔6が明け
られている。
【0035】ハニカムコアパネル7は床の型枠板17の
上に、桟木16で固定され、孔6に鉄筋4が挿入されて
鉄筋4の組み立てが終わると、先打ちコンクリート8が
打設される。コンクリート8の養生期間が過ぎてから、
熱湯を注ぐとハニカムコアパネル7は柔らかくなって形
を崩すから、取り外し部材3を引っ張ると容易にハニカ
ムコアパネル7を除去することができる。このとき、取
り外し部材3はハニカムコアパネル7よりも融点が高い
から、引っ張りによって千切れることはない。次いで後
打ちコンクリート8が打設される。
【0036】請求項1の発明のハニカムコアパネル7を
壁に使用する場合を、図3の孔のあるハニカムコアパネ
ルを使用する壁の施工状態を示す横断面図によって説明
するが、この場合はコンクリート打ち放し仕上げの壁な
ので、打ち止め型枠の精度として1/300〜1/10
0が要求される。壁の長さが3m、コンクリート8の打
ち込み高さが4mなので、側圧は0.46kg/cm
である。図3に示すようにハニカムコアパネル7をセパ
レータ5に添わせて固定するので、セパレータ5のピッ
チの25cmが、ハニカムコアパネルを支持するスパン
となる。
【0037】この場合、打ち止め型枠の精度に対応し
て、打ち止め型枠の撓みを小さくするために、ハニカム
コア1は厚さ0.03mmのアルミ箔を使用し、表面板
2は厚さ0.2mmの硬質塩化ビニールフィルムを使用
する。ハニカムコアパネル7の厚さが7cmの場合、表
面板2の最大応力が258.17kg/cm、ハニカ
ムコアパネル7の最大剪断応力が0.824kg/cm
である。この応力に耐えるハニカムコア1は、アルミ
箔で厚さ0.03mm、セルの形状は6角形、セルサイ
ズが6.3mm、密度38kg/mのものである。コ
ンクリート8は打ち放し仕上げで、壁面はコンクリート
素地のままなので、打ち継ぎ部が直でなくてはならな
く、打ち止め型枠に撓みがあってはならない。この場
合、セパレータ5のピッチ25cm間の撓みは1.66
mmなので要求精度が確保できる。ハニカムコアパネル
7の周辺部に厚さ0.24mmの硬質塩化ビニールフィ
ルムの取り外し部材3を被覆してあり、孔6は鉄筋4が
貫通する位置に明けられている。
【0038】このハニカムコアパネル7を壁の打ち止め
場所に装着し、次に鉄筋4を孔6に挿入して、セパレー
タ5でハニカムコアパネル7を固定し、返し型枠板17
を締め付け、次いでコンクリート8を打設する。コンク
リート8の養生期間を経過してから、ハニカムコアパネ
ル7を刃物で切断し、取外し部材3を引っ張ってハニカ
ムコアパネル7を除去し、後打ちコンクリート8を打設
する。この場合、コンクリート打ち放し仕上げのため打
ち継ぎ部が直であるだけでなく、打ち継ぎ部の形状もき
れいでなくてはならないので、図3に示すようにハニカ
ムコアパネル7の先打ちコンクリート側に、目地棒を型
枠板17に取り付けておく。コンクリート8の養生期間
を置いて、型枠板17を解体除去するとき、目地棒も一
緒に外れて打ち継ぎ部にはきれいな化粧目地が形成され
る。
【0039】次に、梁が鉄筋コンクリートである場合の
実施例について、図11の孔のあるハニカムコアパネル
を使用する梁の施工状態を示す縦断面図によって説明す
る。梁の巾は30cmで梁成が1mであるから、側圧が
0.23kg/cm、セパレータ5のピッチが30c
mなのでハニカムコアパネル7の支持スパンは30cm
となる。ハニカムコア1と表面板2は共に硬質塩化ビニ
ールフィルム製で、ハニカムコアパネル7の厚さ6c
m、表面板2の厚さ0.2mmの場合、表面板2の最大
応力が217kg/cm、ハニカムコア1の最大剪断
応力が、0.532kg/cmである。この応力に耐
えるものは、ハニカムコア1のセル形状が6角形、セル
サイズが30mm、フイルム厚さが0.2mm、密度2
4kg/mのものである。取り外し部材3とその貼着
については、上記と同様である。なお、鉄筋4が挿入さ
れる孔6が明けられている。
【0040】施工に際しては、図11に示すように孔6
に鉄筋4を挿入して鉄筋4を組み立て、鉄筋4をハニカ
ムコアパネル7と共に、型枠板17の中へ落とし込んで
装着する。コンクリート8が打設され、コンクリート8
の養生期間が経過してから熱湯を注ぎ、取り外し部材3
を引っ張ってハニカムコアパネル7を除去し、次いで後
打ちコンクリート8が打設される。
【0041】次に、梁が鉄骨鉄筋コンクリートである場
合の実施例を、図12の孔のあるハニカムコアパネルを
使用する鉄骨入り梁の施工状態を示す縦断面図によって
説明する。梁成が1.1m、梁の巾が30cmなので側
圧は0.253kg/cm、セパレータ5のピッチが
30cmなので支持スパンは30cmとなり、ハニカム
コア1と表面板2は共に硬質塩化ビニールフィルム製で
あって、ハニカムコアパネル7の厚さ7cm、表面板2
の厚さ0.2mmの場合は、表面板2の最大応力が20
4.5kg/cm、ハニカムコア1の最大剪断応力は
0.543kg/cmである。この応力に耐えるもの
は、ハニカムコア1のセル形状が6角形、セルサイズが
30mm、フイルム厚さが0.2mm、密度24kg/
のものである。なお、鉄筋4が挿入される位置には
孔6を明けてある。
【0042】この表面板付きハニカムコアは、図12に
示すように分解した状態で所定位置の鉄骨18を挟むよ
うに装着され、次いで表面板付きハニカムコアの周辺部
に取り外し部材3を貼着し、鉄筋4を孔6に挿入して配
筋し、その後で型枠板17を組み立て、次にコンクリー
ト8が打設される。コンクリート8の養生期間を経過し
てから、前記と同様にハニカムコアパネル7に熱湯を注
いで、ハニカムコアパネル7を除去し、次いで後打ちコ
ンクリート8が打設される。
【0043】次に、隣棟建物の外壁との間が狭い場合の
外壁の施工について、図13の孔のあるハニカムコアパ
ネルを使用する外壁の施工状態を示す縦断面図、及び図
14の孔のあるハニカムコアパネルの連結状態を示す一
部省略斜視図によって説明する。隣棟建物の外壁との間
隔が10cmしかない場合であって、打ち込み高さが4
mなので、側圧が0.92kg/cmである。ハニカ
ムコアパネル7には側圧のみがかかるので、この側圧に
耐えるものはハニカムコア1、表面板2共に硬質塩化ビ
ニールフィルム製であって、ハニカムコアパネル7の厚
さは隣棟建物の外壁との間隔に同じ10cmで、表面板
2はフィルムの厚さが0.2mm、ハニカムコア1のセ
ル形状が6角形、セルサイズが20mm、フィルム厚さ
が0.12mm、密度が22kg/mのものであり、
周辺部には取り外し部材3として、粘着ビニールテープ
が貼着されている。表面板2とハニカムコア1との接着
は前記と同様である。
【0044】この場合、壁面が広いからハニカムコアパ
ネル7を多数連結する必要がある。図14の孔のあるハ
ニカムコアパネルの連結状態を示す一部省略斜視図に見
るように、多数のハニカムコアパネル7を接続して隣棟
建物の外壁との間に装着し、セパレータ5を孔6に挿入
してから型枠板17を組み立てる。次にコンクリート8
が打設される。コンクリート8の養生期間を経過してか
ら、前記と同様にハニカムコアパネル7に熱湯を注い
で、ハニカムコアパネル7を除去することができる。こ
の場合、さや管付きのセパレータ5を使用すると、型枠
板17を取り外してから、セパレータ5も取り外すこと
ができる。
【0045】請求項2の発明の実施例を、図4及び図5
によって説明する。壁にはピッチ150cmで2重に鉄
筋4が配筋され、ハニカムコアパネル7は鉄筋4を介し
てセパレータ5に支持される。コンクリート8の打ち込
み高さ3.8m、側圧が0.345kg/cm、縦筋
のピッチが7cmなので、ハニカムコアパネル7の支持
スパンも7cmとなり、ハニカムコア1と表面板2は共
に硬質塩化ビニールフィルム製でハニカムコアパネル7
の厚さ7cm、表面板2の厚さ0.075mmの場合
は、表面板2の最大応力が40.3kg/cm、ハニ
カムコア1の最大剪断応力は0.172kg/cm
ある。
【0046】この応力に耐えるものは、ハニカムコア1
のセル形状が6角形、セルサイズが8mm、フイルム厚
さが0.075mm、密度34kg/mのものであ
る。なお、鉄筋4が挿入される位置には孔6を明けてあ
る。このハニカムコアパネル7の表面に上底6cm、下
底8cm、高さ3cmの欠き込み形の凹部9を設けるた
め、前記ハニカムコアパネル7と同仕様の厚さ3cmの
ハニカムコアパネル7を、凹部9の形状に切断成形して
接着し、凹部付きのハニカムコアパネル7が形成され、
更に鉄筋4が貫通する位置に孔6が設けられている。取
り外し部材3とその貼着については前記と同様である。
【0047】このハニカムコアパネル7を図5に示すよ
うに、打ち継ぎ場所に装着し、鉄筋4が孔6に挿通さ
れ、セパレーター5でハニカムコアパネル7を固定し、
返し型枠17を締め付け、次いで先打ちコンクリート8
が打設され、コンクリート8の養生期間を経過してか
ら、前記と同様にハニカムコアパネル7に熱湯を注いで
軟化させて除去すると、先打ちコンクリート8の表面に
凸部が形成されている。次いで、後打ちコンクリート8
を打設すれば、凸部が後打ちコンクリート8に食い込ん
だ形となり、強固に接合される。
【0048】請求項3の発明の実施例を、図6及び図7
によって説明する。壁の厚さは20cm、鉄筋4は上記
の場合と同様であり、コンクリート8の打ち込み高さは
3.5mなので、側圧が0.437kg/cmの等分
布荷重となる。縦筋のピッチが7cmなので、ハニカム
コアパネル7の支持スパンも7cmとなり、ハニカムコ
ア1と表面板2は共に硬質塩化ビニールフィルム製で、
ハニカムコアパネルの厚さ6cm、表面板2としてフィ
ルム厚さ0.1mmで厚さ5mmのコルゲートコアシー
ト15を使用する場合、表面板2の最大応力が44.7
6kg/cm、ハニカムコア1の最大剪断応力は0.
255kg/cmである。
【0049】この応力に耐えるものは、ハニカムコア1
のセル形状が6角形、セルサイズが13mm、フイルム
厚さが0.1mm、密度28kg/mのものである。
なお、鉄筋4が挿入される位置には孔6を明けてある。
ハニカムコア1の表裏両面に表面板2がニトリルゴム系
接着剤で接着され、孔6が鉄筋5の貫通位置に明けら
れ、周辺部に取り外し部材3が貼着されている。先打ち
コンクリート8に接する面に直径0.5mm、長さ6c
mのステンレススチール製の剛性線条10が1本/1c
の密度で3cmの深さに植設された構造のハニカム
コアパネル7である。剛性線条10の固定は、剛性線条
10にエポキシ系接着剤を塗布し、この場合剛性線条1
0は表面板2に使用するコルゲートコアシート15の表
裏両面の表面板2を貫通し、該表面板2に固定される。
【0050】このハニカムコアパネル7は、図7に示す
ように打継ぎ場所に装着され、次に鉄筋4が孔6へ貫通
され、セパレーター5でハニカムコアパネル7を固定
し、返し型枠17を締め付け、次いで先打ちコンクリー
ト8が打設され、コンクリート8の養生期間を経過して
から、ハニカムコアパネル7に熱湯を注ぎ、取り外し部
材3を引っ張ることによりハニカムコアパネル7を除去
する。剛性線条10は半分先打ちコンクリート8に埋ま
った状態になっている。次に後打ちコンクリート8を打
設すれば、突出していた剛性線条10が後打ちコンクリ
ート8に埋没され、両コンクリート8は剛性線条10を
介して強固に接合されている。
【0051】請求項4の発明の、止水板11を用いて壁
を打ち継ぐ施工法の実施例を、図8の止水板を使用する
施工状態を示す横断面図によって説明する。コンクリー
ト8の打設高さが3.8mなので側圧は0.345t/
cmであり、壁の鉄筋4を介してセパレータ5がハニ
カムコアパネル7を支持し、したがって鉄筋4のピッチ
7cmがハニカムコアパネル7の支持スパンとなる。ハ
ニカムコア1と表面板2は共に硬質塩化ビニールフィル
ム製で、ハニカムコアパネル7の厚さ10cm、表面板
2のフィルム厚さ0.1mmの場合、表面板2の最大応
力が21.17kg/cm、ハニカムコア1の最大剪
断応力は0.12kg/cmである。
【0052】この応力に耐えるものは、ハニカムコア1
のセル形状が6角形、セルサイズが13mm、フイルム
厚さが0.1mm、密度28kg/mのものである。
なお、鉄筋4が挿入される位置には孔6を明けてある。
ハニカムコア1の表裏両面に表面板2が熱融着され、孔
6が鉄筋4の貫通位置に明けられ、端部に取り外し部材
3が貼着されたハニカムコアパネル7を使用する。
【0053】このハニカムコアパネル7を用いる施工法
は、図8に示すようにハニカムコアパネル7のコンクリ
ート8に接する面に、カッターによって深さ5cmの切
り込みを入れ、この切り込みへ止水板11を挟み込んだ
後、コンクリート打ち継ぎ位置において型枠板17へ取
り付ける。止水板11は厚さが5mm、巾が10cm、
長さが1800mmの非加硫ブチルゴム製の板状体であ
る。孔6に鉄筋4を挿通し、セパレーター5でハニカム
コアパネル7を固定し、返し型枠17を締め付けてから
先打ちコンクリート8を打設し、次いでコンクリート養
生期間を経過してから、ハニカムコアパネル7を除去す
ることになるが、止水板11が熱湯に弱いので、この場
合はハニカムコア1と表面板2を刃物で切断し、取り外
し部材3を引っ張ることによりハニカムコアパネル7を
除去する。ハニカムコアパネル7の除去面には、半分埋
設された止水板11が突出した状態となっている。次に
後打ちコンクリート8を打設すると、止水板11の残り
半分が後打ちコンクリート8に埋没し、打ち継ぎ面に直
交する止水板11が連続して存在するから、打ち継ぎ部
での雨水の浸透は完全に遮断される。
【0054】請求項5の発明の、浸透性防水剤13を使
用した壁の打ち継ぎ施工法の実施例を、図9の浸透性防
水剤を使用する施工状態を示す横断面図によって説明す
る。壁厚は20cmで、直径10mmの鉄筋4が150
mmピッチで2重に入っている。コンクリート8の打設
高さが3.5mであるから、コンクリート8の側圧は
0.598kg/cmである。ハニカムコアパネル7
が壁の縦筋を介してセパレータ5で保持されるので、前
記と同様に支持スパンは7cmである。ハニカムコア1
と表面板2は共に、硬質塩化ビニールフィルム製で、ハ
ニカムコアパネル7の厚さ6cm、表面板2のフィルム
厚さ0.1mmの場合、表面板2の最大応力が61.2
3kg/cm、ハニカムコア1の最大剪断応力は0.
3494kg/cmである。
【0055】この応力に耐えるものは、ハニカムコア1
のセル形状が6角形、セルサイズが8mm、フイルム厚
さが0.075mm、密度34kg/mのものであ
る。ハニカムコア1の表裏両面には表面板2が熱融着さ
れており、鉄筋4が挿入される位置には孔6を明けてあ
る。更に周辺部には取り外し部材3が貼着され、コンク
リート8の先打ち側になる面に、多孔質層12として厚
さ5mmの不織布が接着されたハニカムコアパネル7を
使用する。
【0056】このハニカムコアパネル7を用いる施工法
は、図9に示すもので、先ずこの不織布に市販の浸透性
防水剤13と、市販の保水剤とを塗布して含ませる。浸
透性防水剤13を含ませたハニカムコアパネル7を、コ
ンクリート打継ぎ位置において、型枠板17へ取り付け
る。次に孔6に鉄筋4を挿通し、セパレーター5でハニ
カムコアパネル7を固定し、返し型枠17を締め付けて
から先打ちコンクリート8を打設し、コンクリート養生
期間を経過してから、ハニカムコア1と表面板2を刃物
で切断し、取り外し部材3を引っ張って不織布と共にハ
ニカムコアパネル7を除去する。次に、後打ちコンクリ
ート8を打設する。打ち継ぎ部には浸透性防水剤13が
残留しているから、打ち継ぎ部からの雨水の浸透が防止
される。
【0057】請求項6の発明の、凝結遅延剤14を用い
て壁の打ち継ぎ施工法の実施例を、図10の凝結遅延剤
を使用する施工状態を示す横断面図によって説明する。
壁厚は20cmで、直径10cmの鉄筋4が250mm
ピッチで二重に入っている。コンクリート8の側圧が
0.46kg/cmであり、ハニカムコアパネル7が
壁の縦筋を介してセパレータ5によって保持されるの
で、縦筋のピッチの7cmがハニカムコアパネル7の支
持スパンとなる。ハニカムコア1と表面板2は、共に硬
質塩化ビニールフィルム製で、ハニカムコアパネル7の
厚さが6cmで、表面板2のフィルム厚さ0.1mmの
場合、表面板2の最大応力が48.07kg/cm
ハニカムコア1の最大剪断応力は0.269kg/cm
である。
【0058】この応力に耐えるものは、ハニカムコア1
のセル形状が6角形、セルサイズが13mm、フイルム
厚さが0.1mm、密度28kg/mのものである。
ハニカムコア1の表裏両面には表面板2が熱融着されて
おり、鉄筋4が挿入される位置には孔6を明けてある。
更に周辺部には取り外し部材3が貼着され、コンクリー
ト8の先打ち側になる面に、多孔質層12として厚さ5
mmのプラスチックスポンジが接着されたハニカムコア
パネル7を使用する。
【0059】このハニカムコアパネル7を用いる施工法
は、図10に示すもので、先ずこのプラスチックスポン
ジに、市販の凝結遅延剤14を塗布して含ませる。凝結
遅延剤14を含ませたハニカムコアパネル7を、コンク
リート打ち継ぎ位置において型枠板17へ取り付ける。
次に、孔6に鉄筋4を挿通し、セパレーター5でハニカ
ムコアパネル7を固定し、返し型枠17を締め付けてか
ら先打ちコンクリート8を打設すると、凝結遅延剤14
が先打ちコンクリート8の打ち継ぎ部へ浸透して、打ち
継ぎ部のコンクリート8の硬化を遅らせる。コンクリー
ト養生期間を経過してから、ハニカムコア1と表面板2
を刃物で切断し、取り外し部材3を引っ張ってプラスチ
ックスポンジと共にハニカムコアパネルを除去する。次
に、後打ちコンクリート8を打設する。打ち継ぎ部の凝
結遅延剤14が、先打ちコンクリート8の凝結硬化を遅
らせることにより、後打ちコンクリート8が先打ちコン
クリート8と同時に結晶を生成しつつ硬化するので、打
ち継ぎ部の接合が強固になる。
【0060】
【発明の効果】壁や床や梁などの鉄筋やセパレータが錯
綜するコンクリート打ち継ぎ部の施工において、従来の
木製などの型枠とは著しく相違し、ハニカムコアパネル
の取り付けが極めて容易であると共に、従来の型枠のよ
うに分解して除去する困難な方法ではなく、熱湯注入や
刃物切断によって簡単に取り外すことができ、コンクリ
ートの破損や、打ち継ぎ部のジャンカ発生を全くなくす
ることができる効果がある。
【0061】隣棟建物の外壁との間隔が狭いときの外壁
施工の場合は、ハニカムコアパネルを外壁との間に埋め
殺しにしておき、コンクリート打設後に養生期間を経過
してから、熱湯注入又は刃物切断によって、簡単にハニ
カムコアパネルを取り外すことができるので、建物の揺
動によるきしみ音の発生が全くない効果がある。
【0062】凹部又は凸部を設けたハニカムコアパネル
や、剛性線条を設けたハニカムコアパネルにあっては、
その取り付け取り外しが容易であると共に、壁の打ち継
ぎ部において、先打ちと後打ちのコンクリート間の結合
が極めて強固になる効果がある。
【0063】止水板や浸透性防水剤を使用する壁の打ち
止め施工では、ハニカムコアパネルの取り付け取り外し
が容易であると共に、打ち継ぎ部からの雨水の浸透を完
全に防止する効果があり、凝結遅延剤を使用する壁の打
ち止め施工では、先打ちと後打ちのコンクリートをほぼ
同時に硬化させることにより、強固に結合させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】孔のあるニカムコアパネルの一部切欠き一部省
略斜視図である。
【図2】孔のあるニカムコアパネルを使用する床の施工
状態を示す縦断面図である。
【図3】孔のあるニカムコアパネルを使用する壁の施工
状態を示す横断面図である。
【図4】凹部のあるハニカムコアパネルの一部切欠き斜
視図である。
【図5】凹部のあるハニカムコアパネルを使用する壁の
施工状態を示す横断面図である。
【図6】剛性線条を持つハニカムコアパネルの一部切欠
き一部省略斜視図である。
【図7】剛性線条を持つハニカムコアパネルを使用する
壁の施工状態を示す横断面図である。
【図8】止水板を使用する壁の施工状態を示す横断面図
である。
【図9】浸透性防水剤を使用する壁の施工状態を示す横
断面図である。
【図10】凝結遅延剤を使用する壁の施工状態を示す横
断面図である。
【図11】孔のあるニカムコアパネルを使用する梁の施
工状態を示す縦断面図である。
【図12】孔のあるニカムコアパネルを使用する鉄骨入
り梁の施工状態を示す縦断面図である。
【図13】孔のあるニカムコアパネルを使用する外壁の
施工状態を示す縦断面図である。
【図14】孔のあるニカムコアパネルの連結状態を示す
一部省略斜視図である。
【符号の説明】
1 ハニカムコア 2 表面板 3 取り外し部材 4 鉄筋 5 セパレータ 6 孔 7 ハニカムコアパネル 8 コンクリート 9 凹部 10 剛性線条 11 止水板 12 多孔質層 13 浸透性防水剤 14 凝結遅延剤 15 コルゲートコアシート 16 桟木 17 型枠板 18 鉄骨

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱湯で軟化する性質を有するか、又は刃
    物切断が容易であって、剛性と耐水性を有する材料で作
    られたハニカムコア(1)の表裏両面に、該ハニカムコ
    ア(1)と同様の性質を有する材料の、表面板(2)を
    接着した構造の表面板付きハニカムコアの周辺部を被覆
    して取り外し部材(3)が貼着され、鉄筋(4)又はセ
    パレーター(5)が貫通する孔(6)が設けられている
    ことを特徴とするコンクリート打ち止め用のハニカムコ
    アパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハニカムコアパネル
    (7)の先打ちコンクリート(8)を打設する面に、凹
    部(9)又は凸部が設けられていることを特徴とするコ
    ンクリート打ち止め用のハニカムコアパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のハニカムコアパネル
    (7)の先打ちコンクリート(8)を打設する面に、多
    数の剛性線条(10)が植設されていることを特徴とす
    るコンクリート打ち止め用のハニカムコアパネル。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のコンクリート
    打ち止め用のハニカムコアパネル(7)の、先打ちコン
    クリート(8)を打設する面に、止水板(11)を半ば
    埋設させて施工場所に装着し、次に先き打ちコンクリー
    ト(8)を打設し、コンクリート養生期間が経過した後
    に、ハニカムコアパネル(7)を取り外し、次に後打ち
    コンクリート(8)を打設すること特徴とするコンクリ
    ート打ち止め施工法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のコンクリート
    打ち止め用のハニカムコアパネル(7)の、先打ちコン
    クリート(8)を打設する面に、液体保有力のある多孔
    質層(12)を設け、該多孔質層(12)にコンクリー
    ト(8)に防水性を与えるための浸透性防水剤(13)
    を含ませて施工場所に装着し、次に先き打ちコンクリー
    ト(8)を打設し、コンクリート養生期間が経過した後
    に、ハニカムコアパネル(7)を取り外し、次に後打ち
    コンクリート(8)を打設すること特徴とするコンクリ
    ート打ち止め施工法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載のコンクリート
    打ち止め用のハニカムコアパネル(7)の、先打ちコン
    クリート(8)を打設する面に、液体保有力のある多孔
    質層(12)を設け、該多孔質層(12)にコンクリー
    ト(8)の凝結を遅延させるための凝結遅延剤(14)
    を含ませて施工場所に装着し、次に先打ちコンクリート
    (8)を打設し、コンクリート養生期間が経過した後
    に、該ハニカムコアパネル(7)を取り外し、次に後打
    ちコンクリート(8)を打設すること特徴とするコンク
    リート打ち止め施工法。
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