JP2000119534A - 熱可塑性複合材料成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性複合材料成形体の製造方法

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JP2000119534A JP10296818A JP29681898A JP2000119534A JP 2000119534 A JP2000119534 A JP 2000119534A JP 10296818 A JP10296818 A JP 10296818A JP 29681898 A JP29681898 A JP 29681898A JP 2000119534 A JP2000119534 A JP 2000119534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性や成形体の物性を維持しながら、充填
材をより高充填化することが可能な熱可塑性複合材料成
形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及び
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組
成物を予め加熱混練することにより、前記α,β−不飽
和カルボン酸系モノマー(c)の重合成分を含有する複
合材料を得た後、該複合材料を溶融成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性複合材料
成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術野】一般に、熱可塑性樹脂に充填材を複合
化した熱可塑性複合材料は、充填材の配合量の増大に伴
って、射出成形や押出成形等の成形性や得られる成形体
の物性が低下することが知られている。これに対して、
特開平8−20690号公報には、高流動性のマトリッ
クス樹脂を使用して充填材の高充填化を図ろうとする提
案がなされている。しかしながら、この方法では充填材
の配合量に限界があり、熱可塑性樹脂本来の成形性や成
形体の物性を維持しながら、より高充填化することは困
難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するものであり、その目的は、熱可塑性樹脂本来
の成形性や成形体の物性を維持しながら、充填材をより
高充填化することが可能な熱可塑性複合材料成形体の製
造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性複合材
料成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂(a)、充填材
(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)
からなる組成物を予め加熱混練することにより、前記
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を、数平均
分子量1万以下、かつ硬化度90%以上の重合成分とし
て含有する複合材料を得た後、該複合材料を溶融成形す
ることを特徴とする。
【0005】本発明で用いられる複合材料は、熱可塑性
樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン
酸系モノマー(c)からなる組成物を加熱混練すること
により得られる。
【0006】上記熱可塑性樹脂(a)としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
アセタール、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹
脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、AB
S樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体等、汎用の熱可塑性樹脂が
挙げられる。
【0007】これらの中で、後述のα,β−不飽和カル
ボン酸系モノマー(c)との親和性が、より大きなポリ
プロピレン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体等が好ましい。
【0008】上記熱可塑性樹脂(a)の形状は、粉末状
又はペレット状のいずれでも使用可能であるが、平均粒
径160μm以上のものが好ましい。平均粒径が160
μmより小さくなると樹脂間の凝集力が大きくなり、充
填材の充填量が低下する。
【0009】上記充填材(b)としては、例えば、水酸
化アルミニウム、エトリンガイト、ケイ砂、ホウ砂、ア
ルミナ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ、
水酸化マグネシウム、マイカ、フライアッシュ、ケイ酸
カルシウム、雲母、二酸化モリブデン、滑石、ガラス繊
維、ガラスビーズ、酸化チタン、アスベスト、酸化マグ
ネシウム、硫酸バリウム、クレー、ドロマイト、カルシ
ウム・アルミネート水和物、鉄粉等の金属粉などの無機
充填材が挙げられる。
【0010】また、上記充填材(b)としては、上述の
無機充填材以外に、木片、籾殻等の粉砕品、切削品、粉
体など、植物繊維の粉砕物も使用可能である。上記充填
材(b)は、必要に応じて、シランカップリング剤やチ
タンカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0011】上記充填材(b)の粒径は、1〜100μ
mが好ましい。粒径が、1μm未満では成形加工性が低
下し、100μmを超えると成形体の表面性が低下す
る。
【0012】上記複合材料中における充填材の充填量
は、50〜80容積%が好ましい。充填量が、50容積
%未満では充填材の複合化効果が得られ難く、80容積
%を超えると成形加工性が低下する。
【0013】上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)としては、例えば、熱可塑性樹脂と親和性の高
い、α,β−不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等が用いられる。
【0014】上記α,β−不飽和カルボン酸としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0015】上記アクリル酸エステルとしては、例え
ば、イタコン酸、アクリルアミド、アクリル酸アリル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−(5−エチル2
−ピリジル)エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、ア
クリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、N−メチロールアク
リルアミド、グリシジルアクリレート、β−ハイドロキ
シエチルアクリレート、ハイドロキシプロピルアクリレ
ート等が挙げられる。
【0016】上記メタクリル酸エステルとしては、例え
ば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライ
ド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル
酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、
メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコー
ル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタク
リル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,
3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,6−ヘキ
サンジオール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパ
ン、メタクリル酸2−エトキシエチル等が挙げられる。
【0017】上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
【0018】上記複合材料中におけるα,β−不飽和カ
ルボン酸系モノマー(c)の添加量は、熱可塑性樹脂
(a)100重量部に対して1〜40重量部が好まし
い。添加量が、1重量部より少なくなると熱可塑性樹脂
(a)を十分に可塑化できず、40重量部より多くなる
と複合材料の溶融粘度が低下して、成形体の表面性が低
下する。
【0019】本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂
(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系
モノマー(c)からなる組成物を予め加熱混練すること
により、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を
数平均分子量1万以下、かつ硬化度90%以上の重合成
分として含有する複合材料を得る。上記α,β−不飽和
カルボン酸系モノマー(c)重合成分の数平均分子量
が、1万を超えると溶融混練された複合材料を溶融成形
する際に成形性が悪くなり、硬化度が90%より小さく
なると成形体の物性が低下する。
【0020】ここでいう硬化度は、以下の計算式によっ
て得られる値である。 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱
混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモ
ノマー(c)の量)〕×100 上記残留するモノマー(c)の量は、以下の方法で測定
される。試料1.0g程度をアセトンでメスアップし3
時間放置後、アセトン溶液を0.2μmのフィルターで
ろ過し、ガスクロマトグラフィーによりアセトン溶液中
のモノマー量を測定する。
【0021】上記複合材料を得る際に、必要に応じて、
重合開始剤が使用されてもよい。上記重合開始剤として
は、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)を加熱
によって重合開始させるものであれば、特に制限はな
く、例えば、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタ
ール系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオ
キサイド系、パーオキシジポネート系、パーオキシエス
テル系等の重合開始剤が挙げられる。
【0022】これらの中で、10時間半減期温度60℃
以上のものが好ましい。10時間半減期温度が60℃未
満であると、例えば押出成形時にアクリル酸エステルモ
ノマーが急速に硬化して押出成形性が低下することがあ
る。
【0023】上記重合開始剤の具体例としては、例え
ば、メチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス
(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブ
チル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ステアロイルパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルオパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート、2,5−ジメチル2,5−ビス(2−エチルヘキ
サノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル1
−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキ
シマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリ
メチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、2,5−ジメチル2,5−ビス(m−トルオイルパ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチル
ヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベ
ゾエート、2,5−ジメチル2,5−ビス(ベンゾイル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシm−トルオイルベンゾエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,4,4−
トリメチルペンチル2−ハイドロパーオキサイド等が挙
げられる。
【0024】上記重合開始剤の中でも、より好ましく
は、10時間半減期温度が押出成形温度tに対して、
(t−70℃)<10時間半減期温度<(t−10℃)
なる関係にあるものを使用することである。このような
10時間半減期温度の重合開始剤を使用しなければ、硬
化速度を制御できない場合がある。
【0025】また、上記重合開始剤とα,β−不飽和カ
ルボン酸系モノマー(c)との組み合わせや配合割合
は、押出成形温度と同じ条件でゲルタイムテスター(例
えば、YASUDA SEIKI SEISAKUSY
O製「No.153式」)による測定で、ゲル時間30
〜600秒に調整することが好ましい。
【0026】上記α,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)を、数平均分子量1万以下、硬化度90%以上の
重合成分とするには、該モノマー(c)の重合速度を向
上させればよいが、モノマー(c)の種類や硬化剤の種
類によって重合速度が異なるため、使用量の数値限定は
できないが、一般的には以下の方法が採用される。 (イ)モノマー(c)に対して重合開始剤の量を増や
す。 (ロ)単官能のモノマー(c)と多官能のモノマー
(c)とを併用する。 (ハ)メタクリル酸系よりアクリル酸系のモノマー
(c)を用いる。 (ニ)多官能のモノマー(c)を用いる。 (ホ)高温で重合を行う。
【0027】上記複合材料には、必要に応じて、ガラス
繊維、炭素繊維等の補強材;可塑剤、滑剤、発泡剤等の
添加剤が添加されてもよい。
【0028】上記複合材料は、熱可塑性樹脂(a)、充
填材(b)及びα,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)からなる組成物を加熱混練することにより得られ
る。加熱混練には、従来の加熱混練ニーダー等市販の混
練機が用いられるが、成形性の点から汎用の押出機を用
いて押出混練することが好ましい。
【0029】押出機への供給方法としては、予め熱可塑
性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β−不飽和カルボ
ン酸系モノマー(c)を混練した組成物を粉体状でホッ
パーより投入してもよく、最初に熱可塑性樹脂(a)及
び充填材(b)を粉体状でホッパーより投入した後、
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)をポンプで
押出機の混練軸上に直接滴下してもよい。押出機は、1
軸又は2軸のいずれのタイプも使用可能であるが、混練
性の面から2軸タイプが好ましい。
【0030】上記押出機で加熱混練された複合材料はペ
レット状で得ることが好ましい。ペレット状の複合材料
を使用することによって、成形体を溶融成形する際の取
扱い性が優れる。
【0031】本発明での製造方法では、上記複合材料を
溶融成形することによって成形体を製造する。ここでい
う溶融成形とは、複合材料を加熱溶融し、所定の形状に
賦形した後又は賦形しながら固化し、成形体を得る方法
であり、例えば、ロール成形、圧縮成形、射出成形、押
出成形、粉末成形、真空成形、圧空成形等の成形方法が
用いられる。これらの成形方法の中で、一定断面形状の
成形体を連続して製造する場合は押出成形が好ましく、
容器等の3次元形状の成形体を製造する場合は射出成形
が好ましい。
【0032】
【作用】熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及びα,β
−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組成物を
加熱混練して、該モノマー(c)を数平均分子量1万以
下、硬化度90%以上となるように重合する過程で、該
モノマー(c)が熱可塑性樹脂(a)を可塑化するため
充填材(b)との複合化が容易になり、熱可塑性樹脂
(a)と充填材(b)との界面での親和性が向上する。
即ち、充填材(b)の分散性が良好なため、充填材
(b)を高充填化しても急激な物性低下は起こり難い。
また、硬化したα,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)は、非常に低分子量の状態で複合材料中に存在す
るため、この複合材料を使って射出成形や押出成形のよ
うな溶融成形を容易に行うことができる。さらに、複合
材料において、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー
(c)は可塑剤として働くが、汎用の可塑剤よりも高分
子量に重合しているため、成形体からブリードアウトし
難く、それほど高分子量化していないため、充填材
(b)を高充填化しても可塑性を保持しており成形性に
優れる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施例に
ついて述べる。
【0034】(実施例1)熱可塑性樹脂(a)としてポ
リプロピレン(日本ポリケム社製「ノバテックPP」)
100重量部、充填材(b)として水酸化アルミニウム
(住友化学社製「CW308」)400重量部(約65
容積%)、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)
としてメタクリル酸シクロヘキシル20重量部、及び、
重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド2重量
部からなる組成物を、2軸同方向押出機で190℃で押
出混練してペレット状の複合材料を得た。このペレット
状の複合材料を、シリンダ温度190℃、金型温度80
℃の条件で、400mm×400mm×3mmの金型を
使用して、射出圧力1500kg/cm2 で射出成形し
て、板状のサンプル(成形体)を得た。
【0035】(実施例2)実施例1と同様のペレット状
の複合材料を、シリンダ温度190℃に設定した1軸押
出機に供給して、200mm×3mmの断面形状を有す
る賦形金型から押出成形し、板状のサンプル(成形体)
を得た。
【0036】(実施例3)熱可塑性樹脂(a)として、
ポリプロピレンに代えて、アクリル系樹脂としてポリメ
タクリル酸メチル(住友化学社製「スミペックLG
6」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして板
状のサンプル(成形体)を得た。
【0037】(比較例1)水酸化アルミニウムの使用量
を2000重量部(約91容積%)としたこと以外は、
実施例1と同様にして複合材料を得ようとしたが、トル
クオーバーになって複合材料は得られなかった。
【0038】(比較例2)α,β−不飽和カルボン酸系
モノマー(c)及び重合開始剤を全く使用しなかったこ
と以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル(成形
体)を得ようとしたが、溶融成形性が悪くサンプルは得
られなかった。
【0039】(比較例3)α,β−不飽和カルボン酸系
モノマー(c)及び重合開始剤を全く使用せず、水酸化
アルミニウムの使用量を50重量部(約30容積%)と
したこと以外は、実施例1と同様にして板状のサンプル
(成形体)を得た。
【0040】(比較例4)クメンハイドロパーオキサイ
ドの使用量を0.01重量部としたこと以外は、実施例
1と同様にして板状のサンプル(成形体)を得た。
【0041】上記板状のサンプルの成形時及び得られた
サンプルについて、下記項目の評価を行い、その結果を
表1に示した。
【0042】(1)加熱混練性 ペレット状の複合材料を得る際の加熱混練性を以下の基
準で評価した。 ・加熱混練性が良好でペレットが得られものを○ ・トルクオーバーが起こりペレットが得られなかったも
のを× で示した。
【0043】(2)溶融成形性 複合材料から板状のサンプルを得る際の溶融成形を以下
の基準で評価した。 ・板状のサンプルを寸法精度よく溶融成形できたものを
○ ・板状のサンプルを寸法精度よく又は全く溶融成形でき
なかったものを× で示した。
【0044】(3)成形体の硬化度 添加したα,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)の
量と加熱混練後に残留するモノマー(c)の量から、下
記式により算出した。 硬化度(%)=〔(添加したモノマー(c)の量−加熱
混練後に残留するモノマー(c)の量)/(添加したモ
ノマー(c)の量)〕×100
【0045】(4)シャルピー衝撃強度 上記サンプルにつき、JIS K 7111に準拠して
シャルピー衝撃強度を測定して、熱可塑性複合材料成形
体の強度を評価した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の熱可塑性複合材料成形体の製造
方法は、上述の通りであり、熱可塑性樹脂の成形性や成
形体の物性を損なうことなく、充填材をより高充填化し
た成形体を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 20/00 C08F 20/00 4J100 291/00 291/00 292/00 292/00 C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES CEY CEY C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 33/00 C08L 33/00 // B29K 33:00 101:12 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA15 AA20 AA22 AA24 AA26 AA33 AA40 AA46 AA50 AA51 AA54 AA63 AA77 AB17 AB21 AB24 AB26 AB28 AB30 AE17 BA01 BB03 BB04 BB05 BB06 4F206 AA10 AA11 AA13 AA21 AB04 AB11 AC01 AC04 AD06 JA07 JB21 JF01 JF05 JF06 JL03 JM01 JQ81 4F207 AA10 AA11 AA13 AA21 AB04 AB11 AC01 AC04 AD06 KA01 KB21 KF01 KJ05 KJ06 KK04 4J011 PA28 PA30 PA64 PA65 PA66 PA69 PA84 PA88 PA89 PA90 PA95 PA96 PA98 PC02 PC13 4J026 AA12 AA13 AA17 AA25 AA26 AA45 AB02 AB08 AB17 AB18 AB22 AB28 AB41 AC04 AC12 AC15 BA25 BA27 BA28 BA29 BA30 BA32 BA50 BB01 BB03 DB05 DB13 DB32 GA07 GA08 4J100 AJ02P AJ08P AL03P AL04P AL08P AL09P AL10P AL62P AL63P AM15P BC04P CA01 DA01 FA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(a)、充填材(b)及び
    α,β−不飽和カルボン酸系モノマー(c)からなる組
    成物を予め加熱混練することにより、前記α,β−不飽
    和カルボン酸系モノマー(c)を、数平均分子量1万以
    下、かつ硬化度90%以上の重合成分として含有する複
    合材料を得た後、該複合材料を溶融成形することを特徴
    とする熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記複合材料中に含まれる充填材の量が
    50〜80容積%であることを特徴とする請求項1記載
    の熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記溶融成形が射出成形又は押出成形で
    あることを特徴とする請求項1記載又は2記載の熱可塑
    性複合材料成形体の製造方法。
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