JP2007268798A - 積層成形体 - Google Patents

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龍一 松尾
Shigeru Ogasawara
茂 小笠原
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Abstract

【課題】 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂との接着性が優れ、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層シート、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供する。
【解決手段】 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、放電プラズマ処理が施された後に熱可塑性樹脂層が積層されている積層成形体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを芯材とし、外装建材として好適に使用できる積層成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は耐水性、難燃性、機械的特性等が優れ、且つ価格が比較的安価であるので、建築部材の材料として広く使用されている。例えば、雨樋は、一般的に硬質塩化ビニル系樹脂を押出成形により成形している。
しかし、硬質塩化ビニル系樹脂成形体の線膨張係数は7.0×10-5(1/℃)と大きいので、硬質塩化ビニル系樹脂製雨樋を設置する際には、雨樋の伸縮を吸収しうる継手で接続したり、端部をフリーにする必要があったが、施工される雨樋全体の長さが長くなると、継手や落とし口が多くなり、外観が悪いという欠点があった。
そのため、線膨張係数の低い雨樋の検討が種々なされている。例えば、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、マイカ20〜35重量部と、炭酸カルシウム20〜40重量部と、加工助剤5〜15重量部とを添加した塩化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製雨樋(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特許第2905260号公報
上記雨樋は、塩化ビニル系樹脂にマイカと炭酸カルシウムを添加し雨樋の線膨張係数を低くしているが、塩化ビニル系樹脂を主体とするものであり、マイカと炭酸カルシウムの添加量が少ないと線膨張係数が依然として高く、添加量を多くすると雨樋の耐衝撃性、耐久性が低下するという欠点があった。
又、補強材としてガラス繊維を含浸したり、金属薄板を積層した雨樋も提案されている。例えば、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる複合シートが所要断面形状に賦形され、かつ、その表面に熱可塑性樹脂が押出被覆されているとともに、上記複合シートは、少なくともその賦形部分に強化短繊維がランダム配向していることを特徴とする複合成形品(例えば、特許文献2参照。)、金属薄板を芯材とし、この芯材両面に合成樹脂を被覆してシート材を形成し、このシート材に折曲治具先端部を押し当てて断面略コ字型に折曲形成して成る雨樋において、内面側となる前記合成樹脂の折曲位置に、折曲治具先端部がガイドされる凹溝を設けて成ることを特徴とする雨樋(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
特開平11−19998号公報 特開平9−279783号公報
しかしながら、前者の雨樋は熱可塑性樹脂と強化繊維とからなり、短繊維がランダムに配向した複合シートを作成し、所要断面形状に賦形した後に、その表面に熱可塑性樹脂を押出被覆しなければならず、その製造が困難であり、又、廃棄する際に問題があった。
後者の雨樋は、金属薄板が芯材として積層されているので、重量が重くなり、切断作業が困難であり、且つ、雨樋の端部に金属薄板が露出するので経時により錆が発生し、腐食により耐久性が低下するという欠点があった。
更に、金属薄板からなる芯材やガラス繊維を使用せず、線膨張係数の低い雨樋として、例えば、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(1/℃)以下であるポリオレフィン延伸材料の表面に、該ポリオレフィンを溶解する低分子化合物を付着させた後、加圧・加熱により前記ポリオレフィン延伸材料を接着した、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(/℃)以下であるポリオレフィン成形体(例えば、特許文献4参照。)、熱可塑性樹脂を押し出し成形した後、更に、この押し出し成形したものを延伸して引き延ばすことで分子を一方向に配向し、熱可塑性合成樹脂の線膨張係数が6×10-5(1/℃)以下で且つ厚みが0.5mmより厚いことを特徴とする合成樹脂雨樋(例えば、特許文献5参照。)等が提案されている。
特開平10−291250号公報 特開2002−285685号公報
しかしながら、前者の雨樋はポリオレフィン延伸材料を20〜40倍と高度に延伸したシートであり、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有しており、これを防ぐために硬質塩化ビニル系樹脂、AES樹脂等と積層しようとすると、ポリオレフィンはこれらの樹脂より融点が低いためポリオレフィンの延伸状態が崩れ、線膨張係数が高くなるという欠点があった。
更に、後者の雨樋は押し出し成形した雨樋を単に延伸したものなので、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有していた。
これらの欠点を解消しうる材料を種々検討したところ、特定の条件で引抜延伸した延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが引張強度、引張弾性率、耐熱性等が優れていることを見出した。しかしながら、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂との接着性は低く、強固に接着した積層成形体を得ることができなかった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂との接着性が優れ、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層シート、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供することにある。
本発明の積層成形体は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、放電プラズマ処理が施された後に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート等が挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、極限粘度が低すぎるとシート作成時にドローダウンを起こしやすく、高すぎると、延伸しても機械的強度(特に弾性率)が上昇しないので、0.6〜1.0が好ましい。
熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.1mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際しての強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると延伸が困難となることがあるので0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜3mmである。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態である。延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態であればよく、その結晶化度は特に限定されるものではないが、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることが好ましく、より好ましくは5%未満である。
本発明においては、上記非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引抜延伸する。引抜延伸する方法は特に限定されず所定のクリアランスを有する引抜金型を通して引抜延伸してもよいが、一対のロール間を通して引抜延伸するのが、延伸後の厚みを自由にコントロールでき、また引抜金型の特定部位の磨耗が生じることがないので好ましい。
上記引抜延伸する際のロールの温度は、低温であると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが硬すぎて引き抜くことができず、高温になると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが柔らかくなりシートを引き抜く張力によりシートが切断されるので、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度範囲であり、好ましくは該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度範囲である。
又、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引き抜く際に、ロールは回転している必要はないが、特に熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みが厚い場合には、せん断発熱によるロールの蓄熱に起因するシートの温度上昇が生じやすいため、引抜方向に回転させるのが好ましい。
ロールの回転速度が遅いと、ロールと熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接触時間が長くなり、摩擦熱が発生し、ロール温度が上昇して、加熱された熱可塑性ポリエステル系樹脂を冷却する効果が低下し、所定の引抜延伸温度を超えてしまい、逆にロールの回転速度が早くなると、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの表面の熱可塑性ポリエステル系樹脂のみが流動し、均一に引抜延伸できなくなり、得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの弾性率が低下する。
従って、ロールの回転速度は熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを同一条件の引抜速度でロールが回転していない状態で引き抜いた際の送り速度と実質的に同一又はそれ以下の速度が好ましい。
又、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さが厚い(1.5mm以上)場合は、ロールとシートとのせん断による発熱が大きくなるため、ロールの回転速度は上記送り速度の50〜100%が好ましい。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さが薄い場合は、ロールによる冷却効果が大きいのでロールの回転速度は遅くてもよい。
上記引抜延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、2〜9倍が好ましく、より好ましくは2.5〜8倍である。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数は、大きいと温度差により大きく伸縮するので、小さいほうが好ましく、特に負であるのが好ましい。又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは積層成形体の芯材として積層されるのであるから、強度は大きいほうが好ましく、弾性率は7GPa以上が好ましい。
又、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートにたいして、耐熱性やさらなる強度を付与するために一軸延伸処理をおこなうことができる。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、2枚以上が積層されてもよく、積層する場合はその延伸方向が略同一になるように積層されるのが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよい。しかし、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの熱可塑性ポリエステル系樹脂は高度に配向し強度及び弾性率は優れているが、結晶化度は低いので、高温で加熱されると配向は容易に緩和され弾性が低下してしまうので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で接着されるのが好ましい。
又、異なる好ましい延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法として、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着させる方法があげられる。
本発明の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に放電プラズマ処理が施された後、熱可塑性樹脂層が積層される。
放電プラズマ処理としては、従来公知の任意の方法が採用されればよく、一般に、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が配設された対向する金属電極間に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを配置し、酸素や不活性ガスを含むガスの大気圧近傍の圧力下で、少なくとも一方の電極に高電圧を印加し発生したガスのグロー放電プラズマを延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに接触させることにより行われる。
上記不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等が挙げられる。
上記固体誘電体としては、例えば、PTFE、FEP、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックや、SiO2 、Al23 、チタン酸系の強誘電体等のセラミックスが挙げられる。固体誘電体の形状はシート状でもフィルム状でも構わないが、厚みは、厚すぎると放電しにくくなり、薄すぎると高電圧印加時に絶縁破壊が起こりアーク放電が生じてしまうため、1〜5mmの厚みが好ましい。固体誘電体は少なくとも一方の金属電極の全面に設置する必要がある。
プラズマは、電極に高電圧を印加することにより発生するが、印加電圧が低すぎるとプラズマ密度やセルフバイアスが小さくなるため、処理に時間がかかり非効率的であり、高すぎるとアーク放電に移行する挙動を示すので印加電圧5〜250kVpp/cm程度になるよう電圧印加するのが好ましい。
又、プラズマ処理時間も特に限定されるものではなく、適宜決定されればよいが、一般に数秒間〜数分間バッチ処理することも、線速0.5〜5m/分で連続的に処理することもできる。
上記熱可塑性樹脂は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層され、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが衝撃により延伸方向に沿って割れや亀裂が発生しないように保護すると共に、ポリエステル系樹脂が直接雨水や太陽光線に曝されて加水分解や劣化を受け耐久性が低下することを防ぐものである。
又、熱可塑性樹脂を溶融して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層する場合は、熱可塑性樹脂の融点が熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高いと、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの配向が緩和され線膨張係数が高くなるので、熱可塑性樹脂は熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より成形温度の低い樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、スチレン樹脂、AS樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。又、フッ素系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタン系塗料等の塗料であってもよい。
上記熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定されず、その用途により適宜決定されればよいが、薄すぎると上記保護効果が低下し、厚くなると重くなると共に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの低線膨張係数の効果が減少されるので0.1〜3mmが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層を積層する方法は、特に限定されず、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂を溶融押出塗工して積層する方法。
(2)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを熱プレスにより接着して積層する方法。
(3)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着して積層する方法。
(4)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等の接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着して積層する方法。
上記の方法において接着力を高めるため、以下の方法が採用される。
(a)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの表面を削って、表面に凹凸を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、アンカー効果により積層する方法。
(b)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに多数の貫通孔を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、貫通孔を通じて両面の熱可塑性樹脂シートを融着して積層する方法。
(c)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤よりなる接着剤層を積層した後、接着剤層上に熱可塑性樹脂を溶融押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押付け加熱して融着する方法。
(d)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートの間に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点及び熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂の融点より低い融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のシート状のホットメルト型接着剤を積層した後、ホットメルト型接着剤を加熱して融着する方法。
上記のホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法の際には、超音波ウエルダーによりホットメルト型接着剤を溶融して融着するのが好ましい。
上記超音波ウエルダーにより融着する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートとホットメルト型接着剤と熱可塑性樹脂層の積層体を、15〜40kHzの周波数で加振したホーンとローレットの間を通過させる方法があげられる。
図1は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層をホットメルト型接着剤で超音波ウエルダーによりする方法の一例を示す説明図である。
図中1は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の両面にホットメルト型接着剤シート2、2が積層され、更に、その両面に熱可塑性樹脂層3、3が積層されて、積層体10が形成されている。
積層体10はホーン4とローレット5で押圧された状態で移送すると共に、ホーン4から15〜40kHzの周波数で加振することにより、ホーン4から伝えられた超音波振動による摩擦熱により瞬時にホットメルト型接着剤シート2が加熱され溶融して融着され積層成形体11が得られる。
この際、より効率よく融着するために、ホーン4とローレット5の間隔は積層体10の厚みより狭く設定し、積層体10をホーン4とローレット5で加圧しながら融着するのが好ましい。
加圧するには、ホーン4にエアシリンダ、油圧シリンダ等を連設し、ホーン4を積層体10を介してローレット5に押圧するのが好ましい。
又、ローレット6表面には突起部が形成されているので、より効率よく融着することができ、突起部の配列や形状を変化することにより、融着部位の配列や形状のパターンを変化することができる。
図2〜図6は融着部位の配列パターンの例を示す説明図である。図中11は、超音波ウエルダーにより融着された積層成形体であり、Aは延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の延伸方向であり、6は融着部位である。
又、超音波ウエルダーにより融着する際には、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の配向状態が緩和されるのを抑制するために、積層体10(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1)に張力を負荷しておくのが好ましい。
上記積層成形体は、異型成形、曲げ加工等の成形方法により所定形状に成形することができ、所定形状の積層成形体が得られる。
又、積層成形体の耐候性や意匠性を向上させるために、熱可塑性樹脂層の表面に異なる樹脂層を積層したり、塗料を塗装してもよい。
本発明の積層成形体は、外装建材として、特に雨樋として好適に用いられる。
本発明の積層成形体の構成は上述の通りであり、引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂が強固に接着して積層されているので、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
次に、本発明の実施例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」、極限粘度0.88)を溶融押出成形した後急冷して得られた厚さ2.5mmのポリエチレンテレフタレートシート(結晶化度1.3%)を延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.6mm)間を2m/minの速度で引抜いて引抜延伸し、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は76.7℃、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートを、プラズマ処理装置(積水化学工業社製AP−T02機)に供給し、大気圧窒素雰囲気下、周波数:30kHz、パルス幅10μs、印可電圧14kVpp(電極間距離0.15cm:93kVpp)、電流密度0.038A/cm2 、シート送り速度2m/minの条件でシートの両面を常圧放電プラズマ処理した。
放電プラズマ処理された延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面にポリウレタン系ホットメルト型接着剤(積水フーラー社製、商品名「エスダイン9615W」)を120℃で溶融し、リバースコーター(松下工業社製)で0.04mmの厚さに塗布し、40℃、相対湿度95%で20時間養生してポリウレタン系ホットメルト型接着剤が200℃で溶融しなくなるように湿気硬化させて接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、両面に厚さ0.4mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
(実施例2)
実施例1で得られた放電プラズマ処理延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面にポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名バイロンGM−913」、融点126℃)を溶融し成形した厚さ0.04mmホットメルト型接着剤シートを165℃で積層し、次いで、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、「TS1000R」)を200℃で溶融押出被覆して、両面に厚さ0.4mmの塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
(比較例1)
実施例1で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面にポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名バイロンGM−920」、融点107℃)を溶融塗布し、厚さ0.03mmホットメルト型接着剤シートを165℃で積層し、次いで、両面に厚さ0.4mmの塩化ビニル樹脂シート(徳山積水社製、「TS1000R」)を160℃、圧力1MPaで30秒間プレスして、両面に塩化ビニル樹脂層が積層された積層成形体を得た。
得られた積層シートの物性を以下の評価法にて評価し、結果を表1に示した。
(1)線膨張係数
JIS K 7197に準拠して測定した。線膨張係数は、得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを0℃、50%RHで24時間保持した後、その長さをマイクロメータで測定し、次に60℃、50%RHで24時間保持した後、その長さをマイクロメータで測定し、その差から計算した。
(2)引張弾性率
JIS K 7113の引張試験方法に準拠して23℃、50%RHで測定した。
(3)剥離強度
JIS K 6854に準拠し、幅25mmの試験片を作成し、塩化ビニル樹脂シートの端部を剥離し、剥離速度100mm/分の速度でT型剥離試験を行った。
Figure 2007268798
2枚の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをホットメルト型接着剤で超音波ウエルダーによりする方法の一例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの一例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。 積層成形体の融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
符号の説明
1 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート
2 ホットメルト型接着剤シート
3 熱可塑性樹脂層
4 ホーン
5 ローレット
6 融着部位
10 積層体
11 積層成形体

Claims (12)

  1. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度で引抜延伸した延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、放電プラズマ処理が施された後に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする積層成形体。
  2. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることを特徴とする請求項1記載の積層成形体。
  3. 引抜延伸を、上記温度に設定された一対のロール間を通して行うことを特徴とする請求項1又は2記載の積層成形体。
  4. 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度で予熱した後、一対のロール間を通すことを特徴とする請求項3記載の積層成形体。
  5. 上記シートを、同一条件の引抜速度でロールが回転していない状態で引き抜いた際の送り速度と実質的に同一速度以下の速度で該ロールを引抜方向に回転させることを特徴とする請求項3又は4記載の積層成形体。
  6. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸倍率が2〜9倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の積層成形体。
  7. 放電プラズマ処理が、大気圧下で施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の積層成形体。
  8. 熱可塑性樹脂層が、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに熱可塑性樹脂を溶融押出塗工することにより積層されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の積層成形体。
  9. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の積層成形体。
  10. ホットメルト型接着剤が、超音波ウエルダーにより融着されていることを特徴とする請求項9記載の積層成形体。
  11. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の積層成形体。
  12. 積層成形体が、外装建材であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の積層成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010073637A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体
JP2019111835A (ja) * 2019-04-18 2019-07-11 株式会社槌屋 超音波溶着用部材および超音波溶着方法

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