JPH0326799B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0326799B2
JPH0326799B2 JP58141457A JP14145783A JPH0326799B2 JP H0326799 B2 JPH0326799 B2 JP H0326799B2 JP 58141457 A JP58141457 A JP 58141457A JP 14145783 A JP14145783 A JP 14145783A JP H0326799 B2 JPH0326799 B2 JP H0326799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
support
phosphor layer
binder
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58141457A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6033098A (ja
Inventor
Akio Ishizuka
Hisashi Yamazaki
Kikuo Yamazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP14145783A priority Critical patent/JPS6033098A/ja
Priority to US06/636,595 priority patent/US4608301A/en
Priority to DE8484109195T priority patent/DE3480621D1/de
Priority to EP19840109195 priority patent/EP0133689B1/en
Publication of JPS6033098A publication Critical patent/JPS6033098A/ja
Publication of JPH0326799B2 publication Critical patent/JPH0326799B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、放射線増感スクリーンに関するもの
である。さらに詳しくは、本発明は、支持体と、
該支持体上に設けられた蛍光体を分散状態で含有
支持する結合剤からなる蛍光体層とを有する放射
線増感スクリーンに関するものである。 放射線増感スクリーンは、医療診断を目的とす
るX線撮影等の医療用放射線撮影、物質の非破壊
検査を目的とする工業用放射用撮影などの種々の
分野における放射線撮影において、撮影系の感度
を向上させるために、放射線写真フイルムの片面
あるいは両面に密着させるように重ね合わせて使
用するものである。この放射線増感スクリーン
は、基本構造として、支持体と、その片面に設け
られた蛍光体層とからなるものである。なお、こ
の蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に
面していない側の表面)には一般に、透明な保護
膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あ
るいは物理的な衝撃から保護している。 蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持
する結合剤からなるものであり、この蛍光体粒子
は、X線等の放射線によつて励起された時に高輝
度の発光を示す性質を有するものである。従つ
て、被検体を透過した放射線の量に応じて蛍光体
は高輝度の発光を示し、放射線増感スクリーンの
蛍光体層の表面に接するようにして重ね合わされ
て置かれた放射線写真フイルムは、この蛍光体の
発光によつても感光するため、比較的少ない放射
線量で写真フイルムの充分な感光を達成すること
ができる。 上記のような基本構造を有する放射線増感スク
リーンについては、感度が高いこと、および画質
(鮮鋭度、粒状性等)の良好な画像を与えるもの
であることが望まれる。従つて、従来より放射線
増感スクリーンの感度あるいは画質を向上させる
ための各種の改良がなされている。 放射線写真法において画像の鮮鋭度は基本的に
は、放射線増感スクリーン中での蛍光の広がりに
よつて決まる。従つて、一般に放射線増感スクリ
ーンの鮮鋭度は、蛍光体層の層厚を小さくするこ
とによつて向上するが、同時に感度は低下する傾
向にある。この感度の低下をもたらすことなく鮮
鋭度を向上させるためには、蛍光体層における結
合剤と蛍光体との混合比を小さくして、増感スク
リーンの蛍光体層を蛍光体が高密度で充填された
蛍光体層とすることが望まれる。 一方、放射線増感スクリーンはそれ自体放射線
の照射によつても殆ど変質することがないため、
長期間にわたつて繰り返し使用されうるが、その
使用時において、衝撃、落下、曲げ等の機械的刺
激が与えられた場合でも、支持体と蛍光体層が簡
単に分離することがないように充分な機械的強度
を持つ必要がある。 しかしながら、支持体に接する蛍光体層の結合
剤と蛍光体との混合比(結合剤/蛍光体)が小さ
くなるほど、すなわち蛍光体層において蛍光体が
高充填となるほど、支持体と蛍光体層との密着強
度は低下する傾向にある。 たとえば、従来より放射線増感スクリーンの結
合剤として、結合剤溶液(塗布液)中における蛍
光体粒子の分散性の点から、セルロース誘導体を
用いることが提案されているが、この場合には、
得られる増感スクリーンの機械的強度が充分でな
く、特に蛍光体層が支持体から剥離しやすいとい
う欠点がある。また、耐屈曲性および支持体に対
する接着力などの点から、蛍光体層の結合剤とし
てポリエステル系樹脂を用いることも提案されて
いるが、この場合には、蛍光体を高密度で充填し
た蛍光体層を得ることが難しい。 さらに、上記結合剤を用いて通常の塗布方法に
より支持体上に蛍光体層を設けた場合には、それ
ら結合剤は蛍光体との親和性が低いために、蛍光
体層の乾燥過程において結合剤と蛍光体粒子とが
比較的分離しやすい傾向にあり、その結果とし
て、支持体側に蛍光体粒子が相対的に多く凝集
し、一方、増感スクリーンの表面側(写真フイル
ムと重ね合わされる側)には蛍光体粒子が相対的
に少なくなり、いわゆる結合剤の『浮き上り』を
生じる。このような放射線増感スクリーンにおい
ては、特に蛍光体層を高充填とした場合に蛍光体
層中で蛍光体粒子が支持体側に凝集することによ
り、蛍光体層と支持体との充分な密着強度が得ら
れず、かつ増感スクリーン表面側においては結合
剤の浮き上りによつて蛍光が広がりやすくなるた
めに画質は低下しがちであるという問題があつ
た。 本発明は、高鮮鋭度の画像を与えることのでき
る特性と、機械的強度、特に蛍光体層の支持体に
対する高い密着強度の双方を具備する放射線増感
スクリーンを提供することをその目的とするもの
である。 上記の目的は、支持体と、この支持体上に設け
られた蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤か
らなる蛍光体層とを有する放射線増感スクリーン
において、該結合剤が、 一般式()、()および(): (ただし、R1、R3およびR5はそれぞれ水素また
はアルキル基であり;R2はアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、複素環基およびアラル
キル基のうちのいずれかで、またR4はアルキル
基であつて、かつR2≠R4であり;そしてx、y
およびzはそれぞれモル百分率を表わし、5≦x
≦99、1≦y+z≦95、およびx+y+z≧90の
範囲の数値である)、 で表わされる繰り返し単位を有する(メタ)アク
リル酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコプ
リマーを5〜100重量%の範囲で含有しているこ
とを特徴とする放射線増感スクリーンにより達成
される。 次に本発明を詳しく説明する。 本発明は、放射線増感スクリーンの蛍光体層の
結合剤として(メタ)アクリル酸エステル・(メ
タ)アクリルニトリルコポリマーを用いることに
より、放射線増感スクリーンにおいて、得られる
画像の鮮鋭度の向上および増感スクリーンの機械
的強度の向上を実現するものである。 すなわち、本発明に用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコポリ
マーは、蛍光体粒子との親和性が高いものである
ため、放射線増感スクリーンの結合剤に該(メ
タ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリルニト
リルコポリマーを含有させることにより、結合剤
中に蛍光体を高密度で充填させることが可能とな
る。また、蛍光体層中に蛍光体を高密度で充填さ
せても結合剤の浮き上りが発生しにくいために、
蛍光体層と支持体との密着強度を高めることがで
き、さらに本発明で用いられる(メタ)アクリル
酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコポリマ
ーは柔軟であるため耐屈曲性に優れており、この
ことにより衝撃、曲げ等に対する増感スクリーン
の機械的強度を向上させることができる。 そして、放射線増感スクリーンの蛍光体層に蛍
光体を高密度で充填させることにより、増感スク
リーンの感度をあまり低下させることなく高鮮鋭
度の画像を得ることが可能となる。さらに蛍光体
層における結合剤の浮き上りが発生しにくいため
に、結合剤と蛍光体との混合比が同一であつて
も、従来の放射線増感スクリーンよりも得られる
画像の鮮鋭度を顕著に向上させることができる。 以上述べたような好ましい特性を持つた本発明
の放射線増感スクリーンは、たとえば、次に述べ
るような方法により製造することができる。 蛍光体層は、基本的には蛍光体粒子を分散状態
で含有支持する結合剤からなる層である。 本発明の特徴的な要件である結合剤は、前述の
一般式()、()および()で表わされる繰
り返し単位を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル・(メタ)アクリルニトリルコポリマーである。 前述の一般式()、()および()におい
て、R1、R3およびR5はそれぞれ、水素、または
アルキル基である場合にはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチルなどの1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基であることが好ましい。 R2は好ましくは、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ヘキシルなどの1〜20個の炭素原子を有
するアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどの5〜12個の炭素原子を有するシクロアル
キル基;フエニルなどのアリール基;ピリジルな
どの複素環基;およびベンジル、フエニルエチ
ル、フエニルプロピル、フエニルブチル、ナフチ
ルメチルなどの7〜20個の炭素原子を有するアラ
ルキル基のうちのいずれかである。 R4はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシルなどの1〜6個の炭素原子を有するアルキ
ル基であることが好ましい。ただし、R4はR2
同一とはならない。 蛍光体粒子との親和性および塗膜を形成した場
合の膜硬度などの点から、本発明の放射線増感ス
クリーンの結合剤として好ましい(メタ)アクリ
ル酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコポリ
マーは、x、yおよびzが、50≦x≦95、5≦y
+z≦50、およびx+y+z≧95の範囲の数値の
ものである。また、x、yおよびzは、70≦x≦
95、y=0、5≦z≦30およびx+y+z≧95の
範囲の数値であつてもよい。そして、x+y+z
=100であることが特に好ましい。 x+y+zが100未満である場合は(メタ)ア
クリル酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコ
ポリマーに他の繰り返し単位が含まれていること
を意味しており、そのような他の繰り返し単位の
例としては、脂肪族アルキレン、スチレン、ビニ
ル誘導体、アクリルアミドから誘導された二価の
基を挙げることができる。 なお本発明で用いられる前述の一般式()、
()および()で表わされる繰り返し単位を
有する(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)ア
クリルニトリルコポリマーは、それぞれの繰り返
し単位となることができる各種のモノマー、すな
わち、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリ
ルから選ばれたモノマー、そして所望によりさら
にそれらのモノマーと共重合可能な他のモノマー
を原料として用い、公知の方法により共重合反応
を行なうことにより得ることができる。 本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステ
ル・(メタ)アクリルニトリルコポリマーは、架
橋剤によつて架橋されていてもよい。架橋剤とし
ては、たとえば、脂肪族系もしくは芳香族系のポ
リイソシアネートを挙げることができる。 蛍光体層において、上記(メタ)アクリル酸エ
ステル・(メタ)アクリルニトリルコポリマーは、
結合剤中に5〜100重量%の範囲で含有させて用
いられる。ただし、結合剤溶液中における蛍光体
粒子の分散性、塗布の均一性および得られる塗膜
の硬度などの点からは、蛍光体層の結合剤は、上
記(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリ
ルニトリルコポリマーを40〜90重量%そして残量
を他の結合剤成分とする組成物系があるのが好ま
しい。 本発明において、上記の(メタ)アクリル酸エ
ステル・(メタ)アクリルニトリルコポリマーと
併用される結合剤成分の例としては、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリイソシアネート、セルロ
ース誘導体、ポリアルキルメタクリレート、繊維
素系樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂などのよう
な合成高分子物質を挙げることができる。このよ
うな結合剤成分のなかで特に好ましいものは、ニ
トロセルロース、ポリアルキルメタクリレート、
およびニトロセルロースとポリイソシアネートと
の混合物である。 放射線増感用の蛍光体としてはすでに各種のも
のが知られている。本発明において使用するのが
好ましい蛍光体の例としては、次のような物質を
挙げることができる。 タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土
類酸硫化物系蛍光体[Y2O2S:Tb、Gd2O2S:
Tb、La2O2S:Tb、(Y、Gd)2O2S:Tb、(Y、
Gd)2O2S:Tb、Tm等]、テルビウム賦活希土類
燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、
LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキシハ
ロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:
Tb、Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb、Tm、
GdOBr:Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活希
土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:
Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体
[BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba、Sr)SO4
Eu2+等]、二価のユーロピウム賦活アルカリ土類
金属燐酸塩系蛍光体[Ba3(PO42:Eu2+、(Ba、
Sr)3(PO42:Eu2+等]、二価のユーロピウム賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体
[BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+
Tb、BaFBr:Eu2+、Tb、BaF2・BaCl2・KCl:
Eu2+、BaF2・BaCl2:xBaSO4・KCl:Eu2+
(Ba、Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+等]、沃化物
系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl
等)、硫化物系蛍光体[ZnS:Ag、(Zn、Cd)
S:Ag、(Zn、Cd)S:Cu、(Zn、Cd)S:
Cu、Al等]、燐酸ハフニウム系蛍光体
(HfP2O7:Cu等)。 ただし本発明に用いられる蛍光体は、これらの
ものに限られるものではなく、放射線の照射によ
り近紫外乃至可視領域内に発光を示す蛍光体であ
ればいかなるものであつてもよい。 蛍光体層は、たとえば、次のような方法により
支持体上に形成することができる。 まず上記の蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に添
加し、これを充分に混合して、結合剤溶液中に蛍
光体粒子が均一に分散した塗布液を調製する。 塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ールなどの低級アルコール;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アル
コールとのエステル;ジオキサン、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテルなどのエーテル;そして、そ
れらの混合物を挙げることができる。 塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、
目的とする放射線増感スクリーンの特性、蛍光体
の種類などによつて異なるが、一般には結合剤と
蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量
比)の範囲から選ばれ、好ましくは1:8乃至
1:50(重量比)の範囲から選ばれる。 なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、また、形成
後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の
結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添
加剤が混合されていてもよい。そのような目的に
用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステ
アリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを
挙げることができる。そして可塑剤の例として
は、燐酸トリフエニル、燐酸トリクレジル、燐酸
ジフエニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エ
ステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グ
リコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコー
ル酸エステル;そして、トリエチレングリコール
とアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリ
コールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエ
チレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエス
テルなどを挙げることができる。 上記のようにして調製された蛍光体と結合剤と
を含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一
に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。
この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ド
クターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。 ついで、形成された塗膜を徐々に加熱すること
により乾燥して、支持体上への蛍光体層の形成を
完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
増感スクリーンの特性、蛍光体の種類、結合剤と
蛍光体との混合比などによつて異なるが、通常は
20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃
至500μmとするのが好ましい。 なお蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体
上に塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、
たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラスチツ
クシートなどのシート上に塗布液を塗布し乾燥す
ることにより蛍光体層を形成した後、これを、支
持体上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるな
どして支持体と蛍光体層とを接合してもよい。 本発明において使用する支持体は、放射線増感
スクリーンの製造のための材料として知られてい
る各種の材料から任意に選ぶことができる。その
ような材料の例としては、セルロースアセテー
ト、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、
ポリカーボネートなどのプラスチツク物質のフイ
ルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔など
の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコ
ート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグ
メント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジン
グした紙などを挙げることができる。ただし、放
射線増感スクリーンとしての諸特性を考慮した場
合、本発明において特に好ましい支持体の材料は
プラスチツクフイルムである。このプラスチツク
フイルムにはカーボンブラツクなどの光吸収性物
質が練り込まれていてもよく、あるいは二酸化チ
タンなどの光反射性物質が練り込まれていてもよ
い。前者は高鮮鋭度タイプの放射線増感スクリー
ンに適した支持体であり、後者は高感度タイプの
放射線増感スクリーンに適した支持体である。 公知の放射線増感スクリーンにおいて、支持体
と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射
線増感スクリーンとしての感度もしくは画質を向
上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持
体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接
着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなど
の光反射性物質からなる光反射層、もしくはカー
ボンブラツクなどの光吸収性物質からなる光吸収
層を設けることも行なわれている。また物質の非
破壊検査を目的とする工業用放射線撮影に用いる
放射線増感スクリーンにおいては、蛍光体層が設
けられる側の支持体表面に、散乱放射線の除去な
どを目的として、鉛箔、鉛合金箔、錫箔などの金
属箔を設けることも行なわれている。本発明にお
いて用いられる支持体についても、これらの各種
の層を設けることができ、それらの構成は所望の
放射線増感スクリーンの目的、用途などに応じて
任意に選択することができる。 さらに、本出願人による特願昭57−64674号明
細書に記載されているように、得られる画像の鮮
鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の
表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与
層、光反射層、光吸収層あるいは金属箔などが設
けられている場合には、その表面を意味する)に
は、微小の凹凸が均質に形成されていてもよい。 通常の放射線増感スクリーンにおいては、支持
体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍
光体層を物理的および化学的に保護するための透
明な保護膜が設けられている。このような透明保
護膜は、本発明の放射線増感スクリーンについて
も設置することが好ましい。 透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニ
トロセルロースなどのセルロース誘導体;あるい
はポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネー
ト、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高
分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を
蛍光体層の表面に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミド
などから別に形成した透明な薄膜を蛍光体層の表
面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法に
よつても形成することができる。このようにして
形成する透明保護膜の膜厚は、約3乃至20μmと
するのが望ましい。 次に本発明の実施例および比較例を記載する。
ただし、これらの各例は本発明を制限するもので
はない。なお、以下の各例で「部」は特に記載の
ない限り「重量部」を表わす。 実施例 1 タングステン酸カルシウム蛍光体(CaWO4
の粒子とアクリル酸エステル・アクリルニトリル
コポリマー(クリスコートP−1018GS、大日本
インキ化学(株)製: ただし、x=60、y=30およびz=10)との混
合物にメチルエチルケトンを添加した後、プロペ
ラミキサーを用いて充分に撹拌混合して、蛍光体
粒子が均一に分散し、結合剤と蛍光体との混合比
が1:20(重量比)かつ粘度が25〜35PS(25℃)
の塗布液を調製した。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 アクリル酸エステル・アクリルニトリルコポリマ
ー 25部 メチルエチルケトン 105部 次に、ガラス板上に水平に置いたカーボン練り
込みポリエチレンテレフタレートフイルム(支持
体、厚み:250μm)の上に塗布液をドクターブ
レードを用いて均一に塗布した。そして塗布後
に、塗膜が形成された支持体を温度90℃、風速
1.0m/秒の状態下で10分間加熱乾燥した。この
ようにして、支持体上に層厚が約180μmの蛍光
体層を形成した。 そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレ
フタレートの透明フイルム(厚み:12μm、ポリ
エステル系接着剤が付与されているもの)を接着
剤層側を下に向けて置いて接着することにより、
透明保護膜を形成し、支持体、蛍光体層および透
明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。 実施例 2 実施例1において、塗布液に脂肪族系ポリイソ
シアネート(架橋剤:スミジユールN、住友バイ
エルウレタン(株)製)、ニトロセルロース(結合剤)
および燐酸トリクレジル(可塑剤)を添加して、
塗布液を以下の組成とすること以外は、実施例1
の方法と同様な処理を行なうことにより、支持
体、蛍光体層および透明保護膜から構成された放
射線増感スクリーンを製造した。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 アクリル酸エステル・アクリルニトリルコポリマ
ー 20部 ポリイソシアネート 1.9部 ニトロセルロース 2.5部 燐酸トリクレジル 0.6部 メチルエチルケトン 110部 実施例 3 実施例1において、塗布液に脂肪族系ポリイソ
シアネート(架橋剤:スミジユールN、住友バイ
エルウレタン(株)製)、ポリメチルメタクリレート
(結合剤:BR−107、三菱レーヨン製)、ニトロ
セルロース(結合剤)および燐酸トリクレジル
(可塑剤)を添加して塗布液を以下の組成とする
こと以外は、実施例1の方法と同様な処理を行な
うことにより、支持体、蛍光体層および透明保護
膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 アクリル酸エステル・アクリルニトリルコポリマ
ー 15部 ポリイソシアネート 1.9部 ポリメチルメタクリレート 5.0部 ニトロセルロース 2.5部 燐酸トリクレジル 0.6部 メチルエチルケトン 110部 比較例 1 実施例1において、結合剤としてアクリル酸エ
ステル・アクリルニトリルコポリマーの代りに線
状ポリエステル樹脂(バイロン#500、東洋紡績
(株)製)およびニトロセルロースを用い、さらに塗
布液にトリイレンイソシアネート(架橋剤)、燐
酸トリクレジル(可塑剤)およびn−ブタノール
(溶剤)を添加して、塗布液を以下の組成とする
こと以外は、実施例1の方法と同様な処理を行な
うことにより、支持体、蛍光体層および透明保護
膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 線状ポリエステル樹脂 22.5部 トリイレンイソシアネート 0.6部 ニトロセルロース 2.5部 燐酸トリクレジル 0.3部 n−ブタノール 5.7部 メチルエチルケトン 100部 比較例 2 比較例1において、塗布液を以下の組成とし、
結合剤と蛍光体との混合比を1:10(重量比)と
すること以外は、比較例1の方法と同様な処理を
行なうことにより、支持体、蛍光体層および透明
保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製
造した。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 線状ポリエステル樹脂 45部 トリイレンイソシアネート 1.3部 ニトロセルロース 5.0部 燐酸トリクレジル 0.5部 n−ブタノール 5.7部 メチルエチルケトン 75部 比較例 3 実施例1において、結合剤としてアクリル酸エ
ステル・アクリルニトリルコポリマーの代りにニ
トロセルロースを用い、更に塗布液に燐酸トリク
レジル(可塑剤)およびn−ブタノール(溶剤)
を添加して、塗布液を以下の組成とし、結合剤と
蛍光体との混合比を1:10(重量比)とすること
以外は、実施例1の方法と同様な処理を行なうこ
とにより、支持体、蛍光体層および透明保護膜か
ら構成された放射線増感スクリーンを製造した。 塗布液の組成 CaWO4蛍光体 500部 ニトロセルロース 32部 燐酸トリクレジル 0.5部 n−ブタノール 5.7部 メチルエチルケトン 75部 上記のようにして製造した各々の放射線増感ス
クリーンを、次に記載する画像鮮鋭度試験、およ
び蛍光体層の支持体に対する密着強度試験により
評価した。 (1) 画像鮮鋭度試験 放射線増感スクリーンとX線写真フイルムと
をカセツテ内で圧着し、解像力チヤートを介し
てX線写真撮影を行ない、できあがつたX線写
真の変調伝達関数(MTF)を測定し、これを
空間周波数2サイクル/mmの値で表示した。 (2) 密着強度試験 放射線増感スクリーンを幅10mmに裁断した試
験片の蛍光体層と支持体との境界面に切り込み
を入れた。そして、このように調製した試験片
の支持体部分と、蛍光体層および保護膜部分と
を引離すように引張ることにより、蛍光体層の
支持体に対する密着強度を測定した。測定はテ
ンシロン(東洋ボールドウイン社製のUTM−
−20)を用いて、引張り速度10mm/分にて両
部分を互いに直角方向に引張ること(90゜剥離)
により行ない、蛍光体層が10mm剥離した時に働
いている力F(g/cm)により密着強度を表示
した。 各々の放射線増感スクリーンについて得られた
結果を第1表に示す。なお第1表においてB/P
は、結合剤と蛍光体との重量混合比を表わす。
【表】 第1表にまとめられた結果から、本発明に従う
放射線増感スクリーン(実施例1〜3)は、従来
の放射線増感スクリーン(比較例1〜3)と比較
して、蛍光体層中に蛍光体粒子を高密度で充填さ
せた場合でも蛍光体層と支持体との密着強度が優
れており、かつ画像の鮮鋭度においても顕著に優
れていることが明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 支持体と、この支持体上に設けられた蛍光体
    を分散状態で含有支持する結合剤からなる蛍光体
    層とを有する放射線増感スクリーンにおいて、該
    結合剤が、 一般式()、()および(): (ただし、R1、R3およびR5はそれぞれ水素また
    はアルキル基であり;R2はアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、複素環基およびアラル
    キル基のうちのいずれかで、またR4はアルキル
    基であつて、かつR2≠R4であり;そしてx、y
    およびzはそれぞれモル百分率を表わし、5≦x
    ≦99、1≦y+z≦95、およびx+y+z≧90の
    範囲の数値である)、 で表わされる繰り返し単位を有する(メタ)アク
    リル酸エステル・(メタ)アクリルニトリルコポ
    リマーを5〜100重量%の範囲で含有しているこ
    とを特徴とする放射線増感スクリーン。 2 上記一般式()のzが、5≦z≦30の範囲
    の数値である特許請求の範囲第1項記載の放射線
    増感スクリーン。 3 上記(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)
    アクリルニトリルコポリマーが、架橋剤によつて
    架橋されている特許請求の範囲第1項記載の放射
    線増感スクリーン。 4 上記(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)
    アクリルニトリルコポリマーが、ポリイソシアネ
    ートによつて架橋されている特許請求の範囲第1
    項記載の放射線増感スクリーン。
JP14145783A 1983-08-02 1983-08-02 放射線増感スクリ−ン Granted JPS6033098A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14145783A JPS6033098A (ja) 1983-08-02 1983-08-02 放射線増感スクリ−ン
US06/636,595 US4608301A (en) 1983-08-02 1984-08-01 Radiographic intensifying screen
DE8484109195T DE3480621D1 (de) 1983-08-02 1984-08-02 Radiographischer verstaerkungsschirm.
EP19840109195 EP0133689B1 (en) 1983-08-02 1984-08-02 Radiographic intensifying screen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14145783A JPS6033098A (ja) 1983-08-02 1983-08-02 放射線増感スクリ−ン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6033098A JPS6033098A (ja) 1985-02-20
JPH0326799B2 true JPH0326799B2 (ja) 1991-04-11

Family

ID=15292341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14145783A Granted JPS6033098A (ja) 1983-08-02 1983-08-02 放射線増感スクリ−ン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6033098A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0796679B2 (ja) * 1988-03-17 1995-10-18 三菱レイヨン株式会社 陰極線管用蛍光体ペースト組成物

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3300311A (en) * 1964-05-01 1967-01-24 Eastman Kodak Co X-ray intensifying screens employing a water soluble copolymer of alkyl acrylate and acrylic acid

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3300311A (en) * 1964-05-01 1967-01-24 Eastman Kodak Co X-ray intensifying screens employing a water soluble copolymer of alkyl acrylate and acrylic acid

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6033098A (ja) 1985-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0444720B2 (ja)
US5877504A (en) Radiographic intensifying screen and radiation image converting panel
JPH0216880B2 (ja)
JPH0444715B2 (ja)
JPS59162499A (ja) 放射線像変換パネル
JPH0452440B2 (ja)
JPH0444712B2 (ja)
JPH0668559B2 (ja) 放射線増感スクリ−ン
JPH0326799B2 (ja)
JPH0312720B2 (ja)
US5889283A (en) Radiographic intensifying screen and radiographic image converting panel
JPH1073699A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JPH0523400B2 (ja)
JP2549920B2 (ja) 放射線増感スクリーンの製造法
JP2549919B2 (ja) 放射線増感スクリーン
JP2549921B2 (ja) 放射線増感スクリーンの製造法
JPH0444713B2 (ja)
JPH0326800B2 (ja)
JPH0444714B2 (ja)
JP3561852B2 (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JPS6140598A (ja) 放射線増感スクリ−ン
JPH0690317B2 (ja) 放射線増感スクリーン
JPH10246800A (ja) 放射線増感スクリーンおよび放射線像変換パネル
JPH09269400A (ja) 放射線増感スクリーンと放射線像変換パネル
JP2002116300A (ja) 放射線発光パネル