JP7073918B2 - 接着性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は以下を要旨とする。
成分(A):ポリプロピレン系樹脂
成分(B):高密度ポリエチレン
成分(C):ポリプロピレン系樹脂に、少なくとも1種の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体がグラフトされた変性ポリプロピレン系樹脂であり、変性量が1質量%以上である変性ポリプロピレン系樹脂
成分(A):ポリプロピレン系樹脂
成分(B):高密度ポリエチレン
成分(C):ポリプロピレン系樹脂に、少なくとも1種の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体がグラフトされた変性ポリプロピレン系樹脂であり、変性量が1質量%以上である変性ポリプロピレン系樹脂
なお、本発明において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
成分(A)のポリプロピレン系樹脂、成分(C)の原料となるポリプロピレン系樹脂、成分(B)の高密度ポリエチレン、積層体のポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層を構成する各樹脂のMFRは、JIS K7210に従い、ポリプロピレン系樹脂の場合は、温度230℃、荷重2.16kg、10分の条件で、ポリエチレン系樹脂の場合は温度190℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
また、本発明の接着性樹脂組成物のMFRは、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
JIS K7171-1994に準拠して測定される。
JIS K7112に従い、水中置換法で測定される。
成分(C)の変性量(グラフト率)は、赤外分光測定装置で測定した際の、後述の原料ポリプロピレン系樹脂にグラフトした不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(以下、「不飽和カルボン酸成分」と称す場合がある。)の含有率を意味する。例えば、変性ポリプロピレン系樹脂を厚さ100μm程度のシート状にプレス成形したサンプル中の不飽和カルボン酸成分特有の吸収、具体的には1,900~1,600cm-1(C=O伸縮振動帯)のカルボニル特性吸収を測定することにより求めることができる。グラフト率は、上記の方法で、予め作成した検量線から求めることもできる。
成分(B)の高密度ポリエチレンの、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の値であり、測定されたMwとMnの比として分子量分布(Mw/Mn)が算出される。
本発明の接着性樹脂組成物は、下記成分(A)~(C)を含み、成分(A)と成分(B)の合計100質量%に対して成分(A)の割合が51~75質量%、成分(B)の割合が25~49質量%であり、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して成分(C)を0.5~10質量部含むことを特徴とする。ただし、成分(A)のポリプロピレン系樹脂は、成分(C)の変性ポリプロピレン系樹脂に包含されるものを除く、非変性ポリプロピレン系樹脂である。
成分(A):ポリプロピレン系樹脂
成分(B):高密度ポリエチレン
成分(C):ポリプロピレン系樹脂に、少なくとも1種の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体がグラフトされた変性ポリプロピレン系樹脂であり、変性量が1質量%以上である変性ポリプロピレン系樹脂
成分(A)のポリプロピレン系樹脂は、本発明の接着性樹脂組成物に耐熱性、剛性、ポリプロピレン系樹脂層との密着性、押出加工性を付与するための成分である。ポリプロピレン系樹脂(A)としては、プロピレン単独重合体や、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体などが挙げられる。また、コモノマーとしてエチレン以外の、もしくはエチレンに加えて第3のコモノマーとしてたとえば1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンなどのα-オレフィンや、その他のビニルモノマーなどを用いたプロピレン系共重合体を用いることも可能である。この中で好ましくは耐衝撃性と剛性のバランスに優れたプロピレン・エチレンブロック共重合体が好適である。
成分(B)の高密度ポリエチレンは、本発明の接着性樹脂組成物に接着性、機械的強度を付与するための成分である。
本発明の接着性樹脂組成物に用いられる成分(C)である不飽和カルボン酸成分をグラフトした変性ポリプロピレン系樹脂は接着性に寄与する成分である。
不飽和カルボン酸成分としては、特にマレイン酸及び/又はその無水物が好適である。
また別の方法として、溶融変性法が挙げられる。溶融変性法は、原料ポリプロピレンと、不飽和カルボン酸成分と、必要によりラジカル発生剤を予め混合した上で、混練機中で溶融混練して反応させる、或いは、混練機中で溶融した原料ポリプロピレン系樹脂に、ラジカル発生剤と不飽和カルボン酸成分との混合物を装入口から添加して反応させることで行われる。上記混合には通常、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には通常、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーミキサー等を使用することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、上述の成分(A)~(C)を、必須成分として含有するものであり、成分(A)と成分(B)の合計100質量%に対して成分(A)を51~75質量%、成分(B)を25~49質量%含み、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して成分(C)を0.5~10質量部含む。
本発明の接着性樹脂組成物には、上記の各成分に加え、本発明の効果を著しく損なわない範囲で各種目的に応じ他の任意の添加剤や樹脂等(以下、これらを「その他の成分」と称す。)を配合することができる。その他の成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
ただし、前掲の特許文献1で必須成分とされている粘着付与剤は、成形時の発煙、油中への浸出、耐熱性の低下等の問題があるため、本発明の接着性樹脂組成物は、このような粘着付与剤を含有しないことが好ましい。
ここで、「粘着付与剤を含有しない」とは、接着性樹脂組成物中の粘着付与剤の含有量が5質量%以下であることをいう。
成分(A)、成分(B)及び成分(C)と、必要に応じて添加されるその他の成分を用いて、本発明の接着性樹脂組成物を製造するための配合方法は、溶融法、溶液法、懸濁分散法等があり、特に限定されない。実用的には溶融混練法が好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物のMFR(230℃,2.16kg)は、好ましくは0.2~10g/10分、より好ましくは0.5~5g/10分である。MFRが上記下限よりも低いと、共押出時に他の樹脂との粘度バランスが悪くなり、得られる積層体を構成する各層の厚みが均一にならず、MFRが上記上限よりも高すぎても同様の現象が生じる。特に、シートやパイプなど、ブロー成形などを用いる場合はMFRは0.5~3g/10分の範囲が特に好適である。
本発明の積層体は、少なくとも本発明の接着性樹脂組成物からなる層とガスバリア層とを有し、好ましくは、本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層とガスバリア層とが直接接しているものである。本発明の接着性樹脂組成物よりなる層は他のポリプロピレン系樹脂層と積層構造とされてもよく、ポリエチレン系樹脂層と積層構造とされていてもよい。
本発明の積層体における本発明の接着性樹脂組成物からなる層は通常接着層であり、その厚みとしては限定されるものではなく、用途や被接着層の種類等に応じて適宜決定されるが、通常1~100μmの範囲であることが好ましく、2~50μmの範囲であることがより好ましく、3~20μmの範囲であることが特に好ましい。
本発明において、ガスバリア層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリフタルアミド樹脂などが挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層がその他のポリプロピレン系樹脂層との積層構造とされている場合、その他のポリプロピレン系樹脂層を構成するプロピレン系樹脂とは、プロピレン単位含有量が50モル%以上のプロピレン系樹脂である。具体的には、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・オクテンランダム共重合体、プロピレン・ブテン・ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・ブテン・オクテンランダム共重合体、プロピレン・ヘキセン・オクテンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体等のプロピレン系重合体を挙げることができ、中でもMFR(230℃,2.16kg)が0.1~30g/10分の、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・オクテンランダム共重合体、プロピレン・ブテン・ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・ブテン・オクテンランダム共重合体、特にプロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
その他のポリプロピレン系樹脂層の厚みとしては特に限定されるものではなく、用途や樹脂種、要求特性等によって適宜決定されるが、通常20~5,000μm、好ましくは30~4,000μmである。
本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層がポリエチレン系樹脂層との積層構造とされている場合、ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂とは、エチレン単位含有量が50モル%以上のポリエチレン系樹脂である。具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン系エラストマーを挙げることができ、中でもMFR(190℃,2.16kg)が0.1~30g/10分の、低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
本発明の積層体は、更にその他の層が積層されていてもよい。
その他の層としては特に制限されることはない。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン-アクリロニトリルグラフト共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂等からなる樹脂層や、プロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂以外のオレフィン系重合体、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等のアクリル/メタクリル系樹脂などのその他の熱可塑性樹脂層などが挙げられる。
本発明の積層体としては、例えば、ガスバリア層の両面に本発明の接着性樹脂組成物層を介して前述のその他のポリプロピレン系樹脂層を積層してなる5層の積層体、即ち、ポリプロピレン系樹脂層/本発明の接着性樹脂組成物層/ガスバリア層/本発明の接着性樹脂組成物層/ポリプロピレン系樹脂層の層構造を有するものが挙げられる。この場合、2つのポリプロピレン系樹脂層は同一のポリプロピレン系樹脂よりなるものであってもよく、異なるポリプロピレン系樹脂よりなるものであってもよい。また、上記のポリプロピレン系樹脂層の一方又は双方がポリエチレン系樹脂層である積層体であってもよい。
また、これ以外に、非対称積層構造のものであってもよく、ガスバリア層を複数層配したものであってもよい。また内層、および外層にガスバリア層が配されていても構わない。
本発明の積層体が多層シートである場合、その総厚みは200~5,000μmであることが好ましい。また、本発明の積層体が多層フィルムである場合、その総厚みは30~200μmであることが好ましい。
本発明の積層体を製造する方法(以下、「一次加工」と称す場合がある。)としては、従来より公知の種々の手法を採用することができる。例えば、押出機で溶融させた個々の溶融樹脂を多層ダイスに供給し、ダイスの中で積層する共押出法によるブロー成形法、パイプ押出成形、T-ダイ成形によるフィルム成形もしくはシート成形が挙げられる。
上記の各層を構成する組成物の原料を予め溶融混練若しくはドライブレンドによって調製し、単軸、2軸などの押出成形法により押出し、フィードブロック、マルチマニフォールドダイなどで合流し積層構造にし、所定の形状のダイから押出して、冷却後、シート形状の場合は巻き取り機で巻き取る。共押出成形法における押出し温度は、ガスバリア層の樹脂の特性によって適時選択されるが、一般的に300℃以下に抑制するのが好ましい。シートの引き取り速度(m/h)は所望の厚みに応じて適時設定し、押出機の基材原料の吐出量(g/h)は、用いる原料の種類、目的とするシートの各層厚み等により適宜選択することが好ましい。冷却方法は公知の方法を採用することができるが、例として、ロール上へのキャスト冷却、ないしはエアナイフによる冷却、サイザー等を通して水中で冷却する方法により冷却して、積層体を得る。
本発明の積層体の接着強度はTピール剥離試験により評価することができる。具体的には、後掲の実施例の項に示されるように、所定の幅に切りそろえた試験片(後掲の実施例では5mm幅)を用いて、カッター等で強度を測定したい界面を剥離し、一般的な引張試験機を用いてTピール方式で所定の速度(後掲の実施例では50mm/分)で引き剥がすことによって測定される。用途にもよるが、このTピール剥離試験による剥離強度が0.25N/mm以上、好ましくは0.5N/mm以上である場合、良好な接着強度を有すると評価できる。
本発明の積層体は、熱可塑性樹脂同士の積層体であることから熱成形等の二次加工性にも優れ、上記のようにして製造された本発明の積層体を、延伸や熱成形等の二次加工に供することができ、チューブ、中空成形品、シート等用途に応じて様々な形状に加工することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、ガスバリア性の樹脂に対して優れた接着性を有すると共に、耐熱性、剛性にも優れるものであるため、このような本発明の接着性樹脂組成物を接着層とする本発明の積層体は、優れた接着強度特性を示し、更に強度、耐熱性及びガスバリア性等にも優れたものとすることができる。従って、本発明の積層体及びこの積層体から製造される二次加工品は、一般食品包材や薬品等の保管容器、燃料タンクや燃料チューブといった燃料部品等に好適に使用することができる。
以下の諸例では次の原材料を使用した。
ポリプロピレン系樹脂:プロピレン・エチレンブロック共重合体(ユニペトロール社製「モステンEB501」、MFR(230℃,荷重2.16kg):0.5g/10分、曲げ弾性率:1150MPa、プロピレン単位含有量:7モル%)
高密度ポリエチレン:エチレン・ブテン共重合体(バゼル社製「ホスタレンGF9055F」、MFR(190℃,荷重2.16kg):1.8g/10分、密度:0.954g/cm3、Mw/Mn:7.2、エチレン単位含有量:0.3モル%)
他のポリエチレン系樹脂:エチレン・プロピレン共重合体(三井化学社製「タフマーP0775」、MFR(190℃,荷重2.16kg):0.4g/10分、密度:0.858g/cm3、Mw/Mn=1.8、エチレン単位含有量:13モル%)
以下の方法で製造した変性ポリプロピレン系樹脂を成分(C)として用いた。
クロロベンゼン6Lに、プロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm3、MFR(230℃,荷重2.16kg):10g/10分)のパウダー5kg、無水マレイン酸500gを130℃で溶解させた。次いで、この溶液にジクミルペルオキシドのクロロベンゼン溶液(200g/400L)を加えた。さらに130℃で8時間反応を続け、次いで40℃まで冷却し、樹脂を析出させた。析出させた樹脂をろ過し、さらにアセトンで繰り返し洗浄し、90℃で減圧乾燥して変性量2.2質量%の変性ポリプロピレン系樹脂を得た。
上記に記載した原材料を、それぞれ表-1に記載の配合量にてドライブレンドして混合し、単軸押出機(口径40mmφ、L/D=32)を用い、設定温度210℃、スクリュー回転数60rpm、押出量20kg/hで溶融混練し、ストランドカットによりペレット状の接着性樹脂組成物を得た。
得られた接着性樹脂組成物のMFR(230℃,2.16kg)は表-1に示す通りであった。
上記で得られた接着性樹脂組成物を熱プレス成形することで厚さ4mmのシートを作製し、このシートからJIS 1号ダンベル試験片を打ち抜いた。この試験片を用いて、引張試験機で引張速度50mm/分で引張試験を行い降伏強度を求めた。
前述の通り、降伏強度は20MPa以上、特に25MPa以上が好ましい。
各接着性樹脂組成物の降伏強度の測定結果を表-1に示す。
上記で得られた接着性樹脂組成物を接着層とし、以下の製造方法により多層積層体を得た。
多層ブロー成形機(各層の押出機:ポリエチレン系樹脂層65mmφ、ガスバリア層,接着層40mmφ、200mm径丸型ダイス(リップ開度5mm))を用いて、3種5層多層のボトル成形品(容量500cc、厚み約3.5mm)を得た。層構成は、ポリエチレン系樹脂層/接着層/ガスバリア層/接着層/ポリエチレン系樹脂層とし、各層厚みを1.5/0.1/0.1/0.1/1.5(mm)とした。ポリエチレン系樹脂層には日本ポリエチレン社製ポリエチレン「ノバテックHDPE HB111R」(MFR(190℃,21.6kg):6g/10分)を、ガスバリア層にはDSM社製PA6(ナイロン6)「ノバミッド1020」を用いた。成形温度はガスバリア層240℃、接着層230℃、ポリエチレン系樹脂層210℃、ダイス温度220℃とし、押出量約25kg、ボトルの冷却時間2分、金型温度15℃とした。
上記で得られた多層積層体をそれぞれ押出方向に幅5mmの短冊状に切り出して試験片とし、23℃雰囲気下、速度50mm/分にて、接着層/PA6層間及び接着層/ポリエチレン層間のそれぞれについてTピール剥離試験を行い、剥離強度を測定した。
前述の通り、剥離強度は0.25N/mm以上、特に0.5N/mm以上が好ましい。
各積層体の剥離強度の測定結果を表-1に示す。
成分(B)の高密度ポリエチレンの代りに成分(b)の低密度ポリエチレンを用いた比較例1では、接着性は良好であるが降伏強度が低い。
成分(A)~(C)を用いても成分(B)の配合量が少ない比較例2では対ポリエチレン剥離強度が十分ではない。
これに対して、成分(A)~(C)を本発明の範囲内で用いた実施例1,2では、対ポリエチレン剥離強度、対PA6剥離強度共に良好な値を示し、降伏強度も高い。
Claims (9)
- 下記成分(A)~(C)を含み、成分(A)と成分(B)の合計100質量%に対して成分(A)の割合が51~65質量%、成分(B)の割合が35~49質量%であり、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して成分(C)を0.5~10質量部含む接着性樹脂組成物。
成分(A):MFR(230℃,荷重2.16kg)が0.5~5g/10分のポリプロピレン系樹脂
成分(B):MFR(190℃,荷重2.16kg)が1~5g/10分の高密度ポリエチレン
成分(C):ポリプロピレン系樹脂に、少なくとも1種の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体がグラフトされた変性ポリプロピレン系樹脂であり、変性量が1質量%以上である変性ポリプロピレン系樹脂 - 請求項1に記載の接着性樹脂組成物からなる層とガスバリア層とを有する積層体。
- 前記ガスバリア層がポリアミド系樹脂層である請求項2に記載の積層体。
- 共押出成形体である請求項2又は3に記載の積層体。
- 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の積層体からなるチューブ。
- 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の積層体からなる中空成形品。
- 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の積層体からなるシート。
- 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の積層体の熱成形品。
- 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の積層体を用いた燃料部品。
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