JP2004174721A - 木質系成形体及びその製造方法 - Google Patents

木質系成形体及びその製造方法 Download PDF

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JP2004174721A JP2002340068A JP2002340068A JP2004174721A JP 2004174721 A JP2004174721 A JP 2004174721A JP 2002340068 A JP2002340068 A JP 2002340068A JP 2002340068 A JP2002340068 A JP 2002340068A JP 2004174721 A JP2004174721 A JP 2004174721A
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Yutaka Nakane
豊 中根
Kohei Sato
耕平 佐藤
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Iris Ohyama Inc
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Abstract

【課題】木粉を高濃度に配合した木質系成形体の耐水性、耐候性を改良して屋外で長期使用できる木質系成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】押出成形によって成形された木粉を70〜95重量%含有する樹脂製の芯材部2の外面を押出成形で形成した樹脂製の被覆層3で覆う。被覆層3の外面に凹凸模様31を形成する。芯材部2と被覆層3を構成する樹脂は、共にポリプロピレンが好ましい。被覆層3は、芯材部2の外面が透けて見える光透過性であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質系成形体及びその製造方法に関し、特に、耐水性、耐候性に優れた木質系成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂に木粉を配合して天然の木に近い質感を有する木質系成形体を押出成形で成形することが行われている。木粉の配合量を多くすると押出成形の成形性に悪影響を与えるため、従来は65重量%より低い配合量で用いられていたが、本出願人は、木粉の有効利用の観点から、木粉を70〜95重量%と高濃度に配合した木質系成形体を押出成形により成形できることを次の先行技術で提案した。
【特許技術文献1】
特開2002−166462
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、木粉を樹脂に配合した木質系成形体は、木粉を配合しているために耐水性、耐候性が劣るという問題がある。そのため、屋外で使用する用途には、木質系成形体の表面を塗装することにより、耐水性、耐候性を高めて対処してきている。木粉を高濃度に配合した木質系成形体では、耐水性、耐候性が更に劣り、塗装をしても、屋外での長期使用に耐えられないものであった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、木粉を高濃度に配合した木質系成形体の耐水性、耐候性を改良して屋外で長期使用できる木質系成形体を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、耐水性、耐候性に優れ、屋外で長期使用できる木質系成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、押出成形によって成形された木粉を70〜95重量%含有する樹脂製の芯材部の外面を押出成形で形成した樹脂製の被覆層で覆うことにより、押出成形で形成した被覆層は塗装よりも厚く、例えば1mm以上の厚さで形成することができるため、耐水性、耐候性に優れ、屋外での長期使用に耐えられる木質系成形体を得ることができることを見い出した。
【0007】
被覆層は、透明性が良く、光沢があり、表面硬度が高く、加工性が良好なポリプロピレンを主成分とすることが好ましい。ポリプロピレンは、比較的耐候性に劣るため、耐候剤を0.1重量%以上配合することが好ましい。耐候剤として、紫外線吸収剤と光安定剤を併用することが有効である。被覆層は、芯材部の外表面が透けて見える光透過性とすることにより、芯材部の天然の木に近い質感を生かして木質系成形体に木質感を与えることができる。また、芯材部を構成する樹脂として、被覆層と同じポリプロピレンとすることにより、芯材部と被覆層の密着性が良好となる。芯材部は、木粉を高濃度で配合しているため、樹脂と木粉との相溶性を高める相溶化剤を配合することが好ましい。被覆層を構成するポリプロピレンのメルトインデックスを0.1〜20の範囲とすることにより、押出成形性が良好となる。また、被覆層は、質感を向上させるため、表面に凹凸模様を形成することが好ましい。また、被覆層にも木粉を配合することにより、木質感のある成形品を得ることができる。更に、中空状の芯材部の耐水性を確実にするため、芯材部の内面にも押出成形により内面被覆層を形成することが好ましい。
【0008】
このような木質系成形体は、コニカル型二軸押出機を用いて芯材部を押し出し成形し、この芯材部の外面に被覆層を押出成形で形成することにより成形することができる。芯材部を形成する成形原料樹脂は木粉が高配合されているため、例えば攪拌翼を有する混練機で樹脂と木粉とを混練し、攪拌熱で樹脂を熱溶融させる処理を行うことが好ましく、これによって得られる、木粉が成形用樹脂でコーティングされ相互に結合した不定形な粒状体を用いることが好ましい。
【0009】
従って、請求項1記載の発明は、押出成形によって成形された樹脂製の芯材部と、前記芯材部の外面を覆って押出成形された樹脂製の被覆層とを有し、前記芯材部が木粉を70〜95重量%含有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の木質系成形体において、前記被覆層が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の木質系成形体において、前記被覆層が、0.1重量%以上の耐候剤を含有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の木質系成形体において、前記耐候剤が、紫外線吸収剤と光安定剤とを含有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずれかに記載の木質系成形体において、前記被覆層が、前記芯材部の外面が透けて見える光透過性であることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5いずれかに記載の木質系成形体において、前記芯材部を構成する樹脂が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6いずれかに記載の木質系成形体において、前記被覆層の厚さが1mm以上あることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項2に記載の木質系成形体において、前記ポリプロピレンのメルトインデックスが0.1〜20であることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8いずれかに記載の木質系成形体において、前記芯材部が、相溶化剤を含有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9いずれかに記載の木質系成形体において、前記被覆層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10いずれかに記載の木質系成形体において、前記被覆層が、木粉を1〜65重量%含有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11いずれかに記載の木質系成形体において、中空状の前記芯材部の内面を覆って押出成形された樹脂製の内面被覆層を有することを特徴とする木質系成形体を提供する。
【0021】
請求項13記載の発明は、木粉を70〜95重量%含有する成形原料樹脂をコニカル型二軸押出機を用いて押し出し成形して芯材部を形成する芯材部形成工程と、前記芯材部の外面に被覆層を押出成形で形成する被覆層形成工程とを有することを特徴とする木質系成形体の製造方法を提供する。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の木質系成形体の製造方法において、前記成形原料樹脂が、木粉が成形用樹脂でコーティングされ相互に結合した不定形な粒状体であることを特徴とする木質系成形体の製造方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の木質系成形体及びその製造方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
本発明の木質系成形体は、上述したように、押出成形によって成形された樹脂製の芯材部と、芯材部の外面を覆って押出成形された樹脂製の被覆層とを有する少なくとも2層以上の層構造である。
【0025】
図1に、本発明の木質系成形体の一実施形態の斜視図を示す。この木質系成形体1は、四角筒状の中空部が中心を横断するリブによって2分割された構造の樹脂製の芯材部2を有する。芯材部2の外面は樹脂製の被覆層3で覆われている。芯材部2と被覆層3は、共に押出成形によって成形されている。被覆層3の外面には押出方向に沿って連続した凹凸模様31が形成されている。
【0026】
芯材部2を構成する樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を例示することができる。この中でも、ポリプロピレンが好ましい。成形性、耐寒性を向上させるため、ポリプロピレンにポリエチレン等を配合したり、ポリプロピレンと共重合させたものでも良い。樹脂成分の配合量は、木粉を高配合するため、5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。
【0027】
本発明においては、芯材部2は、木粉を70〜95重量%、好ましくは75〜90重量%含有する。木粉を高配合することにより、より天然の木に近い質感を有する木質系成形体とすることができる。また、木粉の有効利用の観点からもかかる高配合とする。
【0028】
木粉としては、木材の切削屑、研磨屑、切断屑、木材のチップの粉砕物などを利用することができる。木材の種類には制限がなく、例えばヒノキ、スギ、ツガ、マツなどの針葉樹、カツラ、クリ、ブナなどの広葉樹を用いることができる。その粒径は5〜600μmの範囲とすることが好ましい。
【0029】
木粉を高配合とするため、木粉と樹脂間の相溶性を高める相溶化剤を配合することが好ましい。相溶化剤として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィンを不飽和カルボン酸で変性した化学変性ポリオレフィンを例示することができる。相溶化剤の配合量は、0.1〜10重量%、特に1〜5重量%の範囲が好ましい。
【0030】
このように木粉を高配合した芯材部2は、耐水性、耐候性が悪く、通常の塗装を行っても屋外での使用に用いることが困難である。そのため、本発明においては、木粉を高配合している芯材部2の外面を被覆する被覆層3を押出成形で設け、芯材部2を保護し、耐水性、耐候性を高め、屋外での使用にも耐えるようにする機能を被覆層3に与えている。
【0031】
被覆層3を構成する樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を例示することができる。この中でも、透明性が良く、光沢があり、表面硬度が高く、加工性が良好なポリプロピレンを主成分とすることが好ましい。また、芯材部2を構成する樹脂の主成分をポリプロピレンとした場合は、芯材部2との密着性を良好にするため、同じくポリプロピレンを主成分とすることが好ましい。成形性、耐寒性を向上させるため、ポリプロピレンにポリエチレン等を配合したり、ポリプロピレンと共重合させたものでも良い。
【0032】
被覆層3として、木粉を高配合した天然の木に近い質感を有する芯材部2の外観を生かすために、芯材部2の外面が透けて見える程度の光透過性とすることが好ましい。そのため、樹脂成分として、透明性が良いポリプロピレンが好ましい。また、ポリプロピレンは無着色とすることが好ましいが、染料、顔料を配合しても差し支えない。
【0033】
被覆層3を構成するポリプロピレンのメルトインデックスは、押出成形性から、0.1〜20、好ましくは0.1〜10の範囲とすることが好ましい。また、ポリプロピレンは、比較的耐候性が劣る。光透過性とするため、無着色とする場合は、耐候剤を配合することが好ましい。耐候剤としては、紫外線吸収剤と光安定剤を併用することが一般的である。
【0034】
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して無害な熱エネルギーに変換するもので、例えばサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系などがある。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等を例示することができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール等を例示することができる。
【0035】
光安定剤は紫外線を吸収する能力はないが、ラジカルを捕捉するといわれている。ヒンダードアミン系が代表的であり、例えば商品名アデカスタブLA−77、LA−57、LA−52、LA−62、LA−67、LA−63、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87(いずれも旭電化工業株式会社製)を挙げることができる。
【0036】
耐候剤の配合量は、0.1〜1重量%、特に0.15〜0.5重量%の範囲が好ましい。配合量が少なすぎると配合の効果が得られない場合があり、配合量が多すぎると表面に析出する場合がある。
【0037】
被覆層3の厚さは、芯材部2を保護して屋外での使用に耐える耐水性、耐候性を付与できれば、特に制限はないが、通常は0.1mm〜100mm、好ましくは0.5〜20mm、特に好ましくは1〜20mmの範囲とすることが望ましい。
【0038】
被覆層3の表面には、図1に示したように、木質系成形体の質感を向上させるため、凹凸模様31を形成することが好ましい。平らな表面の被覆層3では、表面が光り、安っぽい外観となるおそれがある。凹凸模様31としては、図1に示したように、凹凸が押出方向に沿って凹凸がそのまま連続した形状のものが例示される。この形状は、被覆層3の押出時に、凹凸の形状のダイを通すことにより形成することができる。この凹凸模様31の凹部の底部には丸みを設けることが好ましい。凹部の底部が尖っていると、経時変化で割れるおそれがある。凹凸模様としては、その他に、砂を吹き付けるサンディング、エンボスロールによる型押しなどによって形成することができ、これらの2種以上を組み合わせて凹凸模様を形成しても良い。
【0039】
被覆層3には、耐候剤以外に、充填剤、顔料・染料等の着色剤、抗菌剤、防かび剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合することができる。充填剤として、木粉を用いることができる。木粉を被覆層3に配合することにより、木質感のある成形品を得ることができる。被覆層3における木粉の配合量は、1〜65重量%の範囲とすることができる。
【0040】
本発明の木質系成形体1は、図1に示した形状に限られるものではなく、例えば図2に示すように多種多様な形状な成形体とすることができる。例えば、図2(a)に示す木質系成形体1bは、円筒状の芯材部2の外面を被覆層3が覆っている二層構造である。図2(b)に示す木質系成形体1cは、丸棒状の芯材部2の外面を被覆層3が覆っている二層構造である。図2(c)に示す木質系成形体1dは、平板状の芯材部2の外面を被覆層3が覆っている二層構造である。図2(d)に示す木質系成形体1eは、断面凹状の異形品の芯材部2の外面を被覆層3が覆った二層構造である。
【0041】
図2(e)に示す木質系成形体1fは、四角筒状の芯材部2の外面を被覆層3が覆い、芯材部2の中空部の内面を内面被覆層4が覆っている三層構造を有する。内面被覆層4は、上記被覆層と同様の構成とすることができる。この木質系成形体1fは、芯材部2の外面が被覆層3で、内面が内面被覆層4で保護されているため、更に耐水性、耐候性に優れている。
【0042】
本発明の木質系成形体は、構造用材として、住宅用の建材、家具、インテリア、エクステリア等に用いることができる。とりわけ、耐水性、耐候性に優れ、屋外の使用にも耐えることができるため、例えば、物干し台、柵、門、電柱等の屋外の雨風に曝される用途にも使用することができる。
【0043】
次に、本発明の木質系成形体の製造方法について説明する。本発明の木質系成形体の製造方法は、上述したように、木粉を70〜95重量%含有する成形原料樹脂をコニカル型二軸押出機を用いて押し出し成形して芯材部を形成する芯材部形成工程と、芯材部の外面に被覆層を押出成形で形成する被覆層形成工程とを有する。
【0044】
芯材部を構成する成形原料樹脂の調製は、図3に示すように、例えば熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤等を上記配合量で回転翼を有するヘンシェルミキサー等の高速ミキサー101に投入し、混練し、100℃以上、好ましくは150℃以上の温度に攪拌エネルギーで加熱し、ゲル化させる。得られた混練物を回転円盤式ミキサー、リボン式ミキサー等のミキサー102で攪拌し、冷却し、木粉が成形用樹脂でコーティングされ相互に結合した不定形な平均8mm程度の粒径の粒状体を得る。この粒状体を粉砕機103で粉砕し、粒径が1〜10mm程度の成形原料樹脂の粒状体を得ることができる。このようにして得られた成形原料樹脂の粒状体は、木粉が成形用樹脂でコーティングされ相互に結合した不定形な粒状体である。
【0045】
芯材部形成工程では、原料の木粉の配合量が多く、樹脂の配合量が少なく流動性に乏しいため、通常の押出成形機では成形が困難であり、コニカル型異方向回転型押出機を用いることが好ましい。
【0046】
被覆層形成用の原料は、上述した樹脂のペレットと耐候剤等を含有するペレットとを押出機に供給し、溶融させて押し出す際に混合させることが好ましい。被覆層形成用の原料は、流動性が良好であるため、一軸押出機を用いることができる。
【0047】
木質系成形体の成形方法は、図4に示すように、一次押出成形機としてコニカル型異方向回転型押出機201を用いて芯材部2を押し出し、二次押出成形機として一軸押出機202を用いて芯材部2外面に溶融した被覆層形成原料301をダイに押し出して被覆して被覆層3を形成する。その際に、二次押出機202で被覆層3を被覆した直後に、ダイとして表面粗しリップ204を配置し、被覆層3の表面に押出方向に同一形状が連続した図1に示したような凹凸模様31を形成することができる。
【0048】
ダイの種類を変更することにより、図2(a)〜(d)に示した木質系成形体1b〜1eを成形することができる。図2(e)に示した3層構造の木質系成形体1fは、コニカル型異方向回転型押出機201を用いて芯材部を押し出すと共に、一軸押出機から被覆層を押し出し、金型内でこれらを溶着させることにより得ることができる。
<実験例1>
【0049】
芯材部の原料は、木粉80重量%、ポリプロピレン(PP)17重量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂3重量%を用いた。この原料をヘンシェルミキサーに投入し、混練し、攪拌して造粒物を得た。
【0050】
被覆層の原料は、ポリプロピレンに、耐候剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(アデカスタブLA36(旭電化工業株式会社製))3:ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA77(旭電化工業株式会社製))2の重量比で0.25重量%配合した。
【0051】
原料造粒物を、一次押出機としてシンシナティエクストルージョン社製の異方向コニカル型二軸押出機であるTITAN68を用い、図1に示した芯材部を押出成形し、二次押出機として通常の一軸押出機を用いて芯材部の外面に1mm厚の被覆層を形成して試験成形品を得た。
【0052】
この試験成形品と対照品としての被覆層を形成しない芯材部とに対して吸水試験を行った。吸水試験は、23℃の水を吸収したタオルを試験成形品と対照品に巻き付け24時間放置し、試験成形品と対照品の吸水率を測定した。
【0053】
その結果、試験成形品の吸水率は0.0重量%、対照品の吸水率は3.0重量%であった。
<実験例2>
【0054】
実験例1と同様の芯材部を成形し、実験例1と同様の材料と成形機で被覆層の厚さと耐候剤の配合量を変えて被覆層を形成して試験成形品を得た。試験成形品についてキセノンウェザオメーターで耐候性試験を行った。耐候性試験の試験時間は630時間(屋外暴露1年に相当する)、1260時間(屋外暴露2年に相当する)、1890時間(屋外暴露3年に相当する)とした。評価は、芯材部の色目を目視で判定し、○:色落ち無し、△:灰色化、×:白色化、である。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004174721
【0055】
試験結果から、被覆層の耐候剤の配合量にもよるが、被覆層の厚さを1mm以上とすることにより、耐候性が顕著に改良されることが認められる。また、耐候剤の配合量は、0.1重量%以上とすることが良いことが認められる。
<実験例3>
【0056】
実験例1の被覆層の樹脂を種々変更し、木粉80重量%、ポリプロピレン17重量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂3重量%を用いた芯材部との密着性を評価した。結果を表2に示す。評価は、○:剥離無し、△:指で引き剥がせる、×:何もしない状態で剥がれている、である。
【表2】
Figure 2004174721
【0057】
試験結果より、芯材部と被覆層の樹脂を共にポリプロピレンとすることにより、密着性に優れた2層成形品を得ることができることが認められる。
<実験例4>
【0058】
被覆層のポリプロピレンのメルトインデックスの異なる種類を使用して、実験例1と同様に試験成形品を成形し、メルトインデックスの違いによる成形性を評価した。評価は、○:被覆肉厚が均等である、△:冷却前に垂れが生じるため偏肉がやや発生する、×:冷却前に垂れが生じるため偏肉がかなり発生する、である。
【0059】
その結果、メルトインデックスが9のポリプロピレンの評価は○、メルトインデックスが20のポリプロピレンの評価は△、メルトインデックスが45のポリプロピレンの評価は×であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の木質系成形体は、木粉を高濃度に配合した芯材部を押し出しで形成された被覆層で覆うことにより、耐水性、耐候性を高め、屋外での使用が可能となった。
【0061】
また、本発明の木質系成形体の製造方法によれば、木粉を高濃度に配合しても耐水性、耐候性が良好で、屋外での使用が可能な木質成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質系成形体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(e)は、それぞれ本発明の木質系成形体の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の木質系成形体の芯材部の成形原料樹脂を調製する工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の木質系成形体の製造方法を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1: 木質系成形体
2: 芯材部
3: 被覆層
31: 凹凸模様

Claims (14)

  1. 押出成形によって成形された樹脂製の芯材部と、前記芯材部の外面を覆って押出成形された樹脂製の被覆層とを有し、前記芯材部が木粉を70〜95重量%含有することを特徴とする木質系成形体。
  2. 請求項1記載の木質系成形体において、
    前記被覆層が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする木質系成形体。
  3. 請求項1又は2記載の木質系成形体において、
    前記被覆層が、0.1重量%以上の耐候剤を含有することを特徴とする木質系成形体。
  4. 請求項3記載の木質系成形体において、
    前記耐候剤が、紫外線吸収剤と光安定剤とを含有することを特徴とする木質系成形体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記被覆層が、前記芯材部の外面が透けて見える光透過性であることを特徴とする木質系成形体。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記芯材部を構成する樹脂が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする木質系成形体。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記被覆層の厚さが1mm以上あることを特徴とする木質系成形体。
  8. 請求項2に記載の木質系成形体において、
    前記ポリプロピレンのメルトインデックスが0.1〜20であることを特徴とする木質系成形体。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記芯材部が、相溶化剤を含有することを特徴とする木質系成形体。
  10. 請求項1〜9いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記被覆層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする木質系成形体。
  11. 請求項1〜10いずれかに記載の木質系成形体において、
    前記被覆層が、木粉を1〜65重量%含有することを特徴とする木質系成形体。
  12. 請求項1〜11いずれかに記載の木質系成形体において、
    中空状の前記芯材部の内面を覆って押出成形された樹脂製の内面被覆層を有することを特徴とする木質系成形体。
  13. 木粉を70〜95重量%含有する成形原料樹脂をコニカル型二軸押出機を用いて押し出し成形して芯材部を形成する芯材部形成工程と、
    前記芯材部の外面に被覆層を押出成形で形成する被覆層形成工程と
    を有することを特徴とする木質系成形体の製造方法。
  14. 請求項13記載の木質系成形体の製造方法において、
    前記成形原料樹脂が、木粉が成形用樹脂でコーティングされ相互に結合した不定形な粒状体であることを特徴とする木質系成形体の製造方法。
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