JP3720578B2 - 放射線増感スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線撮影方法の実施に際して一般的に用いられる放射線増感スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断などに利用されているX線撮影では通常、放射線写真フィルムが放射線増感スクリーンと共に用いられている。この放射線増感スクリーンは通常、支持体と、その支持体上に順に積層された蛍光体層と表面保護層とからなる基本構成を持っている。この表面保護層は、放射線増感スクリーンの繰返し使用時に発生する蛍光体層の物理的及び化学的な劣化を防ぐために設けられているが、表面保護層を厚くすると、得られる放射線画像の感度が低下し、更に鮮鋭度が低下する傾向がある。一方では、表面保護層を薄くすると、その保護層としての機能が低下しやすい。このため、放射線増感スクリーンの表面保護機能の向上と鮮鋭度低下の抑制を意図した多くの研究が行なわれてきた。
【0003】
これまでに一般的に使用されている放射線増感スクリーンの表面保護層として代表的なものは、ヘイズ度が5〜10程度となるように調整されたポリエチレンテレフタレートフィルムである。
【0004】
ドイツ特許第3111831号公報には、γ−アルミナ粒子を表面保護層に微量(0.1重量%以下)添加した実施例が記載されている。
特公昭60−34720号公報には、表面保護層に有機物マット剤を導入することにより保護層表面の滑り性を向上させることの記載がある。
特開昭62−137599号公報には同様に、表面保護層にポリマー微粒子を導入することにより保護層表面の滑り性を向上させることの記載がある。
特開平3−28798号公報には、表面に凹凸を持った保護層が備えられた放射線増感スクリーンの記載がある。
特開昭51−127688号公報には、表面保護層に凸状のマット剤が含有された放射線増感スクリーンの記載がある。
特開昭53−66392号公報には、蛍光体層とハロゲン化銀乳剤材料との間に光散乱性を持たせた層を導入することにより、放射線同位元素によるブラックスポットを見えにくくすることの記載がある。
特開昭58−58500号公報には、蛍光体層上に白色光散乱層を設け、その上に透明保護層を設けた構成が開示されている。
特開平3−255400号公報には、表面保護層と蛍光体層との間に金属酸化物等を存在させることにより導電性を付与することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これまでに研究され、開発されてきた放射線増感スクリーンの各種の表面保護層は、それぞれ表面保護層としての物理的及び化学的な保護機能、たとえば、耐傷性、耐汚染性、耐摩耗性などの機能の付与と、得られる放射線画像の鮮鋭度低下の抑制を考慮した結果として産み出されたものであり、それなりに改良がなされているが、その改良の程度は充分ということは言えない。
従って、本発明の課題は、耐汚染性及び耐摩耗性などの高い表面保護機能を示し、また高い感度を維持しながら、鮮鋭度の高い放射線画像を形成することができる放射線増感スクリーンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体と該支持体上に積層された蛍光体層と表面保護層とからなる放射線増感スクリーンであって、該蛍光体層の蛍光体の主発光波長で測定して得られる該表面保護層の光散乱長が5〜80μmの範囲にあることを特徴とする放射線増感スクリーンにある。
【0007】
本発明で規定した表面保護層の光散乱長は、光が一回散乱するまでに直進する平均距離を表わしており、散乱長が短い程、光散乱性が高いことを意味する。この光散乱長は、下記の方法によって測定した測定値から、クベルカ・ムンク(Kubelka-Munk)の理論に基づく計算方法により算出することができる。
【0008】
まず、測定対象の表面保護層と同一の組成を持ち、互いに膜厚が相違する三枚以上のフィルム試料を製造する。次に、各々のフィルム試料の厚み(μm)と拡散透過率(%)とを測定する。この拡散透過率の測定は、通常の分光光度計に積分球を付設した装置により測定することができる。本発明に於ける測定では、株式会社日立製作所製のU−3210型自記分光光度計に150φ積分球(150−0901)を付設して用いた。測定波長は、表面保護層を付設する対象の蛍光体層の蛍光体の主発光ピークと一致させる必要がある。
上記の測定により得られたフィルムの厚み(μm)と拡散透過率(%)との測定値を、クベルカ・ムンクの理論式より導出される下記の式(A)に導入する。下記の式(A)は、例えば、「蛍光体ハンドブック」(蛍光体同学会編集、株式会社オーム社、1987年刊行)の403頁の式5・1・12〜5・1・15から拡散透過率T%の境界条件のもとに簡単に導くことができる。
【0009】
【数1】
【0010】
ただし、Tは拡散透過率(%)で、dはフィルム厚み(μm)であり、αとβとは、それぞれ下記の式で定義されるものである。
【0011】
【数2】
α=[K・(K+2S)]1/2
β=[K/(K+2S)]1/2
【0012】
そして、先に三枚以上のフィルム試料について測定したT(拡散透過率:%)とd(フィルム厚み:μm)のそれぞれを上記の式(A)に導入する作業によって、式(A)に適合するKとSとを計算する。散乱長(μm)は1/Sにより定義される値である。なお、後述の吸収長(μm)は1/Kにより定義される。
【0013】
以下に、本発明の好ましい態様を挙げる。
(1)上記光散乱長が10〜70μm、特に10〜60μmの範囲にある。
(2)上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にあり、かつ屈折率が1.6以上の光散乱性微粒子を含む。
(3)上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にあり、かつ屈折率が1.9以上の光散乱性微粒子を含む。
(4)上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にある、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン(特にアナタース型酸化チタン)、及び炭酸鉛から選ばれる少なくとも一種の材料からなる光散乱性微粒子を含む。
【0014】
(5)上記表面保護層が、フッ素樹脂、あるいはポリエステル樹脂を含むバインダ中に光散乱性微粒子が分散されてなるものである上記の放射線増感スクリーン。
(6)上記表面保護層が、2〜12μmの厚み、特に3〜9μmの厚みを持つ上記の放射線増感スクリーン。
(7)上記蛍光体層に含まれる蛍光体が下記の組成:
M2 O2 X:Tb
[ただし、Mは、イットリウム、ガドリニウム、及びルテチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、そしてXは、硫黄、セレン、及びテルルからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である]
を持つ蛍光体である上記の放射線増感スクリーン。
【0015】
(8)蛍光体層が5〜50μm、特に7〜30μmの光散乱長を示す上記の放射線増感スクリーン。
(9)上記支持体と上記蛍光体層との間に、光反射層が設けられている上記の放射線増感スクリーン。
(10)上記蛍光体層が、バインダ中に蛍光体が分散されてなり、かつバインダ/蛍光体の重量比が1/12〜1/200の範囲、特に1/16〜1/100の範囲にある上記の放射線増感スクリーン。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の放射線増感スクリーンの好ましい構成と製造方法について説明する。
【0017】
本発明の放射線増感スクリーンは、支持体と該支持体上に積層された蛍光体層と表面保護層とからなる公知の放射線増感スクリーンと同様な構成をとる。
支持体は、公知の放射線増感スクリーンで用いられる各種の支持体を目的に応じて適宜使用する。例えば、二酸化チタンなどの白色顔料を含むポリマーフィルムあるいはカーボンブラックなどの黒色顔料を含むポリマーフィルムなどが一般的に用いられる。
支持体の上側表面(蛍光体層が設けられる側の表面)には、蛍光体層を直接設けることもできるが、蛍光体層は、光反射材料を導入した下塗層(光反射層)を介して設けることもできる。光反射層は、通常は、二酸化チタンなどの白色顔料を含むポリマーバインダから形成される層である。
【0018】
本発明の放射線増感スクリーンの蛍光体層の形成に用いられる蛍光体に関しては、特に制限はなく、CaWO4 、YTaO4 、YTaO4 :Nb、LaOBr:Tm、BaSO4 :Pb、ZnS:Ag、BaSO4 :Eu、YTaO4 :Tm、BaFCl:Eu、BaF(Br,I):Eu、Gd2 O2 S:Tb、Y2 O2 S:Tb、La2 O2 S:Tb、(Y,Gd)2 O2 S:Tb、また(Y,Gd)2 O2 S:Tb,Tmなどの公知の蛍光体を、単独あるいは組合せて用いることができる。
【0019】
本発明の放射線増感スクリーンでは、特に下記の式で表わされるテルビウム付活希土類オキシカルコゲナイド系の蛍光体を用いることが好ましい。
M2 O2 X:Tb
[ただし、Mは、イットリウム、ガドリニウム、及びルテチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、そしてXは、硫黄、セレン、及びテルルからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である]
【0020】
本発明の放射線増感スクリーンで使用するのが好ましいテルビウム付活希土類酸硫化物系の蛍光体の例としては、Gd2 O2 S:Tb、Y2 O2 S:Tb、La2 O2 S:Tb、(Y,Gd)2 O2 S:Tb、そして(Y,Gd)2 O2 S:Tb,Tmなどの蛍光体を挙げることができる。なお、テルビウム付活希土類酸硫化物系蛍光体に関しては、米国特許第3725704号明細書に詳しい記載がある。本発明の放射線増感スクリーンにおいて特に好ましく用いられるテルビウム付活希土類酸硫化物系の蛍光体は、Gd2 O2 S:Tbの組成式で表わされる蛍光体である。
【0021】
蛍光体層は、上記の蛍光体(粒子状のもの)を結合剤樹脂(バインダ樹脂)含有有機溶媒溶液に分散させて分散液を調製し、その分散液を支持体上に直接あるいは光反射層などのような下塗層を介して塗布、乾燥することにより形成することができる。あるいは、上記の分散液を別に用意した仮支持体上に塗布、乾燥して蛍光体シートとし、この蛍光体シートを剥がし取って、接着剤を用いて支持体上に直接、あるいは下塗層を介して付設することもできる。蛍光体層の形成に用いられる結合剤樹脂、有機溶剤、および任意に用いることのできる各種添加剤に関しては、各種の公知文献に記載がある。
【0022】
本発明において、蛍光体層中のバインダ(蛍光体層に含有される有機化合物の総量)と蛍光体との重量比は任意であるが、よりバインダが少ない方が本発明の効果が顕著に発揮されるため好ましい。バインダ/蛍光体の重量比は、1/12〜1/200の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは1/16〜1/100の範囲であり、特に好ましくは1/22〜1/100の範囲である。
【0023】
蛍光体層の厚みは、目標とする感度に応じて任意に設定することができる。好ましい厚みは、フロント側スクリーンについては70〜150μm、そしてバック側スクリーンについては、80〜400μmである。蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は高い方が好ましく、60〜85%の範囲にあることが好ましく、特に65〜80%の範囲にあることが好ましく、さらに68〜75%の範囲にあることが最も好ましい。なお、蛍光体層のX線吸収率は蛍光体粒子塗布量によって決定される。
【0024】
蛍光体層の上には、本発明の特徴的構成要件である蛍光体層の蛍光体の主発光波長で測定して得られる光散乱長が5〜80μmの範囲にある表面保護層が形成される。表面保護層の光散乱長は、好ましくは10〜70μmの範囲であり、特に好ましくは10〜60μmの範囲である。この表面保護層は、光屈折率が1.6以上で、粒子径が0.1〜1.0μmの範囲にある光散乱性微粒子が樹脂材料(バインダ)層中に分散された構成からなるものが好ましい。この光散乱性微粒子の光屈折率は1.9以上であることが特に好ましい。そのような光散乱性微粒子の例としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、硫酸バリウム、炭酸鉛、酸化ケイ素、ポリメチルメタクリレート、スチレン、あるいはメラミンなどの微粒子を挙げることができる。特に高い屈折率を持つ、好ましい光散乱性微粒子としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン、及び炭酸鉛などの微粒子を挙げることができる。酸化チタンが特に好ましい。
【0025】
表面保護層を形成するために用いられる樹脂材料(バインダ)については、本発明の効果のうち鮮鋭度向上などの効果が発揮されることに関しては特段の制限はない。しかしながら、もう一方の効果である表面保護層本来の目的の、耐汚染性、耐摩耗性などの保護機能は、バインダに光散乱性微粒子を導入しても低下しないことが必要であり、そのために好ましいバインダの例としては下記のものを挙げることができる:ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、アラミド、溶剤可溶性フッ素系樹脂;酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、及びポリウレタン。これらのうちでより好ましいのは、フッ素系樹脂、セルロース誘導体、および二軸延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、アラミドである。特に好ましくは、フッ素系樹脂、および二軸延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートである。ただし、本発明に用いられるバインダはこれらの樹脂に限定されるものではない。
【0026】
表面保護層は、上記の光散乱性微粒子を樹脂材料(バインダ)含有有機溶媒溶液に分散させて分散液を調製し、その分散液を蛍光体層に直接あるいは任意の補助層を介して塗布、乾燥することにより形成することができる。あるいは、上記の分散液を別に用意した仮支持体上に塗布、乾燥して保護層シートとし、この保護層シートを剥がし取って、接着剤を用いて蛍光体層上に直接、あるいは任意に補助層を介して付設することもできる。表面保護層には、帯電防止剤などの公知の保護層用添加剤を添加してもよい。
【0027】
本発明において、表面保護層の厚みは任意であるが、通常は2〜12μmの範囲にある。一般に、厚みが2μmより薄い場合には、耐汚染性や耐摩耗性等の保護層本来の機能が低下すると同時に、もともと不鮮鋭が少ないので本発明の鮮鋭度向上の効果が小さい。一方、厚みが12μmより厚い場合には、同じ厚みの透明な保護層に対して、鮮鋭度は向上するものの鮮鋭度の絶対値が充分とはなりにくい。好ましい表面保護層の厚みは3〜9μmの範囲であり、特に好ましくは4〜9μmの範囲である。
【0028】
また、表面保護層の吸収長(光が吸収されるまでの平均自由距離)は任意である。スクリーン感度の観点からは、表面保護層の吸収はない方が減感が少ないため、好ましい。しかし、散乱不足を補う意味で、極僅かな吸収を持たせることもできる。吸収長は、好ましくは800μm以上であり、特に好ましくは1200μm以上である。
【0029】
放射線増感スクリーンの好ましい製造方法、そしてその製造の為の好ましい材料については、たとえば、特開平9−21899号公報の6頁左欄47行〜8頁左欄5行、特開平8−184946号公報の3頁右下欄7〜33行、同3頁右欄44行〜同4頁左欄3行、そして同4頁左欄8〜14行に詳しい記載がある。
【0030】
放射線増感スクリーンは通常、感光材料としてハロゲン化銀を用いた放射線写真フィルムと組合せて使用する。以下に、本発明の放射線増感スクリーンと組合せて用いる放射線写真フィルムについて説明する。
本発明の放射線増感スクリーンと組合せて用いる放射線写真フィルムの種類については特別な制限はないが、クロスオーバー光が15%以下の支持体の両面にハロゲン化銀写真乳剤層を設けた放射線写真フィルム(いわゆる両面感材)が好ましい。この放射線写真フィルムのクロスオーバー光は、好ましくは10%以下であり、特に好ましいのはクロスオーバー光が7〜3%のものである。このようなクロスオーバーの少ない放射線写真フィルムは、支持体と乳剤層との間にクロスオーバー遮断層を設けることにより製造することができるものであり、このような放射線写真フィルムは、富士写真フィルム株式会社より、UR−1、UR−2、UR−3、およびSuperHRS30、同L30、同G30、同C30、同A30などの商品名で販売されている。
【0031】
クロスオーバー遮断層には感光波長域に応じた染料を添加する。染料は、現像処理後に有害な吸収を残さないものであればどのようなものでも使用することができる。染料は、固体微粒子分散状態で添加することが好ましく、このような固体微粒子分散状態での染料の添加に関しては、特開平2−264936号公報、同3−210553号公報、同3−210554号公報、同3−238447号公報、同4−14038号公報、同4−14039号公報、同4−125635号公報、同4−338747号公報、および同6−27589号公報に記載がある。使用できる染料の例としては、特開平4−211542号公報に記載の一般式(I)〜(VII )の染料および化合物例I−1〜I−37、II−1〜II−6、III −1〜III −36、IV−1〜IV−16、V−1〜V−6、VI−1〜VI−13、VII −1〜VII −5、特開平8−73767号公報に記載の一般式(1)の染料及び化合物例1〜6、特開平8−87091号公報に記載の一般式(VIII)〜(XII )の染料、および化合物例VIII−1〜VIII−5、IX−1〜IX−10、X−1〜X−21、XI−1〜XI−6、XII −1〜XII −7を挙げることができる。
【0032】
なお、染料の添加に際しては、公知の染料を媒染剤に吸着させる方法、公知の染料をオイルに溶解し、油滴状に乳化分散させる方法、特開平3−5748号公報に記載の染料を無機物表面に吸着させる方法、特開平2−298939号公報に記載の染料をポリマーに吸着させる方法なども利用することができる。
クロスオーバー光遮断層の放射線写真フィルムへの形成に関しては、公知の方法、および上記各公開公報に記載の方法を利用することができる。
【0033】
次に、本発明の放射線増感スクリーンと組合せて用いる放射線写真フィルム及びその材料の好ましい例を記載する。
1)特開平6−332088号公報の実施例1に記載のもの
特開平7−219162号公報の実施例1及び2に記載のもの
2){100}主平面を有する塩化銀平板乳剤
特開平5−204073号公報の実施例3及び4に記載のもの
特開平6−194768号公報の実施例2aに記載の乳剤
特開平6−227431号公報の実施例1に記載のもの
3){111}主平面の沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀感光材料
特開平8−76305号公報の実施例1に記載のもの
特開平8−69069号公報の実施例A〜Kの乳剤
4)単分散立方体粒子(好ましい単分散度は、投影面積直径の変動係数として3〜40%)
特開平8−76305号公報の実施例1に記載のもの
なお、その他の好ましい放射線写真フィルムあるいはその材料については、特開平6−67305号公報の10頁左欄10行〜21頁右欄33行に詳しい記載がある。
【0034】
放射線写真フィルムと放射線増感スクリーンとは、それぞれ一枚づつ組合せて使用することもできるが、多くの場合、両面に写真乳剤層を備えた放射線写真フィルムを二枚の放射線増感スクリーン(通常、フロント側増感スクリーンとバック側増感スクリーンと呼ぶ)で挟んで使用する。
【0035】
【実施例】
[実施例1]
(I)放射線増感スクリーンの製造
1)二酸化チタン含有光反射層付き支持体の製造
平均粒径が0.28μmのルチル型二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、商品名:CR95)500gとアクリル系バインダ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:クリスコートP1018GS)100gとをメチルエチルケトンに加え、混合分散して、粘度が10PSの塗布液を調製した。この塗布液を、二酸化チタン粉末を練り込んだポリエチエレンテレフタレートフィルム(厚み:250μm)の表面にドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが40μmになるように均一に塗布し、乾燥して、二酸化チタン含有光反射層付き支持体を得た。得られた光反射層付き支持体中の二酸化チタンの体積充填率は48%で、波長545nm(後述のテルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体の発光ピークに相当する波長)の単色光に対する拡散反射率は95.5%であった。
【0036】
2)蛍光体シートの製造
テルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体(Gd2 O2 S:Tb、平均粒径:3.5μm)250g、ポリウレタン系バインダ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:パンデックスT5265M)8g、エポキシ系バインダ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート1001)2g、そしてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートHX)0.5gをメチルエチルケトンに加え、プロペラミキサで分散して、粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を仮支持体(予めシリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート)の表面に塗布し、乾燥して蛍光体層を形成した。この蛍光体層を仮支持体から剥がし取って蛍光体シートを得た。
【0037】
3)光反射層上への蛍光体シートの付設
前記の工程1)で製造した光反射層付き支持体の光反射層の表面に、上記の蛍光体シートを重ね、カレンダロールにて、圧力400kgw/cm2 、温度80℃の条件で加圧し、蛍光体層付き支持体を得た。得られた蛍光体層の厚みは105μmであり、蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は68%であった。また、バインダ/蛍光体の重量比は1/24であった。
【0038】
4)表面保護層の形成
フッ素樹脂(旭硝子株式会社製、商品名:ルミフロンLF100)10g、アルコール変性シロキサンオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22−2809)0.5g、イソシアネート(三井東圧化学株式会社製、商品名:オレスターNP38−70S)3.2g、アナタース型二酸化チタン(石原産業株式会社製、商品名:A220、平均粒径:0.15μm、屈折率:約2.6)0.4g、そして触媒(共同薬品株式会社製、商品名:KS1269)0.001gをメチルエチルケトンとシクロヘキサノンとの混合溶媒(重量比、1:1)に添加分散させ、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液を上記の蛍光体層の表面にドクターブレードを用いて塗布し、ゆっくりと乾燥した後、120℃で30分加熱して、乾燥と熱硬化とを行ない、厚み7μmの表面保護層を形成した。この表面保護層中の二酸化チタンの含有量は3重量%であった。
【0039】
(II)表面保護層の光散乱長と光吸収長の算出
上記4)で得た保護層形成用塗布液を厚み180μmの透明支持体上に、乾燥後の厚みが5〜50μmの範囲に入るように塗布乾燥した。得られた半透明膜の厚みを第1表に示す。
この半透明膜の拡散透過率を、株式会社日立製作所製のU−3210型自記分光光度計に150φ積分球(150−0901)を付けた装置を用い、測定波長545nm(前記のテルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体の主発光ピークの波長)で測定した。その結果を第1表に示す。
【0040】
【表1】
第1表
───────────────────────────────────
厚み(μm) 7 11 24 40
───────────────────────────────────
拡散透過率(%) 70.3 62.6 48.4 40.2
───────────────────────────────────
【0041】
第1表の厚みと拡散透過率とから、前述の式を用いてKとSとを算出し、このKとSとの値に基づいて、前記の放射線増感スクリーンの光散乱長と光吸収長とを求めたところ、それぞれについて23μm(光散乱長=1/S)と10000μm(光吸収長=1/K)とが得られた。
【0042】
[比較例1]
表面保護層中に二酸化チタンを加えなかった以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、200μm以上であった。
【0043】
[比較例2]
表面保護層中の二酸化チタンの含有量を0.1重量%とした以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、140μmであった。
【0044】
[実施例2]
表面保護層中の二酸化チタンの含有量を1重量%とした以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、50μmであった。
【0045】
[実施例3]
表面保護層中の二酸化チタンの含有量を10重量%とした以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、9μmであった。
【0046】
[鮮鋭度と感度の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定
放射線増感スクリーンの表面保護層側表面に富士写真フィルム株式会社製の片面乳剤層タイプの放射線写真フィルム(X線フィルム、商品名:MINP30)を接触状態に配置し、CTF測定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:80μm、空間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影した。
すなわち、X線管球から2mの位置にチャートを置き、その後に写真フィルムと増感スクリーンとをこの順に配置した。使用したX線装置は、株式会社東芝製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。フォーカルスポットサイズは0.6mm×0.6mmとし、絞りを含め3mmのアルミニウム等価材料を通って、X線を発生する装置である。三相にパルス発生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。撮影後の写真フィルムは、富士写真フィルム株式会社製のローラー搬送型自動現像機(商品名:FPM−5000)により、現像液と定着液として、それぞれRD−3とFuji−F(いずれも富士写真フィルム株式会社製商品の商品名)を用いて現像処理し、鮮鋭度測定試料を得た。なお、露光条件の設定に際しては、上記の測定試料を露光時間の調節で濃い部分の濃度が1.8になるようにした。
上記の測定試料について、特開平9−21899号公報記載(10頁右欄9〜20行目)の方法により測定し、2本/mmを代表値として用いて鮮鋭度の評価を行なった。その結果を第2表に示す。
【0047】
(2)感度の測定
上記の鮮鋭度の測定で用いたものと同じX線源とX線フィルムとを用い、距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。露光後に同一の条件で現像処理し、感度評価用試料を得た。この評価用試料について可視光にて濃度測定を行ない、特性曲線を得た。かぶり濃度1.0を得るX線露光量の逆数で相対的感度を表わした。そして算出された相対的感度を、比較例1の放射線増感スクリーンの感度を100とした数値で第2表に示した。
【0048】
【表2】
第2表
───────────────────────────────────
放射線増感 光散乱長 感度 鮮鋭度
スクリーン (μm) (2本/mm)
───────────────────────────────────
比較例1 >200 100 0.590
比較例2 140 100 0.590
───────────────────────────────────
実施例1 23 99 0.630
実施例2 50 100 0.625
実施例3 9 97 0.615
───────────────────────────────────
【0049】
第2表の結果から、本発明に従う放射線増感スクリーン(実施例1〜3)は、従来の透明な表面保護層を持つ放射線増感スクリーン(比較例1)および光散乱長が長い表面保護層を持つ放射線増感スクリーン(比較例2)に比較して、感度はほぼ同等のレベルにありながら、顕著に向上した鮮鋭度を示す放射線画像を与えることが分る。
【0050】
[実施例4]
表面保護層中の二酸化チタンをメラミン樹脂粒子(屈折率:1.57、平均粒径:0.6μm、添加量:20重量%)に代えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、26μmであった。
【0051】
[実施例5]
表面保護層中の二酸化チタンをメラミン樹脂粒子(屈折率:1.57、平均粒径:0.6μm、添加量:10重量%)に代えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、60μmであった。
【0052】
[比較例3]
表面保護層中の二酸化チタンをメラミン樹脂粒子(屈折率:1.57、平均粒径:3μm、添加量:10重量%)に代えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、90μmであった。
【0053】
[比較例4]
表面保護層中の二酸化チタンを二酸化ケイ素粒子(屈折率:約1.46、平均粒径:3μm、添加量:10重量%)に代えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、120μmであった。
【0054】
[比較例5]
表面保護層中の二酸化チタンをアルミナ粒子(屈折率:約1.56、平均粒径:0.8μm、添加量:5重量%)に代えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、100μmであった。
【0055】
[鮮鋭度と感度の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定:前述の方法により実施した。
【0056】
(2)感度の測定:前述の方法により実施した。
上記の各測定の結果を第3表に列記する。
【0057】
【表3】
第3表
───────────────────────────────────
放射線増感 光散乱長 感度 鮮鋭度
スクリーン (μm) (2本/mm)
───────────────────────────────────
比較例1 >200 100 0.590
比較例3 90 100 0.600
比較例4 120 100 0.590
比較例5 100 100 0.595
───────────────────────────────────
実施例4 26 100 0.630
実施例5 60 100 0.620
───────────────────────────────────
【0058】
第3表の結果からも、本発明に従う放射線増感スクリーン(実施例4及び5)は、従来の透明な表面保護層を持つ放射線増感スクリーン(比較例1)および光散乱長が長い表面保護層を持つ放射線増感スクリーン(比較例3〜5)に比較して、感度は同等のレベルにありながら、顕著に向上した鮮鋭度を示す放射線画像を与えることが分る。
【0059】
[実施例6]
表面保護層のバインダ樹脂としてポリエチレンテレフタレートのみを用い、層厚を6μmに変えて作成した保護膜を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、30μmであった。
【0060】
[比較例6]
表面保護層に二酸化チタンを加えることなく、バインダ樹脂としてポリエチレンテレフタレートのみを用い、かつ層厚を6μmに変えて作成した保護膜を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、200μm以上であった。
【0061】
[鮮鋭度、感度及び耐久性の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定:前述の方法により実施した。
【0062】
(2)感度の測定:前述の方法により実施した。
【0063】
(3)耐久性の測定
表面が平らな板の上に直径300μmのビーズを置き、その上に放射線増感スクリーン試料を保護層表面が上側になるようにして載せ、板に貼り付け固定させて、放射線増感スクリーン試料表面にビーズにより凸状部分を形成した。
上記の放射線増感スクリーン試料の上に、表面に僅かな凹凸を持った4cm×5cmのステンレス板を置き、100gの重りを載せて摺動させた。表面保護層に割れ目が入り、蛍光体層がむきだしになるまでの摺動回数を各増感スクリーン試料毎に記録し、それぞれの耐久性の評価に用いた。従って、記録された回数が多いほど耐久性が優れた放射線増感スクリーンであると云うことができる。
上記の各測定の結果を第4表に示す。
【0064】
【表4】
第4表
───────────────────────────────────
放射線増感 光散乱長 感度 鮮鋭度 耐久性
スクリーン (μm) (2本/mm) (回数)
───────────────────────────────────
比較例6 >200 98 0.595 >10000
実施例6 30 97 0.635 >10000
───────────────────────────────────
【0065】
第4表の結果から、本発明に従う放射線増感スクリーンは、従来の透明な表面保護層を持つ放射線増感スクリーンに比較して、感度はほぼ同等でありながら、顕著に向上した鮮鋭度を示す、表面保護層のバインダ樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂を用いると、特に高い耐久性を示すことが分る。
【0066】
[実施例7]
表面保護層の厚みを3μmに変えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、23μmであった。
【0067】
[実施例8]
表面保護層の厚みを5μmに変えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、23μmであった。
【0068】
[実施例9]
表面保護層の厚みを10μmに変えた以外は、実施例1と同じ操作を行ない放射線増感スクリーンを製造し、また実施例1に記載の方法に従い、その表面保護層の光散乱長を求めたところ、23μmであった。
【0069】
[鮮鋭度と感度の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定:
前述の方法により実施した。
【0070】
(2)感度の測定:
前述の方法により実施した。
上記の各測定の結果を第5表に示す。
【0071】
【表5】
第5表
───────────────────────────────────
放射線増感 保護層厚 光散乱長 感度 鮮鋭度
スクリーン (μm) (μm) (2本/mm)
───────────────────────────────────
実施例7 3 23 100 0.640
実施例8 5 23 100 0.635
実施例1 7 23 99 0.630
実施例9 10 23 97 0.610
───────────────────────────────────
【0072】
第5表の結果から、本発明に従う放射線増感スクリーンは、表面保護層の層厚が変化しても高い感度と優れた鮮鋭度を示すことが分る。
【0073】
[実施例10]
(1)蛍光体層が互いに相違する放射線増感スクリーンの製造
1)カレンダー処理後の蛍光体層の厚みが80μmとなるように蛍光体層形成用の塗布液の塗布量を調節した以外は実施例1と同様にして放射線増感スクリーンA(表面保護層の光散乱長:23μm)を製造した。
2)蛍光体層に含有させる蛍光体粒子を、平均粒径が2.0μmの蛍光体粒子50gと、平均粒径が6.2μmの蛍光体粒子200g(蛍光体の化学組成は同一)に変え、カレンダー処理後の蛍光体層の厚みが120μmとなるように蛍光体層形成用の塗布液の塗布量を調節した以外は実施例1と同様にして放射線増感スクリーンB(表面保護層の光散乱長:23μm)を製造した。蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は72%であった。
【0074】
3)カレンダー処理後の蛍光体層の厚みが95μmとなるように蛍光体層形成用の塗布液の塗布量を調節した以外は上記の2)と同様にして放射線増感スクリーンC(表面保護層の光散乱長:23μm)を製造した。
4)蛍光体層を、平均粒径が3.0μmの蛍光体粒子を含む層(下側層)と、平均粒径が6.2μmの蛍光体粒子を含む層(上側層)(蛍光体の化学組成は同一)の重層構成(下側層の層厚:80μm、上側層の層厚:100μm、いずれもカレンダー処理後の層厚)に変えた以外は実施例1と同様にして放射線増感スクリーンD(表面保護層の光散乱長:23μm)を製造した。蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は70%であった。
5)蛍光体層を、平均粒径が3.0μmの蛍光体粒子を含む層(下側層)と、平均粒径が6.2μmの蛍光体粒子を含む層(上側層)(蛍光体の化学組成は同一)の重層構成(下側層の層厚:80μm、上側層の層厚:240μm、いずれもカレンダー処理後の層厚)に変えた以外は実施例1と同様にして放射線増感スクリーンE(表面保護層の光散乱長:23μm)を製造した。
【0075】
(2)ハロゲン化銀X線撮影用写真フィルム(試作品)の製造
特開平7−219162号公報に記載の実施例1の試料3の製造の方法と同様な方法により、但し、下塗り用染料−Iの塗布量を片面当り45mgとすることによって、同実施例1に記載の方法で測定したクロスオーバーが6%となる写真フィルム(両面感材)を作成した。なお、ハロゲン化銀写真乳剤の化学増感を調節することにより、感度、階調が富士写真フィルム株式会社より市販されているX線撮影用写真フィルムであるUR−2(商品名)と同一となるようにした。
【0076】
(3)放射線増感スクリーンとX線撮影用写真フィルムとの組体の評価
放射線像増感スクリーンA〜Eおよび上記X線撮影用写真フィルム試作品との組体の性能を下記方法により評価した。なお、放射線増感スクリーンA〜Eと上記市販のX線撮影用写真フィルムUR−2との組体、また市販の放射線増感スクリーンHGM2およびHGH2(商品名、化成オプトニクス株式会社製)と上記UR−2との組体の評価も併せて実施した。結果を第6表に示す。
撮影条件と現像処理条件:特開平7−219162号公報の実施例1に記載の条件と同一
【0077】
【表6】
第6表
───────────────────────────────────
組合せ フロント バック 写真 感度 鮮鋭度
システム スクリーン スクリーン フィルム (2本/mm)
───────────────────────────────────
No.1 A B 試作品 100 0.630
No.2 A B UR−2 100 0.580
───────────────────────────────────
No.3 C D 試作品 132 0.510
No.4 C D UR−2 132 0.470
───────────────────────────────────
No.5 HGM2 HGM2 UR−2 100 0.500
No.6 HGH2 HGH2 UR−2 130 0.410
───────────────────────────────────
No.7 C E 試作品 190 0.365
No.8 C E UR−2 190 0.315
───────────────────────────────────
【0078】
第6表の結果から、本発明の放射線増感スクリーン(A、B、C、D、E)を用いた場合、クロスオーバーの小さい写真フィルムと組合せることによって、特に鮮鋭度に優れるX線撮影が可能となることが分る。また、本発明に従う放射線増感スクリーンは、市販のX線撮影用写真フィルムと組合せた場合でも、優れた感度と鮮鋭度とのバランスを示すX線撮影が可能となることが分る。
【0079】
[実施例11]
1)光反射層付き支持体上への蛍光体層の形成
ポリウレタン系バインダ樹脂を11g用いて蛍光体層形成用塗布液を調製した以外は実施例1と同様の操作を行ない、蛍光体層付き支持体を得た。得られた蛍光体層の厚みは100μmであり、そして蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は66%、バインダ/蛍光体の重量比は1/18.5であった。
【0080】
2)表面保護層の形成
溶融させたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂中に、アナタース型二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:A220)を3.5重量%(PET樹脂に対して)練り込み、通常の押出法により70μm厚の酸化チタン練込PETシートを作製した。さらに、縦、横各3.4倍に延伸し、その後熱処理して、厚み6.0μmの酸化チタン練込PET薄膜を作製した。
この酸化チタン練込PET薄膜の545nmの単色光で測定した拡散透過率は78%であった。また、厚みを変えて数種類のPET薄膜を作製し、実施例1に記載の方法に従いその光散乱長を求めたところ、25μmであった。
この酸化チタン練込PET薄膜表面に接着剤を塗布した後、前記蛍光体層上にラミネートして表面保護層(厚み:6.0μm)を形成し、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。
【0081】
[比較例7]
表面保護層として市販の厚み6μmのPETフィルム(東レ(株)製)を用いた以外は実施例11と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。表面保護層の光散乱長は200μm以上と推定された。
【0082】
[実施例12]
ポリウレタン系バインダ樹脂の量を15gに変更した以外は実施例11と同様の操作を行ない、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。蛍光体層の厚みは110μmであり、そして蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は60%、バインダ/蛍光体の重量比は1/14であった。
【0083】
[比較例8]
表面保護層として市販の厚み6μmのPETフィルム(東レ(株)製)を用いた以外は実施例12と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0084】
[実施例13]
ポリウレタン系バインダ樹脂の量を5.6gおよびエポキシ系バインダ樹脂の量を1gに変更した以外は実施例11と同様の操作を行ない、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。蛍光体層の厚みは100μmであり、そして蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は70%、バインダ/蛍光体の重量比は1/35であった。
【0085】
[比較例9]
表面保護層として市販の厚み6μmのPETフィルム(東レ(株)製)を用いた以外は実施例13と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0086】
[実施例14]
ポリウレタン系バインダ樹脂の量を8gに変更した以外は実施例11と同様の操作を行ない、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。蛍光体層の厚みは105μmであり、そして蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は68%、バインダ/蛍光体の重量比は1/24であった。
【0087】
[比較例10]
表面保護層として市販の厚み6μmのPETフィルム(東レ(株)製)を用いた以外は実施例14と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0088】
[鮮鋭度と感度の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定:前述の方法により実施した。
【0089】
(2)感度の測定:前述の方法により実施した。なお、実施例14の感度を100として相対値で示した。
上記の各測定の結果を第7表に示す。
【0090】
【表7】
【0091】
第7表の結果から、蛍光体層中のバインダ/蛍光体の重量比が1/12以下で種々に変化しても、本発明の放射線増感スクリーンは従来の透明な表面保護層を持つ放射線増感スクリーンに比較して、感度はほぼ同等でありながら、向上した鮮鋭度を示し、従って、本発明の光散乱性の表面保護層による鮮鋭度向上の効果が充分に達成されることが分る。また、本発明の効果がより良く発揮されるためには、蛍光体層中のバインダ/蛍光体重量比が小さい(すなわち、バインダの量が少ない)方が好ましいことが明らかである。
【0092】
[実施例15]
表面保護層の厚みを2μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を行ない、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。
【0093】
[比較例11]
表面保護層に二酸化チタンを加えないで、かつその厚みを2μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0094】
[比較例12]
表面保護層に二酸化チタンを加えないで、かつその厚みを5μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0095】
[鮮鋭度、感度、耐汚染性及び耐摩耗性の測定と放射線増感スクリーンの評価]
(1)鮮鋭度の測定
前述の方法により実施した。
【0096】
(2)感度の測定
前述の方法により実施した。なお、比較例1の感度を100として相対値で示した。
【0097】
(3)耐汚染性の測定
16cmx16cmの大きさの放射線増感スクリーン試料の表面に、スクリーンクリーナー(富士写真フィルム(株)製)1ccを均一に延ばして乾燥した。この増感スクリーン試料とハロゲン化銀X線撮影用写真フィルムUR−1(富士写真フィルム(株)製)とを25℃、84%RHの条件下で3時間調湿した。その後、増感スクリーン試料と写真フィルムとを圧着した状態で密封し、40℃で1日放置した。
増感スクリーン試料表面を目視により観察し、写真フィルムから移った染料による表面保護層の汚れの程度を以下の三段階で評価した。
AA:汚れが殆どなく、良好であった。
BB:多少汚れがあったが、使用可能であった。
CC:非常に汚れがあり、使用不可能であった。
【0098】
(4)耐摩耗性の測定
放射線増感スクリーン試料とハロゲン化銀X線撮影用写真フィルムUR−1とを圧力をかけながら1万回こすった。なお、写真フィルムは定期的に新品に交換して行なった。
増感スクリーン試料を目視により観察し、表面保護層の摩耗の程度を以下の五段階で評価した。
AA:殆ど摩耗していなく、極めて良好であった。
BB:若干摩耗していたが、良好であり、4万回以上使用可能であると推定された。
CC:多少摩耗していたが、ほぼ良好であり、2万回以上使用可能であると推定された。
DD:摩耗していたが、1万回までは使用可能であった。
EE:表面保護層は完全に擦り切れて露出した蛍光体層が汚れており、使用不可能であった。
上記の各測定の結果を第8表に示す。
【0099】
【表8】
【0100】
第8表の結果から、表面保護層の層厚が厚いほど鮮鋭度向上の効果は大きいことが分る。これは、従来の透明な表面保護層(比較例)では層厚が厚くなるほど保護層による鮮鋭度低下の度合が大きいためである。一方、表面保護層の機能として重要な耐汚染性および耐摩耗性は層厚が厚い方が優れていることが分る。これらのことから、本発明の放射線増感スクリーンでは、充分な耐汚染性および耐摩耗性を有するように表面保護層の層厚を厚くしても、感度をほぼ同等のレベルに保ちながら、かつ鮮鋭度の低下を最小限に抑えて高い鮮鋭度を維持できることが分る。
また、表面保護層のバインダとしてフッ素樹脂を用いた場合には、光散乱性微粒子を含有させても耐汚染性は全く劣化せず、一方、耐摩耗性はむしろ改善されることが明らかである。
【0101】
[実施例16]
酢酸セルロース(酢化度:約56%)10g、およびアナタース型二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:A220)0.3gをメチルエチルケトンに溶解、分散させて保護層形成用塗布液を調製した。この塗布液を用いて実施例1の蛍光体層上に厚み6.5μmの表面保護層を形成した以外は実施例1と同様の操作を行ない、本発明の放射線増感スクリーンを製造した。
表面保護層中の酸化チタンの含有量は3重量%であり、その光散乱長は28μmであった。
【0102】
[比較例13]
表面保護層に二酸化チタンを加えなかった以外は実施例16と同様の操作を行ない、比較のため放射線増感スクリーンを製造した。
【0103】
[実施例17]
表面保護層の厚みを4μmに変更した以外は実施例14と同様の操作を行ない、酸化チタン練込PETからなる表面保護層を有する本発明の放射線増感スクリーンを製造した。
【0104】
[鮮鋭度、感度、耐汚染性及び耐摩耗性の測定と放射線増感スクリーンの評価](1)鮮鋭度の測定
前述の方法により実施した。
【0105】
(2)感度の測定:前述の方法により実施して、比較例10の感度を100として相対値で示した。
【0106】
(3)耐汚染性の測定:前述の方法により実施した。
【0107】
(4)耐摩耗性の測定:前述の方法により実施した。
上記の各測定の結果を第9表に示す。
【0108】
【表9】
【0109】
第9表の結果から、本発明の放射線増感スクリーンは、表面保護層のバインダが酢酸セルロースあるいはポリエチレンテレフタレートであっても光散乱長が5〜80μmの範囲にあれば、感度や耐汚染性、耐摩耗性を高く維持したまま、高い鮮鋭度を示すことが分る。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線増感スクリーンの表面保護層の光散乱長を5〜80μmの範囲とすることにより、感度を低下させずに鮮鋭度の顕著に向上した画像を形成することができる。特に、耐久性、耐汚染性、耐摩耗性など表面保護層本来の機能を充分に保持させながら、高感度であって、かつ高鮮鋭度とすることができる。また、本発明に従う放射線増感スクリーンは、クロスオーバーの小さい写真フィルムと組合せることにより、特に鮮鋭度に優れるX線撮影が可能となる。さらに、本発明に従う放射線増感スクリーンによれば、市販のX線撮影用写真フィルムと組合せた場合でも、優れた感度と鮮鋭度とのバランスを示すX線撮影が可能となる。
Claims (13)
- 支持体と該支持体上に積層された蛍光体層と表面保護層とからなる放射線増感スクリーンであって、該蛍光体層の蛍光体の主発光波長で測定して得られる該表面保護層の光散乱長が5〜80μmの範囲にあることを特徴とする放射線増感スクリーン。
- 上記光散乱長が10〜70μmの範囲にある請求項1に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にあり、かつ屈折率が1.6以上の光散乱性微粒子を含むことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にあり、かつ屈折率が1.9以上の光散乱性微粒子を含むことを特徴とする請求項3に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、粒子径が0.1〜1μmの範囲にある酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン及び炭酸鉛から選ばれる少なくとも一種の材料からなる光散乱性微粒子を含むことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、フッ素樹脂を含むバインダ中に光散乱性微粒子が分散されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、ポリエステル樹脂を含むバインダ中に光散乱性微粒子が分散されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、2〜12μmの厚みを持つことを特徴とする請求項1乃至7項のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記表面保護層が、3〜9μmの厚み持つことを特徴とする請求項8に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記蛍光体層に含まれる蛍光体が下記の組成:
M2 O2 X:Tb
[ただし、Mは、イットリウム、ガドリニウム、及びルテチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、そしてXは、硫黄、セレン、及びテルルからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である]
を持つ蛍光体であることを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。 - 上記支持体と上記蛍光体層との間に、光反射層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記蛍光体層が、バインダ中に蛍光体が分散されてなり、かつバインダ/蛍光体の重量比が1/12〜1/200の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れかの項に記載の放射線増感スクリーン。
- 上記蛍光体層が、バインダ中に蛍光体が分散されてなり、かつバインダ/蛍光体の重量比が1/16〜1/100の範囲にあることを特徴とする請求項12に記載の放射線増感スクリーン。
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