JP2002047795A - プラスチック製コンクリート型枠 - Google Patents
プラスチック製コンクリート型枠Info
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Abstract
イクル性や焼却廃棄性に優れて環境にやさしいコンクリ
ート型枠を提供する。 【解決手段】 コンクリート型枠は、ポリオレフィン系
樹脂発泡体シートからなる芯層2 に、これをサンドイッ
チする熱可塑性樹脂シートからなる両表層3,3 が積層さ
れてなる複合シート1 で構成されている。密度は0.0
5〜0.5g/ccである。芯層2 に内在する気泡のア
スペクト比Dz/Dxyの平均値は1.1〜5.0であ
る。好ましい表層3,3 はポリオレフィン系樹脂不織布、
ポリオレフィン系樹脂延伸シートまたは無機繊維強化ポ
リオレフィン系樹脂シートである。芯材と表層の間に薄
い繊維成形シートが介在されていてもよい。
Description
設におけるコンクリート打設用の型枠に関し、より詳し
くは、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート芯層と熱可塑
性樹脂シート両表層とからなるサンドイッチ状の複合シ
ートで構成されたプラスチック製コンクリート型枠に関
する。
いるコンクリート打設用型枠は、木製の厚板やベニヤ板
製の厚板を型枠に構成したものである。
による膨張、乾燥による収縮が起こるため、劣化が激し
く、繰り返しの使用回数が6〜8回、実質的には3〜5
回に制限されている。一般的に、寸法安定性やコスト面
で枠型の材料には熱帯雨林材が優れているが、熱帯雨林
の伐採は環境破壊の問題を招く恐れがある。また、木製
型枠の再使用の際には、打設面に付着したコンクリート
片を除去する作業と、打設面に離型剤として油などを塗
布する作業が必要である。
チック製のコンクリート型枠が推奨されている。これ
は、繰り返しの使用回数が20〜40回もしくはそれ以
上になる可能性があり、コンクリート固化後の型枠の離
型性がよくて付着コンクリート片の除去作業時間が短縮
でき、熱可塑性樹脂製のものであればリサイクル利用も
可能であるという利点を有する。
高く付く上に、一般に加工性に難があるため人件費が高
く、また木製のコンクリート型枠との互換性が低く、併
用が困難であるという問題を有する。加えて、プラスチ
ック製型枠は、剛性を確保するように樹脂シートの肉厚
を大きくしたり、無機繊維や無機フィラーを充填するこ
とが多く、そのため重くなりがちである。
ン系樹脂製のものは、離型性、耐薬品性、賦形性、さら
には焼却廃棄の観点から優れている。例えば特開平10
−159332号公報には、倍率10〜20倍のポリプ
ロピレン発泡体シートを芯材とし、そのコンクリート打
設面にポリオレフィン系樹脂のフィルムを貼付し、反対
面には必要に応じて補強リブを設けた発泡プラスチック
製型枠が記載されている。この型枠は、木製のコンクリ
ート型枠と同様にコンクリート塊から弾性的に離型する
ことができ、しかも保温性に優れ養生時間の短縮が可能
なものである。
スチック製型枠では、リブ無しのものは剛性不足のため
使用できず、またリブ付きの型枠はリブが型枠面内で剛
性分布となって、コンクリート塊にリブ形状が転写され
る。さらには同プラスチック製型枠はコンクリート打設
作業において木製型枠との併用が困難である。
型性、軽量性、保温性に優れ、しかもリサイクル性や焼
却廃棄性に優れて環境にやさしいコンクリート型枠を提
供することにある。
ト型枠は、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる
芯層に、これをサンドイッチする熱可塑性樹脂シートか
らなる両表層が積層されてなる複合シートで構成され、
密度が0.05〜0.5g/ccであり、芯層に内在す
る気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜
5.0であることを特徴とするものである。
体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単
独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモ
ノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではな
いが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモ
タイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレ
ン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン
を主成分とする共重合体などが例示され、またこれらの
2以上の組合わせであってもよい。
体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエチレ
ンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組みあわ
せが好ましい。
上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%である
樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポ
リオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例えば、ポ
リスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げられ
る。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割合が
70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴である軽
量性、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばかり
か、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる
場合があるので好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの密度が0.5を越
えると、型枠の重量が重くなりすぎる上に、コストが高
くつき型枠が実用的で無くなり、また密度が0.05を
下回ると、曲げ弾性が不足する。特に好ましい密度は
0.06〜0.15g/ccである。
とは、発泡体シートの厚み方向の中心部を含み、両表層
を含まない層を意味する。例えば、図2に示すサンドイ
ッチ構造の複合シート(1) において、芯層(2) は、表裏
一対の表層(3) (3) によってサンドイッチされている層
である。
シートからなる芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz
/Dxyの平均値は1.1〜5.0、好ましくは1.2
〜2.5である。
クト比」は、熱可塑性樹脂発泡シート中の気泡における
定方向最大径の比の個数(算術)平均値であり、シート
厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz
/Dxyとして表される。
ト(a) のシート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意
な断面(b) の10倍の拡大写真(c) をとり、この写真
(c) 中で無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡にお
ける下記の2つの定方向最大径(Dz,Dxy)を測
り、個数平均値を算出する。
行な最大径Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅ま
たは長さ方向、すなわちz方向に垂直な面方向(xy方
向と呼ぶ)に平行な最大径
は、500μm以上であるのが好ましい。これにより、
発泡体シートはその厚み方向に圧縮力を受けると、厚み
方向に長い紡錘形のセルにその長軸方向に力がかかるこ
とになるので、発泡体シートは厚み方向に高い圧縮強度
を示す。
と、気泡がほぼ球形となり、紡錘形に起因する圧縮弾性
率、圧縮強度の向上が得られず、コンクリート打設時に
受ける圧力に耐えられず変形する可能性があるほか、芯
層と両表層との三層サンドイッチ構造体からなる型枠が
曲げ剛性に不足する。アスペクト比の平均値が5.0を
越えると、型枠が衝撃を受けたときに破壊が起こり易
く、耐久性が不足する。
って得られるものと、物理発泡によって得られるものが
あるが、図2に示すように、発泡体シートに樹脂シート
を熱融着されるには、前者の方法が好ましい。
ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を予めポリオレフィ
ン系樹脂組成物に分散させておき、得られた発泡性組成
物を一旦シート状の原反に賦形した後、加熱して発泡剤
より発生するガスにより発泡させることで製造されう
る。熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカル
ボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒド
ラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)等が挙げられる。化学発泡剤の添加量は樹脂組
成物100重量部に対して好ましくは2〜20重量部で
ある。
するポリオレフィン系樹脂は、ゲル分率5〜35重量%
を有するものが好ましい。その理由は、発泡体シートと
樹脂シートを熱により融着する際に、発泡体が軟化ある
いは溶融して大きく変形することを避けることができる
からである。ゲル分率が35重量%を上回ると、再溶融
時の流動性が低下し、リサイクル性に悪影響を及ぼす可
能性が高い。
ートのサンプルを120℃熱キシレン中で24時間で溶
解させ、そのうち分離乾燥させた不溶分(ゲル)の重量
分率で示される。
造法について、説明をする。
れないが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂および変
性用モノマーを溶融混和して変性ポリオレフィンを得、
変性ポリオレフィンに熱分解型化学発泡剤を分散させ、
得られた発泡性樹脂組成物を一旦シート状の原反に賦形
した後、得られた発泡性シートを熱分解型化学発泡剤の
分解温度以上に加熱して化学発泡させる方法である。
ジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合
物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド
基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示
される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化
合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリ
ル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマ
ーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のよう
な、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物で
あってもよい。
成形された発泡性シート原反架橋度が低いにも拘らず、
これを常圧で発泡させることが可能となる。
押出成型の他、プレス成型、ブロー成型、カレンダリン
グ成型、射出成型など、プラスチックの成型加工で一般
的に行われる方法が適用可能であるが、スクリュ押出機
より吐出する発泡性樹脂組成物を直後賦形する方法が生
産性の観点から好ましい。この方法では、一定寸法幅の
連続原反シートを得ることができる。
型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温
度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置とし
ては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡さ
せる引き取り式発泡機の他、ベルト式発泡機、縦型また
は横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡
を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用
される。
ち、気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1
〜5.0である発泡体を得るには、発泡中に原反の面内
方向の発泡を抑制して厚み方向にのみ発泡させるととも
に、その後冷却するまでに発泡シートをその厚み方向に
僅かに圧縮する。その結果、発泡体の気泡はその長軸を
厚み方向に配向した紡錘形となる。
には、発泡前に原反の両面に、例えば熱可塑性樹脂から
なる不織布のような熱可塑性樹脂シートを表層として積
層しておく。熱可塑性樹脂シートをポリオレフィン系樹
脂発泡体と熱融着させることも可能である。
複合シートの代表的な例は、図2に示すように、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体シートを芯層(2) とし、その両面
に熱可塑性樹脂シートが表層(3) (3) として積層され熱
融着により接合されてなる複合シート(1) である。
は限定されないが、発泡体シートと同様のポリオレフィ
ン系樹脂であることが、接合、リサイクルの観点より好
ましい。樹脂シートの厚みを含めた寸法、表面形態、成
形方法等はいずれも限定されない。発泡体シートからな
る芯層と熱可塑性樹脂シートからなる両表層との接合
は、やはりリサイクルの観点より熱融着により達成され
ることが好ましい。
特に好ましい表層はポリオレフィン系樹脂からなる延伸
シートである。
について説明をする。
係数は、5×10-5(1/℃)以下、好ましくは3×1
0-5(1/℃)以下、さらに好ましくは2×10-5(1
/℃)以下で、かつ−2×10-5(1/℃)以上であ
る。ここで線膨張係数とは、物質の寸法が温度によって
膨張していく割合を示す尺度である。線膨張係数の測定
方法としては、TMA(機械分析)により、昇温中の物
質の寸法を精密に測定する方法があるが、本発明におい
ては、後述の実施例で示すように、5℃および80℃に
おける寸法の差から簡易的に計算したものを線膨張係数
とする。
定されないが、一般にポリオレフィン系樹脂シートの線
膨張係数は5×10-5(1/℃)よりも大きいので、こ
れに延伸または圧延等の処理を施して線膨張係数を5×
10-5(1/℃)以下にしたポリオレフィン系樹脂延伸
シートが用いられる。このような処理を施したポリオレ
フィン系樹脂延伸シートでは、延伸倍率を大きくするほ
ど線膨張係数が低下する。
は、おおよそ5×10-5〜15×10-5(1/℃)の線
膨張係数を示すが、発泡体シートの両面に上記表層を積
層することにより、熱伸縮が抑えられ、結果として線膨
張係数が小さいコンクリート型枠が得られる。
る。一般に、ビル建築、土木建設用などの型枠内にコン
クリートを打設すると、セメントの水和反応に伴って水
和熱が発生し、型枠は60℃以上にも達する。そのため
プラスチック製型枠はその熱で軟化するだけでなく、熱
膨張を起こしタワミを生じる。ポリオレフィン系樹脂延
伸シートは、延伸方向の引張強度や引張弾性率が大き
い。そのため圧縮剛性の高い上記発泡体シートを芯材と
してこれを上記延伸シートで挟んでなる三層積層体で
は、サンドイッチ構造が成立するため曲げ剛性や曲げ強
度が飛躍的に向上する。
るポリオレフィン系樹脂は、特に限定されるものではな
く、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ブ
ロックポリプロピレン等を用いることができる。延伸後
の弾性率を考慮すると、理論弾性率の高いポリエチレン
を用いることが好ましく、結晶性の高い高密度ポリエチ
レンが特に好ましい。
量も特に限定されないが、好ましくは、重量平均分子量
が50万以下のポリオレフィンが用いられる。重量平均
分子量が50万を超えると、ポリオレフィン系樹脂延伸
シートを得るに際し、延伸原反シートの成形が困難とな
り、また、延伸性も悪くなり、高倍率延伸が不可能とな
ることがある。なお、ポリオレフィン系樹脂の重量平均
分子量の下限も特に限定されるものではないが、10万
より小さくなると、樹脂自体が脆くなるため、延伸性が
損なわれることがある。したがって、重量平均分子量が
10万〜50万の範囲にあるポリオレフィン、特に高密
度ポリエチレンが好ましい。
加温したo−ジクロルベンゼンなどの溶剤に試料を溶か
した後、溶液をカラムに注入し、溶出時間を測定する。
いわゆるゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
(高温GPC法)により測定する方法が一般的であり、
本明細書においても、この方法により測定された重量平
均分子量を記載することとする。
トインデックス(以下、MIと略記する)から考慮する
と、MIが約0.1〜20の範囲にあるものが好まし
い。MIがこの範囲外では、高倍率延伸が困難となるこ
とがある。なお、MIとは、JISK 6760に限定
されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す指標をいう。
の製造方法について説明をする。
リオレフィン系樹脂延伸シートを製造する方法は特に限
定されないが、ポリオレフィン系樹脂シートに延伸や圧
延等の処理を施すのが好ましい。
るに際し、ポリオレフィンに、必要に応じて架橋助剤や
光ラジカル重合開始剤等を添加しておいてもよい。架橋
助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートなど
の多官能モノマーを例示することができ、光ラジカル重
合開始剤としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、
アセトフェノン等を例示することができる。これらの架
橋助剤や光ラジカル重合開始剤の添加量は特に限定され
るものではないが、架橋を速やかに進行させるには、通
常、ポリオレフィン系樹脂延伸シートを構成しているポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対し、1.0〜2.
0重量部の範囲とすることが好ましい。
る方法も特に限定されるものではなく、上述したポリオ
レフィン系樹脂を押出機等で可塑化させた後、シートダ
イを通してシート状に押し出し、冷却する方法を採用す
ることができる。延伸前のポリオレフィン系樹脂シート
の厚みは、0.5〜4mmの範囲とすることが好まし
い。0.5mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くな
りすぎ、取扱いに際して強度が十分でないことがあり、
4mmを超えると延伸が困難となることがある。
オレフィン系樹脂シートを延伸し、ポリオレフィン系樹
脂延伸シートを得るに際して、延伸倍率は、上記の線膨
張係数を満たすよう設定する。具体的にはこの延伸倍率
は、5〜40倍、好ましくは20〜40倍の範囲とされ
る。5倍未満の延伸では、ポリオレフィン系樹脂の種類
の如何に関わらず、線膨張係数が低下せず、また機械的
強度(引張特性)を高める効果も小さいことがある。延
伸倍率が40倍を超えると、延伸操作の制御が困難とな
ることがある。
めの延伸温度は、特に限定されるものではないが、85
〜120℃の範囲とすることが好ましい。延伸温度が8
5℃未満では、延伸シートが白化し易くなり高倍率延伸
が困難となることがあり、120℃を超えると、シート
が切れ易くなり、やはり高倍率延伸が困難となることが
ある。
が、通常の一軸延伸方法、特にロール延伸法が用いられ
る。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に
延伸すべき原反を挟み、これを加熱しつつ引っ張る方法
であり、一軸延伸方向のみに強く分子配向させることが
できる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率と
なる。
法のみでは円滑な延伸が困難となることがあり、そのよ
うな場合には、ロール延伸に先立ちロール圧延処理を行
ってもよい。ロール圧延処理は、一対の反対方向に回転
する圧延ロール間に、該圧延ロール間の間隔よりも厚い
延伸原反を挿入し、原反の厚みを減少させると同時に長
さ方向に伸長させることにより行われる。ロール圧延処
理が施されたシートは、予め配向処理されているので、
次のロール延伸により、一軸方向に円滑に延伸される。
現するには、シートの予熱温度、ロール温度および/ま
たは雰囲気温度を調節すればよい。
耐熱性を高めるために、あるいは、最終的なポリオレフ
ィン成形体の耐熱性や耐クリープ性を高めるために、架
橋処理されてもよい。架橋は、電子線照射あるいは紫外
線照射によって行い得る。
延伸シートの組成および厚みによっても異なるが、通
常、1〜20Mrad、好ましくは3〜10Mradと
される。また、電子線照射により架橋する場合、架橋助
剤をポリオレフィン延伸シートに加えておけば、架橋が
円滑に進行する。
/cm2 、好ましくは100〜500mW/cm2 と
される。紫外線照射により架橋をする場合には、光重合
開始剤や架橋助剤を加えておけば、架橋を容易に行うこ
とができる。
分率が50〜90%程度であるのが好ましい。
レフィン系樹脂発泡体シートに積層する方法は特に限定
されず、接着剤による接着、加熱による熱融着等が挙げ
られるが、熱融着が好適に用いられる。
レフィン系樹脂発泡体シートを熱融着させる際、表面処
理を施したりプライマー等を用いても構わない。両者の
間に、ポリオレフィン系樹脂延伸シートが熱変形する温
度以下の融点を持つポリオレフィン系樹脂フィルム等を
介在させる方法が好適に用いられる。
積層方向は特に限定されないが、延伸された方向の機械
的物性が特に向上するので、使用する用途に応じ、同シ
ートを一方向あるいは二方向(直交またはそれ以外の角
度)等に積層するのが好ましい。さらに積層するシート
の枚数、厚みも目的の機械的物性等に応じて適宜決定さ
れる。
使用するポリオレフィン系樹脂延伸シートによって異な
るため、一義的には定め得ないが、通常、0.1〜5k
g/cm2 の範囲の圧力、およびポリオレフィン系樹
脂の融点以下の温度が好ましい。圧力が上記範囲外であ
ると、成形中に積層体の形状が乱れる恐れがあり、また
接着に際しての加熱温度がポリオレフィンの融点を超え
ると、成形中に収縮等により積層体の形状が乱れる可能
性があり、かつ線膨張係数にも悪影響を与えることがあ
る。
い形態は、請求項1記載のコンクリート型枠において、
両表層が、無機繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂
シートであるものである。
は、曲げ弾性率が3.5GPa以上、曲げ強度が120
MPa以上の何れかを満足することが好ましい。
性の高い上記発泡体シートを芯材としてこれをサンドイ
ッチしてなる山層積層体では、曲げ剛性や曲げ強度が飛
躍的に向上する。
リート打設時にコンクリート側圧によって変形する。一
般に型枠パネルの変形は、仮設補強部材の局部圧縮変形
の他に、パネルの長さ中間部の曲げ応力によるタワミが
原因である。
て考えることができ、そのタワミは単純梁の場合の約1
/2に、またその応力は単純梁の場合の約1/3に見積
もることができる。即ち、仮設補強部材の間隔によって
発生するタワミが異なるため、パネルの機械的物性は一
義的には定まらない。しかし上記の性能を一つでも満足
すれば実用上問題はない。
いは炭素繊維であるが、これと同等の性能を確保できる
ものであればよい。コスト面から有利なものはガラス繊
維であり、特に長繊維のものが機械的物性を確保できる
ので好ましい。繊維の太さ、長さ、充填量、さらには繊
維の配置、表面処理等は、無機繊維を含むべき樹脂シー
トの機械的物性と成形性によって適宜決定してよい。
量%である。この充填量が少な過ぎると弾性率と釘の保
持力が不足しがちであり、多すぎると型枠としての加工
性と表面性が悪くなることがある。
られるポリオレフィン系樹脂は、前述のポリオレフィン
系樹脂発泡体シートに用いられるポリオレフィン系樹脂
と同じであってよく、特に強度、弾性率、耐熱性の観点
から有利なのはポリプロピレンである。
さらなる向上を目的として、炭酸カルシウムやタルクな
どの無機フィラーを含ませてもよい。
ガラス不織布をポリプロピレンシートでサンドイッチし
てなる三層積層体を、加熱の後、圧縮成形する。この多
層樹脂シートは、両表層がポリプロピレンで構成されて
いるため表面性に優れる。また五層、七層の積層体も有
効である。
のポリオレフィン系樹脂から成る繊維が混合されている
ものは特に強度の向上に寄与することが認められる。
をポリオレフィン系樹脂発泡体シートに積層し接合する
方法としては、接着剤による接着、加熱による熱融着等
が挙げられるが、やはり熱融着が好ましい。両者を熱融
着させる際、表面処理を施したりプライマー等を用いて
も構わない。
用いる場合、予備加熱の後、圧縮成形機の型内部で、多
層樹脂シートの成形と、同シートと発泡体シートの熱融
着とを同時に行うことができる。
ましい形態は、図3に示すように、請求項1記載のコン
クリート型枠を構成する複合シート(5) において、芯材
(2)と両表層(3) との間にそれぞれ薄い繊維成形シート
(4) が介在されているものである。
り、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの厚みに対して
10%程度の厚みを意味する。
ばポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリカーボネー
ト、アクリル、ポリオレフィン等の合成樹脂からなる繊
維や天然繊維を用いた織布や不織布や寒冷紗、またガラ
ス繊維や炭素繊維などの無機繊維からなるシート等を選
ぶことができる。
の方法は特に限定されないが、発泡体シートの製造に際
して、発泡前あるいは発泡と同時、または冷却固化時
に、発泡体シートとこれの両面に配した繊維成形シート
とのサンドイッチ体に適切な圧力を加えてこれらを圧着
積層する方法がエネルギー的に有利である。
ことで、発泡体シートの曲げ剛性が自由にコントロール
できるほか、樹脂シートを接合するに際して、熱融着の
場合にはアンカー効果が働き、また接着剤を用いる場合
には化学的極性が付与され、いずれも強固な接着を達成
することが可能となる。
を構成するポリオレフィン系樹脂発泡体シートの気泡形
状は、シート厚み方向の圧縮力に対して、紡錘形の気泡
の長軸方向に力がかかることになるので、高い圧縮強度
を示す。
が圧縮強度の高い発泡体シートで、両表層が引っ張り剛
性の高い樹脂シートで構成されているので、型枠は軽量
でありながら圧縮と曲げ方向の剛性に優れ、実質的にリ
ブ等による補強の不要なものである。
フィン系樹脂からなり、その気泡は独立気泡であるの
で、高い断熱性を有し、保温性に優れている。したがっ
て、本発明による型枠は、これを用いるとコンクリート
の養生時間が短縮され、しかも耐衝撃性、耐薬品性、耐
水性に優れている。
が確保されるので、コンクリート固化後の型枠の離型性
が改善され、付着コンクリート片の除去作業時間が短縮
される。
たは無機繊維強化ポリオレフィン系樹脂シートである場
合には、さらに機械的物性が向上し、しかも釘の保持力
も高くなる。
ートは、ポリオレフィン系樹脂を主体としているので、
リサイクル性や焼却廃棄性に優れている。
的に説明する。
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜6バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
ず、ポリオレフィン系樹脂を後端ホッパーから押出機内
に投入し、第3バレルから変性用モノマーと有機過酸化
物の混合物を押出機内に注入し、これらを溶融混和して
変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分
は真空ベントにより真空引きした。
ンダム共重合体(三菱化学製「ノバテックPP EG
7」、MI;1.7g/10分、密度;0.9g/cm
3 )であり、その供給量は100kg/hとした。変
性用モノマーはトリメチルプロパントリメチルアクリレ
ートであり、その供給量は1200g/hとした。
溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイ
から吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹
脂のペレットを得た。
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成形ダイは出口幅700mmのTダイである。
mm、幅1000mmの3本の冷却ロールからなる冷却
装置(積水工機社製)を発泡剤混練用スクリュー押出機
の下流に設けた。
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。
0kg/hの供給量で、発泡剤混練用スクリュー押出機
に供給した。また、同押出機にそのサイドフィーダーか
ら発泡剤を供給した。発泡剤はアゾジカルボンミド(A
DCA)であり、その供給量は6.0kg/hとした。
こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって発泡性樹脂組
成物を得た。
調製 この発泡性樹脂組成物をTダイから押し出し、幅350
mm×厚み0.5mmのポリオレフィン系樹脂発泡性シ
ートを得た。
の3本の冷却ロールに通した。その際に、発泡性樹脂組
成物シートの表裏両面に、ポリエチレンテレフタレート
製の不織布(東洋紡績社製、「スパンポンド エクーレ
6301A」、秤量30g/m2 )を積層し、プレ
ス成形機を用いて温度180℃、圧力19.6MPa
(200kgf/cm2 )でプレス成形を行い、厚さ
0.6mmの連続の発泡性複合シートを得た。
なる、全長6mのダブルベルト式発泡機(共和エンジニ
アリング社製)を用意した。同発泡機の予熱ゾーンおよ
び発泡ゾーンにはそれぞれ2インチの搬送ロール、そし
て冷却ゾーンには4インチの冷却水循環式ロールが設け
られている。
0℃、冷却ロールの表面温度を25℃にそれぞれ設定
し、原反シートである上記発泡性複合シートを上記発泡
機に供給した。
よって予熱ゾーンおよび発泡ゾーンでの滞留時間は合計
8分、冷却ゾーンのそれは4分に設定した。冷却ゾーン
の上下冷却ロールの間隙を8mmに設定した。
連続の複合シートを回収した。
ポリオレフィン系樹脂の調製、(2) 発泡性樹脂組成物の
調製、(3) ポリオレフィン系樹脂発泡性シートの調製、
(4) 発泡性複合シートの調製、(5) 発泡の各工程を経て
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得た。
製 1)押出シートの調製 高密度ポリエチレン(商品名:HY540、三菱化学社
製、MI=1.0、融点133℃、重量平均分子量30
万)100重量部に対して、ベンゾフェノン(光重合開
始剤)1重量部を配合し、この配合物を30mm二軸押
出機にて樹脂温度200℃で溶融混練し、Tダイにてシ
ート状に押出し、冷却ロールにて冷却し、厚み1.0m
m、幅400mmの未延伸シートを得た。
インチロール(小平製作所製)を用いて圧延倍率10倍
にロール圧延し、その後、得られた圧延シートを繰り出
し速度2m/分のロールで繰り出し、雰囲気温度85℃
に設定された加熱炉を通して、引き取り速度4m/分の
ロールで引き取り、4倍にロール延伸し、巻き取った。
ついで、得られたシートに両面より高圧水銀灯を5秒間
照射して架橋処理を施した。最後に、得られたシートに
無張力下にて130℃で1分間の緩和処理を施した。
200mm、厚み0.40mmのサイズを有していた。
このシートの総延伸倍率は約20倍であり、20℃と8
0℃の2水準で約150mmの標線間距離を測定するこ
とで求めた線膨張係数は、−1.5×10-5であった。
この延伸シートの融点[DSC(示差走査熱量計)にお
けるピーク温度]は149℃であり、引張弾性率は12
GMPaであった。なお、サンプルの引張弾性率および
線膨張係数は、いずれもJIS K 7113の引張試
験方法に準じて測定した。
200mm×長さ200mmのサンプルを切り出した。
フィルム(厚み30μm、三菱化学社製、UF230)
(7) と、同じ寸法の上記延伸シート(6) を、図4に示す
ように、各4枚ずつ交互に重ねて、フィルム−シート積
層体(8) を得た。両面に繊維成形シート(9) を積層した
発泡体シートからなる芯層(2) の両側に上記積層体(8)
をそれぞれ配し、3種9層の積層品を得た。ハンドプレ
ス成形機において、温度125℃、圧力98kPa(1
kgf/cm2 )にて2分間プレス成形を行い、その
後水冷プレス(圧力98kPa)で水冷を行い、厚み5
mmの複合シート(10)を得た。
した。その結果を表1にまとめて示す。
づき、見かけ密度を測定した。
ーで削り取った後、JIS K6767に従い発泡体の
発泡倍率を測定した。
ートを厚み方向(z方向)にカットし、断面の中央部を
光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真を撮った。写
真に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測り、
気泡毎にアスペクト比を算出し、気泡100個分のアス
ペクト比の個数平均を算出し、平均アスペクト比とし
た。ただし測定中、Dz(実際の径)が0.05mm以
下の気泡、および10mm以上の気泡は除外した。
ト比は、2.2であつた。
inで測定し、曲げ弾性率を算出したところ、8.1G
Paであった。
inで測定したときの、歪み5%における圧縮応力を読
みとったところ、0.95MPaであった。
測定することで求めたところ、−1.2×10-5/℃で
あった。
L型)によって任意に切断したところ、微粉、粉塵等
は発生しなかった。
とおり構成されているので、つぎの効果を奏する。
縮と曲げ方向の剛性に優れ、実質的にリブ等のよる補強
が不要である。
クリートの養生時間が短縮でき、しかも耐衝撃性、耐薬
品性、耐水性に優れている。
され、付着コンクリート片の除去作業時間が短縮でき
る。
釘保持力と加工性を具備し、木製型枠との互換性が高く
これと併用できる。
廃棄性に優れ、環境にやさしい。
(B) は図1(A) 中のz方向に平行な断面の一部の拡大概
略図である。
を示す概略図である。
積層構成を示す概略図である。
の例の積層構成を示す概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂発泡体シートから
なる芯層に、これをサンドイッチする熱可塑性樹脂シー
トからなる両表層が積層されてなる複合シートで構成さ
れ、密度が0.05〜0.5g/ccであり、芯層に内
在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.
1〜5.0であることを特徴とするプラスチック製コン
クリート型枠。 - 【請求項2】 表層がポリオレフィン系樹脂延伸シート
または無機繊維強化ポリオレフィン系樹脂シートである
ことを特徴とする、請求項1記載のプラスチック製コン
クリート型枠。 - 【請求項3】 芯材と表層の間に薄い繊維成形シートが
介在されていることを特徴とする、請求項1または2記
載のプラスチック製コンクリート型枠。
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