JP2006306012A - 積層成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層成形体、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供する。
【解決手段】線膨張率が−1.5×10-5以上0未満であり、引張弾性率が8〜15GPaの熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする積層成形体であり、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引抜き延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されている積層成形体が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを芯材とし、外装建材として好適に使用できる積層成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は耐水性、難燃性、機械的特性等が優れ、且つ価格が比較的安価であるので、建築部材の材料として広く使用されている。例えば、雨樋は、一般的に硬質塩化ビニル系樹脂を押出成形により成形している。
しかし、硬質塩化ビニル系樹脂成形体の線膨張係数は7.0×10-5(1/℃)と大きいので、硬質塩化ビニル系樹脂製雨樋を設置する際には、雨樋の伸縮を吸収しうる継手で接続したり、端部をフリーにしたりする必要があったが、雨樋の長さが長くなると、継手が大きくなり、外観が悪く且つ長期にわたって使用すると継手部分が破損することがあった。又、雨樋自身も伸縮の繰り返しにより、ひび割れやそりが発生し、長期間使用する際の信頼性が低いという欠点があった。
そのため、線膨張係数の低い雨樋の検討が種々なされている。例えば、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、マイカ20〜35重量部と、炭酸カルシウム20〜40重量部と、加工助剤5〜15重量部とを添加した塩化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製雨樋(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特許第2905260号公報
上記雨樋は、塩化ビニル系樹脂にマイカと炭酸カルシウムを添加し雨樋の線膨張係数を低くしているが、塩化ビニル系樹脂を主体とするものであり、マイカと炭酸カルシウムの添加量が少ないと線膨張係数が依然として高く、添加量を多くすると雨樋の耐衝撃性、耐久性が低下するという欠点があった。
又、補強材としてガラス繊維を含浸したり、金属薄板を積層したりした雨樋も提案されている。例えば、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる複合シートが所要断面形状に賦形され、かつ、その表面に熱可塑性樹脂が押出被覆されているとともに、上記複合シートは、少なくともその賦形部分に強化短繊維がランダム配向していることを特徴とする複合成形品(例えば、特許文献2参照。)、金属薄板を芯材とし、この芯材両面に合成樹脂を被覆してシート材を形成し、このシート材に折曲治具先端部を押し当てて断面略コ字型に折曲形成して成る雨樋において、内面側となる前記合成樹脂の折曲位置に、折曲治具先端部がガイドされる凹溝を設けて成ることを特徴とする雨樋(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
特開平11−19998号公報 特開平9−279783号公報
しかしながら、前者の雨樋は熱可塑性樹脂と強化繊維とからなり、短繊維がランダムに配向した複合シートを作成し、所要断面形状に賦形した後に、その表面に熱可塑性樹脂を押出被覆しなければならず、その製造が困難であり、又、雨樋を施工する際に切断するとガラス繊維粉末が飛散し作業性が悪く、環境衛生上問題があり、且つ、廃棄する際に問題があった。
後者の雨樋は、金属薄板が芯材として積層されているので、重量が重くなり、切断作業が困難であり、且つ、雨樋の端部に金属薄板が露出するので経時により錆が発生し、腐食により耐久性が低下するという欠点があった。
更に、金属薄板からなる芯材やガラス繊維を使用せず、線膨張係数の低い雨樋として、例えば、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(1/℃)以下であるポリオレフィン延伸材料の表面に、該ポリオレフィンを溶解する低分子化合物を付着させた後、加圧・加熱により前記ポリオレフィン延伸材料を接着した、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(1/℃)以下であるポリオレフィン成形体(例えば、特許文献4参照。)、熱可塑性樹脂を押し出し成形した後、更に、この押し出し成形したものを延伸して引き延ばすことで分子を一方向に配向し、熱可塑性合成樹脂の線膨張係数が6×10-5/℃以下で且つ厚みが0.5mmより厚いことを特徴とする合成樹脂雨樋(例えば、特許文献5参照。)等が提案されている。
特開平10−291250号公報 特開2002−285685号公報
しかしながら、前者の雨樋はポリオレフィン延伸材料を20〜40倍と高度に延伸したシートであり、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有しており、これを防ぐために硬質塩化ビニル系樹脂、AES樹脂等と積層しようとすると、ポリオレフィンはこれらの樹脂より融点が低いためポリオレフィンの延伸状態が崩れ、線膨張係数が高くなるという欠点があった。
更に、後者の雨樋は押し出し成形した雨樋を単に延伸したものなので、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有していた。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層成形体、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供することにある。
請求項1記載の積層成形体は、線膨張率が−1.5×10-5以上0未満であり、引張弾性率が8〜15GPaの熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする。
請求項2記載の積層成形体は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引抜き延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の積層成形体である。
請求項3記載の積層成形体は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることを特徴とする請求項2記載の積層成形体である。
請求項4記載の積層成形体は、一軸延伸温度が、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項2又は3記載の積層成形体である。
請求項5記載の積層成形体は、一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが一軸延伸温度より高い温度で熱固定されていることを特徴とする請求項2、3又は4記載の積層成形体である。
請求項6記載の積層成形体は、熱固定温度が、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項5記載の積層成形体である。
請求項7記載の積層成形体は、熱固定が、一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが実質的に変化しない状態で行われることを特徴とする請求項5又は6記載の積層成形体である。
請求項8記載の積層成形体は、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1であることを特徴とする請求項7記載の積層成形体である。
請求項9記載の積層成形体は、熱固定時間が、10秒〜10分であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項10記載の積層成形体は、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、更に、ガラス転移温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力のかからない状態でアニールされていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項11記載の積層成形体は、アニール時間が10秒以上であることを特徴とする請求項10記載の積層成形体である。
請求項12記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸倍率が3〜8倍であることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項13記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、延伸方向が略同一方向になるように積層されていることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項14記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤で接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体である。
請求項15記載の積層成形体は、ホットメルト型接着剤が超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項14記載の積層成形体である。
請求項16記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体である。
請求項17記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、織布及び/又は不織布が積層されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体である。
請求項18記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体である。
請求項19記載の積層成形体は、ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項18記載の積層成形体である。
請求項20記載の積層成形体は、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体である。
請求項21記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤で接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項22記載の積層成形体は、ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項21記載の積層成形体である。
請求項23記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項24記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、織布及び/又は不織布が積層されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項25記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項26記載の積層成形体は、ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項25記載の積層成形体である。
請求項27記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項28記載の積層成形体は、積層成形体が、外装建材であることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項記載の積層成形体である。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数が−1.5×10-5を下回ると、シートの製造に必要なエネルギーが大きくなり経済的に非効率となり、0以上であると積層体の線膨張係数が大きくなる。
熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの引張弾性率が8GPaを下回ると積層体の線膨張係数が大きくなり、15GPaを上回ると積層体の耐衝撃性が低下する。
本発明で使用される線膨張率が−1.5×10-5以上0未満であり、引張弾性率が8〜15GPaの熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引抜き延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られる。
本発明の積層成形体は、上記の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されている。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート等が挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、熱可塑性ポリエステル系樹脂の極限粘度は、低すぎるとシート作成時にドローダウンを起こしやすく、高すぎると、延伸しても機械的強度(特に弾性率)が上昇しないので、0.6〜1.0が好ましい。
熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.1mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際しての強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると延伸が困難となることがあるので0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜3mmである。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態である。延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態であればよく、その結晶化度は特に限定されるものではないが、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満あることが好ましく、より好ましくは5%未満である。
本発明においては、上記非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、一対のロール間を通して引抜き延伸される。
上記引抜き延伸する際の一対のロールの温度は、低温であると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが硬すぎて引き抜くことができず、逆に、高温になると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが柔らかくなりシートを引き抜く張力によりシートが切断されるので、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度範囲であり、好ましくは該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度範囲である。
又、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引き抜く際に、ロールは回転している必要はないが、温度分布を均一にするために引き抜き方向にわずかに回転していてもよい。
上記引抜き延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、2〜9倍が好ましく、より好ましくは2.5〜7倍である。
本発明においては、引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは該ロールの温度より高い温度で一軸延伸されて延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートのポリエステル系樹脂は、延伸の阻害要因となる熱による等方的な結晶化及び配向が抑えられた状態で分子鎖は高度に配向しているので強度及び弾性率が優れているが結晶化度は低いので、加熱されると配向は容易に緩和され弾性率は低下してしまうという欠点を有している。
しかし、この引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸することにより配向が緩和されることなく結晶化度が上昇し、加熱されても配向が容易に緩和されない耐熱性の優れた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
上記一軸延伸する方法としてはロール延伸法が好適に用いられる。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に延伸原反を挟み、延伸原反を加熱しつつ引っ張る方法であり、一軸方向のみに強く分子配向させることができる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率となる。
上記一軸延伸する際の温度は、一次延伸する際の一対のロールの温度より高い温度であればよいが、高すぎると一次延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが溶融して切断されるので、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度の温度範囲が好ましい。
尚、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は約120℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃である。従って、ポリエチレンテレフタレートシートを一軸延伸する際は約120℃〜約230℃で一軸延伸するのが好ましい。
上記一軸延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性係数等の優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、1.1〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.2〜2倍である。又、一次延伸と一軸延伸の合計延伸倍率は、同様の理由で、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜8倍である。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数は、大きいと温度差により大きく伸縮するので、小さいほうが好ましく、特に負であるのが好ましい。又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは積層成形体の芯材として積層されるのであるから、強度は大きいほうが好ましく、弾性率は9GPa以上が好ましい。
一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、耐熱性を向上させるために一軸延伸温度より高い温度で熱固定されているのが好ましい。
熱固定温度は、一軸延伸温度より低いと熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化が進まないので耐熱性が向上せず、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度より高くなると熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶解して延伸(配向)が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度が好ましい。
又、熱固定する際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに負荷がかかっていると延伸されフリーの状態では収縮するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行うことが好ましく、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。
即ち、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1になるように熱固定するのが好ましい。
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的に熱固定する場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を0.95〜1.1になるように設定して熱固定するのが好ましい。
又、短尺シートを熱固定する際には、荷重がかからない状態で両端部を固定して行うのが好ましい。
熱固定する際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。
熱固定する時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さや熱固定温度により異なるが、一般に10秒〜10分が好ましい。
更に、上記熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、ガラス転移温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。
上記アニールすることにより、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは弾性率等の力学的物性が良好であって、ガラス転移温度以上の温度に加熱されても弾性率等の力学的物性が低下することがなく、且つ、収縮率を低く抑えることができる。
又、アニールする際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。
即ち、アニールされた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールするのが好ましい。
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。
又、短尺シートをアニールする際には、荷重がかからないよう両端部を開放して行うのが好ましい。
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。
アニールする時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜5分であり、更に好ましくは1〜2分である。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、2枚以上が積層されてもよく、積層する場合はその延伸方向が略同一になるように積層されるのが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、熱融着すると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で接着されるのが好ましい。
ホットメルト型接着剤で接着する方法は、特に限定されず、例えば、少なくとも一方の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布すると同時に両者を積層し融着する方法、少なくとも一方の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布・冷却してホットメルト型接着剤層を形成した後積層したり、2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間にシート状のホットメルト型接着剤を積層して得られた積層体を加熱し、ホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法等があげられる。
後者のホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法の際には、超音波ウエルダーによりホットメルト型接着剤を溶融して融着するのが好ましい。
上記超音波ウエルダーにより融着する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート、ホットメルト型接着剤、織布及び/又は不織布、熱可塑性樹脂層等の積層体を、15〜40kHzの周波数で加振したホーンとローレットの間を通過させる方法があげられる。
図1は、2枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをホットメルト型接着剤で超音波ウエルダーによりする方法の一例を示す説明図である。
図中1、1は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1、1の間にホットメルト型接着剤シート2が積層されて、積層体10が形成されている。
積層体10はホーン3とローレット4で押圧された状態で移送すると共に、ホーン3から15〜40kHzの周波数で加振することにより、ホーン3から伝えられた超音波振動による摩擦熱により瞬時にホットメルト型接着剤シート2が加熱され溶融して融着される。
この際、より効率よく融着するために、ホーン3とローレット4の間隔は積層体10の厚みより狭く設定し、積層体10をホーン3とローレット4で加圧しながら融着するのが好ましい。
加圧するには、ホーン3にエアシリンダ、油圧シリンダ等を連設し、ホーン3を積層体10を介してローレット4に押圧するのが好ましい。
又、ローレット4表面に突起部を形成しておくことにより、より効率よく融着することができ、突起部の配列や形状を変化することにより、融着部位の配列や形状のパターンを変化することができる。
図2〜図6は融着部位の配列パターンの例を示す説明図である。図中11は、超音波ウエルダーにより融着された積層成形体であり、Aは延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の延伸方向であり、5は融着部位である。
又、超音波ウエルダーにより融着する際には、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の配向状態が緩和されるのを抑制するために、積層体10(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1)に張力を負荷しておくのが好ましい。
異なる延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法として、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着する方法があげられる。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に織布及び/又は不織布が積層されてもよい。織布及び/又は不織布が積層されると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接着性が向上し、得られた積層成形体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、熱融着すると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるには、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤が含浸している織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に積層し接着するのが好ましい。
この場合はホットメルト型接着剤を超音波ウエルダーにより加熱して融着するのが好ましい。
又、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に積層し接着する方法も好ましい。
本発明の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されている。
上記熱可塑性樹脂は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層され、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが衝撃により延伸方向に沿って割れや亀裂が発生しないように保護すると共に、ポリエステル系樹脂が直接雨水や太陽光線に曝されて加水分解や劣化を受け耐久性が低下することを防ぐものである。
又、熱可塑性樹脂を溶融して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層する場合は、熱可塑性樹脂の融点が熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高いと、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶が緩和され線膨張係数が高くなるので、熱可塑性樹脂は熱可塑性ポリエステル系樹脂より融点の低い樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、スチレン樹脂、AS樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。又、フッ素系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタン系塗料等の塗料であってもよい。
上記熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定されず、その用途により適宜決定されればよいが、薄すぎると上記保護効果が低下し、厚くなると重くなると共に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの低線膨張係数の効果が減少されるので0.1〜3mmが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層を積層する方法は、特に限定されず、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂を押出被覆して積層する方法。
(2)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを熱プレスにより接着して積層する方法。
(3)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着して積層する方法。
(4)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等の接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着して積層する方法。
上記の方法において接着力を高めるため、以下の方法が採用される。
(a)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの表面を削って、表面に凹凸を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、アンカー効果により積層する方法。
(b)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに多数の貫通孔を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、貫通孔を通じて両面の熱可塑性樹脂シートを融着して積層する方法。
(c)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤よりなる接着剤層を積層した後、接着剤層上に熱可塑性樹脂を溶融押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押付け加熱して融着する方法。
(d)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のシート状のホットメルト型接着剤を積層した後、ホットメルト型接着剤を加熱して融着する方法。
尚、この方法においては、前述の超音波ウエルダーにより融着するのが好ましい。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に織布及び/又は不織布が積層されてもよい。織布及び/又は不織布が積層されると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の接着性が向上し、得られた積層成形体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、高温で加熱すると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるために、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に積層し接着するのが好ましい。
この場合も、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートにホットメルト型接着剤を含浸した織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層を積層した後、超音波ウエルダーにより融着するのが好ましい。
更に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるために、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に積層し接着してもよい。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート及び積層成形体は、異型成形、曲げ加工等の成形方法により所定形状に成形することができ、所定形状の積層成形体が得られる。
又、積層成形体の耐候性や意匠性を向上させるために、熱可塑性樹脂層の表面に異なる樹脂層を積層したり、塗料を塗装したりしてもよい。
本発明の積層成形体は、外装建材として、特に雨樋として好適に用いられる。
本発明の積層成形体の構成は上述の通りであり、特定の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂が積層されているので、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
肉厚の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸シートは延伸の際の冷却ムラ等により、結晶化が促進されヒケが発生し、厚みが不均一になり品質が低下するが、薄厚の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを積層することにより、肉厚精度が向上し、積層成形体は欠点箇所のなく均一な品質を有する。
又、織布及び/又は不織布が、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート間及び/又は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層間に積層されることにより、積層成形体の引張強度、耐衝撃性等がより向上する。
次に、本発明の実施例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートシート(帝人化成社製、商品名「A−PETシートFR」:極限粘度0.7、結晶化度4%)を延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、75℃に予熱した後、70℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に、熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた2枚の接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートの間に、1枚の接着剤が積層されていない延伸ポリエチレンテレフタレートシートを延伸方向を合わせて挟み、150℃の熱ロールプレスの間を通過させて、両面にホットメルト型接着剤が積層されたポリエチレンテレフタレート積層体を得た。
得られたポリエチレンテレフタレート積層体の両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に塩化ビニル樹脂が積層された積層成形体を得た。
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」:極限粘度0.88、結晶化度4.8%)を溶融押出成形した、厚さ2.5mmのポリエチレンテレフタレートシートを延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に塩化ビニル樹脂が積層された積層成形体を得た。
(比較例1)
塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出して、厚さ1.6mmの塩化ビニル樹脂成形体を得た。
(比較例2)
実施例2で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの片面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシート2枚と接着剤が積層されていない延伸ポリエチレンテレフタレートシート1枚を、間に接着剤層が介在するように、延伸方向を合わせて挟み、150℃の熱ロールプレスの間を通過させて、延伸ポリエチレンテレフタレート積層体を得た。
実施例1、2及び比較例1、2で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシート及び積層成形体(塩化ビニル樹脂成形体、延伸ポリエチレンテレフタレート積層体)の物性を以下の評価法にて評価し、表1に結果を示した。
(1)線膨張係数
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートをJIS K 7197に準拠して測定した。
(2)各層の厚み及び層数
得られた積層成形体の断面をマイクロスコープで観察し、積層成形体の厚さ、延伸ポリエチレンテレフタレートシートとホットメルト型接着剤の層数及び厚さ並びに塩化ビニル樹脂層の厚さを測定した。
(3)加熱伸び
得られた積層成形体を5mの長さに切断し、75℃の水槽に2時間浸漬した後、20℃で12時間放置して積層成形体の長さ(a)を測定し、再度75℃の水槽に2時間浸漬して積層成形体の長さ(b)を測定した。加熱伸びは、「長さ(b)−長さ(a)」の値で示した。
(4)落球衝撃試験
得られた積層成形体から75mm×75mmの試験片を切り出し、その中心に1.3mの高さから1kgの鉄球を落下し、割れや亀裂発生の有無を観察した。尚、測定温度は0℃であった。
(5)引張弾性率
JIS K 7113の引張試験方法に準拠して、延伸方向又は押出方向への引張弾性率を測定した。
(6)シャルピー衝撃値
得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定した。
Figure 2006306012
(実施例3)
厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートシート(帝人化成社製、商品名「A−PETシートFR」)を延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、75℃に予熱した後、80℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に、熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を170℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約6倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの線膨張係数と引張弾性率を実施例1で行ったと同様にして測定したところ、線膨張係数は−0.6×10-5/℃であり、引張弾性率は9GPaであった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」)を0.03mmの厚さで塗布した後、その両面に、厚さ0.25mmの塩化ビニル樹脂シート(徳山積水社製、品番「TS1000R」を押出成形したもの)を積層し、160℃、圧力1MPa で180秒間熱プレスして、延伸ポリエチレンテレフタレートの両面に塩化ビニル樹脂シートが積層された積層成形体を得た。得られた積層成形体の線膨張係数をJIS K 7197に準拠して測定したところ、1.8×10-5/℃であった。
(実施例4)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」)を溶融押出成形した、厚さ2.5mmのポリエチレンテレフタレートシートを延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを折り曲げ成形して、底辺が120mm、側壁の高さが90mmである、断面コ字状の樋形状の成形体を形成し、その両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に厚さ0.5mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
(比較例3)
ロール間隔を1.1mm、延伸倍率を2倍にした以外は実施例4で行ったと同様にして積層成形体を得た。
(比較例4)
ロール間隔を0.1mm、引き抜き速度を4m/min、熱風加熱槽出口温度を5m/min、延伸倍率を10倍にした以外は実施例4で行ったと同様にして積層成形体を得た。
実施例4及び比較例3,4で得られた積層成形体の物性を以下の評価法にて評価し、表2に結果を示した。
(7)線膨張係数
得られた積層成形体をJIS K 7197に準拠して測定した。
(8)落球衝撃試験
得られた樋形状の積層成形体を4mの長さに切断し、0℃の冷凍室で1時間養生した後、開口部が下側になるように設置し、1.3mの高さから1kgの茄子型錘を落下し、割れの有無を観察した。
(9)鋏割れ試験
得られた積層成形体の長さ方向(延伸方向)及びその垂直方向(幅方向)の鋏で切断し、割れやクラックの発生を観察した。
Figure 2006306012
(実施例5)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」)を溶融押出成形した、厚さ2.5mmのポリエチレンテレフタレートシートを延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.03mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル長繊維不織布(東洋紡績社製、商品名「エクーレ3301A」、目付量30g/m2 、厚み0.2mm)を積層し、140℃の熱ロールでプレスした後、その両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に厚さ0.5mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定したところ3.9kJ/m2 であった。
(実施例6)
実施例1で得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシート2枚の間に、ポリエステル長繊維不織布(東洋紡績社製、商品名「エクーレ3301A」、目付量30g/m2 、厚み0.3mm)を積層し、150℃の熱ロールでプレスした後、その両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に厚さ0.5mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。尚、2枚の接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートは延伸方向が同一方向になるように積層した。
得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定したところ4.0kJ/m2 であった。
(実施例7)
ポリエステル長繊維不織布(東洋紡績社製、商品名「エクーレ3301A」、目付量30g/m2 、厚み0.2mm)の一面に、1m2 あたりポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)140gを溶融押出コーティングし、ホットメルト型接着剤が固化する前に一対のシリコンゴムロールの間を通過させて、ポリエステル系ホットメルト型接着剤含浸ポリエステル長繊維不織布を得た。
実施例2で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、得られたポリエステル系ホットメルト型接着剤含浸ポリエステル長繊維不織布を積層し、金型に供給して、その両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、ポリエチレンテレフタレート積層体の両面にポリエステル系ホットメルト型接着剤含浸ポリエステル長繊維不織布と厚さ0.5mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定したところ4.0kJ/m2 であった。
2枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをホットメルト型接着剤で超音波ウエルダーによりする方法の一例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの一例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
符号の説明
1 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート
2 ホットメルト型接着剤シート
3 ホーン
4 ローレット
5 融着部位
10 積層体
11 積層成形体

Claims (28)

  1. 線膨張率が−1.5×10-5以上0未満であり、引張弾性率が8〜15GPaの熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする積層成形体。
  2. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引抜き延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の積層成形体。
  3. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることを特徴とする請求項2又は3記載の積層成形体。
  4. 一軸延伸温度が、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項2記載の積層成形体。
  5. 一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが一軸延伸温度より高い温度で熱固定されていることを特徴とする請求項2、3又は4記載の積層成形体。
  6. 熱固定温度が、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項5記載の積層成形体。
  7. 熱固定が、一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが実質的に変化しない状態で行われることを特徴とする請求項5又は6記載の積層成形体。
  8. 熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1であることを特徴とする請求項7記載の積層成形体。
  9. 熱固定時間が、10秒〜10分であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の積層成形体。
  10. 熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、更に、ガラス転移温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力のかからない状態でアニールされていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項記載の積層成形体。
  11. アニール時間が10秒以上であることを特徴とする請求項10記載の積層成形体。
  12. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸倍率が3〜8倍であることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項記載の積層成形体。
  13. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、延伸方向が略同一方向になるように積層されていることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項記載の積層成形体。
  14. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤で接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体。
  15. ホットメルト型接着剤が超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項14記載の積層成形体。
  16. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体。
  17. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、織布及び/又は不織布が積層されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体。
  18. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体。
  19. ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項18記載の積層成形体。
  20. 2枚以上の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項13記載の積層成形体。
  21. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤で接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体。
  22. ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項21記載の積層成形体。
  23. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体。
  24. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、織布及び/又は不織布が積層されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体。
  25. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体。
  26. ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項25記載の積層成形体。
  27. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項記載の積層成形体。
  28. 積層成形体が、外装建材であることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項記載の積層成形体。
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