JP3774326B2 - 熱可塑性複合材料成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性複合材料成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術分野】
一般に、熱可塑性樹脂に充填材を複合化した熱可塑性複合材料は、充填材の配合量の増大に伴って、射出成形や押出成形等の成形性や得られる成形体の物性が低下することが知られている。これに対して、特開平8−20690号公報には、高流動性のマトリックス樹脂を使用して充填材の高充填化を図ろうとする提案がなされている。しかしながら、この方法では充填材の配合量に限界があり、熱可塑性樹脂本来の成形性や成形体の物性を維持しながら、より高充填化することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その目的は、熱可塑性樹脂本来の成形性や成形体の物性を維持しながら、充填材をより高充填化することが可能な熱可塑性複合材料成形体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性複合材料成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を予め加熱混練することにより、前記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を、数平均分子量1万以下、かつ下記式(1)に示される硬化度が90%以上の重合成分として含有する複合材料を得た後、該複合材料を溶融成形することを特徴とする。
式(1) 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモノマー(c)の量)〕×100
【0005】
本発明で用いられる複合材料は、熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を加熱混練することにより得られる。
【0006】
上記熱可塑性樹脂(a)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、エチレン・酢酸ビニル共重合体等、汎用の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0007】
これらの中で、後述のα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)との親和性が、より大きなポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体等が好ましい。
【0008】
上記熱可塑性樹脂(a)の形状は、粉末状又はペレット状のいずれでも使用可能であるが、平均粒径160μm以上のものが好ましい。
平均粒径が160μmより小さくなると樹脂間の凝集力が大きくなり、充填材の充填量が低下する。
【0009】
上記充填材(b)としては、例えば、水酸化アルミニウム、エトリンガイト、ケイ砂、ホウ砂、アルミナ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、マイカ、フライアッシュ、ケイ酸カルシウム、雲母、二酸化モリブデン、滑石、ガラス繊維、ガラスビーズ、酸化チタン、アスベスト、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、クレー、ドロマイト、カルシウム・アルミネート水和物、鉄粉等の金属粉などの無機充填材が挙げられる。
【0010】
また、上記充填材(b)としては、上述の無機充填材以外に、木片、籾殻等の粉砕品、切削品、粉体など、植物繊維の粉砕物も使用可能である。
上記充填材(b)は、必要に応じて、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0011】
上記充填材(b)の粒径は、1〜100μmが好ましい。
粒径が、1μm未満では成形加工性が低下し、100μmを超えると成形体の表面性が低下する。
【0012】
上記複合材料中における充填材の充填量は、50〜80容積%が好ましい。
充填量が、50容積%未満では充填材の複合化効果が得られ難く、80容積%を超えると成形加工性が低下する。
【0013】
上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)としては、例えば、熱可塑性樹脂と親和性の高い、α,β−不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が用いられる。
【0014】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0015】
上記アクリル酸エステルとしては、例えば、イタコン酸、アクリルアミド、アクリル酸アリル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−(5−エチル2−ピリジル)エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、β−ハイドロキシエチルアクリレート、ハイドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
【0016】
上記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−エトキシエチル等が挙げられる。
【0017】
上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0018】
上記複合材料中におけるα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)の添加量は、熱可塑性樹脂(a)100重量部に対して1〜40重量部が好ましい。
添加量が、1重量部より少なくなると熱可塑性樹脂(a)を十分に可塑化できず、40重量部より多くなると複合材料の溶融粘度が低下して、成形体の表面性が低下する。
【0019】
本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を予め加熱混練することにより、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を数平均分子量1万以下、かつ硬化度90%以上の重合成分として含有する複合材料を得る。
上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)重合成分の数平均分子量が、1万を超えると溶融混練された複合材料を溶融成形する際に成形性が悪くなり、硬化度が90%より小さくなると成形体の物性が低下する。
【0020】
ここでいう硬化度は、以下の計算式(1)によって得られる値である。
式(1) 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモノマー(c)の量)〕×100
上記残留するモノマー(c)の重量は、以下の方法で測定される。試料1.0g程度をアセトンでメスアップし3時間放置後、アセトン溶液を0.2μmのフィルターでろ過し、ガスクロマトグラフィーによりアセトン溶液中のモノマー量を測定する。
【0021】
上記複合材料を得る際に、必要に応じて、重合開始剤が使用されてもよい。
上記重合開始剤としては、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を加熱によって重合開始させるものであれば、特に制限はなく、例えば、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジポネート系、パーオキシエステル系等の重合開始剤が挙げられる。
【0022】
これらの中で、10時間半減期温度60℃以上のものが好ましい。
10時間半減期温度が60℃未満であると、例えば押出成形時にアクリル酸エステルモノマーが急速に硬化して押出成形性が低下することがある。
【0023】
上記重合開始剤の具体例としては、例えば、メチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルオパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベゾエート、2,5−ジメチル2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシm−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,4,4−トリメチルペンチル2−ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0024】
上記重合開始剤の中でも、より好ましくは、10時間半減期温度が押出成形温度tに対して、(t−70℃)<10時間半減期温度<(t−10℃)なる関係にあるものを使用することである。このような10時間半減期温度の重合開始剤を使用しなければ、硬化速度を制御できない場合がある。
【0025】
また、上記重合開始剤とα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)との組み合わせや配合割合は、押出成形温度と同じ条件でゲルタイムテスター(例えば、YASUDA SEIKI SEISAKUSYO製「No.153式」)による測定で、ゲル時間30〜600秒に調整することが好ましい。
【0026】
上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を、数平均分子量1万以下、硬化度90%以上の重合成分とするには、該モノマー(c)の重合速度を向上させればよいが、モノマー(c)の種類や硬化剤の種類によって重合速度が異なるため、使用量の数値限定はできないが、一般的には以下の方法が採用される。
(イ)モノマー(c)に対して重合開始剤の量を増やす。
(ロ)単官能のモノマー(c)と多官能のモノマー(c)とを併用する。
(ハ)メタクリル酸系よりアクリル酸系のモノマー(c)を用いる。
(ニ)多官能のモノマー(c)を用いる。
(ホ)高温で重合を行う。
【0027】
上記複合材料には、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;可塑剤、滑剤、発泡剤等の添加剤が添加されてもよい。
【0028】
上記複合材料は、熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を加熱混練することにより得られる。
加熱混練には、従来の加熱混練ニーダー等市販の混練機が用いられるが、成形性の点から汎用の押出機を用いて押出混練することが好ましい。
【0029】
押出機への供給方法としては、予め熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を混練した組成物を粉体状でホッパーより投入してもよく、最初に熱可塑性樹脂(a)及び充填材(b)を粉体状でホッパーより投入した後、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)をポンプで押出機の混練軸上に直接滴下してもよい。
押出機は、1軸又は2軸のいずれのタイプも使用可能であるが、混練性の面から2軸タイプが好ましい。
【0030】
上記押出機で加熱混練された複合材料はペレット状で得ることが好ましい。
ペレット状の複合材料を使用することによって、成形体を溶融成形する際の取扱い性が優れる。
【0031】
本発明での製造方法では、上記複合材料を溶融成形することによって成形体を製造する。ここでいう溶融成形とは、複合材料を加熱溶融し、所定の形状に賦形した後又は賦形しながら固化し、成形体を得る方法であり、例えば、ロール成形、圧縮成形、射出成形、押出成形、粉末成形、真空成形、圧空成形等の成形方法が用いられる。これらの成形方法の中で、一定断面形状の成形体を連続して製造する場合は押出成形が好ましく、容器等の3次元形状の成形体を製造する場合は射出成形が好ましい。
【0032】
【作用】
熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を加熱混練して、該モノマー(c)を数平均分子量1万以下、硬化度90%以上となるように重合する過程で、該モノマー(c)が熱可塑性樹脂(a)を可塑化するため充填材(b)との複合化が容易になり、熱可塑性樹脂(a)と充填材(b)との界面での親和性が向上する。即ち、充填材(b)の分散性が良好なため、充填材(b)を高充填化しても急激な物性低下は起こり難い。また、硬化したα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)は、非常に低分子量の状態で複合材料中に存在するため、この複合材料を使って射出成形や押出成形のような溶融成形を容易に行うことができる。
さらに、複合材料において、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)は可塑剤として働くが、汎用の可塑剤よりも高分子量に重合しているため、成形体からブリードアウトし難く、それほど高分子量化していないため、充填材(b)を高充填化しても可塑性を保持しており成形性に優れる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施例について述べる。
【0034】
(実施例1)
熱可塑性樹脂(a)としてポリプロピレン(日本ポリケム社製「ノバテックPP」)100重量部、充填材(b)として水酸化アルミニウム(住友化学社製「CW308」)400重量部(約65容積%)、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)としてメタクリル酸シクロヘキシル20重量部、及び、重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド2重量部からなる組成物を、2軸同方向押出機で190℃で押出混練してペレット状の複合材料を得た。
このペレット状の複合材料を、シリンダ温度190℃、金型温度80℃の条件で、400mm×400mm×3mmの金型を使用して、射出圧力1500kg/cm2 で射出成形して、板状のサンプル(成形体)を得た。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様のペレット状の複合材料を、シリンダ温度190℃に設定した1軸押出機に供給して、200mm×3mmの断面形状を有する賦形金型から押出成形し、板状のサンプル(成形体)を得た。
【0036】
(実施例3)
熱可塑性樹脂(a)として、ポリプロピレンに代えて、アクリル系樹脂としてポリメタクリル酸メチル(住友化学社製「スミペックLG6」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル(成形体)を得た。
【0037】
(比較例1)
水酸化アルミニウムの使用量を2000重量部(約91容積%)としたこと以外は、実施例1と同様にして複合材料を得ようとしたが、トルクオーバーになって複合材料は得られなかった。
【0038】
(比較例2)
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)及び重合開始剤を全く使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル(成形体)を得ようとしたが、溶融成形性が悪くサンプルは得られなかった。
【0039】
(比較例3)
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)及び重合開始剤を全く使用せず、水酸化アルミニウムの使用量を50重量部(約30容積%)としたこと以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル(成形体)を得た。
【0040】
(比較例4)
クメンハイドロパーオキサイドの使用量を0.01重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル(成形体)を得た。
【0041】
上記板状のサンプルの成形時及び得られたサンプルについて、下記項目の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0042】
(1)加熱混練性
ペレット状の複合材料を得る際の加熱混練性を以下の基準で評価した。
・加熱混練性が良好でペレットが得られものを○
・トルクオーバーが起こりペレットが得られなかったものを×
で示した。
【0043】
(2)溶融成形性
複合材料から板状のサンプルを得る際の溶融成形を以下の基準で評価した。
・板状のサンプルを寸法精度よく溶融成形できたものを○
・板状のサンプルを寸法精度よく又は全く溶融成形できなかったものを×
で示した。
【0044】
(3)成形体の硬化度
添加したα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)の量と加熱混練後に残留するモノマー(c)の量から、下記式(1)により算出した。
式(1) 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモノマー(c)の量)〕×100
【0045】
(4)シャルピー衝撃強度
上記サンプルにつき、JIS K 7111に準拠してシャルピー衝撃強度を測定して、熱可塑性複合材料成形体の強度を評価した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性複合材料成形体の製造方法は、上述の通りであり、熱可塑性樹脂の成形性や成形体の物性を損なうことなく、充填材をより高充填化した成形体を提供する。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を予め加熱混練することにより、前記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を、数平均分子量1万以下、かつ下記式(1)に示される硬化度が90%以上の重合成分として含有する複合材料を得た後、該複合材料を溶融成形することを特徴とする熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
式(1) 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモノマー(c)の量)〕×100 - 上記複合材料中に含まれる充填材の量が50〜80容積%であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
- 上記溶融成形が射出成形又は押出成形であることを特徴とする請求項1記載又は2記載の熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
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