JP2000289086A - 押出成形装置におけるアダプター、発泡性シートの製造方法および発泡体の製造方法 - Google Patents

押出成形装置におけるアダプター、発泡性シートの製造方法および発泡体の製造方法

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JP2000289086A
JP2000289086A JP11096664A JP9666499A JP2000289086A JP 2000289086 A JP2000289086 A JP 2000289086A JP 11096664 A JP11096664 A JP 11096664A JP 9666499 A JP9666499 A JP 9666499A JP 2000289086 A JP2000289086 A JP 2000289086A
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sheet
resin
foamable
adapter
extrusion molding
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Shigehiro Inui
成裕 乾
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Kiyomi Kaminomachi
清巳 上ノ町
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広の製品を高い生産性で得ることができる
アダプターを提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を2軸スクリュー押出機2
によって押出成形する押出成形装置におけるアダプター
である。同押出機2 のシリンダバレル1 とダイ取付金具
6 との間に配されたアダプター4 の樹脂流路が隔壁9 に
よって中央流路10と両側流路11, 12に3分割されてい
る。両側流路11, 12は、2軸スクリュー13のヘッドより
先の空間にて生じた樹脂滞留がそれぞれ両側流路11, 12
に入って各流路の前流部から中間部さらに後流部に行く
に連れて各流路内の内側から最も外側に移るように、断
面の相対位置を変化させる。アダプター4 の出口で中央
流路10および両側流路11, 12を出た樹脂が互いに合流す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂のような熱可塑性樹脂などの成形材料を例えばシー
ト状に押出成形するための押出成形装置に関し、より詳
しくは、同装置の押出機のシリンダバレルとダイ取付金
具との間に配されたアダプターの改良に関する。また、
本発明は上記アダプターを備えた押出成形装置を用いた
発泡性シートの製造方法および発泡体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】押出成形において、図9に示すように、
押出機2 のシリンダバレル1 内に配された2軸スクリュ
ー13のヘッドより先の空間部に樹脂が滞留し、この滞留
樹脂5に起因して押出成形品である発泡性シート8 の両
側部にフローマーク7 と呼ばれる筋が現れる。
【0003】図9(a)(b)は、熱可塑性樹脂に熱分解型化
学発泡剤を加えて混練してなる発泡性樹脂組成物を押出
機2 によってTダイ3 を経てシート状に押出成形する押
出成形装置の概要を示すものである。押出機2 のシリン
ダバレル1 とTダイ取付金具6 との間に、断面コーン凹
状の樹脂流路を有するアダプター14が配されている。T
ダイ3 から、図9(b) に示すように、幅の中心寄りにフ
ローマーク7 を有する発泡性シート8 が押出成形され
る。
【0004】従来、この現象が生じるのを抑えるため
に、特開昭56−150526号、特開平4−2764
20号および特開平4−339632号の各公報に示さ
れているように、押出機内に設けるブレーカやアダプタ
ーを改造したり、流量変動を調節するギヤポンプを使用
するといった対策が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにブレーカやアダプターを改造する方法では、押出
成形によって得られた成形品からフローマークは完全に
なくすることはできず、例えば、押出成形によって作成
される発泡性複合シートを発泡したときには、樹脂滞留
によって発生したフローマークを完全に消すことはでき
ず、製品の強度が低下し、見映えが悪いなどの悪影響が
あった。
【0006】また、ギヤポンプの使用によってフローマ
ークを消失させることは可能であるが、溶融樹脂の流量
安定が難しくやはりフローマークは僅かに残った。
【0007】フローマークを含む両側部を除いて製品を
作成すると、製品有効幅が狭く、歩留まりが低いためコ
スト的にも問題があり、また、幅広の製品は作成困難で
あった。
【0008】本発明の目的は、上述の諸問題を解決し、
幅広の製品を高い生産性で得ることができるアダプター
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するべくなされたものであり、請求項1記載の発明は、
熱可塑性樹脂を2軸スクリュー押出機2 によって押出成
形する押出成形装置において、同押出機2 のシリンダバ
レル1 とダイ取付金具6 との間に配されたアダプター4
の樹脂流路が隔壁9 によって中央流路10と両側流路11,
12に3分割され、両側流路11, 12は、2軸スクリュー13
のヘッドより先の空間にて生じた樹脂滞留がそれぞれ両
側流路11, 12に入って各流路の前流部から中間部さらに
後流部に行くに連れて各流路内の内側から最も外側に移
るように、断面の相対位置を変化させ、アダプター4 の
出口で中央流路10および両側流路11, 12を出た樹脂が互
いに合流することを特徴とする、押出成形装置における
アダプターである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のア
ダプター4 を備えた押出成形装置を用いて樹脂を押出成
形し、得られた成形品の両側縁に寄って生じたフローマ
ーク7 を成形品の両側部と共に切り捨て、残部を製品と
することを特徴とする、発泡性シートの製造方法であ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、熱可塑性樹脂に熱
分解型化学発泡剤を加えて混練してなる発泡性樹脂組成
物を2軸スクリュー押出機2 によってダイ3 を経て押出
成形する押出成形装置において、請求項1記載のアダプ
ター4 を備えた押出成形装置を用いて発泡性シートを
得、ついで同シートを発泡させ、シートの両側縁に寄っ
て生じたフローマーク7 をシートの両側部と共に切り捨
て、残部を製品とすることを特徴とする、発泡体の製造
方法である。
【0012】請求項4記載の発明は、ポリオレフィン系
樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変
性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた
発泡性樹脂組成物を、請求項1記載のアダプター4 を備
えた押出成形装置を用いてシート状に賦形し、得られた
発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡
させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有する
シート状物を積層することを特徴とする、発泡性複合シ
ートの製造方法である。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項4記載の方
法によって得られた発泡性複合シートを発泡させ、複合
発泡体を得ることを特徴とする、発泡体の製造方法であ
る。
【0014】請求項1および2記載の発明において、2
軸スクリュー押出機2 に取り付けられるダイは、特に限
定されるものではなく、パイプ用ダイ、インフレーショ
ンダイ、スパイラルダイ、Tダイ等であってよい。
【0015】本発明において、アダプター4 の樹脂流路
の断面形状、すなわちアダプター4内に隔壁9 によって
形成された中央流路10と両側流路11, 12の断面形状は、
それぞれ特に限定されるものではないが、一般的に押出
成形が可能な樹脂流路であるためには、流路の長さ方向
の断面が曲面状に形成されているものが好ましい。
【0016】例えば、中央流路10は断面長円形状であっ
て、両側流路11, 12は断面略半円形であることが好まし
い。断面略半円形の両側流路11, 12は、各円弧面が前流
部では外側を向き中間部へ行くに連れて次第に後流を向
き中間部を過ぎて後流部に行くに連れ次第に内側を向く
ように、形成されてたものが好ましい。この形状では、
樹脂は、2軸スクリュー13のヘッドより先の空間にて生
じた樹脂滞留に起因するフローマーク7 がそれぞれ両側
流路11, 12に入るように、中央流路10と両側流路11, 12
に導入される。そして、フローマーク7 を含む樹脂が両
側流路11, 12の前流部から中間部さらに後流部に行くに
連れ、フローマーク7 は同流路内の略平面部に接して内
側から最も外側に移る。
【0017】図1(a) は、熱可塑性樹脂に熱分解型化学
発泡剤を加えて混練してなる発泡性樹脂組成物をシリン
ダバレル1 内に配された2軸スクリュー押出機2 によっ
てTダイ3 を経てシート状に押出成形する押出成形装置
の概要を示すものである。押出機2 のシリンダバレル1
とTダイ取付金具6 との間に、本発明によるアダプター
4 が配されている。Tダイ3 から、図1(b) に示す発泡
性シート5 が押出成形される。
【0018】図2は、図1(a) 中のII−II線に沿う断面
図である。すなわち、同図は2軸スクリュー13のヘッド
における断面図であり、アダプター4 の樹脂流路が隔壁
9 によって中央流路10と両側流路11, 12に3分割されよ
うとする様子を表している。2軸スクリュー13のヘッド
より先の空間にて生じた樹脂滞留5 が両側流路11, 12内
に位置する。
【0019】2軸スクリュー13のヘッド同士の間隔(図
8(a) における距離f)とアダプター4 の長円形状の中
央流路10の短い方の直径(図8(a) における距離g)
は、1対の樹脂滞留5 に起因するフローマーク7 をそれ
ぞれ両側流路11, 12に導入するものであれば、特に限定
されるものではなく、ほぼ同等の距離が好ましい。
【0020】図3は、図1(a) 中のIII −III 線に沿う
断面図である。すなわち、同図は、押出機2 から押し出
された樹脂がアダプター4 の中央流路10と両側流路11,
12に完全に3分割された様子を表している。1対のフロ
ーマーク7 はそれぞれ両側流路11, 12内に位置する。ア
ダプター4 の中央流路10と両側流路11, 12の断面形状は
特に限定されるものではないが、断面円形のアダプター
4 への納まりを良くするためには、同図のように、中央
流路10は長円形状ないしは楕円形状が好ましく、また、
両側流路11, 12は略半円形状が好ましい。また、両側流
路11, 12内にある各フローマーク7 は、可能な限り両側
流路11, 12内の内側に位置し、好ましくは略平面状の内
面に接している。
【0021】図4は、図1(a) 中のIV−IV線に沿う断面
図である。すなわち、同図は、各フローマーク7 がアダ
プター4 の両側流路11, 12内の内側(図3)から外側
(図5)へ移る途中の状態になるように、アダプター4
の両側流路11, 12が相対位置を変化する途中経過を表し
ている。
【0022】図5は、図1(a) 中のV−V線に沿う断面
図である。すなわち、同図は、各フローマーク7 がアダ
プター4 の両側流路11, 12内の内側から最も外側へ移る
ように、アダプター4 の両側流路11, 12が相対位置を変
化する様子を表している。この時、フローマーク7 は、
アダプター4 の両側流路11, 12内の略平面状の外側内面
に接している方が好ましい。
【0023】図6は、図1(a) 中のVI−VI線に沿う断面
図である。すなわち、同図は、アダプター4 内が中央流
路10と両側流路11, 12に3分割された状態から、両側流
路11, 12が中央流路10に合流している様子を表してい
る。図6の樹脂流路の断面形状は、特に限定されるもの
ではないが、長円形状、楕円形状もしくは円形状が好ま
しい。
【0024】図7は、押出成形装置において、2軸スク
リュー13のヘッドより先の空間にて生じた樹脂滞留に起
因するフローマーク7 が、アダプター4 内の両側流路1
1, 12を通り、Tダイ取付金具に至るまでの流路を概略
的に示した斜視図である。
【0025】図1〜7から判るように、2軸スクリュー
13のヘッドより先の空間にて生じた樹脂滞留に起因する
フローマーク7 はアダプター4 内の両側流路11, 12に入
り、その後、フローマーク7 が両側流路11, 12内の最も
外側にある状態でフローマーク含有樹脂が中央流路10を
通ったフローマーク非含有樹脂に合流している。このよ
うにフローマーク7 をアダプター4 内における最も外側
に位置させることにより、その後Tダイ3 を経て得られ
た発泡性シート8 は、フローマーク7 がシートの両側縁
に寄ったものとなり、フローマーク7 を両側縁と共に切
り捨てることにより、製品の有効幅を拡げることができ
る。
【0026】つぎに、発泡性シート、発泡性複合シート
の製造方法について説明をする。
【0027】請求項3記載の方法に従って、請求項1記
載のアダプターを備えた押出成形装置を用いて、発泡性
シートを製造するには、ポリオレフィン系樹脂のような
熱可塑性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得
られた発泡性樹脂組成物を押出成形装置の2軸スクリュ
ー押出機によってTダイを経てシート状に押出成形す
る。
【0028】得られた熱可塑性樹脂発泡性シートを加熱
して発泡剤の分解によって発泡させることにより、熱可
塑性樹脂発泡体を得ることができる。
【0029】また、請求項4記載の方法によって発泡性
複合シートを製造するには、ポリオレフィン系樹脂を変
性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂に
熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹
脂組成物を、請求項1記載のアダプターを備えた押出成
形装置を用いてシート状に賦形し、得られた発泡性シー
トの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の
面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物
を積層する。
【0030】得られたポリオレフィン系樹脂発泡性複合
シートを加熱して発泡剤の分解によって発泡させること
により、複合発泡体を得ることができる。
【0031】本明細書全体を通して、「面内方向」と
は、発泡性シートのシート面内にあるいかなる方向をも
意味し、長さ方向、幅方向を含む。また、「シート」と
は、厚さに基づく厳密な意味での形態をいうのでなく、
通常フィルムと呼ばれる比較的薄手のものから通常板材
と呼ばれる比較的厚手のものまで含むこととする。
【0032】本発明で使用しうるポリオレフィン系樹脂
の主体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマー
の単独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他
のモノマーとの共重合体であり、特に限定されるもので
はないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、
ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピ
レン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン
を主成分とする共重合体などが例示され、またこれらの
2以上の組合わせであってもよい。
【0033】本発明で使用しうるポリオレフィン系樹脂
の主体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエ
チレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組み
あわせが好ましい。
【0034】本発明で使用しうるポリオレフィン系樹脂
とは上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%で
ある樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成す
るポリオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例え
ば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げ
られる。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割
合が70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴であ
る軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばか
りか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難とな
る場合があるので好ましくない。
【0035】本発明で使用しうる変性用モノマーは、ラ
ジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合
物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド
基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示
される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化
合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリ
ル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマ
ーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のよう
な、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物で
あってもよい。
【0036】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、まず、分子内にオキシム基を2個有する化合物、す
なわちジオキシム化合物は、オキシム基またはその水素
原子が他の原子団(主に炭化水素基)で置換された構造
を分子内に2個有する化合物であり、例えばp−キノン
ジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシムが
例示される。ジオキシム化合物は2種以上の組合わせで
使用することもできる。
【0037】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、マレイミド構造を分子内に2個有するビスマレイミ
ド化合物としては、例えばN,N’−p−フェニレンビ
スマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミ
ド、ジフェニルメタンビスマレイミドが例示される。ビ
スマレイミド化合物は2種以上の組合わせで使用するこ
ともできる。また、マレイミド構造が分子内に2個以上
有するポリマレイミドも、同じ効果を奏するのでビスマ
レイミド化合物の範疇に含まれる。
【0038】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、分子内にビニル基を2個有する化合物、すなわちジ
ビニル化合物は、例えば下記化学式で示されるジビニル
ベンゼンであり、2つのビニル基はオルト、メタ、パラ
のいずれの位置関係にあってもよい。
【0039】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、分子内にアリル基を2個以上有する化合物、すなわ
ちアリル系多官能モノマーとしては、例えばジアリルフ
タレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、ジアリルクロレンデートが例示される。ア
リル系多官能モノマーは2種以上の組合わせで使用する
こともできる。
【0040】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、分子内に(メタ)アクリル基を2個以上有する化合
物、すなわち(メタ)アクリル系多官能モノマーとして
は、(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜4個有する化
合物が挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ基を2
個有する(メタ)アクリル系2官能モノマーとしては、
アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレング
リコール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルAのプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレ
ートが例示される。(メタ)アクリロイルオキシ基を3
個有する(メタ)アクリル系3官能モノマーとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)
アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加ト
リ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイル
オキシエチルフォスフェートが例示される。(メタ)ア
クリロイルオキシ基を4個有する(メタ)アクリル系4
官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラ(メタ)アクリレートが例示される。
【0041】本発明で使用しうる変性用モノマーのう
ち、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物の
代表例はキノン化合物であり、キノン化合物としてはヒ
ドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベ
ンゾキノンが例示される。
【0042】変性用モノマーの配合量は、同モノマーの
種類に応じて適宜選択すればよいが、概ねポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であ
り、好ましくは0.2〜2重量部である。変性用モノマ
ーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要
な溶融粘度が得られにくい。配合量が5重量部を越える
と、架橋度が上がりすぎ、押出成形性が悪くなる(例え
ば、高負荷がかかる、メルトフラクチャーが発生する)
上に、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練
できず、不必要にゲル分率が上がりすぎ、リサイクル性
を損なうことがある。加えて、後に加熱発泡時の発泡圧
力が高くなり過ぎ、面内方向の発泡を抑制するためのシ
ート状物として引っ張り強度の低いものが使用できなく
なることがある。
【0043】本発明方法においては、変性用モノマーと
共に有機過酸化物を併用してもよい。特に、変性用モノ
マーとしてジビニル化合物やアリル系多官能モノマーを
用いる場合には、これに有機過酸化物を併用することが
好ましい。有機過酸化物はポリオレフィンのグラフト反
応に一般的に用いられる任意のものであれば良く、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3等が挙げられ、これらが単独でまた
は2種以上の組合わせで好適に用いられる。
【0044】特に、ジクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
のうちの1種もしくは2種以上がより好適に用いられ
る。
【0045】有機過酸化物の使用量は、少なすぎるとグ
ラフト化反応の転化が不十分であり、多すぎるとポリプ
ロピレンのいわゆるβ解裂が顕著に起こり、変性物の分
子量が低すぎて物性の低下あるいは粘度低下による発泡
不良に至ることがある。これらの点を考慮すると、有機
過酸化物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂100重量
部に対し、0.001〜0.5重量部であることが好ま
しく、0.005〜0.15重量部であることがより好
ましい。
【0046】変性樹脂を得るには、スクリュー押出機や
ニーダーなどの混練装置を用い、ポリオレフィン系樹脂
と変性用モノマーを所定条件で溶融混和し、反応させ
る。このときの反応温度は、170℃以上かつポリオレ
フィン系樹脂の分解温度以下、好ましくは200℃〜2
50℃である。溶融混和温度が170℃を下回ると変性
が不十分で、最終的に得られる発泡体の発泡倍率が十分
高くならないことがあり、250℃を越えるとポリオレ
フィン系樹脂が分解し易くなる。
【0047】上記変成反応に用いる装置は、スクリュー
押出機の他、一般的にプラスチック成形加工で使用され
うる溶融混練装置であればよく、例えばニーダー、ロー
ター、連続混練機などが例示される。このうち連続運転
が行えるスクリュー押出機が好ましく、1軸スクリュー
押出機、2軸スクリュー押出機、3本以上のスクリュー
を備えた多軸スクリュー押出機などがいずれも好適に用
いられる。1軸スクリュー押出機としては、一般的なフ
ルフライト型スクリューに加え、不連続フライト型スク
リュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを有する押
出機なども用いられる。また、上記2軸スクリュー押出
機としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異
方向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機など
が好適に使用し得る。なお、押出機の後段に真空ベント
を設けることは、樹脂組成物中に揮発物が残存するのを
防ぐのに効果的である。
【0048】スクリュー押出機を用いる場合、ポリオレ
フィン系樹脂は通常はホッパーから押出機へ投入される
が、定量性を増すため、スクリュー式フィーダー、重量
管理式フィーダーなどを用いることも好ましい。
【0049】変性用モノマーは、ポリオレフィン系樹脂
と同時にホッパーから押出機へ投入してもよいが、特に
ジビニルベンゼンやアリル系多官能モノマーのいくつか
は常温常圧で液体であるので、押出機にてポリオレフィ
ン系樹脂が溶融する位置より後流部に設けられた液体注
入孔から供給する方が、これを溶融樹脂中に均一に分散
できるので好ましい。このとき液体モノマーは、プラン
ジャーポンプなどの圧送式のポンプで送液することが望
ましい。
【0050】変性用モノマーに有機過酸化物を併用する
場合は、有機過酸化物を同モノマーと予め混合してこれ
らを同時に投入する方法、あるいはモノマー投入と前後
して有機過酸化物を別投入する方法などが適用できる。
【0051】変性樹脂は、同種あるいは異種の未変性ポ
リオレフィン系樹脂と溶融ブレンドされたものでも良
い。このような変性樹脂と未変性樹脂とのブレンドを用
いることにより、得られる発泡性樹脂組成物の流動性が
改善され、これによって、極めて薄い発泡性原反が成形
可能となり、その結果、薄いシート状複合発泡体の製造
が可能となる。その上、発泡性樹脂組成物の流動性の改
善が紡錘形の気泡を形成するのに好適に働き、その結果
として、より高圧縮強度の発泡体を得ることも可能とな
る。
【0052】未変性ポリオレフィン系樹脂は、変性樹脂
の変性前のポリオレフィン系樹脂の定義で先に説明した
ものであって良い。
【0053】未変性ポリオレフィン系樹脂の種類は、得
られる発泡性複合シートの成形性、外観、シート状物と
の接着性、およびこれから得られる複合発泡体の発泡倍
率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜選
ばれる。例えば、発泡体原反の流れ性を良くしたけれ
ば、未変性ポリオレフィン系樹脂として粘度の低い樹脂
を用いる。柔らかい発泡体を得たければ、未変性樹脂と
して密度の低いポリオレフィンを用いる。
【0054】変性樹脂と未変性ポリオレフィン系樹脂の
割合は、変性樹脂100重量部に対して、未変性樹脂を
好ましくは50〜200重量部、より好ましくは70〜
130重量部ブレンドする。未変性ポリオレフィン系樹
脂の割合が大き過ぎると、発泡に必要な溶融張力が保持
できないため、発泡倍率の低下を引き起こし、良好な発
泡体が得られないことがある。
【0055】本発明で使用しうる熱分解型化学発泡剤
は、加熱により分解ガスを発生するものであれば特に限
定されるものではない。熱分解型化学発泡剤の代表的な
例は、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエ
ンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)である。これらは単独で用い
てもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。その中
でもアゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。
【0056】熱分解型化学発泡剤は、変性樹脂100重
量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜35重
量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使用さ
れる。
【0057】このようにして、ポリオレフィン系樹脂と
変性用モノマーから得られた変性樹脂に熱分解型化学発
泡剤を混練して発泡性樹脂組成物を得るには、上述した
反応用の溶融混練装置と、これとは別の発泡剤混和用の
溶融混練装置(構造は反応用の溶融混練装置のそれと同
じであってもよい)とを用いて、同発泡剤が実質的に分
解しない最高温度以下で両者を混合する。この溶融混練
の態様としては下記のものがある。
【0058】(a) 反応用の回分式あるいは連続式の溶融
混練装置において、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノ
マーと溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を同溶
融混練装置から取り出して固化、造粒などを行った後、
同樹脂組成物を発泡剤混和用の回分式あるいは連続式の
混練装置に移し、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練
し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0059】(b) 反応用の回分式の溶融混練装置におい
て、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと溶融混和
して反応させ、得られた変性樹脂を同混練装置内で、発
泡剤が実質上分解しない温度もしくは多量には分解しな
い温度まで冷却しておき、次いで、これに発泡剤を投入
し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0060】(c) 反応用のスクリュー押出機(連続式の
溶融混練装置)において、ポリオレフィン系樹脂を変性
用モノマーと170℃以上の温度で溶融混和して反応さ
せ、得られた変性樹脂を発泡剤が実質上分解しない温度
もしくは多量には分解しない温度まで降温させておき、
さらに同スクリュー押出機の途中に設けた供給口より発
泡剤を投入し、両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を
得る。
【0061】(d) 連続操作のもう一つの形態では、2台
のスクリュー押出機などを連結して、1台目でポリオレ
フィン系樹脂を変性用モノマーと溶融混和して反応さ
せ、得られた変性樹脂を上記と同様に降温させた後、同
樹脂組成物を2台目に移し、これに発泡剤を投入し、両
者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る。
【0062】混合物に熱分解型化学発泡剤を混練してな
る発泡性樹脂組成物は、シート状に賦形される。賦形の
方法は押出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレン
ダリング成形、射出成形など、プラスチックの成形加工
で一般的に行われる方法が適用可能である。
【0063】特に、上記(a)(b)の方法にしたがって得ら
れる発泡性樹脂組成物を、回分式の発泡剤混和用混練装
置より取り出し、これをスクリュー押出機に投入して連
続的にシート形状に賦形する方法、あるいは、上記(a)
(c)(d) の方法にしたがって、スクリュー押出機より吐
出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生産
性の観点より好ましい。
【0064】本発明で使用しうるシート状物を構成する
材料は、紙、布、木材、鉄等の金属、非鉄金属、プラス
チック、ガラス、無機物など自由に選べ、特に限定され
るものではない。またシート状物は発泡性シートと積層
・一体化させる場合には、発泡性シートとの間にある程
度の接着性を発現するものが望ましいが、接着性が無い
シート状物であっても粘着剤や接着剤を適宜用いること
で発泡性シートに接着可能なものであればよい。
【0065】シート状物は、発泡性シートを加熱発泡さ
せる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するも
のである。シート状物の強度が低すぎると、発泡に際し
てシート状物が裂けてしまい、発泡性シートの面内方向
の発泡を充分に抑制することができないことがある。従
って上記面内発泡を抑制するためのシート状物として
は、例えば、発泡倍率が10である場合は、引張り強度
0.1kgf/cm以上のものが好ましい。
【0066】本発明で好適に使用しうるシート状物とし
ては、ガラスクロス、寒冷紗、織布または不織布、ニー
ドルパンチ不織布、紙等が挙げられる。ガラスクロスと
は、ガラス繊維を抄造して得られるサーフェイスマッ
ト、ガラスロービングが織られてなるものをいう。ま
た、寒冷紗、不織布、ニードルパンチは、主にポリエス
テルやナイロン等の合成繊維からなるものである。織布
は一般的な天然繊維や合成繊維からなるものであって良
い。なお、サーフェイスマットについてはガラス短繊維
同士を結着するためのバインダーが含まれてもよい。該
バインダーとしては、シート状物の引張強度が上記範囲
を満たすものであれば特に限定されず、例えば、ポリビ
ニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂な
どの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。織布、不織布を構
成する有機繊維としてはポリエステル繊維、綿、アクリ
ル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙
げられる。これらのシート状物を使用することによっ
て、軽量で高圧縮強度を有するポリオレフィン系樹脂複
合発泡体を得ることができる。
【0067】また、本発明で使用しうるシート状物は、
金属製シート、例えば、鉄製シート、またはアルミニウ
ム、チタン、銅などの非鉄金属製シートからなるもので
あっても良い。鉄製シートには、溶融亜鉛鋼板や溶融亜
鉛アルミニウム合金鋼板、ステンレス鋼板等が含まれ
る。このような金属製のシート状物としては、厚み0.
01mm〜2mmの圧延された薄いシートが特に好適に
使用される。この場合、これらの金属は任意にメッキさ
れていてもよいし、有機塗料あるいは無機塗料で塗装さ
れていてもよく、あるいは粘接着剤が塗布されていても
よい。これらの金属製シート状物を使用する場合、得ら
れるポリオレフィン系樹脂複合発泡体は軽量の金属複合
板となり得る。これは、厚さ1〜5mmの金属板や、中
間層としてポリエチレン層などを配した金属複合板と比
較して、実用上極端な強度不足を来たさずに、さらに軽
量化と低コスト化が図れるメリットを有する。またこの
複合発泡体は発泡性複合シートを発泡させて製造される
ため、発泡体に後から金属シート状物を貼付した金属複
合板と比較して、表面平滑性が極めて優れたものにな
る。
【0068】発泡性シートの少なくとも片面にシート状
物を積層する方法は特に限定されるものではないが、例
えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状
物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを
溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に
熱融着する方法などが挙げられる。
【0069】発泡性複合シートの厚み精度を確保するに
は方法(イ)が好ましい。方法(ロ)の熱融着では、例
えば、Tダイから押し出された直後の溶融状態の発泡性
シートの少なくとも片面に、シート状物を軽く積層した
状態で、これらを対向状の冷却ロール間を通過させ、ロ
ールの押圧力で両者を一体化する方法が好ましい。
【0070】なお、上記のように発泡性シートとシート
状物を積層して一体化するとは、発泡性シートとシート
状物とを両者の界面において剥離しようとした場合に、
高い割合材料破壊が生じる程度に両者が固着されている
状態を意味するものとする。こうして得られた発泡性複
合シートは、適切な温度条件で加熱することにより、常
圧下あるいは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させる
ことができる。上記加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤
の分解温度から、分解温度+100℃までの温度範囲で
行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口
側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡
器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風
恒温槽や、あるいはオイルバス、メタルバス、ソルトバ
スなどの熱浴が用いられる。
【0071】
【作用】本発明では、アダプター4 の樹脂流路が隔壁9
によって中央流路10と両側流路11, 12に3分割され、両
側流路11, 12は、2軸スクリュー13のヘッドより先の空
間にて生じた樹脂滞留がそれぞれ両側流路11, 12に入っ
て各流路の前流部から中間部さらに後流部に行くに連れ
て各流路内の内側から最も外側に移るように、断面の相
対位置を変化させるので、樹脂滞留に起因するフローマ
ーク7 はアダプター4 内の両側流路11, 12に入り、その
後、フローマーク7 が両側流路11, 12内の最も外側にあ
る状態でフローマーク含有樹脂が中央流路10を通ったフ
ローマーク非含有樹脂に合流している。このようにフロ
ーマーク7 をアダプター4 内における最も外側に位置さ
せることにより、その後Tダイ3 を経て得られた発泡性
シート8 は、フローマーク7 がシートの両側縁に寄った
ものとなり、フローマーク7を両側縁と共に切り捨てる
ことにより、製品の有効幅を拡げることができる。
【0072】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により具体的に説
明する。
【0073】実施例1 i)発泡性樹脂組成物の製造 (1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0074】操作条件は下記の通りである。
【0075】
【0076】上記構成の変性用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をそ
の後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変
性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は
真空ベントにより真空引きした。
【0077】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンラ
ンダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8
g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供
給量は10kg/hとした。
【0078】変性用モノマーはp−キノンジオキシム
(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、
その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て0.75重量部とした。
【0079】ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0080】(2) 発泡性樹脂組成物の調製および複合シ
ートの調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、、成形ダイは幅500mm、厚さ3.5mmのTダ
イである。
【0081】このスクリュー押出機は、アダプター4 の
樹脂流路の形状が、図1〜7に基いて先に説明した形状
をなすものである。
【0082】温度設定区分は下記の通りである。 第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
【0083】発泡剤を供給するために第6バレルにサイ
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。
【0084】操作条件は下記の通りである。
【0085】
【0086】上述のようにして得られた変性樹脂を変性
用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機
に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。
また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供
給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミド(A
DCA)であり、その供給量は1kg/hとした。
【0087】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、アダプターの樹脂流路に
通し(図8(a) における2軸スクリュー13のヘッド同士
の間隔fとアダプター4 の長円形状の中央流路10の短い
方の直径gは同じものとする)、フローマーク7 を含む
樹脂が両側流路11, 12内に入るようにし、上記Tダイか
ら押出し、3本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成
物シートの表裏両面に、ポリエチレンテレフタレート製
の不織布(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ
6301A」、秤量30g/m2 、引っ張り強度:縦
1.6kg/cm、横1.2kg/cm)からなるシー
ト状物を熱融着し、幅460mm、厚さ3.4mmのポ
リオレフィン系樹脂発泡性複合シートを得た。
【0088】(3) 発泡 上記ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートを、加熱ゾ
ーンを備えた連続発泡機にて230℃で約8分間加熱発
泡させ、複合発泡体を得た。
【0089】実施例2 発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製工程(2) に
おいて、図8(b) に示すアダプター4 を使用する以外
は、実施例1と全く同様の方法で、ポリオレフィン系樹
脂発泡性複合シートを得、さらにこれを同様の方法で加
熱発泡させて複合発泡体を得た。図8(b) における2軸
スクリュー13のヘッド同士の間隔fとアダプター4 の長
円形状の中央流路10の短い方の直径gは、g=1/2f
の関係にある。
【0090】比較例1 発泡性樹脂組成物の調製と複合シートの調製工程(2) に
おいて、図9に示す従来のアダプター14を使用する以外
は、実施例1と全く同様の方法で、ポリオレフィン系樹
脂発泡性複合シートを得て、さらにこれを同様の方法で
加熱発泡させて複合発泡体を得た。
【0091】図9の押出成形装置では、シリンダバレル
1 とTダイ取付け金具6 との間に、断面コーン凹状の樹
脂流路を有するアダプター14が配されている。
【0092】ii)性能評価 上記実施例および比較例で得られた複合発泡体を下記の
項目について性能評価した。
【0093】・有効幅測定:複合発泡体において、フロ
ーマーク部を含む両側部を切り落とし、後に残った製品
の有効幅を測定した。
【0094】・発泡倍率測定:JIS K6767に従
い複合発泡体の発泡倍率を測定した。
【0095】・圧縮強度測定:複合発泡体を5cm角に
カットし、JIS K6767に従い25%圧縮強度を
測定した。
【0096】各実施例および比較例の発泡体の性能評価
結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】表1から判るように、実施例で得られた複
合発泡体は、いずれの項目においても、良好な性能を示
すことが認められる。
【0099】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
本発明アダプターの樹脂流路の特徴的形状により、フロ
ーマークは熱可塑性樹脂成形品の両側縁に寄る。
【0100】そのため、請求項2記載の発明によれば、
フローマークを含むシート両端部を切り捨てることによ
り、成形品の製品有効幅を拡げることが可能となり、ま
た、請求項3記載の発明によれば、熱可塑性樹脂発泡性
シートを発泡させた後、フローマークを含むシート両側
部を切り落とすことにより、発泡体シート製品有効幅を
拡げることができる。
【0101】また、請求項4、5記載の発明によれば、
ポリオレフィン系樹脂の発泡性複合シートは、これを発
泡させることによって、発泡体の気泡が紡錘形になり、
その長軸が厚み方向に配向した複合発泡体が得られる。
そのため、この複合発泡体の圧縮強度は従来の発泡体に
比較して格段に高く、優れた性能を有する複合発泡体を
効率的かつ容易に製造することが可能になる。
【0102】また布、不織布、寒冷紗等のシート状物を
用いた場合には、得られる複合発泡体は圧縮強度が高い
にも拘らず曲げ方向にはフレキシブルなものになる。
【0103】また鉄製や非鉄金属製のシート状物を用い
る場合には、得られる複合発泡体は従来の金属複合板と
比較して同等の表面平滑性を有し、実用上の強度不足を
来さずに、大幅に軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は実施例1で用いた、アダプター4 を
備えた押出成形装置の概要を示す水平断面図である。図
1(b) はTダイ3 から押出された発泡性シート8 を示す
平面図である。
【図2】図2は、図1(a) 中のII−II線に沿う断面図で
ある。
【図3】図3は、図1(a) 中のIII −III 線に沿う断面
図である。
【図4】図4は、アダプターを示す、図1(a) 中のIV−
IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は、図1(a) 中のV−V線に沿う断面図で
ある。
【図6】図6は、図1(a) 中のVI−VI線に沿う断面図で
ある。
【図7】図7は、押出成形装置において、2軸スクリュ
ー13のヘッドより先の空間にて生じた樹脂滞留に起因す
るフローマーク7 が、アダプター4 内の両側流路11, 12
を通り、Tダイ取付金具に至るまでの流路を概略的に示
した斜視図である。
【図8】図8(a) は実施例1で用いた、アダプター4 を
備えた押出成形装置を示す断面図である。図8(b) は実
施例2で用いた、アダプター4 を備えた押出成形装置を
示す断面図である。Tダイから押出された発泡性シート
を示す平面図である。
【図9】図9(a) は従来技術を示す、図1(a) に相当す
る水平断面図である。図9(b)はTダイから押出された
発泡性シートを示す、図1(b) に相当する平面図であ
る。
【符号の説明】
1:シリンダバレル 2:2軸スクリュー押出機 3:Tダイ 4,14:アダプター 5:滞留樹脂 6:Tダイ取付け金具 7:フローマーク 8:発泡性シート 9:隔壁 10:中央流路 11,12:両側流路 13:2軸スクリュー
フロントページの続き Fターム(参考) 4F207 AA03J AA11H AB03 AD08 AG01 AG03 AG20 KA01 KA11 KA15 KB11 KK13 KL15 KL45 KL55 KL83 KL84

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を2軸スクリュー押出機2
    によって押出成形する押出成形装置において、 同押出機2 のシリンダバレル1 とダイ取付金具6 との間
    に配されたアダプター4 の樹脂流路が隔壁9 によって中
    央流路10と両側流路11, 12に3分割され、 両側流路11, 12は、2軸スクリュー13のヘッドより先の
    空間にて生じた樹脂滞留がそれぞれ両側流路11, 12に入
    って各流路の前流部から中間部さらに後流部に行くに連
    れて各流路内の内側から最も外側に移るように、断面の
    相対位置を変化させ、 アダプター4 の出口で中央流路10および両側流路11, 12
    を出た樹脂が互いに合流することを特徴とする、押出成
    形装置におけるアダプター。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアダプター4 を備えた押
    出成形装置を用いて樹脂を押出成形し、得られた成形品
    の両側縁に寄って生じたフローマーク7 を成形品の両側
    部と共に切り捨て、残部を製品とすることを特徴とす
    る、発泡性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加
    えて混練してなる発泡性樹脂組成物を2軸スクリュー押
    出機2 によってダイ3 を経て押出成形する押出成形装置
    において、請求項1記載のアダプター4 を備えた押出成
    形装置を用いて発泡性シートを得、ついで同シートを発
    泡させ、シートの両側縁に寄って生じたフローマーク7
    をシートの両側部と共に切り捨て、残部を製品とするこ
    とを特徴とする、発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマー
    と反応させて変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学
    発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物を、
    請求項1記載のアダプター4 を備えた押出成形装置を用
    いてシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なく
    とも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向へ
    の発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層する
    ことを特徴とする、発泡性複合シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法によって得られた発
    泡性複合シートを発泡させ、複合発泡体を得ることを特
    徴とする、発泡体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347101A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Sekisui Chem Co Ltd シート状成形品の製造装置およびシート状成形品の製造方法
WO2018143609A1 (ko) * 2017-01-31 2018-08-09 주식회사 엘지화학 압출 다이 및 이를 이용한 시트의 압출 방법

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