JPH0668559B2 - 放射線増感スクリ−ン - Google Patents

放射線増感スクリ−ン

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JPH0668559B2
JPH0668559B2 JP62011902A JP1190287A JPH0668559B2 JP H0668559 B2 JPH0668559 B2 JP H0668559B2 JP 62011902 A JP62011902 A JP 62011902A JP 1190287 A JP1190287 A JP 1190287A JP H0668559 B2 JPH0668559 B2 JP H0668559B2
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    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、放射線増感スクリーンに関するものであり、
さらに詳しくは本発明は、帯電防止性能が改善された放
射線増感スクリーンに関するものである。
[発明の技術的背景] 放射線増感スクリーンは、医療診断を目的とするX線撮
影等の医療用放射線撮影、物質の非破壊検査を目的とす
る工業用放射線撮影などの種々の分野における放射線撮
影において、撮影系の感度を向上させるために、放射線
写真フィルム(たとえば、X線写真フィルム)の片面あ
るいは両面に密着させるように重ね合わせて使用するも
のである。
この放射線増感スクリーンは、基本構造として、支持体
と、その片面に設けられた蛍光体層とからなるものであ
る。なお、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支
持体に面していない側の表面)には一般に、プラスチッ
クフィルムなどからなる透明な保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
蛍光体層は、蛍光体粒子の分散状態で含有支持する結合
剤からなるものであり、この蛍光体粒子は、X線などの
放射線によって励起された時に高輝度の発光を示す性質
を有するものである。従って、被写体を通過した放射線
の量に応じて蛍光体は高輝度の発光を示し、放射線増感
スクリーンの蛍光体層の表面に接するようにして重ね合
わされて置かれた放射線写真フィルムは、この発光光に
よっても感光するため、比較的少ない放射線量で放射線
フィルムの充分な感光を達成することができる。そし
て、放射線フィルム上には被写体の放射線像が形成され
る。
実際に放射線撮影を行なう場合には通常、放射線増感ス
クリーンはカセッテ内で放射線写真フィルムの両面に密
着するように重ね合わされた状態で使用される。カセッ
テは遮光性であり、これにより放射線フィルムが明室下
で露光されるのを防止し、かつフィルムとの密着状態を
容易に設定ことができる。
しかしながら、増感スクリーンおよび放射線フィルムは
共にプラスチック製であるために、カセッテからフィル
ムを着脱する際に両者のこすれによって静電気が発生し
やすく、スクリーンおよびフィルムが帯電して放電現象
が生じる。この放電によりフィルムが感光されて、現像
処理されたフィルムには画像ムラ(スタチックマーク)
が発生し、診断能を低下させるという問題があった。
また、最近では高速撮影用に、増感スクリーンおよび放
射線フィルムをカセッテに収容しないで(カセッテレス
で)連続的に撮影するシステムも開発され、利用されて
いる。たとえば、血管造影撮影用の装置(AOTシステ
ム)においては、予めX線撮影位置には一対のスクリー
ンが固定されており、マガジンに収納されている多数の
フィルムは一枚ずつ自動的に連続搬送されて両スクリー
ンの間に設置されることによりX線撮影が行なわれる。
撮影後、使用済みのフィルムは再び搬送されて受けマガ
ジンに収納され、同時に未使用のフィルムが該スクリー
ン間に設置される。
この高速撮影システムでは、従来のカセッテ使用の場合
以上に放射線フィルムの帯電が生じる傾向にある。増感
スクリーンとの接触による他に、マガジンからフィルム
を一枚ずつ取り出す際のフィルム同志の擦れおよび自動
搬送される際の搬送部材との擦れなどにより、静電気が
発生して帯電しがちである。
放射線フィルムの帯電を防止するために従来から種々の
方法が提案されており、たとえば通常よく行なわれる方
法として、液状の帯電防止剤[例えば、ASクリーナー
(市販品)]を増感スクリーンの表面に塗布あるいは吹
き付けて帯電を抑える方法がある。しかしながら、この
方法では、溶液の塗膜がスクリーン表面に単に形成され
ているにすぎないため、フィルムとの接触により次第に
塗膜が剥離して長期間の使用に耐えにくい。特に、高速
撮影システムの場合には撮影回数が多くスクリーンの使
用頻度が高いため、帯電防止処理(溶液の塗布)を適当
な間隔で繰り返し行なわなければならず、操作としても
煩わしいという欠点がある。
また、増感スクリーンそれ自体に改良を加えて帯電を防
止する方法としては、たとえば特開昭52−28284
号公報に、支持体と蛍光体層との間にカーボンブラック
層を設けるとともに、保護膜に帯電防止剤を混入させる
ことが開示されている。
[発明の要旨] 本発明は、放射線増感スクリーンと放射線写真フィルム
との間に生ずる放電現象を防止する放射線増感スクリー
ンを提供することをその目的とするものである。
また、本発明は、画質を低下させることなく、帯電防止
性能の改善された放射線増感スクリーンを提供すること
もその目的とするものである。
上記の目的は、支持体、蛍光体を分散状態で含有支持す
る結合剤からなる蛍光体層および保護膜をこの順に有す
る放射線増感スクリーンにおいて、該保護膜の蛍光体側
表面にNi、Cr、Au、Sn、Al、CuおよびZn
からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からな
り、上記蛍光体の発光のピーク波長における光透過率が
10〜90%の範囲にある有色の金属蒸着膜が設けられ
ていることを特徴とする放射線増感スクリーンにより達
成することができる。
本発明は、保護膜の蛍光体層に面する側の表面に特定の
材料から成り、特定の光学的性質を有する有色のを設け
ることにより、感度や形成される放射線画像の画質(粒
状性など)を損なうことなく増感スクリーン表面(保護
膜側表面)の帯電防止を実現するものである。
すなわち、本発明によれば保護膜の蛍光体層側表面に金
属膜が設けられているから、放射線フィルムとの擦れに
より静電気が発生しても電荷がスクリーン表面に留るこ
とがなく、スクリーン表面の帯電を常に低いレベルに保
つことができる。また、金属膜が保護膜の内側に配置さ
れていて、放射線フィルムと接触することがないから、
金属膜の損傷、変質などが発生せず、また放射線フィル
ムにも何ら物理的な影響を与えない。これにより、増感
スクリーンと放射線フィルムとの間で放電現象が生じる
のを防止することができ、フィルム上にスタチックマー
クが現れるのを防いで画質の良好な画像を得ることがで
きる。
また、本発明の金属膜は、蛍光体の発光のピーク波長に
おける光透過率が10〜90%の範囲にあって、有色
(いわゆる金属色)であり、増感スクリーンに含まれる
蛍光体の発光波長領域の光に対して吸収特性を示す。こ
のため、本発明の増感スクリーンは、鮮鋭度、粒状性な
ど画質の向上した画像を与える公知の着色増感スクリー
ンとほぼ同程度の高画質の画像を与え、かつ同等の感度
を有する。さらに本発明においては、金属膜の膜厚を好
適に変化させることにより保護膜の着色度を調節して、
鮮鋭度および粒状性の向上した画像を得ることも可能で
ある。
[発明の構成] 本発明の放射線増感スクリーンの実施態様を第1図を参
照しながら説明する。
第1図は、金属膜が保護膜の蛍光体層側表面に設けられ
てなる放射線増感スクリーンの層構成を示す断面図であ
る。
第1図において、増感スクリーンは支持体1、蛍光体層
2および保護膜3からなり、保護膜の蛍光体層側表面に
は金属膜4が設けられ、蛍光体層2と保護膜3とは接着
剤層5を介して積層されている。
ただし、本発明の増感スクリーンは上記の態様に限定さ
れるものではなく、たとえば、金属膜は保護膜の蛍光体
層に面する側とは反対側の表面にのみ設けられていても
よいし、また支持体と蛍光体層との間に光反射層、光吸
収層など各種の中間層が設けられた構成であってもよ
い。
本発明の放射線増感スクリーンは、たとえば、次に述べ
るような方法により製造することができる。
本発明において使用する支持体は、放射線増感スクリー
ンの製造のための材料として知られている各種の材料か
ら任意に選ぶことができる。そのような材料の例として
は、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセ
テート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフ
ィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金
属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二
酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビ
ニルアルコールなどをサイジングした紙などを挙げるこ
とができる。ただし、増感スクリーンとしての諸特性を
考慮した場合、本発明において特に好ましい支持体の材
料はプラスチックフィルムである。このプラスチックフ
ィルムにはカーボンブラックなどの光吸収性物質が練り
込まれていてもよく、あるいは二酸化チタンなどの光反
射性物質が練り込まれていてもよい。前者は高鮮鋭度タ
イプの放射線増感スクリーンに適した支持体であり、後
者は高感度タイプの放射線増感スクリーンに適した支持
体である。
公知の放射線増感スクリーンにおいて、支持体と蛍光体
層の結合を強化するため、あるいは増感スクリーンの感
度もしくは画質を向上させるために、蛍光体層が設けら
れる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布
して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなど
の光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブ
ラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層を設けるこ
とが行なわれている。本発明においても支持体上にこれ
ら各種の層を設けることができる。
さらに、特開昭58−182599号公報に記載されて
いるように、鮮鋭度を向上させるために、支持体の蛍光
体層が設けられる側の表面(支持体表面に接着性付与
層、光反射層、あるいは光吸収層などが設けられている
場合にはその表面)には微小の凹凸が設けられていても
よい。
支持体の上には蛍光体層が形成される。
蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合
剤からなる層である。
蛍光体としてはすでに各種のものが知られている。本発
明において使用するのが好ましい近紫外乃至可視領域
(青色領域、緑色領域および赤色領域)に発光を示す蛍
光体の例としては、次のような化合物を挙げることがで
きる: タングステン酸塩系蛍光体(CaWO、MgWO
CaWO:Pb等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体[YS:Tb、GdS:Tb、L
S:Tb、(Y,Gd)S:Tb、
(Y,Gd)S:Tb,Tm等]、テルビウム賦
活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO:Tb、GdP
:Tb、LaPO:Tb等)、テルビウム賦活希
土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、
LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOC
l:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:Tb
等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリ
ウム系蛍光体[BaSO:Pb、BaSO:E
2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+等]、二価ユーロ
ピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体[Ba
(PO:Eu2+、(Ba,Sr)(PO
:Eu2+等]、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系蛍光体[BaFCl:Eu2+、B
aFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaF
Br:Eu2+,Tb、BaF・BaCl・KCl:
Eu2+、BaF・BaCl・xBaSO・KC
l:Eu2+、(Ba,Mg)F・BaCl・KC
l:Eu2+等]、沃化物系蛍光体(CsI:Na、Cs
I:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化物系蛍光体
[ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,C
d)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Al等]、燐
酸ハフニウム系蛍光体(HfP:Cu等)、ユー
ロピウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[YS:E
u、GdS:Eu、LaS:Eu、(Y,
Gd)S:Eu等]、ユーロピウム賦活希土類酸
化物系蛍光体[Y:Eu、Gd:Eu、L
:Eu、(Y,Gd):Eu]、ユーロ
ピウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO:Eu、G
dPO:Eu、LaPO:Eu等)、ユーロピウム
賦活希土類バナジン酸塩系蛍光体[YVO:Eu、G
dVO:Eu、LaVO:Eu、(Y,Gd)VO
:Eu]。
ただし、本発明に用いられる蛍光体はこれらに限られる
ものではなく、放射線の照射により近紫外領域あるいは
可視領域に発光を示す蛍光体であればいかなるものであ
ってもよい。
蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、
デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴ
ムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラ
ール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセル
ロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリ
アルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブ
チレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルな
どような合成高分子物質などにより代表される結合剤を
挙げることができる。このような結合剤のなかで特に好
ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロース
と線状ポリエステルとの混合物、およびニトロセルロー
スとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物であ
る。
蛍光体層は、たとえば、次のような方法により支持体上
に形成することができる。
まず、上記の蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に加え、こ
れを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子が均一に
分散した塗布液を調製する。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級ア
ルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドな
どの塩素原子含有炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とす
る放射線増感スクリーンの特性、蛍光体の種類などによ
って異なるが、一般に蛍光体層における結合剤と蛍光体
との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲
から選ばれ、そして特に、1:8乃至1:40(重量
比)の範囲から選ぶのが好ましい。
塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体粒子の分散
性を向上させるための分散剤、また形成後の蛍光体層中
における結合剤と蛍光体粒子との間の結合力を向上させ
るための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていても
よい。そのような分散剤の例としてはフタル酸、ステア
リン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤を挙げることが
できる。また可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、
燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステ
ル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなど
のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコー
ル酸エステル;およびトリエチレングリコールとアジピ
ン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク
酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂
肪族二塩基酸とのポリエステルを挙げることができる。
次に、この塗布液を支持体の表面に均一に塗布すること
により塗布液の塗膜を形成する。塗布操作は、通常の塗
布手段、たとえばドクターブレード、ロールコーター、
ナイフコーターなどを用いて行なうことができる。つい
で、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥し
て、支持体上への蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層
の層厚は、目的とする放射線増感スクリーンの特性、蛍
光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異
なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただし、こ
の層厚は50乃至500μmとするのが好ましい。
なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に塗
布液を直接塗布して形成する必要はなく、たとえば、別
にガラス板、金属板、プラスチックシートなどのシート
上に塗布液を塗布乾燥することにより蛍光体層を形成し
た後、これを支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を
用いるなどして支持体と蛍光体層とを接合してもよい。
次に、蛍光体層の支持体に接する側とは反対側の表面に
は、本発明の特徴的な要件である金属膜の付設された保
護膜が設けられる。
金属膜の材料としては、Ni、Cr、Au、Sn、A
l、CuおよびZnなどの金属を挙げることができる。
これらの金属は単独で、あるいは二種以上の合金、混合
物として用いてもよい。
金属膜は、保護膜表面に上記金属を真空蒸着するなどの
蒸着法により形成することができる。金属膜の膜厚は、
金属の種類、目的とする放射線増感スクリーンの特性な
どによっても異なるが、一般に数10〜1000Åの範
囲にあり、好ましくは50〜500Åの範囲にある。
帯電防止性能の点から、金属膜の表面電気抵抗率は10
12Ω以下であるのが好ましく、特に好ましくは10Ω
以下である。また画質の点から、蛍光体の発光のピーク
波長における金属膜の光透過率は10〜90%の範囲に
あるのが必要であり、特に好ましくは30〜90%の範
囲である。
保護膜の材料しては、たとえばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミドなど
から予め形成された透明な薄膜を挙げることができる。
これらのうちで、硬度および透明度などの点から好まし
い材料はポリエチレンテレフタレートフィルムである。
透明保護膜の膜厚は約1乃至30μmとするのが望まし
い。
このようにして金属膜が付設された保護膜は、蛍光体層
の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によ
り蛍光体層上に設けられる。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。ただし、
これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaF
Br:Eu2+)の粒子1600重量部と線状ポリエステ
ル樹脂(バイロン#500、東洋紡(株)製)80重量部と
の混合物にメチルエチルケトンを添加し、さらに硝化度
11.5%のニトロセルロース15重量部およびイソシ
アネート(スミジュールN-75、住友バイエルウレタン
(株)製)5重量部を添加したのち、プロペラミキサー
を用いて充分に攪拌混合して蛍光体粒子が均一に分散
し、結合剤と蛍光体との混合比が1:16(重量比)か
つ粘度が25〜30P(25℃)の塗布液を調製した。
ガラス板上に水平に置いたカーボンブラック練り込みポ
リエチレンテレフタレートフィルム(支持体、厚み:2
50μm)の上に、塗布液をドクターブレードを用いて
均一に塗布した。そして塗布後に、塗膜が形成された支
持体を乾燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25
℃から100℃に徐々に上昇させて塗膜の乾燥を行な
い、層厚が200μmの蛍光体層を形成した。
次に、片面にNi−Cr蒸着膜が設けられたポリエチレ
ンテレフタレートの透明フィルム(厚み:12μm、蒸
着膜の厚み:約150Å、logSR=4.57、BaFBr:Eu
2+蛍光体の発光のピーク波長における光透過率:40
%、東洋メタライジング(株)製)の蒸着膜側にポリエ
ステル系接着剤を付与し、この接着剤層(厚み:1.5
μm)を蛍光体層側に配して接着することにより、蛍光
体層上にNi−Cr蒸着膜および保護膜を形成した。
このようにして、第1図に示したような順に支持体、蛍
光体層、接着剤層、金属膜および保護膜から構成された
放射線増感スクリーンを製造した。
[比較例1] 実施例1において、Ni−Cr蒸着膜の設けられたポリ
エチレンテレフタレートフィルムの代りに単なるポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用い、かつ着色剤(オ
イルイエロー3G、オリエント化学工業(株)製)が接着
剤固形分100gに対して1.52gの割合で添加され
ている接着剤を用いて蛍光体層と接着すること以外は、
実施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、支持
体、蛍光体層、着色接着剤層および保護膜から構成され
た放射線増感スクリーンを製造した。
なお、上記着色剤は、BaFBr:Eu2+蛍光体の発光のピー
ク波長に吸収のピークを示し、該蛍光体から発せられる
蛍光を吸収するが発光のピークおよび発光スペクトルの
形状を変化させることはないものである。
得られた各放射線増感スクリーンについて、帯電防止性
能試験、感度試験、画像鮮鋭度試験および画像粒状性試
験により評価した。
(1)帯電防止性能試験 まず、放射線増感スクリーンをカセッテ内に設置した
後、スタチック防止対策が施された市販の放射線写真フ
ィルムをカセッテに装脱着する操作を繰り返して、増感
スクリーンの表面を往復で約30回擦った。
次に、増感スクリーンと放射線写真フィルム(NEW RX-
H、富士写真フィルム(株)製)とを密着するようにカ
セッテ内に配置し、5分間後に放射線フィルムを取り出
して現像処理した。
得られた放射線フィルムを目視により観察してスタチッ
クマークの有無を調べた。帯電防止性能は以下の基準を
目安に評価した。
A:スタチックマークは全く発生しなかった。
B:スタチックマークが若干発生した。
C:スタチックマークが多量に発生した。
(2)感度試験 放射線増感スクリーンと放射線写真フィルム(NEW RX-
H、富士写真フィルム(株)製)とをカセッテ内で圧着
した後、管電圧80KVpのX線を照射してX線写真撮
影を行なった。次いで、放射線フィルムを現像処理して
フィルム上にX線写真を得た。このX線写真の画像濃度
より感度を測定し、市販の増感スクリーン(化成オプト
ニクス社製FSスクリーン)を用いた場合の感度を10
0とした相対値で示した。
(3)画像鮮鋭度試験 放射線増感スクリーンと放射線写真フィルム(NEW RX-
H、富士写真フィルム(株)製)とをカセッテ内で圧着
した後、解像力チャートを通して管電圧80KVpのX
線を照射してX線写真撮影を行なった。次いで、放射線
フィルムを現像処理してフィルム上にX線写真を得た。
このX線写真のコントラスト伝達関数(CTF)を測定
し、これを空間周波数2サイクル/mmの値で表示し
た。
(4)画像粒状性試験 放射線増感スクリーンと放射線写真フィルム(NEW RX-
H、富士写真フィルム(株)製)とをカセッテ内で圧着
した後、水ファントーム(厚さ:10cm)とアルミニ
ウム板(厚さ:10mm)とを介して濃度1.2の条件
で、管電圧80KVpのX線を照射してX線写真撮影を
行なった。次いで、放射線フィルムを自動現像機(NEW
N、同社製)により現像液(RDIII、同社製)を用いて3
5℃の温度で90秒間処理した。得られたフィルムをミ
クロホトメータ(アパーチャー:300μm×300μ
m)で測定し、RMS値を求めた。
以上の結果をまとめて第1表に示す。
第1表に示した結果から明らかなように、保護膜に金属
膜が付設された本発明の放射線増感スクリーン(実施例
1)は、画像上にスタチックマークが全く発生せず、極
めて優れた帯電防止性能を示した。
さらに、本発明のスクリーンは、画質の向上を目的とし
て接着剤層が着色された公知の放射線増感スクリーン
(比較例1)と比較して、鮮鋭度は若干低かったが粒状
性が優れており、かつ感度も同等であった。従って、本
発明のスクリーンは帯電防止性能が優れているのみなら
ず、高画質および高感度であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る放射線増感スクリーンの層構成
の例を示す断面図である。 1:支持体、2:蛍光体層、3:保護膜、4:金属膜、
5:接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川越 順 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−264300(JP,A) 特公 昭41−3296(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体、蛍光体を分散状態で含有支持する
    結合剤からなる蛍光体層および保護膜をこの順に有する
    放射線増感スクリーンにおいて、該保護膜の蛍光体層側
    表面にNi、Cr、Au、Sn、Al、CuおよびZn
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からな
    り、上記蛍光体の発光のピーク波長における光透過率が
    10〜90%の範囲にある有色の金属膜が設けられてい
    ることを特徴とする放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】上記金属膜が金属蒸着膜である特許請求の
    範囲第1項記載の放射線増感スクリーン
  3. 【請求項3】金属膜の蛍光体の発光ピーク波長における
    光透過率が30〜90%の範囲にある特許請求の範囲第
    1項記載の放射線増感スクリーン。
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