JP2005059309A - 無端ベルト加熱装置及びそれを用いた発泡複合シートの製造方法 - Google Patents

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Masabumi Ishiyama
正文 石山
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
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Abstract

【課題】 加熱のバラツキやベルトの熱伸縮が発生し難く、加圧や加熱の条件を高精度に制御することが可能で、安定した品質と高い生産性が得られ、省エネルギーを達成可能な無端ベルトの加熱装置及びそれを用いた発泡複合シートの製造方法を提供する。
【解決手段】 発泡性シートの上下を2枚の無端ベルト(好ましくはガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなる)間に挟持し加熱して発泡性シートを発泡させた後冷却し発泡体を得る発泡シートの製造方法に用いられる無端ベルト加熱装置であって、加熱源につながる加熱ブロアーが駆体で覆われた炉体の内部に配設され、該ブロアーにより無端ベルトが加熱されつつ炉体の内部を循環する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡シートの製造方法に用いられる無端ベルトの加熱装置及びそれを用いた発泡複合シートの製造方法に関する。
従来、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる発泡体は、軽量性、断熱性、柔軟性等に優れているので、各種断熱材、緩衝材、浮揚材等として広く用いられている。しかし、硬質樹脂からなる発泡体を除き、通常の熱可塑性樹脂からなる発泡体の殆どは一般的に圧縮強度が小さいので、例えば建築物の屋上断熱材や床下芯材等のような優れた圧縮強度や耐荷重性が要求される分野や用途での利用は限定されるという問題点があった。
このような問題点に対応するため、種々の検討が行われており、例えば、特許文献1では、「熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの両面に、上記発泡性シートを加熱した際に該シートの面内方向における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材を積層した状態で、上下を2枚の連続無端ベルト間に挟持し、熱可塑性樹脂の融点以上であり且つ熱分解型発泡剤の分解温度以下である温度において、2kPa以上の加圧下で60秒間以上加熱して前記発泡性シートとシート状表面材とを融着させ、次いで、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度まで昇温して発泡性シートを発泡させた後、熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで冷却する工程を経ることにより、セル形状が厚み方向に配向した発泡体を得ることを特徴とする発泡複合シートの製造方法」が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、無端ベルトによる加熱や加圧の条件を高精度に制御することが極めて重要であるにも拘わらず、製造条件によっては、無端ベルトによる加熱のバラツキが生じやすくなるとともに、加熱のバラツキによるベルトの熱伸縮の問題や、加圧条件のバラツキの問題が発生しやすくなり、安定した品質が得られにくいという問題があった。また、無端ベルト方式に特有の多大な熱エネルギーを要するという問題もあり、省エネルギーの点からも更なる改善が要望されていた。
特開2001−191353号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、加熱のバラツキやベルトの熱伸縮が発生し難く、加圧や加熱の条件を高精度に制御することが可能で、安定した品質と高い生産性が得られ、省エネルギーを達成可能な無端ベルトの加熱装置及びそれを用いた発泡複合シートの製造方法を提供することにある。
請求項1記載の無端ベルト加熱装置は、発泡性シートの上下を2枚の無端ベルト間に挟持し加熱して発泡性シートを発泡させた後冷却し発泡体を得る発泡シートの製造方法に用いられる無端ベルト加熱装置であって、加熱源につながる加熱ブロアーが駆体で覆われた炉体の内部に配設され、該ブロアーにより無端ベルトが加熱されつつ炉体の内部を循環することを特徴とする。
請求項2記載の無端ベルト加熱装置は、請求項1記載の無端ベルト加熱装置であって、無端ベルトがガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなることを特徴とする。
請求項3記載の発泡複合シートの製造方法は、熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの両面に、上記発泡性シートを加熱した際に該シートの面内方向における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材を積層した状態で、上下を2枚の連続無端ベルト間に挟持し、発泡性シートを、熱可塑性樹脂の融点以上であり且つ熱分解型発泡剤の分解温度以下である温度に、2kPa以上の加圧下で30秒間以上加熱して前記発泡性シートとシート状表面材とを融着させ、次いで、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度まで昇温して発泡性シートを発泡させた後、熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで冷却する工程を経ることにより、セル形状が厚み方向に配向した発泡体を得る発泡複合シートの製造方法において、請求項1又は2記載の無端ベルト加熱装置が用いられたことを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の無端ベルト加熱装置は、図1に示すように、発泡性シート1の上下を2枚の無端ベルト2,3間に挟持し加熱して発泡性シート1を発泡させた後、例えば冷却水循環式の冷却ロール11からなる冷却装置4により冷却して発泡体を得る発泡シート5の製造方法に用いられる無端ベルト加熱装置6であって、例えば加熱源71,72につながる加熱ブロアー81,82が駆体で覆われた炉体9の内部に配設され、加熱ブロアー81,82により無端ベルトが加熱されつつ炉体9の内部を循環することを特徴とするものである。
上記発泡性シート1としては、特に限定されないが、通常、熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートが好適に用いられる。
上記発泡性シート1は、上下を2枚の無端ベルト2,3の間に挟持し加熱することで、無端ベルト2,3を介して均一に熱が伝達し、表面性の良好な発泡体が得られる。この場合、無端ベルト2,3の内側に必要に応じて荷重ロール10,10・・を用いると、加圧制御が行いやすい点で好ましい。
上記無端ベルト2,3は、加熱源71,72につながる加熱ブロアー81,82により加熱されるが、加熱媒体としては通常熱風や蒸気が用いられ特に限定されない。
上記発泡性シート1が加熱され発泡した後、無端ベルト2,3は各々上下方向に乖離して炉体9の内部を循環する。この場合、本発明においては、加熱ブロアー81,82が炉体9の内部に配設され、無端ベルト2,3が加熱されつつ炉体9の内部を循環することで、無端ベルト2,3の温度のバラツキが小さくなり、発泡性シート1の加熱のバラツキを抑制することが可能となる。また、無端ベルト2,3の熱伸縮のバラツキも抑制される。
上記無端ベルト2,3は加熱されつつ炉体9の内部を循環する必要があるが、無端ベルト2,3の全ての部分にわたって、必ずしも炉体の内部に配設されている必要はなく、上記の効果を損なわない限り、発泡性シート1が挟持される入り口部や、無端ベルト2,3が乖離する出口部などにおいて炉体9の外に出ていてもよい。
上記無端ベルト2,3がガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなる場合には、無端ベルト2,3の熱伸縮が抑制される点、及び発泡後の無端ベルト2,3の発泡体からの剥離性が向上する点で好ましい。
本発明の発泡複合シートの製造方法は、上記無端ベルト加熱装置が用いられ、熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの両面に、上記発泡性シートを加熱した際に該シートの面内方向における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材を積層した状態で、上下を2枚の連続無端ベルト間に挟持し、発泡性シートを、熱可塑性樹脂の融点以上であり且つ熱分解型発泡剤の分解温度以下である温度に、2kPa以上の加圧下で30秒間以上加熱して前記発泡性シートとシート状表面材とを融着させ、次いで、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度まで昇温して発泡性シートを発泡させた後、熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで冷却する工程を経ることにより、セル形状が厚み方向に配向した発泡体を得る発泡複合シートの製造方法である。
上記無端ベルト加熱装置を用いることで、発泡性シートを発泡させた後に、無端ベルトが冷却されることを防止することが可能となり、循環時に無端ベルトが予熱されることで、加熱のバラツキを防止することができる。このため、無端ベルトの熱伸縮の変化も起こりにくくなり、加圧や加熱の条件を高精度に制御することが可能となり、特に発泡性シートとシート状表面材との融着性が向上し、安定して高品質が得られ、更に生産速度を向上することが可能となる。また、省エネルギーを達成することができる。
上記発泡複合シートの製造方法(以下、単に「製造方法」と略記する)で用いられる発泡性シートを構成する熱可塑性樹脂組成物中に含有される熱可塑性樹脂としては、融点もしくは軟化点以上の温度に加熱されると溶融する樹脂であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルや塩素化ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもポリオレフィン系樹脂が特に好適に用いられる。
上記熱可塑性樹脂は、単独重合体であっても良いし、共重合体であっても良く、また、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記製造方法で用いられる発泡性シートを構成する熱可塑性樹脂組成物中に含有される熱分解型発泡剤(以下、単に「発泡剤」と略記する)としては、加熱により分解ガスを発生して上記熱可塑性樹脂を発泡させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもADCAが特に好適に用いられる。これらの発泡剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記発泡剤の添加量は、熱可塑性樹脂の種類や所望の発泡倍率等に応じて適宜設定されれば良く、特に限定されるものではないが、一般的には熱可塑性樹脂100重量部に対し、発泡剤1〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜35重量部である。
上記発泡剤は、加熱により発泡剤が分解する温度以上で分解が開始され、分解ガスを発生させることにより、熱可塑性樹脂を発泡させ得る発泡剤である。発泡剤が分解する温度は、発泡剤の種類や発泡助剤の併用の有無等によって異なるが、例えば発泡剤がADCAで発泡助剤を併用しない場合、概ね200℃前後である。
上記発泡性シートを構成する熱可塑性樹脂組成物の中でも、ポリオレフィン系樹脂、変性用モノマー及び上記発泡剤が含有されてなり、且つ、上記変性用モノマーが、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、アクリル系多官能モノマー及びキノン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の変性用モノマーである熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン系モノマーの単独重合体もしくは共重合体であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー、プロピレンブロックポリマー等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもポリエチレンやポリプロピレンが特に好適に用いられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
また、上記ポリオレフィン系樹脂には、ポリオレフィン系樹脂に対し30重量%未満の他の樹脂が添加されていても良い。上記他の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレンやスチレン系エラストマー等が挙げられる。これらの他の樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
ポリオレフィン系樹脂に対する他の樹脂の添加量が30重量%以上であると、軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等のポリオレフィン系樹脂が有する優れた特性が阻害されることがあり、また、発泡時に必要な溶融粘度を確保することが困難となることがある。
上記熱可塑性樹脂組成物中には、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、アクリル系多官能モノマー及びキノン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の変性用モノマーが含有されることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂を前記発泡剤を用いて発泡させようとする際には、ポリオレフィン系樹脂は溶融状態においてある程度の粘度や強度を有する必要がある。しかし、通常のポリオレフィン系樹脂は、その溶融時の粘度や強度が低いために、発泡剤などにより気泡を生じさせて発泡させた際に、生じた気泡が発泡内圧に負けて破泡してしまい、結果的に良好な発泡体を得られなくなるという問題点がある。
このため、発泡させる前にポリオレフィン系樹脂を予め架橋させることにより、その溶融粘度や溶融強度を向上させ、発泡内圧に耐え得る状態にした後で発泡させる方法が従来より行われてきたが、この方法の場合、架橋ポリオレフィン系樹脂は、溶融軟化するものの、その流動性が著しく低下してしまうという問題点がある。
しかし上記の場合には、主成分であるポリオレフィン系樹脂に対し、ポリオレフィン系樹脂とラジカル反応し得る官能基を2個以上有する上記変性用モノマーを添加するので、ポリオレフィン系樹脂は変性用モノマーとの反応によって微架橋構造を形成し、発泡時に必要な溶融粘度や溶融強度を兼備するものとなる。従って、上記問題点は解消され、優れた特性を有する発泡体を得ることが可能となる。
変性用モノマーとして用いられ得るジオキシム化合物としては、オキシム基またはその水素基を例えば炭化水素基のような他の原子団で置換した置換オキシム基を分子内に2個以上有する化合物であれば良く、例えば、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。これらのジオキシム化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
変性用モノマーとして用いられ得るビスマレイミド化合物としては、マレイミド構造を分子内に2個以上有する化合物であれば良く、例えば、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリマレイミド等が挙げられる。これらのビスマレイミド化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
変性用モノマーとして用いられ得るジビニルベンゼンとしては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのジビニルベンゼンは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
変性用モノマーとして用いられ得るアリル系多官能モノマーとしては、アリル基を分子内に2個以上有する化合物であれば良く、例えば、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルクロレンデート等が挙げられる。これらのアリル系多官能モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
変性用モノマーとして用いられ得るアクリル系多官能モノマーとしては、例えば、ジ(メタ)アクリル化合物、トリ(メタ)アクリル化合物、テトラ(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ分子内に(メタ)アクリル基を2個、3個、4個有する化合物を意味し、例えば、分子内に2個、3個、4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が該当する。これらのアクリル系多官能モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ここで言う「(メタ)アクリル」とは「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジ(メタ)アクリル化合物としては、例えば、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジ(メタ)アクリル化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
分子内に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するトリ(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。これらの分子内に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するトリ(メタ)アクリル化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
分子内に4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するテトラ(メタ)アクリル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子内に4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するテトラ(メタ)アクリル化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
変性用モノマーとして用いられ得るキノン化合物としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノン等が挙げられる。これらのキノン化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
請求項2において、前記ポリオレフィン系樹脂に対する上記変性用モノマーの添加量は、ポリオレフィン系樹脂や変性用モノマーの種類に応じて適宜設定されれば良く、特に限定されるものではないが、概ねポリオレフィン系樹脂100重量部に対して変性用モノマー0.05〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2重量部である。
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する変性用モノマーの添加量が0.05重量部未満であると、発泡時に必要な溶融粘度や溶融強度を効果的に付与出来ないことがあり、逆にポリオレフィン系樹脂100重量部に対する変性用モノマーの添加量が5重量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーとの反応による架橋度が高くなり過ぎて、発泡性シート作製時の押出成形性が悪くなったり、発泡剤の均一な混練が困難となって不必要にゲル分率が上がり過ぎ、発泡体の品質やリサイクル性が損なわれることがある。また、過剰な変性用モノマーが発泡複合シート中に未反応物として残存し、人体に好ましくない刺激を及ぼしたり、原料投入量に対する製品効率が低下することがある。
また、上記熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて有機過酸化物が添加されていても良い。
上記有機過酸化物としては、ポリオレフィン系樹脂のグラフト反応に一般的に用いられるものであれば良く、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
有機過酸化物の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して有機過酸化物0.001〜0.5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.15重量部である。
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する有機過酸化物の添加量が0.001重量部未満であると、ポリオレフィン系樹脂のグラフト反応の転化率が不十分となることがあり、逆にポリオレフィン系樹脂100重量部に対する有機過酸化物の添加量が0.5重量部を超えると、特にポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンである場合、いわゆるβ開裂が顕著に起こって、熱可塑性樹脂組成物の物性低下や溶融粘度低下による発泡不良を来すことがある。
上記においては、先ず、例えばスクリュー押出機やニーダー等の混練装置を用いて、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマー及び必要に応じて添加される有機過酸化物の各所定量からなる組成物を溶融混練して、ポリオレフィン系樹脂をグラフト反応させることにより、グラフト化ポリオレフィン系樹脂(以下、「変性ポリオレフィン系樹脂」と記す)を作製する。
上記溶融混練時の温度は170℃以上であり且つポリオレフィン系樹脂の分解温度以下であって、具体的には170〜250℃であることが好ましく、より好ましくは200〜250℃である。上記溶融混練温度が170℃未満であると、得られる発泡体の発泡倍率が十分に高くならないことがあり、逆に250℃を超えると、ポリオレフィン系樹脂が分解し易くなる。
上記変性ポリオレフィン系樹脂には、さらに同種もしくは異種のポリオレフィン系樹脂や他の熱可塑性樹脂が添加され溶融混練されていても良い。上記溶融混練される同種もしくは異種のポリオレフィン系樹脂や他の熱可塑性樹脂の種類や添加量は、後述の方法で得られる発泡性シートの成形性、外観、後述するシート状表面材との接着性等や、最終的に得られる発泡複合シートの発泡倍率、機械的物性、熱的物性、セル形状等に応じて、適宜設定されれば良い。
上記変性ポリオレフィン系樹脂に対する発泡剤の添加方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂または変性ポリオレフィン系樹脂に発泡剤を後添して、溶融混練する方法や、熱可塑性樹脂またはポリオレフィン系樹脂と発泡剤とを予め溶融混練して、発泡剤のマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチと熱可塑性樹脂または変性ポリオレフィン系樹脂とを溶融混練する方法等が挙げられる。尚、発泡剤を含む組成物の溶融混練は発泡剤の分解温度以下の温度で行うことが好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物(変性ポリオレフィン系樹脂組成物)には、それぞれの必須成分以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、発泡助剤、充填剤、粘着性付与剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、カップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
本発明の発泡複合シートの製造方法について図面を参照しつつ更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る発泡複合シートの製造方法の一例を説明する模式図である。
上記発泡性樹脂シート1の製造方法としては、特に限定されるものではなく、押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法、カレンダリング成形法、射出成形法等のプラスチックの成形加工で一般的に行われている成形方法で良いが、なかでも例えばスクリュー押出機より吐出される熱可塑性樹脂組成物を直接シート形状に賦形する押出成形法が生産性に優れていることから好ましい。この方法の場合、一定寸法幅の連続した発泡性シート1を得ることが出来る。
本発明の製造方法においては、上記で得られた発泡性シート1の両面に、その発泡性シート1を加熱した際に発泡性シート1の面内方向(長手方向及び幅方向)における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材12を積層して、発泡複合シート5を得る。
上記シート状表面材12は、発泡性シート1と積層し一体化させるので、発泡性シート1との間にある程度の接着性を発現するもの、若しくは発泡性シート1の融点以上で融着可能なものが好ましいが、仮に接着性を発現しないものであっても、物理的なアンカー効果によって接着可能なものや、粘着剤や接着剤または粘接着機能を発揮し得る熱可塑性樹脂フィルム等を介して、発泡性シート1に接着可能なものであれば良い。
上記シート状表面材12は、発泡性シート1と積層され一体化された後、発泡性シート1が加熱されて発泡する時に、発泡性シート1の面内方向における発泡力を抑制する機能を発揮するので、発泡性シート1の厚み方向に配向した紡錘形状のセルからなる発泡体を得ることが出来る。
発泡性シート1の面内方向における発泡力抑制機能を効果的に発揮するために、上記シート状表面材12は、発泡体11に付与したい発泡倍率に対応して、一定の引張強度を有していることが好ましい。
即ち、発泡体11に付与したい発泡倍率が5倍以下の場合には、シート状表面材12の引張強度は0.01〜0.04MPaであることが好ましく、上記発泡倍率が5〜15倍の場合には、上記引張強度は0.03〜0.6MPaであることが好ましく、上記発泡倍率が15倍以上の場合には、上記引張強度は0.5〜1MPaであることが好ましい。
シート状表面材12の上記引張強度がそれぞれの下限未満であると、発泡性シート1を加熱発泡する時にシート状表面材12に裂けが生じて、前記発泡力抑制機能を十分に得られなくなることがあり、逆に上記引張強度がそれぞれの上限を超えると、得られる発泡複合シート5の柔軟性が乏しくなることがある。
本発明において用いられ得るシート状表面材12としては、例えば、ガラス繊維や炭素繊維を素材とするシート状物や、紙、有機繊維もしくは無機繊維からなる織布や不織布等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート不織布が、発泡性シート1との熱融着性に優れ、安定した品質と高い生産性が得られる点で好ましい。
ポリエチレンテレフタレート不織布からなるシート状表面材12は、一般に目付量にバラツキが生じやすい。従って、発泡性シート1と積層し一体化する際に、上記ポリエチレンテレフタレート不織布からなるシート状表面材12の一面から加熱すると発泡性シート1に温度分布が発生しやすくなる。その結果、得られる発泡体に厚みむらが生じ易くなり、シート状表面材12に浮きが発生することがある。しかし、本発明の無端ベルト加熱装置によれば、そのような浮きを防止するのに極めて有効である。
尚、発泡性シート1の一方の面に積層されるシート状表面材12と他方の面に積層されるシート状表面材12とは同種のものであっても良いし、異種のものであっても良い。
次に、本発明の製造方法による発泡複合シート5の製造工程について説明する。
図1に示すように、先ず、予め作製した発泡性シート1の原反を、予熱及び融着用の荷重ロール10を備え、加熱ブロアー81,82により加熱されつつ炉体9の内部を循環する無端ベルト加熱装置6に導入すると共に、上記原反の上下に重ね合わせるように、原反の幅以上の幅を有する前記シート状表面材12を供給し、さらに発泡性シート1とシート状表面材12との重ね合わせ物の上下を2枚の無端ベルト2,3間に挟持した状態で、加熱ブロアー8からの例えば熱風13により発泡性シート1とシート状表面材12とを加熱しながら、荷重ロール10により加圧して、発泡性シート1とシート状表面材12とを積層し融着させて一体化させる。
この時、加熱ブロアー81による発泡性シート1の加熱温度は、発泡性シート1中に含有される熱可塑性樹脂の融点以上であって、同じく発泡性シート1中に含有される発泡剤の分解温度以下とされる。上記加熱温度が熱可塑性樹脂の融点未満であると、発泡性シート1とシート状表面材12との融着が不十分となることがあり、逆に加熱温度が発泡剤の分解温度を超えると、発泡性シート1とシート状表面材12とが十分に融着していない状態で早期発泡が起こり、セル形状が厚み方向に配向した発泡体11を得られないことがある。
また、発泡性シート1とシート状表面材12との融着は、上記加熱温度下において、荷重ロール10による2kPa以上の加圧下で30秒間以上行われる。上記加圧が2kPa未満であったり、時間が30秒未満であると、発泡性シート1とシート状表面材12との融着が不十分となることがある。上記加圧と時間の上限は特に限定しないが、発泡性シート1が変形しない程度の加圧もしくは時間であることが好ましい。
尚、上記荷重ロール10の一部は、発泡性シート1の温度が熱可塑性樹脂の融点に達していない部位に配置されていることが好ましい。このように配置することにより、融着前の発泡性シート1とシート状表面材12との位置がずれないように固定する程度の加圧を行うことが可能となる。
こうして融着された発泡性シート1とシート状表面材12との積層体は、次工程において、加熱ブロアー82により発泡剤の分解温度以上の温度に加熱されることにより、発泡性シート1が発泡した発泡積層体となされる。尚、上記発泡時の加熱温度は熱可塑性樹脂の分解温度以下の温度であることが好ましい。
上記において、更に炉体9における加熱ブロアー81と82の間が仕切板などにより区切られたものであると、上記加熱温度の精度を更に向上することができる点で好ましい。
上記で得られた発泡積層体は、次工程において、冷却ロール11により冷却され、さらに定尺カッター12により裁断されることにより、所望の発泡倍率を有する発泡複合シート5となされる。
こうして得られた発泡複合シート5は、紡錘形の形状を有するセルが厚み方向に配向した発泡体を芯材とし、その両面にシート状表面材12が積層されたものとなる。
本発明の無端ベルトの加熱装置は、加熱源から導入された熱風のブロアー及び2枚の無端ベルトが駆体で覆われた炉体内に配設され、該ブロアーにより無端ベルトが加熱されつつ炉体内部を循環することを特徴とするので、発泡性シートを発泡させた後に、無端ベルトが外気により冷却されることを防止することが可能となり、また、循環時に無端ベルトが予熱されることで、加熱のバラツキを防止することができる。このため、無端ベルトの熱伸縮の変化も起こりにくくなり、加圧や加熱の条件を高精度に制御することが可能で、安定した品質と高い生産性が得られ、また、省エネルギーを達成することができる。
上記無端ベルトがガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなる場合には、ベルトの熱伸縮が更に抑制され、上記効果は更に確実なものとなる。
本発明の発泡複合シートの製造方法は、熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの両面に、上記発泡性シートを加熱した際に該シートの面内方向における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材を積層した状態で、上下を2枚の連続無端ベルト間に挟持し、発泡性シートを、熱可塑性樹脂の融点以上であり且つ熱分解型発泡剤の分解温度以下である温度に、2kPa以上の加圧下で30秒間以上加熱して前記発泡性シートとシート状表面材とを融着させ、次いで、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度まで昇温して発泡性シートを発泡させた後、熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで冷却する工程を経ることにより、セル形状が厚み方向に配向した発泡体を得る発泡複合シートの製造方法において、上記無端ベルト加熱装置が用いられたことを特徴とするので、上記効果が確実に発揮され、優れた圧縮強度や耐荷重性、曲げ強度等を有する高品質の発泡複合シートを高速に安定して製造することができる。
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性ポリオレフィン系樹脂を調製するために、型式「BT40」(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。この押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、D(直径)は39.9mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側にかけて第1バレルから第4バレルに区分され、第4バレルの先端部には3穴ストランドダイ(以下、単に「3穴ダイ」と略記する)が備えられている。なお、シリンダーバレル内で揮発した成分(特に変性用モノマー)を回収するために、第4バレルには真空ベントが設けられている。以下の操作においては、第1バレルの温度を180℃、第2バレル、第3バレル、第4バレル及び3穴ダイの温度を220℃に設定し、スクリュー回転数を150rpmに設定した。
上述した押出機の第1バレル後端に備えられたホッパーから、ポリオレフィン系樹脂としてランダムポリマー型のポリプロピレン樹脂(商品名「EG8」、メルトインデックス0.8、密度0.9g/cm3 、三菱化学社製)、及び、変性用モノマーとしてジビニルベンゼン(三共化成社製)をそれぞれ別々に投入した。ポリプロピレン樹脂は10kg/時間の速度で投入し、ジビニルベンゼンはポリプロピレン樹脂100重量部に対して1.5重量部となる割合で定量ポンプで投入し、溶融混練して、変性ポリプロピレン樹脂を調製した。このようにして得られた変性ポリプロピレン樹脂を3穴ダイから吐出した後、水冷し、次いでペレタイザーで切断して、ペレット状の変性ポリプロピレン樹脂を得た。
(2)発泡性シートの原反の作製
上記のようにして得た変性ポリプロピレン樹脂に未変性ポリプロピレン樹脂及び発泡剤を添加するために、型式「TEX−44」(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。この押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側にかけて第1バレルから第12バレルに区分され、第12バレルの先端部にはTダイ(幅1000mm、リップ間隔0.6mm)が備えられている。
また、発泡剤を供給するために、第6バレルにはサイドフィーダーが設けられており、シリンダーバレル内で揮発した成分(特に発泡剤)を回収するために、第11バレルに真空ベントが設けられている。以下の操作においては、第1バレルを常に冷却し、第1ゾーン(第2バレル〜第4バレル)の温度を150℃、第2ゾーン(第5バレル〜第8バレル)の温度を170℃、第3ゾーン(第9バレル〜第12バレル)の温度を180℃、第4ゾーン(Tダイ及びアダプター部)の温度を160℃に設定し、スクリュー回転数を40rpmに設定した。
上述した押出機の第1バレル後端に備えられたホッパーから、(1)で得られたペレット状の変性ポリプロピレン樹脂、及び、未変性のホモポリマー型のポリプロピレン樹脂(商品名「EA7」、メルトインデックス1.2、密度0.9g/cm3 、三菱化学社製)を投入した。両ポリプロピレン樹脂とも10kg/時間(合計20kg/時間)の速度で投入すると共に、第6バレルに設けられたサイドフィーダーからは、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(ADCA、分解温度203℃)を1.2kg/時間の速度で投入し、溶融混練した。この溶融混練物をTダイから押出してシート状に賦形した後、冷却ロールで冷却して、幅1000mm、厚み0.6mmの連続した発泡性シートの原反を作製した。
(3)発泡複合シートの作製
図1に示すような荷重ロール10、加熱源71,72につながる加熱ブロアー81、82が駆体で覆われた炉体9の内部に配設され、加熱ブロアー81、82により無端ベルト2,3が加熱されつつ炉体9の内部を循環する無端ベルト加熱装置を用いた。炉体9の全長は4mであった。また、上記荷重ロール10は、必要に応じて任意の数が取り付けられるようになっている。さらに、全長2mの冷却装置4が備えられ、冷却水循環式の冷却ロール11を上下12組備えており、上下の冷却ロール11の間隙は調整自在とされている。
上記においては、30kgの荷重ロール10を上下14組取り付けたガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなる無端ベルト加熱装置6を用いた。この場合、発泡性シート1の原反の単位面積にかかる荷重は4.2kPaであった。
また、シート状表面材12としてポリエチレンテレフタレート不織布(東洋紡績社製「スパンボンド エクーレ 3151A」、平均坪量15g/m2 )を用いた。
加熱ブロアー81,82の熱風温度をそれぞれ220℃及び230℃、冷却ロール11の表面温度を25℃にそれぞれ設定し、上下の冷却ロール11の間隙を6mmに設定した。
(2)で得られた発泡性シート1の原反(幅1000mm、厚み0.6mm)の両面に上記ポリエチレンテレフタレート不織布を重ね合わせた状態で連続的に無端ベルト加熱装置6に供給し、加熱ブロアー81により予熱、融着を行って一体化させつつ、次いで、加熱ブロアー82により加熱発泡させた後、冷却ロール11により常温まで冷却し、定尺カッター14で長さ1800mmに裁断して、発泡複合シート5(長さ1800mm、幅1000mm、厚み0.6mm)を作製した。尚、上記作製工程において、発泡性シート1の表面に熱伝対を貼り付け、荷重ロール10と近接する直前及び荷重ロール10と近接した直後の温度を測定した。
(4)評価
上記で得られた発泡性シートの性能(発泡倍率、最大曲げ荷重、表面材の浮きの有無、生産効率)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
発泡倍率:発泡複合シートよりシート状表面材をカッターで削り取った後、JIS K−6767「ポリエチレンフォーム試験方法」に準拠して発泡体の見掛け密度を測定し、その逆数をもって発泡倍率(cc/g)とした。
最大曲げ荷重:JIS K−7221「硬質発泡プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して、長さ150mm、幅50mmに裁断した発泡複合シートの曲げ試験を行い、最大曲げ荷重(N/50mm)を測定した。
表面材の浮きの有無:発泡複合シートの両面の外観を目視で観察し、発泡体からのシート状表面材の浮き(剥離)の有無を判定した。
生産効率:使用した全原材料量に対する製品化された発泡複合シートの量の比率から生産効率(重量%)を算出した。
(比較例1)
炉体9を用いなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、発泡複合シートを得た。
比較例1で得られた発泡複合シートの性能(発泡倍率、最大曲げ荷重、表面材の浮きの有無)を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果は表1に示すとおりであった。尚、比較例1で得られた発泡複合シートは、最大曲げ荷重が低く、発泡体からのポリエチレンテレフタレート不織布(シート状表面材)の浮き(剥離)も激しかったので、生産効率の算出は行わなかった。
Figure 2005059309
表1から明らかなように、本発明の製造方法による実施例1の発泡複合シートは、優れた最大曲げ荷重と表面平滑性を安定して発現し、且つ、高い生産効率が得られることが判明した。
本発明に係る無端ベルト加熱装置を用いた発泡複合シートの製造方法の一例を説明する模式図である。
符号の説明
1 発泡性シート
2 無端ベルト(上)
3 無端ベルト(下)
4 冷却装置
5 発泡体(発泡複合シート)
6 無端ベルト加熱装置
71,72 加熱装置
81,82 加熱ブロアー
9 炉体
10 荷重ロール
11 冷却ロール
12 シート状表面材
13 熱風
14 定尺カッター


Claims (3)

  1. 発泡性シートの上下を2枚の無端ベルト間に挟持し加熱して発泡性シートを発泡させた後冷却し発泡体を得る発泡シートの製造方法に用いられる無端ベルト加熱装置であって、加熱源につながる加熱ブロアーが駆体で覆われた炉体の内部に配設され、該ブロアーにより無端ベルトが加熱されつつ炉体の内部を循環することを特徴とする無端ベルト加熱装置。
  2. 無端ベルトがガラスクロス弗素系樹脂複合ベルトからなることを特徴とする請求項1記載の無端ベルト加熱装置。
  3. 熱分解型発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの両面に、上記発泡性シートを加熱した際に該シートの面内方向における発泡力を抑制し得る強度を有するシート状表面材を積層した状態で、上下を2枚の連続無端ベルト間に挟持し、発泡性シートを、熱可塑性樹脂の融点以上であり且つ熱分解型発泡剤の分解温度以下である温度に、2kPa以上の加圧下で30秒間以上加熱して前記発泡性シートとシート状表面材とを融着させ、次いで、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度まで昇温して発泡性シートを発泡させた後、熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで冷却する工程を経ることにより、セル形状が厚み方向に配向した発泡体を得る発泡複合シートの製造方法において、請求項1又は2記載の無端ベルト加熱装置が用いられたことを特徴とする発泡複合シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010011650A1 (de) * 2010-03-17 2011-09-22 Ernst Pennekamp Gmbh & Co. Ohg Verfahren zur Herstellung von Produkten aus Schaumglas und anderen Blähstoffen, sowie hergestelltes Produkt und Ofen zur Durchführung des Verfahrens

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EP2368854A3 (de) * 2010-03-17 2012-10-31 Ernst Pennekamp GmbH & Co. OHG Verfahren zur Herstellung von Produkten aus Schaumglas und anderen Blähstoffen, sowie hergestelltes Produkt und Ofen zur Durchführung des Verfahrens

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