JP2549920B2 - 放射線増感スクリーンの製造法 - Google Patents

放射線増感スクリーンの製造法

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JP2549920B2 JP1157293A JP15729389A JP2549920B2 JP 2549920 B2 JP2549920 B2 JP 2549920B2 JP 1157293 A JP1157293 A JP 1157293A JP 15729389 A JP15729389 A JP 15729389A JP 2549920 B2 JP2549920 B2 JP 2549920B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、放射線増感スクリーンの製造法に関するも
のである。
[発明の技術的背景および従来技術] 放射線増感スクリーンは、医療診断を目的とするX線
撮影等の医療用放射線撮影、物質の非破壊検査を目的と
する工業用放射線撮影などの種々の分野における放射線
撮影において、撮影系の感度を向上させるために、X線
写真フィルム等の放射線写真フィルムの片面あるいは両
面に密着させるように重ね合わせて使用するものであ
る。この放射線増感スクリーンは、基本構造として、支
持体と、その片面に形成された蛍光体層とからなるもの
である。なお、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面
(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な
保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質ある
いは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結
合剤からなるものである。そしてこの蛍光体層の支持体
への付設は、一般に以下に説明するような常圧下での塗
布方法を利用して行なわれている。すなわち、蛍光体粒
子および結合剤を適当な溶剤中で混合分散して塗布液を
調製し、この塗布液をドクターブレード、ロールコータ
ー、ナイフコーターなどの塗布手段を用いて常圧下にて
放射線増感スクリーンの支持体上に直接塗布した後、塗
膜から溶媒を除去することによって、あるいはあらかじ
め塗布液をガラス板などの仮支持体の上に常圧下にて塗
布し、次いで塗膜から溶媒を除去して蛍光体含有樹脂薄
膜を形成させ、これを仮支持体から剥離して放射線増感
スクリーンの支持体上に接合することによって、蛍光体
層の支持体上への付設が行なわれている。
蛍光体層中の蛍光体は、X線等の放射線によって励起
された時に高輝度の発光を示す性質を有するものであ
る。従って、被写体を通過した放射線の量に応じて蛍光
体は高輝度の発光を示し、放射線増感スクリーンの蛍光
体層の表面に接するようにして重ね合わされて置かれた
放射線写真フィルムは、この蛍光体の発光によっても感
光するため、比較的少ない放射線量で写真フィルムの充
分な感光を達成することができる。
上記のような基本構造を有する放射線増感スクリーン
については、感度が高いこと、および画質(鮮鋭度、粒
状性等)の良好な画像を与えるものであることが望まれ
る 放射線増感スクリーンの感度は、基本的にはパネルに
含有されている蛍光体の総発光量に依存し、この総発光
量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍光体層
における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光体の含
有量が多いことはまたX線等の放射線に対する吸収も大
であることを意味するから、一層高い感度が得られ、同
時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍光体層
における蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体
粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くすること
ができるから、散乱による発光光の広がりを少なくする
ことができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
本願出願人は、蛍光体が密に充填された蛍光体層を持
つ放射線増感スクリーンの一つとして、蛍光体層を圧縮
処理することにより蛍光体層の空隙率を低下せしめた放
射線増感スクリーンおよびその製造法をすでに出願して
いる(特願昭57−149069号〔特開昭59−38699号公
報〕、特願昭57−149070号〔特開昭59−38700号公
報〕)。
上記の放射線増感スクリーンは、蛍光体層を圧縮処理
することで、蛍光体層中の蛍光体の密度をそれまでの放
射線増感スクリーンよりも高くしたものであった。その
結果、この放射線増感スクリーンは優れた鮮鋭度を持つ
ものとなったが、その反面、圧縮処理により蛍光体が一
部破壊されるために粒状性という面ではむしろ劣化して
しまう場合があるという問題があった。
[発明の要旨] 本発明は、蛍光体層における空隙率を、蛍光体を破壊
することなく低下させることのできる放射線増感スクリ
ーンの製造法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、優れた鮮鋭度を持ち、しかも粒状性
においても優れた放射線増感スクリーンを製造すること
ができる放射線増感スクリーンの製造法を提供すること
を目的とするものでもある。
上記の目的は、本発明の、 a)蛍光体と、成分の10重量%以上100重量%以下が軟
化温度もしくは融点が30℃以上150℃以下の熱可塑性エ
ラストマーである結合剤とからなる蛍光体層を支持体上
に形成する工程、 b)前記蛍光体層を、前記熱可塑性エラストマーの軟化
温度または融点以上の温度で圧縮する工程 からなることを特徴とする放射線増感スクリーンの製造
法、および、 a)蛍光体と、成分の10重量%以上100重量%以下が軟
化温度もしくは融点が30℃以上150℃以下の熱可塑性エ
ラストマーである結合剤とからなる蛍光体シートを形成
する工程、 b)前記蛍光体シートを、前記熱可塑性エラストマーの
軟化温度または融点以上の温度で圧縮する工程、 c)前記圧縮された蛍光体シートを支持体上に付設する
工程、 からなることを特徴とする放射線増感スクリーンの製造
法によって達成することができる。
本発明においては、蛍光体層中もしくは蛍光体シート
に含まれる結合剤の成分の10重量%以上100重量%以下
に、常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つよう
になる熱可塑性エラストマーを使用し、この熱可塑性エ
ラストマーの軟化温度または融点以上で蛍光体層(蛍光
体シート)の圧縮を行なうので、圧縮による蛍光体の損
傷を軽減することができる。
すなわち、圧縮の際、軟化温度もしくは融点以上の温
度にされた結合剤中に分散された蛍光体結晶は、ある程
度の自由度を持った状態で圧力を受けるために、加わる
圧力によって蛍光体結晶は損傷することなく配向するこ
とができる。
本発明における好ましい態様を、以下に列記する。
(1)上記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ
塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、天然ゴム系熱可塑
性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、
ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエ
チレン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ブタジエン
ゴム系熱可塑性エラストマーおよびシリコンゴム系熱可
塑性エラストマーからなる群より選らばれる少なくとも
一つの熱可塑性エラストマーであることを特徴とする放
射線増感スクリーンの製造法。
(2)上記結合剤が100重量%熱可塑性エラストマーで
あることを特徴とする放射線増感スクリーンの製造法。
(3)上記圧縮工程をカレンダーロールを用いて行なう
ことを特徴とする放射線増感スクリーンの製造法。
[発明の構成] 本発明の放射線増感スクリーンの製造法について、以
下に詳細に述べる。
本発明の放射線増感スクリーンの製造法は、塗布によ
り結合剤と蛍光体とからなる蛍光体層、もしくは蛍光体
シートを形成し、これを結合剤中に含まれる熱可塑性エ
ラストマーの軟化温度または融点以上の温度で圧縮する
ことからなっている。
まず、結合剤と蛍光体と溶剤とからなる蛍光体層形成
用塗布液を調製する。
以下に本発明において使用する蛍光体について述べ
る。
本発明において使用するのが好ましい放射線増感用蛍
光体の例としては、次のような蛍光体を挙げることがで
きる。
タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pb
等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y2O2S:
Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,G
d)2O2S:Tb,Tm等]、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍
光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム
賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、La
OBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:
Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体
[BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等]、2
価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体
[Ba3(PO42:Eu2+、(Ba,Sr)(PO42:Eu2+等]、
2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
化物系蛍光体[BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,T
b、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、BaF2・BaC
l2・xBaSO4・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+
等]、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl
等)、硫化物系蛍光体[ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,
Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Al等]、燐酸ハフニウム系
蛍光体(HfP2O7:Cu等)。ただし、本発明に用いる蛍光
体は、これらのものに限られるものではなく、放射線の
照射により可視乃至近紫外領域の発光を示す蛍光体であ
ればいかなるものであってもよい。
上述のような蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に加え、
これを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分
散した塗布液を調製する。
結合剤は、その10重量%以上を、軟化温度または融点
が30℃〜150℃の熱可塑性エラストマーを用いる。熱可
塑性エラストマーは常温で弾力を持ち、加熱されると流
動性を持つようになるので、圧縮の際の圧力による蛍光
体の破損を防止することができる。熱可塑性エラストマ
ーの例としては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポ
リブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビ
ニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑
性エラストマー、天然ゴム系熱可塑性エラストマー、フ
ッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱
可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エ
ラストマー、スチレン−ブタジエンゴム系熱可塑性エラ
ストマー、シリコンゴム系熱可塑性エラストマーなどを
挙げることができる。
結合剤における熱可塑性エラストマーの成分比は、上
記のように10重量%以上100重量%以下であれば本発明
の効果を得ることができるが、結合剤はなるべく多くの
熱可塑性エラストマー、特に100重量%の熱可塑性エラ
ストマーからなっていることが好ましい。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級
アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライド
などの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級
アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのエーテル;そして、それらの混合物を
挙げることができる。
塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的と
する放射線増感スクリーンの特性、蛍光体の種類などに
よって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比
は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして
特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好まし
い。
なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散
性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光体層
中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させる
ための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよ
い。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、
フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性
剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例として
は、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェ
ニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸
ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール
酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリル
ブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチ
レングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチ
レングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリ
エチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステル
などを挙げることができる。
支持体上に直接蛍光体層を形成する場合、上記のよう
にして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液
を、支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の
塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、た
とえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコ
ーターなどを用いることにより行なうことができる。
このようにして形成した塗布膜を乾燥し蛍光体層とす
る。
支持体は、放射線増感スクリーンの支持体として公知
の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の
例としては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、
トリアセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック
物質のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔
などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコー
ト紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント
紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、ア
ルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラ
ミックスの板あるいはシートなどを挙げることができ
る。
公知の放射線増感スクリーンにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは放射線増感スクリ
ーンとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向
上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面
にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層と
したり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質から
なる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収
性物質からなる光吸収層などを設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線増感スクリーンの目的、用途などに応じて任意
に選択することができる。
さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、
支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面
に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収側などが設け
られている場合には、その表面を意味する)には微小の
凹凸が形成されていてもよい。
上記のように、直接支持体状に蛍光体層を形成するの
ではなく、一旦、支持体とは別に蛍光体シートを形成し
て、これを支持体上に接着剤などを用いて設置してもよ
い。
この場合、蛍光体シートは仮支持体上に蛍光体層形成
用塗布液を塗布し、乾燥ののち、仮支持体からはがすこ
とで形成できる。従って、仮支持体の表面には予め離型
剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートを仮支持体
からはがし易くしておくことが好ましい。仮支持体とし
ては上記した支持体と同様のものが用いられる。
以上のようにして、蛍光体と結合剤からなる蛍光体層
もしくは蛍光体シートを形成することができる。
次に、圧縮工程について述べる。
上記のように、支持体上に塗布液を直接塗布すること
で形成した蛍光体層、あるいは蛍光体シートを支持体上
に接着することで形成した蛍光体層を圧縮処理する。も
ちろん、支持体上に接着するのに先だって、蛍光体シー
ト単独を圧縮して、その後、この圧縮処理を終えた蛍光
体シートを支持体上に接着剤等を用いて付設してもよ
い。
圧縮は結合剤中の熱可塑性エラストマーの軟化温度ま
たは融点以上の温度でおこなう。
本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の例と
しては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知
られているものを挙げることができる。たとえば、カレ
ンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に蛍光体シー
トを載せ、結合剤の軟化温度または融点以上に加熱した
ローラーの間を一定の速度で通過させることにより行な
われる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置はこれら
のものに限られるものではなく、上記のようなシートを
加熱しながら圧縮することのできるものであればいかな
るものであってよい。
圧縮の際の圧力は、50kgw/cm2以上であるのが一般的
である。
上記のようにして支持体上に形成された蛍光体層の空
隙率は、次の(I)式により理論的に求めることができ
る。
(ただし、V:蛍光体層の全体積 Vair:蛍光体積中の空気体積 A:蛍光体積の全重量 ρx:蛍光体の密度 ρy:結合剤の密度 ρair:空気の密度 a:蛍光体の重量 b:結合剤の重量) さらに(I)式において、ρairはほぼ0であるか
ら、(I)式は近似的に次の(II)式で表わすことがで
きる。
(ただし、V、Vair、A、ρ、ρ、a、およびbの
定義は(I)式と同じである) 本発明によって製造される放射線増感スクリーンの空
隙率は30%以下とすることが好ましい。
また、蛍光体の充填率は次式(III)によって求める
ことができる。
(ただし、V、Vair、A、ρ、ρ、a、およびbの
定義は(I)式と同じである) 通常の放射線増感スクリーンにおいては、前述のよう
に支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍
光体層を物理的および化学的に保護するための透明な保
護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発
明の放射線増感スクリーンについても設置することが好
ましい。
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチル
メタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のよ
うな透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した
溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシー
ト;および透明なガラス板などの保護膜形成用シートを
別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接
着するなどの方法によっても形成することができる。
保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至20μmの範囲にあ
る。
次に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各
実施例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 蛍光体:Gd2O2S:Tb ……200g 結合剤:ポリウレタン系 熱可塑性エラストマー(住友バイエルウレタン(株)製
デスモラックTPKL−5−2625[固形分40%]、軟化温度
45℃]) ……20g :ニトロセルロース(硝化度11.5%) ……2g を、メチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサー
で分散させて、粘度が30PS(25℃)の蛍光体層形成用塗
布液を調製した(結合剤/蛍光体比=1/20)。
また、別途に下塗層形成用塗布液として、 軟質アクリル樹脂固形分 ……90g ニトロセルロース ……50g をメチルエチルケトンに加え分散、混合して、粘度が3
〜6PS(25℃)の分散液を調製した。
二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレート(支持体)をガラス板上に水平に置
き、上記の下塗層用形成用塗布液をドクターブレードを
用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から100℃に徐
々に上昇させて塗布膜の乾燥を行ない、支持体上に下塗
層を形成した(塗布膜の厚さ:15μm)。この上に上記
の蛍光体層形成用塗布液をドクターブレードを用いて膜
厚180μmで均一に塗布し、乾燥させ、次いで圧縮を行
った。
圧縮は、カレンダーロールを用いて、400Kgw/cm2の圧
力、80℃の温度で行なった。
この圧縮の後、ポリエステル系接着剤が片面に塗布さ
れているポリエチレンテレフタレートの透明フィルム
(厚さ10μm)を、接着剤側を下にむけて接着すること
によって透明保護膜を形成した。
以上のようにして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
[実施例2] 実施例1において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とす
る以外は実施例1と同様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。
[比較例1] 実施例1において、圧縮を全く行なわないこと以外は
実施例1と同様にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
[比較例2] 実施例1において、 蛍光体:Gd2O2S:Tb ……200g 結合剤:ポリエステル樹脂(日立化成(株)製エスペル
1510)軟化温度140℃) ……8g :ニトロセルロース(硝化度11.5%) ……2g を、メチルエチルケトン溶媒に加え、蛍光体層形成用塗
布液を調製した以外は、実施例1と同様にして支持体、
下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射線増
感スクリーンを製造した。
[比較例3] 比較例2において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とす
る以外は比較例2と同様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。
[比較例4] 比較例2において、圧縮を全く行なわないこと以外は
比較例2と同様にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
[実施例3] 実施例1において、 蛍光体:Gd2O2S:Tb ……200g 結合剤:ポリブタジエン系 熱可塑性エラストマー TR2000(ビカット軟化点47℃)
……8g :ニトロセルロース(硝化度11.5%) ……2g を、メチルエチルケトン溶媒に加え、蛍光体層形成用塗
布液を調製した以外は、実施例1と同様にして支持体、
下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射線増
感スクリーンを製造した。
[実施例4] 実施例3において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とす
る以外は実施例3と同様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。
[比較例5] 実施例3において、圧縮を全く行なわないこと以外は
実施例3と同様にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
[比較例6] 実施例3において、 蛍光体:Gd2O2S:Tb ……200g 結合剤:ポリアクリル樹脂(大日本インキ(株)製クリ
スコート P1120、軟化温度150℃) ……8g :ニトロセルロース(硝化度11.5%) ……2g を、メチルエチルケトン溶媒に加え、蛍光体層形成用塗
布液を調製した以外は、実施例3と同様にして支持体、
下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射線増
感スクリーンを製造した。
[比較例7] 比較例6において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とす
る以外は比較例6と同様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。
[比較例8] 比較例6において、圧縮を全く行なわないこと以外は
比較例6と同様にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
放射線増感スクリーンの評価 上記のようにして製造した各々の放射線増感スクリー
ンを、次に記載する方法により評価した。
(1)画像鮮鋭度試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルム(富士写真
フイルム(株)製HR−S)とをカセッテ内で圧着し、解
像力チャートを介して管電圧80KVpのX線を照射してX
線写真撮影を行ない、できあがったX線写真のコントラ
スト伝達関数(CTF)を測定し、空間周波数2サイクル/
mmの値で評価した。
(2)画像粒状性試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルム(富士写真
フィルム(株)製HR−S)とをカセッテ内で圧着し、水
ファントーム(厚さ:10cm)とアルミニウム板(厚さ:10
mm)とを介して濃度1.0の条件で、管電圧80KVpのX線を
照射してX線写真撮影を行なった。このX線写真フィル
ムを自動現像機(富士写真フイルム(株)製New RN)に
より現像液(富士写真フイルム(株)製RD III)を用い
て35℃の温度で90秒間処理した。得られたX線フィルム
をミクロホトメータ(アパーチャー:300μm×300μ
m)で測定し、RMS値を求めた。このRMS値を粒状性の目
安とした。
上記の試験結果を第1表に示す。
また、第1図および第2図に結果を示した。
第1図および第2図は、たて軸に鮮鋭度(空間周波数
2サイクル/mmにおけるCTF値)をとっており、上方にプ
ロットされるほど鮮鋭度が高いことを表わす。よこ軸
は、粒状性を示しており、左にプロットされるほど粒状
性がよいことを示す。
第1表および第1図、第2図より明らかなように、本
発明の放射線増感スクリーンは、従来の製造法による比
較例のパネルに比較して、鮮鋭度においてはわずかに向
上し、また粒状性においては著しく向上していることが
分る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、実施例、比較例による放射線増
感スクリーンの画質を表わすグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)蛍光体と、成分の10重量%以上100重
    量%以下が軟化温度もしくは融点が30℃以上150℃以下
    の熱可塑性エラストマーである結合剤とからなる蛍光体
    層を支持体上に形成する工程、 b)前記蛍光体層を、前記熱可塑性エラストマーの軟化
    温度または融点以上の温度で圧縮する工程 からなることを特徴とする放射線増感スクリーンの製造
    法。
  2. 【請求項2】a)蛍光体と、成分の10重量%以上100重
    量%以下が軟化温度もしくは融点が30℃以上150℃以下
    の熱可塑性エラストマーである結合剤とからなる蛍光体
    シートを形成する工程、 b)前記蛍光体シートを、前記熱可塑性エラストマーの
    軟化温度または融点以上の温度で圧縮する工程、 c)前記圧縮された蛍光体シートを支持体上に付設する
    工程、 からなることを特徴とする放射線増感スクリーンの製造
    法。
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