JP2003048288A - 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳 - Google Patents

複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳

Info

Publication number
JP2003048288A
JP2003048288A JP2001237984A JP2001237984A JP2003048288A JP 2003048288 A JP2003048288 A JP 2003048288A JP 2001237984 A JP2001237984 A JP 2001237984A JP 2001237984 A JP2001237984 A JP 2001237984A JP 2003048288 A JP2003048288 A JP 2003048288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
foam
tatami
resin
polyolefin resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001237984A
Other languages
English (en)
Inventor
Masabumi Ishiyama
正文 石山
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Masashi Okabe
優志 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2001237984A priority Critical patent/JP2003048288A/ja
Publication of JP2003048288A publication Critical patent/JP2003048288A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維等の無機繊維を用いることなく、
樹脂のみを用いて、圧縮強度、曲げ強度、耐クリーブ
性、弾性回復力等の機械的物性に優れると共に、反りや
へたり現象を起こし難く、多少変形を与えても弾性的に
元の形状に復元して平面性を維持し、寸法安定性に優
れ、且つ軽量で、人体や環境に対して好ましくない影響
を及ぼすことのほとんど無い複合発泡体、同発泡体から
なる畳芯材およびこれを用いて構成される薄畳を提供す
る。 【解決手段】 内在するセルのアスペクト比Dz/Dx
yの平均値が1.1〜4.0であり、かつ発泡倍率が3
〜20倍であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少
なくとも片面に、5〜20倍に延伸された厚み100〜
2000μmのポリオレフィン系樹脂シートが積層され
てなり、曲げ弾性限界の歪みが0.2%以上である複合
発泡体1 を畳芯材として用いる薄畳である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合発泡体、同発
泡体からなる畳芯材およびこれを用いて構成される薄畳
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の住宅設計分野においては、和洋折
衷型住宅として和室と洋室との間に段差のない所謂バリ
アフリータイプの住宅が注目されている。しかし、和室
に用いる従来の畳(厚畳)は55mm程度の厚みを有し
ているため、5〜20mm程度の厚みが主流の洋室用床
材を用いる洋室と和室との間の段差をなくすためには、
和室の大引きを下げたり、洋室の床下地の嵩を上げたり
等の施工上の対策を施す必要があり、施工作業が非常に
煩雑になるという問題点がある。
【0003】上記問題点に対応するため、従来の厚畳に
代替して、最近では厚みが7〜30mm程度の薄畳が上
市されており、この薄畳は施工が容易であると共に、和
室と洋室との変換も容易に行えるという利点を有する。
【0004】このような薄畳用の畳芯材として、例え
ば、特開平10−311131号公報には、「全厚7〜
25mmの畳に用いられる畳床構成材において、該畳床
構成材は、ポリスチレン系樹脂発泡体のような合成樹脂
板状発泡体とガラス繊維強化ポリオレフィン系樹脂シー
トのような繊維強化樹脂シートとを接着一体化してなる
厚み4〜20mmのものであり、且つ、曲げ弾性率が6
000kgf/cm2以上であることを特徴とする畳床
構成材」が開示されている。
【0005】上記開示にある畳床構成材(畳芯材)は、
ガラス繊維強化樹脂シートを用いて発泡体の熱収縮を抑
制し、温度変化による寸法変化を小さくしているという
利点を有し、また、曲げ弾性率を高くすることによっ
て、薄畳特有の“反り”が生じないという利点を有す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記畳床構成
材はガラス繊維を用いるので、これが芯材の切断加工時
に空中に浮遊して作業者に対して好ましくない影響を及
ぼしたり、浮遊したガラス繊維が畳表に付着した常態で
部屋内に持ち込まれ、居住者に対しても好ましくない影
響を及ぼす等の問題点を有する。
【0007】また、上記畳床構成材はガラス繊維とポリ
オレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂発泡体から
なる複合体であるので、近年重要視されている環境負荷
に関しても、リサイクルや焼却が困難であり、環境負荷
が大きいという問題点を有する。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の諸問題に
鑑み、ガラス繊維等の無機繊維を用いることなく、樹脂
のみを用いて、圧縮強度、曲げ強度、耐クリーブ性、弾
性回復力等の機械的物性に優れると共に、反りやへたり
現象を起こし難く、多少変形を与えても弾性的に元の形
状に復元して平面性を維持し、寸法安定性に優れ、且つ
軽量で、人体や環境に対して好ましくない影響を及ぼす
ことのほとんど無い複合発泡体、同発泡体からなる畳芯
材およびこれを用いて構成される薄畳を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による複合発泡体
は、上記の目的を達成すべく工夫されたものであり、樹
脂発泡体シートの少なくとも片面にポリオレフィン系樹
脂シートが積層されてなり、曲げ弾性限界の歪みが0.
2%以上であるものである。
【0010】樹脂発泡体は好ましくはポリオレフィン系
樹脂発泡体である。
【0011】本発明による複合発泡体の好ましい形態
は、内在するセルのアスペクト比Dz/Dxyの平均値
が1.1〜4.0であり、かつ発泡倍率が3〜20倍で
あるポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少なくとも片
面に、5〜20倍に延伸された厚み100〜2000μ
mのポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、曲
げ弾性限界の歪みが0.2%以上である複合発泡体であ
る。
【0012】本発明により、上記構成の複合発泡体から
なる畳芯材が提供され、さらに上記畳芯材の上面にクッ
ション材が、裏面に裏打ち材がそれぞれ配されて畳床が
構成され、この畳床に畳表が逢着されてなる薄畳が提供
される。
【0013】始めに、本明細書で用いる用語を説明す
る。
【0014】本明細書全体を通して、発泡倍率が3〜2
0倍である樹脂発泡体シートを、「発泡体シート」と略
称し、5〜20倍に延伸された厚み100〜2000μ
mのポリオレフィン系樹脂シートを、「延伸シート」と
略記する。
【0015】まず、発泡体シートについて説明をする。
【0016】発泡体シートを構成する樹脂は熱可塑性樹
脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂の例とし
て、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメタ
クリル酸メチル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(略号PE
T)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂などがある。また熱硬化性樹脂とし
ては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂などがある。
【0017】中でも、圧縮強度、耐クリープ性および弾
性回復率が強く、薄畳を長年使用しても厚みが薄くなら
ず(いわゆる“へたり現象”が起きず)、リサイクルも
可能であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートが好適に
用いられる。
【0018】発泡体シートの作製に用いられるポリオレ
フィン系樹脂は、オレフィン系モノマーの単独重合体も
しくは共重合体であればよく、特に限定されるものでは
ないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー、
プロピレンブロックポリマー等のポリプロピレン、ポリ
ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共
重合体などが好適に用いられるが、なかでもポリエチレ
ンやポリプロピレンが特に好適に用いられる。これらの
ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0019】また、上記ポリオレフィン系樹脂は、ポリ
オレフィン系樹脂に対し30重量%未満の他の樹脂が添
加されているポリオレフィン系樹脂組成物であっても良
い。上記他の樹脂としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、ポリスチレンやスチレン系エラストマー
等が挙げられる。これらの他の樹脂は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0020】ポリオレフィン系樹脂に対する他の樹脂の
添加量が30重量%以上であると、軽量、耐薬品性、柔
軟性、弾性等のポリオレフィン系樹脂が有する優れた特
性が阻害されることがあり、また、発泡時に必要な溶融
粘度を確保することが困難となることがある。
【0021】さらに、上記ポリオレフィン系樹脂は、変
性用モノマーが添加されているポリオレフィン系樹脂組
成物であっても良い。上記変性用モノマーとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、ジオキシム化合
物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル
系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマ
ー、キノン化合物等が挙げられる。これらの変性用モノ
マーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用
されても良い。
【0022】つぎに、発泡体シートについて説明をす
る。
【0023】本発明の好適な実施形態で用いられるポリ
オレフィン系樹脂発泡体シートは、内在するセルのアス
ペクト比(Dz/Dxy)の平均値が1.1〜4.0、
好ましくは1.3〜2.5であり、発泡倍率が3〜20
倍であることを特徴とし、その結果、圧縮弾性率が5M
Paと飛躍的に高められる。
【0024】図1(a) は発泡体シートを示す斜視図であ
り、図1(b) は図1(a) 中のA部の拡大図である。上記
アスペクト比(Dz/Dxy)の平均値とは、図1に示
す発泡体シート(1) 内部のセル(3) における定方向最大
径の比の個数(算術)平均値を意味し、以下の方法で測
定される。
【0025】アスペクト比(Dz/Dxy)の平均値の
測定方法:発泡体シート(1) のシート厚み方向(z方向
と呼ぶ)に平行な任意の断面(2)の10倍の拡大写真を
撮り、無作為に選ばれた少なくとも50個のセル(3) の
定方向最大径を下記2方向で測定し、各アスペクト比
(Dz/Dxy)の個数(算術)平均値を算出する。
【0026】Dz:発泡体シート(1) 中のセル(3) のZ
方向に平行な最大径 Dxy:発泡体シート(1) 中のセル(3) のシート幅方向
またはシート長さ方向、即ち、z方向に垂直な面方向
(xy方向と呼ぶ)に平行な最大径
【0027】上記アスペクト比(Dz/Dxy)の平均
値を1.1〜4.0(好ましくは1.3〜2.5)とす
ることにより、発泡体シート(1) 中のセル(3) は発泡体
シート(1) の厚み方向に長軸を有する紡錘形のセル(3)
となる。従って、発泡体シート(1) が厚み方向に圧縮力
を受けた場合、圧縮力は紡錘形のセル(3) の長軸方向に
負荷されることになるので、発泡体シート(1) は厚み方
向に高い圧縮強度(圧縮弾性率)を発現し得るものとな
る。
【0028】上記アスペクト比(Dz/Dxy)の平均
値が1.1未満であると、セル(3)の形状がほぼ球形と
なって、上記紡錘形のセル(3) に起因する圧縮強度(圧
縮弾性率)向上効果が十分に得られないので、耐クリー
プ性や弾性回復力が乏しくなったり、へたり現象が発生
して、発泡体シート(1) と後述するポリオレフィン系樹
脂延伸シートとから成る複合発泡体を畳芯材として用い
た場合、畳の歩行感が悪くなる。逆に上記アスペクト比
(Dz/Dxy)の平均値が4.0を超えると、発泡体
シート(1) の圧縮強度(圧縮弾性率)が高くなり過ぎ
て、振動吸収性が低下したり、歪みに対して高い応力が
必要となるため、このような発泡体シート(1) を畳芯材
とする畳の上を歩いたり、畳の上に座った時に痛い感触
を覚えることになる。
【0029】また、発泡体シート(1) 内部のセル(3) の
Dxyの平均値は、特に限定されるものではないが、好
ましくは500μm以上、より好ましくは800μm以
上である。
【0030】一般的に、セル径が小さいとセル壁の厚み
が薄くなって発泡体シートが座屈を生じ易くなるため、
発泡体シート(1) 上に重量物を置いた場合、へたり現象
や凹み等が発生し易くなるが、発泡体シート(1) 内部の
セル(3) のDxyの平均値を500μm以上とすること
により、上記座屈に起因するへたり現象や凹み等の発生
を効果的に抑制することができる。
【0031】本発明による複合発泡体の発泡体シートを
規定する発泡倍率は3〜20倍である。この発泡倍率は
以下の方法で測定される。
【0032】発泡倍率の測定方法;発泡体シートよりシ
ート状の試料をカッターで切り出した後、JIS K−
6767「ポリエチレンフォーム試験方法」に準拠し
て、見かけ密度を測定し、その逆数を発泡倍率とする。
【0033】発泡体シートの発泡倍率が3倍未満である
と、圧縮強度(圧縮弾性率)が高くなり過ぎたり、製品
がコスト高となって実用性が低下し、逆に発泡体シート
の発泡倍率が20倍を超えると、セル壁の厚みが薄くな
って、圧縮強度(圧縮弾性率)が不十分となる。
【0034】つぎに、発泡体シートの製法について、説
明をする。
【0035】上記のような紡錘形のセルを持つ発泡体シ
ートを製造するには、特に限定されないが、リサイクル
性、生産性の観点から以下の方法が好適に用いられる。
【0036】一般に、ポリオレフィン系樹脂組成物から
成る発泡体は、化学発泡法によって得られる発泡体と物
理発泡法によって得られる発泡体とに大別される。本発
明においては上記いずれの発泡体であっても良いが、発
泡操作の容易な化学発泡法によって得られる発泡体が好
ましい。
【0037】化学発泡法による発泡体シートは、加熱に
より分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を予めポリ
オレフィン系樹脂組成物中に分散させておき、同組成物
を一旦シート状の発泡性原反に賦形した後、加熱して上
記発泡剤より発生するガスによりポリオレフィン系樹脂
組成物を発泡させる方法で製造され得る。
【0038】上記熱分解型化学発泡剤としては、特に限
定されるものではないが、例えば、アゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニル
ヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)等が好適に用いられるが、なかでもADC
Aがより好ましい。これらの熱分解型化学発泡剤は、単
独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0039】物理発泡法による発泡体シートは、高圧下
でポリオレフィン系樹脂組成物中に物理発泡剤を一旦溶
解し、同組成物を常圧下に戻したときに発生するガスに
よりポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させる方法で製
造され得る。
【0040】上記物理発泡剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、水、二酸化炭素、窒素、有機
溶剤などが好適に用いられる。これらの物理発泡剤は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
【0041】発泡体シートを製造するより具体的な方法
は下記の通りである。主成分としてのポリオレフィン系
樹脂と前述した変性用モノマーや他の樹脂とを溶融混練
して得られる変性ポリオレフィン系樹脂組成物100重
量部に、上記熱分解型化学発泡剤2〜20重量部を添加
分散させ、同組成物を一旦シート状に賦形して発泡性シ
ートを作製した後、この発泡性シートを熱分解型化学発
泡剤の分解温度以上の温度まで加熱して発泡させる方法
を採ることにより、所望の発泡体シートを成形すること
ができる。
【0042】ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーで
変性することにより、賦形された発泡性シートは、架橋
度が低いにも拘らず、常圧で発泡し得るものとなる。
尚、ここで言う架橋度とはゲル分率を意味し、架橋度が
低いとはゲル分率が25重量%以下であることを言う。
上記ゲル分率は、試料の初期重量に対する、試料を12
0℃の熱キシレン中で24時間溶解させた後の未溶解分
(ゲル分)の乾燥重量の百分率で求められる。
【0043】上記発泡性シートは、電子線で架橋させた
架橋シートや熱分解型化学架橋剤で架橋させた架橋シー
トに比較して、架橋度(ゲル分率)が低く且つ常圧で加
熱発泡するため、発泡体のセルが上記架橋シートから得
られる発泡体のセルに比べて大きくなり、セル壁が厚く
なる。従って、圧縮強度や耐座屈性等の機械的物性に優
れる発泡体シートとなり、畳芯材として好適なものとな
る。
【0044】また、発泡体シートは、架橋度が小さいこ
とから、加熱することで再溶融が可能であり、リサイク
ル性に富むものである。このことにより、材料の再利
用、転用が可能となる。
【0045】発泡性シートの賦形方法は、特に限定され
るものではなく、押出成形法、プレス成形法、ブロー成
形法、カレンダリング成形法、射出成形法等のプラスチ
ックの成形加工で一般的に行われている成形方法のいず
れであっても良いが、なかでも例えばスクリュー押出機
より吐出されるポリオレフィン系樹脂組成物を直接シー
ト状に賦形する押出成形法が生産性に優れていることか
ら好ましい。この方法により、一定寸法幅の連続した発
泡性シートを得ることができる。
【0046】上記発泡性シートから化学発泡法によって
発泡体シートを作製する方法は、通常、熱分解型化学発
泡剤の分解温度以上の温度からポリオレフィン系樹脂の
熱分解温度未満の温度までの温度範囲で行われる。
【0047】上記発泡は連続式発泡装置を用いて行われ
ることが好ましい。連続式発泡装置を用いて発泡を行う
方法としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、加熱炉の出口側で発泡体シートを引取りながら連続
的に発泡性シートを発泡させる引取り式発泡機、ベルト
式発泡機、縦型もしくは横型発泡炉、熱風恒温槽等を用
いて発泡を行う方法や、オイルバス、メタルバス、ソル
トバス等の熱浴中で発泡を行う方法等が挙げられる。
【0048】こうして得られる発泡体シートの前記アス
ペクト比(Dz/Dxy)の平均値を1.1〜4.0と
する方法としては、特に限定されるものではないが、例
えば、発泡中の発泡性シートの面内方向(xy方向)の
発泡力を抑制し得る強度を有する面材を発泡前の発泡性
シートの少なくとも片面に積層する方法が好ましい。
【0049】発泡前の発泡性シートの少なくとも片面に
上記面材を積層することにより、発泡時における発泡性
シートの面内の二次元方向(xy方向)の発泡を抑制
し、厚み方向(z方向)にのみ発泡させることが可能と
なって、得られる発泡体シート内部のセルは厚み方向に
その長軸を配向した紡錘形のセルとなる。
【0050】上記面材は、発泡性シートの発泡温度以上
の温度、即ちポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度お
よび熱分解型化学発泡剤の分解温度以上の温度に耐え得
るものであれば良く、特に限定されるものではないが、
例えば、紙、布、木材、鉄、非鉄金属、有機繊維や無機
繊維から成る織布や不織布、寒冷紗、ガラス繊維、炭素
繊維、後述するポリオレフィン系樹脂延伸シート等が好
適に用いられる。また、例えばテフロン(登録商標)シ
ートのような離型性を有するシートを面材として用い、
発泡性シートを厚み方向に発泡させた後、上記離型性シ
ートを剥離して、発泡体シートを得ても良い。
【0051】ただし、ポリオレフィン系樹脂以外の材料
からなる面材を用いるときは、リサイクル性の観点よ
り、その使用量は最小限度に留めることが好ましい。
【0052】上記面材のなかでも、ポリオレフィン系樹
脂延伸シートを積層する際の投錨効果(アンカー効果)
に優れ、人体や環境に対して好ましくない影響を及ぼす
ことの殆どない不織布や寒冷紗がより好適に用いられ
る。
【0053】発泡体シートは5MPa以上の圧縮弾性率
を有することが好ましい。圧縮弾性率とは、JIS K
7220に基づいてシートをその長さ方向に速度1m
m/分で圧縮して測定した数値である。圧縮弾性率が5
MPaより小さいと、複合発泡体において、所望の曲げ
剛性を得ることができない。圧縮弾性率はより好ましく
は8MPa以上である。
【0054】つぎに、延伸シートについて、説明をす
る。
【0055】本発明で用いられる延伸シートの作製に用
いられるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエ
チレン、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダム
ポリマー、プロピレンブロックポリマー等のポリプロピ
レン等が挙げられ、なかでも、延伸後の弾性率を考慮す
ると、理論弾性率の高いポリエチレンがより好適に用い
られ、結晶性の高い高密度ポリエチレンが最も好適に用
いられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】延伸シート作製用のポリオレフィン系樹脂
の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、
10万〜50万であることが好ましい。ポリオレフィン
系樹脂の重量平均分子量が10万未満であると、ポリオ
レフィン系樹脂自体が脆くなるため、延伸性が損なわれ
ることがあり、逆にポリオレフィン系樹脂の重量平均分
子量が50万を超えると、延伸性が悪くなって、延伸シ
ートの成形が困難となったり、高倍率の延伸が困難とな
ることがある。
【0057】上記重量平均分子量の測定方法としては、
加温した例えばo−ジクロルベンゼンのような有機溶剤
にポリオレフィン系樹脂を溶解した後、カラムに注入
し、溶出時間を測定する所謂ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー法(高温GPC法)が一般的であり、上
記重量平均分子量もo−ジクロルベンゼンを有機溶剤と
して用いた上記高温GPC法により測定した値である。
【0058】延伸シート作製用のポリオレフィン系樹脂
のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されるも
のではないが、0.1〜20g/10分であることが好
ましい。ポリオレフィン系樹脂のMFRが0.1g/1
0分未満であるか、20g/10分を超えると、高倍率
の延伸が困難となることがある。尚、上記MFRは、J
IS K−7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験
方法」に準拠して測定される。
【0059】延伸シート作製用のポリオレフィン系樹脂
としては、重量平均分子量が10万〜50万であり、且
つ、MFRが0.1〜20g/10分である高密度ポリ
エチレンが特に好適に用いられる。
【0060】また、延伸シート内部には、本発明の課題
達成を阻害しない範囲で必要に応じて、主成分であるポ
リオレフィン系樹脂以外に、架橋助剤や光ラジカル重合
開始剤等が添加されていても良い。
【0061】架橋助剤としては、例えば、トリアリルシ
アヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ジアリルフタレート等の多官能モノマーが挙げら
れ、また、光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベ
ンゾフェノン、チオキサントン、アセトフェノンなどが
挙げられる。これらの架橋助剤や光ラジカル重合開始剤
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
【0062】上記架橋助剤や光ラジカル重合開始剤の添
加量は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対し、架橋助剤や光ラジカル重
合開始剤1〜2重量部であることが好ましい。ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対する架橋助剤や光ラジカ
ル重合開始剤の添加量が1重量部未満であると、ポリオ
レフィン系樹脂の架橋や光ラジカル重合が速やかに進行
しないことがあり、逆にポリオレフィン系樹脂100重
量部に対する架橋助剤や光ラジカル重合開始剤の添加量
が2重量部を超えると、高倍率の延伸が困難となること
がある。
【0063】延伸シートの作製方法は、特に限定される
ものではなく、例えば、主成分としてのポリオレフィン
系樹脂と必要に応じて添加される上記架橋助剤や光ラジ
カル重合開始剤とから成るポリオレフィン系樹脂組成物
を押出機等により溶融混練して可塑化させた後、溶融物
をTダイを通してシート状に押出し、冷却して、ポリオ
レフィン系樹脂の延伸前シート(延伸原反)を先ず作製
する。
【0064】上記延伸前シートの厚みは、特に限定され
るものではないが、0.5〜10mmであることが好ま
しい。延伸前シートの厚みが0.5mm未満であると、
これに延伸処理を施して得られる延伸シートの厚みが薄
くなり過ぎて、強度が不十分となり、取扱い性が損なわ
れることがあり、逆に延伸前シートの厚みが10mmを
超えると、延伸処理が困難となることがある。
【0065】次いで、上記延伸前シートに延伸処理を施
すことにより延伸シートが作製される。
【0066】上記延伸処理を施す際の延伸方向は限定さ
れないが、引張弾性率の大幅な向上を得るには、一方向
への延伸が好ましい。
【0067】上記延伸処理を施す際の延伸倍率は、好ま
しくは5〜20倍、より好ましくは一方向に5倍〜15
倍、さらに好ましくは5倍〜10倍である。延伸倍率が
小さ過ぎると、ポリオレフィン系樹脂の種類の如何に関
係なく、後述する平均線膨張率が小さくならず、目的の
複合発泡体において、寸法安定性が得られない。また、
延伸倍率が大き過ぎると、目的の複合発泡体において、
曲げ弾性限界の歪みが0.2%未満となってしまい、こ
れを畳芯材としたときに、塑性変形による反りを生じる
ことがある。延伸倍率が10倍未満であると、曲げ弾性
限界歪みが飛躍的に大きくなり、大きな変形を与えて
も、元の形状に復元しやすくなる。
【0068】また、延伸処理を施す際の延伸温度は、特
に限定されるものではないが、85〜120℃であるこ
とが好ましい。上記延伸温度が85℃未満であると、延
伸シートが白化し易くなったり、高倍率の延伸が困難と
なることがあり、逆に延伸温度が120℃を超えると、
延伸前シートが切れ易くなったり、高倍率の延伸が困難
となることがある。
【0069】延伸方法についても、特に限定されるもの
ではなく、通常の一軸延伸方法で良いが、特にロール延
伸方法が好適に採用される。
【0070】上記ロール延伸方法とは、速度の異なる二
対の延伸ロール間に延伸前シートを挟み、延伸前シート
を加熱しながら引っ張る方法であり、一軸延伸方向のみ
に強く分子配向させることができる。この場合、二対の
延伸ロールの速度比が延伸倍率となる。
【0071】延伸前シートの厚みが比較的厚い場合、ロ
ール延伸方法のみでは円滑な延伸を行うのが困難となる
ことがあるが、このような場合には、ロール延伸に先立
ってロール圧延処理を施してもよい。
【0072】上記ロール圧延処理は、一対の反対方向に
回転する圧延ロール間に該圧延ロール間の間隔より厚い
延伸前シートを挿入し、延伸前シートの厚みを減少させ
ると共に長さ方向に伸長させることにより行われる。上
記ロール圧延処理が施された延伸前シートは、予め一軸
方向に配向処理されているので、次工程のロール延伸に
より、一軸方向に円滑に延伸される。
【0073】上記延伸工程において、延伸温度を好まし
い範囲(85〜120℃)とするためには、延伸前シー
トの予熱温度、延伸ロールの温度、雰囲気温度等を適宜
調節すれば良い。
【0074】こうして得られる延伸シートに対して、耐
熱性を高めるために或いは最終的に得られる複合発泡体
の耐熱性や耐クリープ性を高めるために、架橋処理を施
しても良い。
【0075】上記架橋処理は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、電子線照射や紫外線照射によって行い
得る。
【0076】電子線照射により架橋処理を行う場合の電
子線照射量は、延伸シートの組成や厚み等を考慮して適
宜設定すれば良く、特に限定されるものではないが、一
般的には1〜20Mradであることが好ましく、より
好ましくは3〜10Mradである。また、電子線照射
による架橋処理の場合、前記架橋助剤を予め延伸シート
内部に添加しておくことにより、円滑な架橋を行うこと
ができる。
【0077】紫外線照射により架橋処理を行う場合の紫
外線照射量は、延伸シートの組成や厚み等を考慮して適
宜設定すれば良く、特に限定されるものではないが、一
般的には50〜800mW/cm2 であることが好ま
しく、より好ましくは100〜500mW/cm2
ある。また、紫外線照射による架橋処理の場合、前記光
ラジカル重合開始剤や架橋助剤を予め延伸シート内部に
添加しておくことにより、円滑な架橋を行うことができ
る。
【0078】延伸シートの架橋の程度は、特に限定され
るものではないが、前記ゲル分率が50〜90重量%程
度であることが好ましい。
【0079】延伸シートは5倍以上に延伸されているた
め、温度変化に対する熱伸縮の度合いが通常の合成樹脂
シートと比較して格段に小さい。この熱伸縮を度合いを
示す数値として、平均線膨脹率がある。
【0080】本発明で用いられる一方向に10倍以上延
伸されたポリオレフィン系樹脂延伸シートは、平均線膨
張率5×10-5/℃以下、好ましくは3×10-5/℃以
下、より好ましくは−2×10-5〜2×10-5/℃のも
のである。
【0081】平均線膨張率は、物体の寸法が温度によっ
て膨張していく割合を示す尺度である。平均線膨張率を
測定するには、TMA(機械分析)により、昇温中の物
体の寸法を順次精密に測定していく方法があるが、延伸
シートの5℃および80℃における寸法を測定し、その
差から平均線膨張率を算出することもできる。
【0082】一般に、ポリオレフィン系樹脂製の物体の
平均線膨張率は5×10-5/℃より大きいが、延伸処理
を施すことにより、平均線膨張率が5×10-5/℃以下
の延伸シートを得ることができる。また、この延伸シー
トは、延伸倍率を大きくするほど平均線膨張率が低いも
のとなる。
【0083】発泡体シートは、それ単独ではポリオレフ
ィン系樹脂シートの平均線膨張率が凡そ5×10-5〜1
5×10-5/℃であって、熱伸縮による寸法変化が大き
いという問題点を有するが、その少なくとも片面に上記
平均線膨張率が5×10-5/℃以下の延伸シートを積層
することにより、平均線膨張率が小さく、熱伸縮による
寸法変化を起こし難い複合発泡体を得ることができる。
【0084】また、上記延伸シートでは、平均線膨張率
を5×10-5/℃以下とするために延伸倍率を大きくす
るので、延伸方向の引張強度(引張弾性率)も大きくな
り、上記発泡体シートの少なくとも片面に上記延伸シー
トが積層されて成る複合発泡体の曲げ強度(曲げ弾性
率)が飛躍的に向上し、相乗効果が生じる。
【0085】延伸シートの厚みは、好ましくは50〜
2,000μm、より好ましくは100〜1,000μ
mである。この厚みが50μm未満であると、局所荷重
により畳が凹み易くなる上に、所望の曲げ剛性が得られ
ない。この厚みが2,000μmを越えると、畳床およ
び畳表縫着時に針の抜け、通りが悪くなる。
【0086】つぎに、上記発泡体シートに、上記延伸シ
ートを積層する方法について、説明をする。
【0087】発泡体シートの少なくとも片面に、上記延
伸シートを積層して複合発泡体を得る方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、加熱による熱融着法であ
っても良いし、粘接着剤を用いた粘接着法であっても良
いが、生産性に優れる熱融着法を採用することが好まし
い。
【0088】熱融着法による複合発泡体の製造方法は、
特に限定されるものではないが、例えば前記発泡性シー
トの発泡を化学発泡法で行う場合、下記二方法に大別さ
れる。
【0089】〔I法〕 発泡性シートの少なくとも片面
に、発泡性シートの面内方向(xy方向)の発泡を抑制
し得る強度を有する前記面材を積層し、発泡性シートを
加熱発泡させた後に、得られた発泡体シートの少なくと
も片面に延伸シートを熱融着法により積層して複合発泡
体とする。
【0090】〔II法〕 発泡性シートの少なくとも片面
に、延伸シートを熱融着法により積層した後に、発泡性
シートを加熱発泡させて複合発泡体とする。
【0091】上記製造方法において、発泡性シートが加
熱発泡する温度で延伸シートに熱変形が生じなければ、
II法を採用し得るが、発泡性シートの発泡温度は通常1
80〜250℃程度と高いので、延伸シートが熱変形し
がちである。従って、II法よりもI法を採用する方が好
ましい。
【0092】上記I法において、発泡体シートに延伸シ
ートを熱融着させる際、発泡体シート表面もしくは延伸
シート表面に表面処理やプライマー塗工を施しても良
い。また、発泡体シートと延伸シートとの間に、延伸シ
ートが熱変形する温度以下の融点を有するポリオレフィ
ン系樹脂フィルム等を介在させて、熱融着を行っても良
い。
【0093】発泡体シートに対する延伸シートの積層方
向は、特に限定されるものではないが、延伸シートは延
伸された方向の機械的物性が特に向上しているので、複
合発泡体の用途や所望の機械的物性等に応じて上記利点
を生かすべく、一方向に積層されても良いし、二方向以
上(直交または直交以外の任意の角度)に積層されても
良い。
【0094】また、発泡体シートと延伸シートとの積層
枚数や複合発泡体の厚みも、複合発泡体の用途や所望の
機械的物性等に応じて、適宜設定されれば良い。
【0095】さらに、上記延伸シート以外のシート、各
種ヤーンからなるシート、上記発泡体シート以外の発泡
体シート、板等も、寸法安定性、応力分散性、耐衝撃
性、吸放湿性、クッション性等の改善の目的で、同時に
上記延伸シートに積層されていても良い。
【0096】本発明による複合発泡体の曲げ弾性限界の
歪みは0.2%以上、好ましくは0.2〜0.8%であ
る。上記弾性限界とは、JIS K 7221における
曲げ試験において、図2に示すように、応力と歪みの関
係(応力−歪み線図)を図示した際に、応力と歪みが比
例的に対応する最大の点である(例えば『演習材料力
学』、尾田十八著、サイエンス社、第7頁、図1.6参
照)。
【0097】曲げ弾性限界歪みが0.2%未満である
と、畳表の逢着時や畳の敷き込み時に芯材に変形が与え
られると、変形量が弾性限界を超えてしまい、塑性変形
により反りが生じてしまう。さらに、弾性限界歪み0.
2%未満の複合体に0.2%以上の歪みを与えると、変
形量が弾性限界を超えてしまって塑性変形を起こし、畳
の寸法精度が悪くなったり、変形した畳を元の平面に戻
そうとしても戻らなかったりする上に、曲げ弾性率など
の機械的物性も低下する。
【0098】弾性限界の歪みが0.2%以上であると、
畳表の逢着時や畳の敷き込み時に畳に変形を与えても、
変形量は弾性領域内であるため、畳は元の形状に戻り、
反りが生じることはない。
【0099】本発明による畳芯材は、以上説明したよう
な複合発泡体から成る。
【0100】つぎに、畳の加工および敷き詰め施工につ
いて説明をする。
【0101】畳を加工するには、まず上記畳芯材の上面
にクッション材を、裏面に裏打ち材をそれぞれ配して畳
床を構成し、この畳床に畳表を逢着する。得られる畳の
厚みは7〜30mm、好ましくは10〜25mmであ
る。畳床に畳表を逢着する際、図3に示すように、畳床
(11)を湾曲させ、畳表(12)を緊張状態にし、次いで両者
を逢わせる。
【0102】さらに、畳を床に敷き詰める時には隙間な
く敷き詰めるために、図4に示すように、隣接する畳(1
3)(14)の端部ないしは側部を持ち上げて畳全体を湾曲さ
せた後、端部ないしは側部どうしを付き合わせ、畳を元
の状態に戻して敷き込む。
【0103】ここで、前述の弾性限界の歪みが0.2%
未満であると、このように畳の加工および敷き詰め時の
湾曲が塑性変形として残り、畳を元の平面状に戻そうと
しても、完全には戻らない。本発明のように弾性限界の
歪みが0.2%以上であると、このように畳を湾曲させ
ても、弾性的に元の状態に戻り、発泡体を用いた軽い芯
材でも十分に復元し、平面性が確保される。
【0104】クッション材および裏打ち材はいずれもど
のような形状を有していてもよいが、シート状であるこ
とが望ましい。以下に材料を例示するが、材料はこれら
に限定はされない。クッション材の厚みは好ましくは
0.5〜5mm、裏打ち材の厚みは好ましくは0.1〜
1mmである。
【0105】・木質繊維板(ハードボード、インシュレ
ーションボード、MDF(中密度木質繊維板)、合板
(ベニヤ)等) ・合成樹脂シート、合成樹脂発泡体(無架橋ポリオレフ
ィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、架橋ポリオ
レフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウ
レタン、ポリスチレン、エラストマー等) ・織布(クロス等)、不織布、寒冷紗(ニードルパン
チ、フェルト、スパンボンド等。素材は合成樹脂(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド等)、天然繊維(麻、絹、綿等)、ガラ
スウール、ロックウール、セラミックウール、ヤシ繊維
等) ・紙シート(厚紙(例えばMFシート(丸三製紙))、
和紙、ダンボール、再生紙等) ・構造体シート(ハニカム、プラスチックダンボール
等) ・金属板(アルミニウム、鉄、ステンレス製のシート、
箔、網等) ・裏打ちシート(ポリオレフィンクロス、割布、組布等
またはこれらに紙をラミネートしたもの) ・難燃・不燃シート(不燃性フェルト(ロックウール、
セラミックウール、ガラスウール等をフェルト状に成形
したもの)、耐炎繊維不織布(活性炭や特殊アクリル樹
脂を焼成した繊維)等) ・防虫、防黴シート(ヒノキチオール配合シート) ・吸着、脱臭シート(活性炭、木炭、ゼオライト混合シ
ート) ・吸放湿シート ・無機材ボード(ケイ酸カルシウム等)
【0106】畳芯材とクッション材と裏打ち材からなる
畳床に固定される畳表は、イ草、ポリオレフィン、和紙
等の原料より作られる。畳床への畳表の固定方法も特に
限定されない。糸による縫着、ホッチキスによるタッカ
ー止め、接着剤による接着、粘着テープ等による固定等
が挙げられる。
【0107】
【作用】請求項1または2の発明による複合発泡体の曲
げ弾性限界歪みは0.2%以上であるので、塑性変形に
よる反りが起こり難い。すなわち、該複合発泡体を畳等
に適用することにより、特に薄畳で問題となる反りの問
題を解決することができる。
【0108】請求項3の発明による複合発泡体のポリオ
レフィン系樹脂シートは5〜20倍に延伸しているの
で、通常のプラスチックシートと異なり、シートの平均
線膨張率が低く、優れた寸法安定性を示す。この延伸シ
ートを発泡体シートに積層してなる複合発泡体は、圧縮
強度、曲げ強度、耐クリープ性、弾性回復力等の機械的
物性に優れると共に、反りやへたり現象を起こし難く、
寸法安定性に優れている。
【0109】また、発泡体のセルのアスペクト比が大き
くなると、圧縮弾性率も高くなり、複合発泡体としての
曲げ弾性率も大きくなるため、畳床に畳表を逢着する際
に、より大きな力で畳表を張れるので、得られる畳の仕
上がりが一層良くなる。
【0110】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
めに、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0111】実施例1 1.発泡体シート 下記の特性を有するポリスチレン系樹脂発泡体シート
(発泡倍率10倍、厚み7mm)を用意した。
【0112】発泡体シートの特性;上記面材付き発泡性
シートの特性{セルのアスペクト比(Dz/Dxy)
の平均値、発泡倍率}を以下の方法で測定した。その
結果を表1に示す。
【0113】セルのアスペクト比(Dz/Dxy)の
平均値 発泡体シートを厚み方向(z方向)にカットし、断面の
中央部を光学顕微鏡で観察しながら15倍の拡大写真を
撮った。次いで、写真に写った全てのセルのDzとDx
yをノギスで測定した後、セル毎のDz/Dxyを算出
し、セル100個分のDz/Dxyの個数平均を算出し
て、アスペクト比(Dz/Dxy)の平均値とした。但
し、実際のDzが0.05mm以下および10mm以上
のセルは除外した。
【0114】発泡倍率 発泡体シートよりシート状の試料をカッターで切り出し
た後、JIS K−6767に準拠して、見掛け密度を
測定し、その逆数を発泡倍率(倍)とした。
【0115】2.延伸シート (1)延伸前シートの作製 高密度ポリエチレン樹脂(商品名「HY540」、重量
平均分子量30万、MFR1.0g/10分、融点13
3℃、三菱化学社製)100重量部に対し、ベンゾフェ
ノン(光ラジカル重合開始剤)1重量部を添加して、D
(直径)30mmの二軸押出機にて樹脂温度200℃で
溶融混練し、Tダイからシート状に押し出した後、冷却
ロールで冷却し、幅100mm、厚み1.0mmの延伸
前シートを作製した。
【0116】(2)延伸シートの作製 表面温度100℃に設定された6インチロール(小平製
作所社製)を用いて、上記で得られた延伸前シートを圧
延倍率8倍にロール圧延した後、得られた圧延シートを
繰り出し速度2m/分のロールで繰り出し、雰囲気温度
が85℃に設定された加熱炉を通して、引き取り速度8
m/分のロールで引き取り、4倍にロール延伸し、巻き
取った。次いで、得られた延伸シートの両面に高圧水銀
灯で紫外線を5秒間照射して架橋処理を施した後、無張
力下にて130℃で1分間の緩和処理を施して、幅50
mm、厚み0.2mmの透明な延伸シートを作製した。
【0117】上記延伸シートの総延伸倍率は約15倍で
あった。
【0118】3.複合発泡体 (1)積層および熱融着 上記発泡体シートの両面に低密度ポリオレフィン樹脂フ
ィルム(商品名「UF230」、厚み30μm、三菱化
学社製)を介して上記ポリオレフィン系樹脂延伸シート
を配し、これらを熱融着させて、複合発泡体を製造し
た。
【0119】図5は得られた複合発泡体の構成を示す斜
視図である。同図に示すように、樹脂発泡体シート(1)
の両面に、ホットメルト用合成樹脂シートとして低密度
ポリオレフィン樹脂フィルム(4) 、および延伸シート
(5) をこの順に3種5層の構成で配置し、プレス成形機
を用いて、温度125℃、圧力98kPa(1kgf/
cm2 )、時間2分間の条件でプレス成形を行った
後、水冷プレス(圧力98kPa)で冷却をし、複合発
泡体を製造した。
【0120】(2)複合発泡体の性能評価 上記で得られた複合発泡体の性能(曲げ弾性限界歪
み、平均線膨張率、切断加工性)を以下の方法で評
価した。その結果を表1に示す。
【0121】曲げ弾性限界歪み JIS K−7221「硬質発泡プラスチックの曲げ試
験方法」に基づいてシートをその長さ方向に速度1mm
/分で圧縮して圧縮試験を行い、曲げ弾性限界の歪みを
測定した。
【0122】曲げ弾性率の測定はJIS K−7221
による。
【0123】曲げ弾性限界歪みは、上記試験で得られた
応力−歪み線図をプリントアウトして、紙面上で評価し
た。プリントアウトする範囲は、歪みが2.05、応力
が25MPaの範囲とし、これらをそれぞれ14cm、
12cmの大きさに出力した。定規などの直線部を応力
−歪み線図の原点および直線部に合わせ、応力−歪み線
図が直線部から離れる点を弾性限界とし、その点での歪
みを曲げ弾性限界歪みとした。
【0124】平均線膨張率 複合発泡体より切り出されたシート状の試料に約150
mm間隔の標線を記入した後、試料を20℃の恒温槽内
に1時間放置し、標線間距離を20℃で測定した。次い
で、試料を80℃の恒温槽内に1時間放置した後、標線
間距離を80℃で測定した。この操作を3回繰り返し、
2回目と3回目の20℃および80℃の各標線間距離の
平均値を求め、下式により平均線膨張率を算出した。
【0125】
【数1】
【0126】測定は図5に示すMD方向およびTD方向
のそれぞれについて行った。
【0127】切断加工性 竪型万能帯ノコ盤(型式「L型」、ラクソー社製)を用
いて、複合発泡体を任意に切断し、微粉や粉塵等の発生
の有無を目視で観察し、下記判定基準により切断加工性
を評価した。
【0128】[判定基準] ○・・・・微粉や粉塵等の発生は認められなかった ×・・・・微粉や粉塵等が発生し、飛散して、顔や手等の肌
の露出部を刺激した
【0129】(3) 畳性能評価 畳加工直後の反り 得られた複合発泡体(1800mm×910mm)の上
下面に架橋ポリエチレン発泡体(積水化学工業社製、
「ソフトロン#2002」)を配置し、縫着一体化を行
って畳床を得た。その後、片框切断框縫い機(久保製作
所製 RMSC−TYPE)を用い、畳床にイ草畳表を
緊張状態で逢着し、薄畳を得た。この薄畳の加工性およ
び仕上がりを評価した。ここで、反り量とは図6に示す
ように、床(15)から畳端部(16)の裏面までの距離(d) を
示す。
【0130】施工後の反りの量評価 得られた薄畳を実際に施工評価し、施工後1週間時点で
端部の床からの反り量を評価した。
【0131】実施例2 発泡体シートとして、ポリプロピレン樹脂製の2枚の発
泡体シート(商品名「ソフトロンSP#1004」、発
泡倍率10倍、厚み4mm、積水化学工業社製、および
「ソフトロンSP#1003」、発泡倍率10倍、厚み
3mm)の各対向表面を加熱し、2枚を圧着積層させて
得られた厚み7mmの発泡体シートを用いたこと以外
は、実施例1と同様に操作を行い、図5に示す3種5層
構成の複合発泡体を製造した。また、上記ポリプロピレ
ン樹脂発泡体の特性{セルのアスペクト比(Dz/D
xy)の平均値、発泡倍率}を実施例1と同様にして
測定した。その結果を表1に示す。
【0132】実施例3 1.ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの作製 (1)変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性ポリオレフィン系樹脂を調製するために、同方向回
転2軸スクリュー押出機(型式「BT40型」、プラス
チック工学研究所社製)を用いた。この押出機は、セル
フワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは3
5、D(直径)は39mmである。シリンダーバレルは
押出機の上流から下流側にかけて第6バレルに区分さ
れ、成形ダイは3穴ストランドダイであり、第4バレル
には揮発分を回収するための真空ベントが設置されてい
る。以下の操作においては、第1バレルの温度を180
℃、第2バレルから第6バレルの温度および3穴ストラ
ンドダイの温度を220℃に設定し、スクリュー回転数
を150rpmに設定した。
【0133】上記2軸スクリュー押出機の第1バレル後
端に備えられたホッパーから、ポリオレフィン系樹脂と
してランダムポリマー型のポリプロピレン樹脂(商品名
「EX6」、MFR1.8g/10分、密度0.9g/
cm3 、日本ポリケム社製)を10kg/時間の供給
量で押出機内に投入した。次に、第3バレルから、ジビ
ニルベンゼン(変性用モノマー)および2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
(有機過酸化物)の混合物を押出機内に注入し、これら
を均一に溶融混練して、変性ポリプロピレン樹脂を調製
した。次いで、この変性ポリプロピレン樹脂を3穴スト
ランドダイから吐出した後、水冷し、ペレタイザーで切
断して、変性ポリプロピレン樹脂のペレットを得た。変
性用モノマーおよび有機過酸化物の注入量は、ポリプロ
ピレン樹脂100重量部に対し、変性用モノマー0.5
重量部および有機過酸化物0.1重量部であった。ま
た、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空
吸引した。
【0134】(2)発泡性シートの作製 上記で得られた変性ポリプロピレン樹脂に未変性ポリプ
ロピレン樹脂および発泡剤を添加するために、同方向回
転2軸スクリュー押出機(型式「TEX−44型」、日
本製鋼所社製)を用いた。この押出機は、セルフワイピ
ング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、D
(直径)は47mmである。シリンダーバレルは押出機
の上流から下流側にかけて第1バレルから第12バレル
に区分され、第12バレルの先端部には成形ダイとして
Tダイが設定されている。また、発泡剤を供給するため
に、第6バレルにはサイドフィーダーが設置されてお
り、第11バレルには揮発分を回収するための真空ベン
トが設置されている。以下の操作においては、第1バレ
ルを常時冷却し、第1ゾーン(第2バレルから第4バレ
ル)の温度を150℃、第2ゾーン(第5バレルから第
8バレル)の温度を170℃、第3ゾーン(第9バレル
から第12バレル)の温度を180℃、第4ゾーン(T
ダイおよびアダプター部)の温度を160℃に設定し、
スクリュー回転数を40rpmに設定した。
【0135】上記2軸スクリュー押出機の第1バレル後
端に備えられたホッパーから、前工程(1)で得られた
ペレット状の変性ポリプロピレン樹脂および未変性のホ
モポリマー型のポリプロピレン樹脂(商品名「FY
4」、MFR5.0g/10分、密度0.9g/cm3
、日本ポリケム社製)を、それぞれ10kg/時間
(合計20kg/時間)の供給量で押出機内に投入した。
また、第6バレルに設けられたサイドフィーダーから、
発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を1.
0kg/時間の速度で供給量で押出機内に投入し、これ
らを均一に溶融混練して、発泡性ポリプロピレン樹脂組
成物を調製した。次いで、この樹脂組成物をTダイから
押し出し、幅1100mm、厚み0.7mmの発泡性シ
ートを作製した。
【0136】(3)発泡性シートの作製 上記で得られた発泡性シートの両面に、面材としてポリ
エチレンテレフタレート製の不織布(商品名「スパンボ
ンドエクーレ6301A」、坪量30g/m2、東洋紡
績社製)を重ね、プレス成形機を用いて、180℃の加
熱加圧条件で積層して、2m×1mの面材付き発泡性シ
ートを得た。
【0137】(4)発泡 次いで、上記面材付き発泡性シートを、230℃の加熱
炉中で約10分間加熱して、発泡させ、厚み7mmの面
材付き発泡体シートを作製した。
【0138】2.複合発泡体の作製 上記ポリオレフィン系樹脂発泡体に実施例1で得られた
延伸シートを積層し、熱融着し、実施例1と同様に操作
を行い、図5に示す3種5層構成の複合発泡体を製造し
た。複合発泡体を得た。この複合発泡体の性能を実施例
1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0139】実施例4 この実施例では、図7に示すように、3種9層の構成の
複合発泡体を得た。すなわち、ポリオレフィン系樹脂発
泡体シート(1) の両面に、ホットメルト用合成樹脂シー
トとして低密度ポリチレンフィルム(厚み30μm、三
菱化学社製、UF230)(4) を、その上に上記ポリオ
レフィン系樹脂延伸シート(5) を、またその上にホット
メルト用合成樹脂シートとして上記低密度ポリエチレン
フィルム(6) を、さらにその上に上記ポリオレフィン系
樹脂延伸シート(7) をそれぞれ配した。ハンドプレス成
形機を用いて、温度125℃、圧力98kPa(1kg
f/cm2 )にて2分間プレス成形を行い、その後水
冷プレス(圧力98kPa)で水冷を行い、複合発泡体
を得た。この複合発泡体の性能を実施例1と同様にして
測定した。結果を表1に示す。
【0140】実施例5 延伸シートの延伸倍率が7.5倍である以外は実施例3
と同様にして複合発泡体を得た。得られた複合発泡体の
性能を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果
を表1に示す。
【0141】実施例6 発泡性シートの発泡剤の量を1.2kg/時間に増量
し、発泡性シートの発泡倍率が12倍、セルのアスペク
ト比が2.4であること以外は実施例3と同様にして複
合発泡体を得た。得られた複合発泡体の性能を実施例1
の場合と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0142】比較例1 市販の薄畳(商品名「バリアフリー畳」、三井化学社
製)から、畳芯材(ガラス繊維強化面材とポリスチレン
樹脂発泡体からなる複合発泡体)を抜き出した。また、
上記畳芯材を構成するポリスチレン樹脂発泡体の特性
(発泡倍率)を実施例1と同様にして測定した。その
結果を表1に示す。
【0143】上記複合発泡体の性能(曲げ弾性限界歪
み、平均線膨張率、切断加工性、畳加工性および
加工直後の反り量、施工後の反り量評価)を実施例1
の場合と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0144】比較例2 延伸シートの延伸倍率が25倍である以外は実施例3と
同様にして複合発泡体を得た。得られた複合発泡体の性
能を実施例と同様にして評価した。その結果を表1に示
す。
【0145】
【表1】
【0146】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合発泡体
は、圧縮強度、耐クリープ性、弾性回復力等の機械的物
性に優れるので、長時間使用された場合でも反りやへた
りを起こし難く、加えて、寸法安定性に優れ、且つ、軽
量で人体や環境に対して好ましくない影響を及ぼすこと
もほとんどない。したがって、この複合発泡体は、畳芯
材や床用断熱材をはじめ、各種複合建材用として好適に
用いられる。
【0147】また、本発明の複合発泡体は、ガラス繊維
を用いないので、人体や環境に対して好ましくない影響
を及ぼすことがほとんどなく、さらには環境負荷が少な
く、リサイクル性に富む。
【0148】さらに、本発明の畳芯材は、上記本発明の
複合発泡体からなるので、上記優れた諸性能を具備する
ものであり、特に薄畳用の畳芯材として好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はアスペクト比の定義を示すもので、図1
(a) はポリオレフィン系樹脂発泡体シートの斜視図、図
1(b) は図1(a) 中のA部の拡大図である。
【図2】図2は曲げ弾性限界歪みの定義を示すもので、
曲げ歪みと曲げ応力の関係のグラフである。
【図3】図3は畳の逢着方法を示す垂直縦断面図であ
る。
【図4】図4は畳の敷き詰め方法を示すもので、図4
(a) は斜視図、図4(b) は垂直縦断面図である。
【図5】図5は実施例1における3種5層の積層品を示
す分解斜視図である。
【図6】図6は畳反り量の定義を示す垂直縦断面図であ
る。
【図7】図7は実施例4における3種9層の積層品を示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
(1) :ポリオレフィン系樹脂発泡体シート (4) (6) :低密度ポリオレフィン樹脂フィルム (5) (7) :ポリオレフィン系樹脂延伸シート (11):畳床 (12):畳表 (13)(14):隣接する畳 (15):床 (16):畳端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 優志 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK03C AK05A AK05C AK12B BA03 BA06 BA10A BA10C DJ01B EJ37A EJ37C GB08 JA13B JJ02 JK05 JK07 JL03 JL04 YY00A YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂発泡体シートの少なくとも片面にポ
    リオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、曲げ弾性
    限界の歪みが0.2%以上である複合発泡体。
  2. 【請求項2】 樹脂発泡体がポリオレフィン系樹脂発泡
    体である請求項1記載の複合発泡体。
  3. 【請求項3】 内在するセルのアスペクト比Dz/Dx
    yの平均値が1.1〜4.0であり、かつ発泡倍率が3
    〜20倍であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少
    なくとも片面に、5〜20倍に延伸された厚み100〜
    2000μmのポリオレフィン系樹脂シートが積層され
    てなり、曲げ弾性限界の歪みが0.2%以上である複合
    発泡体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の複合発泡体からな
    る畳芯材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の畳芯材の上面にクッショ
    ン材が、裏面に裏打ち材がそれぞれ配されて畳床が構成
    され、この畳床に畳表が逢着されてなる薄畳。
JP2001237984A 2001-08-06 2001-08-06 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳 Pending JP2003048288A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237984A JP2003048288A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237984A JP2003048288A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003048288A true JP2003048288A (ja) 2003-02-18

Family

ID=19068978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001237984A Pending JP2003048288A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003048288A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009041230A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Sekisui Chem Co Ltd フローリング材
CN105756321A (zh) * 2016-04-25 2016-07-13 江苏齐光玻璃科技有限公司 一种用于地面装潢的玻璃

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11336306A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Jsp Corp 畳床構成材及びそれを使用した畳
JP2000186416A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Sekisui Chem Co Ltd 畳床材
JP3354924B2 (ja) * 2000-02-10 2002-12-09 積水化学工業株式会社 ポリオレフィン系樹脂複合積層体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11336306A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Jsp Corp 畳床構成材及びそれを使用した畳
JP2000186416A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Sekisui Chem Co Ltd 畳床材
JP3354924B2 (ja) * 2000-02-10 2002-12-09 積水化学工業株式会社 ポリオレフィン系樹脂複合積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009041230A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Sekisui Chem Co Ltd フローリング材
CN105756321A (zh) * 2016-04-25 2016-07-13 江苏齐光玻璃科技有限公司 一种用于地面装潢的玻璃

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7063768B2 (en) Method and device for producing laminated composite
JP3354924B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂複合積層体
JP2015505751A (ja) モノリシック多層体物品
EP1174263B1 (en) Polyolefin resin composite laminate
JP4874592B2 (ja) 床下地材用スペーサー及びその製造方法
JP3429749B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体からなる畳芯材およびそれを用いる薄畳
JP3597989B2 (ja) 傾斜構造発泡シートおよびその製造方法
JP2003048288A (ja) 複合発泡体、同発泡体からなる畳芯材およびこれを備える薄畳
JP3739258B2 (ja) プラスチック製コンクリート型枠
JP2007046227A (ja) 非木質系床仕上材用下地材
JP4921716B2 (ja) ピンナップ防炎パネル
JP2005320704A (ja) 薄畳
JP3429713B2 (ja) 畳床材
JP3308960B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体シート
JP2002326327A (ja) 熱可塑性複合発泡体の製造方法
JP5934133B2 (ja) 複合発泡体
JP3884670B2 (ja) 積層複合体の製造方法
JP4751572B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体及び防音性暖房床材
JP2001301078A (ja) ポリオレフィン系樹脂複合発泡体および同発泡体からなる車輌用部材並びに衝撃吸収部材
JP2004339757A (ja) 床下地材、床構造及びそれを用いた建物
JP4286590B2 (ja) 床下スペーサー、床暖房構造及びそれを用いた建物
JP2004263476A (ja) 複合パネル及びこれを用いたコンクリート用型枠
JP4113445B2 (ja) 法面の盛り土工法
JP2004042500A (ja) 積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール
JP2001191353A (ja) 発泡複合シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100915

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110323

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02