JP2002205350A - 積層発泡シート - Google Patents

積層発泡シート

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JP2002205350A
JP2002205350A JP2001076388A JP2001076388A JP2002205350A JP 2002205350 A JP2002205350 A JP 2002205350A JP 2001076388 A JP2001076388 A JP 2001076388A JP 2001076388 A JP2001076388 A JP 2001076388A JP 2002205350 A JP2002205350 A JP 2002205350A
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fiber
sheet
melting
foam sheet
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JP2001076388A
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English (en)
Inventor
Isao Higuchi
勲夫 樋口
Kazuo Yamagata
一雄 山形
Junichi Kaneko
淳一 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、軽量性、耐熱性及び寸法安定性に
優れ、しかも、曲げ強度及び熱成形性に優れ、自動車用
内装材等の成形材料として好適に用いられる積層発泡シ
ートを提供する。 【解決手段】 本発明の積層発泡シートは、発泡倍率が
5cm3 /g以上である合成樹脂製発泡シートの一面
に、繊維長が30mm以上の非溶融性繊維と、熱可塑性
樹脂繊維とからなる混繊不織布が積層一体化されてな
り、単位目付量当たりの曲げ弾性勾配が10N/mm以
上であるので、軽量性、耐熱性及び寸法安定性に優れ、
しかも、曲げ強度及び熱成形性に優れ、特に、自動車用
内装材の成形材料として好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量性、耐熱性、
寸法安定性、曲げ強度及び熱成形性に優れており、自動
車用内装材等の成形材料として好適に使用される積層発
泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂から
なる発泡シートは、軽量性、断熱性、柔軟性等に優れて
いるため、各種の断熱材、緩衝材、浮揚材等に広く用い
られている。
【0003】その中でも、特に、プロピレン系樹脂及び
エチレン系樹脂からなる架橋発泡シートは、軽量性、剛
性、耐熱性、寸法安定性の面で優れており、これを所望
の形状に熱圧成形することによって、例えば、自動車の
天井、ドア、インストルメンタルパネル等の自動車用内
装材に用いられている。
【0004】そして、上記プロピレン系樹脂及びエチレ
ン系樹脂からなる架橋発泡シートを用い且つ自動車用天
井材の成形材料として好適に使用可能な積層発泡シート
として、特開2000−79670号公報には、プロピ
レン系樹脂及びエチレン系樹脂からなる架橋発泡シート
の両面に、無機繊維シート及びオレフィン系樹脂層がこ
の順序で積層一体化され、上記オレフィン系樹脂層のう
ちの少なくとも一つの樹脂層には無機充填剤が含有され
てなる積層発泡シートが提案されている。
【0005】更に、上記公開公報には、プロピレン系樹
脂及びエチレン系樹脂からなる架橋発泡シートの両面
に、オレフィン系樹脂層、無機繊維シート及びオレフィ
ン系樹脂層がこの順序で積層一体化され、上記オレフィ
ン系樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層には無機充
填剤が含有されてなる積層発泡シートが提案されてい
る。
【0006】なお、上記無機繊維シートとしては、主
に、繊維長が比較的短いガラス繊維や炭素繊維等の無機
繊維をモノフィラメントの状態で水中(白水)に分散さ
せてシート状に抄造し、無機繊維同士をそれらの交絡部
においてバインダー樹脂で結着させてなる、所謂抄造法
による無機繊維シートが用いられている。
【0007】しかしながら、上記積層発泡シートは、そ
の高温での伸び特性が十分とはいえず、例えば、自動車
用天井材に熱圧成形する際に深絞り部分があると、その
部分において積層発泡シートに破れが生じることがあ
り、熱成形性の点で改善の余地があった。
【0008】又、無機繊維の繊維長が比較的短いため
に、上記積層発泡シートを熱圧成形することによって得
られた自動車用天井材を車体に取り付ける際、曲げ強度
が不足し、天井材に曲げ撓みや破損が生じることがあ
り、曲げ強度の点でも改善の余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量性、耐
熱性及び寸法安定性に優れ、しかも、曲げ強度及び熱成
形性に優れ、自動車用内装材等の成形材料として好適に
用いられる積層発泡シートを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の積層発
泡シートは、発泡倍率が5cm3 /g以上である合成樹
脂製発泡シートの一面に、繊維長が30mm以上の非溶
融性繊維と、熱可塑性樹脂繊維とからなる混繊不織布が
積層一体化されてなり、単位目付量当たりの曲げ弾性勾
配が10N/mm以上であることを特徴とする。
【0011】上記積層発泡シートに使用される合成樹脂
製発泡シートを構成する樹脂としては、特に限定され
ず、例えば、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂等のオ
レフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等が
挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよ
く、単独で用いる場合にはウレタン系樹脂、スチレン系
樹脂が好ましく、併用する場合にはプロピレン系樹脂と
エチレン系樹脂との組み合わせが好ましい。
【0012】上記プロピレン系樹脂は、プロピレンを主
成分とする他のモノマーとの共重合体又はホモポリプロ
ピレンである。上記プロピレンを主成分とする他のモノ
マーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−α−
オレフィン共重合体が挙げられ、プロピレン−α−オレ
フィン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合
体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよ
く、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。
【0013】なお、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン等が挙げられ、プロピレン−α−オレフィン共重
合体中のα−オレフィンの含有量は、多いと、発泡シー
トの表面性が低下することがあり、又、少ないと、発泡
シートの柔軟性及び伸びが低下して熱成形性が低下する
ことがあるので、1〜8重量%が好ましく、2〜5重量
%がより好ましい。
【0014】又、上記プロピレン系樹脂のメルトインデ
ックス(以下、「MI」という)は、大きいと、発泡シ
ートの耐熱性が低下することがあり、又、小さいと、発
泡シートの熱成形性が低下するとともに、得られる成形
品の表面性も低下することがあるので、0.1〜30g
/10分が好ましい。なお、本発明において、プロピレ
ン系樹脂のMIとは、JIS K7210に基づき、温
度230℃、荷重21.168Nの条件下で測定された
ものをいう。
【0015】上記エチレン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン等のホモポリエチレン、エチレンを主成分とする
他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、密度が0.9
5g/cm3 以上の高密度ポリエチレンが好ましい。
【0016】上記エチレンを主成分とする他のモノマー
との共重合体としては、例えば、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体が挙げられ、これらは、単独で用いられて
も併用されてもよい。
【0017】なお、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン等が挙げられ、エチレン−α−オレフィン共重
合体中のエチレンの含有量は、少ないと、発泡シートの
耐熱性が低下することがあるので、60重量%以上が好
ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0018】又、上記エチレン系樹脂のMIは、大きい
と、発泡シートの耐熱性が低下するとともに、得られる
成形品の表面性も低下することがあり、又、小さくなる
と、樹脂成分の流動性が低下して発泡シートの生産性が
低下することがあるので、0.5〜15g/10分が好
ましく、0.7〜8g/10分がより好ましく、0.9
〜6g/10分が特に好ましい。なお、本発明におい
て、エチレン系樹脂のMIとは、JISK7210に基
づき、温度190℃、荷重21.168Nの条件下で測
定されたものをいう。
【0019】上記合成樹脂製発泡シートとして、上記プ
ロピレン系樹脂と上記エチレン系樹脂とからなる発泡シ
ートを用いる場合、この発泡シート中における上記プロ
ピレン系樹脂の含有量は、多いと、発泡シートの柔軟性
及び圧縮歪みに対する回復性が低下することがあり、
又、少ないと、発泡シートの耐熱性が低下するので、1
0〜90重量%が好ましく、55〜85重量%がより好
ましい。このときの上記エチレン系樹脂の含有量は、9
0〜10重量%が好ましく、45〜15重量%がより好
ましい。
【0020】又、上記プロピレン系樹脂と上記エチレン
系樹脂とからなる発泡シートは架橋されていることが好
ましく、この際、架橋度合いの目安となるゲル分率が2
0〜75重量%となるように架橋するのが好ましい。
【0021】これは、ゲル分率が、小さいと、発泡性が
低下したり或いは発泡シートの曲げ強度及び熱成形性が
低下したりすることがあり、又、大きいと、樹脂の溶融
時における伸びが低下し、樹脂の発泡性が低下したり或
いは発泡シートの熱成形性が低下して二次加工等が困難
になることがあるからである。
【0022】なお、上記ゲル分率は、発泡シートをAg
秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬
し、不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上
の残渣を真空乾燥し、その時の重量を測定し(Bg)、
下記式により算出されたものである。 ゲル分率(重量%)=(B/A)×100
【0023】上記合成樹脂製発泡シートは、従来から用
いられている製造方法を用いて製造され、具体的には、
オレフィン系樹脂発泡シートの場合には、プロピレン系
樹脂やエチレン系樹脂等のオレフィン系樹脂に架橋助
剤、熱分解型発泡剤を添加し、これを汎用の混練装置に
て熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練して
発泡性樹脂シートを製造し、この得られた発泡性樹脂シ
ートに電離性放射線を照射してオレフィン系樹脂を架橋
させた後、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発
泡させる方法が挙げられ、ウレタン系樹脂発泡体の場合
には、例えば、プロピレンオキサイド、エチレンオキサ
イド等のポリエーテルポリオール或いはポリエステルポ
リオールと、ジイソシアネートとを成形金型内に供給し
て両者を反応させて発泡させる方法が挙げられ、スチレ
ン系樹脂発泡体の場合には、例えば、粒状ポリスチレ
ン、ふっ化炭化水素等の低沸点脂肪族炭化水素等の発泡
剤、核剤を押出機に供給して押出発泡する方法等が挙げ
られる。なお、上記スチレン系樹脂発泡体においては、
ポリフェニレンエーテル樹脂を必要に応じて添加しても
よい。
【0024】上記熱分解型発泡剤としては、従来から発
泡体製造に用いられているものであれば特に限定され
ず、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ヒドラドジカルボンアミド、アゾ
ジカルボン酸バリウム塩、ニトロソグアニジン、p,p
, −オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、N,N, −ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジ
ド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0025】そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は適
宜調節されるが、多いと破泡することがあり、又、少な
いと、発泡しないことがあるので、上記オレフィン系樹
脂100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、
1〜30重量部がより好ましい。
【0026】又、上記架橋助剤としては、特に限定され
ず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタ
クリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレー
ト、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイ
ソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート等が挙げられる。
【0027】そして、上記架橋助剤の添加量は適宜調整
されるが、多いと、発泡性樹脂シートの架橋が進み過ぎ
発泡を阻害することがあり、又、少ないと、添加した効
果が得られないので、上記オレフィン系樹脂100重量
部に対して、0.5〜30重量部が好ましく、2.0〜
15重量部がより好ましい。
【0028】又、上記電離性放射線としては、従来から
樹脂の架橋に用いられているものであれば、特に限定さ
れず、例えば、α線、β線、ガンマ線、電子線等が挙げ
られる。
【0029】なお、上記発泡性樹脂シートには、発泡性
を阻害しない範囲で、上記架橋助剤の他に、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系、リン
系、アミン系、ジラウリルチオジプロピオネート等のイ
オウ系等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の
金属害防止剤;リン系、チッソ系、ハロゲン系、アンチ
モン系及びこれらを混合してなる難燃剤;充填剤;帯電
防止剤;顔料等が添加されてもよい。
【0030】又、上記合成樹脂製発泡シートの発泡倍率
は、低いと、得られる積層発泡シートの単位面積あたり
の質量が増大するため、例えば、積層発泡シートを成形
して得られる自動車用天井材を1人の作業員で自動車の
天井に取り付けることが困難になる等、積層発泡シート
の取扱性が低下するので、5cm3 /g以上に限定さ
れ、10〜50cm3 /gが好ましい。なお、上記合成
樹脂製発泡シートの発泡倍率は、JIS K6767に
準拠して測定される見掛け密度の逆数である。
【0031】更に、上記合成樹脂製発泡シートが上記プ
ロピレン系樹脂と上記エチレン系樹脂とからなる場合、
上記発泡シートの単位重量(mg)当たりの融解エネル
ギーが下記の範囲内となるように調整することによっ
て、より耐熱性及び機械的強度に優れた発泡シートを得
ることができる。
【0032】先ず、上記単位重量当たりの融解エネルギ
ーとは、示差走査熱量分析の融解ピーク面積から得られ
る熱量値(mJ)をサンプル重量(mg)で除して得ら
れるものである。この示差走査熱量分析の融解ピーク面
積は、JIS K7211-1 997 に準拠して測定された
融解ピーク曲線と、該融解ピーク曲線の融解開始温度部
分と融解終了温度部分とを結ぶ直線とによって囲まれた
部分の面積をいう(図1(a)における斜線部分の面
積)。なお、本発明では融解開始温度を70℃とする。
【0033】上記単位重量当たりの融解エネルギーの具
体的な測定方法としては、セイコー電子株式会社製SS
C5200示差走査熱量計を用いることによって示差走
査熱量分析の融解ピーク曲線を測定して該融解ピーク曲
線から融解ピーク面積を算出し、この融解ピーク面積か
ら熱量値を得る方法が挙げられる。
【0034】又、上記単位重量当たりの融解エネルギー
に含まれる120℃以上の融解エネルギーとは、上記示
差走査熱量分析の融解ピーク面積に対する120℃以上
部分の融解ピーク面積(図1(b)の斜線部分)の百分
率を算出し、上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積か
ら得られる熱量値に上記算出した百分率を掛けて得られ
るものをいう。
【0035】同様に、上記単位重量当たりの融解エネル
ギに含まれる140℃以上の融解エネルギーとは、上記
示差走査熱量分析の融解ピーク面積に対する140℃以
上部分の融解ピーク面積(図1(c)の斜線部分)の百
分率を算出し、上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積
から得られる熱量値に上記算出した百分率を掛けて得ら
れるものをいう。
【0036】上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積に
対する120℃又は140℃以上部分の融解ピーク面積
の百分率の具体的な算出方法の一例としては、示差走査
熱量分析の融解ピーク曲線を紙にコピーし、該融解ピー
ク曲線と、該融解ピーク曲線の融解開始温度部分と融解
終了温度部分とを結ぶ直線とによって囲まれた部分を切
り取り、その切り取った紙の重さを測定する一方、上記
切り取った紙のうちの120℃又は140℃以上部分の
紙の重さを測定し、120℃又は140℃以上部分の紙
の重さを切り取った紙全体の重さで除すことによって算
出することができる。
【0037】上記発泡シートの単位重量当たりの融解エ
ネルギーは、小さいと、発泡シートの結晶性成分量が減
少して、該発泡シートの耐熱性及び機械的強度が低下す
るので、85mJ/mg以上が好ましい。
【0038】又、上記発泡シートにおける単位重量当た
りの融解エネルギーに含まれる120℃以上の融解エネ
ルギーは、小さいと、高温融解結晶成分が減少して発泡
シートの耐熱性及び機械的強度が低下するので、60m
J/mg以上が好ましい。
【0039】同様に、上記発泡シートにおける単位重量
当たりの融解エネルギーに含まれる140℃以上の融解
エネルギーは、小さいと、高温融解結晶成分が減少して
発泡シートの耐熱性及び機械的強度が低下するので、4
0mJ/mg以上が好ましい。
【0040】即ち、単位重量当たりの融解エネルギーを
85mJ/mg以上に構成することによって、発泡シー
トに優れた耐熱性及び機械的強度を付与することができ
る。
【0041】又、単位重量当たりの融解エネルギーに含
まれる120℃以上の融解エネルギーを60mJ/mg
以上に且つ140℃以上の融解エネルギーを40mJ/
mg以上に構成することによって、発泡シートに優れた
耐熱性及び機械的強度を付与することができる。
【0042】更に、単位重量当たりの融解エネルギーに
含まれる120℃以上の融解エネルギーを60mJ/m
g以上に且つ140℃以上の融解エネルギーが40mJ
/mg以上に構成するとともに、単位重量当たりの融解
エネルギーを85mJ/mg以上に構成することによっ
て、発泡シートに、より優れた耐熱性及び機械的強度を
付与することができる。
【0043】このような単位重量当たりの融解エネルギ
ーを有する発泡シートを構成するプロピレン系樹脂とし
ては、上記プロピレン系樹脂と同様のものが用いられる
が、その中でも、ホモポリプロピレンが好ましく、高結
晶性のアイソタクチックホモポリプロピレンが更に好ま
しく、ペンダット分率が96%以上のアイソタクチック
ホモポリプロピレンが最も好ましい。
【0044】更に、上記アイソタクチックホモポリプロ
ピレンのMIは、高いと、発泡性が低下することがあ
り、又、低いと、溶融粘度が増大して熱分解型発泡剤を
混練して押出す際に得られるシートに一次発泡が発生す
ることがあるので、5〜30g/10分が好ましい。
【0045】上記単位重量当たりの融解エネルギーを有
する発泡シートを構成する樹脂中の上記プロピレン系樹
脂の含有量は、多くなると、製造工程において一次発泡
を生じて得られる発泡シートの表面性が低下したり、或
いは、所望の発泡倍率が得られないことがあり、又、少
ないと、得られる発泡シートの高温強度が低下すること
があるので、10〜90重量%が好ましい。
【0046】即ち、上記発泡シートを構成する樹脂中、
MIが5〜30g/10分のアイソタクチックホモポリ
プロピレンが10〜90重量%であることが好ましい。
【0047】上記単位重量当たりの融解エネルギーを有
する発泡シートを構成するエチレン系樹脂としては、上
記エチレン系樹脂と同様のものが用いられ、上記発泡シ
ートの単位重量当たりの融解エネルギーを増大させるた
めに、密度が0.95g/cm3 以上の高密度ポリエチ
レンを用いることが好ましい。
【0048】又、エチレン系樹脂のMIは、高いと、発
泡シートの熱成形性が低下し、又、低いと、溶融粘度が
増大して熱分解型発泡剤を混練して押出す際に得られる
シートに一次発泡が発生することがあるので、0.5〜
15g/10分が好ましく、2〜15g/10分がより
好ましい。
【0049】そして、上記単位重量当たりの融解エネル
ギーを有する発泡シートを構成する樹脂中の上記エチレ
ン系樹脂の含有量は、少ないと、得られる発泡シートの
剛性が低下することがあり、又、多いと、得られる発泡
シートの高温強度が低下することがあるので、10〜9
0重量%が好ましい。
【0050】即ち、上記発泡シートを構成する樹脂中、
MIが0.5〜15g/10分で且つ密度が0.95g
/cm3 以上の高密度ポリエチレンを10〜90重量%
含有することが好ましい。
【0051】又、上記合成樹脂製発泡シートの常温にお
ける20%引張応力は、小さいと、得られる積層発泡シ
ートの常温での曲げ強度が不足することがあるので、
0.1MPa以上が好ましく、0.4MPa以上がより
好ましい。
【0052】更に、上記合成樹脂製発泡シートの100
℃における20%引張応力は、小さいと、得られる積層
発泡シートの100℃での曲げ強度が不足することがあ
るので、0.05MPa以上が好ましく、0.1MPa
以上がより好ましい。
【0053】なお、上記常温及び100℃における20
%引張応力は、JIS K7127に準拠して測定され
たものであり、具体的には、得られた発泡シートから打
抜き型を用いてJIS2号ダンベルを打抜き、テンシロ
ン引張測定機を用いて標線間距離が25mm、引張速度
が200mm/minの条件下において常温及び100
℃におけるJIS2号ダンベルの20%引張応力を測定
した。
【0054】そして、上記合成樹脂製発泡シートの一
面、好ましくは両面に、繊維長が30mm以上の非溶融
性繊維と、熱可塑性樹脂繊維とが互いに交絡することに
より形成された混繊不織布が積層一体化されて積層発泡
シートが構成される。このように、合成樹脂製発泡シー
トの一面に上記混繊不織布を積層一体化するとによっ
て、得られる積層発泡シートは、寸法安定性、曲げ強度
及び熱成形性に優れたものとなる。
【0055】上記混繊不織布を構成する非溶融性繊維
は、上記合成樹脂製発泡シートを構成する樹脂の溶融温
度よりも高い温度においても溶融せずにその形態を保持
し得る繊維をいい、例えば、ガラス繊維;炭素繊維;綿
花、カポック綿、亜麻、大麻、洋麻(ケナフ)、マニラ
麻、サイザル麻、ニュージランド麻、マゲー麻、コイヤ
等の天然繊維等が挙げられ、これらは単独で用いられて
も併用されてもよい。
【0056】上記非溶融性繊維の長さは、短いと、得ら
れる積層発泡シートの高温での伸び特性が低下して、積
層発泡シートを深絞り成形した際に積層発泡シートに破
れが発生したり、或いは、積層発泡シートの単位目付け
量(kg/m2 )当たりの曲げ弾性勾配が低下して曲げ
強度が低下するので、30mm以上に限定され、30〜
150mmが好ましい。
【0057】又、上記ガラス繊維及び炭素繊維の直径
は、細いと、得られる積層発泡シートの機械的強度が不
足することがあり、又、太いと、得られる混繊不織布が
上記合成樹脂製発泡シートと積層一体化され難くなるの
で、5〜20μmが好ましい。
【0058】更に、上記天然繊維の直径は、細いと、得
られる積層発泡シートの機械的強度が不足することがあ
り、又、太いと、得られる混繊不織布が上記合成樹脂製
発泡シートと積層一体化され難くなるので、10〜10
0μmが好ましい。
【0059】一方、上記混繊不織布を構成する熱可塑性
樹脂繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂繊維、ポリ
エステル繊維、ナイロン繊維等が挙げられ、融点が20
0℃以下のポリエステル繊維、融点が200℃以下のナ
イロン繊維が好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂繊維は
単独で用いられても併用されてもよい。
【0060】上記熱可塑性樹脂繊維の長さは、短くても
長くても、上記非溶融性繊維と混繊され難くなるので、
30〜250mmが好ましい。
【0061】そして、上記混繊不織布中における上記非
溶融性繊維の含有量は、少ないと、得られる積層発泡シ
ートの曲げ強度が不足することがあり、又、多いと、混
繊不織布が上記合成樹脂製発泡シートと積層一体化され
難くなるので、20〜80重量%が好ましい。
【0062】更に、上記混繊不織布の厚みは、薄いと、
得られる積層発泡シートの機械的強度が不足することが
あり、又、厚いと、得られる積層発泡シートにおいて混
繊不織布と合成樹脂製発泡シートとの密着性が悪くなる
ので、10〜1000μmが好ましい。
【0063】又、上記混繊不織布の重量は、軽いと、得
られる積層発泡シートの曲げ強度が不足することがあ
り、又、重いと、得られる積層発泡シートの軽量性が低
下するので、10〜100g/m2 が好ましい。
【0064】更に、上記混繊不織布の線膨張係数は、高
いと、積層発泡シート全体の線膨張係数も大きくなるた
め、この積層発泡シートの寸法安定性が低下し、高温時
には積層発泡シートの中央部が自重により垂れ下がって
くることがあったり、更に、積層発泡シートを熱圧成形
する際に積層発泡シートに伸び縮みが生じるため寸法安
定性が低下することがあるので、5×10-5/℃以下が
好ましく、1×10-5/℃以下がより好ましい。
【0065】なお、上記混繊不織布の線膨張係数は、次
の測定方法により測定されたものをいう。即ち、上記混
繊不織布から縦200mm×横50mmの直方体形状の
試験片を切り出し、この試験片を85℃の雰囲気中に2
4時間放置後、85℃に保持した状態で試験片の表面に
130mmの間隔を有する一対の標線を付する。しかる
後、上記試験片を80℃の恒温槽内に6時間放置した
後、80℃で上記標線間の間隔(L80)を測定する。続
いて、上記試験片を0℃の恒温槽内に6時間放置した
後、0℃で上記標線間の間隔(L0 )を測定し、下記式
により線膨張係数を算出した。 線膨張係数(/℃)=(L80−L0 )/(L0 ×80)
【0066】加えて、上記混繊不織布の引張強度は、低
いと、得られる積層発泡シートの強度が低下することが
あるので、0.03MPa以上が好ましい。なお、上記
混繊不織布の引張強度は、JIS K7127に準拠し
て1号形試験片を用いて測定されたものをいう。
【0067】上記混繊不織布の製造方法としては、従来
から用いられている不織布の製造方法が用いられ、例え
ば、非溶融性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを乾式のサーマ
ルボンド法若しくはニードルパンチ法又は湿式で行う抄
造法等の汎用の方法により絡合させる混繊不織布の製造
方法が挙げられる。
【0068】更に、上記混繊不織布の表面には、ポリプ
ロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂フィルム
等の熱可塑性樹脂フィルムやポリエステル短繊維不織布
等の不織布を積層一体化してもよく、上記熱可塑性樹脂
フィルムを積層一体化するのが好ましい。
【0069】このように、混繊不織布の表面に熱可塑性
樹脂フィルムや不織布を積層一体化することにより上記
混繊不織布が補強され、得られる積層発泡シートの寸法
安定性が向上する。更に、熱可塑性樹脂フィルムを混繊
不織布の表面に積層一体化した場合には、積層発泡シー
トの表面から混繊不織布を構成する非溶融性繊維が突出
するのを防止して上記積層発泡シートの表面性を向上さ
せることができる。
【0070】又、上記合成樹脂製発泡シートと上記混繊
不織布とは、両者間に何ら介在させることなく両者を熱
圧着することにより直接積層一体化してもよいが、上記
合成樹脂製発泡シートと上記混繊不織布との間に、ポリ
プロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂フィル
ム等の熱可塑性樹脂フィルムや接着剤層を介在させて上
記合成樹脂製発泡シートと上記混繊不織布とを積層一体
化することが好ましい。
【0071】このように、上記合成樹脂製発泡シートと
上記混繊不織布との間に上記熱可塑性樹脂フィルムや接
着剤層を介在させて両者を一体化させることにより、上
記合成樹脂製発泡シートと上記混繊不織布との間の一体
性を向上させることができ、、よって、上記積層発泡シ
ートを熱圧成形により所望の形状に賦形する際に積層発
泡シートに伸び縮みが生じにくくなって寸法安定性の向
上を図ることができる。
【0072】上記混繊不織布上に積層一体化される熱可
塑性樹脂フィルム、或いは、上記合成樹脂製発泡シート
と上記混繊不織布との間に介在させる熱可塑性樹脂フィ
ルムや接着剤層には、必要に応じて無機充填剤が配合さ
れていてもよい。
【0073】このような無機充填剤としては、例えば、
炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、マイカ、
酸化チタン、シラスバルン、ガラスバルン、フライアッ
シュバルン、ガラス繊維粉、炭素繊維粉、ウィスカー等
が挙げられ、この中でも、樹脂に対する剛性向上の効果
が大きく、得られる積層発泡シートの寸法安定性が優れ
ているという点で、タルク、マイカが好ましい。
【0074】上記積層発泡シートの厚さは、薄いと、積
層発泡シートの曲げ強度等の機械的強度が低下して熱成
形性が低下することがあり、又、厚いと、積層発泡シー
トの重量が増して軽量性が低下することがあるので、1
〜10mmが好ましい。
【0075】又、上記積層発泡シートの単位目付量(k
g/m2 )当たりの曲げ弾性勾配は、低いと、積層発泡
シートを所望の形状に熱圧成形して得られる成形品を取
扱う時に該成形品が折れ曲がって破断したり、或いは、
積層発泡シートやこの積層発泡シートから得られる成形
品を積み重ねた際に、へたったり、変形したり、更に、
成形品を自動車用天井材として用いた場合において該自
動車用天井材をビスを用いて車体に取り付ける際にこの
ビスにより自動車用天井材が凹んで取付安定性が低下す
るので、10N/mm以上に限定される。
【0076】なお、上記積層発泡シートの単位目付量
(kg/m2 )当たりの曲げ弾性勾配は、厚み方向に加
わる荷重に対する抵抗を示すもので、JIS K720
3に準拠する曲げ試験方法において、長さ150mm×
幅50mmの積層発泡シートを試験片とし、支点間距離
を100mmとして曲げ試験を行い、その曲げ弾性率
(E)を算出する式において、曲げ弾性勾配(F/Y)
で表される値を意味する。ここで、Fは荷重−たわみ曲
線の初めの直線部分の任意に選んだ点の荷重(N)を示
し、Yは荷重Fにおけるたわみ(mm)を示す。
【0077】次に、上記合成樹脂製発泡シートと上記混
繊不織布とを積層一体化して積層発泡シートを製造する
方法について説明する。上記合成樹脂製発泡シートと上
記混繊不織布との積層方法は、従来公知の方法が用いら
れ、例えば、上記合成樹脂製発泡シートの一面に上記混
繊不織布を熱ラミネート又はホットメルト接着剤等の接
着剤若しくは熱可塑性樹脂フィルムを介して積層して積
層シートを形成し、この積層シートを両面から上記混繊
不織布の熱可塑性樹脂繊維が溶融しない温度で押圧して
上記合成樹脂製発泡シートと上記混繊不織布とを積層一
体化して積層発泡シートを製造する方法等が挙げられ
る。
【0078】又、上記積層発泡シートの混繊不織布上に
熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させる場合には、例
えば、上記合成樹脂製発泡シートの一面に上記混繊不織
布を配設し、この混繊不織布上に熱可塑性樹脂フィルム
を溶融押出して積層シートを形成し、この積層シートを
両面から上記混繊不織布の熱可塑性樹脂繊維が溶融しな
い温度で押圧して上記合成樹脂製発泡シートと上記混繊
不織布と上記熱可塑性樹脂フィルムとを積層一体化して
積層発泡シートを製造する方法等が挙げられる。
【0079】上記積層発泡シートでは、該積層発泡シー
トの混繊不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維は、溶融す
ることなくその繊維の形態を保持していたが、請求項2
に記載の積層発泡シートの如く、上記混繊不織布を構成
する熱可塑性樹脂繊維を好ましくは全面的に溶融させ、
この溶融した熱可塑性樹脂を上記非溶融性繊維同士を結
着させるためのバインダーとすることにより上記非溶融
製繊維同士を不織布全面に亘って均一に且つ確実に結着
させてもよい。なお、請求項1に記載の積層発泡シート
と同様な部分についてはその説明を省略する。
【0080】そして、請求項2に記載のような積層発泡
シートを得るには、請求項1に記載の積層発泡シートの
製造方法において、上記合成樹脂製発泡シートと上記混
繊不織布とを積層一体化させる際、上記積層シートを上
記混繊不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以
上に加熱するか、或いは、上記混繊不織布を構成する熱
可塑性樹脂繊維を溶融させ、これにより生じた熱可塑性
樹脂によって非溶融性繊維同士を全面的に結着させて不
織布を形成し、この不織布を上記合成樹脂製発泡シート
の一面に熱ラミネート又はホットメルト接着剤等の接着
剤若しくは熱可塑性樹脂フィルムを介して積層して積層
シートを形成し、この積層シートを両面から加熱しつつ
押圧して上記合成樹脂製発泡シートと上記不織布とを積
層一体化して積層発泡シートを製造する方法等が挙げら
れる。
【0081】
【作用】本発明の積層発泡シートは、合成樹脂製発泡シ
ートの一面に、繊維長が30mm以上の非溶融性繊維
と、熱可塑性樹脂繊維とからなる混繊不織布が積層一体
化されているので、軽量性、耐熱性及び寸法安定性に優
れ、しかも、曲げ強度及び熱成形性に優れている。
【0082】そして、上記混繊不織布は、非溶融性繊維
と熱可塑性樹脂繊維とが交絡してなる一方、上記積層発
泡シートを成形する際、該積層発泡シートを上記混繊不
織布の熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以上に加熱すること
によって上記非溶融性繊維と交絡してなる上記熱可塑性
樹脂繊維を溶融させ、この溶融した熱可塑性樹脂を上記
非溶融性繊維間に確実に浸透させ、上記非溶融性繊維同
士を溶融した熱可塑性樹脂によって上記混繊不織布の全
面に亘って均一に且つ確実に結着させるとともに、上記
不織布と上記合成樹脂製発泡シートとの一体化を確実な
ものとすることができ、上記積層発泡シートを熱圧成形
して得られる成形品は、優れた寸法安定性及び曲げ強度
を有する。
【0083】しかも、上記混繊不織布は、非溶融性繊維
と熱可塑性樹脂繊維とが織成或いは編成されることなく
単に互いに交絡してなるところ、上記の如く、上記積層
発泡シートを上記混繊不織布の熱可塑性樹脂繊維の溶融
温度以上に加熱した状態で成形すると、上記混繊不織布
の非溶融性繊維は熱可塑性樹脂繊維が溶融して生じた溶
融状の熱可塑性樹脂中に浮遊した状態となっているとと
もに、上記熱可塑性樹脂繊維が溶融して消失してしまっ
ていることから上記非溶融性繊維同士の交絡状態は当初
に比較して緩い状態となっており、しかも、上記非溶融
性繊維は繊維長が30mm以上と長いことから、これら
非溶融性繊維同士は交絡された状態を保持する。
【0084】従って、上記積層発泡シートは、熱圧成形
中において、その成形に深絞り部分があった場合にも、
上記不織布は、これを構成する非溶融性繊維同士が互い
に円滑に相対変位することによって上記深絞り形状に沿
って円滑に伸び、よって、上記積層発泡シートによれ
ば、複雑な形状の美麗な成形品を円滑に且つ確実に得る
ことができる。
【0085】更に、上記積層発泡シートは、その単位目
付量当たりの曲げ弾性勾配が10N/mm以上であるこ
とから、その厚み方向の耐圧縮性に優れており、熱圧成
形によって、その厚みが薄くなったりすることがなく所
望厚さの成形品を確実に得ることができる。
【0086】又、請求項2に記載のように、積層発泡シ
ートの合成樹脂製発泡シートの一面に積層一体化した不
織布が、非溶融性繊維からなり且つ該非溶融製繊維同士
がこれら非溶融性繊維に交絡させた熱可塑性樹脂繊維を
溶融させることによって生じた熱可塑性樹脂によって互
いに結着されてなることから、請求項1に記載の積層発
泡シートの作用に加えて、上記不織布を構成する非溶融
性繊維同士を結着している熱可塑性樹脂の溶融温度未満
の温度で成形した場合にあっても、上記合成樹脂製発泡
シートと上記不織布とは上記熱可塑性樹脂繊維が溶融し
て生じた熱可塑性樹脂によって強固に且つ確実に一体化
されているので、上記合成樹脂製発泡シートと上記不織
布とが剥離し分離するといった不測の事態は生じない。
【0087】
【実施例】(実施例1) (合成樹脂製発泡シートの製造)ホモポリプロピレン
(MI:15g/10分、融点:167.8℃のアイソ
タクチックホモプロピレン)40重量部、ランダムポリ
プロピレン(エチレン含有率3.2重量%、MI:2.
0g/10分、融点150.5℃)40重量部、高密度
ポリエチレン(密度:0.969g/cm3 、MI:
5.0g/10分)20重量部、架橋助剤としてトリメ
チロールプロパントリメタクリレート3重量部、熱分解
型発泡剤としてアゾジカルボンアミド8重量部、酸化防
止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.3重量部及びジラウリルチオプロピオネート0.3
重量部並びに金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾ
ール0.5重量部を二軸押出機にて190℃で溶融混練
した後、シート状に押出し、厚さ1.5mmの連続シー
トを成形した。
【0088】次に、上記連続シートに加速電圧が800
kVの電子線を一方の面から3Mrad照射して上記連
続シートを架橋させた後、この連続シートを熱風及び赤
外線ヒーターにより250℃に保たれた縦型熱風発泡炉
に通して連続的に加熱し発泡させて架橋発泡シートを得
た。得られた架橋発泡シートは、厚さ4.0mm、発泡
倍率25cm3 /g、ゲル分率50重量%であった。
【0089】上記架橋発泡シートの単位重量(mg)当
たりの融解エネルギー(ΔH)を、JIS K7122
に準拠する示差走査熱量分析の融解ピーク面積から算出
した。即ち、先ず、セイコー電子株式会社製SSC52
00示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分でDS
C融解曲線を得た。次に、Analysisジョブプロ
グラムを使用し、融解開始温度(70℃)、融解終了温
度を結ぶ直線と融解ピークで囲まれる面積から融解エネ
ルギー(ΔH)を算出した。ΔHは100mJ/mgで
あった。なお、この操作はマニュアル(DSC120、
DSC220示差走査熱量計の「取り扱い説明書」)に
従って行った。
【0090】次に、架橋発泡シートの単位重量(mg)
当たりの融解エネルギーに含まれる120℃以上の融解
エネルギー(ΔH120 )は、以下の要領で算出した。即
ち、上記測定により得られたDSC融解曲線を上質紙に
コピーし、融解開始温度及び融解終了温度を結ぶ直線と
融解ピークで囲まれた部分を切り取り、その重量(Δ
W)を測定した。更に、120℃以上部分の面積の重量
(ΔW120 )を測定し、ΔW120 のΔWに対する百分率
を算出し、この百分率を上記融解エネルギーΔHに掛け
合わせた値を120℃以上の融解エネルギー(Δ
120 )として算出した。ΔH120 は85mJ/mgで
あった。140℃以上の融解エネルギー(ΔH14 0 )も
同様の方法で算出したところ、ΔH140 は60mJ/m
gであった。
【0091】更に、架橋発泡シートの20%引張応力
を、JIS K7127に準拠して測定した。先ず、得
られた架橋発泡シートから、打抜き型にて、JIS2号
ダンベルを打抜き、テンシロン引張測定機を用い、標線
間距離を25mm、つかみ間隔を35mm、引張速度を
200mm/minとして20%伸長時の応力を、常温
及び100℃で測定した。その値は常温では0.6MP
a、100℃では0.21MPaであった。
【0092】(積層面材の製造)幅1500mmの連続
シート状の炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布
(炭素繊維径:7μm、炭素繊維長:50mm、ポリエ
チレン繊維径:10μm、ポリエチレン繊維長:100
mm、線膨張係数:−1.0×10-5/℃、炭素繊維/
ポリエチレン繊維の重量比:80/20、目付重量:3
0g/m2 )の片面に、幅1500mm、厚さ80μm
のポリプロピレン(MI:15g/10分、密度:0.
91g/cm3 )を熱ラミネートして積層面材を得た。
【0093】(積層発泡シートの製造)上記架橋発泡シ
ートの両面に、二軸押出機にて210℃で溶融混練し
た、ブロックポリプロピレン(MI:4g/10分、融
点:166.7℃)100重量部及びタルク(平均粒
径:10μm)50重量部からなるプロピレン系樹脂シ
ートを0.1mmの厚さで押出しラミネートし、その上
に上記積層面材をそのポリプロピレン層が外側となるよ
うにして重ね合わせて両面からピンチロールにより50
℃で熱圧着することにより積層発泡シートを得た。
【0094】この積層発泡シートにおいて、混繊不織布
中のポリエチレン繊維は溶融することなくその形態を保
持していた。積層発泡シートの厚みは4.6mm、ポリ
プロピレンラミネート層を含む不織布の総厚みは0.3
mmであった
【0095】(実施例2)実施例1の積層面材の製造に
おいて、炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布の代
わりに、ガラス繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布
(ガラス繊維径:9μm、ガラス繊維長:50mm、ポ
リエチレン繊維径:10μm、ポリエチレン繊維長:1
00mm、線膨張係数:0.2×10-5/℃、ガラス繊
維/ポリエチレン繊維の重量比:70/30、目付重
量:30g/m2 )を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして積層発泡シートを得た。
【0096】この積層発泡シートにおいて、混繊不織布
中のポリエチレン繊維は溶融することなくその形態を保
持していた。積層発泡シートの厚みは4.6mm、ポリ
プロピレンラミネート層を含む不織布の総厚みは0.3
mmであった
【0097】(実施例3)実施例1の混繊維不織布の製
造において、炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布
の代わりに、洋麻(ケナフ)繊維/ポリエチレン繊維の
混繊不織布(洋麻繊維径:80μm、洋麻繊維長:50
mm、ポリエチレン繊維径:10μm、ポリエチレン繊
維長:100mm、線膨張係数:0.4×10-5/℃、
洋麻繊維/ポリエチレン繊維の重量比:70/30、目
付重量:30g/m2 )を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして積層発泡シートを得た。
【0098】この積層発泡シートにおいて、混繊不織布
中のポリエチレン繊維は溶融することなくその形態を保
持していた。積層発泡シートの厚みは4.6mm、ポリ
プロピレンラミネート層を含む不織布の総厚みは0.3
mmであった
【0099】(実施例4)実施例1の架橋発泡シートの
製造において、ホモポリプロピレン40重量部及びラン
ダムポリプロピレン40重量部の代わりに、ランダムポ
リプロピレン(エチレン含有率3.2重量%、MI:
2.0g/10分、融点150.5℃)80重量部を用
い、高密度ポリエチレン20重量部の代わりに、線状低
密度ポリエチレン(密度:0.917g/cm3 、M
I:2.5g/10分、エチレン含有量:約85重量%
のエチレン−1−オクテン共重合体)20重量部を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ4.6mm
の積層発泡シートを得た。
【0100】なお、得られた架橋発泡シートは、厚さ
4.0mm、発泡倍率30cm3 /g、ゲル分率50重
量%であった。更に、上記架橋発泡シートの融解エネル
ギーΔHは69mJ/mg、120℃以上の融解エネル
ギーΔH120 は48mJ/mg、140℃以上の融解エ
ネルギーΔH140 は23mJ/mgであり、20%引張
応力は常温では0.29MPa、100℃では0.09
MPaであった。
【0101】(実施例5)幅1500mmの連続シート
状の炭素繊維/ポリエステル繊維の混繊不織布(炭素繊
維径:7μm、炭素繊維長:50mm、ポリエステル繊
維径:10μm、ポリエステル繊維長:100mm、線
膨張係数:−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリエス
テル繊維の重量比:70/30、目付重量:30g/m
2 、ポリエステル繊維の融点:180℃)の片面に、幅
1500mm、厚さ40μmの接着性アドマー層(三井
化学社製 商品名「QF551」)と幅1500mm、
厚さ40μmのポリプロピレン層(MI:15g/10
分、密度:0.91g/cm 3 )を上記ポリプロピレン
層が外側となるように熱ラミネートして積層面材Aを得
た。
【0102】一方、幅1500mmの連続シート状の炭
素繊維/ポリエステル繊維の混繊不織布(炭素繊維径:
7μm、炭素繊維長:50mm、ポリエステル繊維径:
10μm、ポリエステル繊維長:100mm、線膨張係
数:−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリエステル繊
維の重量比:80/20、目付重量:30g/m2 、ポ
リエステル繊維の融点:180℃)の片面に、幅150
0mmのポリエステル短繊維不織布(クラレ社製 商品
名「ソフィット」、目付重量:15g/m2 、ポリエス
テル繊維の融点:260℃)を熱ラミネートして積層面
材Bを得た。
【0103】そして、熱成形可能な発泡倍率30cm3
/gで且つ厚みが6mmの硬質ポリウレタン発泡シート
の一面に上記積層面材Aをその混繊不織布を内側にして
積層するとともに、他面に上記積層面材Bをその混繊不
織布を内側にして積層した後、180℃の加熱炉中に供
給し、押圧ロール間を通して線荷重1kPaで両面から
押圧して積層発泡シートを得た。
【0104】上記積層発泡シートにおいて、積層面材A
及び積層面材Bの混繊不織布中のポリエステル繊維は溶
融し、この溶融したポリエステル樹脂により炭素繊維同
士は不織布の全面に亘って均一に且つ確実に結着されて
いる一方、積層面材Bを構成するポリエステル短繊維不
織布のポリエステル繊維は溶融することなくその形態を
保持していた。積層発泡シートの厚みは6.3mm、目
付重量は350g/m 2 であった。
【0105】(実施例6)幅1500mmの連続シート
状の炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布(炭素繊
維径:7μm、炭素繊維長:50mm、ポリエチレン繊
維径:10μm、ポリエチレン繊維長:100mm、線
膨張係数:−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリエチ
レン繊維の重量比:70/30、目付重量:30g/m
2 、ポリエチレン繊維の融点:135℃)の片面に、幅
1500mm、厚さ80μmの低密度ポリエチレン層
(MI:6g/10分、密度:0.92g/cm3 )を
熱ラミネートして積層面材Aを得た。
【0106】一方、幅1500mmの連続シート状の炭
素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布(炭素繊維径:
7μm、炭素繊維長:50mm、ポリエチレン繊維径:
10μm、ポリエチレン繊維長:100mm、線膨張係
数:−1.0×10-5/℃、炭素繊維/ポリエチレン繊
維の重量比:70/30、目付重量:30g/m2 、ポ
リエチレン繊維の融点:135℃)の片面に、幅150
0mmのポリエステル短繊維不織布(クラレ社製 商品
名「ソフィット」、目付重量:15g/m2 、ポリエス
テル繊維の融点:260℃)を熱ラミネートして、積層
面材Bを得た。
【0107】そして、熱成形可能な発泡倍率30cm3
/gで且つ厚みが6mmの硬質ポリスチレン発泡シート
の一面に上記積層面材Aをその混繊不織布が内側となる
ように積層するとともに、他面に上記積層面材Bをその
混繊不織布が内側となるように積層した後、180℃の
加熱炉中に供給し、押圧ロール間を通して線荷重1kP
aで両面から押圧して積層発泡シートを得た。
【0108】上記積層発泡シートにおいて、積層面材
A、B中のポリエチレン繊維は溶融し、この溶融したポ
リエチレン樹脂により炭素繊維同士は不織布の全面に亘
って均一に且つ確実に結着されている一方、積層面材B
を構成するポリエステル短繊維不織布のポリエステル繊
維は溶融することなく、その形態を保持していた。積層
発泡シートの厚みは6.3mm、目付重量は350g/
2 であった。
【0109】(比較例1)実施例1の積層面材の製造に
おいて、炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布の代
わりに、シート状のカーボンペーパー(オリベスト株式
会社製、線膨張係数:−1.0×10-5/℃、重量:3
5g/m2 、厚み:0.3mm、カーボン繊維径:7μ
m、カーボン繊維長:25mm、バインダー:アクリル
系エマルジョン樹脂、カーボン繊維の割合:85重量
%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚さ
4.6mmの積層発泡シートを得た。
【0110】(比較例2)実施例1の積層面材の製造に
おいて、炭素繊維/ポリエチレン繊維の混繊不織布の代
わりに、シート状のガラスペーパー(オリベスト株式会
社製、線膨張係数:0.2×10-5/℃、重量:35g
/m2 、厚み:0.3mm、ガラス繊維径:9μm、ガ
ラス繊維長:25mm、バインダー:アクリル系エマル
ジョン樹脂)、ガラス繊維の割合:85重量%)を用い
たこと以外は、実施例2と同様にして厚さ4.6mmの
積層発泡シートを得た。
【0111】上記の如くして得られた積層発泡シートの
単位目付け量(kg/m2 )当たりの曲げ弾性勾配、線
膨張係数及び熱成形性を下記の方法で測定し、その結果
を表1に示した。
【0112】(単位目付け量(kg/m2 )当たりの曲
げ弾性勾配)積層発泡シートから縦150mm×横50
mmの試験片を作製し、この試験片を用い、支点間距離
を100mmとしてJIS K7203に準拠する曲げ
試験を行い、その曲げ弾性率(E)を算出する式におい
て、曲げ弾性勾配(F/Y)で表される値を測定し、単
位目付け量(kg/m2 )当たりの曲げ弾性勾配を算出
した。
【0113】(線膨張係数)積層発泡シートから縦20
0mm×横50mmの直方体形状の試験片を切り出し、
この試験片を85℃の雰囲気中に24時間放置後、85
℃に保持した状態で試験片の表面に130mmの間隔を
有する一対の標線を付する。しかる後、上記試験片を8
0℃の恒温槽内に6時間放置した後、80℃で上記標線
間の間隔(L 80)を測定する。続いて、上記試験片を0
℃の恒温槽内に6時間放置した後、0℃で上記標線間の
間隔(L0 )を測定し、下記式により線膨張係数を算出
した。 線膨張係数(/℃)=(L80−L0 )/(L0 ×80)
【0114】(熱成形性)図2に示したような雌雄金型
を用いて積層発泡シートを成形した。具体的には、上記
雌型金型1は、平面正方形状の雌型金型本体11の上面中
央部に縦1500mm×横1200mm×深さ300m
mの截頭四角錐形状の凹部12が形成されてなり、該凹部
12の各稜線部及び開口端縁は共に面取りされて円弧状に
形成されている一方、上記雄型金型2は、その雄型金型
本体21が上記雌型金型1の雌型金型本体12と同一形状で
且つ同一大きさの平面正方形状に形成されているととも
に、該雄型金型本体21の下面中央部には上記雌型金型1
の凹部12に嵌合可能な截頭四角錐形状の凸部22が突設さ
れている。
【0115】積層発泡シートAの上面に目付重量が20
0g/m2 であるポリエステル製不織布3を載置し、上
記積層発泡シートAの表面温度が180℃になるまで加
熱した上で上記雌雄金型1、2間に配設した後、該雌雄
金型1、2をクリアランス5mmで型閉めして上記積層
発泡シートAを挟圧、成形し、図3に示したような形状
の成形品4を得た。なお、実施例5及び実施例6の積層
発泡シートにおいては積層面材Aを積層した面にポリエ
ステル製不織布3を積層した。又、上記雌雄金型1、2
は40℃に調整されているとともに、上記雌雄金型1、
2の型閉め時間は30秒であった。加えて、上記雌雄金
型1、2を型開きした後、得られた成形品4をトリミン
グした。
【0116】上記雌雄金型1、2の最大展開率は60%
であり、最大展開部での積層発泡シートの破れを目視観
察した。成形枚数10枚に対して破れが全くない場合を
熱成形性が○、1枚でも破れが発生した場合を熱成形性
が×と評価した。
【0117】
【表1】
【0118】表1から理解されるように、実施例1〜4
の積層発泡シートにおいては、その発泡倍率が25cm
3 /gと非常に高いにも拘わらず、単位目付量(kg/
2)当たりの曲げ弾性勾配が大きいことが理解され
る。又、実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較
例2との比較から、不織布として、抄造法により得られ
た短繊維系のペーパーよりも、長繊維系の混繊不織布を
用いた方が、繊維種が同じ場合、曲げ弾性勾配が大きい
ことが理解される。
【0119】更に、熱成形性において、混繊不織布は金
型への追従性に優れているため、破れが発生しにくいこ
とがわかる。又、実施例1と実施例4との比較から、Δ
Hが大きい架橋発泡シートほど、曲げ弾性勾配が大きい
ことが理解され、更に、低い線膨張係数から寸法安定性
に優れていることが理解できる。
【0120】
【発明の効果】本発明の積層発泡シートは、上述のとお
り構成されており、それにより軽量性、耐熱性及び寸法
安定性に優れ、しかも、曲げ強度に優れており、取扱者
が誤って積層発泡シートを曲げた場合であっても破断し
にくく、更に、熱成形性に優れ、特に、自動車用内装材
の成形材料として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡シートの融解ピーク曲線の一例を示したグ
ラフである。
【図2】実施例で用いた雌雄金型を示した斜視図であ
る。
【図3】図2の雌雄金型を用いて積層発泡シートを成形
して得られた成形品を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 雌型金型 2 雄型金型 3 不織布 4 成形品 A 積層発泡シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D023 BA01 BB03 BB08 BB17 BD01 BD03 BD15 BD29 BE02 BE31 4F100 AC10H AD11 AK01A AK01B AK04A AK05 AK07 AK07A AK12A AK25 AK51A AL02 AL04 BA02 CA01 CA06 DG01B DG15B EC03 EC033 EH17 EH172 EH23 EH233 EJ02 EJ02A EJ022 EJ05 EJ052 EJ42 EJ422 GB33 JA04A JA04B JB16B JJ03 JL03 JL04 YY00A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡倍率が5cm3 /g以上である合成
    樹脂製発泡シートの一面に、繊維長が30mm以上の非
    溶融性繊維と、熱可塑性樹脂繊維とからなる混繊不織布
    が積層一体化されてなり、単位目付量当たり(kg/m
    2 )の曲げ弾性勾配が10N/mm以上であることを特
    徴とする積層発泡シート。
  2. 【請求項2】 発泡倍率が5cm3 /g以上である合成
    樹脂製発泡シートの一面に、繊維長が30mm以上の非
    溶融性繊維からなり且つ該非溶融性繊維同士が該非溶融
    性繊維に交絡させた熱可塑性樹脂繊維を溶融させること
    によって生じた熱可塑性樹脂によって互いに結着されて
    なる不織布が積層一体化されてなり、単位目付量当たり
    (kg/m2 )の曲げ弾性勾配が10N/mm以上であ
    ることを特徴とする積層発泡シート。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製発泡シートが、プロピレン系
    樹脂とエチレン系樹脂とからなる発泡シートであること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層発泡シ
    ート。
  4. 【請求項4】 発泡シートの単位重量(mg)当たりの
    融解エネルギー(示差走査熱量分析の融解ピーク面積か
    ら得られる熱量値/重量)が85mJ/mg以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載の積層発泡シート。
  5. 【請求項5】 発泡シートの単位重量(mg)当たりの
    融解エネルギー(示差走査熱量分析の融解ピーク面積か
    ら得られる熱量値/重量)に含まれる120℃以上の融
    解エネルギーが60mJ/mg以上であり且つ140℃
    以上の融解エネルギーが40mJ/mg以上であること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の積層発泡シ
    ート。
  6. 【請求項6】 合成樹脂製発泡シートが、ウレタン系樹
    脂発泡シートであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の積層発泡シート。
  7. 【請求項7】 合成樹脂製発泡シートが、スチレン系樹
    脂発泡シートであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の積層発泡シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2012126349A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Toyota Motor Corp 車両用内装材の製造方法
KR20180082687A (ko) * 2017-01-10 2018-07-19 주식회사 하도에프앤씨 차량 내외장재용 열 가소성 소재, 그 제조방법 및 이를 이용한 차량용 내외장재 성형품
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