JP2008302595A - 複合シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両内装用の芯材等として用いられる複合シートを簡易な工程、装置で、効率よく製造することができる複合シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複合シートの製造方法は、熱可塑性樹脂繊維(プロピレン系樹脂繊維等)及び/又は熱可塑性樹脂粉末(プロピレン系樹脂粉末等)と、無機繊維(ガラス繊維等)とを含有するマット21を、オレフィン系樹脂架橋発泡シート1(プロピレン系樹脂架橋発泡シート等)の両面に積層させて積層体とし、その後、加熱(熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲)し、熱可塑性樹脂繊維等を溶融させてマットを一部溶融マットとし、次いで、オレフィン系樹脂架橋発泡シートと一部溶融マットとからなる積層シートを加圧し、一部溶融マットを圧縮させるとともにオレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面に圧着させ、その後、冷却することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は複合シートの製造方法に関する。更に詳しくは、架橋発泡層の両面に無機繊維により補強された樹脂層が圧着されてなる複合シートを、簡易な工程で、効率よく製造することができる複合シートの製造方法に関する。
従来から、車輌内装用の芯材等には、硬質ポリウレタン及びノリル等の発泡体が用いられている。しかし、昨今、車両の軽量化、廃棄物処理のし易さ、及び処理時の安全性等の観点から、オレフィン系発泡体、特に昇温時の寸法安定性に優れ、且つ剛性、耐衝撃性及び耐熱性等が高いプロピレン系樹脂発泡体が注目されている。
また、車輌内装用の用途では、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維と、合成樹脂繊維及び/又は合成樹脂粉末とを混合してなるマット、好ましくは更にニードルパンチを施し、繊維間を絡合させたマットを、合成樹脂が溶融する温度にまで加熱し、その後、熱プレスして無機繊維を結着させた厚さ3〜5mmの比較的厚いボード状の芯材が用いられている。更に、このボード状の芯材と同様の材料を用いて目付の小さい熱プレスシートを作製し、この熱プレスシートをプロピレン系樹脂発泡シート等の合成樹脂発泡シートの両面に貼り合わせてなる芯材も用いられている。
上記ボード状の芯材は昇温時の寸法安定性及び賦形性等に優れるものの、密度が比較的大きく、昨今の車両の軽量化という要求には十分応えられない。また、目付を小さくして軽量化を図った場合は、ボードが薄くなり、剛性が不足する等の問題が発生する。更に、熱プレスシートを合成樹脂発泡シートの両面に貼り合わせてなる芯材は、昇温時の寸法安定性を確保しつつ、比重の大きい無機繊維を含有する層を薄層とし、比重が小さい合成樹脂発泡シートを厚くすることで、十分な剛性等を有するとともに、軽量化を図ることができ、優れた仕様であるといえる。
熱プレスシートを合成樹脂発泡シートの両面に貼り合わせてなる芯材は、無機繊維を合成樹脂により結着させた薄層シートを予め作製し、この薄層シートを合成樹脂発泡シートの両面に圧着させることにより製造することができる(例えば、特許文献1参照。)。即ち、予め作製した薄層シート及び合成樹脂発泡シートの各々の表面を加熱し、その後、これらを積層し、加圧する方法、並びに薄層シートと合成樹脂発泡シートとの間に、押出成形等によりホットメルト接着剤等の接着剤を流し込み、圧着する方法等により製造することができる。
特開2002−205350号公報
しかし、上記の方法では、無機繊維を合成樹脂により結着させた薄層シートを作製する工程及び装置、並びに薄層シートを合成樹脂発泡シートの両面に圧着する工程及び装置、が必要になり、工程、設備ともに煩雑である。また、2枚の薄層シート及び合成樹脂発泡シートの両面を均等に加熱することは容易ではない。更に、2枚の薄層シートを合成樹脂発泡シートに同時に圧着することができないこともあり、この場合、一方の面に薄層シートを圧着した後、他方の面に更に薄層シートを圧着する逐次圧着法が採られるが、両面の加熱時の熱量及び圧着時の圧力等を略同一にするのは容易ではない。このような加熱、圧着時の作業が合成樹脂発泡シートの両面で非対称になったときは、これに起因して芯材がカールし、平板性が低下することがある。そして、このような芯材と表皮材との接合時、及び賦形時等に皺が発生する等の問題が生じることがある。
また、加熱、圧着時、加熱された薄層シートに含有されている無機繊維を結着している合成樹脂が溶融し、芯材の成形方向に流動することで、無機繊維が成形方向に配向する傾向があり、芯材の品質の等方性が損なわれ、芯材の縦横の剛性等の品質に差を生じることもある。
本発明は上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、マットを加熱、加圧すると同時に、形成された熱プレスシートをオレフィン系樹脂架橋発泡シートに圧着させることを特徴とする複合シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末と、無機繊維とを含有するマットを、オレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面に積層させて積層体とし、その後、該積層体を加熱し、該熱可塑性樹脂繊維及び/又は該熱可塑性樹脂粉末を構成する熱可塑性樹脂を溶融させて該マットを一部溶融マットとし、次いで、該オレフィン系樹脂架橋発泡シートと該一部溶融マットとからなる積層シートを加圧し、該一部溶融マットを圧縮させるとともに該オレフィン系樹脂架橋発泡シートの該両面に圧着させ、その後、冷却することを特徴とする複合シートの製造方法。
2.上記加熱が上記熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲でなされる上記1.に記載の複合シートの製造方法。
3.上記オレフィン系樹脂架橋発泡シートがプロピレン系樹脂架橋発泡シートである上記1.又は2.に記載の複合シートの製造方法。
4.上記プロピレン系樹脂架橋発泡シートのゲル分率が35〜80%である上記3.に記載の複合シートの製造方法。
5.上記プロピレン系樹脂架橋発泡シートの発泡倍率が10〜30倍である上記4.に記載の複合シートの製造方法。
6.上記熱可塑性樹脂繊維がプロピレン系樹脂繊維であり、上記熱可塑性樹脂粉末がプロピレン系樹脂粉末である上記3.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
7.上記熱可塑性樹脂繊維が、ポリプロピレンからなる芯と、該芯を被覆するポリエチレンからなる鞘とにより構成された芯鞘型繊維である上記3.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
8.上記無機繊維がガラス繊維及び/又は炭素繊維である上記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
本発明の複合シートの製造方法によれば、マットを予め熱プレスシートに成形し、この熱プレスシートをオレフィン系樹脂架橋発泡シートに圧着するのではなく、オレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面にマットを積層し、これを一体に加熱、加圧することにより、オレフィン系樹脂架橋発泡層の両面に圧着層が設けられた複合シートとしているため、工程が簡易であり、複合シートを効率よく製造することができ、製造された複合シートはカール等の発生が抑えられ、平板性に優れ、且つ剛性等の物性の等方性が高い。
また、加熱が熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲でなされる場合は、熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末が十分に溶融し、オレフィン系樹脂架橋発泡層の両面に、無機繊維が含有され、結着された圧着層が形成された複合シートを容易に製造することができる。
更に、オレフィン系樹脂架橋発泡シートがプロピレン系樹脂架橋発泡シートである場合は、十分な昇温時の寸法安定性(以下、熱寸法安定性という。)を備え、且つ優れた剛性、耐衝撃性及び耐熱性等を有する複合シートとすることができる。
また、プロピレン系樹脂架橋発泡シートのゲル分率が35〜80%である場合は、加熱、加圧時に塑性変形したり、破泡したりすることがなく、所定の発泡倍率とすることができ、且つ加熱、加圧されたマットを強固に圧着させることができる。
更に、プロピレン系樹脂架橋発泡シートの発泡倍率が10〜30倍である場合は、十分に軽量であり、車両内装用の芯材等の用途において特に有用な複合シートとすることができる。
また、熱可塑性樹脂繊維がプロピレン系樹脂繊維であり、熱可塑性樹脂粉末がプロピレン系樹脂粉末である場合は、十分な剛性、耐衝撃性、耐熱性等を有する複合シートとすることができ、プロピレン系樹脂架橋発泡シートとより強固に圧着させることができる。
更に、熱可塑性樹脂繊維が、ポリプロピレンからなる芯と、この芯を被覆するポリエチレンからなる鞘とにより構成された芯鞘型繊維である場合は、この繊維をより低温でプロピレン系樹脂架橋発泡シートに強固に圧着させることができる。
また、無機繊維がガラス繊維及び/又は炭素繊維である場合は、細径の繊維の入手が容易であり、車両内装用の芯材等とするときの成形加工が容易な複合シートとすることができる。
尚、前記のボード状の芯材は厚さ方向に連通する小孔を有するため、車両内装用の芯材として用いた場合、室内空気の還流により空気が内装材を流通し、芯材に貼着された表皮材がフィルタとして作用し、表皮材に汚れが発生する。そのため、内装材の裏面(ボディ側)に無機繊維の結着に用いられる樹脂より十分に高い融点を有する樹脂からなるフィルムを通気防止フィルムとして貼合し、空気の通過、流動を防止することが必要とされている。しかし、本願発明の方法により製造された複合シートは連通孔を有していないため、通気防止フィルムを必要とせず、このフィルムを貼合する工程、装置を必要としないという利点をも併せて有する。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の複合シートの製造方法は、熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末と、無機繊維とを含有するマットを、オレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面に積層させて積層体とし、その後、積層体を加熱し、熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末を構成する熱可塑性樹脂を溶融させてマットを一部溶融マットとし、次いで、オレフィン系樹脂架橋発泡シートと一部溶融マットとからなる積層シートを加圧し、一部溶融マットを圧縮させるとともにオレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面に圧着させ、その後、冷却することを特徴とする。
[1]複合シートの製造に用いる原材料
(1)熱可塑性樹脂繊維、熱可塑性樹脂粉末
上記「熱可塑性樹脂繊維」は特に限定されず、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の加熱、加圧等による加工が容易な樹脂が挙げられる。また、オレフィン系樹脂架橋発泡シートとの圧着のし易さ、及び接着性等の観点から、熱可塑性樹脂繊維はオレフィン系樹脂繊維であることが好ましい。オレフィン系樹脂繊維であれば、加熱、加圧されたマットの圧着が容易であり、且つオレフィン系樹脂架橋発泡シートに強固に圧着させることができる。更に、接着性の観点から、オレフィン系樹脂架橋発泡シートがプロピレン系樹脂架橋発泡シートである場合は、熱可塑性樹脂繊維はプロピレン系樹脂繊維であることがより好ましく、エチレン系樹脂架橋発泡シートであるときは、エチレン系樹脂繊維であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂繊維としては、ポリプロピレンからなる芯と、この芯を被覆するポリエチレンからなる鞘とにより構成された芯鞘型繊維を用いることもできる。このような芯鞘型繊維を用いた場合は、ポリエチレンからなる鞘をプロピレン系樹脂繊維に比べてより低温で溶融させることができ、加熱、加圧されたマットをより容易にオレフィン系樹脂架橋発泡シートに圧着させることができる。また、芯がポリプロピレンからなるため、十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性及び耐熱性等を有する複合シートとすることができる。更に、この芯鞘型繊維を用いたときは、オレフィン系樹脂架橋発泡シートはエチレン系樹脂架橋発泡シートであってもよく、この場合、加熱、加圧されたマットをより容易にエチレン系樹脂架橋発泡シートに圧着させることができる。
熱可塑性樹脂繊維の繊度及び長さは特に限定されないが、繊度は3〜10デニール、特に5〜8デニールであることが好ましく、長さは30〜100mm、特に45〜85mmであることが好ましい。
上記「熱可塑性樹脂粉末」も特に限定されず、上記の繊維の場合と同様の熱可塑性樹脂からなる粉末を用いることができる。また、繊維のときと同様に、オレフィン系樹脂架橋発泡シートとの圧着のし易さ、及び接着性等の観点から、オレフィン系樹脂粉末であることが好ましく、オレフィン系樹脂粉末であれば、加熱、加圧されたマットの圧着が容易であり、且つオレフィン系樹脂架橋発泡シートに強固に接合させることができる。更に、繊維のときと同様に、プロピレン系樹脂架橋発泡シートである場合は、熱可塑性樹脂粉末はプロピレン系樹脂粉末であることがより好ましく、エチレン系樹脂架橋発泡シートであるときは、エチレン系樹脂粉末であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂粉末の平均粒径も特に限定されないが、30〜500μm、特に75〜300μmであることが好ましい。
オレフィン系樹脂繊維及びオレフィン系樹脂粉末におけるオレフィン系樹脂は、プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂である。また、プロピレン系樹脂は特に限定されないが、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のモノマーとの共重合体のいずれも用いることができる。プロピレンと共重合される他のモノマーとしては、エチレン、ブテン及びヘキセン等が挙げられる。これらの他のモノマーは、プロピレンと他のモノマーとの合計を100モル%とした場合に、10モル%以下、特に6モル%以下であることが好ましい。
更に、エチレン系樹脂も特に限定されないが、エチレンの単独重合体、エチレンと他のモノマーとの共重合体のいずれも用いることができる。エチレンと共重合される他のモノマーとしては、ブテン、ヘキセン、オクテン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの他のモノマーは、エチレンと他のモノマーとの合計を100モル%とした場合に、10モル%以下、特に6モル%以下であることが好ましい。
(2)無機繊維
上記「無機繊維」は特に限定されず、各種の無機繊維を用いることができる。この無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、バサルト繊維等が挙げられる。これらのうちでは、細径の繊維の入手が容易であり、車両内装用の芯材等とするときの成形加工が容易な複合シートとすることができるガラス繊維及び炭素繊維が好ましい。また、この無機繊維に、木綿、ケナフ等の加熱により溶融しない有機繊維を混合して用いることもできる。この有機繊維を混合する場合、繊維の全量を100質量%とした場合に、有機繊維は80質量%以下、特に70質量%以下であることが好ましい。
無機繊維の径は特に限定されないが、3〜12μm、特に5〜12μm、更に5〜10μmであることが好ましい。無機繊維の径が3〜12μmであれば、十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができ、解繊時の繊維の折損を抑えることもできる。更に、繊維長も特に限定されないが、20〜200mm、特に30〜150mm、更に40〜100μmであることが好ましい。繊維長が20〜200mmであれば、十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができ、解繊も容易であって塊状となることを抑えることができる。
(3)マット
上記「マット」の作製方法は特に限定されず、通常、乾式法又は湿式方により作製することができる。乾式法では、例えば、解繊機により熱可塑性樹脂繊維と無機繊維とを混合し、分散させつつ解繊し、エア浮遊方式等で浮遊させた混合繊維をベルトコンベア上に堆積させて作製することができる。また、このマットにニードルパンチを施して繊維間を絡合させ、目付を高めたマットとすることもできる。また、容易に脱落しない限り、繊維に熱可塑性樹脂粉末を配合して用いることもできる。
一方、湿式法では、例えば、界面活性剤が配合された水に熱可塑性樹脂粉末を投入し、攪拌混合して泡立て、泡上に堆積した綿状ボードをベルト上にすくい取り、その後、脱水、乾燥して作製することができる。粉末に繊維を配合して用いることもでき、この場合、合計を100質量%としたときに、繊維は90質量%以下、特に70質量%以下とすることが好ましい。この湿式法の場合もニードルパンチを施して目付を高めたマットとすることができる。
マットを作製するときの熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末と、無機繊維との質量割合は特に限定されず、複合シートの熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等の所要特性により設定することができる。この質量割合は、熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末と、無機繊維との合計を100質量%とした場合に、熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末を40〜70質量%、特に45〜60質量%とすることが好ましい。熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末が40〜70質量%であれば、加熱、圧着の加工が容易であり、且つ十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができる。
マットの目付量は特に限定されず、加熱、圧着の加工が容易であり、軽量であって、且つ十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができればよい。この目付量は、30〜300g/m、特に70〜130g/mであることが好ましい。また、マットの厚さも特に限定されず、加熱、加圧の加工が容易であり、且つ十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができればよい。この厚さは、2〜5mm、特に3〜4mmであることが好ましい。
(4)オレフィン系樹脂架橋発泡シート
上記「オレフィン系樹脂架橋発泡シート」(以下、架橋発泡シートという。)は特に限定されず、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂を架橋、発泡させたシートを用いることができる。架橋発泡シートの製造に用いられるプロピレン系樹脂は特に限定されず、前記の熱可塑性樹脂繊維及び粉末におけるプロピレン系樹脂に係る記載をそのまま適用することができる。また、架橋発泡シートの製造にプロピレン系樹脂を用いる場合、通常、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体又は共重合体が配合される。このエチレン単独重合体又は共重合体は、これらの重合体とプロピレン系樹脂との合計を100質量%とした場合に、10〜30質量%、特に15〜25質量%であることが好ましい。
架橋発泡シートの製造に用いられるエチレン系樹脂も特に限定されず、前記の熱可塑性樹脂繊維及び粉末におけるエチレン系樹脂に係る記載をそのまま適用することができる。
架橋発泡シートとしては、優れた剛性、耐衝撃性、耐熱性等を有するという観点ではプロピレン系樹脂架橋発泡シートが特に好ましく、マットをより低温で架橋発泡シートに圧着させることができるという観点ではエチレン系樹脂架橋発泡シートが好ましい。
架橋発泡シートの架橋度は特に限定されず、プロピレン系樹脂架橋発泡シートの場合、架橋度の指標となるゲル分率が35〜80%、特に50〜75%、更に60〜75%であることが好ましい。ゲル分率が35〜80%であれば、加熱、加圧時の架橋発泡シートの塑性変形及び破泡が抑えられ、厚さが大きく変化(減少)することもない。更に、発泡時の樹脂強度が過大にならず、十分に発泡して所定の発泡倍率を有する架橋発泡シートとすることができる。また、加熱、加圧されたマットを架橋発泡シートに強固に圧着させることもできる。更に、架橋発泡シートがエチレン系樹脂架橋発泡シートであるときも、ゲル分率は35〜80%、特に50〜75%、更に60〜75%であることが好ましく、ゲル分率が35〜80%であれば、上記と同様の作用効果が得られる。
架橋度の指標となるゲル分率は、架橋発泡シートを細片に裁断し、100mgを秤取し、この細片を30ミリリットルのキシレンに投入し、攪拌しながら120℃で5時間加熱し、その後、200メッシュの金網を用いてろ過し、次いで、金網上の未溶解分を115℃に調温された乾燥炉に収容し、2時間乾燥させ、乾燥後の重量を秤量し、下記の式により算出することができる。
ゲル分率(%)=(W/100)×100
但し、W(mg)は乾燥後の重量である。
架橋発泡シートの発泡倍率も特に限定されないが、プロピレン系樹脂架橋発泡シートの場合、ゲル分率が35〜80%であり、且つ発泡倍率が10〜30倍であることが好ましい。この発泡倍率は15〜25倍であることがより好ましい。ゲル分率が35〜80%であり、且つ発泡倍率が10〜30倍であれば、軽量であり、且つ十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する複合シートとすることができ、特に車両内装用の芯材等として有用であり好ましい。更に、架橋発泡シートがエチレン系樹脂架橋発泡シートであるときは、ゲル分率が35〜80%であり、且つ発泡倍率が7〜25倍であることが好ましい。この発泡倍率は12〜20倍であることがより好ましい。ゲル分率が35〜80%であり、且つ発泡倍率が7〜25倍であれば、上記と同様の作用効果が得られる。
発泡倍率は、樹脂製の発泡体で一般的に用いられている見かけ倍率(cc/g)である。この見かけ倍率は、架橋発泡シートから10×10cmの寸法の試片を切り出し、重量(Wg)を秤量し、その後、試片の四隅の角部及び中心部における厚さを測定し(測定機はJIS K 6767法に準拠する。)、5点の平均値(Tmm)を用いて下記の式により算出することができる。
発泡倍率(倍)=10×10×T/W(cc/g)
架橋発泡シートの厚さも特に限定されず、用途等によって設定することが好ましい。軽量であって、且つ十分な剛性、耐衝撃性等を有する車両内装用の芯材等とするためには、架橋発泡シートの厚さは、2〜8mm、特に3〜7mmであることが好ましく、実用上の観点では、4〜6mm、特に4.5〜5.5mmとすることができる。
架橋発泡シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、プロピレン系樹脂架橋発泡シートは以下のようにして製造することができる。
プロピレン系樹脂に、エチレン系樹脂、熱分解型発泡剤、架橋助剤、その他の添加剤を配合して混合し、その後、押出機等を用いて熱分解型発泡剤が分解しない温度で溶融、混練し、Tダイ等のダイスを用いて押出成形して発泡性樹脂組成物シートを作製する。次いで、この発泡性樹脂組成物シートに電子線等を照射し、架橋助剤の作用とともに架橋させつつ、同時に熱分解型発泡剤を分解させ、樹脂を発泡させて架橋発泡シートとすることができる。
また、エチレン系樹脂架橋発泡シートの場合も同様の操作、工程により製造することができ、この場合は架橋助剤の配合は必要としない。
熱分解型発泡剤は特に限定されず、各種の発泡剤を用いることができる。この熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)及びヒドラゾジカルボンアミド等の有機化合物を用いることができる。また、炭酸水素ナトリウム等の無機化合物を用いることもできる。特にポリプロピレン系樹脂の場合、分解温度が好ましい領域にあること、配合量に対する発生ガス量が多いこと、及び安全で取り扱いが容易であること等により、アゾジカルボンアミドが用いられることが多い。これらの熱分解型発泡剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱分解型発泡剤の配合量は特に限定されないが、プロピレン系樹脂等を100質量部とした場合に、3〜22質量部、特に4〜17質量部、更に7〜16質量部とすることが好ましい。
架橋助剤として用いられる多官能性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等を用いることができる。これらの多官能性モノマーは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能性モノマーの配合量は特に限定されないが、プロピレン系樹脂を100質量部とした場合に、1〜7質量部、特に2〜6質量部、更に3〜5質量部とすることが好ましい。多官能性モノマーの配合量が1〜7質量部であれば、架橋が促進され、且つ過剰な多官能性モノマーが未反応のまま発泡体に残留することがない。そのため、発泡体が臭気を有さず、また、発泡体を車輌内装用の芯材等として用いた場合に、ガラスフォギング等が発生することもない。
プロピレン系樹脂又はエチレン系樹脂には、熱学分解型発泡剤等の他に必要に応じて各種の添加剤等を配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系及びチオエーテル系等の酸化防止剤、顔料、炭酸力ルシウム及びタルク等の充填剤、デカブロモビフェニルエーテル、ポリリン酸メラミン及び水酸化マグネシウム等の難燃剤、アルキル変性シリコーン等の気泡安定剤、並びに脂肪酸アミド及び脂肪酸金属塩等の滑剤などが挙げられる。
[2]複合シートの製造
以下、本発明の複合シートの製造方法における製造工程を具体的に説明する。
この製造方法は、前記のように、マットを架橋発泡シートの両面に積層させて積層体とする工程と、積層体を加熱して熱可塑性樹脂繊維及び/又は粉末を構成する熱可塑性樹脂を溶融させて一部溶融マットとする工程と、架橋発泡シートと一部溶融マットとの積層シートを加圧し、一部溶融マットを圧縮させるとともに架橋発泡シートの両面に圧着させる工程と、冷却工程とを備える。
上記のように、本発明では、マットを加熱し、加圧して熱可塑性樹脂を溶融させ熱プレスシートを作製するのと同時に、この熱プレスシートを架橋発泡シートに一体に圧着させることを特徴とし、簡易な工程、装置で効率よく複合シートを製造することができる。また、製造された複合シートは軽量であり、平板性に優れ、且つ十分な熱寸法安定性、剛性、耐衝撃性等を有する。
(1)積層体作製工程
(a)架橋発泡シートの作製
エチレン系樹脂が配合されたプロピレン系樹脂又はエチレン系樹脂と、熱分解型発泡剤及び架橋助剤等とを計量し、混合して、これを押出機等に投入して混練し、発泡性樹脂組成物を調製する。その後、この発泡性樹脂組成物を押出機等によりシート状に成形し、このシートを必要に応じて所定温度に加熱し、電子線を照射することにより、架橋させつつ発泡させ、架橋発泡シートを作製する。
(b)マットの作製
前記の乾式法又は湿式法により、熱可塑性樹脂繊維等と無機繊維とを含有するマットを作製する。
(c)積層体の作製
積層体は、所定速度で搬送される架橋発泡シートを一対の送出ロール間を通過させ、このロール間通過時に架橋発泡シートの両面にマットを送出し、供給して積層させることにより作製することができる。積層体は下流側の加熱、加圧等がなされる工程と連続してなされ、その搬送は、通常、上下一対の駆動ベルト間に挟持されてなされる。
(2)架橋発泡シートと一部溶融マットとの積層シートの作製工程
上記(1)、(c)で作製された積層体は、上下一対の駆動ベルト間に挟持され、積層体の作製工程と連続して加熱され、熱可塑性樹脂が溶融してなる一部溶融マットと架橋発泡シートとが積層された積層シートが作製される。駆動ベルトの材質は特に限定されないが、十分な耐熱性を有し、且つ一部溶融マットが融着することのないベルトである必要があり、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性が高く、剥離し易い樹脂からなるベルトが用いられる。加熱方法も特に限定されず、所定温度に調温された加熱炉を通過させる、遠赤外線ヒータにより加熱する等の方法があるが、幅方向及び厚さ方向にマット全体を均一に加熱することができる加熱炉を通過させる方法が好ましい。
マットを加熱し、一部溶融マットとするときの温度は特に限定されないが、この加熱は熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲、特に15〜50℃上回る温度範囲でなされることが好ましい。マットの加熱温度が熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲であれば、熱可塑性樹脂を十分に溶融させることができ、加熱されたマットを架橋発泡シートの両面に容易に圧着させることができ、且つ過熱による熱可塑性樹脂の劣化を生じることもない。
(3)圧着工程及び冷却工程
上記(2)で作製された、架橋発泡シートと一部溶融マットとの積層シートは、そのまま上下一対の駆動ベルト間に挟持されて連続的に搬送され、圧着工程に供給される。加圧の方法は特に限定されないが、積層シートを上下一対の圧着プレスにより上下から加圧する方法が一般的である。積層シートは、駆動ベルト間に挟持したまま加圧することが好ましく、このようにすれば一部溶融マットが圧着プレスに融着することがない。尚、この圧着プレスは特に調温されていなくてもよいが、必要に応じて100〜200℃に調温された熱プレスを用いてもよい。
また、冷却の方法も特に限定されず、強制冷却でも放冷でもよいが、所定寸法等を有する複合シートを効率よく製造するためには強制冷却することが好ましい。この強制冷却の方法も特に限定されないが、例えば、加圧された積層シートを搬送し、下流側に配置された上下一対の冷却プレス間で冷却することができる。冷却速度は冷却プレスの内部を流通する水等の冷媒の温度を調整することで設定することができる。
このようにして架橋発泡層の両面に圧着層が形成されてなる複合シートを製造することができる。
上記のようにして製造された複合シートの厚さは特に限定されず、用途等によって設定することが好ましい。例えば、車両内装用の芯材の場合、3〜9mm、特に4.5〜6.5mm、更に5〜6mmであることが好ましい。厚さが3〜9mmであれば、内装材とするときの加工が容易であり、軽量であって、且つ十分な剛性、耐衝撃性等を有する車両内装材とすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)プロピレン系樹脂架橋発泡シートの作製
80質量%のポリプロピレン(日本ポリプロピレン社製、グレード名「ノバテックEY6」)、20質量%の線状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、グレード名「ウルトゼックス2080C」)、これらの樹脂の合計量を100質量部とした場合に、10質量部の熱分解型発泡剤(アゾジカルンアミド、永和化成社製、商品名「ビニホールAC#R)、3.5質量部の架橋助剤(多官能性モノマー;トリメチロールプロパントリメタクリレート)、1質量部の抗酸化剤(フェノール系抗酸化剤、旭電化社製、商品名「アデカスタブAO60)をヘンシェルミキサーにより混合し、樹脂組成物を調製した。
その後、この樹脂組成物を、スクリュー径60mmの同方向2軸押出機(池貝社製、型式「PCM60、L/D38」)のホッパーに投入し、吐出時の樹脂の温度が180℃以下になるようにシリンダーの温度設定をし、押出量100kg/時間でTダイから押し出し、その後、ピンチロールにより冷却し、引き取った。このようにして発泡性樹脂組成物からなるシートを成形した。次いで、電子線を照射して架橋させ、その後、約250℃に加熱して発泡させ、幅約1500mm、厚さ約5mmのプロピレン系樹脂架橋発泡シートを作製した。
架橋発泡シートとしては、電子線の照射量を調整し、前記の方法により算出したゲル分率が67%、32%及び82%の3種類のシートを作製したが、ゲル分率が82%のシートでは粗大な気泡が発生したため、ゲル分率が67%及び32%の各々のシートを複合シートの製造に用いた。
尚、前記の方法により算出した発泡倍率はゲル分率が67%、32%及び82%の3種類のシートのいずれも約20倍であった。
(2)マットの作製
直径が7μmの長尺品を切断して約7mmの長さとしたガラス繊維と、繊度が6.6デニール、長さが64mmのポリプロピレン繊維とを、質量比1/1で解繊機に投入し、ガラス繊維とポリプロピレン繊維とを分散、混合させつつ解繊し、エア浮遊方式によってベルトコンベア上に堆積させ、目付量100g/mの予備マットを作製した。その後、この予備マットの全面にニードルパンチを施して繊維間を絡合させ、幅約1500mm、厚さ約2mm、目付量120g/mのマットを作製した。
実施例1
上記(1)で作製したプロピレン系樹脂架橋発泡シートのうちのゲル分率が67%の架橋発泡シートと、上記(2)で作製したマットとを用いて、図1の模式的な説明図のような装置、工程によって、以下のようにして複合シートを製造した。
6m/分の速度で搬送される架橋発泡シート1の両面にマット21を供給し、送出ロール35間で積層体とし、この積層体を上下のテトラフルオロエチレン製駆動ベルト31により挟持し、内部雰囲気の温度が190℃に調温された加熱炉32に導入してマット21に含有されるポリプロピレン繊維を溶融させ、積層シートとした。
その後、加熱炉32の下流側に配置された上下の圧着プレス33により、積層シートを、駆動ベルト31を介して0.6MPaの圧力で4秒間加圧し、マット21を圧縮させるとともに架橋発泡シート1に圧着させた。次いで、圧着プレス33の下流側に配置された上下の水冷式冷却プレス34により強制冷却し、プロピレン系樹脂架橋発泡層11の両面に圧着層22が圧着されてなる複合シート100を製造した(図2参照)。この複合シート100において、厚さ約2mmのマット21が加熱、加圧されてなる圧着層22の厚さは約0.35mmであった。また、加熱、加圧後、厚さ約5mmの架橋発泡シート1は、厚さ約4.8mmの架橋発泡層11となった(複合シート100の厚さは約5.5mmである。)。このように架橋発泡シート1の加熱、加圧による厚さの減少は極く僅か(約0.2mm)であった。
また、複合シートから成形方向に長さ100cmの試片を切り取り、この試片を平坦面に静置し、平坦面からの最大高さを計測した。即ち、複合シートの反りを評価した。その結果、最大高さは3mmであり、複合シートの厚さが5.5mmであることを考慮すれば、反りはほとんどないといえる。
実施例2
上記(1)で作製したプロピレン系樹脂架橋発泡シートのうちのゲル分率が32%の架橋発泡シートを用いた他は、実施例1と同様にして複合シートを製造した。その結果、実施例1の場合に比べて架橋発泡シートの厚さの減少が大きく、剛性等も低下したが、芯材等として用いることはできた。
比較例1
図1の装置を用いて、上記(2)で作製したマットのみを供給し、同様の搬送速度並びに加熱、加圧及び冷却条件でマットのみを加熱、加圧、冷却して厚さ約0.35mmの熱プレスシートを作製した。その後、図3のように、3層加熱ラミネーション機を用いて、6m/分の速度で搬送される架橋発泡シート1の両面を架橋発泡シート加熱用遠赤外線ヒータ371により加熱し、送出ロール35により送出される熱プレスシート211を熱プレスシート加熱用遠赤外線ヒータ372により加熱し、加熱された架橋発泡シート1の両面に加熱された熱プレスシート211を圧着ロール36により圧着し、その後、多段の水冷ロール(図示せず)間を通過させて冷却し、ポリプロピレン系樹脂架橋発泡層11の両面に圧着層22が接合されてなる複合シート200を製造した。
尚、架橋発泡シートの両面及び2枚の熱プレスシートの加熱面の温度がいずれも190℃となるように、赤外線ヒータの出力を調整して加熱した。
上記のようにして製造した複合シート200の架橋発泡層11の厚さは約4.9mmであり、厚さ約5mmであった架橋発泡シート1の厚さの減少は極く僅かであった。しかし、実施例1と同様にして複合シート200の反りを評価したところ、最大高さは38mmであって反りが大きく、平板性に劣っていた。
本発明は、車輌内装用の芯材、特に車輌天井用芯材、ドアパネル用芯材及びサイドデッキ用芯材、並びに通い箱等に用いられる型枠、パーティション、畳及び家具等の芯材などの、軽量であり、平板性に優れ、且つ高剛性等が必要とされる用途において利用することができる。
本発明の複合シートの製造方法の工程及び装置の模式的な説明図である。 本発明の方法により製造された複合シートの模式的な断面図である。 予め作製された熱プレスシートと架橋発泡シートとを積層し、加熱、圧着する従来の複合シートの製造方法の工程及び装置の模式的な説明図である。
符号の説明
100;複合シート、1;オレフィン系樹脂架橋発泡シート、11;架橋発泡層、21;マット、211;熱プレスシート、22;圧着層、31;駆動ベルト、311;回動ロール、32;加熱炉、33;圧着プレス、34;冷却プレス、35;送出ロール、36;圧着ロール、371;架橋発泡シート加熱用遠赤外線ヒータ、372;熱プレスシート加熱用遠赤外線ヒータ。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂繊維及び/又は熱可塑性樹脂粉末と、無機繊維とを含有するマットを、オレフィン系樹脂架橋発泡シートの両面に積層させて積層体とし、その後、該積層体を加熱し、該熱可塑性樹脂繊維及び/又は該熱可塑性樹脂粉末を構成する熱可塑性樹脂を溶融させて該マットを一部溶融マットとし、次いで、該オレフィン系樹脂架橋発泡シートと該一部溶融マットとからなる積層シートを加圧し、該一部溶融マットを圧縮させるとともに該オレフィン系樹脂架橋発泡シートの該両面に圧着させ、その後、冷却することを特徴とする複合シートの製造方法。
  2. 上記加熱が上記熱可塑性樹脂の融点を10〜70℃上回る温度範囲でなされる請求項1に記載の複合シートの製造方法。
  3. 上記オレフィン系樹脂架橋発泡シートがプロピレン系樹脂架橋発泡シートである請求項1又は2に記載の複合シートの製造方法。
  4. 上記プロピレン系樹脂架橋発泡シートのゲル分率が35〜80%である請求項3に記載の複合シートの製造方法。
  5. 上記プロピレン系樹脂架橋発泡シートの発泡倍率が10〜30倍である請求項4に記載の複合シートの製造方法。
  6. 上記熱可塑性樹脂繊維がプロピレン系樹脂繊維であり、上記熱可塑性樹脂粉末がプロピレン系樹脂粉末である請求項3乃至5のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  7. 上記熱可塑性樹脂繊維が、ポリプロピレンからなる芯と、該芯を被覆するポリエチレンからなる鞘とにより構成された芯鞘型繊維である請求項3乃至5のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  8. 上記無機繊維がガラス繊維及び/又は炭素繊維である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
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