JP2000326382A - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法。 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体の製造方法。

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JP2000326382A
JP2000326382A JP11143716A JP14371699A JP2000326382A JP 2000326382 A JP2000326382 A JP 2000326382A JP 11143716 A JP11143716 A JP 11143716A JP 14371699 A JP14371699 A JP 14371699A JP 2000326382 A JP2000326382 A JP 2000326382A
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Japan
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plant
thermoplastic resin
thermoplastic
filler
based filler
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JP11143716A
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English (en)
Inventor
Koji Matsumoto
晃治 松本
Keisuke Hashimoto
圭祐 橋本
Yasushi Kawabata
康史 川端
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物系充填材を分解させることなく高充填化
でき、植物系充填材に由来するソフトな外観を呈した熱
可塑性樹脂成形体を提供し得る熱可塑性樹脂成形体の製
造方法。 【解決手段】 軟化点もしくは融点が150℃以下の熱
可塑性化合物と植物系充填材とを、前記熱可塑性化合物
の軟化点もしくは融点以上かつ150℃以下の温度で加
熱混練することにより、一旦、前記熱可塑性化合物を周
囲に担持させてなる植物系充填材を得て、この植物系充
填材を熱可塑性樹脂と共に押出成形する熱可塑性樹脂成
形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物系充填材を分
解させることなく高充填化でき、植物系充填材に由来す
るソフトな外観を呈した熱可塑性樹脂成形体を提供し得
る熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性樹脂に、木粉のような
植物系充填材を充分に混練したり高割合で充填しようと
すると、木粉の分解により、混練機械・成形機械等の腐
蝕が生じたり、成形品に気泡等が残って表面の外観悪化
や強度低下を招くといった問題点があった。
【0003】そこで、特公平3−64553号公報に開
示されている様に、熱可塑性樹脂と木粉の親和性を向上
させるために、予め変性ポリオレフィンを添加し、かつ
生石灰で木粉の分解物を除去する方法が提案されてい
る。しかしながらこの方法では、変性ポリオレフィンの
添加時、及び生石灰添加持、の二度の混練工程を経た後
に押出成形することになり、製造工程が多く、成形体を
製造する上で大幅なコストアップが避けられないもので
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
植物性充填材を充填した熱可塑性樹脂成形体の製造方法
の問題点に鑑みて、植物系充填材を分解させることなく
高充填化でき、表面の外観悪化や強度低下等を招くこと
なく、ソフトな外観の成形体を得ることの出来る熱可塑
性樹脂成形体の製造方法を安価に提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、上記目的を達成するために、軟化点もしくは融点が
150℃以下の熱可塑性化合物と植物系充填材とを、前
記熱可塑性化合物の軟化点もしくは融点以上かつ150
℃以下の温度で加熱混練することにより、一旦、前記熱
可塑性化合物を周囲に担持させてなる植物系充填材を得
て、この植物系充填材を熱可塑性樹脂と共に、押出成形
することを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法を
提供する。
【0006】請求項2記載の本発明は、前記熱可塑性化
合物が粒径1〜500μmのポリオレフィン粉体である
ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体の
製造方法を提供する。請求項3記載の本発明は、前記熱
可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴と
する請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方
法を提供する。
【0007】上述の如く、本発明は、熱可塑性樹脂に植
物系充填材を充填させるに際して、熱可塑性樹脂と植物
系充填材との親和性を高めるために、特定の熱可塑性化
合物を周囲に担持させてなる植物系充填材を用いるもの
である。本発明に用いられる植物系充填材は、植物から
なる充填材であれば、得られる成形品の外観が植物調と
なりソフトな感触を与えるものである限り、その種類は
特に制限されるものではなく、例えば、材木、木板、合
板、パルプ、竹材などの切削屑、研摩屑、切断鋸屑、粉
砕物のような木粉;籾殻、胡桃殻のような穀物もしくは
果実の殻またはその粉砕物等が挙げられる。
【0008】また、一般に植物系充填材、例えば木粉に
は含有水分が存在し、成形品の表面性に影響を与える。
押出成形温度が150℃以上では、植物系充填材中の含
水率は10重量%以下であることが望ましく、押出成形
温度が120〜150℃では、含水率は20重量%以下
であることが望ましい。
【0009】本発明において、特定の熱可塑性化合物を
周囲に担持させてなる植物系充填材を結合すると共に、
成形体の強度を発現する熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好まし
く、特にポリプロピレンが好ましく用いられるが、他
に、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、
ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ABS樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、エチ
レン酢酸ビニル共重合体等の市販の熱可塑性樹脂を挙げ
ることができる。
【0010】植物系充填材の添加部数は、上記熱可塑性
樹脂100 重量部に対して、400 重量部まで技術的に可能
であるが、押出成形性と木粉焼け抑制効果が両立し得る
点で50〜300 重量部が好ましい。植物系充填材の粒径
は、押出機のクリアランスを通過できるものが使用可能
であるが、余り細かすぎると、混練しにくくなる。好ま
しい粒径は10〜1000μm である。
【0011】植物系充填材の周囲に担持させる熱可塑性
化合物としては、軟化点もしくは融点が150℃以下で
あり、熱可塑性樹脂と植物系充填材との親和性を高める
ものであれば使用可能であり、例えば、分子量1000〜10
000 程度の低分子量体、酸素を構造中に導入した低分子
量体、カルボン酸基の様な酸性基を構造中に導入した低
分子量ポリオレフィン、金属石鹸、粒径1〜500μm
の微粉熱可塑性化合物等が挙げられ、特に、ステアリン
酸、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性ポ
リエチレン等の酸変性低分子量ポリオレフィンや、 ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、
粒径1〜500μmのポリオレフィン粉体等が好ましく
用いられる。
【0012】低分子量体の分子量については、1000以下
であれば、成形品の物性を低下させ、10000 以上であれ
ば、植物系充填材の分解抑制効果が低下する場合があ
る。上記熱可塑性化合物の軟化点は、ビカット軟化点を
言い、JIS K7206によって軟化点が測定され、
融点はJIS K3331によって測定される。
【0013】植物系充填材の粒径については、1 μmよ
り小さければ製造時の取り扱いが不便であり、500μ
mより大きいと、植物系充填材の分解抑制効果が低下す
る傾向にある。また、上記熱可塑性樹脂がポリオレフィ
ンの場合には、熱可塑性化合物もポリオレフィン系であ
ることが好ましい。これは、樹脂との相溶性が良いほ
ど、植物系充填材の分解抑制効果を向上させることがで
きるからである。本発明では、まず、植物系充填材に、
上記熱可塑性化合物を加え、ミキサー等で熱可塑性化合
物の軟化点もしくは融点以上の温度で加熱混練すること
によって、熱可塑性化合物を周囲に担持させてなる植物
系充填材、換言すれば、部分的に又は全面的に表面が熱
可塑性化合物によって被覆された植物系充填材が得られ
る。
【0014】植物系充填材と熱可塑性化合物の混合比
は、植物系充填材100 重量部に対して、熱可塑性化合物
1〜30重量部とするのが良い。更に好ましくは5 〜20重
量部である。1 重量部より少ないと、木粉分解が生じ易
く、30重量部より多いと押出成形品の物性の低下を招く
場合が多いからである。ミキサーとしては、加熱しつ
つ、混練することが可能であれば、使用でき、一般的に
は、スーパーミキサーと呼ばれているもので充分であ
る。
【0015】加熱温度は、混練物の材温が熱可塑性樹脂
添加剤の軟化点或いは融点以上になると共に、最高でも
150℃以下とすることが必要である。150℃以上に
すると木粉の分解が始まり易くなり、本発明の目的を達
成することが困難となるからである。以上の混練物に熱
可塑性樹脂を加え押出機に供給して、混練し押出成形す
るのである。 その際に、上記混練物には、以下に示す
様な、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーや重合開始
剤を添加することが好ましい。
【0016】α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとし
ては、熱可塑性樹脂との親和性が大きい市販のα,β−
不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステ
ル、α,β−不飽和カルボン酸アミド等が挙げられ、こ
れらは、必要に応じて複数のモノマーを併用して用いて
も良い。
【0017】α,β−不飽和カルボン酸としては、メタ
クリル酸、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
イタコン酸等が例示される。
【0018】メタクリル酸エステルモノマーとしては、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタ
クリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メ
タクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メチ
ルクロライド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフ
ルフリル、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレ
ングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタ
クリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル
酸−1,6−ヘキサンジオール、トリメタクリル酸トリ
メチロールプロパン、メタクリル酸−2−エトキシエチ
ル等が例示される。
【0019】アクリル酸エステルモノマーとしては、ア
クリル酸アリル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−
2−(5−エチル−2−ピリジル)エチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリ
ル酸−2−シアノエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸−
n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸シク
ロヘキシル、β−ハイドロキシアクリレート、ハイドロ
キシプロピルアクリレート等が例示される。
【0020】α,β−不飽和カルボン酸アミドとして
は、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが
例示される。
【0021】本発明において、植物系充填材の配合量
は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜40重
量部が好ましい。1部より少ないと樹脂を充分に可塑化
できず、充填材を充分に複合化できない場合があり、40
部より多いと材料粘度が低下しすぎ、成形品の表面性が
低下し、良好な外観が得られない場合がある。本発明で
は、予め、熱可塑性樹脂、植物性充填材、α,β−不飽
和カルボン酸系モノマー、重合開始剤を加熱混練する
際、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーは、混練終了
時、数平均分子量で1万以下であること、硬化度は90%
以上が好ましい。
【0022】数平均分子量が1万を越えると、混練され
た複合材料を溶融−固化成形する際、成形性が低下し勝
ちであり、また、硬化度が90%に充たないと、熱可塑性
樹脂成形体の物性が低下する場合がある。尚、ここでい
う硬化度とは、以下の式で算出される値をいう。 〔(添加したモノマー量)−(混練後残留モノマー
量)〕×100/(添加したモノマー 量) 本発明に使用される重合開始剤としては、加熱により
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーの重合を引き起こ
すものであれば、いずれも使用可能であり、ケトンパー
オキサイド系、パーオキシケタール系、ジアルキルパー
オキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシ
エステル系、パーオキシジカーボネート系の重合開始剤
が例示される。
【0023】重合開始剤としては、10時間半減期温度
が60℃以上であるものがより好ましい。この半減期温
度が60℃未満であると、押出成形時にα,β−不飽和
カルボン酸系モノマーとしてのアクリル酸エステルモノ
マーが急速に硬化し過ぎて、押出成形性が低下する場合
がある。
【0024】重合開始剤の具体例は、下記のとおりであ
る。尚、以下の例示化合物において、括弧内の数字は1
0時間半減期温度を示す。ケトンパーオキサイド系重合
開始剤として、メチルアセトアセテートパーオキサイド
等が挙げられる。
【0025】パーオキシケタール系重合開始剤として
は、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(86.7℃)、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサ
ン(87.1℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90.
0℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン(90.7℃)、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)シクロドデカン(95.0℃)、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタン(103.1℃)、
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレイト(104.5℃)、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(9
4.7℃)等が挙げられる。
【0026】ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤と
して、ジ−t−ブチルパーオキサイド(123.7℃)
等が挙げられる。ジアシルパーオキサイド系重合開始剤
として、ラウロイルパーオキサイド(61.6℃)、ス
テアロイルパーオキサイド(62.4℃)、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド(52.8℃)、オク
タノイルパーオキサイド(61.5℃)、ベンゾイルパ
ーオキサイド(73.6℃)等が挙げられる。
【0027】パーオキシエステル系重合開始剤として、
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート(65.3℃)、2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキ
シ)ヘキサン(66.2℃)、1−シクロヘキシル−1
−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(67.5℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート(69.9℃)、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート(72.1℃)、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート(77.3℃)、t−ヘキ
シルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(95.
0℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(96.1
℃)、t−ブチルパーオキシー3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート(97.1℃)、t−ブチルパーオキシ
ラウレート(98.3℃)、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン(98.5
℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート(98.7℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキシルモノカーボネート(99.0℃)、t−ヘキ
シルパーオキシベンゾエート(99.4℃)、2,5−
ジメチルー2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン(99.7℃)、t−ブチルパーオキシアセテート
(101.9℃)、t−ブチルパーオキシ−m−トルオ
イルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート
(104.3℃)、2,4,4−トリメチルペンチル−
2−ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0028】重合開始剤として、10時間半減期温度
が、押出機の押出温度に対して、押出温度−70℃<重
合開始剤の10時間半減期温度<押出温度−10℃とな
る関係を有するものを用いることは、硬化速度を制御し
易いので、特に好ましい。
【0029】重合開始剤とα,β−不飽和カルボン酸系
モノマーの組合わせ、及び重合開始剤の配合割合は、押
出温度と同じ温度条件でのゲルタイムテスター(「N
o.153式」、安田精機製作所製)による測定で、ゲ
ル化時間が30〜600秒になるように決めるのが好ま
しい。
【0030】また、上記熱可塑性樹脂、植物系充填材の
混練物には、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーや重
合開始剤の他に、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維
等の補強材や大理石粉、石粉、金属粉、非植物系充填
材、可塑剤、滑剤、発泡剤、難燃剤等の添加剤を配合し
て、成形体用樹脂組成物とすることができる。
【0031】押出機への成形体用樹脂組成物の投入は、
予め成形体用樹脂組成物を混合した粉体状で投入した
り、必要に応じて、α,β−不飽和カルボン酸系モノマ
ーを除く粉体状物をホッパーより投入し、α,β−不飽
和カルボン酸系モノマーをポンプで押出機の混練軸上に
直接滴下しても良い。押出機は、一軸でも二軸でも何れ
も使用可能であるが、混練性の面から二軸タイプのもの
が好ましい。加熱混練された成形体用樹脂組成物は、シ
ート、平板等の公知の形状に成形される他、所望の異形
体やペレットとすることも勿論可能である。
【0032】(作用)植物系充填材に、軟化点もしくは
融点が150℃以下の熱可塑性化合物を加え、加熱混練
することにより、熱可塑性化合物を周囲に担持させてな
る植物系充填材を得ることができ、本発明においては、
表面に熱可塑性化合物を担時したこの植物系充填材を熱
可塑性樹脂と共に押出成形するので、従来の木粉をその
まま用いる場合と比較して、熱可塑性樹脂と植物系充填
材との混練時の剪断発熱を効果的に低減することが可能
となり、その結果、木粉等の植物系充填材を充分に混練
したり高割合で充填する場合も植物系充填材の熱分解を
抑制し得るのである。従って、本発明において、特に植
物系充填材を高充填にすればするほど、効果的であり、
従来技術との優位点が顕著となる。
【0033】
【実施例】(実施例1)植物系充填材として、米栂の木
粉( 平均粒径200 μm)100 重量部に、熱可塑性化合物と
して、ステアリン酸亜鉛( 融点120 ℃)10 重量部を加
え、スーパーミキサーで材温が120 ℃になるまで、 加熱
混練し、略全表面をステアリン酸亜鉛で被覆した木粉を
得た。熱可塑性樹脂として、ホモポリプロピレン100 重
量部に、上記ステアリン酸亜鉛で処理した木粉200 重量
部を加え、同方向二軸混練押出機で押出温度180 ℃で、
混練押出成形し、6×60mmの平板の成形体を得た。
【0034】(実施例2)熱可塑性化合物として、低分
子量ポリエチレン(三洋化成製:サンワックス165
P、Mn=5000、軟化点=107℃)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして、米栂の木粉を処理し、ホ
モポリプロピレンと共に押出成形して平板の成形体を得
た。
【0035】(実施例3)熱可塑性化合物として、微粉
ポリエチレン(住友精化製:フローセンUF80、平均粒径
20μm 、軟化点=76℃)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、米栂の木粉を処理し、ホモポリプロピ
レンと共に押出成形して平板の成形体を得た。
【0036】(実施例4)熱可塑性化合物として、酸化
型低分子量ポリエチレン(三洋化成製:サンワックスE2
50P 、軟化点103 ℃) を用いたこと以外は、実施例1と
同様にして、米栂の木粉を処理し、ホモポリプロピレン
と共に押出成形して平板の成形体を得た。 (実施例5)熱可塑性樹脂として、ホモポリプロピレン
100 重量部に、上記実施例1で得たステアリン酸亜鉛処
理木粉200 重量部、α,β−不飽和カルボン酸系モノマ
ーとしてメタクリル酸シクロヘキシル5重量部、及び硬
化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート0.025 重
量部を加え、同方向二軸混練押出機で実施例1き同様に
して押出温度180 ℃で、混練押出成形し、6×60mm
の平板の成形体を得た。
【0037】(比較例1)熱可塑性化合物として、低分
子量ポリプロピレン(三洋化成製ユーメックス100
1、軟化点154 ℃) を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、米栂の木粉を処理し、ホモポリプロピレンと
共に押出成形して平板の成形体を得た。
【0038】(比較例2)熱可塑性樹脂として、ホモポ
リプロピレン100 重量部に、未処理米栂木粉200重量部
を加え、同方向二軸混練押出機で押出温度180 ℃で、混
練押出成形し、6×60mmのの平板を得ようとした
が、木粉の熱分解ガスが大量に発生して、事実上、押出
成形ができなかった。 *各実施例及び比較例で得た平板の成形体等を、以下の
方法で評価し、その結果を表1に示した。 ・押出成形性 ○;木粉焼け、 分解なく押出成形できた ×;木粉の焼け等により、通常の成形体が得られなかった。 ・曲げ強度 JIS K7203に準じて測定した。 ・外観 ○;木粉に由来するソフトな外観を呈していた。 ×;焼け、変色等があり製品として供し得ないものであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、軟化点もしくは融点が150
℃以下の熱可塑性化合物と植物系充填材とを、前記熱可
塑性化合物の軟化点もしくは融点以上かつ150℃以下
の温度で加熱混練することにより、一旦、前記熱可塑性
化合物を周囲に担持させてなる植物系充填材を得て、こ
の植物系充填材を熱可塑性樹脂と共に、押出成形するの
で、植物系充填材を熱分解させることなく高充填化で
き、植物系充填材に由来するソフトな外観を呈した熱可
塑性樹脂成形体を、比較的簡単な工程で提供することが
でき、従って安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 501:12 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15 AA20 AA22 AA24 AA26 AA28X AA33 AA34X AA40 AA45 AA46 AA50 AA51 AA53 AA54 AA62 AA73 AD02 AE17 BA09 BB06 BC01 BC03 4F207 AA01 AA03 AB11 AC04 AR06 AR12 KA01 KF02 4J002 AH002 BB031 BB061 BB121 BC031 BD041 BD121 BG031 BN151 CB001 CF061 CF071 CG001 CH071 CK021 CL001 CN011 FB232 FB262 FD010 FD012 FD020 FD130 FD140 FD150 FD170 FD320

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化点もしくは融点が150℃以下の熱
    可塑性化合物と植物系充填材とを、前記熱可塑性化合物
    の軟化点もしくは融点以上かつ150℃以下の温度で加
    熱混練することにより、一旦、前記熱可塑性化合物を周
    囲に担持させてなる植物系充填材を得て、この植物系充
    填材を熱可塑性樹脂と共に、押出成形することを特徴と
    する熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性化合物が粒径1〜500μ
    mのポリオレフィン粉体であることを特徴とする請求項
    1記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹
    脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑
    性樹脂成形体の製造方法。
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