JP2006169405A - ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート及び車両用内装材 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート及び車両用内装材 Download PDF

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恵介 竹島
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Abstract

【課題】 本発明は、厚みを薄くしても優れた剛性及び耐熱性を保持しているポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを提供する。
【解決手段】 本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有し且つ110〜130℃及び140〜170℃のそれぞれの温度範囲に少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度を有するポリオレフィン系樹脂からなると共に、密度が0.05〜0.20g/cm3 、常温における25%圧縮硬さが250〜450kPa、160℃における100%引張強度が0.1〜0.3MPaであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械的強度及び耐熱性に優れたポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに関する。
従来から、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、優れた耐熱性及び断熱性を有していることから、断熱材や雑貨製品の材料として汎用されており、最近では、車両用内装材として用いられることが多くなっている。
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを用いて車両用内装材を製造するにあたってはスタンピング成形が用いられ、このようなスタンピング成形に用いられるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートとしては、特許文献1に、常温における25%圧縮強度が0.5〜1.2kg/cm2 、120℃における100%引っ張り強度が1.6〜3.0kg/cm2 、160℃における100%引っ張り強度が0.4〜1.0kg/cm2 及び比重が0.04〜0.2であるものが提案されている。
一方、近年、嗜好の多様化或いは高度化に伴って、車両用内装材にも複雑な形状及び成形角部のシャープさ(鮮明さ)が求められるようになってきており、この要望に対応するために車両用内装材の厚みを薄くすることが考えられる。
しかしながら、上述したポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚みを薄くすると、機械的強度や耐熱性が低下してしまい、スタンピング成形によってポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを所望形状に成形しようとすると、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに破れが生じたり或いはポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが溶融状態の熱可塑性樹脂に伴う熱によって破損するなどといった問題点が発生することがあり、上記要望を充分に満足するものではなかった。
特開2000−355085号公報
本発明は、厚みを薄くしても優れた機械的強度及び耐熱性を保持しているポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを提供する。
本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有し且つ110〜130℃及び140〜170℃のそれぞれの温度範囲に少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度を有するポリオレフィン系樹脂からなると共に、密度が0.05〜0.20g/cm3 、常温における25%圧縮硬さが250〜450kPa、160℃における100%引張強度が0.1〜0.3MPaであることを特徴とする。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有し且つ110〜130℃及び140〜170℃のそれぞれの温度範囲に少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度を有しておれば、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンを50重量%以上含有する他のモノマーとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂;ポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレンを50重量%以
上含有する他のモノマーとの共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三次元共重合体などを含有するポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが機械的強度、耐熱性及び成形性に優れていることから、プロピレン単独重合体、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体及びポリエチレン系樹脂を併用することが好ましい。
更に、ポリオレフィン系樹脂として、プロピレン単独重合体、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体及びポリエチレン系樹脂を併用する場合、ポリオレフィン系樹脂としては、プロピレン単独重合体10〜30重量%、エチレン−プロピレン共重合体40〜60重量%及びポリエチレン系樹脂10〜40重量%からなることが好ましい。
この理由としては、ポリオレフィン系樹脂中、プロピレン単独重合体の含有量が少ないと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの機械的強度が低下することがある一方、多いと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形性が低下することがあるからである。
又、ポリオレフィン系樹脂中、エチレン−プロピレン共重合体の含有量が少ないと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの機械的強度や生産効率が低下することがある一方、多いと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形性が低下することがあるからである。
更に、ポリオレフィン系樹脂中、ポリエチレン系樹脂の含有量が少ないと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造工程中にて溶融状態のポリオレフィン系樹脂の耐熱性が低下することがある一方、多いと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの機械的強度が低下することがあるからである。
なお、プロピレンを50重量%以上含有する他のモノマーとの共重合体を構成する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンなどが挙げられる。
又、上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレンを50重量%以上含有するα−オレフィンとの共重合体などが挙げられ、このような共重合体としては、具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが挙げられ、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの耐熱性及び成形性が優れていることから、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。なお、上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
そして、上記ポリオレフィン系樹脂は、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有している必要があり、融解吸熱ピーク温度を2〜4個有していることが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂が複数種類の樹脂から構成されている場合、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度とは、ポリオレフィン系樹脂を構成する各樹脂の示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度の全てをいう。
これは、ポリオレフィン系樹脂の示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度が1個だけであると、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが広範囲な温度領域で所望の機械的強
度を有しないからである。
そして、ポリオレフィン系樹脂における2個以上ある示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度のうち、少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度が110〜130℃の温度範囲にあり且つ少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度が140〜170℃の温度範囲にある必要があり、少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度が120〜130℃の温度範囲にあり且つ少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度が150〜165℃の温度範囲にあることが好ましい。
この理由を下記に説明する。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、120℃前後の低温領域にて成形(低温成形)される場合と、150℃前後の高温領域にて成形(高温成形)される場合がある。そして、ポリオレフィン系樹脂における示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度の何れもが110〜130℃の温度範囲内に存在しない場合には、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを低温成形する際にポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが破断する虞れがあり、同様に、ポリオレフィン系樹脂における示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度の何れもが140〜170℃の温度範囲内に存在しない場合には、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを高温成形する際にポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが破断する虞れがあり、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを低温成形及び高温成形の何れの成形に対しても円滑に適用させて所望形状を有する成形体を得ることができるようにするためである。
そして、上記ポリオレフィン系樹脂を構成する少なくとも一種類の樹脂のメルトフローレイトは、小さいと、得られるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚みを薄くすることができない虞れがあるので、8.0g/10分以上が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
次に、上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法について説明する。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法としては、汎用の方法が用いられ、例えば、(1) ポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤に必要に応じて架橋助剤を添加してなる発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練して所望形状を有する発泡性樹脂シートを押出し、この発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射して発泡性樹脂シートを架橋させた上で発泡性樹脂シートを加熱、発泡させてポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する方法、(2) ポリオレフィン系樹脂、熱分解型発泡剤及び架橋剤に必要に応じて架橋助剤を添加してなる発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練して所望形状を有する発泡性樹脂シートを押出し、この発泡性樹脂シートを架橋剤及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡性樹脂シートを架橋しつつ発泡させてポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
ここで、上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡シートの製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられ、これらは単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
又、上記架橋助剤としては、従来から発泡シートの製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
更に、上記架橋剤としては、従来から発泡シートの製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α, α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
なお、発泡性樹脂シートの架橋度合いの目安としてゲル分率が挙げられ、このゲル分率を調整することによって、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚みを薄くした場合にあっても、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに優れた機械的強度及び耐熱性を付与することができ、具体的には、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートのゲル分率は、20〜75重量%が好ましく、35〜70重量%がより好ましい。
ここで、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートのゲル分率は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートをAg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100
このようにして得られたポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度は、小さいと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの機械的強度及び耐熱性が低下し、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形時に気泡が破壊され、得られるシートの機械的強度や耐熱性が低下する一方、大きいと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形性が低下して、所望形状を有する成形体を得ることができなかったり或いは成形体の成形角部のシャープさ(鮮明さ)が不充分となるので、0.05〜0.20g/cm3 に限定され、0.06〜0.13g/cm3 が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度は、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの重量を見掛けの体積で除したものをいう。
又、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける常温での25%圧縮硬さは、低いと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートをスタンピング成形によって成形しようとした際に、溶融状態の熱可塑性樹脂の射出圧力、溶融状態の熱可塑性樹脂がキャビティ内を流動するのに起因してポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに加えられる剪断応力などによってポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに破れが生じたり或いはポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの表面が溶けるなどの問題点が発生する一方、高いと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが容易に座屈してしまったり或いはポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが割れ易くなるので、250〜450kPaに限定され、320〜400kPaが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける常温での25%圧縮硬さは、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
更に、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける160℃での100%引張強度は、小さいと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの耐熱性が低下し、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを成形すると、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに破れが発生したり或いはポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの表面が荒れたりすることがある一方、大きいと、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形時における伸び性が低下して、ポ
リオレフィン系樹脂架橋発泡シートを複雑な形状を有する成形体に成形することができないので、0.1〜0.3MPaに限定され、0.14〜0.25MPaが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける160℃での100%引張強度は、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
上記の如くして得られたポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、スタンピング成形や真空成形などの汎用の成形方法を用いて所望形状に成形することができ、通常、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、その一面に表皮材を積層した上で所望形状に成形加工される。特に、車両用内装材用途としては、上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの一面に表皮材を積層し、他面に骨材用の溶融状態の熱可塑性樹脂を供給した後、プレス成形するのが好ましい(このような成形方法は、一般に「スタンピング成形」と称される)。
上記スタンピング成形の形態としては、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの一面に表皮材を積層した複合シートを、凸型金型と凹型金型との間に配置して型を閉じ、複合シートのポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート側に、骨材用の溶融状態の熱可塑性樹脂を射出供給した後、凸型金型と凹型金型とを型締めしてプレス成形する方法、予め凹型金型に骨材用の溶融状態の熱可塑性樹脂を供給しておき、上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの一面に表皮材を積層した複合シートのポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート側が溶融状態の熱可塑性樹脂側になるように載置した後、凸型金型と凹型金型とを型締めしてプレス成形する方法、凸型金型と凹型金型との間に上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの一面に表皮材を積層した複合シートを配置し、型を閉じる前に、複合シートのポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート側に骨材用の溶融状態の熱可塑性樹脂を載せ、その後型締めしてプレス成形する方法等が挙げられる。
上記表皮材としては特には限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂シート、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート、熱可塑性エラストマーシートなどの合成樹脂シート;ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリレート系などの合成繊維シート又は不織布;セルロース系などの天然繊維シート又は不織布等が挙げられる。
そして、上記表皮材は、溶融状態の熱可塑性樹脂を供給する前に、熱ラミネート、接着剤等により上記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに積層一体化しておくのが好ましいが、後述する溶融状態の熱可塑性樹脂を供給した後、プレス成形加工する際に、その熱により積層一体化してもよい。又、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有し且つ110〜130℃及び140〜170℃のそれぞれの温度範囲に少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度を有するポリオレフィン系樹脂からなると共に、密度が0.05〜0.20g/cm3 、常温における25%圧縮硬さが250〜450kPa、160℃における100%引張強度が0.1〜0.3MPaであることを特徴とするので、機械的強度及び耐熱性に優れており、成形によって複雑な形状を有する成形体を正確に且つ確実に得ることができる。
しかも、本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、上述のように、機械的強度及び耐熱性に優れていることから、溶融状態の熱可塑性樹脂が直接接触するスタンピング成形法に好適に用いることができ、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの表面に熱可塑性樹脂からなる骨材が積層一体化され且つ所望形状に成形された成形体を得ることができる。
そして、本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、その厚みを薄くしても優れた機械的強度及び耐熱性を維持することから、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚みを薄く、具体的には、好ましくは厚みを2.0mm以下とすることによって、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの成形性を更に向上させて、更に複雑な形状を有し且つ成形角部がシャープ(鮮明)に成形されてなる成形体をポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートから得ることができる。
又、本発明のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの一面に表皮材を積層し或いは積層一体化した上でスタンピング成形によってポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの他面に熱可塑性樹脂からなる骨材を積層一体化させて所望形状を有する車両用内装材を精度良く得ることができる。
(実施例1〜3、比較例2,3)
表1に示した所定量のプロピレン単独重合体(チッソ社製 商品名「K5020」、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度:160℃、曲げ弾性率:2060MPa、メルトフローレイト:12.0g/10分、密度:0.90g/cm3 )、エチレン−プロピレン共重合体(チッソ社製 商品名「XK0235」、プロピレン含有量:96重量%、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度:145℃、曲げ弾性率:750MPa、メルトフローレイト:0.5g/10分、密度:0.90g/cm3 )及び直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー社製 商品名「ZF230」、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度:120℃、メルトフローレイト:2.0g/10分、密度:0.92g/cm3 )からなるポリオレフィン系樹脂、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート4.0重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド7.0重量部、抗酸化剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオジプロピオレート0.3重量部からなる発泡性樹脂組成物を二軸押出機に供給して溶融混練し、樹脂温度190℃にて押出して厚さ0.70mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧800kVにて電子線を3.0Mrad照射して、発泡性樹脂シートを架橋させた後、発泡性樹脂シートを250℃で5分間に亘って加熱、発泡させて、厚さが1.00mmのポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを得た。
(比較例1)
アゾジカルボンアミドを7.0重量部の代わりに15重量部としたこと、発泡性樹脂シートの厚みを0.70mmの代わりに0.60mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、厚さが1.00mmのポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを得た。
得られたポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを構成しているポリオレフィン系樹脂の融解吸熱ピーク温度、並びに、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度、常温における25%圧縮硬さ、160℃における100%引張強度及びスタンピング成形性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
(密度)
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度を比重計(ミラージュ社製 商品名「ED20T」)を用いて測定した。
(常温における25%圧縮硬さ)
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける常温での25%圧縮硬さをJIS K6767に準拠して測定した。具体的には、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートから一辺
が5cmの平面正方形状の小片を複数個、切り出し、この小片を厚み方向に重ね合わせて厚み25cmの積層体を作製した。次に、上記積層体をその厚み方向に25%圧縮した時の常温における圧縮硬さを測定した。
(160℃における100%引張強度)
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを160℃の恒温槽内に5分間放置したこと以外は、JIS K6767に準拠して、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける160℃での100%引張強度を測定した。
(スタンピング成形性)
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートから一辺が150mmの平面正方形状の試験片を切り出した。この試験片を水平面上に載置した後、試験片上に、210℃に加熱された溶融状態のポリプロピレン系樹脂(メルトフローレイト:15g/10分)を20g載置した。
しかる後、上記試験片を垂直下方に向かって平板状の押圧板を用いて4.9×106 Paの圧力で5秒間に亘って上下方向に圧縮し、続いて、9.8×105 Paの圧力で50秒間に亘って上下方向に圧縮すると共に押圧板内に通水することによって試験片を冷却した。
そして、上記押圧板を上方に変位させることによって上記試験片への圧力を開放して成形体を得た。得られた成形体の表面を目視観察して耐熱性及び成形シワの有無について下記基準により判断した。
〔耐熱性〕
○・・・発泡シート表面に凹凸や破れは発生しておらず、又、発泡シート内へのポリプ
ロピレン系樹脂の進入はなく、成形体の外観は良好であった。
×・・・発泡シート表面に凹凸又は破れが発生しており、更に、発泡シート内にポリプ
ロピレン系樹脂が進入していた。
〔成形シワ〕
○・・・発泡シートの下面(ポリプロピレン系樹脂の積層面とは反対側の面)にシワは
発生しておらず、平滑な状態であった。
×・・・発泡シートの下面(ポリプロピレン系樹脂の積層面とは反対側の面)にシワが
発生していた。
Figure 2006169405

Claims (4)

  1. 示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度を2個以上有し且つ110〜130℃及び140〜170℃のそれぞれの温度範囲に少なくとも1個の融解吸熱ピーク温度を有するポリオレフィン系樹脂からなると共に、密度が0.05〜0.20g/cm3 、常温における25%圧縮硬さが250〜450kPa、160℃における100%引張強度が0.1〜0.3MPaであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
  2. 厚みが2.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
  3. 一面に表皮材が積層一体化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
  4. 一面に表皮材が積層一体化されているポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートをスタンピング成形によって成形してなり、他面に熱可塑性樹脂からなる骨材が積層一体化されてなることを特徴とする車両用内装材。
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