JP5398174B2 - 樹脂発泡シート、該樹脂発泡シートを備えた積層樹脂シートおよびその製造方法 - Google Patents
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また、ポリオレフィン系発泡シートとしては、190℃におけるダイスウエルが1.50以上である高密度ポリエチレンや特定の平均分子量を有する直鎖状ポリプロピレンを用いた発泡シートが知られている(特許文献3、特許文献4)。
一方、熱可塑性樹脂系発泡シートは、Tダイによる成形性が可能ではあるが、単独では引張強度、引裂強度等の物性において劣るために、従来これらを補完するためには、熱可塑性ポリウレタン樹脂の発泡シートを熱可塑性樹脂シートに積層させた積層シートや、熱可塑性樹脂発泡シートを熱可塑性樹脂シートに積層させた積層シートが用いられてきた。
また、ポリオレフィン系樹脂をTダイによりシート状に押出して発泡シートを製造する方法においても、上記特許文献5に記載のようにTダイのリップ温度やロール温度の制御が複雑で、ポリウレタンと同様にシート全体にわたり発泡が均一にできにくいという問題があった。
(2)熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑せ樹脂(B)としてスチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%、熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形してなることを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シート。
た低沸点炭化水素を内包した二重構造の平均粒子径10〜40μmの微小球体である前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
かに記載の樹脂発泡シート。
(8)熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)としてスチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートの製造方法。
(11)熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)としてスチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートを基材上に直接ラミネートする積層樹脂シートの製造方法。
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)の割合は、目的とする発泡シートにより適宜決められる。例えば、熱可塑性樹脂(B)として熱可塑性ポリオレフィンエラストマーを使用する場合には、発泡シートの引張強度や引裂強度と均一発泡の観点より熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の比が10〜50/90〜50、好ましくは20〜40/80〜60の範囲で好適に使用できる。
また、熱可塑性樹脂(B)として熱可塑性ポリオレフィン樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーを使用する場合には、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の比が90〜50/10〜50、好ましくは80〜60/20〜40の範囲で好適に使用できる。
Tダイ押出機の発泡成形温度は、使用される樹脂組成物の組成により適宜決定されるが、180〜230℃、好ましくは190〜210℃に保つことが重要である。
即ち、本発明の樹脂組成物から発泡成形されたシートが独立発泡性を有し、かつ効率的にTダイ押出機にてシートを得るには、発泡成形温度を上記範囲内にコントロールする必要がある。発泡温度が180℃より低温であると、発泡の偏りが生じ均一な独立発泡のシートが得られず、一方、発泡温度が230℃より高温であると、TPUの劣化や発泡剤に起因するシートの黄変という問題が生じる。
樹脂発泡シートの厚さは、用途により適宜決定され、数十μmから数十mmまで成形可能であるが、一般的には樹脂発泡シートの厚さは80〜500μmであり、好ましくは150〜300μmである。
通常発泡倍率は、1.5から5倍である。また、シートは多層共押出しによる多層発泡シートとすることもできる。
引張速度:300mm/min、チャック間:20mm、試験片25mm
「引裂強度」
引裂速度:200mm/min、チャック間:75mm、試験片50mm
Tダイは城北製作所社製(型番:1432)、 押出機は三菱重工業社製(シリンダ径:115mm、スクリューの長さ/直径比(L/D):29)を使用した。
TPU(株式会社クラレ製、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)と、発泡剤として熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤であるファインセルマスターMS(大日精化工業株式会社製、最大発泡温度:約230℃)とを、質量比96:4となるようにブレンドした樹脂組成物を、予めシリンダの樹脂温度を210℃に設定したTダイ押出機のホッパーに投入し、押出機内で樹脂組成物を加熱溶融し、発泡を行った。発泡溶融樹脂は温度を210℃に設定したTダイにてリップ部からシート状に押し出され、冷却ロールにて15℃まで冷却することで、発泡シート1を得た。発泡シート1の物性を表1に示す。
TPU(株式会社クラレ製、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)および熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(住友化学株式会社製、商品名:タフセレンH3002、MFR:3g/10分)を、TPU:熱可塑性ポリオレフィンエラストマー:(質量比)は40:60となるように混入した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート2を得た。発泡シート2の物性を表1に示す。
TPU(株式会社クラレ製、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)および熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(住友化学株式会社製、商品名:タフセレンH3002、MFR:3g/10分)を、TPU:熱可塑性ポリオレフィンエラストマー:(質量比)は30:70となるように混入した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート3を得た。発泡シート3の物性を表1に示す。
TPU(株式会社クラレ製、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)および熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(住友化学株式会社製、商品名:タフセレンH3002、MFR:3g/10分)を、TPU:熱可塑性ポリオレフィンエラストマー:(質量比)は20:80となるように混入した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート4を得た。発泡シート4の物性を表1に示す。
熱可塑性ポリオレフィン樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセン637、酢酸ビニル残基含量:10質量%、MFR:8g/10分)を、TPU:EVA:(質量比)は80:20となるように混入した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート5を得た。発泡シート5の物性を表1に示す。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテックH1221、MFR:4.5g/10分)を、TPU:SEBS:(質量比)は70:30となるように混入した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート6を得た。発泡シート6の物性を表1に示す。
TPU(株式会社クラレ、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)に代わり、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(住友化学株式会社製、商品名:タフセレンH3002、MFR:3g/10分)を使用した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート7を得た。発泡シート7の物性を表1に示す。
発泡剤としてファインセルマスターMS(大日精化工業株式会社製、最大発泡温度:約230℃)に代わり、セルマイク(三協化成株式会社製、商品名:セルマイク、品番:MB−5064)を使用した以外は、参考例1と同様にして、発泡シート8を得た。発泡シート8の物性を表1に示す。
Tダイ押出機における温度を170℃とし、発泡剤としてファインセルマスターMS(大日精化工業株式会社製、最大発泡温度:約175℃)とした以外は、参考例1と同様にして、発泡シート9を得た。発泡シート9の物性を表1に示す。
また、発泡シート8(比較例2)は、発泡はしたものの、不均一な連続発泡であり、独立した気泡はほとんどなかった。発泡シート9(比較例3)では、十分な発泡が得られず、発泡も不均一であった。
TPU(株式会社クラレ製、商品名:クラミロンU3190、ショアーA硬度:90)と、発泡剤としてファインセルマスターMS(大日精化工業株式会社製、最大発泡温度:約230℃)とを、質量比96:4となるようにブレンドした樹脂組成物を、予めシリンダの温度を200℃に設定したTダイ押出機のホッパーに投入し、押出機内で樹脂組成物を加熱溶融し、発泡を行い、厚さ0.9mmのマイクロファイバ不織布に押出ラミネートして、積層シートを得た。得られた積層シートは、独立発泡したTPU発泡シートが強固に接着しており、表面平坦性が高く、風合いがよかった。
Claims (11)
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、
成分(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、
熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが0〜79重量%、
熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と熱可塑性ポリオレフィンエラストマーの比が10〜50/90〜50の範囲である樹脂組成物を
Tダイ押出機により180〜230℃で発泡成形してなることを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シート。 - 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、スチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、
成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、
スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%、
熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物を
Tダイ押出機により180〜230℃で発泡成形してなることを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シート。 - 前記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の常温でのショアーA硬度が、75以上である請求項1または2記載の樹脂発泡シート。
- 熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が、熱可塑性樹脂を殻壁として、液化した低沸点炭化水素を内包した二重構造の平均粒子径10〜40μmの微小球体である請求項1から3のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
- 樹脂発泡シートの厚さが、80〜500μmである請求項1から4のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
- 前記請求項5記載の樹脂発泡シートが基材上に直接ラミネートされてなることを特徴とする積層樹脂シート。
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と熱可塑性ポリオレフィンエラストマーの比が10〜50/90〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートの製造方法。
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、スチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートの製造方法。
- 前記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の常温でのショアーA硬度が、75以上である請求項7または8記載の樹脂発泡シートの製造方法。
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と熱可塑性ポリオレフィンエラストマーの比が10〜50/90〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートを基材上に直接ラミネートする積層樹脂シートの製造方法。
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、スチレン系熱可塑性エラストマー、および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)の成分を含み、成分(A)、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび成分(C)の合計100重量%を基準として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が20〜99重量%、スチレン系熱可塑性エラストマーが0〜79重量%および熱膨張性マイクロカプセル型発泡剤(C)が1〜5重量%であり、かつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの比が90〜50/10〜50の範囲である樹脂組成物をTダイ押出機により180〜230℃で発泡成形することを特徴とする独立気泡性を有する樹脂発泡シートを基材上に直接ラミネートする積層樹脂シートの製造方法。
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