JP4283398B2 - 押出成形装置、及び、熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法、発泡性複合シートの製造方法、並びに、複合発泡シートの製造方法 - Google Patents

押出成形装置、及び、熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法、発泡性複合シートの製造方法、並びに、複合発泡シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂成形材料を、例えばシート状に、押出成形するための押出成形装置、及び同押出成形装置を用いた、熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法、発泡性複合シートの製造方法、並びに、複合発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9(a)(b)は、熱可塑性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練してなる発泡性樹脂組成物を、押出機2によってTダイ3を経てシート状に押出成形する、従来の押出成形装置の概要を示すものである。
従来の熱可塑性樹脂の押出成形において、図9に示すように、押出機2のバレル1内に配された2軸スクリュー13のヘッドより先の空間部に樹脂が滞留し、この滞留樹脂5に起因して、押出成形品である発泡性シート8の両側部に所謂フローマーク7と呼ばれる筋が現れる場合が多かった。
【0003】
即ち、押出機2のバレル1とTダイ取付金具6との間に、アダプター14が配された押出成形装置によって、Tダイ3から、発泡性シート8を押出成形すると、図9(b) に示すように、幅の中心寄りにフローマーク7を有するものが得られていた。
【0004】
従来、この現象が生じるのを抑えるために、特開昭56−150526号公報、特開平4−276420号公報及び特開平4−339632号公報の各公報に示されているように、押出機内に設けるブレーカやアダプターを改造したり、流量変動を調節するギヤポンプを使用するといった対策が提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにブレーカやアダプターを改造する方法では、押出成形によって得られた成形品からフローマークは完全になくすることはできず、例えば、押出成形によって得られる発泡性複合シートを発泡したときには、樹脂滞留によって発生したフローマークを完全に消すことはできず、製品の強度が低下し、見映えが悪いなどの悪影響があった。
【0006】
また、ギヤポンプの使用によってフローマークを消失させることは可能であるが、溶融樹脂の流量安定が難しくやはりフローマークは僅かに残った。
【0007】
フローマークを含む両側部を除いて製品を作成すると、製品有効幅が狭く、歩留まりが低いためコスト的にも問題があり、また、幅広の製品は作成困難であった。
【0008】
本発明は、上記スクリューを備えた押出成形装置によって熱可塑性樹脂を押し出し成形する際の問題点を解決すべくなされたもので、その目的は、フローマークが、出来る丈成形品の端部に形成されるようにして、製造効率の高い幅広の製品が得られるような、押出成形装置、及び、その押出成形装置を用いた熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するべくなされたものであり、請求項1記載の発明は、2軸スクリュー押出機2のバレル1とTダイ取付金具6との間にアダプター4が配されてなる熱可塑性樹脂の押出成形装置において、
アダプター4の内面から隣接するスクリュー13,13のスクリューヘッド中央部までの間隔(d)が、アダプター4の相対向する内面同士の間隔(R)の0.1〜10%とされていること
を特徴とする、熱可塑性樹脂の押出成形装置を提供する。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の押出成形装置を用いて熱可塑性樹脂をシート状に押出成形し、得られた成形品の両側部に生じたフローマークを成形品の両側部と共に切り捨て、残部を製品とする熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。
【0011】
また、請求項記載の発明は、熱可塑性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートを発泡させ、シートの両側部に生じたフローマークをシートの両側部と共に切り捨て、残部を製品とする熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法を提供する。
【0012】
また、請求項記載の発明は、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて得られた変性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、このシートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層する発泡性複合シートの製造方法を提供する。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の方法によって得られた発泡性複合シートを加熱し発泡させる複合発泡シートの製造方法を提供する。
【0013】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
先ず、押出成形装置の概要と共に熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法、発泡性複合シートの製造方法、及びその発泡性複合シートを用いた複合発泡シートの製造方法の各発明において用いられる原材料について説明し、次いで、アダプター及び押出成形装置の詳細について説明する。
【0014】
本発明において、押出成形装置に備えられる2軸スクリュー押出機は、2軸スクリューが取り付けられていれば特に限定されず、2軸同方向回転型押出機であっても、2軸異方向回転型押出機であってもよい。
ダイは、Tダイに限定されるものではなく、パイプ用ダイ、インフレーションダイ、スパイラルダイ等であってもよい。また、アダプターの樹脂流路の断面形状は、特に限定されるものではないが、一般的に押出成形が可能な樹脂流路であるためには、流路の長さ方向の断面が曲面状に形成されているものが好ましい。但し、後述する様に、アダプターの内面から隣接するスクリュー迄の間隔は特定された間隔が保持されていなければならない。
【0015】
請求項4記載の方法によって、本発明の押出成形装置を用いて、熱可塑性樹脂発泡シートを製造するには、通常、ポリオレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物を押出成形装置の2軸スクリュー押出機によってTダイを経てシート状に賦形し、得られた発泡性シートを加熱して発泡剤の分解によって発泡させる工程を経て製造する。
用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、耐薬品性に優れており、柔軟性、弾性を有している点及びコストの面から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
【0016】
また、請求項5記載の発泡性複合シートの製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物、通常、変性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを混練して得られた発泡性樹脂組成物、を本発明の押出成形装置に供給する。
【0017】
本明細書全体を通して、「面内方向」とは、発泡性シートのシート面内にあるいかなる方向をも意味し、長さ方向、幅方向を含む。また、「シート」とは、厚さに基づく厳密な意味での形態をいうのでなく、通常フィルムと呼ばれる比較的薄手のものから通常板材と呼ばれる比較的厚手のものまで含むこととする。
【0018】
請求項5記載の発明において使用されるポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などが例示され、また、これらの2種以上の組合わせであってもよい。
【0019】
上記ポリオレフィン系樹脂には、上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%であるならば、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなど、特定さされないポリオレフィン以外の樹脂がブレンドされていてもよい。
ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割合が70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴である軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合があるので好ましくない。
【0020】
請求項5記載の発明において使用される変性用モノマーとは、ラジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物である。
上記官能基としてはオキシム基、マレイミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のような、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物であってもよい。
【0021】
上記変性用モノマーのうち、分子内にオキシム基を2個有する化合物、すなわちジオキシム化合物は、オキシム基またはその水素原子が他の原子団(主に炭化水素基)で置換された構造を分子内に2個有する化合物であり、例えばp−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシムが例示される。ジオキシム化合物は2種以上の組合わせで使用してもよい。
【0022】
上記変性用モノマーのうち、マレイミド構造を分子内に2個有するビスマレイミド化合物としては、例えばN,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミドが例示される。ビスマレイミド化合物は2種以上の組合わせで使用することもできる。また、マレイミド構造が分子内に2個以上有するポリマレイミドも、同じ効果を奏するのでビスマレイミド化合物の範疇に含まれる。
【0023】
上記変性用モノマーのうち、分子内にビニル基を2個有する化合物、すなわちジビニル化合物としては、例えばジビニルベン等が挙げられるが、2つのビニル基はオルト、メタ、パラのいずれの位置関係にあってもよい。
【0024】
上記変性用モノマーのうち、分子内にアリル基を2個以上有する化合物、すなわちアリル系多官能モノマーとしては、例えばジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルクロレンデートが例示される。アリル系多官能モノマーは2種以上の組合わせで使用することもできる。
【0025】
上記変性用モノマーのうち、分子内に(メタ)アクリル基を2個以上有する化合物、すなわち(メタ)アクリル系多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜4個有する化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する(メタ)アクリル系2官能モノマーとしては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレートが例示される。
【0026】
(メタ)アクリロイルオキシ基を3個有する(メタ)アクリル系3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートが例示される。
(メタ)アクリロイルオキシ基を4個有する(メタ)アクリル系4官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが例示される。
【0027】
上記変性用モノマーのうち、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物の代表例はキノン化合物であり、キノン化合物としてはヒドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノンが例示される。
【0028】
変性用モノマーの配合量は、同モノマーの種類に応じて適宜選択すればよいが、概ねポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.2〜2重量部である。
変性用モノマーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要な溶融粘度が得られにくい。配合量が5重量部を越えると、架橋度が上がりすぎ、押出成形性が悪くなる(例えば、高負荷がかかったり、メルトフラクチャーが発生する)上に、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練できず、不必要にゲル分率が上がりすぎ、リサイクル性を損なうことがある。加えて、後に加熱発泡時の発泡圧力が高くなり過ぎ、面内方向の発泡を抑制するためのシート状物として引っ張り強度の低いものが使用できなくなることがある。
【0029】
本発明方法においては、変性用モノマーと共に有機過酸化物を併用してもよい。特に、変性用モノマーとしてジビニル化合物やアリル系多官能モノマーを用いる場合には、これに有機過酸化物を併用することが好ましい。
有機過酸化物はポリオレフィンのグラフト反応に一般的に用いられる任意のものであれば良く、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられ、これらが単独でまたは2種以上の組合わせで好適に用いられる。
【0030】
特に、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のうちの1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0031】
有機過酸化物の使用量は、少なすぎるとグラフト化反応の転化が不十分であり、多すぎるとポリプロピレンのいわゆるβ解裂が顕著に起こり、変性物の分子量が低すぎて物性の低下あるいは粘度低下による発泡不良に至ることがある。これらの点を考慮すると、有機過酸化物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.001〜0.5重量部であることが好ましく、0.005〜0.15重量部であることがより好ましい。
【0032】
変性樹脂を得るには、スクリュー押出機やニーダーなどの混練装置を用い、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを所定条件で溶融混和し、反応させる。このときの反応温度は、170℃以上かつポリオレフィン系樹脂の分解温度以下、好ましくは200℃〜250℃である。溶融混和温度が170℃を下回ると変性が不十分で、最終的に得られる発泡体の発泡倍率が十分高くならないことがあり、250℃を越えるとポリオレフィン系樹脂が分解し易くなる。
【0033】
請求項5記載の発泡性複合シートの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡する際に生じる、面内方向の発泡力を抑制し得る強度を有するシート状物を積層する方法である。
【0034】
上記変性樹脂は、同種あるいは異種の未変性ポリオレフィン系樹脂と溶融ブレンドされたものでも良い。このような変性樹脂と未変性樹脂とのブレンドを用いることにより、得られる発泡性樹脂組成物の流動性が改善され、これによって、極めて薄い発泡性原反が成形可能となり、その結果、薄いシート状複合発泡体の製造が可能となる。その上、発泡性樹脂組成物の流動性の改善が紡錘形の気泡を形成するのに好適に働き、その結果として、より高圧縮強度の発泡体を得ることも可能となる。
【0035】
未変性ポリオレフィン系樹脂は、変性樹脂の変性前のポリオレフィン系樹脂の定義で先に説明したものであって良い。
【0036】
未変性ポリオレフィン系樹脂の種類は、得られる発泡性複合シートの成形性、外観、シート状物との接着性、およびこれから得られる複合発泡体の発泡倍率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜選ばれる。例えば、発泡体原反の流れ性を良くしたければ、未変性ポリオレフィン系樹脂として粘度の低い樹脂を用いる。柔らかい発泡体を得たければ、未変性樹脂として密度の低いポリオレフィンを用いる。
【0037】
変性樹脂と未変性ポリオレフィン系樹脂の割合は、変性樹脂100重量部に対して、未変性樹脂を好ましくは50〜200重量部、より好ましくは70〜130重量部ブレンドする。未変性ポリオレフィン系樹脂の割合が大き過ぎると、発泡に必要な溶融張力が保持できないため、発泡倍率の低下を引き起こし、良好な発泡体が得られないことがある。
【0038】
本発明で使用しうる熱分解型化学発泡剤は、加熱により分解ガスを発生するものであれば特に限定されるものではない。熱分解型化学発泡剤の代表的な例は、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である。これらは単独で用いてもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。その中でもアゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。
【0039】
熱分解型化学発泡剤は、変性樹脂100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜35重量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使用される。
【0040】
このようにして、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーから得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を混練して発泡性樹脂組成物を得るには、上述した反応用の溶融混練装置と、これとは別の発泡剤混和用の溶融混練装置(構造は反応用の溶融混練装置のそれと同じであってもよい)とを用いて、同発泡剤が実質的に分解しない最高温度以下で両者を混合するのが好ましい。この溶融混練の態様としては下記のものがある。
【0041】
(a) 反応用の回分式あるいは連続式の溶融混練装置において、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を同溶融混練装置から取り出して固化、造粒などを行った後、同樹脂組成物を発泡剤混和用の回分式あるいは連続式の混練装置に移し、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0042】
(b) 反応用の回分式の溶融混練装置において、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を同混練装置内で、発泡剤が実質上分解しない温度もしくは多量には分解しない温度まで冷却しておき、次いで、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0043】
(c) 反応用のスクリュー押出機(連続式の溶融混練装置)において、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと170℃以上の温度で溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を発泡剤が実質上分解しない温度もしくは多量には分解しない温度まで降温させておき、さらに同スクリュー押出機の途中に設けた供給口より発泡剤を投入し、両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0044】
(d) 連続操作のもう一つの形態では、2台のスクリュー押出機などを連結して、1台目でポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を上記と同様に降温させた後、同樹脂組成物を2台目に移し、これに発泡剤を投入し、両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0045】
混合物に熱分解型化学発泡剤を混練してなる発泡性樹脂組成物は、シート状に賦形される。賦形の方法は押出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング成形、射出成形など、プラスチックの成形加工で一般的に行われる方法が適用可能である。
【0046】
特に、上記(a)(b)の方法にしたがって得られる発泡性樹脂組成物を、回分式の発泡剤混和用混練装置より取り出し、これをスクリュー押出機に投入して連続的にシート形状に賦形する方法、あるいは、上記(a)(c)(d) の方法にしたがって、スクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生産性の観点より好ましい。
【0047】
本発明で使用しうるシート状物を構成する材料は、紙、布、木材、鉄等の金属、非鉄金属、プラスチック、ガラス、無機物など自由に選べ、特に限定されるものではない。またシート状物は発泡性シートと積層・一体化させる場合には、発泡性シートとの間にある程度の接着性を発現するものが望ましいが、接着性が無いシート状物であっても粘着剤や接着剤を適宜用いることで発泡性シートに接着可能なものであればよい。
【0048】
シート状物は、発泡性シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するものである。シート状物の強度が低すぎると、発泡に際してシート状物が裂けてしまい、発泡性シートの面内方向の発泡を充分に抑制することができないことがある。従って上記面内発泡を抑制するためのシート状物としては、例えば、発泡倍率が10である場合は、引張り強度が100N/m以上のものが好ましい。
【0049】
本発明で好適に使用しうるシート状物としては、ガラスクロス、寒冷紗、織布または不織布、ニードルパンチ不織布、紙等が挙げられる。ガラスクロスとは、ガラス繊維を抄造して得られるサーフェイスマット、ガラスロービングが織られてなるものをいう。また、寒冷紗、不織布、ニードルパンチは、主にポリエステルやナイロン等の合成繊維からなるものである。織布は一般的な天然繊維や合成繊維からなるものであって良い。なお、サーフェイスマットについてはガラス短繊維同士を結着するためのバインダーが含まれてもよい。
【0050】
該バインダーとしては、シート状物の引張強度が上記範囲を満たすものであれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。 織布、不織布を構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、綿、アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
これらのシート状物を使用することによって、軽量で高圧縮強度を有するポリオレフィン系樹脂複合発泡体を得ることができる。
【0051】
また、本発明で使用しうるシート状物は、金属製シート、例えば、鉄製シート、またはアルミニウム、チタン、銅などの非鉄金属製シートからなるものであっても良い。鉄製シートには、溶融亜鉛鋼板や溶融亜鉛アルミニウム合金鋼板、ステンレス鋼板等が含まれる。このような金属製のシート状物としては、厚み0.01mm〜2mmの圧延された薄いシートが特に好適に使用される。
【0052】
この場合、これらの金属は任意にメッキされていてもよいし、有機塗料あるいは無機塗料で塗装されていてもよく、あるいは粘接着剤が塗布されていてもよい。これらの金属製シート状物を使用する場合、得られるポリオレフィン系樹脂複合発泡体は軽量の金属複合板となり得る。これは、厚さ1〜5mmの金属板や、中間層としてポリエチレン層などを配した金属複合板と比較して、実用上極端な強度不足を来たさずに、さらに軽量化と低コスト化が図れるメリットを有する。またこの複合発泡体は発泡性複合シートを発泡させて製造されるため、発泡体に後から金属シート状物を貼付した金属複合板と比較して、表面平滑性が極めて優れたものになる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
図1(a) は本発明のアダプターを備えた押出成形装置の概要を示す水平断面図であり、図1(b) はTダイから押出されたシートを示す平面図である。
2軸スクリュー押出機2のバレル1とTダイ取付金具6との間に、本発明のアダプター4が配されていて、Tダイ3から、図1(b) に示す発泡性シート8が押出成形されている。
【0054】
図2は、図1(a) 中のII−II線に沿う断面図である。すなわち、同図は2軸スクリュー13の頭部を切断する位置における断面図であり、アダプター4内の2軸スクリュー13の位置と、アダプター4の内面と2軸スクリュー13とによって形成される樹脂流路を明らかにしている。
また、2軸スクリュー13のヘッドより先の空間(直近の空間)には樹脂滞留5が生じていて、樹脂滞留5は2軸スクリュー13の両側流路11, 12内に位置する。
【0055】
図3は、図1(a) 中のIII −III 線に沿う断面図である。
図1及び3により、押出機2から押し出された樹脂がアダプター4の入口において中央流路10と両側流路11,12に3分割される様子が表わされていて、中央流路10の樹脂流量が、両側流路11,12の樹脂流量の合計よりも多くなるように設定されている。
図4は図1(a) 中のIV−IV線に沿う断面図、図5は図1(a) 中のV−V線に沿う断面図、図6は、図1(a) 中のVI−VI線に沿う断面図であり、図4〜6は、アダプター4内の樹脂流量の大部分がアダプター4の中央流路10に流れるために、1対のフローマーク7、7がアダプターの内面側に寄った両側流路11, 12内に位置することを表わしている。
【0056】
また、図4〜6は、アダプター4の入口が中央流路10と両側流路11,12に3分割された状態から、両側流路11,12が中央流路10に合流している様子も表している。図6の樹脂流路の断面形状は、特に限定されるものではないが、長円形状、楕円形状もしくは円形状が好ましい。
【0057】
図7は、本発明のアダプターと従来のアダプターとの内面の位置を模式的に示した、図3に対応した拡大断面図であり、従来のアダプターの内面の位置を破線で表示している。図8は、フローマークの位置を説明するために示した、図6に対応した断面図である。
【0058】
フローマーク7は2軸スクリュー13の先端部であるスクリューヘッドの先の部分で発生し、アダプターの終端部のフローマーク7がアダプター内の両端部に移動する。
このように、2軸スクリューの先端部とアダプターの内壁面の距離を狭めて、フローマーク7をアダプター4における最も外側に位置させることによって、その後Tダイ3を経て得られた発泡性シート8を、フローマーク7がシートの両側部に寄ったものとすることができ、フローマーク7を両側部と共に切り捨てることにより、製品の有効幅を拡げることができる。
【0059】
具体的には、図7において、スクリュー先端中央部と従来のアダプターの内壁の間隔fを間隔g分丈狭めると、アダプター終端部において、フローマークからアダプター内壁への間隔x/樹脂流路部の半径yは小さくなる(図8参照)。
また、f>gであり、x/y>0であることから、成形が可能な限りgをfに近づけるとxは0に近づき、フローマークを樹脂流路部の端部に寄せることが可能となる。
【0060】
このような観点から、請求項1記載の押出成形装置において、アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔が、アダプターの内面から相対向する内面迄の間隔の0.1〜10%とされていることを必要とする。好ましくは、3〜6%である。
【0061】
ここに、アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔、及びアダプターの内面から相対向する内面迄の間隔は、いずれも、スクリューの軸方向に垂直な方向で2本のスクリューの先端を通る線上において計測される間隔をいう。従って、例えば図7において、アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔は、f−g=dで表わされ、図1において、アダプターの内面から相対向する内面迄の間隔はRで表わされる。
【0062】
アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔が、アダプターの内面から相対向する内面迄の間隔の0.1%未満では、熱可塑性樹脂の流動性が悪くなり、成形不良が発生し、一方、10%を越えると、フローマークを効果的に成形品の端部に寄せることができず、製品効率が悪くなる。
【0064】
請求項記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法では、請求項記載の押出成形装置を用いて、熱可塑性樹脂をシート状に押出成形し、得られた成形品の両側部に生じたフローマークを成形品の両側部と共に切り捨て、残部を製品とすれば良い。
【0065】
また、請求項記載の熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法は、熱可塑性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートを発泡させ、シートの両側部に生じたフローマークをシートの両側部と共に切り捨て、残部を製品とするものである。
【0066】
また、請求項記載の発泡性複合シートの製造方法では、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて得られた変性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、このシートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層すると良い。
【0067】
上述の変性用モノマーは、ポリオレフィン系樹脂と同時にホッパーから押出機へ投入してもよいが、特にジビニルベンゼンやアリル系多官能モノマー等のいくつかは常温常圧で液体であるので、押出機にてポリオレフィン系樹脂が溶融する位置より後流部に設けられた液体注入孔から供給する方が、これを溶融樹脂中に均一に分散できるので好ましい。このとき液体モノマーは、プランジャーポンプなどの圧送式のポンプで送液することが望ましい。
【0068】
変性用モノマーに有機過酸化物を併用する場合は、有機過酸化物を変性用モノマーと予め混合してこれらを同時に投入する方法、あるいはモノマー投入と前後して有機過酸化物を別投入する方法などが適用できる。
【0069】
該変性樹脂は、後にその流動性を改良する目的で、さらに同種あるいは異種の未変性のポリオレフィン系樹脂(これをブレンド用樹脂と総称する)と溶融ブレンドされても良い。
このような変性樹脂とブレンド用樹脂とのブレンドを用いることにより、得られる発泡性樹脂組成物の流動性が改善され、これによって、極めて薄い発泡原反が成形可能となり、その結果、薄い複合発泡シートの製造が可能となる。
【0070】
その上、流動性が紡錘形の気泡を形成するのに好適に働き、その結果として、より高圧縮強度の発泡体を得ることも可能となる。未変性のポリオレフィン系樹脂とは、変性樹脂の変性前のポリオレフィン系樹脂の定義で先に説明したものであって良い。
【0071】
ブレンド用樹脂の種類および使用量は、得られる発泡性複合シートの成形性、外観、シート状物との接着性、およびこれから得られる複合発泡体の発泡倍率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜調整される。
特に変性ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、同種または異種の未変性のポリオレフィン系樹脂50〜200重量部を新たに溶融ブレンドすることが好ましい。より好ましくは70〜130重量部をブレンドすることである。ブレンド用樹脂の割合が大きすぎると、発泡に必要な溶融張力が保持できないため、発泡倍率の低下を引き起こし、良好な発泡体が得られない。
【0072】
発泡性シートの少なくとも片面にシート状物を積層する方法は特に限定されるものではないが、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に熱融着する方法などが挙げられる。
【0073】
発泡性複合シートの厚み精度を確保するには方法(イ)が最も好ましい。方法(ロ)の熱融着では、例えば、Tダイから押し出された直後の溶融状態の発泡性シートの両面に、シート状物を軽く積層した状態で、これらを対向状の冷却ロール間を通過させ、ロールの押圧力で両者を一体化する方法が好ましい。なお、上記のように発泡性シートとシート状物を積層して一体化するとは、発泡性シートとシート状物とを両者の界面において剥離しようとした場合に、高い割合で材料破壊が生じる程度に両者が固着されている状態を意味するものとする。
【0074】
また、請求項6記載の複合発泡シートの製造方法は、請求項5記載の方法によって得られた発泡性複合シートを加熱し発泡させるものである。
上記の如くして得られた発泡性複合シートは、適切な温度条件で加熱することにより、常圧あるいは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることができる。
【0075】
上記加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤の分解温度から、分解温度+100℃までの温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるいはオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどの熱浴が用いられる。
【0076】
(作用)
アダプター内部の内壁を従来よりもスクリューに向かって狭めること、即ち、アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔を、アダプターの内面から相対向する内面迄の間隔の0.1〜10%とすることにより、樹脂流路の断面積を中央部において大きくして、スクリューヘッドの樹脂の滞留によってできると推定されるフローマークを、本発明のアダプターを使用することによってダイの端部へと寄せることができ、成形品、例えば、熱可塑性樹脂シートでは、フローマークの位置がダイの端部に相当する位置に形成される。
従って、本発明のアダプターを使用すれば、ダイにて押出成形する際、フローマークは、成形品の端部に寄るので、製品有効面積を拡げることができる。
【0077】
本発明を実施例によってより具体的に説明する。
(実施例1)
(1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。この押出機はセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmであった。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されていた。
【0078】
操作条件は下記の通りとした。
Figure 0004283398
【0079】
上記構成の変性用スクリュー押出機に、まず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をその後端ホッパーから別々に投入して両者を溶融混和し、変性樹脂を得た。
このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8、密度;900kg/m3 )であり、その供給量は10kg/hとした。
【0080】
変性用モノマー(ジオキシム化合物)はp−キノンジオキシム(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.75重量部とした。
ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
【0081】
(2) 発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。この押出機はセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmであった。
シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは幅500mm、厚さ3.5mmのTダイである。温度設定区分は下記の通りである。
【0082】
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル。
第2ゾーン;第5〜8バレル。
第3ゾーン;第9〜12バレル。
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部。
発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。
【0083】
操作条件は下記の通りとした。
Figure 0004283398
上述のようにして得られた変性樹脂を変性用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミド(ADCA)であり、その供給量は1kg/hとした。
【0084】
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって得られた発泡性樹脂組成物を、本発明のアダプターを通し(図4における長さfは通常6mmであったものを、長さgを3mmとることによって、スクリュ先端からアダプター内壁までの距離を3mmとした)、500mm幅のTダイから押し出し、3本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表面、裏面の両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ 6301A」、秤量30g/m2 、引張り強度:縦1570N/m、横1180N/m)を熱融着し、幅460mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得た。
尚、図1におけるアダプターの内面から相対向する内面迄の間隔Rは、55mmであった。
【0085】
(3) 発泡
得られたポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを加熱ゾーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱発泡させ、複合発泡体を得た。
(4) 性能評価
得られた複合発泡体を下記の項目について性能評価した。
・アダプター内の有効幅測定:
図8におけるxの距離を測定した。アダプター終端部の内径の半径yは15mmとした。
・製品としての有効幅測定:
複合発泡体において、フローマーク部を切り落とした際の製品有効幅を測定する。
【0086】
・発泡倍率測定:
複合発泡体において、発泡倍率を測定する。
・圧縮強度測定:
複合発泡体において、圧縮強度を測定する。
【0087】
(実施例2)
発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製(2) において、図7の長さgの間隔を1mmとすることにより、スクリュー先端からアダプター内壁までの距離を5mmとしたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で、ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得て、さらにこれを同様の方法で加熱発泡させて複合発泡体を得て、同様の方法で性能評価を行った。
【0088】
(比較例1)
発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製(2) において、図7で破線で示す従来のアダプタ(長さgの距離が0mmであり、スクリュー先端からアダプター内壁までの距離を6mmとした)を使用する以外は、実施例1と全く同様の方法で、ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得て、さらにこれを同様の方法で加熱発泡させて複合発泡体を得て、同様の方法で性能評価を行った。
実施例1、2、比較例1の評価結果を表1にまとめて示した。
【0089】
【表1】
Figure 0004283398
【0090】
表1から、実施例で得られた複合発泡体は、いずれの項目においても、良好な性能を示すことが認められた。
【0091】
【発明の効果】
本発明の押出成形装置によれば、フローマークが熱可塑性樹脂成形品の両側端部に寄る。
そのため、請求項記載の発明によれば、フローマークを含むシート両側部を切り捨てることにより、成形品の製品有効幅を拡げることが可能となる。
また、請求項記載の発明によれば、得られた熱可塑性の発泡性シートを発泡させた後、フローマークを含むシート両側部を切り捨てることにより、発泡性シート製品の有効幅を拡げることができる。
また、請求項記載の発明によれば、発泡性シートの少なくとも片面に、このシートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物が積層されたポリオレフィン系樹脂の発泡性複合シートを発泡させることによって、発泡体の気泡が紡錘形になり、その長軸が厚み方向に配向した複合発泡体が得られる。そのため圧縮強度が従来の発泡体に比較して格段に高く、優れた性能を有する複合発泡体を製造することが可能である。
また、請求項記載の発明によれば、請求項記載の方法によって得られた発泡性複合シートを加熱し発泡させることにより、容易に上記優れた性能を有する複合発泡体を提供し得る。また、布、不織布、寒冷紗等のシート状物を用いた場合には、得られる複合発泡体は圧縮強度が高いのも拘らず曲げ方向にはフレキシブルなものになる。また、鉄製や非鉄金属製のシート状物を用いる場合には、得られる複合発泡体は、従来の金属複合板と比較して同等の表面平滑性を有し、実用上の強度不足を来さずに、大幅に軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は実施例1で用いた、アダプターを備えた押出成形装置の概要を示す水平断面図である。図1(b) はTダイから押出されたシートを示す平面図である。
【図2】図2は、図1(a) 中のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1(a) 中のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図1(a) 中のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は、図1(a) 中のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は、図1(a) 中のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図7は、本発明のアダプターと従来のアダプターとの内面の位置を模式的に示した、図3に対応した拡大断面図である。
【図8】図8は、フローマークの位置を説明するために示した、図6に対応した拡大断面図である。
【図9】図9(a) は従来技術を示す、図1(a) に相当する水平断面図である。図9(b) はTダイから押出された発泡性シートを示す、図1(b) に相当する平面図である。
【符号の説明】
1:バレル
2:2軸スクリュー押出機
3:Tダイ
4,14:アダプター
5:滞留樹脂
6:Tダイ取付け金具
7:フローマーク
8:発泡性シート
10:中央流路
11,12:両側流路
13:2軸スクリュー
R:アダプターの内面から相対向する内面迄の間隔
f−g:アダプターの内面から隣接するスクリューのスクリューヘッド中央部までの間隔

Claims (5)

  1. 2軸スクリュー押出機2のバレル1とTダイ取付金具6との間にアダプター4が配されてなる熱可塑性樹脂の押出成形装置において、
    アダプター4の内面から隣接するスクリュー13,13のスクリューヘッド中央部までの間隔(d)が、アダプター4の相対向する内面同士の間隔(R)の0.1〜10%とされていることを特徴とする、熱可塑性樹脂の押出成形装置。
  2. 請求項記載の押出成形装置を用いて熱可塑性樹脂をシート状に押出成形し、得られた成形品の両側部に生じたフローマークを成形品の両側部と共に切り捨て、残部を製品とすることを特徴とする、熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートを加熱し発泡させ、シートの両側部に生じたフローマークをシートの両側部と共に切り捨て、残部を製品とすることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  4. ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて得られた変性樹脂と熱分解型化学発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を、請求項記載の押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、このシートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層することを特徴とする、発泡性複合シートの製造方法。
  5. 請求項記載の方法によって得られた発泡性複合シートを加熱し発泡させることを特徴とする、複合発泡シートの製造方法。
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