JP3479574B2 - フロント側用放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーン組体 - Google Patents

フロント側用放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーン組体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロント側用放射線増
感スクリーン、およびそのフロント側用放射線増感スク
リーンを用いた放射線増感スクリーンの組体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】放射線増感スクリーンの標準構成は、支
持体上に、光反射層、蛍光体層そして表面保護層がこの
順に設けられてなる構成である。また、光反射層を付設
する代りに、支持体に光反射材料を充填することも知ら
れている。すなわち、従来、光反射層の反射率向上はそ
の感度を向上させるための手段として用いられてきてい
る。従来、高感度スクリーンは反射率の高い白色顔料充
填フィルム状支持体で作られ、逆に鮮鋭度の高い放射線
増感スクリーンはカーボンブラックを充填したフィルム
状支持体で作られてきた。後者の構成は、一般に反射率
を高めてスクリーンの蛍光体層の深部の光を取り出す
と、鮮鋭度が劣化してしまうとの考えから利用されてき
た。従って、放射線増感スクリーンは、通常はこの感度
と鮮鋭度とのバランスのなかで設計され、実際の使用に
際しても、目標とする感度領域と鮮鋭度領域に合わせて
使い分けられてきた。
【0003】放射線増感スクリーンの下塗り層として二
酸化チタン(TiO2 )による光反射層を設けることに
よって、発光(蛍光)を効率よく取り出す試みは古くか
ら知られている。具体的には、特開昭48−81495
号公報、特開昭51−120694号公報、特開昭59
−225400号公報、特開昭61−212799号公
報、特公平4−37399号公報、特開平2−2937
00号公報、特開昭63−313100号公報、特開昭
63−191100号公報、特開昭62−137596
号公報、特開昭62−137597号公報、特開昭56
−12600号公報、特開昭62−133400号公
報、特開平2−12100号公報、特開平2−8580
0号公報、特開昭59−8782号公報、特開平2−5
9193号公報、特開平59−162500号公報、特
開昭58−62600号公報、特開平3−255400
号公報、特開昭60−140200号公報、特開昭59
−8782号公報、特開昭52−28284号公報、特
開昭62−203098号公報、米国特許第38951
57号明細書、英国特許第999780号明細書などの
実施例等に記載がある。
【0004】上記のうち、特開昭48−81495号公
報、特開昭51−120694号公報、特開昭59−3
300号公報、特開昭61−212799号公報、特公
平4−37399号公報、特開昭62−137596号
公報、特開昭62−203098号公報、特開昭60−
140200号公報には、放射線増感スクリーンの下塗
り光反射層の反射材料としてTiO2 を使用した実施例
の記載が存在する。しかし、同じスクリーンで使用され
ている蛍光体は青色発光成分の多いものばかりであっ
て、TiO2 の高反射性が十分に発揮できる組み合わせ
として使用されておらず、従って、TiO2 は光反射材
料として十分に機能していない。
【0005】特開昭59−225400号公報には比較
例としてアナタース型TiO2 (粒径0.1〜0.25
μm)を使用した下塗り光反射層の記載がある。しか
し、そこにも記載されている通り、その光反射層は十分
な効果を発揮していない。それは、放射線増感スクリー
ンで一緒に使用する蛍光体(BaFBr:Eu2+)の発
光が紫外にあるため、TiO2 では十分な反射率が得ら
れないためである。
【0006】特開平2−293700号公報、特開昭6
3−313100号公報、特開昭63−191100号
公報の実施例には、放射線増感スクリーンの支持体とし
て、TiO2 を含むポリエチレンテレフタレートフィル
ムを用いる記載があるが、このようなベース(支持体フ
ィルム)練り込み型ではベース強度保持の観点から十分
なTiO2 の充填率が達成できず、十分な反射鮮鋭度が
得られない。一般に反射率のみを上げる目的であればこ
のような方法でも、層厚を厚くすれば十分な反射率を得
ることは可能であるが、鮮鋭度(得られる放射線画像の
鮮鋭度、反射鮮鋭度ともいう)という観点では不十分で
ある。
【0007】特開昭62−137597号公報の実施例
には、TiO2 粒子を下塗り光反射層の光反射材料とし
て使用する記載があるが、その可視光域(550nm)
の反射率88%であって、その反射率は充分とはいえな
い。また一緒に使用している蛍光体がCaWO4 であ
り、光反射材料としてのTiO2 の使用は、充分な効果
を上げることはできない。特開昭56−12600号公
報の実施例にも、TiO2 光反射層の導入によって放射
線増感スクリーンの感度の上昇が実現するという記載は
あるが、感度と鮮鋭度のバランスという観点での検討は
行なわれていない。なお、この実施例は輝尽性蛍光体を
利用した放射線像変換パネルに関するものであり、放射
線増感スクリーンとは直接関係がない。
【0008】同様に、特開昭62−133400号公
報、特開平2−12100号公報、特開平2−8580
0号公報、特開平59−162500号公報にもTiO
2 を用いた光反射層の記載があるが、これも単独で用い
る輝尽蛍光体を利用した放射線像変換パネルに関するも
のであり、放射線増感スクリーンとは直接関係がない。
特開昭58−62600号公報、特開平3−25540
0号公報においては、導電性付与のために、金属酸化物
を塗布する態様としてTiO2 を使用した実施例がある
が、その塗布量は1mg/cm2 以下と極めて少ないた
め、高反射率、すなわち高感度は得られない。特開昭5
9−8782号公報には、その発明に含まれるTiO2
練り込みベース(二酸化チタン充填支持体フィルム)の
比較例としてTiO2 下塗り層を設けた放射線増感スク
リーンの記載がある。しかしその実施例に記載のTiO
2 塗布量および充填密度では十分な反射率および反射の
鮮鋭度が得られない。
【0009】特開昭52−28284号公報の実施例に
もTiO2 光反射層の記載がある。しかし同実施例の蛍
光体塗布量から計算すると、その蛍光体層の層厚は18
0μm以上であり、このように蛍光体層が厚いと、鮮鋭
度が低下する。同様に米国特許第3895159号明細
書、特公平2−59193号公報にもTiO2 を光反射
層の材料として用いる実施例があるが、いずれも蛍光体
層の層厚が厚く、高い鮮鋭度が得られない。
【0010】英国特許第999780号明細書にも、T
iO2 光反射層を用いた放射線増感スクリーンの実施例
がある。しかし、用いている蛍光体の発光が青色の領域
にあり、TiO2 によって十分な反射効果の得られるも
のではない。さらに実施例での蛍光体層の層厚も厚いた
め、充分な鮮鋭度は得られない。
【0011】一方、市場では更に高感度でかつ高鮮鋭度
の放射線増感スクリーンの開発が求められており、この
ための技術開発が待たれている。特に相対感度(詳細な
定義は後述)250以上の高輝度スクリーンにおいて
は、その鮮鋭度の低下が大きくなる傾向があるため、そ
のような高感度の放射線増感スクリーンの高鮮鋭度化が
望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い感度
と、優れた鮮鋭度(反射鮮鋭度)を同時に示す放射線増
感スクリーン(X線用増感紙、あるいは単に増感紙、増
感スクリーンとも言う)を提供することを主な目的とす
るものである。特に本発明は、支持体と蛍光体層との間
に高反射率かつ高鮮鋭度を与える光反射層を有する放射
線増感スクリーンを提供するものであり、その高反射率
で、高鮮鋭度を与える光反射層の効果を有効に活用する
方法を開示するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
光反射層、蛍光体層そして表面保護層がこの順に設けら
れてなるフロント側用放射線増感スクリーンであって、
該光反射層が、平均粒径が0.1〜0.5μmの範囲に
ある二酸化チタンを体積充填率で25〜75%の範囲と
なるような量で含む、層厚15〜100μmの光反射層
であり、そして該蛍光体層が波長430nmより長波長
側に主発光を示す蛍光体を含み、かつ層厚が40〜12
0μmの範囲にあることを特徴とするフロント側用放射
線増感スクリーンにある。
【0014】上記の二酸化チタンは、ルチル型二酸化チ
タンであることが好ましく、また平均粒径が0.1〜
0.4μmの範囲にあることが好ましい。蛍光体層の形
成に用いる蛍光体は、一般式: M22 X:Tb (ただし、Mはイットリウム、ガドリニウム、及びルテ
チウムの少なくとも一種であり、XはS、Se、及びT
eの少なくとも一つである)で表わされるテルビウム付
活蛍光体、特に、蛍光体がテルビウム付活酸硫化ガドリ
ニウムであることが望ましい。なお、本発明の放射線増
感スクリーンにおいて、光反射層が単独で存在する場合
に示す拡散反射率との関係が添付図面の図1に斜線で示
す領域にあることが望ましい。
【0015】そして、本発明のフロント側用放射線増感
スクリーンは、バック側用放射線増感スクリーンと組合
せて組体を構成する場合において、クロスオーバーが1
4%の医療用両面X線フィルムで測定した時の、その組
体が示すコントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波
数2本/mmで0.40以上であるように組合せること
が望ましい。
【0016】以下、本発明についてさらに詳しく解説す
る。放射線増感スクリーンの多くは、前述のように、支
持体、光反射層、蛍光体層および、表面保護層がこの順
に積層された構成を有する。本発明の目的のためには、
この光反射層の反射率が高いことが重要である。すなわ
ち、光反射層の反射率が図1に示すような領域にあるこ
とが望ましい。ここで反射率は光反射層単独の反射率で
ある。なお、この反射率の光反射層を、光反射性の白色
ベース(白色顔料充填プラスチックフィルム)の上に形
成することも可能である。反射率とは拡散反射率であ
り、その測定にはBaSO4 粉末が全面に一様に塗布し
てある積分球を用いる。上記の反射率の測定は、株式会
社日立製作所製U−3210型自記分光光度計に、15
0φ積分球(150−0901)を用いて、標準白板
(210−0740)に対しての反射率を測定する方法
が利用できる。反射率測定の測定波長は、放射線増感ス
クリーンを構成する蛍光体の発光光の波長を考慮して決
める。発光光が複数の波長ピークを持つ場合や、ピーク
がブロードな場合は、それぞれの波長で測定し発光強度
を考慮して加重平均して求める。
【0017】本発明の放射線増感スクリーンの光反射層
の反射率と同時に重要なのが、その反射の鮮鋭度が高い
ことである。この反射の鮮鋭度は基本的には光反射層の
厚みに相関する。つまり、より薄い光反射層の方が反射
鮮鋭度は優れる。しかし一般に光反射層が薄くなると反
射率が低下する。よって本発明で重要なのは十分に薄い
光反射層で十分に高い反射率の得ることである。この点
に関し、層厚と反射率の関係において図1に示すような
範囲を示す光反射層が本発明の効果を発現させるために
有効であることがわかった。
【0018】一般に光反射層形成用の反射材料として
は、MgO、Al23 、SiO2 、ZnO、TiO
2 、Nb25 、BaSO4 、ZnS、PbCO3 等が
知られているが、本発明の放射線増感スクリーンはフロ
ント側スクリーンとして用いられるものであるため、反
射材料のX線吸収が低いことが必要である。そういう観
点からは重原子を含むNb25 、BaFBr、BaS
4 、PbCO3 は不適当である。さらに本発明では、
単なる反射率だけではなく反射の鮮鋭度も重要であり光
反射材料の屈折率が充分に大きいことが必要である。そ
のような観点からはMgO、Al23 、SiO2 等は
好ましくない。このような理由から、本発明の放射線増
感スクリーンで用いる光反射材料としてはTiO2 が好
ましい。TiO2 にはアナタース型とルチル型がある
が、本発明の目的にはより屈折率が高いルチル型の方が
好ましい。
【0019】また、本発明のようなできるだけ薄い光反
射層で高い光反射率を達成するためには、その光反射材
料の粒経が小さいことが重要である。そして、本発明の
目的を達成するためには平均粒経0.5μm以下の微粒
子であることが必要である。好ましくは0.1μmから
0.4μmであり、さらに0.2μmから0.3μmの
間であることがさらに好ましい。
【0020】二酸化チタンはその分散性を良くするため
にAl23 、SiO2 等で表面処理することも好んで
用いられる。また白色度を失わない程度でカリウム等な
どの他の金属を含有させることも可能である。また本発
明のようなできるだけ薄い光反射層で高反射率を得るた
めには、光反射材料の充填率も重要である。光反射材料
の体積充填率は25%以上であることが好ましく、さら
に40%以上であることがより好ましい。また、光反射
層の強度を考慮すると、その体積充填率は75%が実際
的な上限である。ここで体積充填率とは、全反射層体積
に占める光反射材料の体積で定義される。このような体
積充填率は光反射材料と結合材の割合で変化させること
ができる。高い反射率を達成するために結合材(バイン
ダ)の割合を減少させると、その膜強度が低下するが、
それを補うために適当な結合材を選択することが重要で
ある。
【0021】一般に、直接医療用放射線増感スクリーン
は照射されるX線を有効に利用するためにフロント側と
バック側の二枚一組で用いられ、これに支持体の両面に
感光性乳剤を塗布したX線フィルムを組み合わせて用い
る。ここで、X線による露光に際して、X線入射側に位
置するフロント側スクリーンとその反対側に位置するバ
ック側スクリーンとではその求められる特性が異なる。
本発明の放射線増感スクリーンの効果は、ある程度はバ
ック側スクリーンとして用いた場合でも得られるが、フ
ロント側スクリーンに於て、特に顕著である。
【0022】本発明の反射鮮鋭度の高い光反射層による
鮮鋭度上昇の効果は、その上にのせる蛍光体層が薄い方
が顕著である。蛍光体層が厚いと、そこで鮮鋭度が低下
し、下塗りの光反射層の効果が現れにくくなる。しかし
蛍光体層の薄層化(蛍光体塗布量の低減)は感度の低下
を伴う。感度の低下を伴なわずにその層厚を薄くさせる
ためには、光反射層の反射率を上げることで必要とな
る。また、フロント側スクリーン・バック側スクリーン
の組み合わせにおいて、フロント側スクリーンは感度の
低下が少なく薄く設計することができる。すなわち、フ
ロント側スクリーンはバック側スクリーンにとってX線
遮蔽物となるため、できるだけ薄く(蛍光体塗布量を少
なく)設計することによってバック側スクリーンの感度
を上昇させることができ、フロント側スクリーンの感度
低下を補うことができる。
【0023】従って、本発明の上記のような特徴的な構
成によってフロント側スクリーンでは感度の低下を殆ど
伴なうことなく、薄層化でき、光反射層の反射鮮鋭度の
向上効果は、薄層化により顕著に現われる。本発明で
は、このようにして従来では有効に利用されていなかっ
た、フロント側スクリーンの蛍光体層の深部の蛍光体に
よる発光を効率良く取り出す手法によって鮮鋭度を上昇
させるものであり、単に反射率を上げて感度を高くする
ものではない。さらに本発明により効率良く取り出した
フロント側スクリーンの蛍光体層の深部の蛍光体からの
発光は、コンプトン散乱等により鮮鋭度の劣化していな
いX線による発光であり、そのことも鮮鋭度の上昇に効
果がある。なお、本発明の放射線増感スクリーンのこの
ような効果はバック側スクリーンとしての使用では期待
できない。
【0024】一般に高鮮鋭度の放射線増感スクリーンを
作製するためには反射率の低い黒ベース(カーボンブラ
ック充填支持体フィルム)が用いられているが、本発明
では積極的に反射率の高い光反射層を用いることによっ
てその鮮鋭度を向上させる方法を開示するものであり、
従来の発想とは異なる発想に基づく発明である。
【0025】なお、本発明のような高密度TiO2 反射
層を設けると蛍光体層と光反射層、そして光反射層とベ
ース(支持体)との密着が悪化するという問題が生じる
ことが考えられる。商品として実用化するためにはこの
問題を解決することが必要である。ところが驚くべきこ
とに、本発明のように蛍光体層を薄くすることによっ
て、この問題も解決することが分かった。蛍光体層が薄
い方が蛍光体層の柔軟性が高く、折り曲げ等に対して十
分な追随をするため、光反射層による密着の悪化が実質
上問題なくなるものと思われる。一般に高い反射率を示
す光反射層は高感度化の目的で用いられるため、その蛍
光体層の層厚も厚いものとなってしまう。しかし厚い蛍
光体層を有する放射線増感スクリーンでは光反射層によ
る密着悪化が問題となり、実際に利用することは困難で
あった。従って、本発明の放射線増感スクリーンは、そ
の耐久性という観点でも実用的に好ましい。
【0026】放射線増感スクリーン用の蛍光体としては
数多くのものが知られているが、本発明で好ましく用い
られる蛍光体は下記の一般式で表されるものである。 M22 X:Tb (Mは、金属イットリウム、ガドリニウム、またはルテ
チウムの少なくとも一つであり、Xはカルコゲン(S,
SeまたはTe))である。上記の蛍光体は、X線吸収
率・発光効率が高い。また、二酸化チタンによる高反射
率・高反射鮮鋭度の光反射層の特性を生かすためには、
蛍光体の発光の主なピークが、二酸化チタンの吸収のな
い波長430nmより長波長側(特にルチル型の場合)
にあることが重要であり、この点から上記の一般式の蛍
光体が有利に使用できる。従って、放射線増感スクリー
ンで一般的に使用される蛍光体であるCaWO4 、YT
aO4 、YTaO4 :Nb、LaOBr:Tm、BaS
4 :Pb,ZnS:Ag、BaSO4 :Eu、YTa
4 :Tm、BaFCl:EuあるいはBaFBrI:
Eu等では、本発明の光反射層の効果を充分に発揮でき
ない。
【0027】本発明の放射線増感スクリーンにおいて使
用するのが好ましい放射線増感用蛍光体の具体例として
は、つぎのような蛍光体を挙げることができる。 テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体:Y22 S:
Tb,Gd22 S:Tb,La22 S:Tb,
(Y,Gd)22 S:Tb,(Y,Gd)22S:
Tb,Tm なお、テルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィド蛍
光体については、米国特許第3725704号明細書に
詳しい記載がある。本発明で特に好ましく使用されるの
はGd22 S:Tbの組成式で表わされる蛍光体であ
る。
【0028】ここで相対感度の測定方法について記す。
市販されている富士写真フイルム(株)製のX線フィル
ム(UR2フィルム)を評価対象のフロント側・バック
側2枚のスクリーンでサンドイッチして、距離法にてX
線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステッ
プ露光する。ここでフロント側スクリーンとは、フィル
ム感光材料より照射X線側にあるスクリーンのことをい
う。使用したX線管球は(株)東芝製DRX−3724
HDであり、タングステンターゲットを用い、フォーカ
ルスポットサイズ0.6mm×0.6mmとし、絞りを
含め、3mmのアルミニウム等価材料を通り、X線を発
生するものである。三相にパルス発生器で80KVpの
電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフ
ィルターを通したX線を光源とした。
【0029】撮影後の感光材料は、富士写真フイルム
(株)製のローラー搬送型自動現像機(FPM−500
0)で富士写真フイルム(株)製RD−3現像液を用
い、35℃、そして定着液F(チオ硫酸アンモニウム7
0%重量/容量)200ml、亜硫酸ナトリウム20
g、ホウ酸8g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
(二水塩)0.1g、硫酸アルミニウム15g、硫酸2
g、および氷酢酸22g、に水を加えて1リットルとし
たのち、pHを4.5に調節したもの)を用い25℃の
温度で現像処理を行ない、測定試料を作成する。
【0030】測定試料について可視光にて濃度測定を行
ない、特性曲線を得る。そして、濃度1.8を得るに必
要なX線露光量の逆数を感度とし、相対値として示す。
ここで感度の基準には化成オプトニクス(株)製HR−
4スクリーンを用い、これを100とする。
【0031】さらに、CTF(コントラスト伝達関数)
の測定方法を記す。ここでフロント側・バック側スクリ
ーン組体のCTFは、両面X線フィルムに感光させるこ
とによって得ることが出来るが、そのCTFは、スクリ
ーンのみならず、X線フィルム感材のクロスオーバーに
も影響される。よって本発明のCTF測定には、後述の
方法で規定されるクロスオーバーが14%のX線フィル
ム感材を用いるものとする。具体的には市販の富士写真
フイルム(株)製UR−1、UR2フィルムなどを用い
ることができる。
【0032】そして、UR−2X線フィルムを評価対象
のフロント側・バック側スクリーンでサンドイッチし
て、X線源から2mの位置に配置して、MTF測定用矩
形チャート(モリブデン製、厚み:80μm、空間周波
数:0本/mm〜10本mm)を撮影した。X線源、現
像処理条件は前述の感度測定と同様である。X線露光時
間で露光量を調節して、モリブデンで、遮蔽していない
部分の濃度が1.8になるようにする。
【0033】次に測定試料をマイクロデンシトメータで
走査した。この時のアパーチャは操作方向が30μm、
それに垂直な方向が500μmのスリットを使用し、サ
ンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測定す
る。この操作を20回繰り返して平均値を計算し、それ
をCTFを計算する基の濃度プロフィールとする。その
後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩形波のピー
クを検出し、各周波数毎の濃度コントラストを算出す
る。
【0034】そして空間周波数0cy/mmの濃度コン
トラストを1に規格化して、各周波数の濃度コントラス
トを表わした値をCTFと定義する。ここで、CTFを
測定する際に用いられる両面X線感光フィルムのクロス
オーバーの決定方法を述べる。クロスオーバー(%)は
Abbott et alの米国特許第4425425
号に記載された方法によって測定される。
【0035】ハロゲン化銀写真感光材料を放射線増感ス
クリーン(HR−4)(テルビウム賦活ガドリニウムオ
キシスルフィド蛍光体(主発光波長:545nm、緑色
光を用いたもの)と黒紙とではさみ、黒紙側からX線を
照射する。X線源としては、センシトメトリーにおいて
用いたものと同一のものを用いる。X線照射量を距離法
により変えて、X線を照射した。照射の後、感光材料を
上記の感度の測定において行った処理と同じ方法で、現
像処理する。現像処理した感光材料を、二分割し、それ
ぞれの感光層を剥離する。増感スクリーンと接触してい
た側の感光層の濃度は、逆側の感光層の濃度と比べると
高くなる。それぞれの感光層について特性曲線を得て、
その特性曲線の直線部分における感度差(△logE)
の平均値を求め、この平均値から以下の式によりクロス
オーバーを算出する。 クロスオーバー(%)=100/( antilog(△log
E)+1) 前述のように本発明におけるスクリーンのCTF測定
は、このクロスオーバーが14%の感光材料による測定
で定義される。
【0036】次に、本発明のフロント側用放射線増感ス
クリーンの製造方法について説明する。まず、支持体の
上に本発明の光反射層を形成する。支持体は、例えばガ
ラス、金属の板、あるいは放射線増感スクリーンの支持
体として公知の材料から任意に選ぶことができる。その
ような材料の例としては、セルロースアセテート、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどの
プラスチック物質のフィルム(顔料が充填されていても
よい)、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金
属シート、通常の紙、レジンコート紙、二酸化チタン等
の顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコール
などをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニア、マグ
ネシア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシー
トなどを挙げることができる。これらの支持体は、表面
に接着用などの下塗り層を形成してあってもよい。光反
射層は、前記の微粒子の二酸化チタンとバインダ(結合
剤)を溶媒中に混合分散させた塗布液を調製し、これを
支持体の上に塗布乾燥することによって形成する。ここ
で、用いられるバインダ(結合剤)および塗布液の調製
方法、塗布方法などは、後述する蛍光体層の形成の場合
と同様である。
【0037】蛍光体層の支持体(光反射層を付設したも
の)上への付設は、一般には以下に説明するような常圧
下での塗布方法を利用して行われる。すなわち、粒子状
の蛍光体および結合剤を適当な溶剤中で混合分散して塗
布液を調製し、この塗布液をドクターブレード、ロール
コータ、ナイフコータなどの塗布手段を用いて常圧下に
て放射線増感スクリーンの支持体上に直接塗布した後、
塗膜から溶媒を除去することによって、あるいはあらか
じめ塗布液をガラス板などの仮支持体の上に常圧下にて
塗布し、次いで塗膜から溶媒を除去して、蛍光体含有樹
脂薄膜を形成させ、これを仮支持体から剥離して放射線
増感スクリーンの支持体上に接合することによって、蛍
光体層の支持体上への付設が行なわれる。
【0038】本発明の放射線増感スクリーンでは、以下
に記載するような熱可塑性エラストマーを結合剤として
用い、圧縮処理を行なって蛍光体の充填率を高める(即
ち、蛍光体層中の空隙率を小さくする)ことによって製
造したものであることが好ましい。
【0039】放射線増感スクリーンの感度は、基本的に
は蛍光体層に含有されている蛍光体の総発光量に依存
し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみな
らず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異な
る。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に
対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感
度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。
一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場
合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚
を薄くすることができるから、散乱による発光光の広が
りを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得る
ことができる。
【0040】上記の放射線増感スクリーンを製造するに
は、 a)結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する
工程、次いで b)前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の
軟化温度もしくは融点以上の温度で、圧縮しながら前記
蛍光体シートを支持体上に接着する工程、を含む製法に
よって製造することが好ましい。
【0041】まず、工程a)について述べる。放射線増
感スクリーンの蛍光体層となる蛍光体シートは、結合剤
溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を、蛍光体シー
ト形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥したのち仮支持体
からはがすことで製造することができる。すなわち、ま
ず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を添加し、
攪拌混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗
布液を調製する。結合剤としては、軟化温度または融点
が30℃〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、あ
るいは他のバインダーポリマーと共に用いる。熱可塑性
エラストマーは常温で弾力を持ち、加熱されると流動性
を持つようになるので、圧縮の際の圧力による蛍光体の
破損を防止することができる。熱可塑性エラストマーの
例としては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレ
タン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エ
チレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素
ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン
−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどを挙げることがで
きる。結合剤における熱可塑性エラストマーの成分比
は、10重量%以上、100重量%以下であればよい
が、結合剤はなるべく多くの熱可塑性エラストマー、特
に100重量%の熱可塑性エラストマーからなっている
ことが好ましい。
【0042】塗布液調製用の溶媒の例としては、メタノ
ール、エタノール、N−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどのエーテル;及び、それらの
混合物を挙げることができる。塗布液における結合剤と
蛍光体との混合比は、目的とする放射線増感スクリーン
の特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には
結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100
(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至
1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0043】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を
向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合され
ていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例
としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油
性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどをあげることができる。上記のよう
にして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液
を、次に、シート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布
することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作
は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロ
ールコータ、ナイフコータなどを用いることにより行な
うことができる。
【0044】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、
あるいは放射線増感スクリーンの支持体として公知の材
料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例と
しては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリ
アセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質
のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔など
の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート
紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、
ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミ
ナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミッ
クスの板あるいはシートなどを挙げることができる。仮
支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥した
後、仮支持体からはがして放射線増感スクリーンの蛍光
体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支持体の表
面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シ
ートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくこと
が好ましい。
【0045】次に工程b)について述べる。工程a)に
よって得られた蛍光体シートを、前記の光反射層が付設
された支持体の上に載せ、次いで、結合剤の軟化温度ま
たは融点以上の温度で、圧縮しながら蛍光体シートを支
持体上に接着する。
【0046】このようにして、蛍光体シートを支持体上
に予め固定することなく圧縮する方法を利用することに
より、シートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損
傷を防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に
比較して、同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることが
できる。圧縮処理のために使用される圧縮装置の例とし
ては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知ら
れているものを挙げることができる。たとえば、カレン
ダーロールによる圧縮処理は、支持体上に、工程a)に
よって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度また
は融点以上に加熱したローラの間を一定の速度で通過さ
せることにより行なわれる。ただし、圧縮装置はこれら
のものに限られるものではなく、上記のようなシートを
加熱しながら圧縮することのできるものであればいかな
るものであってもよい。圧縮の際の圧力は、50kgw
/cm2 以上であるのが好ましい。通常の放射線増感ス
クリーンにおいては、支持体に接する側とは反対側の蛍
光体層の表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護
するための透明な保護膜が設けられている。このような
透明保護膜は、本発明の放射線増感スクリーンについて
も設置することが好ましい。
【0047】透明保護膜は、たとえば酢酸セルロース、
ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポ
リメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分
子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により
形成することができる。あるいはポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミドな
どから別に形成した透明な薄膜を蛍光体層の表面に適当
な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成す
ることができる。このようにして形成する透明保護膜の
膜厚は、約3ないし20ミクロンとするのが好ましい。
【0048】また保護膜としては有機溶媒可溶性のフッ
素樹脂を用いることも可能である。フッ素樹系樹脂の塗
布膜により形成された膜は架橋されていてもよい。フッ
素系樹脂よりなる保護膜は、他の材料やX線フィルムな
どとの接触時にフィルムなどからしみ出る可塑剤などの
汚れが保護膜内部にしみ込みにくいので、拭き取りなど
によって容易に汚れを除去することができるとの利点が
ある。
【0049】以上のような方法によって、製造される本
発明の放射線増感スクリーンは、ほぼ全ての感度域にお
いてその鮮鋭度上昇の効果はあるが、特に相対感度25
0以上の高感度域においてX線画像診断上の改良効果が
大きい。すなわち、レントゲン写真のその画質はX線量
子ノイズにより支配されているため、鮮鋭度を高くする
と粒状が悪化するという問題が生じる。X線画像診断の
上ではある一定レベル以上の鮮鋭度があれば、むしろそ
れ以上鮮鋭度を高くせずに、粒状(X線量子ノイズ)を
低くおさえる方が画像診断上有利である。ところが高感
度域においてはスクリーンの鮮鋭度の絶対値が低下する
ため、鮮鋭度を高くすることの画像診断上のメリットは
大きい。しかしながら、従来の放射線増感スクリーンの
技術では高感度域での高い鮮鋭度を達成することが難し
く、その技術開発が待たれていた。従って、本発明のフ
ロント側放射線増感スクリーンは、特にその相対感度が
250以上の高感度域において、CTF(コントラスト
伝達関数)を0.4以上に迄上げることができため有利
となる。そして、本発明のフロント側放射線増感スクリ
ーンの使用によって、更にはそのCTFを0.42以上
にすることも可能となる。
【0050】
【実施例】
【0051】[実施例1]光反射層の形成と評価 (1)二酸化チタン光反射層付き支持体の作製 平均粒径が0.28μmのルチル型二酸化チタン粉末
(石原産業(株)製、CR95)500gとアクリル系
バインダ(大日本インキ化学工業(株)製:クリスコー
トP1018GS)100gとにメチルエチルケトンを
加え、混合・分散し、粘度が10PSの塗布液を調製し
た。この塗布液でのバインダと二酸化チタン(TiO
2 )粉末との混合比は1:5(重量比)であった。この
塗布液を、厚み250μmの透明ポリエチレンテレフタ
レート支持体上にドクターブレードを用い、乾燥後の厚
みが12〜65μmの範囲の値(表1に示す)となるよ
うに均一に塗布し、その後乾燥を行なって、二酸化チタ
ンの体積充填率が44〜48%の範囲の光反射層付きの
支持体(表1に記載のA−1〜A−5)を作製した。得
られた光反射層付き支持体の光反射層はいずれも表面の
平滑性が高く、二酸化チタン粒子の凝集は観察されなか
った。
【0052】次に、上記と同一のバインダと二酸化チタ
ン粒子を用い、ただしバインダと二酸化チタン粒子との
混合比を1:1(重量比)とし、同様の操作により乾燥
後の厚みが30μmで、二酸化チタンの体積充填率22
%の光反射層付き支持体(A−6)を作製した。得られ
た光反射層付き支持体の光反射層は表面の平滑性が高
く、二酸化チタン粒子の凝集は観察されなかった。次い
で、二酸化チタンとして平均粒径が0.7μmおよび
1.5μmのものを用いて、表1に示す乾燥後の層厚
に、光反射層付き支持体(A−7〜A−9)を作製し
た。なお、比較用として市販の二酸化チタン練り込み支
持体(東レ(株)製、ルミラーE−20#250、厚み
250μm、二酸化チタン体積充填率20%以下)を用
意した(A−10)。
【0053】(2)二酸化チタン光反射層付き支持体の
反射率の評価 上記の各二酸化チタン光反射層付き支持体(A−1〜A
−9)、そして二酸化チタン練り込み支持体(A−1
0)の反射率を分光光度計(日立U32LO型)を用い
て測定した。この反射率の測定に際しては、光反射層の
上に積層する蛍光体層の蛍光体としてテルビウム付活酸
硫化ガドリニウムを想定し、その発光ピークの波長に相
当する545nm、550nm、590nm、490n
m、438nm、415nm、そして385nmにおけ
る反射率を測定し、その測定値を加重平均して、求める
反射率とした。得られた結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 試料 バインダ 乾燥層厚 TiO2粒径 TiO2塗布量 TiO2体積 反射率 :TiO2 (μm) (μm) (mg/cm3) 充填率(%) (%) ──────────────────────────────────── A−1 1:5 12 0.28 2.3 48 83 ──────────────────────────────────── A−2 1:5 23 0.28 4.4 48 91 A−3 1:5 30 0.28 5.8 48 93.5 A−4 1:5 40 0.28 7.5 47 95 A−5 1:5 65 0.28 11.5 44 96.5 ──────────────────────────────────── A−6 1:1 30 0.28 2.6 22 88 A−7 1:5 30 0.7 6.0 50 87 A−8 1:5 30 1.5 6.2 52 85 A−9 1:5 60 1.5 11 46 92 A−10 −−− 250 −−− −− >20 89 ────────────────────────────────────
【0055】表1の結果から、本発明に従う光反射層が
高い反射率を示すことがわかる。A−9の光反射層も高
い反射率を示すが、後に示すように反射鮮鋭度は充分と
はならない。A−6の試料は、特開昭59−8782号
公報に記載の公知の光反射層にほぼ相当する。
【0056】図2に、本発明に従う二酸化チタン光反射
層付き支持体の例(上記A−4)の分光反射率(拡散反
射率)を示す。約430nmよりも長波長側の波長領域
において高い反射率を示すことがわかる。
【0057】[実施例2]放射線増感スクリーンの製造
と評価 (1)蛍光体層の形成 蛍光体(Gd22 S:Tb、平均粒径3.5μm)2
50g、ポリウレタン系バインダ(大日本インキ化学工
業(株)製、商品名:パンデックスT5265M)8
g、エポキシ樹脂系バインダ(油化シェルエポキシ
(株)、製:エピコート1001)2g、イソシアネー
ト(日本ポリウレタン工業(株)製、:コロネートH
X)0.5gをメチルエチルケトンに加え、プロペラミ
キサで分散し、粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形
成用の塗布液を調製した。この塗布液を仮支持体(予め
シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレ
フタレートシート)上に塗布し、乾燥した後、形成され
た蛍光体層を仮支持体より剥離して蛍光体シートを得
た。なお、蛍光体シートの厚さは、放射線増感スクリー
ンとした後の蛍光体層の厚みが70〜150μmの範囲
の数値(表2に記載)となるように調整した。
【0058】(2)光反射層付き支持体上への蛍光体シ
ートの付設 実施例1で作製した二酸化チタン光反射層付き支持体
(試料A−4)の上に、上記の蛍光体シートを重ね、カ
レンダロールによって400kgw/cm2 、80℃で
加圧し、蛍光体層が付設された光反射層付き支持体(B
−1〜B−5)を作製した。なお、カレンダロール処理
後の蛍光体層の蛍光体粒子の体積充填率は68%であっ
た。また、二酸化チタン光反射層付き支持体の代りに、
二酸化チタン練り込み支持体(実施例1のA−10)を
用いて、同様にして蛍光体を付設した支持体(B−6〜
B〜10)を作製した。
【0059】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 試料名 支持体 二酸化チタン 蛍光体層厚 備考 体積充填率 (μm) ──────────────────────────────────── B−1 A−4 47% 70μm 本発明に従うもの B−2 A−4 47% 90μm 本発明に従うもの B−3 A−4 47% 110μm 本発明に従うもの ──────────────────────────────────── B−4 A−4 47% 130μm 比較試料 B−5 A−4 47% 150μm 比較試料 B−6 A−10 >20% 70μm 比較試料 B−7 A−10 >20% 90μm 比較試料 B−8 A−10 >20% 110μm 比較試料 B−9 A−10 >20% 130μm 比較試料 B−10 A−10 >20% 150μm 比較試料 ────────────────────────────────────
【0060】(3)表面保護層の形成 フッ素系樹脂(旭硝子(株)製:ルミフロンLF10
0)10g、アルコール変成シロキサンオリゴマー(信
越化学工業(株)製:X−22−2809)1.5g、
イソシアネート(三井東圧化学(株)製:オレスターN
P38−70S)3.2g、そして触媒(共同薬品
(株)製:KS1269)0.001gをメチルエチル
ケトンとシクロヘキサノンとの混合溶媒(重量比1:
1)に溶解し、保護層塗布液を得た。この塗布液を、前
記の支持体(光反射層付き支持体、あるいは二酸化チタ
ン練り込み支持体)の上に付設した蛍光体層の表面上
に、ドクターブレートを用いて塗布し、ゆっくりと乾燥
した後、120℃で30分間熱処理して熱硬化させると
ともに乾燥して、厚さ6μmの保護膜を形成し、放射線
増感スクリーンを作成した。
【0061】(4)感度・鮮鋭度の測定 放射線増感スクリーン試料(B−1〜B−10)をそれ
ぞれフロント側放射線増感スクリーンとし、バック側の
放射線増感スクリーンに市販の放射線増感スクリーン
(化成オプトニクス(株)製:HGM)を共通に用い
て、感度と鮮鋭度の試験を行なった。X線フィルムは、
直接医療用X線フイルムUR2(富士写真フイルム
(株)製)を用い、そのX線フィルムをそれらのフロン
ト側・バック側スクリーンで挟み、MTF測定用矩形チ
ャート(モリブデン製、厚み:80μm、空間周波数:
0本/mm〜10本/mm)を撮影した。チャートはX
線管球から2mの位置に置いた。X線管球としては、
(株)東芝製のDRX−3724HDを用い、またタン
グステンターゲットを用い、フォーカルスポットサイズ
0.6mm×0.6mmとし、絞りを含め、3mmのア
ルミニウム等価材料を通り、X線を発生するようにし
た。また、三相にパルス発生器で80KVの電圧をか
け、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルター
を通したX線を光源とした。撮影後のX線フィルムは、
富士写真フイルム(株)製のローラー搬送型自動現像機
(FPM−5000)で、富士写真フイルム(株)製の
現像液RDIIIを用い35℃、そして定着液(チオ硫
酸アンモニウム(70%重量/容量)200mL、亜硫
酸ナトリウム20g、ホウ酸8g、エチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム(二水塩)0.1g、硫酸アルミニウ
ム15g、硫酸2g、および氷酢酸22g、に水を加え
て1リットルとしたのち、pHを4.5に調節したも
の)を用い、25℃の条件で現像処理を行なって、評価
試料とした。なお、先のX線撮影時の露光量は、この現
像処理後の最高濃度と最低濃度との平均値が1.0とな
るように調節した。
【0062】次に評価試料をマイクロデンシトメーター
で走査した。この時のアパーチャアは操作方向が30μ
m、それに垂直な方向500μmのスリットを使用し、
サンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測定し
た。この操作を20回繰り返して平均値を計算し、それ
をコントラスト伝達関数(CTF)の計算ベースの濃度
プロフィールとした。その後、この濃度プロフィールの
各周波数毎の矩形波のピークを検出し、各周波数毎の濃
度コントラストを算出した。そして、その濃度コントラ
ストを0周波の濃度差で規格化したものをCTFとし、
鮮鋭度を表す尺度とした。代表値として2本/mmの値
を用いた。CTFの測定で用いたものと同じX線源とX
線フィルムとを用い、距離法にてX線露光量を変化さ
せ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なっ
た。露光後にX線フィルムをCTF測定時と同じ条件に
て現像処理を行ない、評価試料を得た。評価試料につて
可視光にて濃度測定を行ない、特性曲線を得た。Dmi
nにて濃度1.0を得るX線露光量の逆数で相対的感度
を表した。感度基準としては化成オプトニクス(株)製
HR−4を用い、これを100とした。得られた感度と
CTF(鮮鋭度を表わす)を図3に示す。図3の結果
は、本発明で規定した光反射層が、層厚が120μm以
下程度の比較的薄い蛍光体層と併用した場合(B−1〜
B−3)に特に有効であることを示している。
【0063】なお、上記のB−1〜B−10の放射線増
感スクリーンを今度はバック側のスクリーンとし、フロ
ント側のスクリーンに共通のHGMスクリーン(化成オ
プトニクス(株)製)を用いた10組のフロント・バッ
ク放射線増感スクリーン(B−1*〜B−10*)を用
意し、上記と同様な方法で感度と鮮鋭度(CTF)の評
価を行なった。その結果を図4に示す。図4の結果を図
3の結果と比較すると、本発明の構成を持つ放射線増感
スクリーンは、フロント側スクリーンとして用いた場合
において特に有効であることがわかる。
【0064】[実施例3]実施例2で作製した放射線増
感スクリーン試料(B−1〜B−10)の蛍光体層の支
持体表面(光反射層表面)への密着性を下記の方法によ
り評価した。1.5cm×3cmに切った放射線増感ス
クリーン試料を、二酸化チタン練り込み支持体(前記A
−10)の先にとりつけ、ステンレスの板の表面に一定
の力でたたきつけることにより、その割れやすさを下記
の基準で評価した。 AA:きわめて良好 BB:良好 CC:やや割れやすい DD:割れやすく、放射線増感スクリーンとしての実際
の使用に耐えない 上記の評価の結果を下記の表3に示す。
【0065】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 試料名 支持体 蛍光体層厚 密着性評価 備考 (μm) ──────────────────────────────────── B−1 A−4 70μm AA 本発明に従うもの B−2 A−4 90μm AA 本発明に従うもの B−3 A−4 110μm BB 本発明に従うもの ──────────────────────────────────── B−4 A−4 130μm CC 比較試料 B−5 A−4 150μm DD 比較試料 B−6 A−10 70μm AA 比較試料 B−7 A−10 90μm AA 比較試料 B−8 A−10 130μm BB 比較試料 B−9 A−10 150μm BB 比較試料 B−10 A−10 70μm BB 比較試料 ────────────────────────────────────
【0066】表3に示されたの結果から、本発明の構成
の光反射層の表面には、層厚が120μm以下程度の薄
い蛍光体層を形成した場合に充分な強度が得られるが、
それよりも厚い蛍光体層を付設した場合には、充分な耐
剥離強度が得られないことがわかる。
【0067】[実施例4]実施例1で作製した各種の光
反射層付き支持体の表面に層厚90μmの蛍光体層を実
施例2と同様にして形成して、表4に示す蛍光体層を付
設した光反射層付き支持体(C−1〜C−6)を作製し
た。
【0068】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 試料名 光反射層付支持体 蛍光体層厚み 備考 ──────────────────────────────────── C−1 A−1 90μm 比較例 C−2 A−2 90μm 本発明に従うもの C−3 A−6 90μm 比較例 C−4 A−7 90μm 比較例 C−5 A−8 90μm 比較例 C−6 A−9 90μm 比較例 ────────────────────────────────────
【0069】そして、上記の蛍光体層を付設した光反射
層付き支持体(C−1〜C−6)について、実施例2に
記載した方法を利用して感度と鮮鋭度(CTF)とを評
価した。その結果を図5に示す。本発明に従う放射線増
感スクリーン試料(C−2)が感度と鮮鋭度とのバラン
スにおいて最も優れていることがわかる。
【0070】[実施例5]図3及び図5から明らかなよ
うに、本発明のフロント側用放射線増感スクリーンは、
相対感度200付近の領域でもその鮮鋭度上昇の効果を
示す。しかしバック側の放射線増感スクリーンを適当に
選択し、組合わせることによって、特に相対感度250
以上においても、従来では得られなかった高鮮鋭度の放
射線画像が得られるため、画像診断上有利である。その
ような組合せの例を、この実施例5で示す。
【0071】(1)バック側放射線増感スクリーンAの
作製 実施例2と同様な方法で、市販二酸化チタン練り込み支
持体(東レ(株)製、ルミラーE−20#250、厚み
250μm、二酸化チタン体積充填率20%以下、前記
A−10)の上に、平均粒径4.5μmのGd22
S:Tb蛍光体粒子を用いて、蛍光体層の層厚が180
μmのバック側放射線増感スクリーンAを作製した。な
お、このときの蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は
72%であった。
【0072】(2)感度と鮮鋭度(CTF)の測定 表5に示すようなフロント側放射線増感スクリーンとバ
ック側放射線増感スクリーンと組合わせで、実施例2に
記載の方法を利用して放射線像撮影系の感度と鮮鋭度を
測定した。なお、測定に際しては、実施例2と同様の富
士写真フイルム(株)製UR2フイルムを用いた。その
結果を図6に示す。
【0073】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 撮影系番号 放射線増感スクリーン X線フィルム 備考 フロント側 バック側 ──────────────────────────────────── D−1 HR−4フロント HR−4バック UR−2 比較例 D−2 HR−6フロント HR−6バック UR−2 比較例 D−3 HR−8フロント HR−8バック UR−2 比較例 D−4 HR−12フロント HR−12バック UR−2 比較例 D−5 HR−16フロント HR−16バック UR−2 比較例 D−6 HGMフロント HGMバック UR−2 比較例 D−7 HGMフロント スクリーンA UR−2 比較例 ──────────────────────────────────── D−8 B−2 スクリーンA UR−2 本発明 D−9 B−3 スクリーンA UR−2 本発明 ────────────────────────────────────
【0074】表5において、HR−6、−8、−12、
−16は、いずれも富士写真フィルム株式会社の販売に
なる放射線増感スクリーンを意味し、それぞれの後に付
いた「フロント」と「バック」は、それぞれ「フロント
側用」と「バック側用」と指定されているものを意味す
る。HGMは、いずれも化成オプトニクス株式会社の販
売になる放射線増感スクリーンを意味し、それぞれの後
に付いた「フロント」と「バック」は、それぞれ「フロ
ント側用」と「バック側用」と指定されているものを意
味する。B−2とB−3は、表2に記載のもので、本発
明に従う放射線増感スクリーンである。また、スクリー
ンAは上記のものである。図6の結果から、本発明に従
うフロント側スクリーンB−2/バック側スクリーンA
の組合せ(D−8)およびフロント側スクリーンB−3
/バック側スクリーンAの組合せ(D−9)であるシス
テムによって、相対感度250以上において従来では得
られなかった高鮮鋭度スクリーンが得られていることが
分かる。
【0075】[実施例6] 実技画像評価(その1) 実施例5に記載の組合せで、同じ感度域にある下記のフ
ロント側スクリーン/バック側スクリーンの組合せを用
いて胸部・胃ファントームによる実技評価を行った。 D−8:B−2/バックスクリーンA D−7:HGM/バックスクリーンA D−4:HR−12フロント/HR−12バック 胸部ファントームは130KVpの撮影条件で、UR−
1フィルム(富士写真フイルム(株)製)を用い、肺野
部の濃度を1.8に合わせた。胃部ファントームは80
KVpの撮影条件で、UR−2フィルム(富士写真フイ
ルム(株)製)を用いた。現像条件等は実施例2と同様
とし、レントゲン写真の画質を目視で判断した。その結
果、CTFの高いD−8、D−7、D−4の順に細部ま
で良く観察できる診断能の優れたX線画像写真が得られ
ることが確認された。なお、逆にD−4、D−7、D−
8の順に画像の粒状が粗くなっていたが、最も粗いD−
8の画像でも、画像診断上は気にならないレベルであっ
た。
【0076】なお、上記のB−2/バックスクリーンA
の組合せ(D−8)のCTFの各空間周波数の値は以下
の表6に記載のようであった。
【0077】
【表6】表6 ─────────────────── 空間周波数 CTF (本/mm) ─────────────────── 0 1.00 0.5 0.88 0.75 0.81 1.0 0.73 1.5 0.58 2.0 0.45 2.5 0.36 3.0 0.27 3.5 0.22 4.0 0.17 5.0 0.12 6.0 0.07 ───────────────────
【0078】[実施例7] 実技画像評価(その2) 互いにほぼ同じ感度域(相対感度200付近)にある下
記のフロント側スクリーン/バック側スクリーンの組合
せを用いて、実施例6と同様にして胸部・胃ファントー
ムによる実技評価を行った。 D−10:B−2/HGM D−6:HGM/HGM その結果、胃ファントームではD−10の画像が、D−
6の画像よりもシャープであり、診断能の優れているこ
とが確認されて。粒状はいずれの場合も気にならないレ
ベルであった。胸部ファントームでもD−10の画像
が、D−6の画像よりもシャープであったが、D−10
の画像は粒状において、D−6の画像に対して劣ってい
た。従って、実施例6、7の結果から明らかなように、
本発明のフロント側放射線増感スクリーンの使用による
鮮鋭度上昇の効果は、相対感度250以上の領域におい
て特に有効であることが確認された。
【0079】
【発明の効果】本発明の微細な二酸化チタン粒子を高充
填率で含む薄層の光反射層と長波長側に主発光を示す蛍
光体を含む薄層の蛍光体層からなる放射線増感スクリー
ンは、二枚の放射線増感スクリーンで放射線フィルムを
はさんでX線撮影を行なう方式のX線撮影に際してフロ
ント側に配置するスクリーンとして用いた場合に、高い
感度を維持しながらも、鮮鋭度の優れた放射線画像を与
える。本発明の構成を有するフロント側用放射線増感ス
クリーンは特に、蛍光体層の厚い放射線増感スクリーン
をバック側スクリーンとして用いる高感度のX線撮影系
においても鮮鋭度の低下が少ないため、実際の医療診断
において特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロント側放射線増感スクリーンにお
ける光反射層の層厚と、その光反射層が単独で存在する
場合に示す反射率(拡散反射率)との関係において好ま
しい領域を示すグラフである。
【図2】本発明に従う二酸化チタン光反射層付き支持体
の分光反射率(拡散反射率)の例を示すグラフである。
【図3】実施例2で製造した放射線増感スクリーンをフ
ロント側スクリーンとして用いたX線撮影系における相
対感度と鮮鋭度(CTFで表示)との関係を示すグラフ
である。
【図4】実施例2で製造した放射線増感スクリーンをバ
ック側スクリーンとして用いたX線撮影系における相対
感度と鮮鋭度(CTFで表示)との関係を示すグラフで
ある。
【図5】実施例4で製造した放射線増感スクリーンを用
いたX線撮影系における相対感度と鮮鋭度(CTFで表
示)との関係を示すグラフである。
【図6】実施例5の各種の放射線増感スクリーンを組合
せて用いたX線撮影系における相対感度と鮮鋭度(CT
Fで表示)との関係を示すグラフである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、光反射層、蛍光体層そして
    表面保護層がこの順に設けられてなるフロント側用放射
    線増感スクリーンであって、該光反射層が、平均粒径が
    0.1〜0.5μmの範囲にある二酸化チタンを体積充
    填率で25〜75%の範囲となるような量で含む、層厚
    15〜100μmの光反射層であり、そして該蛍光体層
    が波長430nmより長波長側に主発光を示す蛍光体を
    含み、かつ層厚が40〜120μmの範囲にあることを
    特徴とするフロント側用放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】 二酸化チタンがルチル型二酸化チタンで
    あり、その平均粒径が0.1〜0.4μmの範囲にある
    請求項1に記載のフロント側用放射線増感スクリーン。
  3. 【請求項3】 蛍光体が一般式: M22 X:Tb (ただし、Mはイットリウム、ガドリニウム、及びルテ
    チウムの少なくとも一種であり、XはS、Se、及びT
    eの少なくとも一つである)で表わされるテルビウム付
    活蛍光体である請求項1に記載のフロント側用放射線増
    感スクリーン。
  4. 【請求項4】 蛍光体がテルビウム付活酸硫化ガドリニ
    ウムである請求項1に記載のフロント側用放射線増感ス
    クリーン。
  5. 【請求項5】 光反射層の層厚と、該光反射層が単独で
    存在する場合に示す拡散反射率との関係が添付図面の図
    1に斜線で示す領域にある請求項1に記載のフロント側
    用放射線増感スクリーン。
  6. 【請求項6】 バック側用放射線増感スクリーンと請求
    項1乃至5のフロント側用放射線増感スクリーンとから
    なる放射線増感スクリーンの組体であって、クロスオー
    バーが14%の医療用両面X線フィルムで測定した時
    の、該組体が示すコントラスト伝達関数(CTF)が、
    空間周波数2本/mmで0.40以上である放射線増感
    スクリーンの組体。
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