JP2000230069A - 樹脂発泡体シート - Google Patents

樹脂発泡体シート

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JP2000230069A
JP2000230069A JP11035916A JP3591699A JP2000230069A JP 2000230069 A JP2000230069 A JP 2000230069A JP 11035916 A JP11035916 A JP 11035916A JP 3591699 A JP3591699 A JP 3591699A JP 2000230069 A JP2000230069 A JP 2000230069A
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sheet
foam sheet
polyolefin resin
liquid crystal
resin
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JP11035916A
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Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Masashi Okabe
優志 岡部
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成型時における圧縮強度および曲げ強度強
度の低下の問題が無く、深絞り成型にも対応でき、しか
もリサイクル性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体シ
ートを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂中に繊維状の液晶
ポリマーが2〜20重量%の含有分散されてなる発泡体
シートである。同発泡体に内在する気泡におけるシート
厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz
/Dxyの平均値は1.2以上である。ポリオレフィン
系樹脂は、同樹脂を、ジオキシム化合物、ビスマレイミ
ド、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メ
タ)アクリル系多官能モノマーおよびキノン化合物から
なる群より選ばれる少なくとも1種の変性用モノマーと
を溶融混和して得られた変性ポリオレフィン系樹脂であ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば車両内装
材、特に自動車用天井材等の自動車内装材用の芯材等に
好適に使用されるポリオレフィン系樹脂からなる発泡体
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂発泡体シートは、軽量性、断熱性、柔
軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝材、浮揚材等に
用いられている。特に同発泡体シートはこれをさらに熱
成型することにより、車両用のドア、天井、インストル
メンタンパネルなどの内装材における芯材に適応可能で
あり、その軽量性、耐熱性、寸法安定性等での利点を生
かして幅広く用いられている。
【0003】車両内装材、特に自動車用天井材用の芯材
としては、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートと補強シ
ートを積層してなるサンドイッチ型複合発泡体シートが
知られている。
【0004】本発明者らは、先に、このような複合発泡
体シートの圧縮強度と曲げ強度をさらに改善すべく、ポ
リオレフィン系樹脂発泡体シートと補強シートを積層し
てなる複合発泡体シートにおいて、ポリオレフィン系樹
脂発泡体シートにおける気泡が実質的にシートの厚み方
向に引き延ばされた紡錘形(気泡径の長軸と短軸の比で
あるアスペクト比1.2以上)をなす複合発泡体シート
とその製造方法を提案した(特願平10−243176
号) この複合発泡体シートは、熱分解型化学発泡剤を含有す
るポリオレフィン系樹脂発泡性シートの発泡の際に生じ
る面内方向(シート状発泡体の長手方向および幅方向の
2次元の方向)の発泡力を抑制し得る強度を有する補強
シートを同発泡性シートの少なくとも片面に積層し同発
泡性シートを加熱発泡させて得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で得
られる複合発泡体シートは、後に熱成型を行うに際して
圧縮強度と曲げ強度が熱成型前と比較して低下するとい
う問題があった。これは、該複合発泡体シートがポリオ
レフィン系樹脂の融点以上に加熱されるときに、前述の
紡錘形気泡が若干緩和され気泡形状のアスペクト比が小
さくなることに起因する。
【0006】また、該複合発泡体シートを絞り加工する
熱成型においては、補強シートが積層されていない発泡
体シート単体と比較して、絞り成型は絞り程度の小さい
いわゆる浅絞りに限定され、該複合発泡体シートはいわ
ゆる深絞り成型には対応できない難点があった。これ
は、深絞り成型時に補強シートに生じる張力に可塑化し
た発泡体が負け、気泡の構造が崩れるためと考えられ
る。
【0007】本発明の目的は、このような熱成型時にお
ける圧縮強度および曲げ強度強度の低下の問題が無く、
深絞り成型にも対応でき、しかもリサイクル性に優れた
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく成されたもので、請求項1記載の樹脂発泡体シー
トは、ポリオレフィン系樹脂中に繊維状の液晶ポリマー
が2〜20重量%の含有分散されてなる発泡体シートで
あって、同発泡体に内在する気泡におけるシート厚み方
向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz/Dx
yの平均値が1.2以上であることを特徴とするもので
ある。
【0009】請求項1記載の発泡体シートは、たとえ
ば、ポリオレフィン系樹脂と繊維状の液晶ポリマーから
なる樹脂組成物に化学的または物理的発泡剤を分散さ
せ、得られた発泡性樹脂組成物を一旦シート状の原反に
賦形した後、同組成物を発泡させることによって製造さ
れる。
【0010】また、請求項2記載の樹脂発泡体シート
は、請求項1記載の発泡体シートにおいて、ポリオレフ
ィン系樹脂が、同樹脂を、ジオキシム化合物、ビスマレ
イミド、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、
(メタ)アクリル系多官能モノマーおよびキノン化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性用モノマ
ーとを溶融混和して得られた変性ポリオレフィン系樹脂
であることを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発泡体シートは、たとえ
ば、ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させ
て変性し、得られた変性樹脂と繊維状の液晶ポリマーか
らなる樹脂組成物に化学的または物理的発泡剤を分散さ
せ、得られた発泡性樹脂組成物を一旦シート状の原反に
賦形した後、同組成物を発泡させることによって製造さ
れる。
【0012】本明細書全体を通して、「面内方向」と
は、発泡体シートのシート面内にあるいかなる方向(x
−y方向とも呼び)をも意味し、長さ方向、幅方向を含
む。また、「シート」とは、厚さに基づく厳密な意味で
の形態をいうのでなく、通常フィルムと呼ばれる比較的
薄手のものから通常板材と呼ばれる比較的厚手のものま
で含むこととする。
【0013】本発明で使用される液晶ポリマーとは、溶
融時に異方性を示すいわゆるサーモトロピック液晶ポリ
マーのことであり、本発明では液晶ポリマーが固相から
液晶相(液晶状態)に転移する温度を液晶転移温度、さ
らに液晶相から無定型状態に変わる温度を融点と呼ぶこ
とにする。
【0014】本発明で使用される液晶ポリマーは、その
液晶転移温度が後述するポリオレフィン系樹脂の融点よ
り高いものであれば特に限定されるものではない。その
ような液晶ポリマーとしては、熱可塑性液晶ポリエステ
ルや熱可塑性液晶ポリアミドが好ましく、熱可塑性液晶
ポリエステルとして、例えば、ポリプラスチック社製の
「ベクトラ」;住友化学社製の「エコノール」;ポリプ
ラスチック社製の「ザイダー」;ユニチカ社製の「ロッ
ドラン」等が挙げられる。
【0015】繊維状の液晶ポリマーとは、ポリオレフィ
ン系樹脂中に分散している液晶ポリマー片が、少なくと
もアスペクト比(長さ/径)の平均値が10以上の状態
にあることを意味する。アスペクト比の平均値が10未
満であると、液晶ポリマーによる発泡体マトリックスの
補強効果が十分に発揮されない。アスペクト比の平均値
は好ましくは30以上、より好ましくは100以上であ
り、また繊維径の平均値は好ましくは0.5〜20μm
の範囲であり、繊維長の平均値は好ましくは200〜2
000μmの範囲である。
【0016】この様な繊維状の液晶ポリマーは、液晶ポ
リマーとポリオレフィン系樹脂とを、液晶ポリマーの液
晶転移温度〜融点の温度範囲で溶融混練した後、混練物
を液晶転移温度以下に冷却して固化させるまでに、例え
ば引き落とし成型等により、伸長流動を与えながら成型
することによって容易に得ることができる。該混練は溶
融混練機、スクリュ押出機等を用いる通常の方法で行う
ことができる。
【0017】繊維状の液晶ポリマーの含有割合は、発泡
体シート中に2〜20重量%、好ましくは4〜12重量
%である。
【0018】繊維状の液晶ポリマーを用いない従来の方
法で得られた、厚み方向に長い紡錘形状の気泡を有する
発泡体シートは、再度可塑化され熱成型されるとき、気
泡の紡錘形状が維持されずに変形し、結果的に圧縮強度
等の機械的物性が低下したものになる。本発明では、該
発泡体シートが繊維状の液晶ポリマーを2〜20重量%
含有するので、熱成型に際して可塑化されても気泡の紡
錘形状が保持され、上記の如き物性低下が生じない。
【0019】繊維状の液晶ポリマーの含有割合が2重量
%を下回ると再可塑化時に紡錘形状が維持できず、本発
明の効果が十分に得られず、20重量%を上回ると、熱
成型の形状対応力(即ち深絞り性)が著しく低下する。
ポリオレフィン系樹脂の種類や最終製品に必要な性能に
応じて、繊維状の液晶ポリマーの含有割合は2〜20重
量%の範囲で選択される。
【0020】また、液晶ポリマーとポリオレフィン系樹
脂とからなる組成物には、互いの相溶性を改善する目的
で、必要に応じて第三成分が添加されてもよい。このよ
うな相溶化を改善する第三成分(相溶化剤)としては、
例えば、オレフィン成分とスチレン成分や芳香族ポリエ
ステル成分とを共重合したもの、マレイン酸やアクリル
酸成分を有するオレフィン系樹脂、グリシジルメタクリ
レート成分を有するオレフィン樹脂共重合体等が挙げら
れる。
【0021】本発明による発泡体シートにおけるポリオ
レフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンは、オレフ
ィン性モノマーの単独重合体、または主成分オレフィン
性モノマーと他のモノマーとの共重合体であり、特に限
定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダム
タイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン
等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体等のエチレンを主成分とする共重合体などが例示さ
れ、またこれらの2以上の組合わせであってもよい。
【0022】ポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオ
レフィンとしては、上述したポリエチレンやポリプロピ
レンの1種もしくは2種以上の組みあわせが好ましい。
【0023】ポリオレフィン系樹脂とは上記ポリオレフ
ィンの割合が70〜100重量%である樹脂組成物を指
す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン以
外の樹脂は限定されないが、例えば、ポリスチレン、ス
チレン系エラストマーなどが挙げられる。ポリオレフィ
ン系樹脂中のポリオレフィンの割合が70重量%を下回
ると、ポリオレフィンの特徴である軽量、耐薬品性、柔
軟性、弾性等が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶
融粘度を確保することが困難となる場合があるので好ま
しくない。
【0024】本発明による発泡体シートとしては、発泡
倍率が5〜40cc/gの範囲にあることが好ましい
が、その寸法は限定されない。
【0025】本発明による発泡体シートには、化学発泡
によって得られるものと、物理発泡によって得られるも
のがある。
【0026】前者は、加熱により分解ガスを発生する熱
分解型化学発泡剤を予めポリオレフィン系樹脂組成物に
分散させておき、得られた発泡性組成物を一旦シート状
の発泡原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生する
ガスにより発泡させることで製造されうる。熱分解型化
学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミド、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙
げられる。発泡剤の添加量は樹脂組成物100重量部に
対して好ましくは2〜20重量部である。
【0027】後者は、高圧下でポリオレフィン系樹脂組
成物中に物理的発泡剤を一旦溶解し、次いで、得られた
発泡性組成物を常圧下に置いてガスを発生させ、発泡さ
せることで製造されうる。物理的発泡剤の例としては、
水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤、等が挙げられる。
【0028】つぎに、本発明による発泡体シートに内在
する気泡におけるシート厚み方向の直径Dzと面内方向
の直径Dxyとの比Dz/Dxyについて、説明する。
【0029】図1に示すように、発泡体シート(a) のシ
ート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意な断面(b)
の10〜20倍の拡大写真(c) をとり、この写真(c) 中
で無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡における下
記の2つの定方向最大径(Dz,Dxy)を測り、個数
平均値を算出する。
【0030】Dz:発泡体シート中の気泡のz方向に平
行な最大径 Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅または長さ方
向(xy方向と呼ぶ)に平行な最大径 気泡毎の比Dz/Dxyの平均値が1より大きい場合に
は、発泡体シートは高い圧縮強度を有したものとなる。
【0031】本発明による発泡体シートの比Dz/Dx
yの平均値は1.2以上、好ましくは1.5以上であ
る。この比が1.2を下回ると、気泡がほぼ球形とな
り、紡錘形状に起因する圧縮強度の十分な向上が得られ
ない。
【0032】本発明発泡体シートを得る製造方法は特に
限定されないが、好ましくは、アゾジカルボンアミド等
の熱分解型化学発泡剤を、繊維状の液晶ポリマーとポリ
オレフィン系樹脂からなる樹脂組成物100重量部に対
して2〜20重量部分散させ、得られた発泡性樹脂組成
物を一旦シート状の原反に賦形した後、熱分解型化学発
泡剤の分解温度以上に加熱して化学発泡させる方法であ
る。
【0033】シート状発泡性原反の賦形方法としては、
押出成型の他、プレス成型、ブロー成型、カレンダリン
グ成型、射出成型など、プラスチックの成型加工で一般
的に行われる方法が適用可能であるが、スクリュ押出機
より吐出する発泡性樹脂組成物を直後賦形する方法が生
産性の観点から好ましい。この方法では、一定寸法幅の
連続原反シートを得ることができる。
【0034】シート状原反の発泡は、通常、熱分解型化
学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温度以
下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置として
は、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させ
る引き取り式発泡機の他、ベルト式発泡機、縦型または
横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡を
行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用さ
れる。
【0035】なお、上述の紡錘形気泡は、例えば、発泡
中の原反の面内方向の発泡力を抑制しうる強度を有する
補強シートを、発泡前に原反の少なくとも片面に積層す
ることによって得ることができる。これは、発泡時に面
内の2次元方向の発泡を抑制することで、原反を厚み方
向にのみ発泡させることが可能となるからであり、結果
的に、発泡体の気泡はその長軸を厚み方向に配向した紡
錘形となるからである。
【0036】この方法に適用しうる補強シートは、原反
の発泡温度、即ち、上記ポリオレフィン系樹脂の融点温
度以上、かつ熱分解型発泡剤の分解温度以上の環境に耐
え得るものであればよく、補強シートの材料は例えば、
紙、布、木材、鉄、非鉄金属、プラスチック、ガラス繊
維、無機物繊維などから適宜選ぶことができる。
【0037】補強シートは発泡後に発泡体シートより剥
がしてもよいし剥がさなくてもよい。補強シートを発泡
体シートより剥がす場合は、補強シートは可撓性を有す
ることが好ましい。可撓性を有するとは90度ピールが
可能な程度を意味し、これを有しない場合に、補強シー
トを発泡体シートより取り除くことが困難となる。また
剥離性を確保するべく、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、
アルキッド樹脂のような剥離処理剤がコーティングされ
たもの、即ち、シリコーン樹脂で離型処理されたPET
フィルム、テフロン樹脂がコーティングされた織布など
が好適に使用される。
【0038】繊維状の液晶ポリマーを用いない従来の方
法で得られた紡錘形状の気泡を有する発泡体シートで
は、自動車天井材などの用途で熱膨張率が特定の値を下
回ることが要求される場合に、例えばガラス繊維からな
る補強シートなどを発泡体シートに積層してこれを補強
する必要性があった。
【0039】本発明による発泡体シートは繊維状の液晶
ポリマーを含有しているため、熱成型の加熱によっても
たらされる物性低下を抑制できることができる上に、補
強シートによる補強が無くても熱膨張率を低下させるこ
とができる。この効果は、特に発泡体シートが繊維状の
液晶ポリマーを4重量%以上含有するときに顕著に現
れ、例えば自動車天井材の芯材等の用途においても、実
用上、補強シートが不要となる。加えて、最終製品は、
補強シートを発泡体シートから剥がす場合、従来技術の
如きガラス短繊維からなるガラスペーパーあるいはポリ
エステルやナイロン系の不織布等の補強シートを含まな
いので、リサイクル性にも優れている。
【0040】請求項2記載の発明による発泡体シート
は、請求項1記載の樹脂発泡体シートを構成するポリオ
レフィン系樹脂の代わりに、同樹脂と、ジオキシム化合
物、ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、アリル系多官
能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーおよび
キノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の
変性用モノマーとを溶融混和して得られた変性ポリオレ
フィン系樹脂を用いることによって製造される。
【0041】上記変性用モノマーは、ラジカル反応し得
る官能基を分子内に2個以上有する化合物である。上記
官能基はオキシム基、マレイミド基、ビニル基、アリル
基、(メタ)アクリル基およびケトン基である。
【0042】変性用モノマーのうち、まず、ジオキシム
化合物は、オキシム基またはその水素基が他の原始団
(主に炭化水素基)で置換された構造を分子内に2個有
する化合物であり、例えばp−キノンジオキシム、p,
p−ジベンゾイルキノンジオキシムが例示される。
【0043】ビスマレイミド化合物としては、マレイミ
ド構造を分子内に2個有する化合物、例えばN,N’−
p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニ
レンビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド
が例示される。また、マレイミド構造が分子内に2個以
上有するポリマレイミドも、同じ効果を奏するのでビス
マレイミド化合物の範疇に含まれる。
【0044】ジビニルベンゼンとしては、o、m、p−
ジビニルベンゼンが好適に使用される。
【0045】アリル系多官能モノマーは、分子内にアリ
ル基を2個以上有する化合物であり、例えばジアリルフ
タレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、ジアリルクロレンデートが好適に用いられ
る。
【0046】(メタ)アクリル系多官能モノマーは、分
子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する
化合物であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有
する(メタ)アクリル系2官能モノマーとしては、アル
カンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコ
ール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
のプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート
が例示される。(メタ)アクリロイルオキシ基を3個有
する(メタ)アクリル系3官能モノマーとしては、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アク
リレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ
(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフォスフェートが例示される。(メタ)アク
リロイルオキシ基を4個有する(メタ)アクリル系4官
能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレートが例示される。
【0047】キノン化合物としてはヒドロキノン、p−
ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノンが例示
される。
【0048】変性用モノマーの配合量は、同モノマーの
種類に応じて適宜選択すればよいが、概ねポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であ
り、好ましくは0.2〜2重量部である。変性用モノマ
ーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要
な溶融粘度が得られにくい。配合量が5重量部を越える
と、架橋度が上がりすぎ、押出成型性が悪くなる(例え
ば、高負荷がかかる、メルトフラクチャーが発生する)
上に、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練
できず、不必要にゲル分率が上がりすぎ、リサイクル性
を損なうことがある。加えて、変性用モノマーが製品中
に未反応物として残留する割合が多くなり、人体に刺激
を及ぼすと共に、原料に対する製品効率が低くなる。
【0049】本発明による発泡体シートを得るには、変
性用モノマーと共に有機過酸化物を併用してもよい。有
機過酸化物はポリオレフィンのグラフト反応に一般的に
用いられる任意のものであればよく、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上
の組合わせで用いられる。有機過酸化物の使用量は、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.001〜
0.5重量部であることが好ましく、0.005〜0.
15重量部であることがより好ましい。
【0050】変性樹脂を得るには、スクリュー押出機や
ニーダーなどの混練装置を用い、ポリオレフィン系樹脂
と変性用モノマーを所定条件で溶融混和し、反応させ
る。このときの反応温度は、170℃以上かつポリオレ
フィン系樹脂の分解温度以下、好ましくは200℃〜2
50℃である。溶融混和温度が170℃を下回ると変性
が不十分で、最終的に得られる発泡体の発泡倍率が十分
高くならないことがあり、250℃を越えるとポリオレ
フィン系樹脂が分解し易くなる。
【0051】変性樹脂には、同種あるいは異種の未変性
ポリオレフィン系樹脂、あるいは他の熱可塑性樹脂が溶
融ブレンドされてもよい。ブレンド用樹脂の種類および
使用量は、最終的に得る発泡体の成型性、外観、補強シ
ートとの接着性、および複合発泡体シートの発泡倍率、
機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜選択さ
れる。
【0052】
【作用】本発明による樹脂発泡体シートは、比Dz/D
xyの平均値が1.2以上のものであるので、厚み方向
に長軸をもつ紡錘形状の気泡を内包する。
【0053】本発明による樹脂発泡体シートは繊維状の
液晶ポリマーを含有するので、その気泡の壁をなすポリ
オレフィン系樹脂が、高い耐熱性と弾性率、そして低い
線膨張係数を有する繊維状の液晶ポリマーによって補強
されることになる。
【0054】このため同シートの熱成型時にポリオレフ
ィン系樹脂が可塑化されても、融体強度が高く、気泡の
形状が紡錘形のまま維持され、成型後においても発泡体
はその機械的物性を維持することになる。
【0055】また、得られる樹脂発泡体シート自体も繊
維で強化されるため、これに補強シートを積層して補強
する必要がないほどに剛性と寸法安定性が向上する。
【0056】繊維状の液晶ポリマーは、補強シートを構
成するガラス繊維と比較すると、ポリオレフィン系樹脂
との親和性が高いので、本発明による発泡体シートは再
溶融した時の流動性が高く、結果的にリサイクル時に有
利となる。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により具体的に説
明する。
【0058】実施例1 (1) 繊維状液晶ポリマーを含む樹脂ブレンドの調製 押出機として、:PCM30型(池貝機工社)同方向回
転2軸スクリュー押出器を用いた。これはセルフワイピ
ング3条スクリューを備え、そのL/Dは30、Dは2
9mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下
流側へ第1〜4バレルからなり、ダイは3穴ストランド
ダイ(孔径3mm)である。
【0059】操作条件は下記の通りである。
【0060】
【0061】上記構成の反応用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂および液晶ポリマーをドライ
ブレンドしたものをそのホッパーから投入し両者を溶融
混和した。
【0062】ポリオレフィン系樹脂は、三菱化学製のホ
モ系ポリプロピレン「EA7」(MI;1.2、密度;
0.9g/cm3 )であり、液晶ポリマーはユニチカ社
製の液晶ポリマー「ロッドランLC−5000」(液晶
転移温度280℃)であり、両者の配合割合は上記ホモ
系ポリプロピレン88重量部に対して液晶ポリマー12
重量部であり、配合原料の供給量は10kg/hであ
る。
【0063】ストランドダイから吐出する繊維状液晶ポ
リマー含有樹脂ブレンドを引き取りつつ水冷し、ペレタ
イザーで約3mmの長さに切断して、ペレットを得た。
【0064】(2) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 反応用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0065】操作条件は下記の通りである。
【0066】
【0067】上記構成の反応用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂および変性用モノマーとして
ジオキシム化合部をその後端ホッパーから別々に投入し
両者を溶融混和し、変性樹脂を得た。このとき、押出機
内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
【0068】ポリオレフィン系樹脂は三菱化学製のポリ
プロピレンランダム共重合体「EG8」(MI;0.8
g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供
給量は10kg/hとした。
【0069】変性用モノマーは大内新興化学社製のp−
キノンジオキシム「バルノックGM−P」であり、その
供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して
0.75重量部とした。
【0070】ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合部
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0071】(3) 原反シートの調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成型ダイはTダイ(幅;500mm、リップ間隙;
0.6mm)である。
【0072】発泡剤を供給するために第6バレルにサイ
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。
【0073】操作条件は下記の通りである。
【0074】 ・シリンダーバレル設定温度:第1〜5バレル;180℃ 第6〜12バレル;160℃ Tダイ;150℃ ・スクリュー回転数:40rpm
【0075】上記繊維状液晶ポリマー含有樹脂ブレンド
のペレットと変性ポリオレフィン系樹脂のペレットを重
量比で1対1の割合で配合し、この樹脂組成物を20k
g/hで上記発泡剤混練用スクリュー押出機に連続供給
した。また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡
剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミ
ド(ADCA)であり、その供給量は1kg/hとし
た。
【0076】こうして樹脂組成物と発泡剤の混練によっ
て得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから吐出し、得
られたシート状発泡性樹脂組成物を冷却ロールを用いて
賦形し、厚み0.5mmの連続した原反シートを得た。
【0077】(4) 複合発泡性シートの調製 シリコーン樹脂で片面が離型処理されたリンテック社製
のPETフィルム「PET5001」(フィルム厚み5
0μm)からなる補強シートを、その離型処理面を上記
発泡性原反シートの両面に合わせるように原反シートに
重ね、全体を6インチのピンチロール(ロール表面温度
190℃)間に通し、連続融着積層し、複合発泡性シー
トを得た。
【0078】(5) 複合発泡性シートの発泡 図2に示すように、予熱ゾーン1 、発泡ゾーン2 、冷却
ゾーン3 の3ゾーンからなるベルト式発泡機を用いた。
同発泡機は、予熱ゾーン1 および発泡ゾーン2(全長4
m)に径2インチの上下の搬送ロール4 を備え、冷却ゾ
ーン3 (全長2m)には径4インチの冷却水循環式の上
下の冷却ロール5 を備え、上下の冷却ロール5 の間隙は
自由に変更でき、複合発泡性シート6 をベルト8 で移動
させる構造になっている。
【0079】予熱ゾーン1 を225℃、発泡ゾーン2 を
245℃、冷却ロール5 の表面温度を25℃にそれぞれ
設定し、複合発泡性シート6 を予熱ゾーン1 から上記発
泡機に供給した。シート供給の線速度は0.4m/mi
n、よって予熱ゾーン1 および発泡ゾーン2 での滞留時
間は合計10分、冷却ゾーン3 のそれは5分であった。
冷却ゾーン3 の上下の冷却ロール5 の間隙を5mmに設
定した。
【0080】発泡機出口から吐出した複合発泡体シート
7 の両側部を除去して幅を400mmとし、長さ1mご
とにシートをカットした。
【0081】(6) 補強シートの剥離 回収された複合発泡体シートの端部より90度剥離にて
両表面の補強シートを剥離し、発泡体シートを得た。
【0082】実施例2 繊維状液晶ポリマーを含む樹脂ブレンドの調製工程(1)
において、ポリオレフィン系樹脂と液晶ポリマーの配合
割合をホモ系ポリプロピレン76重量部に対して、液晶
ポリマー24重量部とすること以外は、実施例1と同様
の方法で発泡体シートを得た。
【0083】実施例3 複合発泡性シートの調製工程(4) において、PETフィ
ルムに代えてオリベスト社製のガラスペーパー「SUO
−30B」(線膨張係数:1.0×10-5/℃、重量:
33.6g/m2 、厚み:0.3mm、ガラス繊維径:
9μm、ガラス繊維長:25mm)を使用し、発泡の後
に補強シート剥離を行わないこと以外は、実施例1と同
様の方法で発泡体シートを得た。
【0084】比較例1 繊維状液晶ポリマーを含む樹脂ブレンドの調製(1) を行
わず、原反シートの調製工程(3) における原料配合では
液晶ポリマー含有樹脂ブレンドに代えて三菱化学製のホ
モ系ポリプロピレン「EA7」(MI;1.2、密度;
0.9g/cm 3 )を使用したこと以外は、実施例1と
同様の方法で発泡体シートを得た。
【0085】比較例2 複合発泡性シートの調製工程(4) による補強シートの貼
付を行わないこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡
体シートを得た。
【0086】性能評価 上記実施例および比較例で得られた複合発泡体を下記の
項目について性能評価した。
【0087】・発泡倍率:複合発泡体よりシート状物を
カッターで削り取った後、JIS K6767に従い発
泡体の発泡倍率を測定した。
【0088】・気泡形状(Dz/Dxy):図1に示す
ように、発泡体シートを厚み方向(z方向)にカット
し、断面の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡
大写真を撮った。写真に写った任意の気泡100個のD
zとDxyをノギスで測り、気泡毎にDz/Dxyを算
出し、気泡100個分のDz/Dxyの個数平均を算出
した。ただし測定中、Dzの実際の値が0.05mm以
下である気泡、および10mm以上である気泡は除外し
た。
【0089】・繊維状液晶ポリマーのアスペクト比:発
泡体シートの一部分を120℃のキシレン中に24時間
浸漬することによりポリプロピレンのみを溶出させ、液
晶ポリマーが繊維状の形態であることを確認した。取り
出した繊維状液晶ポリマーを光学顕微鏡で観察しつつ5
0倍の拡大写真を撮り、また走査型顕微鏡で観察しつつ
1000倍の拡大写真を撮った。前者より100個の繊
維状液晶ポリマーの繊維長をノギスで測定し、その個数
平均を求め、後者より同じく繊維径を測定し個数平均を
求めた。最終的に平均繊維長を平均繊維径で除してアス
ペクト比とした。
【0090】・圧縮強度:複合発泡体を50mm角にカ
ットし、JIS K6767に従い25%圧縮強度を測
定した。すなわち、50mm角の発泡体シートを多数枚
積み重ねて初期厚みを測定した。温度20℃、湿度65
%RHの条件下において、圧縮温度10mm/minで
初期厚みの25%を圧縮し、その時の圧縮応力を測定し
た。
【0091】・最大曲げ応力:発泡体シートを長さ15
0mm、幅50mmにカットし、JIS K7221に
従い最大曲げ応力を測定した。
【0092】・線膨脹係数 発泡体シートを長さ150mm、幅20mmにカット
し、このカット片を90℃の恒温槽内に10時間放置し
た後、同槽から取り出して室温で放冷した。この試験片
に120mmの標線を付け、室温でその寸法(A)を測
定した。つぎに、この試験片を80℃の恒温槽内に5時
間放置した後、同槽から取り出して直ちに標線の寸法
(B)を測定した。そして、 線膨脹係数(1/℃)=(A−B)/[B×(80℃−
室温)] なる式から線膨脹係数を求めた。
【0093】・熱成型性:発泡体シートを230℃のオ
ーブンで2分間加熱し、取り出した後、図3に示される
成型金型のメス型(11)(直径100mm、深さ25mm
の円柱凹部)の成型面上に発泡体シート(10)を置き、こ
れにオス型(12)(直径90mm、深さ25mmの円柱凸
部)を押し付けて賦形をし、下記の基準で成型品(13)の
判定を行った。
【0094】判定基準 ○:亀裂が全くなく、均一に伸びている ×:ほぼ亀裂がなく、均一に伸びている。
【0095】・成型品の物性 上記の熱成型試験で得られた成型サンプルの平坦な部分
より試験片を切り出して、上述の圧縮強度と最大曲げ応
力の測定を同様の方法で行った。ただし比較例1の発泡
体シートは、熱成型時に亀裂が発生したため、この測定
は行わなかった。
【0096】リサイクル性(流れ性) 補強シート剥離後の発泡体シートを加熱プレスで圧縮し
て気泡を潰し、これをペレタイザーで一辺6mm未満の
角ペレットに粉砕し、それを上記繊維状液晶ポリマー含
有樹脂ブレンド調製用の押出機にて200℃、200r
pmの条件で混練押出した。得られたペレットのMI
(メルトインデックス)をJIS K7210の条件4
で測定した。
【0097】各実施例および比較例の発泡体シートの評
価結果を表1にまとめて示す。
【0098】
【表1】
【0099】表1から判るように、本発明による発泡体
シートは、圧縮強度と最大曲げ応力が高く、線膨張係数
が小さく、しかも熱成型後もこれらの性能は維持され、
さらには形状対応力の問題が無く、リサイクル性により
優れたものである。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、熱成型時における圧縮
強度および曲げ強度強度の低下の問題が無く、深絞り成
型にも対応でき、しかもリサイクル性に優れたポリオレ
フィン系樹脂発泡体シートを提供することができる。
【0101】よって、本発明による発泡体シートは、特
に自動車内装材用の芯材等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A) は紡錘形気泡の概略斜視図、図1
(B) は図1(A) 中のz方向に平行な断面の一部の拡大概
略図である。
【図2】 図2は発泡機の概略垂直断面図である。
【図3】 図3(A) は熱成型型のメス型の平面図、図3
(B) は熱成型型の成型前の垂直断面図、図3(C) は熱成
型型の成型中の垂直断面図である。
【符号の説明】 a:発泡体シート b:z方向に平行な断面 c:拡大写真 1:予熱ゾーン 2:発泡ゾーン 3:冷却ゾーン 4:搬送ローラ 5:冷却ロール 6:複合発泡性シート 7:複合発泡体シート 8:ベルト 10:発泡体シート 11:メス型 12:オス型 13:成型品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA28 AA65 BA13 BA16 BA17 BA18 BA19 BA32 BA33 BA34 CA22 CC04X CC10X CC22X CC22Y CC24X CC30X CE13 DA03 DA35 4J002 BB031 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 BB201 CF102 EQ016 EQ026 EV266 FD326 GF00 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂中に繊維状の液晶
    ポリマーが2〜20重量%の含有分散されてなる発泡体
    シートであって、同発泡体に内在する気泡におけるシー
    ト厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比D
    z/Dxyの平均値が1.2以上であることを特徴とす
    る樹脂発泡体シート。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂が、同樹脂を、ジ
    オキシム化合物、ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、
    アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モ
    ノマーおよびキノン化合物からなる群より選ばれる少な
    くとも1種の変性用モノマーとを溶融混和して得られた
    変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の樹脂発泡体シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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