JP2002326327A - 熱可塑性複合発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性複合発泡体の製造方法

Info

Publication number
JP2002326327A
JP2002326327A JP2001136306A JP2001136306A JP2002326327A JP 2002326327 A JP2002326327 A JP 2002326327A JP 2001136306 A JP2001136306 A JP 2001136306A JP 2001136306 A JP2001136306 A JP 2001136306A JP 2002326327 A JP2002326327 A JP 2002326327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
stretched
foam
melt film
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001136306A
Other languages
English (en)
Inventor
Masabumi Ishiyama
正文 石山
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Masashi Okabe
優志 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2001136306A priority Critical patent/JP2002326327A/ja
Publication of JP2002326327A publication Critical patent/JP2002326327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 延伸シートの継目や重なった部分で良好な表
面平滑性を有する複合発泡体を得ることができる複合発
泡体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ホットメルト用フィルム2 上に3枚の延
伸シート3 を同一方向に並列状に配置し、ホットメルト
用フィルム2 と3枚の延伸シート3 の重ね合わせ体7
を、ハンドプレス成形機4 を用いてホットメルト用フィ
ルムの融点以上、延伸シートの融点以下の温度で加熱す
ると同時に、3枚の延伸シート3 を所定の圧力でホット
メルト用フィルム2 に加圧する。こうして3枚の延伸シ
ート3 を一体化して、冷却し、幅広の延伸シート6 を得
る。次いで、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート1 の上
下両面に、上記幅広延伸シート6 を配置し、発泡体シー
ト1 とこれを挟む1対の幅広延伸シート6 からなるサン
ドイッチ体8 を、ハンドプレス成形機4 を用いて熱プレ
スし、複合発泡体5 を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂からな
る発泡体シートとポリオレフィン系樹脂延伸シートとを
積層して複合発泡体を得る複合発泡体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平6−134913号公報に
記載されているように、樹脂発泡体シートに熱可塑性樹
脂シートを積層するには、発泡体シートおよび樹脂シー
トを加熱した後、両者を低圧力で加圧し接合していた。
【0003】また、一方向に10倍以上に延伸されたシ
ートを製造する際、幅の広いシートを製造しようとする
と、均一な延伸が困難になる上に、大型のシート製造設
備が必要になる。そのため、最大でも200mm幅の延
伸シートしか得られない。したがって、幅広の発泡体シ
ートに延伸シートを積層するには、図3に示すように、
発泡体シート(1) の上下両面にホットメルト用フィルム
(2) を介して複数枚の延伸シート(3) を同一方向に並列
状に配置し、その後、全体をハンドプレス成形機(4) で
熱プレスして、複合発泡体(5) を得ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法で
は、発泡体シート(1) に延伸シート(3) を加圧する際
に、発泡体の圧縮ひずみが弾性領域の範囲内にある圧力
しかかけられないため、延伸シートの継目や重なった部
分では、積層体表面が平滑性に劣るものとなる。
【0005】また、平滑性を良くしようとして発泡体の
座屈点以上の圧力をかけると、発泡体の気泡が崩れ、複
合発泡体としての強度が落ちてしまう。
【0006】本発明は、上記の点に鑑み、延伸シートの
継目や重なった部分で良好な表面平滑性を有する複合発
泡体を得ることができる複合発泡体の製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく工夫されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂発泡体シートの少なくとも片面に、一方向に10〜4
0倍延伸されかつ5〜50GPaの引張弾性率を有する
ポリオレフィン系樹脂延伸シートを積層する熱可塑性複
合発泡体の製造方法において、ホットメルト用フィルム
上に延伸シートを配置し、ホットメルト用フィルムと延
伸シートの重ね合わせ体を、同フィルムの融点以上、延
伸シートの融点以下の温度で加熱し、延伸シートを所定
の圧力でホットメルト用フィルムに加圧し、得られた延
伸シートを発泡体シートに積層することを特徴とする複
合発泡体の製造方法である。
【0009】本発明の好ましい実施形態では、上記記載
の方法において、ホットメルト用フィルム上に複数枚の
延伸シートを同一方向に並列状に配置するかまたは少な
くとも2方向に交差状に配置し、ホットメルト用フィル
ムと複数枚の延伸シートの重ね合わせ体を、同フィルム
の融点以上、延伸シートの融点以下の温度で予め加熱
し、複数枚の延伸シートを所定の圧力でホットメルト用
フィルムに加圧することで一体状の幅広シートとし、そ
の後、得られた幅広延伸シートを発泡体シートに積層す
る。
【0010】本発明方法において、好ましいポリオレフ
ィン系樹脂発泡体シートは、内在するセルのアスペクト
比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、発泡
倍率が3〜30倍であり、圧縮弾性率が5MPa以上で
ある発泡体シートである。延伸シートをホットメルト用
フィルムに加圧する圧力は好ましくは10〜50MPa
である。
【0011】ホットメルト用フィルムとしては、70〜
130℃の融点を有するものが好ましい。
【0012】以下、本発明の構成要件について詳しい説
明をする。
【0013】本発明におけるポリオレフィン系樹脂の主
体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単
独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモ
ノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではな
いが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモ
タイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレ
ン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン
を主成分とする共重合体などが例示され、またこれらの
2以上の組合わせであってもよい。
【0014】本発明におけるポリオレフィン系樹脂の主
体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエチレ
ンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組みあわ
せが好ましい。
【0015】本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは
上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%である
樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポ
リオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例えば、ポ
リスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げられ
る。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割合が
70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴である軽
量、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばかり
か、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる
場合があるので好ましくない。
【0016】本明細書において用いられる用語「アスペ
クト比」は、熱可塑性樹脂発泡シート中の気泡における
定方向最大径の比の個数(算術)平均値であり、シート
厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz
/Dxyとして表される。
【0017】すなわち、図1に示すように、発泡体シー
ト(a) のシート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意
な断面(b) の10倍の拡大写真(c) をとり、この写真
(c) 中で無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡にお
ける下記の2つの定方向最大径(Dz,Dxy)を測
り、個数平均値を算出する。
【0018】Dz:発泡体シート中の気泡のz方向に平
行な最大径 Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅または長さ方
向、すなわちz方向に垂直な面方向(xy方向と呼ぶ)
に平行な最大径
【0019】ここで、「面内方向」とは、発泡体シート
のシート面内にあるいかなる方向(x−y方向とも呼
び)をも意味し、長さ方向、幅方向を含む。
【0020】本発明における発泡体のようにz方向に長
軸を有する紡錘形状の気泡を持つ発泡体は、z方向から
の圧力に対して、弾性変形領域内では高剛性を有するも
のとして機能するが、圧縮降伏応力を越える荷重ないし
は衝撃を及ぼすと、気泡が座屈し、それによって荷重や
衝撃のエネルギーを吸収するので、衝撃吸収材としても
機能する。
【0021】また圧縮強度および弾性率が大きくなるた
め、そのxy方向表面に高引張を有する面材を積層する
と、z方向の圧縮破壊が生じにくくなり、発泡体の曲げ
弾性率、曲げ強度が向上する。
【0022】本発明において発泡体のアスペクト比の平
均値は、1.1〜4.0、好ましくは1.3〜3.0で
ある。アスペクト比が1.1を下回ると、気泡がほぼ球
形となり、紡錘形状に起因する圧縮強度の向上が得られ
ず、結果として発泡体としての曲げ剛性が小さくなり、
衝撃吸収性が小さくなる。アスペクト比が4.0を超え
ると、圧縮降伏応力が高くなりすぎるため、気泡が座屈
しにくくなり、衝撃を弾性エネルギーとして蓄え、反発
してしまう。また、4.0を超えるアスペクト比を持つ
気泡の製造は、ポリオレフィン系樹脂に過度の変形を生
じさせるので、非常に困難になる。
【0023】本発明において発泡体の発泡倍率は3〜3
0倍である。発泡倍率が30倍を越えると、気泡壁の厚
みが薄くなり、圧縮強度が低下する。発泡倍率が3倍未
満であると、圧縮弾性率が高くなりすぎる上、コストが
高くなり実用的でない。
【0024】本発明における発泡体には、化学発泡によ
って得られるものと、物理発泡によって得られるものが
ある。
【0025】前者の発泡体は、加熱により分解ガスを発
生する熱分解型化学発泡剤を予めポリオレフィン系樹脂
組成物に分散させておき、得られた発泡性組成物を一旦
シート状の原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生
するガスにより発泡させることで製造されうる。熱分解
型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミ
ド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、
4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
等が挙げられる。化学発泡剤の添加量は樹脂組成物10
0重量部に対して好ましくは2〜20重量部である。
【0026】後者の発泡体は、高圧下でポリオレフィン
系樹脂組成物中に物理的発泡剤を一旦溶解し、次いで、
得られた発泡性組成物を常圧下に置いてガスを発生さ
せ、発泡させることで製造されうる。物理的発泡剤の例
としては、水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤等が挙げら
れる。
【0027】つぎに、本発明における発泡体の製造法に
ついて、説明をする。
【0028】本発明において発泡体を得る製造方法は特
に限定されないが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂
および変性用モノマーを溶融混和して変性ポリオレフィ
ンを得、変性ポリオレフィンにその100重量部に対し
てアゾジカルボンアミド等の熱分解型化学発泡剤を2〜
20重量部を分散させ、得られた発泡性樹脂組成物を一
旦シート状の原反に賦形した後、得られた発泡性シート
を熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して化学発
泡させる方法である。
【0029】本発明方法で用いる変性用モノマーは、ラ
ジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合
物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド
基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示
される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化
合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリ
ル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマ
ーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のよう
な、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物で
あってもよい。
【0030】上記のような樹脂変性方法をとることで、
成形された発泡性シート原反架橋度が低いにも拘らず、
これを常圧で発泡させることが可能となる。
【0031】ここでいう架橋度が低いとはゲル分率で2
5%以内の範囲である。
【0032】一般的にゲル分率の測定は、サンプルの初
期重量と120℃熱キシレン中で24時間で溶解させた
もののゲル分を乾燥させたサンプルとの重量比で表わ
す。
【0033】上記のように変性樹脂を用いて得られた発
泡性シートは、電子線で架橋させたシートや熱分解型化
学架橋剤で架橋させたシートに比べゲル分率が低いの
で、加熱による再溶融が可能となり、リサイクル性に優
れている。
【0034】シート状発泡性原反の賦形方法としては、
押出成型の他、プレス成型、ブロー成型、カレンダリン
グ成型、射出成型など、プラスチックの成型加工で一般
的に行われる方法が適用可能であるが、スクリュ押出機
より吐出する発泡性樹脂組成物を直後賦形する方法が生
産性の観点から好ましい。この方法では、一定寸法幅の
連続原反シートを得ることができる。
【0035】シート状原反の化学発泡は、通常、熱分解
型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温
度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置とし
ては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡さ
せる引き取り式発泡機の他、ベルト式発泡機、縦型また
は横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡
を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用
される。
【0036】上述の紡錘形気泡からなる発泡体、すなわ
ち、気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1
〜4.0である発泡体を得るには、発泡中の原反の面内
方向の発泡力を抑制しうる強度を有する面材を、発泡前
に原反の少なくとも片面に積層する。これは、発泡時に
面内の2次元方向の発泡を抑制することで、原反を厚み
方向にのみ発泡させることが可能となるからであり、結
果的に、発泡体の気泡はその長軸を厚み方向に配向した
紡錘形となるからである。この面材は、原反の発泡温
度、即ち、上記ポリオレフィン系樹脂の融点温度以上、
かつ熱分解型発泡剤の分解温度以上の環境に耐え得るも
のであればよく、例えば、紙、布、木材、鉄、非鉄金
属、不織布、寒冷紗、ガラス繊維、無機物繊維などから
適宜選ぶことができる。
【0037】面材として熱可塑性樹脂シートからなるも
のを用いることが好ましい。この場合、これをポリオレ
フィン系樹脂発泡体と熱融着させることも可能であり、
また、得られた発泡体は熱や圧力による賦形加工性に優
れたものである。
【0038】熱可塑性樹脂シートからなる面材とポリオ
レフィン系樹脂発泡体との積層方法も特に限定されな
い。大別すると、下記のような発泡前積層、発泡中積
層、発泡後積層が可能である。
【0039】発泡前積層:面材を原反に予め積層してお
くことで、前述の通り、本発明のようにz方向に長軸を
有する紡錘形状の気泡を持つ発泡体を製造することがで
きる。
【0040】発泡中積層:射出発泡等の成形用金型内面
に、面材を沿わせておき、その内側に発泡性樹脂を射出
し、金型内の圧力を下げたり、成形金型を厚み方向に拡
型させるなどして、同樹脂を厚み方向のみに発泡させる
ことにより、賦形された発泡体を一度で得る。
【0041】発泡後積層:ポリオレフィン系樹脂発泡体
を予め作成しておき、これに面材を積層する。
【0042】積層手段も特に限定されず、大別すると熱
融着と接着剤の使用とがある。面材をプライマーを介し
て発泡体と熱融着させることもできる。
【0043】つぎに、面材としてポリオレフィン系樹脂
延伸シートを用いる場合につき説明をする。
【0044】線膨張係数5.0×10-5/℃以下のポリ
オレフィン系樹脂延伸シートからなる面材を用いること
ができる。上記ポリオレフィン系樹脂延伸シート面材
は、単独で用いてよいが、上述して他の面材の上に積層
状に用いることもできる。また、他の面材として離型性
の良いテフロン(登録商標)シート等を原反に積層して
厚み方向への発泡を行った後、この面材を発泡体から剥
して、発泡体の剥離面に上記ポリオレフィン系樹脂延伸
シート面材を積層してもよい。
【0045】ポリオレフィン系樹脂延伸シートの線膨張
係数は、5×10-5(1/℃)以下、好ましくは3×1
-5(1/℃)以下、さらに好ましくは2×10-5(1
/℃)以下で、かつ−2×10-5(1/℃)以上であ
る。ここで線膨張係数とは、物質の寸法が温度によって
膨張していく割合を示す尺度である。線膨張係数の測定
方法としては、TMA(機械分析)により、昇温中の物
質の寸法を精密に測定する方法があるが、本発明におい
ては、後述の実施例で示すように、5℃および80℃に
おける寸法の差から簡易的に計算したものを線膨張係数
とする。
【0046】ポリオレフィン系樹脂延伸シートは特に限
定されないが、一般にポリオレフィン系樹脂シートの線
膨張係数は5×10-5(1/℃)よりも大きいので、こ
れに延伸または圧延等の処理を施して線膨張係数を5×
10-5(1/℃)以下にしたポリオレフィン系樹脂延伸
シートが用いられる。このような処理を施したポリオレ
フィン系樹脂延伸シートでは、延伸倍率を大きくするほ
ど線膨張係数が低下する。
【0047】本発明における発泡体の発泡体自体は、お
およそ5×10-5〜15×10- 5(1/℃)の線膨張係
数を示すが、発泡体の少なくとも片面に上記面材を積層
することにより、熱伸縮が抑えられ、結果として線膨張
係数が小さい発泡体が得られる。
【0048】また、ポリオレフィン系樹脂延伸シート
は、その線膨張係数を低下させるために延伸倍率を大き
くしたものであるので、延伸方向の引張強度や引張弾性
率も大きくなる。そのため、これをポリオレフィン系樹
脂発泡体に積層させることにより、得られた発泡体の曲
げ剛性や曲げ強度を飛躍的に向上することができる。
【0049】ポリオレフィン系樹脂延伸シートは、線膨
張係数が5×10-5(1/℃)を超えると、熱伸縮が大
きすぎ、発泡体の熱伸縮を抑制できず、発泡体の曲げ剛
性が低下する。
【0050】ポリオレフィン系樹脂延伸シートを構成す
るポリオレフィン系樹脂は、特に限定されるものではな
く、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ブ
ロックポリプロピレン等を用いることができる。延伸後
の弾性率を考慮すると、理論弾性率の高いポリエチレン
を用いることが好ましく、結晶性の高い高密度ポリエチ
レンが特に好ましい。
【0051】上記延伸シート用のポリオレフィンの分子
量も特に限定されないが、好ましくは、重量平均分子量
が50万以下のポリオレフィンが用いられる。重量平均
分子量が50万を超えると、ポリオレフィン系樹脂延伸
シートを得るに際し、延伸原反シートの成形が困難とな
り、また、延伸性も悪くなり、高倍率延伸が不可能とな
ることがある。なお、ポリオレフィン系樹脂の重量平均
分子量の下限も特に限定されるものではないが、10万
より小さくなると、樹脂自体が脆くなるため、延伸性が
損なわれることがある。したがって、重量平均分子量が
10万〜50万の範囲にあるポリオレフィン、特に高密
度ポリエチレンが好ましい。
【0052】上記重量平均分子量の測定方法としては、
加温したo−ジクロルベンゼンなどの溶剤に試料を溶か
した後、溶液をカラムに注入し、溶出時間を測定する。
いわゆるゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
(高温GPC法)により測定する方法が一般的であり、
本明細書においても、この方法により測定された重量平
均分子量を記載することとする。
【0053】また、上記重量平均分子量の範囲を、メル
トフローレート(以下、MIと略記する)から考慮する
と、MIが約0.1〜20の範囲にあるものが好まし
い。MIがこの範囲外では、高倍率延伸が困難となるこ
とがある。なお、メルトフローレートとは、JISK
6760に限定されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表
す指標をいう。
【0054】つぎに、本発明における面材付き発泡体の
面材として用いるポリオレフィン系樹脂延伸シートの製
造方法について説明をする。
【0055】線膨張係数5×10-5(1/℃)以下のポ
リオレフィン系樹脂延伸シートを製造する方法は特に限
定されないが、ポリオレフィン系樹脂シートに延伸や圧
延等の処理を施すのが好ましい。
【0056】上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートを得
るに際し、ポリオレフィンに、必要に応じて架橋助剤や
光ラジカル重合開始剤等を添加しておいてもよい。架橋
助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートなど
の多官能モノマーを例示することができ、光ラジカル重
合開始剤としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、
アセトフェノン等を例示することができる。これらの架
橋助剤や光ラジカル重合開始剤の添加量は特に限定され
るものではないが、架橋を速やかに進行させるには、通
常、ポリオレフィン系樹脂延伸シートを構成しているポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対し、1.0〜2.
0重量部の範囲とすることが好ましい。
【0057】延伸前のポリオレフィン系樹脂シートを得
る方法も特に限定されるものではなく、上述したポリオ
レフィン系樹脂を押出機等で可塑化させた後、シートダ
イを通してシート状に押し出し、冷却する方法を採用す
ることができる。延伸前のポリオレフィン系樹脂シート
の厚みは、0.5〜4mmの範囲とすることが好まし
い。0.5mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くな
りすぎ、取扱いに際して強度が十分でないことがあり、
4mmを超えると延伸が困難となることがある。
【0058】また、上記のようにして得た延伸前のポリ
オレフィン系樹脂シートを延伸し、ポリオレフィン系樹
脂延伸シートを得るに際して、延伸倍率は、上記の線膨
張係数を満たすよう設定する。具体的にはこの延伸倍率
は、5〜40倍、好ましくは20〜40倍の範囲とされ
る。5倍未満の延伸では、ポリオレフィン系樹脂の種類
の如何に関わらず、線膨張係数が低下せず、また機械的
強度(引張特性)を高める効果も小さいことがある。延
伸倍率が40倍を超えると、延伸操作の制御が困難とな
ることがある。
【0059】ポリオレフィン系樹脂延伸シートを得るた
めの延伸温度は、特に限定されるものではないが、85
〜120℃の範囲とすることが好ましい。120℃を超
えると、シートが切れ易くなり、やはり高倍率延伸が困
難となることがある。
【0060】延伸方法も特に限定されるものではない
が、通常の一軸延伸方法、特にロール延伸法が用いられ
る。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に
延伸すべき原反を挟み、これを加熱しつつ引っ張る方法
であり、一軸延伸方向のみに強く分子配向させることが
できる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率と
なる。
【0061】比較的厚いシートの場合には、ロール延伸
法のみでは円滑な延伸が困難となることがあり、そのよ
うな場合には、ロール延伸に先立ちロール圧延処理を行
ってもよい。ロール圧延処理は、一対の反対方向に回転
する圧延ロール間に、該圧延ロール間の間隔よりも厚い
延伸原反を挿入し、原反の厚みを減少させると同時に長
さ方向に伸長させることにより行われる。ロール圧延処
理が施されたシートは、予め配向処理されているので、
次のロール延伸により、一軸方向に円滑に延伸される。
【0062】上記延伸工程において所定の延伸温度を実
現するには、シートの予熱温度、ロール温度および/ま
たは雰囲気温度を調節すればよい。
【0063】上記ポリオレフィン系樹脂延伸シートは、
耐熱性を高めるために、あるいは、最終的なポリオレフ
ィン成形体の耐熱性や耐クリープ性を高めるために、架
橋処理されてもよい。架橋は、電子線照射あるいは紫外
線照射によって行い得る。
【0064】電子線照射量は、使用するポリオレフィン
延伸シートの組成および厚みによっても異なるが、通
常、1〜20Mrad、好ましくは3〜10Mradと
される。また、電子線照射により架橋する場合、架橋助
剤をポリオレフィン延伸シートに加えておけば、架橋が
円滑に進行する。
【0065】紫外線照射量は、通常、50〜800mW
/cm2 、好ましくは100〜500mW/cm2
される。紫外線照射により架橋をする場合には、光重合
開始剤や架橋助剤を加えておけば、架橋を容易に行うこ
とができる。
【0066】架橋の程度は、後述する測定法によるゲル
分率が50〜90%程度であるのが好ましい。
【0067】上記延伸シートを製造する際、幅が広いシ
ートを製造しようとすると、均一な延伸が困難になる上
に、大型のシート製造設備が必要であるため、最大でも
200mm幅の延伸シートしか得られない。
【0068】そこで、本発明による複合発泡体の製造方
法では、好ましくは融点70〜130℃のホットメルト
用フィルム上に複数枚の延伸シートを同一方向に並列状
に配置するかまたは少なくとも2方向に交差状に配置
し、ホットメルト用フィルムをその融点以上、延伸シー
トの融点以下の温度で予め加熱し、複数枚の延伸シート
を所定の圧力でホットメルト用フィルムに加圧すること
により一体化して、幅広の延伸シートを製造する。
【0069】この加圧方法は、面荷重による加圧、線荷
重による加圧、および点荷重による加圧等であってよ
く、特に限定されるものではない。
【0070】次いで、こうして得られた幅広延伸シート
をポリオレフィン系樹脂発泡体シートの表面に積層す
る。この積層方法は、特に限定されるものではなく、接
着剤による接着、加熱による熱融着等であってよいが、
熱融着が好適に用いられる。
【0071】上記発泡体シートと上記延伸シートを熱融
着させる際、表面処理やプライマー等と用いることもで
きる。上記延伸シートが熱変形する温度以下の融点を持
つポリオレフィン系樹脂フイルム等を上記発泡体シート
と上記延伸シートの間に介在させる方法が好適に用いら
れる。
【0072】また、複数枚のポリオレフィン系樹脂延伸
シートの積層方向は、特に限定されるものではないが、
延伸方向の機械的物性が特に向上するので、使用する用
途に応じて決められる。複数枚の延伸シートを互いに同
一方向に並列しても、または少なくとも2方向(2方向
の場合は直交状でもそれ以外の交差角度でもよい)に配
置してもよい。
【0073】一体化すべき複数枚のポリオレフィン系樹
脂延伸シートの枚数および厚みも目的の機械的物性等に
応じて適宜決定される。
【0074】熱融着に際しての加熱および加圧条件は、
使用するポリオレフィン系樹脂延伸シートによって異な
り、一義的には定め得ないが、通常、0.1〜5kg/
cm2 (1.02〜51.02MPa)の範囲の圧
力、およびポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度が好
ましい。圧力が上記範囲外では、成形中に積層体の形状
が乱れる恐れがあり、また接着に際しての加熱温度が、
ポリオレフィンの融点を超えると、成形中に収縮等によ
り積層体の形状が乱れる可能性があり、かつ線膨張係数
にも悪影響を与えることがある。
【0075】本発明による複合発泡体の製造方法を具体
的に説明すると、図1に示すように、まずホットメルト
用フィルム(2) 上に3枚の延伸シート(3) を同一方向に
並列状に配置し、ホットメルト用フィルム(2) と3枚の
延伸シート(3) の重ね合わせ体(7) を、ハンドプレス成
形機(4) を用いてホットメルト用フィルムの融点以上、
延伸シートの融点以下の温度で加熱すると同時に、3枚
の延伸シート(3) を所定の圧力でホットメルト用フィル
ム(2) に加圧する。こうして3枚の延伸シート(3) を一
体化して、冷却し、幅広の延伸シート(6) を得る。次い
で、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート(1) の上下両面
に、上記幅広延伸シート(6) を配置し、発泡体シート
(1) とこれを挟む1対の幅広延伸シート(6) からなるサ
ンドイッチ体(8) を、ハンドプレス成形機(4) を用いて
熱プレスし、複合発泡体(5) を得る。
【0076】
【作用】本発明による複合発泡体の製造方法では、ホッ
トメルト用フィルム上に複数枚の延伸シートを同一方向
に並列状に配置するかまたは少なくとも2方向に交差状
に配置し、ホットメルト用フィルムと複数枚の延伸シー
トの重ね合わせ体を、同フィルムの融点以上、延伸シー
トの融点以下の温度で予め加熱し、複数枚の延伸シート
を所定の圧力でホットメルト用フィルムに加圧すること
で一体状の幅広シートとすることができる。この幅広延
伸シートを発泡体シートの表面に積層することにより、
延伸シートの継目や重なった部分で良好な表面平滑性を
有する複合発泡体を得ることができる。
【0077】また、このように予め複数枚の延伸シート
から幅広延伸シートを作製しておくことにより、この幅
広延伸シートを発泡体シートに積層する時に高い圧力を
加える必要がなくなり、発泡体の気泡が崩れず、複合発
泡体としての大きな強度を発現することができる。
【0078】
【発明の実施の形態】本発明を実施例によってより具体
的に説明する。
【0079】(実施例1) (1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜6バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0080】操作条件は下記の通りである。
【0081】 ・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃ 第2〜6バレル;220℃ ダイ;220℃ ・スクリュー回転数:150rpm
【0082】上記構成の変性用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂を後端ホッパーから押出機内
に投入し、第3バレルから変性用モノマーと有機過酸化
物の混合物を押出機内に注入し、これらを溶融混和して
変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分
は真空ベントにより真空引きした。
【0083】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンラ
ンダム共重合体(日本ポリケム製「EX6」、MI;
1.8、密度;0.9g/cm3 )であり、その供給
量は10kg/hとした。変性用モノマーはジビニルベ
ンゼンであり、その供給量はポリオレフィン系樹脂10
0重量部に対して0.5重量部とした。また、有機過酸
化物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3であり、その供給量はポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部とし
た。
【0084】ポリオレフィン系樹脂、変性用モノマーお
よび有機過酸化物の溶融混和によって得られた変性樹脂
を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザー
で切断して、変性樹脂のペレットを得た。
【0085】(2) 発泡性樹脂組成物の調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成形ダイは7穴ストランドダイである。温度設定区
分は下記の通りである。
【0086】第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
【0087】発泡剤を供給するために第6バレルにサイ
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。操作条件は下記
の通りである。
【0088】
【0089】上述のようにして得られた変性樹脂と、ホ
モタイプのポリプロピレン(日本ポリケム製「FY
4」、MI;5.0、密度;0.9g/cm3)を、そ
れぞれ10kg/hの供給量で、発泡剤混練用スクリュ
ー押出機に供給した。また、同押出機にそのサイドフィ
ーダーから発泡剤を供給した。発泡剤はアゾジカルボン
ミド(ADCA)であり、その供給量は1.0kg/h
とした。こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって発泡
性樹脂組成物を得た。
【0090】(3) ポリオレフィン系樹脂発泡性シートの
調製 この発泡性樹脂組成物をTダイから押し出し、幅350
mm×厚み0.5mmのポリオレフィン系樹脂発泡性シ
ートを得た。
【0091】(4) 複合シートの調製 このポリオレフィン系樹脂発泡性シートの上下両面に、
ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社
製、「スパンボンド エクーレ 6301A」、秤量3
0g/m2 )を積層し、プレス成形機を用いて温度1
80℃、圧力19.6MPa(200kgf/cm
2 )でプレス成形を行い、発泡性複合シートを得た。
【0092】(5) 発泡 得られた発泡性複合シートから縁部を取り除き、一辺3
00mmの正方形サンプルを得た。このサンプルを23
0℃のオーブン中、約5分間加熱し、発泡性複合シート
を発泡させ、厚み5mmの面材付き発泡体を得た。
【0093】(6) ポリオレフィン系樹脂延伸シートの調
製 1)押出シートの調製 高密度ポリエチレン(商品名:HY540、三菱化学社
製、MI=1.0、融点133℃、重量平均分子量30
万)100重量部に対して、ベンゾフェノン(光重合開
始剤)1重量部を配合し、この配合物を30mm二軸押
出機にて樹脂温度200℃で溶融混練し、Tダイにてシ
ート状に押出し、冷却ロールにて冷却し 2)圧延・架橋 この未延伸シートを、表面温度100℃に設定された6
インチロール(小平製作所製)を用いて圧延倍率8倍に
ロール圧延し、その後、得られた圧延シートを繰り出し
速度2m/分のロールで繰り出し、雰囲気温度85℃に
設定された加熱炉を通して、引き取り速度8m/分のロ
ールで引き取り、4倍にロール延伸し、巻き取った。つ
いで、得られたシートに上下両面より高圧水銀灯を5秒
間照射して架橋処理を施した。最後に、得られたシート
に無張力下にて130℃で1分間の緩和処理を施した。
【0094】上記操作を経て得られた延伸シートは、幅
50mm、厚み0.09mmのサイズを有し、透明であ
った。このシートの総延伸倍率は約30倍であり、線膨
張係数は、−1.4×10-5であり、この延伸シートの
融点[DSC(示差走査熱量計)におけるピーク温度]
は139℃であり、引張弾性率は15,000MPaで
あった。なお、サンプルの引張弾性率および線膨張係数
は、いずれもJISK 7113の引張試験方法に準じ
て測定した。
【0095】(7) 幅広シートの製造 上記延伸シート2枚を、ホットメルト用低密度ポリエチ
レンフィルム(厚み30μm、三菱化学社製、UF23
0)上に同一方向に並列状に配置し、ホットメルト用フ
ィルムと2枚の延伸シートの重ね合わせ体を、ハンドプ
レス成形機を用いて、温度125℃、圧力5MPaにて
3分間熱プレスし、その後水冷プレス(圧力5MPa)
で冷却した。こうして、2枚の延伸シートを一体化して
幅広の延伸シートを得た。
【0096】(8) 複合発泡体の製造 上記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの上下両面に、
上記幅広延伸シートを配置し、発泡体シートとこれを挟
む1対の幅広延伸シートからなるサンドイッチ体を、ハ
ンドプレス成形機を用いて、温度125℃、圧力0.0
98MPa(1kgf/cm2 )にて2分間熱プレス
し、その後水冷プレス(圧力0.098MPa)で冷却
し、複合発泡体を得た。
【0097】(実施例2)延伸シートをホットメルト用
フィルムに加圧する圧力を10MPaに、水冷プレスの
圧力を10MPaにそれぞれ変えた以外は実施例1と同
様にして複合発泡体を得た。
【0098】(実施例3)実施例1で得られた延伸シー
ト2枚を、ホットメルト用低密度ポリエチレンフィルム
(厚み30μm、三菱化学社製、UF230)上に直交
方向に配置し、ホットメルト用フィルムと2枚の延伸シ
ートの重ね合わせ体を、ハンドプレス成形機を用いて、
温度125℃、圧力10MPaにて3分間熱プレスし、
その後水冷プレス(圧力10MPa)で冷却し、幅広の
延伸シートを得た。上記以外は実施例1と同様にして複
合発泡体を得た。
【0099】(比較例1)実施例1で得られた発泡体シ
ートの上下両面にホットメルト用低密度ポリエチレンフ
ィルム(厚み30μm、三菱化学社製、UF230)を
介して2枚の延伸シートを同一方向に並列状に配置し、
その後全体をハンドプレス成形機で温度125℃、圧力
0.098MPa(1kgf/cm2 )にて2分間熱
プレスし、水冷プレス(圧力0.098MPa)で冷却
し、複合発泡体を得た。
【0100】こうして、幅広シートを製造せずに、複合
発泡体を得た。
【0101】(比較例2)熱プレスの際の圧力を10M
Paにした点を除いて比較例1と同様にして複合発泡体
を得た。
【0102】評価試験 a)面材付き発泡体の評価 上記実施例および比較例で得られた面材付き発泡体を下
記の項目について評価した。
【0103】・見かけ密度:JIS K 6767に基
づき、見かけ密度を測定した。
【0104】・発泡倍率:面材付き発泡体より面材をカ
ッターで削り取った後、JIS K6767に従い発泡
体の発泡倍率を測定した。
【0105】・気泡形状(平均アスペクト比):面材付
き発泡体シートを厚み方向(z方向)にカットし、断面
の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真を
撮った。写真に写った全ての気泡のDzとDxyをノギ
スで測り、気泡毎にDz/Dxyを算出し、気泡100
個分のDz/Dxyの個数平均を算出し、平均アスペク
ト比とした。ただし測定中、Dz(実際の径)が0.0
5mm以下の気泡、および10mm以上の気泡は除外し
た。
【0106】・圧縮弾性率 JIS K 7203に基づき、試験速度10mm/m
inで測定をし、圧縮弾性率を算出した。
【0107】b)複合発泡体の評価 上記実施例および比較例で得られた複合発泡体を、表面
平滑性および気泡形状について評価した。その結果を表
1にまとめて示す。
【0108】
【表1】 表中、○はz方向に長軸を有する紡錘形状の気泡を意味
し、×は気泡が座屈し、平均アスペクト比が1.1を下
回った状態を意味する。
【0109】表1から分かるように、実施例の複合発泡
体はいずれの項目においても良好な性能を示す。
【0110】
【発明の効果】本発明により、延伸シートの継目や重な
った部分で良好な表面平滑性を有すし、発泡体の気泡形
状を維持し、発泡体圧縮強度が高い複合発泡体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明による複合発泡体の製造方法を
示すもので、図1(A) はホットメルト用フィルム(2) に
3枚の延伸シート(3) を同一方向に並列状に配置して重
ね合わせ体(7) を得る工程を示す斜視図、図1(B) はホ
ットメルト用フィルム(2) と3枚の延伸シート(3) の重
ね合わせ体(7) を、ハンドプレス成形機(4) で熱プレス
して、幅広延伸シート(6) を得る工程を示す斜視図、図
1(C)は発泡体シート(1) の上下両面に幅広延伸シート
(6) を配置し、発泡体シート(1) と幅広延伸シート(6)
からなるサンドイッチ体(8) を、ハンドプレス成形機
(4) で熱プレスし、複合発泡体(5) を得る工程を示す斜
視図である。
【図2】 図2(A) は紡錘形気泡の概略斜視図、図2
(B) は図2(A) 中のz方向に平行な断面の一部の拡大概
略図である。
【図3】 図3は従来の複合発泡体の製造方法を示すも
ので、図3(A) は発泡体シート(1) の上下両面にホット
メルト用フィルム(2) を介して3枚の延伸シート(3) を
同一方向に並列状に配置する工程を示す斜視図、図3
(B) は全体をハンドプレス成形機(4) で熱プレスして、
複合発泡体(5) を得る工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1) :ポリオレフィン系樹脂発泡体シート (2) :ホットメルト用フィルム (3) :延伸シート (4) :ハンドプレス成形機 (5) :複合発泡体 (6) :幅広延伸シート (7) :重ね合わせ体 (8) :サンドイッチ体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK03C AK03D AK05A AK05C AK07B AK42E AL03B AL05B BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA16 CB03 DG15E DJ01B EJ202 EJ37A EJ37C EJ37D EJ422 JA13B JA20B JK05B JK07A JK07B JK07C JK07D JK15 YY00A YY00B YY00C YY00D 4F211 AA03 AC03 AD05 AD17 AG01 AG03 AG20 AR02 AR06 TA04 TC02 TD11 TN43 TN56 TQ04 TQ09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少
    なくとも片面に、一方向に10〜40倍延伸されかつ5
    〜50GPaの引張弾性率を有するポリオレフィン系樹
    脂延伸シートを積層する熱可塑性複合発泡体の製造方法
    において、 ホットメルト用フィルム上に延伸シートを配置し、ホッ
    トメルト用フィルムと延伸シートの重ね合わせ体を、同
    フィルムの融点以上、延伸シートの融点以下の温度で加
    熱し、延伸シートを所定の圧力でホットメルト用フィル
    ムに加圧し、得られた延伸シートを発泡体シートに積層
    することを特徴とする複合発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ホットメルト用フィルム上に複数枚の延
    伸シートを同一方向に並列状に配置するかまたは少なく
    とも2方向に交差状に配置し、ホットメルト用フィルム
    と複数枚の延伸シートの重ね合わせ体を、同フィルムの
    融点以上、延伸シートの融点以下の温度で予め加熱し、
    複数枚の延伸シートを所定の圧力でホットメルト用フィ
    ルムに加圧することで一体状の幅広シートとし、その
    後、得られた幅広延伸シートを発泡体シートに積層する
    ことを特徴とする請求項1記載の複合発泡体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂発泡体シートが、
    シート内在するセルのアスペクト比Dz/Dxyの平均
    値が1.1〜4.0であり、発泡倍率が3〜30倍であ
    り、圧縮弾性率が5MPa以上である発泡体シートであ
    り、 延伸シートをホットメルト用フィルムに加圧する圧力が
    10〜50MPaである、ことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の複合発泡体の製造方法。
JP2001136306A 2001-05-07 2001-05-07 熱可塑性複合発泡体の製造方法 Pending JP2002326327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001136306A JP2002326327A (ja) 2001-05-07 2001-05-07 熱可塑性複合発泡体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001136306A JP2002326327A (ja) 2001-05-07 2001-05-07 熱可塑性複合発泡体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002326327A true JP2002326327A (ja) 2002-11-12

Family

ID=18983612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001136306A Pending JP2002326327A (ja) 2001-05-07 2001-05-07 熱可塑性複合発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002326327A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239403A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 建築現場における床面保護およびスリップ防止シート、およびそれを用いる床面保護およびスリップ防止方法
JP2012158186A (ja) * 2012-05-16 2012-08-23 Inoac Corp 自動車用ダクトの製造方法
JP2014000805A (ja) * 2012-05-25 2014-01-09 Gifu Plast Ind Co Ltd 積層構造体
WO2014049792A1 (ja) * 2012-09-27 2014-04-03 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シートの製造方法
JP2018538157A (ja) * 2015-09-30 2018-12-27 ヒューヴィス コーポレーションHuvis Corporation ポリエステル発泡シートとポリエステル樹脂層を含む複合体、およびそれを含む自動車内外装材

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239403A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 建築現場における床面保護およびスリップ防止シート、およびそれを用いる床面保護およびスリップ防止方法
JP2012158186A (ja) * 2012-05-16 2012-08-23 Inoac Corp 自動車用ダクトの製造方法
JP2014000805A (ja) * 2012-05-25 2014-01-09 Gifu Plast Ind Co Ltd 積層構造体
WO2014049792A1 (ja) * 2012-09-27 2014-04-03 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シートの製造方法
CN104684724A (zh) * 2012-09-27 2015-06-03 大日本印刷株式会社 叠层片和发泡叠层片的制造方法
RU2621757C2 (ru) * 2012-09-27 2017-06-07 Дай Ниппон Принтинг Ко., Лтд. Многослойный лист и способ получения вспененного многослойного листа
JP2018538157A (ja) * 2015-09-30 2018-12-27 ヒューヴィス コーポレーションHuvis Corporation ポリエステル発泡シートとポリエステル樹脂層を含む複合体、およびそれを含む自動車内外装材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1384564B1 (en) Method and apparatus for producing laminated composite
JP3354924B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂複合積層体
EP1174263B1 (en) Polyolefin resin composite laminate
JP7323360B2 (ja) 両面粘着テープ
EP2594387A1 (en) Polymer article and method for producing polymer article
JP2002326327A (ja) 熱可塑性複合発泡体の製造方法
JP3739258B2 (ja) プラスチック製コンクリート型枠
JP3597989B2 (ja) 傾斜構造発泡シートおよびその製造方法
JP2001301078A (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体および同発泡体からなる車輌用部材並びに衝撃吸収部材
JP3884670B2 (ja) 積層複合体の製造方法
JP3429749B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体からなる畳芯材およびそれを用いる薄畳
JP2004316466A (ja) 風力発電用ブレード
JP4132627B2 (ja) ポリオレフィン系強化複合体の製造方法
JP2002079631A (ja) 車輌用部材及び車輌用緩衝部材
JP7220067B2 (ja) 積層成形体及びその製造方法
JP3766249B2 (ja) 発泡複合シートの製造方法
JP2004263476A (ja) 複合パネル及びこれを用いたコンクリート用型枠
JP4113445B2 (ja) 法面の盛り土工法
JPS6174819A (ja) ポリエチレン延伸フイルムの製造方法
JP2000313023A (ja) 複合発泡体シートの製造方法
JP3749593B2 (ja) ポリオレフィン成形体の製造方法
JP3782656B2 (ja) 面材付き樹脂シートの製造方法および複合発泡体の製造方法
JP3308737B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物及び架橋オレフィン系樹脂発泡体
JP2000062068A (ja) 発泡性複合シートの製造方法及び複合発泡体
JP2005320704A (ja) 薄畳