JP2009041230A - フローリング材 - Google Patents

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Hisashi Eguchi
尚志 江口
Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
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Abstract

【課題】 本発明は、線膨張率が小さく、機械的強度が優れ、床冷暖房の表面材として好適に使用されるフローリング材を提供する。
【解決手段】 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した後、該引抜温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートからなることを特徴とするフローリング材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フローリング材に関する。
従来から家庭用建築物の床は木材で形成されることが多いが、床に防水性、保温性、断熱性、クッション性等を付与するために、塩化ビニル樹脂シート、クッションフロア、インレイドシート等を床面に敷いたり、溶融状態の熱可塑性樹脂層の片面に、冷却エンボスロールを押し当てて成形加工した化粧シートを木質系フローリング材に積層したフローリング材を敷き詰めたりしている。又、最近は床冷暖房が盛んに利用されてきており、床冷暖房は断熱材と床材とで発熱体を挾持するように積層しており、その上に化粧シートを積層している(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−220570号公報
しかし、合成樹脂製のフローリング材(化粧シート)を床冷暖房の表面材として使用した場合、合成樹脂製のフローリング材(化粧シート)の線膨張率は大きいので冷暖房の熱で膨張・収縮を繰返し、フローリング材の端部が剥がれたり、反り返るという欠点があった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、線膨張率が小さく、機械的強度が優れ、床冷暖房の表面材として好適に使用されるフローリング材を提供することにある。
請求項1記載のフローリング材は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した後、該引抜温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートからなることを特徴とする。
本発明で使用される延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引抜延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られる。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート等が挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
又、熱可塑性ポリエステル系樹脂の極限粘度は、低すぎるとシート作成時にドローダウンを起こしやすく、高すぎると、延伸しても機械的強度(特に弾性率)が上昇しないので、0.6〜1.0が好ましい。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.1mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際しての強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると延伸が困難となることがあるので0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜3mmである。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態である。熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態であればよく、その結晶化度は特に限定されるものではないが、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満あることが好ましく、より好ましくは5%未満である。
本発明においては、上記非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引抜延伸する。引抜延伸する方法は特に限定されず所定のクリアランスを有する引抜金型を通して引抜延伸してもよいが、一対のロール間を通して引抜延伸するのが、延伸後の厚みを自由にコントロールでき、また引抜金型の特定部位の磨耗が生じることがないので好ましい。
引抜延伸する際の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの温度は、特に限定されるものではないが、ガラス転移温度付近の温度に予熱されているのが好ましい。予熱温度は、低すぎても高すぎても樹脂シートが所定の温度にならないことがあるので、熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度が好ましい。
上記引抜延伸する際の温度は、低温であると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが硬すぎて、引き抜こうとしても先に切断されてしまうことがあり、切断されなくてもシートにボイドができて白化してしまうなどの問題があり、高温になると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが柔らかくなりシートを引抜く張力により熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが切断されるので、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度範囲であり、好ましくは該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度範囲である。
又、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引抜く際に、ロールは必ずしも回転する必要はないが、特に熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みが厚い場合には、せん断発熱によるロールの蓄熱に起因するシートの温度上昇が生じやすいため、引抜方向に回転させるのが好ましい。
ロールの回転速度が遅いと、ロールと熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接触時間が長くなり、摩擦熱が発生し、ロール温度が上昇して、加熱された熱可塑性ポリエステル系樹脂を冷却する効果が低下し、所定の引抜延伸温度を超えてしまい、逆にロールの回転速度が早くなると、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの表面の熱可塑性ポリエステル系樹脂のみが流動し、均一に引抜延伸できなくなり、得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの弾性率が低下する。従って、ロールの回転速度は熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを同一条件の引抜速度でロールが回転していない状態で引き抜いた際の送り速度と実質的に同一又はそれ以下の速度が好ましい。
又、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さが厚い(1.5mm以上)場合は、ロールとシートとのせん断による発熱が大きくなるため、ロールの回転速度は上記送り速度の50〜100%が好ましい。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さが薄い場合は、ロールによる冷却効果が大きいのでロールの回転速度は遅くてもよい。
上記引抜延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率が低下する傾向があり、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなる傾向があるので、2〜9倍が好ましく、より好ましくは2.5〜7倍である。
本発明においては、引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを該引抜温度より高い温度で一軸延伸して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得る。引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートのポリエステル系樹脂は、延伸の阻害要因となる熱による等方的な結晶化及び配向が抑えられた状態で分子鎖は高度に配向しているので強度及び弾性率が優れているが結晶化度は低いので、加熱されると配向は容易に緩和され弾性率は低下してしまうという欠点を有している。しかし、この引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該引抜温度より高い温度で一軸延伸することにより配向が緩和されることなく結晶化度が上昇し、加熱されても配向が容易に緩和されない耐熱性の優れた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
上記一軸延伸する方法としてはロール延伸法が好適に用いられる。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に延伸原反を挟み、延伸原反を加熱しつつ引っ張る方法であり、一軸方向のみに強く分子配向させることができる。
上記一軸延伸する際の温度は、一次延伸する際の一対のロールの温度より高い温度であればよいが、高すぎると引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが溶融して切断される傾向があるので、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度の温度範囲が好ましい。尚、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は約120℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃である。従って、ポリエチレンテレフタレートシートを一軸延伸する際は約120℃〜約230℃で一軸延伸するのが好ましい。
上記一軸延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性係数等が低下する傾向があり、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなる傾向があるので、1.05〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.1〜2倍である。又、引抜延伸と一軸延伸の積である合計延伸倍率は、同様の理由で、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜8倍である。
一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、更に耐熱性を向上させるために一軸延伸温度より高い温度で熱固定されるのが好ましい。
熱固定温度は、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度より低いと熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化が進まないので耐熱性が向上せず、融解ピークの立ち上がり温度より高いと熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶解して延伸(配向)が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下し、一軸延伸温度より30℃以上高くなると、一軸延伸温度で結晶化した結晶の配向が緩和されるので、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であって、一軸延伸温度より30℃以上高くない温度が好ましい。
又、熱固定する際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに負荷がかかっていると延伸されフリーの状態では収縮するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行うことが好ましく、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。
即ち、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1で、一軸延伸倍率より低い倍率になるように熱固定するのが好ましい。従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的に熱固定する場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を0.95〜1.1で、一軸延伸倍率より低い倍率になるように設定して熱固定するのが好ましい。
熱固定する際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。熱固定する時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さや熱固定温度により異なるが、一般に10秒〜10分が好ましい。
更に、上記熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、ガラス転移温度〜昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。アニールすることにより、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは弾性率等の力学的物性が良好であって、ガラス転移温度以上の温度に加熱されても弾性率等の力学的物性が低下することがなく、且つ、収縮率を低く抑えることができる。
又、アニールする際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。即ち、アニールされた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールするのが好ましい。
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。又、短尺シートをアニールする際には、荷重がかからないよう両端部を開放して行うのが好ましい。アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。
アニールする時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜60分であり、更に好ましくは1〜20分である。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数は、大きいと温度差により大きく伸縮するので、小さいほうが好ましく、特に負であるのが好ましい。従って、−1.5×10-5以上であって0未満が好ましい。又、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの引張弾性率が7GPaを下回ると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層を積層した積層成形体の線膨張係数が大きくなり、15GPaを上回ると積層成形体の耐衝撃性が低下するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの引張弾性率は7〜15GPaが好ましい。
本発明の上記フローリング材は、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートからなる。延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは機械的強度を向上させるためには2枚以上積層されているのが好ましく、4枚以上積層するのがさらに好ましい。又、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートはその延伸方向が略同一方向になるように積層されていてもよいし、異なるように積層されていてもよい。延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが割れやすい場合は延伸方向が異なるように4枚以上積層されているのが好ましく、より好ましくは5〜100枚であり、更に好ましくは6〜50枚である。
延伸方向が異なるように積層する場合は、隣接する延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向は異なっているのが好ましいが、角度差が小さいと補強効果が小さくなるので30〜90度異なるのが好ましく、より好ましくは45〜90度である。又、機械的強度を向上させるには積層された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向は全ての方向にバランスよく配置されているのが好ましい。例えば、5枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを積層する場合、最初の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向を0度とすると、2〜5枚目の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向を+45度、+90度、−45度、0度とする、7枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを積層する場合、最初の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向を0度とすると、2〜7枚目の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向を+45度、−60度、+90度、−45度、+60度、0度とする等の積層方法があげられる。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、熱融着すると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で接着されるのが好ましい。
ホットメルト型接着剤で接着する方法は、特に限定されず、例えば、少なくとも一方の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布すると同時に両者を積層し融着する方法、少なくとも一方の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布・冷却してホットメルト型接着剤層を形成した後積層したり、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間にシート状のホットメルト型接着剤を積層して得られた積層体を加熱し、ホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法等があげられる。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の融着であるから、上記ホットメルト型接着剤として、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布及び/又は不織布が好適に使用される。熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布及び/又は不織布で融着すると、接着強度が高く、引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布及び/又は不織布を構成する繊維としては、前述の熱可塑性ポリエステル系樹脂製の繊維及び前述の熱可塑性ポリエステル系樹脂と綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維等の無機繊維等の繊維との混合繊維が挙げられる。
上記不織布としては、従来公知の任意の不織布が使用可能であり、例えば、レンジボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布などの乾式タイプの不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などの紡糸直結タイプの不織布、湿式不織布等が挙げられ、バルク性、柔軟性等に富み層間剥離しにくいニードルパンチ不織布及びスパンレース不織布が好ましい。
上記ニードルパンチ不織布とは、短繊維をランダムに並べて形成されたウエブに高速で上下するニードル(針)を繰り返し突き刺し、ニードルに刻まれたバーブという突起により繊維を絡ませた不織布である。又、上記スパンレース不織布とは、高圧ポンプによりノズルから30〜500バールの高圧水流をウエブに噴出し、高圧水流がウエブを打ち抜く力と打ち抜いた高圧水流の跳ね返る力を利用して繊維を三次元的に絡み合わせた不織布である。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをより簡便に積層し強固に融着し耐衝撃性を向上させるために、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に積層し融着する方法も好ましい。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
上記不織布としても、従来公知の任意の不織布が使用可能であり、例えば、レンジボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布などの乾式タイプの不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などの紡糸直結タイプの不織布、湿式不織布等が挙げられ、バルク性、柔軟性等に富み層間剥離しにくいニードルパンチ不織布及びスパンレース不織布が好ましい。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
上記ホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法の際には、超音波ウエルダーによりホットメルト型接着剤を溶融して融着するのが好ましい。超音波ウエルダーにより融着する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート、ホットメルト型接着剤、織布及び/又は不織布、熱可塑性樹脂層等の積層体を、15〜40kHzの周波数で加振したホーンとローレットの間を通過させる方法があげられる。
図1は、2枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをホットメルト型接着剤である熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布で超音波ウエルダーにより融着する方法の一例を示す説明図である。図中1、1は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1、1の間に熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布ホットメルト型接着剤シート2が積層されて、積層シート10が形成されている。
積層成形シート10はホーン3とローレット4で押圧された状態で移送すると共に、ホーン3から15〜40kHzの周波数で加振することにより、ホーン3から伝えられた超音波振動による摩擦熱により瞬時に熱可塑性ポリエステル系樹脂製織布2が加熱され溶融して融着される。この際、より効率よく融着するために、ホーン3とローレット4の間隔は積層シート10の厚みより狭く設定し、積層シート10をホーン3とローレット4で加圧しながら融着するのが好ましい。
加圧するには、ホーン3にエアシリンダ、油圧シリンダ等を連設し、ホーン3を積層成形体10を介してローレット4に押圧するのが好ましい。又、ローレット4表面には突起部が形成されていることにより、より効率よく融着することができ、突起部の配列や形状を変化することにより、融着部位の配列や形状のパターンを変化することができる。
図2〜図6は融着部位の配列パターンの例を示す説明図である。図中10は、超音波ウエルダーにより融着された積層シートであり、Aは延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の延伸方向であり、5は融着部位である。又、超音波ウエルダーにより融着する際には、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の配向状態が緩和されるのを抑制するために、積層シート10(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1)に張力を負荷しておくのが好ましい。
異なる延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法として、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高い融点を有する織布及び/又は不織布を積層し、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを軟化・溶融すると共に押圧することにより、織布及び/又は不織布を延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに食い込ませて融着する方法があげられる。延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを軟化・溶融させる方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、超音波ウエルダーにより加熱されるのが好ましい。上記織布及び/又は不織布としては、前述の織布及び/又は不織布であって、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高い融点を有する織布及び/又は不織布があげられる。
更に、異なる延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法として、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着する方法があげられる。
又、上記接着剤が含浸された前述の織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に積層し、該接着剤により接着してもよい。接着剤を含浸している織布及び/又は不織布が積層されて接着されると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接着性が向上し、得られた積層体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記不織布としても、従来公知の任意の不織布が使用可能であり、例えば、レンジボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布などの乾式タイプの不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などの紡糸直結タイプの不織布、湿式不織布等が挙げられ、バルク性、柔軟性等に富み層間剥離しにくいニードルパンチ不織布及びスパンレース不織布が好ましい。
本発明のフローリング材は、上記積層シートの片面又は両面に熱可塑性樹脂シート、クッションフロア、インレイドシート、化粧シート等の表皮シート層が積層されてもよい。上記表皮シートは、積層シート(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート)に積層され、積層シート(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート)が衝撃により延伸方向に沿って割れや亀裂が発生しないように保護すると共に、保温性、断熱性、クッション性、防水性等を付与するためのものである。
熱可塑性樹脂を溶融して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに積層する場合は、熱可塑性樹脂の融点が熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高いと、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶が緩和され線膨張係数が高くなるので、熱可塑性樹脂は熱可塑性ポリエステル系樹脂より融点の低い樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、スチレン樹脂、AS樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられ、塩化ビニル樹脂が好ましい。又、フッ素系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタン系塗料等の塗料であってもよい。
熱可塑性樹脂層には耐熱性、耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐熱向上剤、無機充填剤等が添加されてもよいし、更に、耐衝撃性を改良するために衝撃改質剤が添加されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等が挙げられる。上記光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル) エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル) プロピオネート]等のフェノール系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤等が挙げられる。
上記熱安定剤としては、例えば、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等の無機系熱安定剤、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレート、ジアルキル錫ビス(メルカプト脂肪酸エステル)、ジアルキル錫サルファイド等錫系熱安定剤が挙げられる。上記耐熱向上剤としては、例えば、α−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、クレー、フライアッシュ、ウォラスナイト等が挙げられる。上記衝撃改質剤としては、例えば、メチルメタクリレート−ブタジエンースチレン共重合体(MBS樹脂)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム等が挙げられる。
又、積層シートに熱可塑性樹脂シートを積層し、更に、その上に熱可塑性樹脂に上記紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐熱向上剤、無機充填剤等が添加されてなる熱可塑性樹脂層を積層してもよい。
上記クッションフロア、インレイドシート及び化粧シートとしては、従来からフローリング材として使用されている任意のクッションフロア、インレイドシート及び化粧シートが使用可能である。
上記表皮シートの厚みは、特に限定されず、その用途により適宜決定されればよいが、厚くなると重くなると共に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの低線膨張係数の効果が減少されるので0.1〜3mmが好ましい。
積層シートに表皮シートを積層する方法は、特に限定されず、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、(1)積層シートに表皮シートを熱プレスにより接着して積層する方法、(2)積層シートに、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で表皮シートを接着して積層する方法、(3)積層シートに、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等の接着剤で表皮シートを接着して積層する方法等が挙げられる。(1)熱可塑性樹脂シートを積層する場合は、積層シートに熱可塑性樹脂を押出被覆して積層してもよい。
上記の方法において接着力を高めるために、(a)積層シートの表面を削って、表面に凹凸を形成し、表皮シートを押し付け、アンカー効果により積層する方法、(b)積層シートに多数の貫通孔を形成し、表皮シートを押し付け、貫通孔を通じて両面の表皮シートを融着して積層する方法、(c)積層シートに、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤よりなる接着剤層を積層した後、表皮シートを押付け加熱して融着する方法、(d)積層シートと表皮シートの間に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のシート状のホットメルト型接着剤を積層した後、ホットメルト型接着剤を加熱して融着する方法等の方法が採用されてもよい。
又、積層シートと表皮シートの間に織布及び/又は不織布を積層してもよい。織布及び/又は不織布を積層すると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと表皮シートの接着性が向上し、得られたフローリング材の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。又、織布及び不織布の目付量、厚み等は特に限定されるものではなく、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
積層シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と表皮シートの積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、高温で加熱すると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤及び溶剤系よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着するのが好ましい。
又、積層シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と表皮シートを、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるために、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び表皮シートを構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、積層シートと表皮シートの間に積層し接着してもよい。
更に、積層シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と表皮シートを、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるために、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、積層シートと表皮シートの間に積層し接着してもよい。
本発明のフローリング材の構成は上述の通りであり、線膨張率が小さく、機械的強度が優れている。又、床冷暖房の表面材として使用した場合、線膨張率が小さいので冷暖房により繰返し加熱・冷却されても、膨張・収縮が小さく、フローリング材が床材の端部からはがれたり、反り返るということがない。
次に、本発明の実施例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートシート(帝人化成社製、商品名「A−PETシートFR」:極限粘度0.7、結晶化度4%)を延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、75℃に予熱した後、70℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に、熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの片面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシート4枚と接着剤が積層されていない延伸ポリエチレンテレフタレートシート1枚を、一番上のシートの延伸方向を0度とした時、上から順に延伸方向が+45度、+90度、−45度、0度になるように延伸方向を合わせ、シート間に接着剤層が介在するように積層し、超音波ウエルダーにより接着して積層シートを得た。融着パターンは図2に示した通りであり、融着部の大きさは延伸方向に沿って長さ約1.5mm、幅約0.5mm、融着部同士の間隔は延伸方向に約1.5mm、幅約1.5mmであった。
得られた積層シートの線膨張係数をJIS K 7197に準拠して測定したところ1.4×10-5(1/℃)であった。又、JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率は5.1GPaであり、落球衝撃試験(積層成形体を4mの長さに切断し、0℃の冷凍室で1時間養生した後、開口部が下側になるように設置し、1.3mの高さから1kgの茄子型錘を落下し、割れの有無を観察した。)を行なったところ割れは観察できなかった。
得られた積層シートの1面にポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングすると共に、厚さ5mmの塩化ビニル樹脂発泡シート(発泡倍率30倍)を押圧し接着してフローリング材を得た。
2枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをホットメルト型接着剤で超音波ウエルダーによりする方法の一例を示す説明図である。 積層シートの融着部位の配列パターンの一例を示す説明図である。 積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
符号の説明
1 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート
2 ホットメルト型接着剤シート
3 ホーン
4 ローレット
5 融着部位
10 積層体
11 積層シート

Claims (17)

  1. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した後、該引抜温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートからなることを特徴とするフローリング材。
  2. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの積層枚数が、4枚以上であることを特徴とする請求項1記載のフローリング材。
  3. 隣接する延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート延伸方向が異なるように積層されていることを特徴とする請求項1又は2項記載のフローリング材。
  4. 隣接する延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向の角度が45〜90度異なることを特徴とする請求項3記載のフローリング材。
  5. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のフローリング材。
  6. 引抜延伸を上記温度に設定された一対のロール間を通して行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のフローリング材。
  7. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度で予熱した後、一対のロール間を通すことを特徴とする6記載のフローリング材。
  8. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、同一条件の引抜速度でロールが回転していない状態で引き抜いた際の送り速度と実質的に同一速度以下の速度で該ロールを引抜方向に回転させることを特徴とする請求項6又は7記載のフローリング材。
  9. 一軸延伸温度が、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のフローリング材。
  10. 一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であって、一軸延伸温度より30℃以上高くない温度で熱固定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のフローリング材。
  11. 熱固定を一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが実質的に変化しない状態で行うことを特徴とする請求項10項記載のフローリング材。
  12. 熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1であることを特徴とする請求項11記載のフローリング材。
  13. 熱固定時間が、10秒〜10分であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載のフローリング材。
  14. 熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、更に、ガラス転移温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力のかからない状態でアニールすることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載のフローリング材。
  15. アニール時間が10秒以上であることを特徴とする請求項14記載のフローリング材。
  16. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの総延伸倍率(引抜延伸倍率と一軸延伸倍率の積)が3〜8倍であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載のフローリング材。
  17. 積層シートに表皮シートが積層されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項記載のフローリング材。
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