JP2000356031A - 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳 - Google Patents

発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳

Info

Publication number
JP2000356031A
JP2000356031A JP11169621A JP16962199A JP2000356031A JP 2000356031 A JP2000356031 A JP 2000356031A JP 11169621 A JP11169621 A JP 11169621A JP 16962199 A JP16962199 A JP 16962199A JP 2000356031 A JP2000356031 A JP 2000356031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
foam
foamable resin
foaming
linear material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11169621A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigehiro Inui
成裕 乾
Masashi Okabe
優志 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP11169621A priority Critical patent/JP2000356031A/ja
Publication of JP2000356031A publication Critical patent/JP2000356031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽くて、平滑であり、単体で生産性が高く、
重量物の重さに耐えることのできる発泡積層体およびそ
の製造方法並びにそれを用いた畳を提供する。 【解決手段】 発泡性樹脂組成物をシート状に賦形して
得られる発泡性樹脂シートを、発泡性樹脂シートの面方
向と直交する方向に発泡して得られた発泡体(A)と、
長尺方向が上記発泡性樹脂シートが形成する面方向とさ
れ、発泡体(A)の一表面側に、表面が露出されるよう
に埋設一体化された線状材(B)と、上記線状材(B)
が埋設一体化された側の面に積層されたシート状物
(C)と、からなり、発泡体(A)と表面が露出される
ように埋設一体化された線状材(B)とで形成される面
が平滑となるようになされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡積層体および
その製造方法並びにそれを用いた畳に関する。なお、本
発明において「シート」とは、厚さに基づく厳密な意味
での形態に拘泥されず、通常フィルムと呼ばれる比較的
薄手のものから通常板材と呼ばれる比較的厚手のものま
で含むこととする。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリート製の住宅が普及
し、また木造住宅の高気密化が進展しているため、畳内
の湿度の上昇により、カビ、ダニ等が発生し易くなって
いる。これを防ぐために、畳床材の主原料は稲ワラから
熱可塑性樹脂発泡体や木質系インシュレーションボード
に転換されてきている。
【0003】畳床材の原料としては、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン等の熱可塑性樹脂を適当な発泡倍率で発泡したも
の(特開平9−203194号公報)や、木質系インシ
ュレーションボード(特開昭57−180757号公
報)などがあり、これらを積層したもの(所謂「建材
畳」、以下、このように記載することがある)が一般的
である。
【0004】一方、従来の住居においての暖房システム
は、石油ファンヒーターや暖房空調機等のように温風吹
き付け方式のものが主流であったが、足元が寒く、騒音
があり、室内の空気を汚すという問題が生じていた。そ
こで、このような欠点のない床暖房システムが近年注目
されている。
【0005】また、暖房の効率化や省エネルギー等の観
点からも床暖房の比率が高まっており、洋室において床
下に温水配管や、電熱ヒーターを配置することが一般的
である。
【0006】また、和室においても床暖房のニーズが高
まっており、面状発熱体(特開平9−32250号公
報、特開平9−306640号公報)、畳床材に温水パ
イプを通したもの(特開平9−317138号公報)な
どが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】建材畳用の畳床材に用
いられるインシュレーションボードは、単体のみでは、
稲ワラ畳と同様に重たく、インシュレーションボードと
ポリスチレンフォーム等の発泡体の多重積層化により軽
量化が図られた。しかし、この多重積層品はポリスチレ
ンフォーム特有の床鳴りが起こり、また、縫い合わせ等
のため生産性の低いものであった。また、ポリスチレン
フォームは、加工時に、耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性が
なく、割れ易いという難点があった。
【0008】また、上記ポリスチレンフォーム等の熱可
塑性樹脂発泡体は、単体のみでは、使用時、圧縮強度が
低いため、タンス等の重量物を畳上に長期間設置してお
くと、重量物の重さに耐えきれず、重量物の跡が畳表に
残り、形状が元に回復せず、へたりが起こるという問題
があった。
【0009】さらに近年、畳加工業者の高齢化が進み、
この点からも畳の軽量化が望まれている。
【0010】また、床暖房システムにおいては、インシ
ュレーションボード等の畳床材に、切り欠きや溝を作
り、そこに温水パイプを通したり、面状発熱体を畳床材
の裏面に貼り、畳床材の熱伝導率が悪いために、熱伝導
率の高い略線状のものを取り付けたりと生産性が極端に
悪く、また、連続生産できなく、コストも高かった。ま
た、発泡体の上に線状発熱体を設置したものは、線状発
熱体の部分が凸になり、一方、溝や切り欠きを設けると
工程が増えるとともに、線状発熱体と溝等との間に隙間
が発生し、熱効率が低下するという問題があった。
【0011】特に線状発熱体に接続されるコードヒータ
ーは通常その断面が円形であるため、隙間が発生し、表
面が平滑にならないという問題があった。
【0012】本発明は上記の課題を解決し、軽くて、平
滑であり、単体で生産性が高く、重量物の重さに耐える
ことのできる発泡積層体およびその製造方法並びにそれ
を用いた畳を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「本発明1」という)の発泡積層体は、発泡性樹脂
組成物をシート状に賦形して得られる発泡性樹脂シート
を、発泡性樹脂シートの面方向と直交する方向に発泡し
て得られた発泡体(A)と、長尺方向が上記発泡性樹脂
シートが形成する面方向とされ、発泡体(A)の一表面
側に、表面が露出されるように埋設一体化された線状材
(B)と、上記線状材(B)が埋設一体化された側の面
に積層されたシート状物(C)と、からなり、発泡体
(A)と表面が露出されるように埋設一体化された線状
材(B)とで形成される面が平滑となるようになされて
いるものである。
【0014】本発明1において使用される発泡性樹脂組
成物は、樹脂成分と発泡剤及び必要に応じて変性剤、架
橋剤、補強材、充填剤などからなる。
【0015】上記樹脂成分としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン;アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチ
ックポリプロピレン等のポリプロピレン;エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体等のエチレンを主成分とする共重合体、プロピレンと
他の共重合成分とのランダム共重合体またはブロック共
重合体などのオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂、ポ
リスチレンなどが挙げられる。これらは単独で使用され
てもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0016】なかでも、軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性
回復等からオレフィン系樹脂が好ましい。
【0017】上記発泡剤は、加熱された際にガスを発生
するものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエン
スルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)等の熱分解型化学発泡剤;水、
二酸化炭素等の物理型発泡剤などが挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用されてもよい。
その中でもアゾジカルボンアミドが特に好適に用いられ
る。
【0018】熱分解型化学発泡剤は、所望の発泡倍率に
応じて適宜の量で使用されるが、少なすぎると得られる
発泡体の発泡倍率が小さくなりすぎ、軽量化の効果が奏
されないとともに、断熱効果が小さくなり、多すぎると
得られる発泡体の発泡倍率が大きくなりすぎ、線状体を
埋設一体化する際やシート状物を積層する際に発泡積層
体としての強度が不十分となることがあるので、樹脂成
分100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、
さらに好ましくは2〜35重量部である。
【0019】本発明1において使用される発泡体(A)
は、上記発泡性樹脂組成物をシート状に賦形して得られ
る発泡性樹脂シートを、そのシートの面方向と直交する
方向に発泡することにより得られる。
【0020】本発明1で使用される線状材(B)は、複
数の素線からなり、上記発泡性樹脂シートが形成する面
方向に素線が配向されるものであってもよいし、後述す
るような発熱体であってもよい。
【0021】上記線状材(B)を構成する材料は特に限
定されず、紙、布、木材、鉄、非鉄金属、プラスチッ
ク、ガラス、無機物などの任意の材料を選定できる。ま
た、上記線状材(B)を、発泡性樹脂シートと積層・一
体化させるには、発泡性樹脂シートとの間にある程度の
接着性を発現するものが好ましいが、発泡性樹脂と接着
性が小さい線状材であっても物理的なアンカー効果によ
って接着可能なものであればよい。
【0022】但し、後述するように、線状材により面内
方向の発泡を抑制する場合には、線状材の強度が低すぎ
ると、発泡に際して線状材が裂けてしまうことがあり、
発泡性シートの面内方向の発泡を充分に抑制することが
できないことがある。従って上記面内発泡を抑制するた
めの線状材としては、発泡体の倍率が10倍である場合
は、引張り強度が0.1kgf/cm2 以上のものであ
ることが好ましい。ただしこれは実測した樹脂の発泡圧
力から求めた値であり、発泡倍率によって変化するた
め、これを限りとしない。また、本発明1で好適に使用
しうる線状材としては、例えば、アルミニウム系線状
材、ポリオレフィン系の樹脂を押出成形した線状のもの
などが挙げられる。
【0023】本発明1で使用される用いるシート状物
(C)を構成する材料も特に限定されず、上記線状材
(B)と同様に、紙、布、木材、鉄、非鉄金属、プラス
チック、ガラス、無機物などの任意の材料を選定でき
る。また線状材(B)と同様、発泡性シートと積層・一
体化させる場合には、発泡性シートとの間にある程度の
接着性を発現するものが好ましいが、発泡性樹脂と接着
性が小さい線状材であっても物理的なアンカー効果によ
って接着可能なものであればよい。
【0024】よって、シート状物(C)としては、発泡
体の倍率が10倍である場合は、引張り強度が0.1k
gf/cm2 以上であることが好ましい。
【0025】上記シート状物(C)としては、ガラスク
ロス、寒冷紗、織布または不織布、ニードルパンチ、紙
などが挙げられる。ガラスクロスとは、ガラス繊維を抄
造して得られるサーフェイスマット、ガラスロービング
が織られてなるものをいう。また寒冷紗、不織布、ニー
ドルパンチは、主にポリエステルやナイロン等の合成樹
脂繊維からなるものである。織布は一般的な天然繊維や
合成繊維からなるものも含まれる。
【0026】なお、サーフェイスマットについてはガラ
ス短繊維同士を結着するためのバインダーが含まれても
よい。該バインダーとしては、シート状物(C)の引張
強度が上記範囲を満たすものであれば特に限定されず、
例えば、ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、ア
クリル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。織
布、不織布を構成する有機繊維としてはポリエステル繊
維、綿、アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラ
ミド繊維等が挙げられる。これらのシート状物と線状材
を使用することによって、軽量で圧縮強度を有するオレ
フィン系樹脂積層発泡体を得ることができる。
【0027】また上記シート状物(C)は、鉄製シー
ト、またはアルミニウム、チタン、銅等の非鉄金属シー
ト等の金属からなるものであってもよい。鉄製シートに
は溶融亜鉛鋼板や溶融亜鉛アルミニウム合金鋼板、ステ
ンレス鋼板等が含まれる。このような金属製のシート状
物としては、厚み0.01mm〜2mmの圧延された薄
いシートが特に好適に使用される。この場合、これらの
金属は任意にメッキされている、あるいは有機塗料、無
機塗料等で塗装されていてもよい。これらの金属製シー
ト状物を使用する場合、得られるオレフィン系樹脂複合
発泡体は軽量の金属複合板となり得る。これは、厚さ1
〜5mmの金属板や、中間層としてポリエチレン層など
を配した金属複合板と比較して、実用上極端な強度不足
を来たさずに、さらに軽量化と低コスト化が図れるメリ
ットを有する。またこの複合発泡体は発泡性複合シート
を発泡させて製造されるため、発泡体に後から金属シー
ト状物を貼付した金属複合板と比較して、表面平滑性が
極めて優れたものになる。
【0028】請求項2記載の発明(以下、「本発明2」
という)の発泡積層体は、線状材(B)が発熱体である
ことを特徴とする。
【0029】上記発熱体としては、例えばコードヒータ
ー、感熱線などがあげられる。このようにすることによ
って、発泡積層体を、床暖房用の畳床材として使用する
ことが可能となる。
【0030】請求項3記載の発明(以下、「本発明3」
という)の発泡積層体の製造方法は、略平滑になされた
シート状物(C)の一面に線状材(B)が凸状となるよ
うに貼付され、シート状物(C)の線状材(B)が貼付
された側に、発泡性樹脂組成物をシート状に賦形して得
られる発泡性樹脂シートの少なくとも片面に、上記発泡
性樹脂シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を
抑制し得る強度を有するシート状物(C)の線状材
(B)側を積層し、発泡性樹脂シートを発泡させるもの
である。
【0031】上記発泡性樹脂シートの少なくとも片面に
シート状物(C)を積層する方法は特に限定されるもの
ではないが、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性樹
脂シートにシート状物(C)を加熱しながら貼付する方
法、(ロ)発泡性樹脂シートを溶融状態になるまで加熱
しておき、これをシート状物(C)に熱融着する方法な
どが挙げられる。
【0032】発泡性樹脂シートにシート状物(C)が貼
付された積層体の厚み精度を確保するには方法(イ)が
最も好ましい。(ロ)の方法(熱融着)では、例えば、
Tダイから押し出された直後の溶融状態の発泡性樹脂シ
ートの両面に、線状材(B)の貼付されたシート状物を
軽く積層した状態で、これらを対向状の冷却ロール間を
通過させ、ロールの押圧力で両者を一体化する方法が好
ましい。なお、上記のように発泡性シートとシート状物
を積層して一体化するとは、発泡性シートと線状材の貼
付されたシート状物とを両者の界面において剥離しよう
とした場合に、高い割合で材料破壊が生じる程度に両者
が固着されている状態を意味するものとする。
【0033】こうして得られた積層体は、適切な温度条
件で発泡性樹脂シートを加熱することにより、常圧ある
いは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることがで
きる。上記加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤の分解温
度から、分解温度+100℃までの温度範囲で行われ
る。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発
泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡機、ベ
ルト式発泡機等の接触式発泡機;縦型または横型発泡
炉、熱風恒温槽等の加熱炉;オイルバス、メタルバス、
ソルトバス等の熱浴などが用いられる。
【0034】この製造方法において、操作条件を適宜設
定することによって、本発明1および2の発泡積層体を
得ることができる。
【0035】上記「面内方向」とは、発泡性熱可塑性樹
脂シートにより形成される面に平行な方向をいう。
【0036】請求項4記載の発明(以下、「本発明4」
という)の発泡積層体の製造方法は、本発明3におい
て、発泡性樹脂組成物が、オレフィン系樹脂を変性用モ
ノマーと反応させることにより、変性して得られた変性
樹脂と、熱分解型化学発泡剤とからなるものである。
【0037】本発明4で使用されるオレフィン系樹脂と
は、ポリオレフィンが主成分となる樹脂組成物をいい、
ポリオレフィンとしては、上述したポリエチレンやポリ
プロピレンの1種もしくは2種以上の組みあわせが好ま
しい。
【0038】上記オレフィン系樹脂中のポリオレフィン
の量は、少なすぎると、ポリオレフィンの特徴である軽
量、耐薬品性、柔軟性、弾性回復等が発揮できないばか
りか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難とな
る場合があるので、樹脂成分中、ポリオレフィンが70
重量%以上であることが好ましい。
【0039】本発明4で使用される変性用モノマーと
は、ラジカル反応しうる官能基を2個以上有する化合物
であり、その官能基としては、例えば、オキシム基、マ
レイミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル
基、カルボニル基等が挙げられる。
【0040】上記変性用モノマーのうちオキシム基を2
個有する、即ちジオキシム化合物としては、オキシム基
またはその水素原子が他の原子団(主に炭化水素基)で
置換された構造)を分子内に2個有する化合物であり、
例えばp−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキ
ノンジオキシム等が例示される。ジオキシム化合物は2
種以上の組合わせで使用することもできる。
【0041】上記変性用モノマーのうちマレイミド基を
2個有する、即ちマレイミド構造を分子内に2個有する
ビスマレイミド化合物としては、例えばN,N’−p−
フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレン
ビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド等が
例示される。ビスマレイミド化合物は2種以上の組合わ
せで使用することもできる。また、マレイミド構造が分
子内に2個以上有するポリマレイミドも、同じ効果を奏
するのでビスマレイミド化合物の範疇に含まれる。
【0042】上記変性用モノマーのうちビニル基を2個
有する、即ちジビニル化合物としては、例えば、ジビニ
ルベンゼン等があげられる。なお、ジビニル化合物とし
て芳香族化合物を使用する場合、2つのビニル基はオル
ト、メタ、パラのいずれの位置関係にあってもよい。
【0043】上記変性用モノマーのうちアリル基を2個
以上有する、即ちアリル系多官能モノマーとしては、ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルクロレンデート等が例示
される。アリル系多官能モノマーは2種以上の組合わせ
で使用することもできる。
【0044】上記変性用モノマーのうち(メタ)アクリ
ル基を2個以上有する、即ち(メタ)アリル系多官能モ
ノマーとしては、例えば(メタ)アクリロイルオキシ基
を2〜4個有する化合物があげられる。
【0045】(メタ)アクリロイルオキシ基が2個の多
官能モノマーとしては、例えば、アルカンジオールジ
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレン
グリコール付加物ジ(メタ)アクリレート等があげられ
る。
【0046】(メタ)アクリロイルオキシ基が3個の多
官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチ
レンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセ
リンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレー
ト、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェ
ート等があげられる。
【0047】(メタ)アクリロイルオキシ基が4個の多
官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0048】上記変性用モノマーのうちカルボニル基が
2個の多官能モノマーとしては、キノン化合物等の環状
化合物が挙げられ、具体的には、例えば、ヒドロキノ
ン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノ
ン等があげられる。
【0049】上記変性用モノマーの量は、同モノマーの
種類に応じて適宜決定すればよいが、概ねポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であ
り、好ましくは0.2〜2重量部である。変性用モノマ
ーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要
な溶融粘度を付与できず、5重量部を超えると、架橋度
が上がりすぎ、押出成形性が悪くなる(例えば、高負荷
がかかる、メルトフラクチャーが発生する)。さらに
は、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練で
きず、不必要にゲル分率が上がりすぎ、リサイクル性を
損なう。加えて、後に加熱発泡時の発泡圧力が高くなり
過ぎ、面内方向の発泡を抑制するためのシート状物に引
っ張り強度の小さいものが使用できなくなる。
【0050】本発明4においては、変性用モノマーと併
せて有機過酸化物を使用してもよい。特にビニル化合物
やアリル化合物を変性用モノマーとして使用する場合に
は、有機過酸化物を併用することが好ましい。
【0051】上記有機過酸化物としては、ポリオレフィ
ンのグラフト反応に一般的に用いられる任意のものが使
用され、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられ、これら
が単独でまたは2種以上の組合わせで好適に用いられ
る。
【0052】特に、ジクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
のうちの1種もしくは2種以上がより好適に用いられ
る。
【0053】上記有機過酸化物の量は、少なすぎるとグ
ラフト化反応の転化が不十分であり、多すぎるとポリプ
ロピレンのいわゆるβ解裂が顕著に起こり、変性物の分
子量が低すぎて物性の低下あるいは粘度低下による発泡
不良に至ることがあるので、ポリオレフィン系樹脂10
0重量部に対し、0.001〜0.5重量部であること
が好ましく、0.005〜0.15重量部であることが
より好ましい。
【0054】本発明4において変性樹脂を得るには、上
記スクリュー押出機やニーダーなどの混練装置を用い、
ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを所定条件で溶
融混和し反応させる。このときの反応温度は170℃以
上かつポリオレフィン系樹脂の分解温度以下、好ましく
は200℃〜250℃である。反応温度が170℃を下
回ると変性が不十分で、最終的に得られる発泡体の発泡
倍率が十分高くならないことがあり、約250℃を超え
るとポリオレフィン系樹脂が分解し易くなる。
【0055】上記の反応に用いる装置は、スクリュー押
出機の他、一般的にプラスチック成形加工で使用されう
る溶融混練装置であればよく、例えばニーダー、ロータ
ー、連続混練機などが例示される。このうち連続運転が
行えるスクリュー押出機が好ましく、1軸スクリュー押
出機、2軸スクリュー押出機、3本以上のスクリューを
備えた多軸スクリュー押出機などがいずれも好適に用い
られる。1軸スクリュー押出機としては、一般的なフル
フライト型スクリューに加え、不連続フライト型スクリ
ュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを有する押出
機なども用いられる。また、上記2軸スクリュー押出機
としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方
向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機などが
好適に使用し得る。なお、押出機の後段に真空ベントを
設けることは、樹脂組成物中に揮発物が残存するのを防
ぐのに効果的である。
【0056】スクリュー押出機を用いる場合、ポリオレ
フィン系樹脂は通常はホッパーから押出機へ投入される
が、定量性を増すため、スクリュー式フィーダー、重量
管理式フィーダーなどを用いることも好ましい。
【0057】変性用モノマーは、ポリオレフィン系樹脂
と同時にホッパーから押出機へ投入してもよいが、特に
ジビニルベンゼンやアリル系多官能モノマー等のいくつ
かは常温常圧で液体であるので、押出機にてポリオレフ
ィン系樹脂が溶融する位置より後流部に設けられた液体
注入孔から供給する方が、これを溶融樹脂中に均一に分
散できるので好ましい。このとき液体モノマーは、プラ
ンジャーポンプなどの圧送式のポンプで送液することが
望ましい。
【0058】変性用モノマーに有機過酸化物を併用する
場合は、有機過酸化物を変性用モノマーと予め混合して
これらを同時に投入する方法、あるいはモノマー投入と
前後して有機過酸化物を別投入する方法などが適用でき
る。
【0059】該変性樹脂は、後にその流動性を改良する
目的で、さらに同種あるいは異種の未変性のポリオレフ
ィン系樹脂(以下「ブレンド用樹脂」という)と溶融混
合されても良い。このような変性樹脂とブレンド用樹脂
との混合物を用いることにより、得られる発泡性樹脂組
成物の流動性が改善され、これによって、極めて薄い発
泡原反が成形可能となり、その結果、薄い複合発泡シー
トの製造が可能となる。その上、流動性が紡錘形の気泡
を形成するのに好適に働き、その結果として、より高圧
縮強度の発泡体を得ることも可能となる。上記ブレンド
用樹脂としては、上述のポリオレフィン系樹脂と同様の
ものが使用される。
【0060】上記ブレンド用樹脂の種類および量は、得
られる発泡性複合シートの成形性、外観、シート状物と
の接着性、およびこれから得られる複合発泡体の発泡倍
率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜決
定され、通常、変性ポリオレィン系樹脂100重量部に
対して、50〜200重量部、より好ましくは7013
0重量部溶融混合される。ブレンド用樹脂の割合が大き
すぎると、発泡に必要な溶融張力が保持できないため、
発泡倍率の低下を引き起こし、良好な発泡体が得られな
い。
【0061】本発明4に使用される熱分解型化学発泡剤
としては、上記本発明1に挙げたものと同様のものが挙
げられる。熱分解型化学発泡剤は、変性樹脂100重量
部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜35重量
部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使用され
る。
【0062】このようにして、ポリオレフィン系樹脂と
変性用モノマーから得られた変性樹脂に熱分解型化学発
泡剤を混練して発泡性樹脂組成物を得るには、上述の反
応用の溶融混練装置と、これとは別の発泡剤混和用の溶
融混練装置(構造は反応用の溶融混練装置のそれと同じ
であってもよい)とを用いて、同発泡剤が実質的に分解
しない最高温度以下で両者を混合する。この溶融混練の
態様としては下記のものがある。
【0063】(a) 反応用の回分式あるいは連続式の溶融
混練装置において、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノ
マーを溶融混和して反応し、得られた変性樹脂を同溶融
混練装置から取り出して固化、造粒などを行った後、同
樹脂組成物を発泡剤混和用の回分式あるいは連続式の混
練装置に移し、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練
し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0064】(b) 反応用の回分式の溶融混練装置におい
て、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和
して反応を行い、得られた変性樹脂を同混練装置内で、
発泡剤が多量に分解しない温度まで冷却した後、これに
発泡剤を投入し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を
得る。
【0065】(c) 反応用のスクリュー押出機(連続式の
溶融混練装置)において、ポリオレフィン系樹脂と変性
用モノマーを170℃以上の温度で溶融混和して反応を
行い、得られた変性樹脂を発泡剤が多量に分解しない温
度まで降温させた後、さらに同スクリュー押出機の途中
に設けた供給口より発泡剤を投入し、両者を溶融混練
し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0066】(d) 連続操作のもう一つの形態では、2台
のスクリュー押出機などを連結して、1台目でポリオレ
フィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和して反応を行
い、得られた変性樹脂を上記と同様に降温させた後、同
樹脂組成物を2台目に移し、これに発泡剤を投入し、両
者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0067】変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を混練して
なる発泡性樹脂組成物は、シート状に賦形される。賦形
の方法は押出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレ
ンダリング成形、射出成形など、プラスチックの成形加
工で一般的に行われる方法が適用可能である。
【0068】特に、上記(a)(b)の方法にしたがって得ら
れる発泡性樹脂組成物を、回分式の発泡剤混和用混練装
置より取り出し、これをスクリュー押出機に投入して連
続的にシート形状に賦形する方法、あるいは、上記(a)
(c)(d) の方法にしたがって、スクリュー押出機より吐
出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生産
性の観点より好ましい。
【0069】請求項5記載の発明(以下、「本発明5」
という)の発泡積層体の製造方法は、線状材(B)が発
熱体であることを特徴とする。上記発熱体としては、本
発明2で挙げたものと同様のものが使用される。
【0070】請求項6記載の発明(以下、「本発明6」
という)の畳は、本発明1または2の発泡積層体を芯材
とし、その外面に、畳表が縫着されているものである。
本発明6において、上記発泡積層体からなる芯材には、
畳表、及び必要に応じて畳縁、・・・・が縫着されてい
る。上記発泡積層体からなる芯材を畳床材として用い、
線状材が発熱体である場合(本発明2、5)には、上記
畳は床暖房用となる。
【0071】(作用)本発明1の発泡積層体は、発泡性
樹脂組成物をシート状に賦形して得られる発泡性樹脂シ
ートを、発泡性樹脂シートの面方向と直交する方向に発
泡して得られた発泡体(A)と、長尺方向が上記発泡性
樹脂シートが形成する面方向とされ、発泡体(A)の一
表面側に、表面が露出されるように埋設一体化された線
状材(B)と、上記線状材(B)が埋設一体化された側
の面に積層されたシート状物(C)と、からなり、発泡
体(A)と表面が露出されるように埋設一体化された線
状材(B)とで形成される面が平滑となるようになされ
ているものであるから、発泡性樹脂シートを、その面方
向と直交する方向に発泡させるため、発泡体の気泡が、
球形から紡錘形になることにより、圧縮強度が高くな
り、線状材(B)及びシート状物(C)との積層により
さらに強度をあげることができる。
【0072】本発明2の発泡積層体は、本発明1におい
て、線状材(B)が発熱体となされているので、この発
泡積層体を床暖房用の畳床材として使用すると、高強度
なものとなる。
【0073】本発明3の発泡積層体の製造方法は、略平
滑になされたシート状物(C)の一面に線状材(B)が
凸状となるように貼付され、シート状物(C)の線状材
(B)が貼付された側に、発泡性樹脂組成物をシート状
に賦形して得られる発泡性樹脂シートの少なくとも片面
に、上記発泡性樹脂シートを加熱発泡させる際の面内方
向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物(C)
の線状材(B)側を積層し、発泡性樹脂シートを発泡さ
せるものであるから、シート状物(C)が面内方向の発
泡を抑制しつつ、積極的に厚み方向に発泡を導くことが
できる。
【0074】本発明4の発泡積層体の製造方法は、本発
明3において、発泡性樹脂組成物が、オレフィン系樹脂
を変性用モノマーと反応させることにより、変性して得
られた変性樹脂と、熱分解型化学発泡剤とからなるか
ら、発泡性樹脂組成物が適度の流動性を維持しつつ、同
時に発泡が可能な程度の融体強度を持たせることができ
る。
【0075】本発明5の発泡積層体の製造方法は、本発
明3または4において、線状材(B)が発熱体となされ
ているので、床暖房用の畳床材を容易に得ることができ
る。
【0076】本発明6の畳は、本発明1または2記載の
発泡積層体を芯材とし、その外面に、畳表が縫着されて
いるものであるから、単体で生産性が高く、重量物の重
さに耐えることができる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面をもっ
て、さらに詳しく説明する。
【0078】図1は、本発明1の発泡積層体の一例を示
す断面図である。図1においてAは発泡体、Bは線状
材、Cはシート状物である。図1において発泡体Aは、
その一表面側に、線状材Bがその表面が露出されるよう
に埋設一体化され、埋設一体化された側の、発泡体Aと
ともに形成される面が平滑となるようになされている。
上記発泡体Aは発泡性樹脂組成物をシート状に賦形して
得られる発泡性樹脂シートを、発泡性樹脂シートの面方
向と直交する方向に発泡して得られたものであり、線状
材Bとシート状物Cは発泡性樹脂シートに貼付された状
態で、発泡性樹脂シートの面方向への発泡を抑制するし
得る強度を有し、発泡性樹脂シートは上述の如く発泡性
樹脂シートの面方向と直交する方向に発泡されて発泡体
Aとなる。
【0079】図2は、本発明2の発泡積層体の一例を示
す断面図である。図2において、線状材B1が発熱体
(コードヒーター)であること以外は、図1と同様であ
る。図1及び図2において、線状材(B、B1)は略等
間隔で配設されているが、発泡性樹脂シートを発泡させ
る際に発泡体Aとシート状物Cとが貼着可能な強度を有
するだけ直接接触されている限りにおいて、線状材
(B、B1)は任意に配設できる。
【0080】図3は、本発明3の発泡積層体の製造方法
を説明するための模式図である。図3に示すように、本
発明3の発泡積層体の製造方法は、発泡性樹脂組成物を
押出機1に供給し、Tダイ2からシート状に押し出すこ
とにより、発泡性樹脂シート3が得られる。次いで、得
られた発泡性樹脂シート3の少なくとも片面(図3では
両面)に、繰り出しロール4から発泡性樹脂シート3を
加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度
を有するシート状物C(図1)と線状材B(図1)との
積層体31を、貼り合わせロール5にて貼り合わせ、発
泡性樹脂複合シート6を作製する。さらに、得られた発
泡性樹脂複合シート6の発泡性樹脂シートを、発泡性樹
脂組成物中の発泡剤の分解温度以上に加熱発泡させるこ
とにより、発泡性樹脂シートの面方向と直交する方向に
発泡して得られた発泡体A(図1)と、線状材B(図
1)とシート状物C(図1)との積層体31が積層され
た発泡積層体が得られる。
【0081】
【実施例】本発明を実施例によってよりさらに具体的に
説明する。
【0082】1.発泡積層体の製造 (実施例1) (1) 変性樹脂の調製 ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体(三菱化学社製、品番「EG8」、M
I:0.8g/10min、密度;0.9g/cm3
100重量部、変性用モノマーとしてp−キノンジオキ
シム(大内新興化学社製、商品名「バルノックGM−
P」)0.75重量部を10kg/hの供給速度で、ス
クリュー押出機(プラスチック工学研究所社製、型式
「BT40」、同方向回転2軸スクリュー、セルフワイ
ピング2条スクリュー、L/D=35、D=39mm、
以下、「変性用スクリュー押出機」という)の後端ホッ
パーから別々に投入し両者を溶融混和し、変性樹脂を得
た。このとき、押出機内で発生した揮発分は第4バレル
に設置された真空ベントにより真空引きした。
【0083】上記変性用スクリュー押出機のシリンダー
バレルは押出機の上流側から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
操作条件は下記の通りである。 上記変性用スクリュー押出機で得られた変性樹脂をスト
ランドダイから吐出し、水冷した後、ペレタイザーで切
断し、変性樹脂のペレットを得た。
【0084】(2) 発泡性樹脂組成物と複合シートの調製 上述のようにして得られた変性樹脂をスクリュー押出機
(日本製鋼所社製、型式「TEX−44」、同方向回転
2軸スクリュ、セルフワイピング2条スクリュー、L/
D=45.5、D=47mm:以下、「発泡剤混練用ス
クリュー押出機」という)の後端ホッパーから変性樹脂
を20kg/hの供給速度で、第6バレルに設置された
サイドフィーダーから発泡剤としてアゾジカルボンアミ
ドを1kg/hの供給速度で供給し:スクリュー回転数
40rpmで混練し、発泡性樹脂組成物を得た。このと
き、押出機内で発生した揮発分は第11バレルに設置さ
れた真空ベントにより真空引きした。
【0085】上記発泡剤混練用スクリュー押出機のシリ
ンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バ
レルからなり、成形ダイは幅500mm、厚さ3.5m
mのTダイである。シリンダーバレル等の温度設定は下
記の通りである。 第1バレル 常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル :150℃ 第2ゾーン;第5〜8バレル :170℃ 第3ゾーン;第9〜12バレル :180℃ 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部:160℃
【0086】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出して発
泡性樹脂シートを得、冷却ロールに通す際に、発泡性樹
脂組成物シートの表面、裏面の両面に、ポリエチレンテ
レフタレート製の不織布(東洋紡績社製、商品名「スパ
ンボンド エクーレ 6301A」、秤量30g/
2 、引張り強度:縦1.6kg/cm2 、横1.2k
g/cm2 )に10mmごとに幅5mm、厚み0.1m
mのアルミニウム線状材を接着剤(積水化学工業社製エ
スダイン580G)にて貼付したものを熱融着し、幅4
60mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡
性複合シートを得た。
【0087】(3) 発泡 得られたポリオレフィン系樹脂発泡シートを加熱ゾーン
を有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱発泡
させ、発泡積層体を得た。
【0088】(実施例2)発泡性樹脂組成物と複合シー
トの調製(2)において、線状材として、直径1.5mm
のコードヒーターを10mmごとに貼付したこと以外
は、実施例1と同様にして、発泡積層体を得た。
【0089】(比較例1)発泡性樹脂組成物と複合シー
トの調製(2)において、線状材を貼付しなかったこと以
外は、実施例1と同様にして、発泡積層体を得た。
【0090】(比較例2)図4に示したように、発泡体
(イ)としてポリスチレン(厚さ45mm、発泡倍率1
5倍)に切り欠き(ハ)を設け、該切り欠き(ハ)にコ
ードヒーター(ニ)を挿入し、灼熱板(ロ)としてアル
ミニウム箔を上記発泡体(イ)に積層し、発泡積層体を
得た。
【0091】(比較例3)図5に示したように、発泡体
(イ)にコードヒーター(ヘ)付き不織布(ホ)を積層
し、発泡積層体を得た。
【0092】2.性能評価 実施例1〜2、比較例1〜3で得られた発泡積層体を以
下の評価に供し、結果を表1にまとめて示した。下記の
項目について性能評価した。 ・発泡積層体の厚さ:ノギスにより測定した。 ・発泡倍率:発泡積層体よりシート状物をカッターで削
り取った後、JIS K6767に準じて発泡体の発泡
倍率を測定した。 ・圧縮強度:発泡積層体をJIS K6767に準じ
て、厚み方向に圧力を加えた際の25%圧縮強度を測定
した。 ・耐衝撃性:発泡積層体にJIS A4416準じて、
7Kgの砂袋を1mの高さから垂直に発泡積層体に落下
した。異常がない場合は○、発泡積層体表面に、割れ
や、ひび等が生じた場合は×を記した。 ・外観評価:発泡積層体と畳表と縫い合わせた時の外観
評価を行った。平滑な場合は○、平滑さがなく表面が波
打つ場合は×を記した。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】本発明1の発泡積層体は上述の如き構成
となされているので、畳床材として使用したときに、軽
くて、平滑であり、単体で生産性が高く、重量物の重さ
に耐えることができる。
【0095】本発明2の発泡積層体は上述の如き構成と
なされているので、床暖房用の畳床材として使用したと
きに、高強度なものとなる。
【0096】本発明3の発泡積層体の製造方法は上述の
如き構成となされているので、面内方向の発泡を抑制し
つつ、積極的に厚み方向に発泡を導くことができる。
【0097】本発明4の発泡積層体の製造方法は上述の
如き構成となされているので、発泡性樹脂組成物が適度
の流動性を維持しつつ、同時に発泡が可能な程度の融体
強度を持たせることができる。
【0098】本発明5の発泡積層体の製造方法は上述の
如き構成となされているので、床暖房用の畳床材を容易
に得ることができる。
【0099】本発明6の畳は積層体の製造方法は上述の
如き構成となされているので、単体で生産性が高く、重
量物の重さに耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の発泡積層体の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明2の発泡積層体の一例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明3の発泡積層体の製造方法を説明するた
めの模式図である。
【図4】比較例2で用いた従来の発泡積層体の一例を示
す断面図である。
【図5】比較例3で用いた従来の発泡積層体の一例を示
す断面図である。本発明3の発泡積層体の製造方法を説
明するための模式図である。
【符号の説明】
A:発泡体 B:線状材 C:シート状物 1:押出機 2:Tダイ 3:発泡性樹脂シート 6:発泡性樹脂複合シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡性樹脂組成物をシート状に賦形して
    得られる発泡性樹脂シートを、発泡性樹脂シートの面方
    向と直交する方向に発泡して得られた発泡体(A)と、 長尺方向が上記発泡性樹脂シートが形成する面方向とさ
    れ、発泡体(A)の一表面側に、表面が露出されるよう
    に埋設一体化された線状材(B)と、上記線状材(B)
    が埋設一体化された側の面に積層されたシート状物
    (C)と、からなり、発泡体(A)と表面が露出される
    ように埋設一体化された線状材(B)とで形成される面
    が平滑となるようになされていることを特徴とする発泡
    積層体。
  2. 【請求項2】 線状材(B)が発熱体であることを特徴
    とする請求項1記載の発泡積層体。
  3. 【請求項3】 略平滑になされたシート状物(C)の一
    面に線状材(B)が凸状となるように貼付され、シート
    状物(C)の線状材(B)が貼付された側に、発泡性樹
    脂組成物をシート状に賦形して得られる発泡性樹脂シー
    トの少なくとも片面に、上記発泡性樹脂シートを加熱発
    泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有す
    るシート状物の線状材側を積層し、発泡性樹脂シートを
    発泡させることを特徴とする発泡積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡性樹脂組成物が、オレフィン系樹脂
    を変性用モノマーと反応させることにより、変性して得
    られた変性樹脂と、熱分解型化学発泡剤とからなること
    を特徴とする請求項3記載の発泡積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 線状材(B)が発熱体であることを特徴
    とする請求項3または4記載の発泡積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の発泡積層体を芯
    材とし、その外面に、畳表が縫着されていることを特徴
    とする畳。
JP11169621A 1999-06-16 1999-06-16 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳 Pending JP2000356031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169621A JP2000356031A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169621A JP2000356031A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000356031A true JP2000356031A (ja) 2000-12-26

Family

ID=15889905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11169621A Pending JP2000356031A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000356031A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138099A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Kaneka Corp コンクリート床構造及びコンクリート床の施工方法
JP2010038288A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Nichias Corp 断熱体
KR101815728B1 (ko) 2014-05-22 2018-01-31 (주)엘지하우시스 차음성능 및 열전도성능이 향상된 바닥재

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138099A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Kaneka Corp コンクリート床構造及びコンクリート床の施工方法
JP2010038288A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Nichias Corp 断熱体
KR101815728B1 (ko) 2014-05-22 2018-01-31 (주)엘지하우시스 차음성능 및 열전도성능이 향상된 바닥재

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190002662A1 (en) Method of making coextruded, crosslinked multilayer polyolefin foam structures from recycled crosslinked polyolefin foam material
US6613172B1 (en) Process for producing foamable composite polyolefin resin sheet and composite foam
JP3117678B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートの製造方法
JP3124267B2 (ja) 積層発泡シート、その成形体及び積層発泡シートの製造方法
JP3597989B2 (ja) 傾斜構造発泡シートおよびその製造方法
JP2000356031A (ja) 発泡積層体およびその製造方法並びにそれを用いた畳
JP2008302595A (ja) 複合シートの製造方法
JP4092050B2 (ja) 暖房機能付床下地材
JP4109377B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
JP2001132220A (ja) 床材、その製造方法及びマンション
JP2001310432A (ja) 積層複合発泡体
JP4295378B2 (ja) 難燃性複合発泡体の製造方法
JP2002347101A (ja) シート状成形品の製造装置およびシート状成形品の製造方法
JP4921716B2 (ja) ピンナップ防炎パネル
JP2000313023A (ja) 複合発泡体シートの製造方法
JP4283398B2 (ja) 押出成形装置、及び、熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法、発泡性複合シートの製造方法、並びに、複合発泡シートの製造方法
JP2006123283A (ja) 化粧板積層発泡体及びそれを用いた天板
JP2002273778A (ja) ブレーカープレートおよびシート状成形品の製造方法
JP3766249B2 (ja) 発泡複合シートの製造方法
JP4275813B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体
JP2000289086A (ja) 押出成形装置におけるアダプター、発泡性シートの製造方法および発泡体の製造方法
JP2000317969A (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体の製造方法
JP2000062068A (ja) 発泡性複合シートの製造方法及び複合発泡体
JP2000119426A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡性組成物
JP3947527B2 (ja) 温水式暖房床及び床暖房システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080806