JP2007063537A - オレフィン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性及び機械的強度に優れており、熱成形時に加えられる圧縮力によって適度に厚みを減少させて金型形状に正確に沿った状態に熱成形することができると共に、熱成形後においても厚み回復量を抑えて金型形状に沿った状態を確実に維持し、所望形状を有する熱成形品を得ることができるオレフィン系樹脂発泡シートを提供する。
【解決手段】 本発明のオレフィン系樹脂発泡シートは、密度が0.05〜0.2g/cm3 であるオレフィン系樹脂発泡シートであって、160℃における破断強度が0.08MPa以上で且つ160℃における伸度が220%以上であると共に、190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率が40〜80%であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性及び機械的強度に優れており、熱成形時に加わる圧縮力によって厚み損失が大きく且つ熱成形後における厚み回復が小さくて、所望形状に精度良く熱成形することができるオレフィン系樹脂発泡シートに関する。
従来から、オレフィン系樹脂発泡シートは、軽量性、耐熱性、柔軟性及び成形性に優れていることから、天井材、ドア材、インストルメントパネルなどの車両用内装材として広く用いられている。
このようなオレフィン系樹脂発泡シートとしては、特許文献1に、樹脂成分がポリエチレン系樹脂20〜60重量%及びポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂40〜80重量%からなり、且つ、単位重量当たりの融解エネルギー(示差走査熱量分析の融解ピーク面積から得られる熱量値/重量)に含まれる140℃以上の融解エネルギーが28〜50mJ/mgであるオレフィン系樹脂発泡シートが提案されている。
しかしながら、上記オレフィン系樹脂発泡シートは耐熱性に優れているものの、熱成形時に加わる圧縮力によって発泡シートを充分に圧縮することができず、金型の形状に沿って精度良く成形することができない上に、熱成形後に圧力を開放した際に厚みの回復量が大きいために、特に、得られる熱成形品の角部における熱成形精度が低く、所望形状を有する熱成形品を得ることができないといった問題点を有していた。
特開2002−3631号公報
本発明は、耐熱性及び機械的強度に優れており、熱成形時に加えられる圧縮力によって適度に厚みを減少させて金型形状に正確に沿った状態に熱成形することができると共に、熱成形後においても厚み回復量を抑えて金型形状に沿った状態を確実に維持し、所望形状を有する熱成形品を得ることができるオレフィン系樹脂発泡シートを提供する。
本発明のオレフィン系樹脂発泡シートは、密度が0.05〜0.2g/cm3 であるオレフィン系樹脂発泡シートであって、160℃における破断強度が0.08MPa以上で且つ160℃における伸度が220%以上であると共に、190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率が40〜80%であることを特徴とする。
上記オレフィン系樹脂発泡シートを構成しているオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレンを50重量%以上含有する、プロピレンと他のモノマーとの共重合体などのプロピレン系樹脂;エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などのプロピレン系樹脂を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
ここで、上記プロピレンを50重量%以上含有する、プロピレンと他のモノマーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−α−オレフィン共重合体が挙げられ、プロピレン−α−オレフィン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよく、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。なお、上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
又、上記エチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンを50重量%以上含有する、エチレンとα−オレフィンとの共重合体などが挙げられ、具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが挙げられる。なお、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
そして、上記オレフィン系樹脂の中でも、オレフィン系樹脂発泡シートを製造する際の発泡性、オレフィン系樹脂発泡シートを所望形状に正確に熱成形することができることから、プロピレン単独重合体が好ましい。
更に、オレフィン系樹脂発泡シートの低温での機械的強度を向上させるために、プロピレン単独重合体と、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体を併用することが好ましい。
一方、オレフィン系樹脂発泡シートを構成するオレフィン系樹脂として、プロピレン単独重合体と、エチレン系樹脂とを併用した場合、オレフィン系樹脂中におけるエチレン系樹脂の含有量は、多くなると、オレフィン系樹脂発泡シートの厚み損失率が低下してオレフィン系樹脂発泡シートの熱成形性が低下するので、20重量%以下が好ましい。
又、プロピレン単独重合体のメルトインデックスは、小さいと、オレフィン系樹脂発泡シートの原反となる発泡性オレフィン系樹脂シートを押出機から押出すのが困難となったり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの表面性が低下することがある一方、大きいと上記発泡性オレフィン系樹脂シートの発泡時に破泡が生じたり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下したり、加熱膨張率が大きくなることがあるので、5.0〜20.0g/10分が好ましく、6.0〜16.0g/10分がより好ましい。なお、プロピレン単独重合体のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して230℃、荷重21.18N(2.16kgf)の条件下にて測定されたものをいう。
そして、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体のメルトインデックスは、小さいと、オレフィン系樹脂発泡シートの原反となる発泡性オレフィン系樹脂シートを押出機から押出すのが困難となり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの表面性が低下することがある一方、大きいと、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下することがあるので、0.1〜8.0g/10分が好ましく、0.1〜5.0g/10分がより好ましい。なお、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して230℃、荷重21.18N(2.16kgf)の条件下にて測定されたものをいう。
更に、プロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体としては、メルトインデックスの異なる二種類のエチレン−プロピレン共重合体を併用することが、低温での強度向上と押出シートの賦形性の両立の点で好ましく、具体的には、メルトインデックスが0.1〜1.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体と、メルトインデックスが2.0〜8.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体とを併用することが好ましく、メルトインデックスが0.1〜0.7g/10分のエチレン−プロピレン共重合体と、メルトインデックスが2.0〜5.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体とを併用することがより好ましい。
そして、メルトインデックスが5.0〜20.0g/10分のプロピレン単独重合体は、少ないと、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下したり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの厚み損失率及び加熱膨張率が高くなることがある一方、多いと、オレフィン系樹脂発泡シートの原反となる発泡性オレフィン系樹脂シートを押出機から押出す際の押出性が低下することがあるので、オレフィン系樹脂中、15〜35重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。
又、メルトインデックスが0.1〜1.0g/10分で且つプロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体は、少ないと、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下したり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの原反となる発泡性オレフィン系樹脂シートを発泡させる際に破泡を生じることがある一方、多いと、上記発泡性オレフィン系樹脂シートの押出機からの押出性が低下したり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの表面性が低下することがあるので、オレフィン系樹脂中、20〜40重量%が好ましく、25〜35重量%がより好ましい。
更に、メルトインデックスが2.0〜8.0g/10分で且つプロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体は、少ないと、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下することがある一方、多いと、オレフィン系樹脂発泡シートの原反となる発泡性オレフィン系樹脂シートが破泡を生じる虞れがあるので、30〜65重量%が好ましく、35〜50重量%がより好ましい。
具体的には、オレフィン系樹脂として、メルトインデックスが5.0〜20.0g/10分のプロピレン単独重合体と、メルトインデックスが0.1〜1.0g/10分で且つプロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体と、メルトインデックスが2.0〜8.0g/10分で且つプロピレンを50重量%以上含有するエチレン−プロピレン共重合体とからなる場合、オレフィン系樹脂は、プロピレン単独重合体15〜35重量%、メルトインデックスが0.1〜1.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体20〜40重量%及びメルトインデックスが2.0〜8.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体30〜65重量%からなることが好ましく、プロピレン単独重合体20〜30重量%、メルトインデックスが0.1〜1.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体25〜35重量%及びメルトインデックスが2.0〜8.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体35〜50重量%からなることがより好ましい。
又、オレフィン系樹脂発泡シートの密度は、小さいと、オレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下する一方、大きいと、オレフィン系樹脂発泡シートの厚み損失率が低下するので、0.05〜0.2g/cm3 に限定され、0.055〜0.1g/cm3 が好ましい。なお、オレフィン系樹脂発泡シートの密度は、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。具体的には、オレフィン系樹脂発泡シートの密度は、ミラージュ社から商品名「ED20T」にて市販されている電子比重計を用いて測定することができる。
更に、オレフィン系樹脂発泡シートにおける160℃での破断強度は、低いと、熱成形時に加わる剪断応力によってオレフィン系樹脂発泡シートの表面において気泡破壊が発生するので、0.08MPa以上に限定され、高すぎると、オレフィン系樹脂発泡シートの熱成形性が低下するので、0.10〜0.15MPaが好ましい。なお、オレフィン系樹脂発泡シートにおける160℃での破断強度は、オレフィン系樹脂発泡シートを160℃の恒温槽に5分間に亘って放置したこと以外はJIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
又、オレフィン系樹脂発泡シートにおける160℃での伸度は、小さいと、熱成形時に、オレフィン系樹脂発泡シートの伸びが低下して複雑な形態の成形品を得ることができなかったり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートに破れが発生するので、220%以上に限定される。なお、オレフィン系樹脂発泡シートにおける160℃での伸度は、オレフィン系樹脂発泡シートを160℃の恒温槽に5分間に亘って放置したこと以外はJIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
更に、オレフィン系樹脂発泡シートにおける190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率は、小さいと、熱成形時に加わる圧縮力によってオレフィン系樹脂発泡シートが充分に変形せず、オレフィン系樹脂発泡シートを金型に沿った形状に正確に成形することができなかったり、或いは、オレフィン系樹脂発泡シートの厚みの回復によって、オレフィン系樹脂発泡シートを熱成形して得られる熱成形品の角部を、金型の形状通りの鮮明なものとすることができない一方、大きいと、オレフィン系樹脂発泡シートを熱成形して得られる熱成形品の柔軟性が低下するので、40〜80%に限定される。
ここで、本発明におけるオレフィン系樹脂発泡シートにおける190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率(本発明では単に「厚み損失率」ということもある)とは、下記の要領で測定されたものをいう。先ず、オレフィン系樹脂発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片の厚みA(mm)を測定する。
次に、上記試験片をその両面の表面温度が190℃となるまで加熱した後、試験片をその厚みが圧縮前の50%の厚みとなった状態に1分間に亘って圧縮する。そして、試験片に加わる圧縮力を全面的に開放し、試験片をその両面の表面温度が常温になるまで冷却した後、試験片の厚みB(mm)を測定し、下記式に基づいて試験片の厚み損失率を算出する。
厚み損失率(%)=100×(A−B)/A
更に、オレフィン系樹脂発泡シートにおける190℃にて5分間加熱した後の加熱膨張率は、大きいと、オレフィン系樹脂発泡シートの厚みの回復によって、オレフィン系樹脂発泡シートを熱成形して得られる熱成形品の角部を、金型の形状通りの鮮明なものとすることができないので、15%以下に限定される。
なお、オレフィン系樹脂発泡シートにおける190℃にて5分間加熱した後の加熱膨張率(本発明では単に「加熱膨張率」ということもある)は、下記の要領にて測定されたものをいう。先ず、オレフィン系樹脂発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片の厚みC(mm)を測定する。
次に、上記試験片をその両面の表面温度が190℃となるまで加熱し、その加熱状態を1分間に亘って維持する。しかる後、試験片をその両面の表面温度が常温になるまで冷却した後、試験片の厚みD(mm)を測定し、下記式に基づいて加熱膨張率を算出する。
加熱膨張率(%)=100×(D−C)/C
上記オレフィン系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。上記オレフィン系樹脂発泡シートの製造方法としては、公知の発泡シートの製造方法を用いることができ、例えば、(1) オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物を、必要に応じて架橋助剤を添加した上で押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性オレフィン系樹脂シートを押出し、この発泡性オレフィン系樹脂シートに電離性放射線を所定量照射して発泡性オレフィン系樹脂シートを架橋した後、この発泡性オレフィン系樹脂シートを上記熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱してオレフィン系樹脂発泡シートを製造する方法、(2) オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤からなる発泡性樹脂組成物に、架橋剤及び必要に応じて架橋助剤を添加した上で、この発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性オレフィン系樹脂シートを押出し、この得られた発泡性オレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱してオレフィン系樹脂発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
ここで、発泡性オレフィン系樹脂シートの架橋の目安としてゲル分率が挙げられ、オレフィン系樹脂発泡シートのゲル分率は、高いと、発泡性オレフィン系樹脂シートの発泡性が低下する一方、低いと、得られるオレフィン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下すると共に、発泡性オレフィン系樹脂シートの粘度が低下して発泡性が低下することがあるので、30〜45重量%が好ましい。
なお、オレフィン系樹脂発泡シートのゲル分率は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、オレフィン系樹脂発泡シートをEg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Fg)、下記式により算出した。
オレフィン系樹脂発泡シートのゲル分率(重量%)=(F/E)×100
上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられ、これらは単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
又、上記架橋助剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどが挙げられ、これらは単独で使用しても二種以上が併用されてもよい。
そして、架橋助剤の添加量は、少ないと、所望の架橋度が得られない一方、多くても、効果は変わらないので、オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましく、0.3〜15重量部が更に好ましく、0.4〜12重量部が特に好ましく、0.5〜10重量部が最も好ましい。
更に、上記架橋剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α, α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
又、上記(1)の製造方法において、発泡性オレフィン系樹脂シートへの電離性放射線の照射は、加速電圧の異なる電離性放射線を照射することが好ましい。このように加速電圧の異なる電離性放射線をそれぞれ、発泡性オレフィン系樹脂シートに照射することによって、得られるオレフィン系樹脂発泡シートの表面部と内部との間においてゲル分率に差をつけることができ、オレフィン系樹脂発泡シートは、その一部にゲル分率の高い部分を有することで優れた耐熱性を有していると共に、その一部にゲル分率の低い部分を有することで所定範囲内の厚み損失率を有しており優れた熱成形性を有している。
上記電離性放射線の加速電圧は、特に限定されないが、発泡性オレフィン系樹脂シートを全体的に均一に架橋させるための高電圧の電離性放射線と、発泡性オレフィン系樹脂シートの表面部を主として架橋させる低電圧の電離性放射線とを併用することが好ましい。例えば、高電圧の電離性放射線として加速電圧が800〜1000kVの電離性放射線を発泡性オレフィン系樹脂シートの両面に照射することによって、発泡性オレフィン系樹脂シート全体を架橋させ、その後に、低電圧の電離性放射線として加速電圧が100〜300kVの電離性放射線を発泡性オレフィン系樹脂シートの両面に照射することによって発泡性オレフィン系樹脂シートの表面部のみを架橋させて、発泡性オレフィン系樹脂シートの表面部と内部との間においてゲル分率に差を持たせることが好ましい。
又、電離性放射線の照射線量は、オレフィン系樹脂発泡シートのゲル分率が30〜45重量%となるように調整することが好ましい。具体的には、高電圧の電離性放射線の照射線量としては、0.1〜20Mradが好ましく、0.2〜10Mradがより好ましく、0.3〜3Mradが更に好ましく、0.4〜1.4Mradが最も好ましい。一方、低電圧の電離性放射線の照射線量としては、1〜20Mradが好ましく、1.5〜10Mradがより好ましく、2〜5Mradが最も好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂発泡シートは、密度が0.05〜0.20g/cm3 であるオレフィン系樹脂発泡シートであって、160℃における破断強度が0.08MPa以上で且つ伸度が220%以上であると共に、190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率が40〜80%であることを特徴とするので、優れた耐熱性を有していると共に、熱成形時の圧縮力によって適度に厚み方向に圧縮されて金型の形状に沿った状態に正確に成形でき、熱成形後においても厚み回復が小さいので、金型の形状に正確に沿った状態を確実に維持することができる。
従って、本発明のオレフィン系樹脂発泡シートを用いて得られた熱成形品は、複雑な形状であっても金型の形状に正確に沿ったものとすることができ、特に角部が金型の形状通りに正確に且つ鮮明に表されたものであり、外観性に優れている。
又、上記オレフィン系樹脂発泡シートにおいて、190℃にて5分間に亘って加熱した後の加熱膨張率が15%以下である場合には、熱成形時の熱による厚み方向の膨張をできるだけ抑えて、オレフィン系樹脂発泡シートを金型の形状に沿った状態に正確に成形することができ、しかも、熱成形後においてもオレフィン系樹脂発泡シートの厚みの増加を最小限にすることができ、オレフィン系樹脂発泡シートを用いて複雑な形状を有する美麗な熱成形品をより確実に得ることができる。
(実施例1,2、比較例1〜3)
プロピレン単独重合体(チッソ社製 商品名「K5020」、メルトインデックス:12.0g/10分、示差走査熱分析による融解吸熱ピーク温度:160℃、曲げ弾性率:2060MPa、密度:0.90g/cm3 )、エチレン−プロピレン共重合体(A)(チッソ社製 商品名「XK0235」、エチレン含有量:3.5重量%、メルトインデックス:0.5g/10分、示差走査熱量分析による融解吸熱ピーク温度:145℃、曲げ弾性率:750MPa、密度が0.90kg/cm3 )及びエチレン−プロピレン共重合体(B)(トクヤマ社製 商品名「RS511Y」、エチレン含有量:3.2重量%、メルトインデックス:2.5g/10分、示差走査熱分析による融解吸熱ピーク温度:150℃、曲げ弾性率:1000MPa、密度が0.90g/cm3 )を表1に示した割合づつ含有してなるオレフィン系樹脂100重量部、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート3.0重量部、熱分解形発泡剤としてアゾジカルボンアミド5.5重量部、抗酸化剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオジプロピオレート0.3重量部を二軸押出機に供給して樹脂温度190℃にて溶融混練して押出し、厚さ2.2mmの発泡性オレフィン系樹脂シートを得た。
得られた発泡性オレフィン系樹脂シートの両面に電子線を加速電圧1000kVにて1.0Mrad照射して発泡性オレフィン系樹脂シートを全体的に架橋した後、発泡性オレフィン系樹脂シートの両面に電子線を加速電圧300kVにて3.0Mrad照射して発泡性オレフィン系樹脂シートの表面部のみを架橋した。次に、発泡性オレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して5分間に亘って発泡させて、厚みが4.00mmのオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例4)
アゾジカルボンアミドを5.5重量部の代わりに9重量部としたこと以外は実施例1と同様にして厚みが2.2mmのオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例5)
加速電圧が1000kVの電子線の照射量を1.0Mradの代わりに1.5Mradとしたこと以外は実施例1と同様にして厚みが4.00mmのオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例6)
加速電圧が300kVの電子線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして厚みが4.00mmのオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例7)
加速電圧が1000kVの電子線の照射量を1.0Mradの代わりに3.0Mradとしたこと以外は実施例1と同様にして厚みが4.00mmのオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
得られたオレフィン系樹脂発泡シートの密度、ゲル分率、160℃における破断強度、160℃における伸度、190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率、190℃にて5分間に亘って加熱した後の加熱膨張率、融解吸熱温度及び成形性を測定し、得られた結果を表1に示した。
(融解吸熱温度)
示差走査熱量計(セイコー電子社製 商品名「SSC5200」)を用いて、示差走査熱量分析の融解ピーク曲線を測定し、この融解ピーク曲線から融解ピーク温度を得、この融解ピーク温度を融解吸熱温度とした。
(成形性)
オレフィン系樹脂発泡シートの一面にオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(積水フィルム社製 商品名「ハイトロン」)を熱融着一体化して積層シートを作製する。次に、この積層シートをその両面が350℃となるまで赤外線ヒーターを用いて35秒間に亘って加熱した。
そして、三角錐状の凹部を有する雌金型を用いて上記積層シートを5秒間に亘って真空成形し、更に、上記雌金型の凹部形状に合致した凸部を有する雄金型を雌金型に向かって押圧して積層シートをプレス成形し、三角錐状の熱成形品を得た。
得られた熱成形品の表面及び角部を目視観察し、下記基準に基づいて判断した。
○:熱成形品の表面に凹凸が生じていないと共に、表皮材とオレフィン系樹脂発泡シー トとの間において界面剥離が生じていなかった。熱成形品の角部は、雌金型の凹部 の角部形状に沿って正確に熱成形されていた。
×:熱成形品の表面に凹凸が生じているか、表皮材とオレフィン系樹脂発泡シートとの 間において界面剥離が生じているか、又は、オレフィン系樹脂発泡シートの内部に 気泡破壊が発生していた。熱成形品の角部は、雌金型の凹部の角部形状に正確に熱 成形されていなかった。
Figure 2007063537

Claims (2)

  1. 密度が0.05〜0.2g/cm3 であるオレフィン系樹脂発泡シートであって、160℃における破断強度が0.08MPa以上で且つ160℃における伸度が220%以上であると共に、190℃にて50%圧縮した後の厚み損失率が40〜80%であることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡シート。
  2. 190℃にて5分間に亘って加熱した後の加熱膨張率が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂発泡シート。
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