JP2005238573A - ポリオレフィン系樹脂複合発泡体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂複合発泡体 Download PDF

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典孝 辻本
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Fumitake Nagamori
文剛 永森
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Abstract

【課題】 良好な曲げ剛性を発揮しつつも、軽量性、リサイクル性、経済性、或いは耐候性に優れ、化粧板として最適なポリオレフィン系樹脂複合発泡体を提供する。
【解決手段】 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と紙(若しくは金属箔と紙)とが積層されてなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂複合発泡体に関し、特に化粧板として好適なポリオレフィン系樹脂複合発泡体に関する。
従来、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性、柔軟性等に優れ、またリサイクル性にも優れるため、各種断熱材、緩衝材等に幅広く用いられる好適な材料として種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性樹脂シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物(以下、「面材」ともいう)を積層するポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートの製造方法が開示され、得られたポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを加熱して得られる複合発泡体が開示されている。
一方、家具や建築部材の材料として広く使用される化粧板は、合板に代表される木質材料を基材とする木質化粧板類が、加工性がよい点で幅広く用いられている。しかしながら、木質化粧板類は、一般に単位重量が大きくなることに加え、温度や湿度などの環境変化で基材が吸放湿により伸縮するため、寸法安定性が悪いという問題があった。このため、上記のような軽量性、断熱性等に優れ、またリサイクル性にも優れた複合発泡体を化粧板の用途に用いる検討がなされている。
しかしながら本発明者の検討によれば、上記複合発泡体は、必ずしも十分な曲げ剛性が得られないことがあり、この問題を解決するため、例えば上記面材として高剛性のガラス繊維やカーボン繊維を用いた繊維強化シートを用いた場合には、軽量性が失われる問題、コストが高くなる問題、リサイクル性が失われる問題などがあった。また、上記面材として、紙を用いた場合には、シートを発泡させる際に発生する発泡ガスがシートと面材との間に蓄積する現象が起こり、表面平滑性が得られないとう問題があった。
更に上記複合発泡体は、必ずしも十分な耐候性を有さず、屋外で用いられた場合などは、紫外線などの光や天候などの影響によって材料が劣化しやすいという問題もあった。
一方、特許文献2には、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の両面に、木質板、金属板および合成樹脂板よりなる群から選ばれた少なくとも一種類の板材が積層・一体化されている積層複合発泡体が開示されている。
しかしながら本発明者の検討によれば、上記積層複合発泡体において良好な曲げ剛性を得るために、面材として木質板、金属板及び合成樹脂板などを用いると、上記木質系化粧板類と同様に、単位重量が大きくなり軽量性が失われる問題、吸放湿により寸法安定性が悪くなる問題、或いはコストが高くなる問題などがあった。
特開平11−291425号公報 特開2001−310432号公報
本発明は、上記諸問題を解決すべく検討の結果、特定のポリオレフィン系樹脂発泡体と、紙、或いは紙と金属箔とを複合することを要点として、特に曲げ剛性と軽量性のバランスに優れたポリオレフィン系樹脂複合発泡体を見いだしたものである。
即ち、本発明の目的は、上記の諸問題を解決し、良好な曲げ剛性を発揮しつつも、軽量性、リサイクル性、経済性、或いは耐候性に優れ、特に化粧板として最適なポリオレフィン系樹脂複合発泡体を提供することにある。
請求項1記載のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、紙とが積層されてなることを特徴とする。
請求項2記載のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、金属箔と、紙とがこの順に積層されてなることを特徴とする。
請求項3記載のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、紙と、金属箔とがこの順に積層されてなることを特徴とする。
本発明における芯材の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物、ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーおよびキノン化合物から選択される少なくとも1種類の変性用モノマーと溶融混和して得られる変性ポリオレフィン100重量部に対して、アゾジカルボンアミド等の熱分解型化学発泡剤を2〜20重量部を分散させ、これを一旦シート状に成形した後、得られた発泡性シート原反の少なくとも片面に面材を融着させ、原反を熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して、該面材によって面内方向に生じる発泡力を抑制しつつこれを厚み方向にのみ発泡させる。
ポリオレフィン系樹脂を上記のように変性させることで、成形された発泡性シート原反は架橋度が低いにも拘らず、これを常圧で発泡させ、さらに発泡方向に異方性を持たせることが可能となる。
ここで架橋度が低いとはゲル分率が25%以下であることをいう。一般的にゲル分率の測定は、サンプルの初期重量と、サンプルを120℃の熱キシレン中で24時間で溶解させたもののゲル分を乾燥させたものとの重量比で表現する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。尚、ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」または「共重合体」を意味する。
上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良い。しかし30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
熱分解型化学発泡剤は、加熱により分解ガスを発生するもので有れば特に限定されるものではなく、次ぎのものが例示される。アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)。これらは単独であるいは2種以上が混合されて用いられる。その中でもアゾジカルボンアミドが好適に用いられる。
発泡性シート原反の賦形方法としては、押出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング成形、射出成形など、プラスチックの成形加工で一般的に行われる方法が適用可能である。しかしスクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直接賦形する方法が、生産性の観点から好ましい。この場合は、一定寸法幅の連続発泡性シートを得ることができる。
発泡性シート原反の少なくとも片面に面材を積層する方法は特に限定されるものではないが、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートに面材を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態になるまで加熱しておき、これを面材に熱融着する方法、(ハ)発泡性シートに面材を接着剤で貼り合わせる方法などが挙げられる。
発泡性複合シートすなわち芯材の厚み精度を確保するには方法(イ)または(ハ)が最も好ましい。方法(ロ)の熱融着法としては、例えば、Tダイから押し出された直後の溶融状態の発泡性シート原反の少なくとも片面に面材を軽く積層した状態で、これらを対向状の冷却ロール間を通過させ、ロールの押圧力で両者を一体化する方法が好ましい。なお、上記のように発泡性シート原反と面材を積層して一体化するとは、原反と面材を両者の界面において剥離しようとした場合に、高い割合で材料破壊が生じる程度に両者が固着されている状態を意味するものとする。
本発明における面材は、発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂などの合成樹脂繊維やその他の繊維からなる不織布、繊維強化シート、マット、クロスなどが挙げられる。面材の厚みは好ましくは1mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。厚みが1mm以上あると、面材の柔軟性が損なわれ、これを発泡性シートに連続的に貼り付けることが困難となり、また面材を介して発泡性シートを加熱することが難しくなるため面材と発泡性シートが均一に融着せず剥離等により気泡構造が不均一となることがある。
発泡性シート原反の発泡は、通常、熱分解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用される。
上記方法で製造された発泡体は、各々の気泡において、気泡径の長軸が厚み方向に配向しており、圧縮強度に優れた物性を示す。
上記発泡体の発泡倍率は、余り低いと、前述するように十分な発泡セルの長軸と短軸の比が得られず、所望の弾性率が得られないばかりか、軽量性が失われ、コスト高にもなり、又、20倍を超すと、発泡セルの長軸と短軸の比は十分おおきいものになるが、個々のセル壁が薄くなって、十分な圧縮弾性率を発現し得ないものとなるので、好ましくは、発泡倍率は3〜20倍である。
内在する気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)の平均値は、好ましくは、1.1以上である。ここで、アスペクト比とは、発泡体のz方向、即ち、発泡体の厚み方向の発泡セルの直径をDzとし、発泡体の巾及び長さ方向、即ち、発泡体の面内方向の発泡セルの直径をDxyとしたときのDz/Dxyをいい、アスペクト比が1.1に満たない場合には、所望の圧縮弾性率が得られ難くなることがある。アスペクト比の上限は特に認められないが、4.0を越える場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡体に過度な変形を生じさせるので製造が困難になることがあるので注意を要する。
又、圧縮強度は、余り小さいと僅かな負荷で座屈を生じやすくなるため、好ましくは25%圧縮時の圧縮強度が0.2MPa以上である。
本発明のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、上記芯材と紙とが積層されてなることを特徴とするものである。即ち、上記芯材は気泡が厚み方向に配向し、更に表面に面材が積層されてなるので、紙を積層した場合に、紙と芯材の間に発泡ガスが蓄積することを防止しうる構成が可能となり、化粧板として良好な水準の表面平滑性が得られるとともに、芯材の軽量性を維持しつつ曲げ剛性を大幅に向上することが可能となる。また、様々な意匠が施された紙を用いることで、広範な意匠を表現することができるので、意匠性に優れたポリオレフィン系樹脂複合発泡体を提供することができる。
また、本発明者の検討によれば、紙は、上記芯材に用いる場合に、積層材料として単位重量あたり剛性向上効果が最も高く、上記剛性、意匠性などの効果に加えてコスト面でも最も経済的である。
上記紙としては、クラフト紙、強化紙、印刷紙など特に限定されないが、厚みとしては、5〜200μmであることが好ましい。厚みが5μmに満たない場合、剛性向上の効果が得られないことがあり、200μmを超えると可撓性が不足するとともに層間剥離が発生しやすくなり、十分な剛性向上の効果が得られないことがある。
上記紙の積層方法としては特に限定されず、粘着剤や、接着剤など(ホットメルト接着剤を含む)を用いた従来公知の方法が適用可能である。また、塗工機、ラミネーター、クロスヘッド方式の押出機などを用いて連続的に積層することもできる。
本発明のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、上記芯材と、金属箔と、紙とがこの順に積層されてなるものであってもよい。金属箔を用いることにより芯材が屋外の紫外線などの光や天候などにより劣化することを防止し、耐候性を向上することができるとともに、金属箔の外側に紙が積層されることで、曲げ剛性の向上と意匠性の向上が図られる。また、金属箔が芯材の色を隠蔽するため、最外層の紙の色が鮮やかに発色するという効果がある。
また、ポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、上記芯材と、紙と、金属箔とがこの順に積層されてなるものであってもよい。この場合には、芯材及び紙が金属箔で覆われるため、芯材及び紙の双方が屋外の紫外線などの光や天候などにより劣化することを防止することができ、更に耐候性を向上することができる。
上記金属箔の材料としては、特に限定されず、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、洋白などが挙げられる。金属箔の厚みは、特に限定されないが、2〜100μmであることが好ましい。厚みが2μm未満の場合は、強度が不十分で破損しやすくなり、耐候性向上の効果が不十分になることがある。100μmを超える場合は可撓性が不足するとともに層間剥離が発生しやすくなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂複合発泡体において、紙の繊維の絡まりを強化するために、金属箔と紙との間に樹脂層(以下、「中間樹脂層」ともいう)が設けられたものであっても良く、また樹脂が含浸された紙が用いられても良い。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂複合発泡体は、最外層となる側に更に樹脂層(以下、「トップコート」ともいう)が設けられたものであっても良い。この場合、表面の傷付きを防止することができる。また、トップコートが離型性に優れたものであると、施工時などに粘着テープなどが剥がれやすくなる点で好ましい。
上記中間樹脂層又はトップコートに用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。中でも中間樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリエチレン系樹脂が成形性や経済性の点で好適であり、トップコートに用いられる樹脂としてはポリウレタン系樹脂が離型性の点で好適である。
上記中間樹脂層又はトップコートの厚みとしては、特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましい。厚みが5μm未満の場合は、効果が不十分になりやすく、100μmを超える場合には効果が飽和状態になりやすく経済面で好ましくない。
上記紙及び金属箔を芯材に積層する方法としては特に限定されず、予め紙と金属箔とを積層した複合シートを、粘着剤や、接着剤など(ホットメルト接着剤を含む)を用いた従来公知の方法、塗工機、ラミネーター、クロスヘッド方式の押出機などを用いて連続的に積層する方法などが挙げられる。また、複合シートを構成する紙及び金属箔などの材料を各々所定の順序で芯材に積層してもよい。
本発明によれば、特定のポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と紙とが積層されてなることを特徴とするので、良好な曲げ剛性を発揮しつつも、軽量性、リサイクル性、経済性、或いは耐候性に優れたポリオレフィン系樹脂複合発泡体を提供することができる。
上記芯材と、金属箔と、紙とがこの順に積層されてなる場合には、耐候性及び意匠性が向上し、また、紙の色が鮮やかに出るため、上記効果は更に確実なものとなる。
上記芯材と、紙と、金属箔とがこの順に積層されてなる場合には、更に耐候性が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃
第2バレル;220℃
第3バレル;220℃
第4バレル;220℃
ダ イ;220℃
・スクリュー回転数:150rpm
上記構成の変性用スクリュー押出機に、まず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をその後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8g/10分、密度;0.9g/cm3)であり、その供給量は10kg/hとした。
変性用モノマーはp−キノンジオキシム(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.75重量部とした。
ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
(2)発泡性樹脂組成物の調製とポリオレフィン系樹脂発泡性シートの調製
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅500mm、出口隙間3.5mmのTダイである。
温度設定区分は下記の通りである。
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。
・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;150℃
第2バレル;170℃
第3バレル;180℃
第4バレル;160℃
・スクリュー回転数:40rpm
上述のようにして得られた変性樹脂を反応用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミド(ADCA)であり、その供給量は1.2kg/hとした。
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、3本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表面、裏面の両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンポンドエクーレ6301A」、秤量30g/m2、引張り強度:縦1.6kg/cm、横1.2kg/cm)を熱融着し、幅460mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性シートを得た。
(3)発泡
得られたポリオレフィン系樹脂発泡複合シートを加熱ゾーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱発泡させ芯材を得た。得られた芯材の内在する気泡のアスペクト比は1.8であり、25%圧縮時の圧縮強度は0.88MPaであった。
(4)積層
上記により得られた芯材の両面に、厚み12ミクロンのクラフト紙を、ダブルロールラミネート機(φ600mm、ロール温度110℃、速度8m/分)により、ホットメルト接着剤(タマポリ社製、EVA系「SB10」)を用いて熱融着積層し、ポリオレフィン系樹脂発泡体化粧板を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた芯材の両面に、厚さ7μmのアルミ箔と厚み12μmのクラフト紙とが積層された複合シートのアルミ箔側を、ダブルロールラミネート機(φ600mm、ロール温度110℃、速度8m/分)により、ホットメルト接着剤(タマポリ社製、EVA系「SB10」)を用いて熱融着積層し、ポリオレフィン系樹脂発泡体化粧板を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして得られた芯材の両面に、厚さ7μmのアルミ箔と厚み12μmのクラフト紙とが積層された複合シートのクラフト紙側を、ダブルロールラミネート機(φ600mm、ロール温度110℃、速度8m/分)により、ホットメルト接着剤(タマポリ社製、EVA系「SB10」)を用いて熱融着積層し、ポリオレフィン系樹脂発泡体化粧板を得た。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた芯材の両面に、厚さ7μmのアルミ箔と厚み12μmのクラフト紙とが積層され、クラフト紙側の外面にトップコート(ポリウレタン系樹脂、厚み20μm)が施された複合シートのアルミ箔側を、ダブルロールラミネート機(φ600mm、ロール温度110℃、速度8m/分)により、ホットメルト接着剤(タマポリ社製、EVA系「SB10」)を用いて熱融着積層し、ポリオレフィン系樹脂発泡体化粧板を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた芯材のみを化粧板として評価した。
上記実施例及び比較例について以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。
(曲げ弾性率)
得られた化粧板より、長さ300mm、幅25mmの試験片を切り出し、JIS K7221に準拠して(支店間距離200mm)曲げ弾性率を測定した。
(外観)
得られた化粧板表面の色むらを評価するため、40W×2本の蛍光灯で化粧板表面を照らし外観を評価した。
(耐候性)
得られた化粧板より、長さ300mm、幅25mmの試験片を切り出し、スーパーキセノン式耐候性促進試験機(スガ試験機械社製、「WEL−2WN」)にて、試料面照射強度180W/cm2、照射時間1500時間の条件で劣化させた後、上記の方法で曲げ弾性率を測定した。
(最外層離型性)
得られた化粧板より幅50mm、長さ125mmの試験片を切り出し、その表面に粘着テープ(積水化学工業社製布テープ、幅25mm、長さ300mm)を、粘着テープの長さ5mmを残して貼り付けた後、残りの部分を180度折り返して約25mm剥がした後高速引張試験機(オリエンテック社製「UTM−5」)を用いて毎分300mm±30mmの速度で全ての粘着テープを引き剥がし、引き剥がし後の化粧板表面を観察した。
Figure 2005238573
表1から明らかなように、本発明の実施例においては、軽量性、リサイクル性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体からなり、化粧板として良好な外観、曲げ剛性を発揮しつつも、耐候性、或いは剥離性が良好であることが判明した。


Claims (3)

  1. 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、紙とが積層されてなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂複合発泡体。
  2. 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、金属箔と、紙とがこの順に積層されてなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂複合発泡体。
  3. 個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材と、紙と、金属箔とがこの順に積層されてなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂複合発泡体。

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