JP2002273778A - ブレーカープレートおよびシート状成形品の製造方法 - Google Patents

ブレーカープレートおよびシート状成形品の製造方法

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JP2002273778A JP2001078213A JP2001078213A JP2002273778A JP 2002273778 A JP2002273778 A JP 2002273778A JP 2001078213 A JP2001078213 A JP 2001078213A JP 2001078213 A JP2001078213 A JP 2001078213A JP 2002273778 A JP2002273778 A JP 2002273778A
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sheet
resin
breaker plate
thermoplastic resin
screw extruder
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JP2001078213A
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Toshio Inamori
俊夫 稲守
Masabumi Ishiyama
正文 石山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広のシート状成形品を高い生産性で得るこ
とが可能なブレーカープレート、およびシート状成形品
の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂組成物を押し出すスクリュ
ー押出機のスクリュー軸の先端よりも出口側の樹脂流路
に配され、押出機の上流側から下流側に貫通している多
数の小孔を備えたブレーカープレートにおいて、前記多
数の小孔の中で、上流側開口部がスクリュー押出機のス
クリュー軸先端部分近傍位置で滞留を伴いながら流動し
ている樹脂を臨む位置になる小孔が、下流側開口部を樹
脂流路の外周側へ臨む位置に備えていることを特徴とす
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーカープレー
トおよびシート状成形品の製造方法に関し、詳しくは、
ポリオレフフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂を含む熱
可塑性樹脂組成物からなる成形材料を押出成形するスク
リュー押出機と、このスクリュー押出機から押出された
熱可塑性樹脂組成物をシート状に成形するシート成形金
型とを備えた押出成形装置におけるスクリュー押出機の
スクリュー軸の先端よりも出口側の樹脂流路に配される
ブレーカープレートの改良、およびこのブレーカープレ
ートを備えた押出成形装置を用いたシート状成形品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シート成形品の押出成形は、一般的に、
図5に示したような、スクリュー押出機120とシート
成形金型130とを備えた押出成形装置100を使用し
て行う。しかし、スクリュー押出機120は、溶融状態
の熱可塑性樹脂組成物を押出す際、スクリュー121の
スクリュー軸先端部分122近傍に形成される空間部A
に滞留を伴いながら流動している滞留熱可塑性樹脂Tに
起因して、シート成形金型130に押出されて押出成形
品シートを成形したとき、押出し成形品シートにフロー
マークFと呼ばれる流線状の模様が生じてしまう。
【0003】フローマークFは、押出し品成形シートの
強度を低下させたり、見栄えを悪化させたりするなどの
悪影響を与える。そこで、フローマークFの生成の原因
となるスクリュー押出機におけるスクリュー軸先端部分
近傍の空間部Aに滞留する滞留熱可塑性樹脂Tを取り除
く技術として、特開昭56−150526号公報、特開
平4−276420号公報、特開平4−339632号
公報などには、スクリュー軸の軸心からブレーカープレ
ートの中心部をずらすように配したり、滞留部分をかき
回すようにしたりするなどのブレーカープレートを改造
する技術や、流量変動を調節するギヤポンプを使用した
りする技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されているブレーカープレートを改造する方法
では、押出成形によって作成される成形品からフローマ
ークの生成を減少させることはできても完全に消滅させ
ることはできなかった。特に、押出成形により成形され
る成形品が発泡体である場合、完全に消滅させることが
できず残ったフローマークは、この発泡させた成形品に
対して、成形品の強度を下げたり、見栄えを悪くしたり
するなどの悪影響が顕著に表れる。
【0005】また、ギヤポンプを使用してフローマーク
を解消する方法では、設備が非常に複雑となり、製品の
製造コストが非常に高価なものとなってしまうのに加え
て、やはり完全にフローマークを取り除くことは難し
い。このようなことから、フローマークFは、図5に示
したように、押出成形金型でシート状に成形したシート
賦形物H2から、フローマークFを除くように切断して
最終成形品(以下、「製品」と記す。)S2を成形して
いた。
【0006】しかし、このようなシート成形品の成形方
法では、得られる製品S2の有効幅が狭く、コスト的に
も問題があり、また、幅広の製品S2を作成する事に無
理が生じてしまうという問題がある。そこで、本発明
は、上述した問題点に鑑みてなされ、幅広のシート状成
形品を高い生産性で得ることが可能なブレーカープレー
ト、およびシート状成形品の製造方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1にかかるブレーカープレート(以
下、「請求項1のブレーカープレート」とのみ記す。)
は、熱可塑性樹脂組成物を押し出すスクリュー押出機の
スクリュー軸の先端よりも出口側の樹脂流路に配され、
押出機の上流側から下流側に貫通している多数の小孔を
備えたブレーカープレートにおいて、前記多数の小孔の
中で、上流側開口部がスクリュー押出機のスクリュー軸
先端部分近傍位置で滞留を伴いながら流動している樹脂
を臨む位置になる小孔が、下流側開口部を樹脂流路の外
周側へ臨む位置に備えていることを特徴とする構成とし
た。
【0008】また、本発明の請求項2にかかるシート状
成形品の製造方法(以下、「請求項2の製造方法」との
み記す。)は、請求項1記載のブレーカープレートをス
クリュー押出機のスクリュー軸の先端よりも出口側の樹
脂流路に配し、スクリュー押出機のスクリュー軸先端部
分近傍位置で滞留を伴いながら流動している滞留熱可塑
性樹脂を樹脂流路の外周側へ移行させる滞留樹脂移行工
程と、前記スクリュー押出機から押出された熱可塑性樹
脂組成物をシート成形金型で、前記滞留樹脂移行工程で
外周側へ移行させた滞留熱可塑性樹脂が両端部に位置す
るようにシート状の賦形物を賦形するシート賦形物賦形
工程と、前記シート賦形物賦形工程でシート状の賦形物
を賦形した後、このシート状の賦形物の両端部に位置す
る前記滞留熱可塑性樹脂により形成されるフローマーク
を切断して残部を最終成形品とする最終成形品仕上げ工
程とを備えている構成とした。
【0009】また、本発明の請求項3にかかるシート状
成形品の製造方法は、請求項2の製造方法の構成に加え
て、熱可塑性樹脂組成物が発泡剤を含んでおり、シート
状成形品が発泡体である構成とした。
【0010】上記構成において、請求項1のブレーカー
プレートの形状は、上流側開口部がスクリュー押出機の
スクリュー軸先端部分近傍位置で滞留を伴いながら流動
している樹脂を臨む位置になる小孔(以下、「滞留樹脂
通過用小孔」と記す。)の下流側開口部を樹脂流路の外
周側へ臨む位置に備えており、前記スクリュー軸先端部
分近傍位置で滞留を伴いながら流動している樹脂を樹脂
流路の外周側に移動することができるようになっていれ
ば、特に限定されず、たとえば、この滞留樹脂通過用小
孔が他の小孔と交差するようになっていてもよい。
【0011】また、ブレーカープレートに設けられてい
る小孔の数、小孔の形状、小孔の開口率、滞留樹脂通過
用小孔および他の小孔の数などは特に限定されないが、
たとえば、スクリュー押出機が2軸スクリューの場合
は、滞留樹脂通過用小孔が、2つのスクリュー軸それぞ
れの先端部分近傍位置に樹脂入口を臨ませるように少な
くとも2箇所以上設けることが好ましく、また1軸スク
リューの場合は、1つのスクリュー軸先端部分近傍位置
に樹脂入口を臨ませるように少なくとも1箇所以上設け
ることが好ましい。
【0012】また、滞留樹脂通過用小孔の直径は、発生
するフローマークを鑑みて、できるだけ小さくすること
が望ましい。すなわち、滞留樹脂通過用小孔の直径を大
きくしすぎるとフローマークを発生させない健全な樹脂
をも外周部へと移動させてしまい、結果的にシート体を
賦形したとき、切断するフローマークを伴った両側部の
面積が大きくなってしまい、製品を得る効率が悪くなっ
てしまうからである。しかしながら滞留樹脂通過用小孔
の樹脂経路は、他の小孔の樹脂経路に比べて若干長くな
り、圧力損失が大きくなる可能性があるため、他の小孔
に比べて直径を若干大きめにすることが好ましい。
【0013】以上のことより、ブレーカープレートに設
けられている小孔は、本発明の効果を損なわない範囲
で、全体的にできるだけ直径を小さくするとともに、滞
留樹脂通過用小孔の径は、他の小孔の径よりも若干大き
くすることが望ましい。なお、本発明にかかるブレーカ
ープレートには、滞留樹脂通過用小孔により、スクリュ
ー軸先端部分近傍の滞留熱可塑性樹脂を樹脂流路の外周
部へと移動させた分、滞留を伴わない通常に流動してい
る熱可塑性樹脂組成物を樹脂流路の内周部分へと移動さ
せるような小孔が設けられていても良い。
【0014】本発明におけるスクリュー押出機は、特に
限定されないが、1軸、2軸以上或いはこれらを組み合
わせたスクリュー押出機で、2軸の場合、スクリューの
回転方向がそれぞれの軸で反対でも、同じでも良く、ま
た、噛み合い型でも非噛み合い型でも構わない。さら
に、軸のタイプはパラレルタイプでもコニカルタイプで
も良い。加えて、スクリュー押出機を多段に組み合わせ
たタンデム方式を用いても良い。
【0015】また、スクリュー押出機から押出された熱
可塑性樹脂組成物を所定形状に賦形する金型は特に限定
されないが、たとえば、Tダイ、Lダイ、コートハンガ
ーダイ、フィッシュテールダイ等が挙げられ、単層、複
層は問わない。また、本発明に使用される熱可塑性樹脂
としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のオレフィ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アク
リロニトリルスチレン共重合体、ポリスチレン、(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリビニルアルコール、熱可塑性ポリ
エステル、熱可塑性エラストマー、粉末ゴムなどが挙げ
られる。これらは単独で使用されても良いし、2種類以
上併用されても良い。
【0016】また、本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物
は、上記熱可塑性樹脂に、必要により、充填剤、滑剤、
安定剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、消泡剤、顔
料、染料等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で
添加しても良い。本発明にかかるブレーカープレートを
備えた押出成形装置で成形される成形品としては、シー
ト状成形品の他に、ブロック体や管体、あるいはこれら
を発泡させた発泡体や複合発泡体などが挙げられ、ま
た、シート状成形品としては、発泡シート体や発泡性複
合シートなどが挙げられる。
【0017】次に、請求項3の製造方法のように、シー
ト状成形品として発泡体を形成する場合について、特開
平11−29142号公報のポリオレフィン系樹脂発泡
性複合シートの記載を例に説明する。特開平11−29
1425号公報は、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン
系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性した変性樹脂
に、熱分解型化学発泡剤を加えて混練した発砲性樹脂組
成物をシート状に成形して得られた発泡性シートの少な
くとも片面に、同シートを加熱発泡する際に生じる面内
方向の発泡力を抑制し得る度を有するシート状物を積層
することを特徴とする方法が記載されている。
【0018】このポリオレフィン系樹脂発泡性複合シー
トを加熱して発泡剤の分解によって発泡させることによ
り、複合発泡体を得ることができる。なおこの発泡性複
合シート及び複合発泡体に生じたフローマークは本発明
の請求項2または請求項3の製造方法における最終製品
仕上げ工程により取り除かれる。上述したように、熱可
塑性樹脂を変性した場合、成形品及び発泡体に発生する
フローマークは顕著な場合が多く、従来技術ではその解
消が非常に困難であったが、本発明のブレーカープレー
トは特に有効な方策となる。
【0019】なお、上述した、「面内方向」とは、発泡
性シートのシート面内にあるいかなる方向をも意味し、
長さ方向、幅方向を含む。また、「シート」とは、厚さ
に基づく厳密な意味での形態をいうのでなく、通常フィ
ルムと呼ばれる比較的薄手のものから通常板材と呼ばれ
る比較的厚手のものまで含むこととする。
【0020】また、上述したポリオレフィン系樹脂の主
体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単
独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモ
ノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではな
いが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモ
タイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレ
ン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分
とする共重合体などが例示され、またこれらの2以上の
組み合わせであってもよい。このように、ポリオレフィ
ン系樹脂の主体をなすポリオレフィンとしては、上述し
たポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以
上の組み合わせが好ましい。
【0021】また、上述したポリオレフィン系樹脂と
は、上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%で
ある樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成す
るポリオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例え
ば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げ
られる。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割
合が70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴であ
る軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばか
りか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難とな
る場合があるので好ましくない。
【0022】また、上述した変性用モノマーとは、ラジ
カル反応しうる官能基を2個以上有する化合物であり、
その官能基としては、例えば、オキシム基、マレイミド
基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、等があ
げられ、さらにキノン化合物等があげられる。変性用モ
ノマーのうちオキシム基を2個有する化合物、即ちジオ
キシム化合物としては、オキシム基またはその水素原子
が他の原子団(主に炭化水素基)で置換された構造)を
分子内に2個有する化合物であり、例えばp−キノンジ
オキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシム等が
例示される。また、ジオキシム化合物は、2種以上の組
み合わせで使用することもできる。
【0023】また、変性用モノマーのうちマレイミド基
を2個有する化合物、即ちマレイミド構造を分子内に2
個有するビスマレイミド化合物としては、例えばN,
N,’−P−フェニレンビスマレイミド、N,N,’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジフェニルメタンビス
マレイミド等が例示される。このとき、ビスマレイミド
化合物は2種以上の組み合わせで使用することもでき
る。また、マレイミド構造が分子内に2個以上有するポ
リマレイミドも、同じ効果を奏するのでビスマレイミド
化合物の範疇に含まれる。
【0024】また、変性用モノマーのうちビニル基を2
個有する化合物、即ちジビニル化合物としては、例え
ば、ジビニルベンゼン等があげられるが、2つのビニル
基はオルト、メタ、パラのいずれの位置関係にあっても
よい。また、変性用モノマーのうちアリル基を2個以上
有する化合物、即ちアリル系多官能モノマーとしては、
ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、ジアリルクロレンデート等が例
示される。アリル系多官能モノマーは2種以上の組み合
わせで使用することもできる。
【0025】また、変性用モノマーのうち(メタ)アク
リル基を2個以上有する化合物、即ち(メタ)アリル系
多官能モノマーとしては、例えば(メタ)アクリロイル
オキシ基を2〜4個有する化合物があげられる。(メ
タ)アクリロイルオキシ基が2個では、アルカンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレン
グリコール付加物ジ(メタ)アクリレート等があげら
れ、アクリロイルオキシ基が3個では、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、
グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アク
リレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォ
スフェート等があげられ、(メタ)アクリロイルオキシ
基が4個では、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)
アクリレート等があげられる。本発明方法で使用しうる
変性用モノマーのうちキノン化合物としては、ヒドロキ
ノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ペンゾキ
ノン等があげられる。
【0026】変性用モノマーの配合量は、同モノマーの
種類に応じて適宜選択すればよいが、概ねポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であ
り、好ましくは0.2〜2重量部である。変性用モノマ
ーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要
な溶融粘度を付与できず、5重量部を越えると、架橋度
が上がりすぎ、押出成形性が悪くなる(例えば、高負荷
がかかる、メルトフラクチャーが発生する)。さらに
は、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練で
きず、不必要にゲル分率が上がりすぎ、リサイクル性を
損なう。加えて、後に加熱発泡時の発泡圧力が高くなり
過ぎ、面内方向の発泡を抑制するためのシート状物に引
っ張り強度の小さいものが使用できなくなる。
【0027】また、上述した発泡性複合シート及び複合
発泡体の製造方法においては、変性用モノマーと併せて
有機過酸化物を使用してもよい。特にビニル化合物やア
リル化合物を変性用モノマーとして使用する場合には、
有機過酸化物を併用することが好ましい。有機過酸化物
はポリオレフィンのグラフト反応に一般的に用いられる
任意のものであれば良く、例えば、ペンゾイルパーオキ
サイド、2,4−ジクロロペンゾイルバーオキサイド、
t−ブチルバーオキシアセテート、t−ブチルバーオキ
シベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルバーオキシ)ヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
が挙げられ、これらが単独でまたは2種以上の組み合わ
せで好適に用いられる。特に、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−プチルバーオ
キシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3等のうちの1種もしくは2種以上がより好適
に用いられる。
【0028】有機過酸化物の使用量は、少なすぎるとグ
ラフト化反応の転化が不十分であり、多すぎるとポリプ
ロピレンのいわゆるβ解裂が顕著に起こり、変性物の分
子量が低すぎて物性の低下あるいは粘度低下による発泡
不良に至ることがある。これらの点を考慮すると、有機
過酸化物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂100重量
部に対し、0.001〜0.5重量部であることが好ま
しく、0.005〜0.15重量部であることがより好
ましい。
【0029】変性樹脂を得るには、スクリュー押出機や
ニーダーなどの混練装置を用い、ポリオレフィン系樹脂
と変性用モノマーを所定条件で溶融混和し反応させる。
このときの反応温度は170℃以上かつポリオレフィン
系樹脂の分解温度以下、好ましくは200℃〜300℃
である。反応温度が170℃を下回ると変性が不十分
で、最終的に得られる発泡体の発泡倍率が十分高くなら
ないことがあり、約300℃を越えるとポリオレフィン
系樹脂が分解し易くなる。
【0030】上記の反応に用いる装置は、スクリュー押
出機の他、一般的にプラスチック成形加工で使用されう
る溶融混練装置であればよく、例えばニーダー、ロータ
ー、連続混練機などが例示される。このうち連続運転が
行えるスクリュー押出機が好ましく、1軸スクリュー押
出機、2軸スクリュー押出機、3本以上のスクリューを
備えた多軸スクリュー押出機などがいずれも好適に用い
られる。1軸スクリュー押出機としては、一般的なフル
フライト型スクリューに加え、不連続フライト型スクリ
ュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを有する押出
機なども用いられる。また、上記2軸スクリュー押出機
としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方
向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機などが
好適に使用し得る。なお、押出機の後段に真空ベントを
設けることは、樹脂組成物中に揮発物が残存するのを防
ぐのに効果的である。
【0031】スクリュー押出機を用いる場合、ポリオレ
フィン系樹脂は通常はホッパーから押出機へ投入される
が、定量性を増すため、スクリュー式フィーダー、重量
管理式フィーダーなどを用いることも好ましい。変性用
モノマーは、ポリオレフィン系樹脂と同時にホッパーか
ら押出機へ投入してもよいが、特にジビニルベンゼンや
アリル系多官能モノマー等のいくつかは常温常圧で液体
であるので、押出機にてポリオレフィン系樹脂か溶融す
る位置より後流部に設けられた液体注入孔から供給する
方が、これを溶融樹脂中に均一に分散できるので好まし
い。このとき液体モノマーは、プランジャーポンプなど
の圧送式のポンプで送液することが望ましい。
【0032】変性用モノマーに有機過酸化物を併用する
場合は、有機過酸化物を変性用モノマーと予め混合して
これらを同時に投入する方法、あるいはモノマー投入と
前後して有機過酸化物を別投入する方法などが適用でき
る。該変性樹脂は、後に流動性を改良する目的で、さら
に同種あるいさらに同種の未変性ポリオレフィン系樹脂
(これをブレンド用樹脂と総称する)と溶融ブレンドさ
れても良い。このような変性樹脂とブレンド用樹脂との
ブレンドを用いることにより、得られる発泡性樹脂組成
物の流動性が改善され、これによって、極めて薄い発泡
原反が成形可能となり、その結果、薄い複合発泡シート
の製造が可能となる。その上、流動性が紡錘形の気泡を
形成するのに好適に働き、その結果として、より高圧縮
強度の発泡体を得ることも可能となる。未変性のポリオ
レフィン系樹脂とは、変性樹脂の変性前のポリオレフィ
ン系樹脂の定義で先に説明したものであって良い。
【0033】ブレンド用樹脂の種類および使用量は、得
られる発泡性複合シートの成形性、外観、シート状物と
の接着性、およびこれから得られる複合発泡体の発泡倍
率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜調
整される。特に変性ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対して、同種または異種の未変性のポリオレフィン系
樹脂50〜200重量部を新たに溶融ブレンドすること
が好ましい。より好ましくは70〜130重量部をブレ
ンドすることである。ブレンド用樹脂の割合が大きすぎ
ると、発泡に必要な溶融張力が保持できないため、発泡
倍率の低下を引き起こし、良好な発泡体が得られない。
【0034】熱分解型化学発泡剤としては、加熱により
分解ガスを発生するものであれば特に限定されない。こ
のような、熱分解型化学発泡剤の代表的な例としては、
たとえば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニル
ヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ト
ルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。これ
らは単独で用いてもまたは2種以上組み合わせて用いて
もよい。特に、アゾジカルボンアミドが最も好適に用い
られる。
【0035】熱分解型化学発泡剤は、混練する熱可塑性
樹脂100重量部に対して、1〜50重量部、好ましく
は2〜35重量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜
の量で使用することが好ましい。なお、発泡させること
が可能であるなら、発泡剤は、上述した熱分解型化学発
泡剤に代えて、元来気体であるか又は揮発性の液体であ
る揮発性発泡剤などを用いても構わない。
【0036】このようにして、ポリオレフィン系樹脂と
変性用モノマーから得られた変性樹脂に熱分解型化学発
泡剤を混練して発泡性樹脂組成物を得るには、上述の反
応用の溶融混練装置と混和用の溶融混練装置(構造は反
応用の溶融混練装置のそれと同じであってもよい)とを
用いて、同発泡剤が実質的に分解しない最高温度以下で
両者を混合する。この溶融混練の態様としては下記のも
のがある。
【0037】(a)反応用の回分式あるいは連続式の溶
融混練装置において、ポリオレフィン系樹脂と変性用モ
ノマーを溶融混和して反応し、得られた変性樹脂を同溶
融混練装置から取り出して固化、造粒などを行った後、
同樹脂組成物を発泡剤混和用の回分式あるいは連続式の
混練装置に移し、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練
して、発泡性樹脂組成物を得る。
【0038】(b)反応用の回分式の溶融混練装置にお
いて、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混
和して反応を行い、得られた溶融性樹脂を同溶融混練装
置内で、発泡剤が多量に分解しない温度まで冷却した
後、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練して、発泡性
樹脂組成物を得る。
【0039】(c)反応用のスクリュー押出貴(連続式
の溶融混練装置)において、ポリオレフィン系樹脂と変
性用モノマーを170度以上の温度で、溶融混和して反
応を行い、得られた変性樹脂を発泡剤が多量に分解しな
い温度まで降温させた後、さらに同スクリュー押出機の
途中に設けた供給口より発泡剤を投入し、両者を溶融混
練して、発泡樹脂組成物を得る。
【0040】(d)連続操作のもう一つの形態では、2
台のスクリュー押出機などを連結して1代目でポリオレ
フィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和して反応を行
い得られた変性樹脂を上記と同様に降温させた後、同樹
脂組成物を2台目に移し、これに発泡剤を投入し、両者
を溶融混練して、発泡樹脂組成物を得る。
【0041】混合物に熱分解型化学発泡剤を混練した発
泡樹脂組成物は、シート状に賦形される。賦形方法は押
出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング
成形、射出成形など、プラスチックの成形加工で一般的
に行われる方法が適用可能である。特に、上記(a)
(b)の方法にしたがって得られる発泡性樹脂組成物
を、回分式の発泡剤混和用混練装置より取り出し、これ
をスクリュー押出機に投入して連続的にシート形状に賦
形する方法、あるいは、上記(a)(c)(d)の方法にし
たがって、スクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組
成物を、直接賦形する方法が、生産性の観点より好まし
い。
【0042】上述した方法で用いるシート状物を構成す
る材料は、紙、布、木材、鉄、非鉄金属、プラスチッ
ク、ガラス、無機物など自由に選べ、特に限定されるも
のではない。またシート状物は、複合シートなどを成形
する際に、発泡性シートと積層・一体化させる場合に
は、発泡性シートとの間にある程度の接着性を発現する
ものが望ましいが、接着性が無いシート状物であっても
物理的なアンカー効果によって接着可能なものであれば
よい。
【0043】但し、面内方向の発泡を抑制するためのシ
ート状物の強度が低すぎると、発泡に際してシー卜状物
が裂けてしまい、発泡性シートの面内方向の発泡を充分
に抑制することができないことがある。従って上記面内
発泡を抑制するためのシート状物としては、発泡体の倍
率が10倍である場合は、引張り強度が0.1kgf/
cm以上のものであることが好ましい。ただしこれは実
測した樹脂の発泡圧力から求めた値であり、発泡倍率に
よって変化するため、これを限りとしない。
【0044】上述した製造方法で、好適に使用しうるシ
ート状物としては、ガラスクロス、寒冷紗、織布または
不織布、ニードルパンチ、紙などが挙げられる。ガラス
クロスとは、ガラス繊維を抄造して得られるサーフェイ
スマット、ガラスロービングが織られてなるものをい
う。また寒冷紗、不織布、ニードルパンチは、主にポリ
エステルやナイロン等の合成樹脂繊維からなるものであ
る。織布は一般的な天然繊維や合成繊維からなるものも
含まれる。なお、サーフェイスマットについてはガラス
短繊維同士を結着するためのバインダーが含まれてもよ
い。該バインダーとしては、シート状物の引張強度が上
記範囲を満たすものであれば特に限定されず、例えば、
ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系
樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。織布、不織
布を構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、綿、
アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維
等が挙げられる。これらのシート状物を使用することに
よって、軽量で圧縮強度を有するポリオレフィン系樹脂
複合発泡体を得ることができる。
【0045】またシート状物は、鉄製シート、またはア
ルミニウム、チタン、銅等の非鉄金属シート等の金属か
らなるものであってもよい。鉄製シートには溶融亜鉛銅
板や溶融亜鉛アルミニウム合金銅板、ステンレス銅板等
が含まれる。このような金属製のシート状物としては、
厚み0.01mm〜2mmの圧延された薄いシートが特
に好適に使用される。この場合、これらの金属は任意に
メッキされている、あるいは有機塗料、無機塗料等で塗
装されていてもよい。これらの金属製シート状物を使用
する場合、得られるポリオレフィン系樹脂複合発泡体は
軽量の金属複合板となり得る。これは、厚さ1〜5mm
の金属板や、中間層としてポリエチレン層などを配した
金属複合板と比較して、実用上極端な強度不足を来たさ
ずに、さらに軽量化と低コスト化が図れるメリットを有
する。またこの複合発泡体は発泡性複合シートを発泡さ
せて製造されるため、発泡体に後から金属シート状物を
貼付した金属複合板と比較して、表面平滑性が極めて優
れたものになる。
【0046】発泡性シートの少なくとも片面にシート状
物を積層する方法は特に限定されるものではないが、例
えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状
物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを
溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に
熱融着する方法などが挙げられる。
【0047】ここで、発泡性複合シートの厚み精度を確
保するためには方法(イ)が最も好ましい。方法(ロ)
の熱融着では、例えば、Tダイから押し出された直後の
溶融状態の発泡性シートの両面に、シート状物を軽く積
層した状態で、これらを対向状の冷却ロール間を通過さ
せ、ロールの押圧力で両者を一体化する方法が好まし
い。なお、上述した発泡性シートとシート状物を積層し
て一体化するとは、発泡性シートとシート状物とを両者
の界面において剥離しようとした場合に、高い割合で材
料破壊が生じる程度に両者が固着されている状態を意味
するものとする。
【0048】こうして得られた発泡性複合シートは、適
切な温度条件で加熱することにより、常圧あるいは一定
加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることができる。上
記加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤の分解温度から、
分解温度+100℃までの温度範囲で行われる。特に連
続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き
取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式
発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるい
はオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどの熱浴が用
いられる。
【0049】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるブレーカー
プレートの1実施の形態を図面とともに詳細に説明す
る。図1は、本発明にかかるブレーカープレートを備え
た押出成形装置とこの押出成形装置により形成されるシ
ート賦形物からシート状成形品を得る様子を模式的に示
した概略図である。
【0050】図1に示したように押出成形装置10は、
スクリュー押出機2と、シート成形金型3とを備えてい
る。スクリュー押出機2は、2つのスクリュー21を備
えた2軸の押出機であり、これらのスクリュー軸先端部
分22よりもスクリュー押出機出口側の樹脂流路Rに、
ブレーカープレート1が配されている。
【0051】ブレーカープレート1は、図1〜図4に示
したように、複数の小孔として、スクリュー押出機2で
熱可塑性樹脂組成物を押出すとき、スクリュー軸先端部
分22の先端部分近傍位置の空間部Aで滞留を伴いなが
ら流動している滞留熱可塑性樹脂Tを通過させる滞留樹
脂通過用小孔(以下、「小孔」とのみ記す。)11と、
それ以外の熱可塑性樹脂組成物を通過させる小孔12と
が穿設されている。
【0052】小孔11は、図4(a)、(b)に示した
ように、上流側開口部111が、スクリュー軸先端部分
22の先端部分近傍位置の空間部Aに臨む位置に設けら
れているとともに、下流側開口部122が、樹脂流路R
の外周側に臨むように形成されている。
【0053】小孔12は、小孔11を除く全ての小孔を
指し、図1、図2、図4に示したように、スクリュー押
出機2で押出される熱可塑性樹脂組成物の流れる方向に
略平行に設けられているとともに、その一部は、図4
(a)、(c)に示したように、小孔12と交差するよ
うにして樹脂流路Rの内周側に樹脂出口が臨むようにな
っている。
【0054】シート成形金型3は、図1に示したよう
に、Tダイと呼ばれる形状をしており、スクリュー押出
機2から樹脂流路Rを介して押出されてきた熱可塑性樹
脂組成物をシート状に賦形するようになっている。
【0055】次に、スクリュー押出機2内を流動する熱
可塑性樹脂組成物の動きについて説明する。また、図3
は、図2におけるスクリュー押出機2内の各位置での樹
脂流路を示した断面図である。すなわち、図3(a)
は、a−a線断面図、図3(b)は、b−b線断面図、
図3(c)は、c−c線断面図、図3(d)は、d−d
線断面図、図3(e)は、e−e線断面図である。熱可
塑性樹脂組成物Pは、スクリュー押出機2内で、図3
(a)に示したようにスクリュー21の回転により押出
されていくが、図3(b)に示したようにスクリュー軸
先端部分22を通過した後、図3(c)に示したように
スクリュー21の軸先延長部分にフローマーク発生原因
ともなる滞留熱可塑性樹脂Tが発生する。
【0056】この滞留熱可塑性樹脂Tは、ブレーカープ
レート1の小孔12を通過することで、図3(d)に示
したように樹脂流路Rを流れている熱可塑性樹脂組成物
Pの外周側へと移動する。(滞留樹脂移行工程) その後、滞留熱可塑性樹脂Tは、図3(e)に示したよ
うに、樹脂流路Rを流れている熱可塑性樹脂組成物Pの
外周側に沿うようにしてシート成形金型3に押出されて
いく。
【0057】以上のようにして供給された熱可塑性樹脂
組成物Pは、シート成形金型3で、図1に示したよう
に、シート状に賦形されたシート賦形物H1となる。こ
のとき、熱可塑性樹脂組成物Pとともに供給された滞留
熱可塑性樹脂Tは、図1に示したように、シート賦形物
H1の両端部でフローマークFを形成する。(シート賦
形物賦形工程) 最後に、フローマークFの内側に沿うように切断して、
その残部を最終成形品S1とする。(最終成形品仕上げ
工程)
【0058】このように、フローマークFの原因となる
スクリュー先端部での滞留熱可塑性樹脂Tは、ブレーカ
ープレート1により、樹脂流路Rを通過する熱可塑性樹
脂組成物Pの外周側へ移動されるため、フローマークF
は、シート成形金型3により賦形されたシート賦形物H
1の両端部へと寄ったものとなり、このシート賦形物H
1の両端部のフローマークFを切断してその残部を最終
成形品とすることで、最終成形品S1の有効幅を広げる
ことが可能となる。
【0059】また、切断したフローマークFは、別工程
で粉砕したり、再ペレット化したりした上でスクリュー
押出機2へと再投入するようにすると、有効に再利用を
図ることができる。なお、本発明にかかるブレーカープ
レートおよびシート状成形品の製造方法は、上記実施の
形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、
シート状成形品は、発泡させていないが、発泡させるよ
うにしても良い。また、本発明にかかる製造方法は、複
合発泡体や複合発泡シートの製造に応用しても良い。
【0060】
【実施例】次に、本発明を、発泡性樹脂複合シートの製
造を一例としてその実施例を具体的に説明する。
【0061】i) 発泡性樹脂組成物の製造 (1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0062】操作条件は下記の通りである。
【0063】上記構成の変性用スクリユー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合部をそ
の後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変
性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は
真空ベントにより真空引きした。ポリオレフィン索樹脂
はポリプロピレンランダム共重合体(三菱化学製「EG
8」、密度;0.9g/cm3)であり、その供給量は
10kg/hとした。
【0064】変性用モノマーはp−キノンジオキシム
(大内新興化学社製「バルノックGM−P」の供給量は
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.75重
量部とした。ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合部
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0065】(2)発泡性樹脂組成物の調製と複合シー
トの調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製銅所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、シート成形成形金型は幅500mm、厚さ3.5m
mのTダイである。温度設定区分は下記の通りである。
【0066】第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;シート成形金型およびブレーカープレート
部 発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフイーダー
が設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空
ベントが設置されている。操作条件は下記の通りであ
る。
【0067】
【0068】上述のようにして得られた変性樹脂を変性
用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機
に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。
また、同押出機にそのサイドフイーダーから発泡剤を供
給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルポンアミド(A
DCA)であり、その供給量は1kg/hとした。
【0069】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、本発明のブレーカープレ
ートを通し、500mm幅のTダイから押し出し、3本
冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表
面、裏面の両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不
織布(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ 63
01A」、秤量30g/m2、引張り強度:縦1.6k
g/cm、横1.2kg/cmを熱融着し、幅460m
m、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性複合
シートを得た。
【0070】なお用いたブレーカープレートはAタイプ
で、厚み18.5mm、面積38cm2(内穴部面積1
8.4cm2)、平行穴143ケ直径4mm、交差穴2
ケ直径5mmである。 (3)発泡 得られたポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを、加
熱ゾーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間
加熱発泡させ、複合発泡体を得た。
【0071】(4)性能評価 得られた複合発泡体を下記の項目について性能評価し
た。 ・製品としての有効幅測定:複合発泡体において、フロ
ーマーク部を切り落とした際の製品有効幅を測定する。 ・発泡倍率測定:複合発泡体において、発泡倍率を測定
する。 ・圧縮強度測定:複合発泡体において、圧縮強度を測定
する。
【0072】(実施例2)発泡性樹脂組成物の調製と複
合シートの調製(2)において、ブレーカープレートの
Bタイプ(厚み18.5mm、面積38cm2(内穴部
面積18.3cm2)、平行穴59ケ直径6mm、交差
穴2ケ直径10mm)以外は、実施例1と全く同様の方
法で、ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得て、
さらにこれを同様の方法で加熱発泡させて複合発泡体を
得て、同様の方法で性能評価を行った。
【0073】(比較例1)発泡性樹脂組成物の調製と複
合シートの調製(2)において、従来のブレーカープレ
ート(厚み18.5mm、面積38cm2(内穴部面積
18.3cm2)、平行穴65ケ直径6mm)を使用す
る以外は、実施例1と全く同様の方法で、ポリオレフィ
ン系樹脂発泡性夜合シートを得て、さらにこれを同様の
方法で加熱発泡させて複合発泡体を得て、同様の方法で
性能評価を行った。実施例1、2、比較例1の評価結果
を表1にまとめて示す。
【0074】
【表1】 表1から判るように、実施例で得られた複合発泡体は、
いずれの項目においても、良好な性能を示すことが認め
られる。
【0075】
【発明の効果】以上のように請求項1のブレーカープレ
ートは、押出成形装置に取り付けたとき、その小孔部分
の特徴的形状により、スクリュー軸先端部分近傍位置で
滞留を伴いながら流動する滞留熱可塑性樹脂を熱可塑性
樹脂組成物の外周側へと移動させることができる。その
結果、フローマークは熱可塑性樹脂成形品の両側端部に
寄せることができ、幅広のシート状成形品を高い生産性
で得ることができる。
【0076】また、請求項2のシート状成形品の製造方
法は、フローマークを完全に無くした最終成形品を効率
良く得ることができる。また、請求項3のシート状成形
品の製造方法は、シート状成形品が、フローマークの悪
影響を顕著に受ける発泡体であっても、フローマークを
完全に効率良く取り除くことができる。なお、これらの
効果は変成した樹脂に用いた場合、従来技術では解消が
非常に困難であった顕著なフローマークに対しても効果
的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるブレーカープレートを備えた押
出成形装置と、この押出成形装置により形成されるシー
ト賦形物を模式的に示した概略図である。
【図2】スクリュー押出機の側面視断面図である。
【図3】図2におけるスクリュー押出機内での樹脂流路
内の状態を示した断面図である。(a)は、a−a線断
面図、(b)は、b−b線断面図、(c)は、c−c線
断面図、(d)は、d−d線断面図、(e)は、e−e
線断面図である。
【図4】図1および図2に示したブレーカープレートの
正面図およびX−X線断面図、Y−Y線断面図である。
【図5】従来の押出成形装置と、この押出成形装置によ
り形成されるシート賦形物を模式的に示した概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ブレーカープレート 11 (滞留樹脂通過用)小孔 12 小孔 2 スクリュー押出機 21 スクリュー 3 シート成形金型 F フローマーク A 空間部(スクリュー軸先端部分近傍位置) T 滞留熱可塑性樹脂 H1 シート賦形物 S1 シート成形体(製品) R 樹脂流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂組成物を押し出すスクリュー
    押出機のスクリュー軸の先端よりも出口側の樹脂流路に
    配され、押出機の上流側から下流側に貫通している多数
    の小孔を備えたブレーカープレートにおいて、前記多数
    の小孔の中で、上流側開口部がスクリュー押出機のスク
    リュー軸先端部分近傍位置で滞留を伴いながら流動して
    いる樹脂を臨む位置になる小孔が、下流側開口部を樹脂
    流路の外周側へ臨む位置に備えていることを特徴とする
    ブレーカープレート。
  2. 【請求項2】請求項1記載のブレーカープレートをスク
    リュー押出機のスクリュー軸の先端よりも出口側の樹脂
    流路に配し、スクリュー押出機のスクリュー軸先端部分
    近傍位置で滞留を伴いながら流動している滞留熱可塑性
    樹脂を樹脂流路の外周側へ移行させる滞留樹脂移行工程
    と、前記スクリュー押出機から押出された熱可塑性樹脂
    組成物をシート成形金型で、前記滞留樹脂移行工程で外
    周側へ移行させた滞留熱可塑性樹脂が両端部に位置する
    ようにシート状の賦形物を賦形するシート賦形物賦形工
    程と、前記シート賦形物賦形工程でシート状の賦形物を
    賦形した後、このシート状の賦形物の両端部に位置する
    前記滞留熱可塑性樹脂により形成されるフローマークを
    切断して残部を最終成形品とする最終成形品仕上げ工程
    とを備えているシート状成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂組成物が発泡剤を含んでお
    り、シート状成形品が発泡体である請求項2に記載のシ
    ート状成形品の製造方法。
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Cited By (4)

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