JP3724275B2 - 接着性樹脂組成物及びそれを用いた積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種樹脂の積層体、特にポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂等との積層体を製造するにおける接着剤として好適な接着性樹脂組成物、並びに、該接着性樹脂組成物を用いたポリオレフィン系樹脂と各種樹脂との積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、その優れた成形加工性、機械的特性、水蒸気バリア性、耐薬品性、熱封着性等を生かして各種の包装・容器用資材として多く用いられているが、酸素ガスや炭酸ガス等のガスバリア性や、フレーバー性や保香性等の耐内容物性等が劣り、又、成形方法や樹脂の種類によっては表面光沢性や透明性等の意匠性にも劣るという欠点がある。
【0003】
そして、ポリオレフィン系樹脂におけるこれらの欠点を改良する方法として、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の各種樹脂を積層した積層体の形態が採られており、その際、ポリオレフィン系樹脂がこれらの各種樹脂との接着が不良であるため、両者間に接着剤層を介して積層体とすることが行われている。
【0004】
そして、その接着剤層として、従来より、ポリオレフィン系樹脂に、変性ポリオレフィン系樹脂又はゴム、粘着性付与剤、スチレン系熱可塑性エラストマー等を配合した樹脂組成物が用いられているが、いずれの樹脂組成物も、特にポリエステル系樹脂との接着において、市場の要求を十分に満足させ得ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、各種樹脂の積層体、特にポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂等との積層体を製造するにおける接着剤として好適な接着性樹脂組成物、並びに、該接着性樹脂組成物を用いたポリオレフィン系樹脂と各種樹脂との積層体、を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の変性プロピレン系樹脂を用いた樹脂組成物が前記目的を達成できることを見い出し本発明に到達したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分〔但し、各成分の重量%はこの三成分の合計100重量%に対するものである。〕からなる接着性樹脂組成物、並びに、該接着性樹脂組成物からなる層を介して、ポリオレフィン系樹脂層と、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、及びポリアミド系樹脂からなるガスバリア性樹脂の群から選ばれたいずれかの樹脂の層とが積層されてなる積層体、を要旨とする。
【0007】
(A)不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含有量0.1〜20重量%、メルトフローレート10〜5,000g/10分、数平均分子量5,000〜100,000の不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂;35重量%
(B)α−オレフィン含有量2重量%以上、15重量%未満、メルトフローレート0.1〜50g/10分、曲げ弾性率3,000〜10,000kg/cm2 のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂;2575重量%
(C)α−オレフィン含有量15重量%以上、密度0.8550.895g/cm3 、メルトフローレート0.1〜50g/10分のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム2040重量%
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着性樹脂組成物を構成する(A)成分の不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂は、プロピレン系樹脂を変性剤としての不飽和カルボン酸又はその誘導体を用いてグラフト反応条件に付して変性することにより得られたものである。
【0009】
ここで、その反応条件に付されるプロピレン系樹脂としては、具体的には、例えば、プロピレン単独重合体、並びに、プロピレンと、エチレン、1−ブテン等の他のα−オレフィンとからなり、他のα−オレフィン含有量が15モル%以下のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、及び、他のα−オレフィン含有量が5〜30モル%のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体等が挙げられ、中で、プロピレン単独重合体が好ましい。
【0010】
又、変性剤としての不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸、又は、その無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等の誘導体が挙げられ、中で、不飽和ジカルボン酸又はその無水物、特にマレイン酸又はその無水物が好ましい。
【0011】
又、そのグラフト反応条件としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキシド類等の有機過酸化物を、前記プロピレン系樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部程度用いて、80〜300℃程度の温度で、溶融状態又は溶液状態等で反応させる方法が採られる。
【0012】
そして、本発明における(A)成分の前記不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂は、不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含有量が0.1〜20重量%であることが必須であり、1〜10重量%であるのが好ましい。不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含有量が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として十分な接着力が得られず、一方、前記範囲超過では、変性プロピレン系樹脂中にゲル等が生じ、それが接着性樹脂組成物中でフィッシュアイやブツ等となって接着力や表面外観の低下を来すこととなる。
【0013】
更に、本発明における(A)成分の前記不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂は、JIS K7210に準拠して180℃、2.16kg荷重で測定した値を230℃、2.16kg荷重に換算したメルトフローレートが10〜5,000g/10分であることが必須であり、15〜4,500g/10分であるのが好ましい。メルトフローレートが前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として耐熱性のある十分な接着力が得られず、一方、前記範囲超過では、材料強度自体が不足して十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0014】
更に、本発明における(A)成分の前記不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂は、数平均分子量が5,000〜100,000であることが必須であり、7,000〜90,000であるのが好ましい。数平均分子量が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物としての材料強度自体が不足して十分な接着力を発現し得ず、一方、前記範囲超過では接着力の低下が生じることとなる。
【0015】
本発明の接着性樹脂組成物を構成する(B)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、プロピレンと、エチレン、1−ブテン等の他のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体であり、具体的には、例えば、プロピレン−エチレンランダム又はブロック共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム又はブロック共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム又はブロック共重合体等が挙げられ、中で、プロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましい。
【0016】
そして、本発明における(B)成分の前記プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、プロピレン以外のα−オレフィンの含有量が15重量%未満であることが必須であり、2重量%以上であるのが好ましい。α−オレフィンの含有量が前記範囲以上では、接着性樹脂組成物としての材料強度自体が不足して十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0017】
更に、本発明における(B)成分の前記プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であることが必須であり、1〜30g/10分であるのが好ましい。メルトフローレートが前記範囲未満では、接着性樹脂組成物としての成形加工性が劣り、一方、前記範囲超過では十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0018】
更に、本発明における(B)成分の前記プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が、3,000〜10,000kg/cm2 であることが必須であり、4,000〜7,000kg/cm2 であるのが好ましい。曲げ弾性率が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物としての材料強度自体が不足して十分な接着力を発現し得ず、一方、前記範囲超過では接着力の低下が生じることとなる。
【0019】
本発明の接着性樹脂組成物を構成する(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18の他α−オレフィンとの共重合体であり、具体的には、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等が挙げられる。
【0020】
又、プロピレン−α−オレフィン共重合体は、プロピレンと、エチレン、1−ブテン等の炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体であり、具体的には、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0021】
そして、本発明における(C)成分の前記エチレン−α−オレフィン共重合体又は前記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、前者におけるエチレン以外のα−オレフィンの含有量、後者におけるプロピレン以外のα−オレフィンの含有量が、15重量%以上であることが必須である。α−オレフィンの含有量が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0022】
更に、本発明における(C)成分の前記エチレン−α−オレフィン共重合体又は前記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、密度が0.850〜0.900g/cm3 であることが必須であり、0.855〜0.895g/cm3 であるのが好ましい。密度が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として十分な接着力を発現し得ず、一方、前記範囲超過でも接着力の低下を生じることとなる。
【0023】
更に、本発明における(C)成分の前記エチレン−α−オレフィン共重合体又は前記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、JIS K7210に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であることが必須であり、0.5〜20g/10分であるのが好ましい。メルトフローレートが前記範囲未満では、接着性樹脂組成物としての成形加工性が劣り、一方、前記範囲超過では十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0024】
本発明の接着性樹脂組成物は、(A)成分の前記変性プロピレン系樹脂、(B)成分の前記プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、及び、(C)成分の前記エチレン−α−オレフィン共重合体又は前記プロピレン−α−オレフィン共重合体からなり、接着性樹脂組成物全体に占める(A)成分の変性プロピレン系樹脂の割合が1〜40重量%、(B)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂の割合が10〜89重量%、及び、(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合体の割合が10〜50重量%であることが必須であり、(A)成分の割合が5〜35重量%、(B)成分の割合が25〜75重量%、及び、(C)成分の割合が20〜40重量%であるのが好ましい。〔但し、各成分の重量%はこの三成分の合計100重量%に対するものである。〕。
【0025】
(A)成分の変性プロピレン系樹脂の割合が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として接着力が不足し、一方、前記範囲超過では、材料強度自体が不足して十分な接着力を発現し得ないこととなる。又、(B)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂の割合が前記範囲未満では、接着性樹脂組成物として接着力や表面外観の低下を来すこととなり、一方、前記範囲超過では十分な接着力を発現することが困難となる。又、(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合体の割合が前記範囲未満でも超過でも、接着性樹脂組成物として接着力の低下を来すこととなる。
【0026】
尚、本発明の接着性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の外に、他のポリオレフィン系樹脂やゴム等が含有されていてもよく、更に、必要に応じて、通常用いられる各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填剤等が添加されていてもよい。
【0027】
本発明の接着性樹脂組成物は、(A)成分の前記変性プロピレン系樹脂、(B)成分の前記プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、及び、(C)成分の前記エチレン−α−オレフィン共重合体又は前記プロピレン−α−オレフィン共重合体、その他必要に応じて用いられる樹脂やゴム、添加剤等を、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合した後、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより調製される。
【0028】
本発明の接着性樹脂組成物は、従来公知の方法により、被着材上にアンカーコート剤を介して又は介さずして、逐次押出ラミネート、サンドイッチ押出ラミネート、共押出ラミネートする方法、並びに、被着材と接着性樹脂組成物、及び、更に異種樹脂や同種樹脂とを共押出する方法等により積層体とされてフィルム状又はシート状に成形され、或いは、更に延伸加工に付されて延伸物とされ、又、真空成形、圧空成形等の熱成形に付され、又は、共押出ブロー成形されて容器状に賦形されるが、共押出による積層体を製造するのに好適である。
【0029】
ここで、その被着材としては、具体的には、例えば、本発明の接着性樹脂組成物からなる層の一方側のものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、他方側のものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロンMXD6、ナイロン6/66等のポリアミド系樹脂、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等のガスバリア性樹脂、並びに、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン(GPPS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS樹脂)、スチレン−アクリロニトリルグラフト重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂等が挙げられ、後者の中では、前記ガスバリア性樹脂、就中、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体等のポリエチレンテレフタレート系樹脂が好適である。
【0030】
尚、本発明における被着材としては、前記各種樹脂の未延伸又は延伸フィルム又はシートの外、それらの表面に印刷等が施された印刷フィルム又はシート、アルミニウム、銅、鉄等の金属の箔、板等の金属製、及び、紙、板紙等の紙製等のものも挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、接着性樹脂組成物の(A)成分の変性プロピレン系樹脂、(B)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、及び、(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合体としては以下のものを用いた。
【0032】
(A)変性プロピレン系樹脂
▲1▼無水マレイン酸単位含有量4.7重量%、メルトフローレート2725g/10分、数平均分子量14,000の無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体。
▲2▼(比較例用)無水マレイン酸単位含有量0.4重量%、メルトフローレート3.0g/10分、密度0.921g/cm3 の無水マレイン酸変性直鎖状ボリエチレン。
【0033】
(B)プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂
▲1▼エチレン含有量5.4重量%、メルトフローレート3g/10分、曲げ弾性率4,800kg/cm2 のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
▲2▼エチレン含有量3.2重量%、メルトフローレート1.8g/10分、曲げ弾性率6,300kg/cm2 のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
▲3▼(比較例用)エチレン含有量2.0重量%、メルトフローレート1.5g/10分、曲げ弾性率10,100kg/cm2 のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
【0034】
(C)エチレン−α−オレフィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合体
▲1▼プロピレン含有量27重量%、密度0.866g/cm3 、メルトフローレート5.4g/10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴム。
▲2▼1−ブテン含有量20重量%、密度0.880g/cm3 、メルトフローレート3.6g/10分のエチレン−1−ブテン共重合体ゴム。
▲3▼1−ブテン含有量30重量%、密度0.890g/cm3 、メルトフローレート3.2g/10分のプロピレン−1−ブテン共重合体。
【0035】
実施例1〜、比較例1〜
(A)成分の変性プロピレン系樹脂、(B)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、及び、(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとして、各々表1に示すものを用い、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、45mm径の二軸押出機に供給し、230℃で溶融混練してストランド状に押出し、カッティングすることにより、ペレット状の接着性樹脂組成物を製造した。
【0036】
得られた各接着性樹脂組成物を中間層用として、40mm径の一軸押出機で溶融混練すると共に、外層用樹脂としてのポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社製「ノバテックPP FY6H」)を40mm径の一軸押出機で、内層用樹脂として以下の樹脂を50mm径の一軸押出機で、それぞれ溶融混練し、各内層用樹脂毎に以下の温度に設定した環状ダイより共押出してインフレーション成形することにより、ポリプロピレン樹脂外層100μm/接着性樹脂組成物層100μm/樹脂内層100μm、の3種3層の層構成の積層体を製造した。
【0037】
内層用樹脂
▲1▼ポリエステル系樹脂(イーストマンケミカル社製「PET−G 6763」)、230℃。
▲2▼ポリエステル系樹脂(三菱瓦斯化学社製「ダイヤナイト PA500D」)、260℃。
▲3▼ エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(クラレ社製「エバール EP−F101」)、210℃。
▲4▼ポリアミド系樹脂(三菱化学社製「ノバテック 1020CA2」)、240℃。
【0038】
得られた各積層体について、以下に示す方法で接着強度を測定し、結果を表1に示した。
接着力
得られた積層体から幅10mmに切り出した短冊状サンプルを用い、JIS K6854に準拠して、その一端の樹脂内層と接着性樹脂組成物層との間を予め剥離し、剥離速度500mm/分で23℃でT形剥離試験を行った。
【0039】
【表1】
Figure 0003724275
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、各種樹脂の積層体、特にポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂等との積層体を製造するにおける接着剤として好適な接着性樹脂組成物、並びに、該接着性樹脂組成物を用いたポリオレフィン系樹脂と各種樹脂との積層体、を提供することができる。

Claims (3)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分〔但し、各成分の重量%はこの三成分の合計100重量%に対するものである。〕からなることを特徴とする接着性樹脂組成物。
    (A)不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含有量0.1〜20重量%、メルトフローレート10〜5,000g/10分、数平均分子量5,000〜100,000の不飽和カルボン酸又はその誘導体変性プロピレン系樹脂;35重量%
    (B)α−オレフィン含有量2重量%以上、15重量%未満、メルトフローレート0.1〜50g/10分、曲げ弾性率3,000〜10,000kg/cm2 のプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂;2575重量%
    (C)α−オレフィン含有量15重量%以上、密度0.8550.895g/cm3 、メルトフローレート0.1〜50g/10分のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム2040重量%
  2. 請求項1に記載の接着性樹脂組成物からなる層を介して、ポリオレフィン系樹脂層と、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、及びポリアミド系樹脂からなるガスバリア性樹脂の群から選ばれたいずれかの樹脂の層とが積層されてなることを特徴とする積層体。
  3. ガスバリア性樹脂がポリエステル系樹脂である請求項2に記載の積層体。
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