JP2005002354A - 木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物およびその成形品の製造方法 - Google Patents

木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物およびその成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂に木粉を高い割合で含ませても、表面の外観悪化や強度低下等を招くことなく、木質感のある押出成形品を得ることが可能な複合樹脂組成物を提供する。【解決手段】 ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂に、反応性モノマーであるα,β−不飽和カルボン酸系モノマーと重合開始剤を配合することによって、押出機において混練押出成形する際の可塑化力を大きくして、木粉等の植物系充填材を熱可塑性樹脂に高い割合で配合できるようにする。この際、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーの配合量を、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜40重量部とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物と、その組成物を用いて押出成形を行う複合樹脂成形品の製造方法に関する。
このような成形品は、外観が木質調となり、ソフトな感触を与えるものであり、自動車の内装品や家庭電気製品の部品などとして広く使用されている。
従来、熱可塑性樹脂に木質材料を混入して複合樹脂組成物を作製し、この組成物を成形することによって、木質感のある成形品を得ようとする試みが種々行われてきた。
例えば、特許文献1には、スチレン系樹脂100重量部に対して、植物繊維粉体10〜400重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を圧縮成形などの成形法によって成形し、木質感のある成形品を得ることが記載されている。なお、この文献には、樹脂組成物を押出成形することも示唆されている。
また、特許文献2には、アクリル系樹脂100重量部に対して、木質系充填材10〜100重量部、焼石こう3〜80重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を押出成形などの成形法によって成形し、木質感のある成形品を得ることが記載されている。
しかし、木質材料を熱可塑性樹脂に対し上記のように高い割合で配合すると、得られた成形品の表面の外観悪化や強度低下を招くため、上記樹脂組成物の押出成形によって所期の木質感ある成形品を得ることは、実際上困難であった。
特開昭63−236571号公報 特開昭61−236858号公報
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたもので、熱可塑性樹脂に木粉を高い割合で含ませても、表面の外観悪化や強度低下等を招くことなく、木質感のある押出成形品を得ることが可能な押出成形用複合樹脂組成物と、この樹脂組成物を用いた複合樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、木質感のある成形品を得るに当たり、熱可塑性樹脂にα,β−不飽和カルボン酸系モノマーと重合開始剤を配合することによって、熱可塑性樹脂に木粉を高い割合で含ませても、表面の外観悪化や強度低下等を招くことなく、この樹脂組成物を押出成形して所期の成形品を得ることができるという知見に基づいて完成されたものである。
本発明の木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーと、植物系充填材と、重合開始剤とからなり、前記モノマーが、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜40重量部配合されて構成されていることによって特徴づけられる。なお、本明細書において、「木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物」を適宜「押出成形用複合樹脂組成物」と略記する場合がある。
本発明の押出成形用複合樹脂組成物において、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーの配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜40重量部である。
また、本発明の押出成形用複合樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
なお、本発明の押出成形用複合樹脂組成物には、所要量の滑剤を含有させておいてもよい。
本発明の複合樹脂成形品の製造方法は、上記構成の複合樹脂組成物を押出成形する方法である。
本発明の複合樹脂成形品の製造方法において、重合開始剤としては、10時間半減期温度が、押出機の押出温度に対して、押出温度−70℃<重合開始剤の10時間半減期温度<押出温度−10℃となる関係を有するものを用いるのが好ましい。
また、本発明の複合樹脂成形品の製造方法において、押出機の押出温度は好ましくは120〜180℃である。
本発明に使用される熱可塑性樹脂としては、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとの親和性が大きな樹脂である、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
また、ポリオレフィンの平均粒径(メジアン径)D50は160μm以上であることが好ましい。平均粒径が160μm未満であると、樹脂間の凝集力が大きくなり、押出成形性が低下する嫌いがある。
本発明において、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーの配合量は、熱可塑性樹脂(ポリオレフィン)100重量部に対して5〜40重量部である。この配合量が5重量部未満であると、熱可塑性樹脂(ポリオレフィン)を充分に可塑化できず、熱可塑性樹脂に植物系充填材を高い割合で含ませられないことがあり、逆に40重量部を越えると、組成物の粘度が低下しすぎ、成形品の表面性が悪くなる嫌いがある。
本発明に使用されるα,β−不飽和カルボン酸系モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミド等が挙げられ、好ましくは沸点が102℃以上のものである。沸点102℃未満のα,β−不飽和カルボン酸系モノマーは、押出成形時、揮発して成形品の表面性を低下させる嫌いがある。また、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとしては、押出成形温度以上の沸点を有するものを選ぶことが好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーの具体例としては、下記のものが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸等が例示される。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸−2−エトキシエチル等が例示される。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アリル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−(5−エチル−2−ピリジル)エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−シアノエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等が例示される。
α,β−不飽和カルボン酸アミドとしては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが例示される。
本発明において、植物系充填材の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して20〜400重量部が好ましい。この配合量が上記範囲内であれば、押出成形が可能となる。この配合量が20重量部未満であると、成形品に木質感がでず、400重量部を越えると押出成形性が低下することがある。100〜300重量部の配合量範囲は、成形性と木質感が容易に両立できるので、より好ましい。
本発明に使用される植物系充填材は、得られた成形品の外観が植物調となり、ソフトな感触を与えるもので植物からなる充填物であれば、その種類は特に制限されるものではないが、例えば、材木、木板、合板、パルプ、竹材などの切削屑、研摩屑、切断鋸屑、粉砕物のような木粉;籾殻、胡桃殻のような穀物ないしは果実の殻またはその粉砕物等が挙げられる。
また、一般に植物系充填材、例えば木粉には含有水分が存在し、成形品の表面性に影響を与える。押出成形温度が150℃以上では、植物系充填材中の含水率は10重量%以下であることが望ましく、押出成形温度が120〜150℃では、含水率は20重量%以下であることが望ましい。
本発明に使用される重合開始剤としては、加熱によりα,β−不飽和カルボン酸系モノマーの重合を引き起こすものであれば、いずれも使用可能であり、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、パーオキシジカーボネート系の重合開始剤が例示される。
重合開始剤としては、10時間半減期温度が60℃以上であるものがより好ましい。この半減期温度が60℃未満であると、押出成形時にα,β−不飽和カルボン酸系モノマーとしてのアクリル酸エステルモノマーが急速に硬化し、押出成形性が低下する場合がある。
重合開始剤の具体例は、下記のとおりである。
ケトンパーオキサイド系重合開始剤として、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタール系重合開始剤としては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(86.7℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(87.1℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90.0℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(90.7℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン(95.0℃)、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン(103.1℃)、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレイト(104.5℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(94.7℃)等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤として、ジ−t−ブチルパーオキサイド(123.7℃)等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド系重合開始剤として、ラウロイルパーオキサイド(61.6℃)、ステアロイルパーオキサイド(62.4℃)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド(52.8℃)、オクタノイルパーオキサイド(61.5℃)、ベンゾイルパーオキサイド(73.6℃)等が挙げられる。
パーオキシエステル系重合開始剤として、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(65.3℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(66.2℃)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(67.5℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(69.9℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(72.1℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(77.3℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(95.0℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(96.1℃)、t−ブチルパーオキシー3,5,5−トリメチルヘキサノエート(97.1℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(98.3℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン(98.5℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(98.7℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(99.0℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(99.4℃)、2,5−ジメチルー2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(99.7℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(101.9℃)、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート(104.3℃)、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。上記例示化合物において、()内の数字は10時間半減期温度を示す。
重合開始剤として、10時間半減期温度が、押出機の押出温度に対して、押出温度−70℃<重合開始剤の10時間半減期温度く押出温度−10℃となる関係を有するものを用いることは、硬化速度を制御し易いので、特に好ましい。
重合開始剤とα,β−不飽和カルボン酸系モノマーの組合わせ、および重合開始剤の配合割合は、押出温度と同じ温度条件でのゲルタイムテスター(「No.153式」、安田精機製作所製)による測定で、ゲル化時間が30〜600秒になるように決めるのが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物には、必要に応じて、公知の滑剤を含ませることもできる。その滑剤の例としては、 炭化水素系(流動パラフィン、 天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等)、脂肪酸系(ステアリン酸系等) 、脂肪酸アミド系(ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド等) 、エステル系(プチルアレート、 硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等) 、アルコール系(セチルアルコール、ステアリルアルコール等) 、金属石鹸系(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等) が挙げられる。
滑剤は、使用する樹脂種により異なるが、 外部滑性を強く示すものほど好ましい。その理由は、フィラーを高充填した熱可塑性複合材の押出成形では、 冷却成形時、 金型との抵抗が小さい方が、 成形性が格段に向上することによる。外部滑性を強く示す滑剤としては、例えば炭化水素系、 高級脂肪酸系、 金属石鹸系等が挙げられる。滑剤を添加する場合、その添加量は、 1〜25重量部が好ましい。1重量部に充たないと添加効果が明確にならず、 25重量部を越えると、 物性の低下が見られる。
本発明の複合樹脂組成物には、必要に応じて、公知の難燃剤を含ませることもできる。難燃剤の例としては、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、赤リン等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン、グアニジン塩等の無機系難燃剤;テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール等の反応型難燃剤等が挙げられる。
本発明の複合樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、大理石粉、石粉、金属粉、非植物系充填材等も配合することができる。
本発明の複合樹脂組成物には、必要に応じて、以下に示すような公知の発泡剤を添加することもでき、これにより、同組成物を押出しつつ発泡させたり、成形後、発泡させたりすることで、木質感を向上させることが可能となる。使用できる発泡剤としては、炭酸アンモニア、重炭酸ソーダ等の無機発泡剤;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタールアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’−ジスルホンヒドラジドフェニルスルホン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、ジエチルアゾジカルボキシレート等の有機系発泡剤が例示される。
本発明の複合樹脂組成物には、必要に応じて、発泡助剤の添加も可能である。本発明の複合樹脂組成物は、上記必須成分および任意付加成分を配合し、この配合物を均一になるように軽く攪伴し、得られた組成物を押出機に投入する。押出機への組成物の投入では、上記成分を混合してなる混合物を粉体状で投入してもよいし、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーを除く粉体状物をホッパーより投入し、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーをポンプで押出機の混練軸上に直接滴下してもよい。
押出機としては、一軸および二軸の何れの押出機も使用可能であるが、混練性の面から二軸タイプのものが好ましい。
押出機の押出成形温度は、好ましくは120〜180℃である。この温度が120℃未満であると本発明による複合樹脂組成物の押出成形ができず、180℃を越えると、植物系充填材が押出成形中に変色を起こし、表面性が低下し易い。
なお、本発明に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンのほか、スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂を構成するための原料モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロロスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン等のスチレン系モノマーが例示される。スチレン系樹脂はこれらモノマーの単独重合体または共重合体である。スチレン系樹脂は、また、これらと共重合可能なモノマーないしはポリマー(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、ポリブタジエン等)を上記スチレン系モノマーと共重合して得られる樹脂であってもよい。
スチレン系樹脂としては、コスト面からスチレンの単独重合体が好ましく、耐衝撃性ではスチレンモノマーにポリブタジエンをグラフト共重合させてなる耐衝撃性ポリスチレンが好ましい。また、平均粒径(メジアン径)D50が160μm以上であるスチレン系樹脂が好ましい。この平均粒径が160μm未満であると、樹脂間の凝集力が大きくなり、押出成形性が低下する嫌いがある。
アクリル系樹脂を構成するための原料モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。アクリル系樹脂はこれらモノマーの単独重合体または共重合体である。
アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチルの単独重合体がコスト面から好ましい。また、平均粒径(メジアン径)D50が160μm以上であるアクリル系樹脂が好ましい。この平均粒径が160μm未満であると、樹脂間の凝集力が大きくなり、押出成形性が低下する嫌いがある。
また、本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、上記した樹脂のほか、例えば、ポリアミドポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ABS、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイド、エチレン−酢ビ共重合体等の市販の熱可塑性樹脂が挙げられる。
以上説明したように、本発明の木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物は、反応性のモノマーであるα,β−不飽和カルボン酸系モノマーを所定量含むので、この樹脂組成物を押出機にて混練押出成形する際、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーを重合させながら反応押出成形することで、同モノマーの有する非常に大きい可塑化力により、熱可塑性樹脂に植物系充填材を多量含ませることが可能である。そのα,β−不飽和カルボン酸系モノマーの非常に大きい可塑化力は、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂との非常に大きい相溶性に由来する。
また、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーは、混練押出の初期には可塑剤として作用し押出機内で徐々に重合するので、成形品中ではモノマーの残量は微量となり、成形品表面へのブリードアウトや成形品の物性低下といった悪影響を与えない。
本発明の成形品の製造方法によれば、植物系充填材を多量含有させた、木質感のある複合樹脂成形品を容易に得ることができる。
<実施例1−1>
熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(日本ポリケム社製、「ノバテックPP」)100重量部、植物系充填材として、木粉(渡辺ケミカル社製、45メッシュ品)300重量部、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとして、メタクリル酸シクロヘキシル30重量部、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度105℃)0.1重量部以上を均一になるように攪拌し、得られた組成物を押出機ホッパーより押出機に投入した。
これを押出成形温度(バレル温度)150℃でシート状(幅150mm×厚み3mm)に押出した。
<実施例1−2>
滑剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学製、「SZ2000」)20重量部を加え、かつ、図1に示す断面形状の押出異形金型Mを用いて冷却賦形を行ったこと以外は、実施例1−1と同じとした。
<比較例1−1>
滑剤を添加しなかったこと以外は、実施例1−2と同じとした。
<成形品評価>
実施例1−1,1−2および比較例1−1の成形方法、ならびに得られた成形品に対し、以下の基準で評価を行った。その評価結果を下記の表1に示す。
・押出成形性と成形品の表面性
A;押出成形が可能で、表面は木質調
B;押出成形は可能であるが、表面は不良
C;押出成形が不可能であった
・成形品の残存モノマー量(重量%)=残存モノマー重量/加えたモノマー重量×100
・成形品の曲げ強度
JISK7055に準じて測定
Figure 2005002354
表1から明らかなように、実施例1−1,1−2で得られた成形品はいずれの項目においても良好な評価結果を示した。
<実施例2−1>
スチレン系樹脂として、ポリスチレン(旭化成社製、「スタイロンGPPS」)100重量部、植物系充填材として、木粉(渡辺ケミカル社製、45メッシュ品)300重量部、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとして、メタクリル酸シクロヘキシル30重量部、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度105℃)0.1重量部を均一になるように攪拌し、得られた組成物を押出機ホッパーより押出機に投入した。
これを押出成形温度(バレル温度)150℃でシート状(幅150mm×厚み3mm)に押出した。
<実施例2−2>
スチレン系樹脂として耐衝撃性ポリスチレン(旭化成社製、「スタイロンHIPS」)100重量部を用いたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−1>
木粉(渡辺ケミカル社製、45メッシュ品)の配合量を500重量部に変えた以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−2>
重合開始剤を用いなかったこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−3>
重合開始剤として、ラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度61.6℃)0.1重量部以上を用い、押出成形温度を100℃としたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−4>
重合開始剤として、クメンハイドロパーオキサイド(10時間半減期温度159℃)0.1重量部以上を用い、押出成形温度を200℃としたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−5>
重合開始剤として、クメンハイドロパーオキサイド(10時間半減期温度159℃)0.1重量部以上を用いたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−6>
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーおよび重合開始剤を用いず、滑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)5重量部を用いたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<比較例2−7>
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーおよび重合開始剤を用いず、滑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)30重量部を用いたこと以外は、実施例2−1と同じとした。
<成形品評価>
実施例2−1,2−2および比較例2−1〜2−7の成形方法、ならびに得られた成形品に対し、以下の基準で評価を行った。その評価結果を下記の表2に示す。
・押出成形性と成形品の表面性
A;押出成形が可能で、表面は木質調
B;押出成形は可能であるが、表面は不良
C;押出成形が不可能であった
・成形品の残存モノマー量(重量%)=残存モノマー重量/加えたモノマー重量×100
・成形品の曲げ強度
JISK7055に準じて測定
Figure 2005002354
表2から明らかなように、実施例2−1,2−2で得られた成形品はいずれの項目においても良好な評価結果を示した。
<実施例3−1>
アクリル系樹脂として、ポリメタクリル酸メチル(住友化学社製、「LG6」)100重量部、植物系充填材として、木粉(渡辺ケミカル社製、45メッシュ品)300重量部、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーとして、メタクリル酸シクロヘキシル30重量部、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度105℃)0.1重量部を均一になるように攪拌し、得られた組成物を押出機ホッパーより押出機に投入した。
これを押出成形温度(バレル温度)150℃でシート状(幅150mm×厚み3mm)に押出した。
<実施例3−2>
アクリル系樹脂としてポリメタクリル酸メチル(住友化学社製、「HT22X」)100重量部を用いたこと以外は、実施例3−1と同じとした。
<比較例3−1>
木粉(渡辺ケミカル社製、 45メッシュ品)の配合量を500重量部に変えたこと以外は、実施例3−1と同じとした。
<比較例3−2>
重合開始剤を用いなかったこと以外は、実施例3−1と同じとした。
<比較例3−3>
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーおよび重合開始剤を用いず、滑剤として、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)5重量部を用いた以外は、実施例3−1と同じとした。
<比較例3−4>
α,β−不飽和カルボン酸系モノマーおよび重合開始剤を用いず、滑剤として、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)30重量部を用いたこと以外は、実施例3−1と同じとした。
<成形品評価>
実施例3−1,3−2および比較例3−1〜3−4の成形方法、ならびに得られた成形品に対し、以下の基準で評価を行った。その評価結果を下記の表3に示す。
・押出成形性と成形品の表面性
A;押出成形が可能で、表面は木質調
B;押出成形は可能であるが、表面は不良
C;押出成形が不可能であった
・成形品の残存モノマー量(重量%)=残存モノマー重量/加えたモノマー重量×100
・成形品の曲げ強度
JISK7055に準じて測定
Figure 2005002354
表3から明らかなように、実施例3−1,3−2で得られた成形品はいずれの項目においても良好な評価結果を示した。
外観が木質調でソフトな感触を与える複合樹脂成形品は、自動車の内装品や家庭電気製品の部品などとして広く使用される。また、製造方法に係る本発明により、そのような複合樹脂成形品が押出成形により容易に得られる。
本発明の実施例1−2で用いた押出異形金型の断面形状を模式的に示す図である。
符号の説明
M 押出異形金型

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸系モノマーと、植物系充填材と、重合開始剤とからなり、前記モノマーが、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜40重量部配合されてなる、木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1記載の木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物。
  3. ポリオレフィンがポリプロピレンであることを特徴とする請求項2記載の木質感のある成形品を得ることのできる押出成形用複合樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の木質感のある成形品を得ることのできる複合樹脂組成物を押出成形する成形品の製造方法。
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