JPH0796679B2 - 陰極線管用蛍光体ペースト組成物 - Google Patents

陰極線管用蛍光体ペースト組成物

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JPH0796679B2
JPH0796679B2 JP63200424A JP20042488A JPH0796679B2 JP H0796679 B2 JPH0796679 B2 JP H0796679B2 JP 63200424 A JP63200424 A JP 63200424A JP 20042488 A JP20042488 A JP 20042488A JP H0796679 B2 JPH0796679 B2 JP H0796679B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は陰極線管(以下CRTと略す)の蛍光体面形成に
必要な、高解像度の蛍光体膜を形成しうる印刷用蛍光体
ペーストに関する。
<従来の技術及び課題> テレビのブラウン管に代表されるCRTは電子銃より出る
電子ビームが蛍光体膜面に衝突し、蛍光体粒子が励起さ
れ発光表示するもので、近年のエレクトロニクスの発展
に伴うCRTを用いた各種ビジュアル機器の多様化により
カラーCRTからモノクロCRT、大型CRTから超小型CRTと様
々な種類のものが生産されている。
このようなビジュアル機器に用いられるCRTに、ピンホ
ールがなく良好な発光特性を発揮させるための最も重要
な部分は蛍光体膜の製造方法であり、蛍光体膜の製造方
法としては例えば、モノクロCRTにおいては、スラリー
法、沈降法、電着法、蒸着法等が知られている。
その中でモニター用高解像度用CRTに用いられる蛍光体
膜には従来より沈降法が一般的に使用されている。しか
しながら、この方法にて形成した蛍光体膜では表面の凹
凸の少ない、均一な厚みの蛍光体膜を効率よく得ること
が難かしいという欠点があった。
一方、カラーCRTに使用される蛍光体面は、一般的に赤
緑青の3色の蛍光体粒子をドット又はストライプ状に配
置させたものであり、この蛍光体膜は従来よりシャドウ
マスクを用いた光硬化法にて作られている。しかしなが
ら、この方法で発光特性の優れた蛍光体膜を作るには、
細かいパターンを刻んだシャドウマスクを用いることが
必要であり、CRTが小型になればなるほど、又、高精細
な画面が必要とされればされるほど高精度なシャドウマ
スクが必要となり、シャドウマスク作成上の技術的な困
難さやこのシャドウマスクに適用できる材料の開発も難
しく、生産性も低下するという難点がある。又、シャド
ウマスクを使用した光硬化法による蛍光体面作成法で
は、設備的コストが高く、蛍光体ペーストが光硬化型の
ため、余剰塗着部のペーストが固まり易く蛍光体回収等
の手間がかかり、ロスが大きいという欠点も有してい
る。そのため、最新均一な蛍光膜厚を有し、蛍光膜表面
の凹凸の少ない高解像度CRTの蛍光膜形成法として印刷
法が使用されるようになった。
この印刷法は蛍光体ペーストをCRT用パネル(前面ガラ
ス)に直接又は間接的に印刷し、しかる後に蛍光体ペー
スト中のバインダー樹脂成分を焼成除去することにより
蛍光体面を作成することを特徴としている。この方法は
従来法に較べ設備コストが低いこと、蛍光体粒子の回収
ロスが少なく材料コストが低減できること、生産性が高
いことからも工業的に有利な方法である。この方法を使
用してCRTを製造する方法が特公昭61−23231号公報や特
開昭59−213778号公報が提案されている。
これらのCRTを製造する方法に使用される蛍光体ペース
トはバインダー樹脂と蛍光体粒子と溶剤からなってい
る。蛍光体ペースト用バインダー樹脂としては、セルロ
ース系樹脂やビニルアルコール系樹脂があるが、いずれ
も焼成温度が高く、しかも焼成残査として炭素が残りや
すく、焼成後の物性、特にCRTの寿命に悪影響を及ぼし
たり、CRTを光らせた時の黒点となり、実用上の問題点
の多いものである。特に天然物系の蛍光体ペースト用バ
インダー樹脂にあっては精製が難かしいため予期せぬイ
オン性不純物の生成や、焼成性の低下のためCRTの不良
品率が高くなるという工業的に不利な面も有している。
この点を改良するため焼成性のよい蛍光体ペースト用バ
インダー合成樹脂として、例えば、アルコールキッド樹
脂やフェノール樹脂を用いて、CRTを製造する方法も提
案されているが、本来これらの蛍光体ペースト用バイン
ダー合成樹脂は油溶性であるのに対し、蛍光体粒子は本
質的に親油性のため、蛍光体ペースト用バインダー合成
樹脂と蛍光体粒子との親和力が不充分なため、蛍光体ペ
ースト中での蛍光体粒子の分散が不良となり易いという
問題を有している。即ち、焼成性のよい蛍光体ペースト
用バインダー合成樹脂を使用して、CRTを製造すると、
印刷されてなる蛍光体膜のレベリング性に欠け、蛍光体
粒子がバインダー樹脂と共に流動しにくいため蛍光体膜
中に蛍光体粒子のない部分(ピンホール)が生じたり、
蛍光体膜厚にムラが生じ易く、結果として蛍光体膜面を
CRTにして光らせた時、ザラついた感じで解像度が悪
く、輝度も落ちるという好ましくない結果を引き起こし
易い。又、これを防止するため、蛍光体ペースト組成物
中に添加剤として、蛍光体粒子と親和性を有するイオン
性が高い官能基、例えば、リン酸基、含窒素官能基等を
有する化合物が必要となるが、これらを添加すると、蛍
光体ペーストの焼成性を低下するという問題が生じてし
まう。
このように蛍光体粒子の分散性が良好で、かつ、焼成性
の良好な蛍光体ペースト組成物は見い出されていない。
更に、カラーCRT用蛍光体面の形成においては、ストラ
イプ、ドット等のパターンを印刷するため、単に蛍光体
粒子の配列を良好にするレベリング性の問題だけでな
く、所望のサイズに精度よく印刷できる解像度の高い、
いわゆるチキソトロピック性をも付与した蛍光体ペース
トが必要である。しかし、印刷法による高解像度用蛍光
面の作製は難しく、工業的には実施されていないのが現
状である。
<課題を解決するための手段> 本発明の目的とするところは、アクリル系バインダー樹
脂のもつ熱分解性の良さを損なうことなく、蛍光体ペー
ストに高いレベリング性を与え、CRTの輝度、CRTの解像
度が優れ、且つ長寿命な陰極線管を提供するための蛍光
体ペースト組成物を提供することにある。
即ち、本発明の要旨とするところは、 (a)炭素数が1〜8のアルキルメタクリレート52〜9
9.9重量%、 (b)不飽和カルボン酸0〜8重量部%、 (c)ヒドロキシル基含有アルキル(メタ)アクリレー
ト0〜40重量%、 及び、 (d)前記(a)、(b)及び(c)成分以外の他の共
重合可能なモノビニルモノマー0〜20重量%からなり、
かつ(b)及び(c)成分から選ばれる少なくとも1種
が0.1重量%以上含有されているモノマー混合物を重合
して得られるアクリル系ポリマー(A)100重量部、 蛍光体微粉末(B)250〜2000重量部、 及び蛍光体ペースト組成物の粘度が5000〜200000センチ
ポイズとなる量の、沸点150℃以上の有機溶剤(C)か
らなる陰極線管用蛍光体ペースト組成物にある。本発明
に用いられるバインダー樹脂成分のうちアクリル系ポリ
マー(A)の構成成分として、焼成性の点から炭素数が
1〜8のアルキルメタクリレート(a)が用いられる。
炭素数9以上のアルキルメタクリレート、及びアルキル
アクリレートは、熱分解性が悪いため焼成残査が残るの
で好ましくない。該アルキルメタクリレート(a)はア
クリル系ポリマー(A)を構成するモノマー中に52〜9
9.9重量%含有されていることが必要である。52重量%
未満では焼成性が低下し、又、99.9重量%を越えると蛍
光体粒子が分散性が不良となり、好ましくない。該アル
キルメタクリレート(a)の具体例としては、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルメタクリレート等の炭素数1〜
8のアルキル基を有するアルキルメタクリレートが挙げ
られ、焼成開始温度、完全焼成温度、熱減量速度等の必
要焼成条件に応じて任意に選択すればよい。
また、良好な蛍光体の分散性を得るために本発明におい
ては、バインダー樹脂成分のうちアクリル系ポリマー
(A)の構成成分として、不飽和カルボン酸(b)及び
ヒドロキシル基含有アルキル(メタ)アクリレート
(c)から選ばれる少なくとも1種が0.1重量%含有さ
れることが必要である。
不飽和カルボン酸(b)を添加する場合の添加量として
はモノマー混合物中に8重量%まで添加することが可能
であり、好ましい添加量としては0.3〜5重量%であ
る。8重量%を超えると、焼成性が低下し、蛍光体粒子
の凝集を生じ易くなるため好ましくない。又、不飽和カ
ルボン酸(b)の具体例としては、低えば(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げら
れ、特に蛍光体膜の平滑性の点からは、メタクリル酸が
特に好ましい。
バインダー樹脂成分のうち、アクリル系ポリマー(A)
の構成成分としてヒドロキシル基含有(メタ)アクリル
レート(c)を添加する場合の添加量としてはモノマー
混合物中に40重量%まで添加することが可能であり、好
ましい添加量としては2〜20重量%である。40重量%の
超えると焼成性が低下するため、好ましくない。ヒドロ
キシル基含有アルキル(メタ)アクリレート(c)の具
体例としては、例えば、ヒドロキシルエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の炭素数
1〜4のアルキル基を有するヒドロキシアルキ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸(b)、及びヒドロキシル基含有アル
キル(メタ)アクリレート(c)の使用割合は、混合す
る蛍光体粒子の表面状態により任意に選択すればよい。
例えば、カラー蛍光体微粒子としてP−22(赤はユーロ
ピウムを付活剤としたイットリウムオキシサルファイド
(Y2O2S)、緑は銅とアルミニウムを付活剤とした硫化
亜鉛(ZnS)、青は銀を付活剤とした硫化亜鉛(ZnS))
を用いる場合には、メタクリル酸を用いることが好まし
い。またモノクロ蛍光体微粉末としてP−45(付活剤と
してテルビウムを被覆させたイットリウムオキシサルフ
ァイド(Y2O2S)を用いる場合には、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートを用いることが好ましい。
又、本発明においてはバインダー樹脂のうち、アクリル
系ポリマー(A)の構成成分として上述の(a),
(b)及び(c)成分の他にモノマー混合物中に他の共
重合可能なモノビニルモノマー(d)を20重量%まで添
加することができる。具体例としては、例えば、エチル
アクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート類やその他酢酸ビニル、
エトキシ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニ
ルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、メチルビニ
ルケトン、エチルビニルケトン、n−プロピルビニルケ
トン、イソプロピルビニルケトン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、メタクリ
ロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、スチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、o−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、2,4−
ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメ
チルスチレン等が挙げられ、焼成性に問題が生じない範
囲で単独又は組み合せて用いることができる。
又、本発明においては焼成性を損わない範囲でバインダ
ー樹脂成分のうちアクリル系ポリマー (A)の構成成分に多官能架橋モノマーを添加すること
も可能である。
本発明に用いられる蛍光体微粉末(B)は、アクリル系
ポリマー(A)100重量部に対して250〜2000重量部の範
囲で添加される。250重量部末端では蛍光体粒子量が不
足し、均一な蛍光体膜が得られず、又、2000重量部を超
えるとバインダー樹脂であるポリマー(A)の量が不足
し、蛍光体膜のレベリング性能が低下し、スクリーン印
刷等による印刷の際にピンホールが発生したり蛍光体膜
表面に凹凸が発生する均一な蛍光体膜が得られず、好ま
しくない。
蛍光体微粉末(B)の種類は特に限定されるものではな
く、目的に応じて任意に選択すばよいが高解像度CRT
用、即ち蛍光体面に凹凸が少なく、発光効率のよい、蛍
光体膜を得ようとする場合には、モノクロ蛍光体微粉末
としては、平均体積粒子径が1〜4μmで、蛍光体粒子
中の粒子径1〜6μmの粒子が60%以上含有されてお
り、かつ実質的に付活剤が被覆された蛍光体粒子を粉砕
したものではなく粒子表面全体に付活剤が被覆されたも
のが好ましい。又、カラー蛍光体微粉末(B)として
は、平均体積粒子径が2〜7μmで蛍光体粒子中の粒子
径1〜9μmの粒子が60%以上含有されており、且つ、
実質的に粒子表面に付活剤が被覆されたもの、即ち付活
剤が被覆された蛍光体粒子を粉砕してないものであるこ
とが好ましい。蛍光体粒子及び不活剤の記載は、JEDEC
に基づくRNA番号を使用している。
本発明においては蛍光体ペースト組成物の粘度を5000〜
200000センチポイズ程度とする為に沸点150℃以上の有
機溶剤(C)が配合される。沸点が150℃未満の場合に
は印刷時に粘度の経時変化が生じ、好ましくない。
該溶剤(C)の具体例としては、例えば、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノブチルアセテート、2,2,4−トリメチル1,3
−ペンタジオールモノイソブチレート、イソホロン、3
−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
本発明の蛍光体ペースト組成物はペースト粘度が5000〜
200000センチポイズ程度で用いられる。5000センチポイ
ズ未満になると、印刷時に蛍光体膜端ににじみ等が発生
し易く、パターンの再現性の点で好ましくない。又、20
0000センチポイズを超えると、蛍光体ペーストの流動性
が低下し、蛍光体膜表面に凹凸が生じ、好ましくない。
又、本発明においては、目的を損わない範囲であれば一
般公知の可塑剤、分散安定剤、レベリング剤、チキソト
ロピー性付与剤等の各種添加剤を添加することができ
る。
以下、実施例により本発明を説明する。尚、実施例中、
部及び%はそれぞれ重量部、重量%を示す。
<実施例1> エチルメタクリレート(EMA)98部、メタクリル酸(MA
A)2部及びアゾビスイソブチロニトリル2.0部をジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート180部中
にて80℃で10時間反応させた。得られたアクリル樹脂は
重量平均分子量17万、溶液の固形分35%であった。得ら
れたアクリル樹脂100部を、バインダー樹脂として溶媒
に溶かした樹脂溶液にP−45のモノクロ蛍光体微粉末
(付活剤としてテルビウムを被覆させたイットリウムオ
キシサルファイド(Y2O2S))、平均体積粒子径3.0μ
m、6μmを超える蛍光体粒子量5%344.8部を分散、
混練しジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ートにて粘度を15000cps(25℃、(EHD型粘度計、東京
計器(株)製にて測定))に調整し、蛍光体ペースト組
成物を得た。
上記のようにして得られた組成物をスクリーン印刷法に
よってガラス板上に20μmの厚さに塗布し、乾燥、焼成
を行い得られた蛍光体膜面を調べた。蛍光体膜面の状態
は50〜400倍の光学顕微鏡によって透過光・反射光の両
方を使用し、評価した。その結果、得られた蛍光体膜面
にはピンホールは無く、完全な隠蔽性を有し平滑な面を
形成していた。
<実施例2,3、比較例1,2> モノマー成分として表−1に示す各種のものを用い、4
種の蛍光体ペーストを作り、これらの蛍光体ペーストを
用い実施例1と同様にして作成した蛍光体膜面の状態を
評価した。経過を表−1に示した。
・蛍光体膜ピンホール: 蛍光体ペーストを作り、この蛍光体ペーストを用いてガ
ラス上に印刷、乾燥、焼成し蛍光体膜面を400倍の光学
顕微鏡にて透過光を使用し有無を調べた。
○;ピンホール無し ×;ピンホール有 ・平滑性: 蛍光体ペースト組成物をガラス上に印刷、乾燥、焼成し
蛍光体膜面を400倍光学顕微鏡で反射光にて調べた。
○;凹凸が少ない(5μm以下)、スクリーンメッシュ
跡無し △;凹凸がやや多い ×;凹凸が多い、スクリーンメッシュ跡有り ・焼成性: 昇温速度15℃/min、サンプル量10mg、 焼成温度範囲:常温→400℃ ○;残査無し ×;残査有り ・150μmパターン精度: #300メッシュスクリーンで細線150μmストライプパタ
ーンを印刷し、50〜400倍の光学顕微鏡にて蛍光体膜幅
を評価した。
○;±10μm以内 △;±20μm以内 ×;±25μm以内 以上の結果より明らかなようにモノマー成分としてメタ
クリル酸を全く含まない比較例1では蛍光体膜にピンホ
ールが生じ平滑性も不足となる。またモノマー成分とし
てメタクリル酸の含有量が10%を超すと蛍光体膜ピンホ
ールが生じ平滑性も低下するのみならず焼成性も低下し
て好ましくない。
<実施例4〜6、比較例3,4> イソブチルメタクリレートを用い、5種の蛍光体ペース
トを作り、これらの蛍光体ペーストを用いる以外は実施
例1と同様にして作成した蛍光体膜面の状態を評価し、
その結果を表−2に示す。
<実施例7〜9、比較例5,6> イソブチルメタクリレート99.5部、MAA0.5部及びジエチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いる
以外は実施例1と同様にして得られた蛍光体ペースト組
成物の粘度を表−3に示すように変化させて蛍光体膜の
状態を評価した。
表−3より明らかなように比較例5のようにペースト粘
度が低すぎる場合、蛍光体膜にじみのため蛍光体面周辺
部は輝度、解像度に異常が生じる上にバインダー樹脂部
のみがレベリングされるためピンホールもなくならな
い。また比較例6のようにペースト粘度が高すぎる場合
は平滑性が出にくくピンホールも無くならない。
<実施例10,11、比較例7> モノマー成分を表−4に示す比率で用いて重合し、4種
の蛍光体ペーストを作りこれらの蛍光体ペーストを用い
て実施例1と同様にして作製した蛍光体状態を評価し
た。
<実施例12> イソブチルメタクリレート99.5部、メタクリル酸0.5部
及びベンゾイルパーオキシド2.0部を2,2,4−トリメチル
1,3−ペンタジオールモノイソブチレート中にて80℃,10
時間反応させた。得られたアクリル樹脂は重量平均分子
量15万の特性値を示した。得られたアクリル樹脂(固形
分)100部にP−22のカラー蛍光体微粉末(赤はユーロ
ピウムを付活剤としたイットリウムオキシサルファイド
(Y2O2S)、緑は銅とアルミニウムを付活剤として硫化
亜鉛(ZnS)、青は銀を付活剤とした硫化亜鉛(ZnS)、
平均体積粒子径4.5μm、9μmを超える蛍光体粒子含
有量9%) 400部を分散、混練し2,2,4−トリメチル1,3−ペンタジ
オールモノイソブチレートにて粘度50000cps(25℃)に
調整し、蛍光体ペースト組成物を得た。得られた組成物
をスクリーン印刷法によってガラス板上にパターン幅15
0μm、厚さ20μmのストライプ状に塗布し、乾燥、焼
成を行い、蛍光体膜面を調べた。蛍光体膜面は50〜400
倍の光学顕微鏡によってパターン精度、表面状態を評価
した。その結果、得られた蛍光体膜面のパターン精度は
±10μmであり、蛍光体膜表面は凹凸のない平滑な形成
していた。
<実施例13> イソブチルメタクリレート(iBMA)90部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)10部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル3.0部をジエチレグリコールモノエチ
ルエーテルアセテート180部中にて80℃で10時間反応さ
せた。得られたアクリル樹脂は重量平均分子量20万であ
った。このアクリル樹脂(固形分)100部に実施例12と
同様のカラー蛍光体微粉末(P−22)400部を分散、混
練しジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
トにて粘度(25℃、EHD型粘度計、東京計器(株)にて
測定)30000cpsに調整し蛍光体ペースト組成物を得た。
上記のようにして得られた蛍光体ペースト組成物を、ス
クリーン印刷法によってガラス板上にパターン幅150μ
m、厚さ20μmのストライプ状に塗布し、乾燥、焼成を
行い得られた蛍光体膜面を評価した。蛍光体膜面は50〜
400倍の光学顕微鏡によってパターン精度、表面状態を
評価した。その結果得られた蛍光体膜面のパターン精度
は±10μm、蛍光体膜表面は凹凸のない平滑な面を形成
していた。
<実施例14,15、比較例8〜10> 表−5に示すモノマー組成で得られたアクリル系ポリマ
ーを用い5種の蛍光体ペーストを作り、これらの蛍光体
ペーストを用いる以外は実施例13と同様にして作成した
蛍光体膜の状態を評価した。
以上の結果より明らかなように2−ヒドロキシエチルメ
タアクリレートを全く含まない比較例8では蛍光体粒子
と樹脂の親和性不足のため平滑性不良となり、パターン
精度も低下していた。又、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート含量が40%を超えた場合、又は不飽和カルボン
酸含量が20%を超えた場合には焼成性が不良となり好ま
しくない。
<実施例16> エチルメタクリレート88部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート12部及びBPO2.0部をジエチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテート185部中にて80℃で10時間
反応させた。得られたアクリル樹脂は重量平均分子量24
万であったこのアクリル樹脂(固形分)100部に実施例
1と同様のモノクロ蛍光体微粉末(P−45)450部を分
散、混練し、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテートにて粘度を15000cps(25℃)に調整し、蛍光
体ペースト組成物を得た。上記のようにて得られた組成
物をスクリーン印刷法によりガラス板上に20μmの厚さ
に塗布し、乾燥、焼成を行い、得られた蛍光体面を評価
した。蛍光体膜面は50〜400倍の光学顕微鏡によって透
過光、反射光の両方を使用し、評価した。その結果、蛍
光体膜面にはピンホールは無く、完全な隠蔽性を有し、
平滑な面を形成していた。
<実施例17〜19、比較例11,12> 実施例13で得られたアクリルポリマー(A)と実施例12
と同様の蛍光体との混合比を表−6のごとく変化させて
蛍光体膜面の状態を評価した。
以上の結果より明らかなように、アクリル樹脂(固形
分)100部に対し蛍光体が250部以下の場合には、蛍光膜
パターン精度不良となり、又、蛍光体粒子含量が2000部
以上になると、蛍光体膜平滑性が不良となるばかりでな
く、パターン精度も好ましくない結果となった。
<実施例20> イソブチルメタクリレート84部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート14部、メタクリル酸2部及びカヤエステル
−O1.5部を2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモ
ノイソブチレート180部中にて80℃で10時間反応させ
た。得られたアクリル樹脂は重量平均分子量26万、酸価
4.6の特性値を示した。得られたアクリル樹脂100部に実
施例12と同様のカラー蛍光体微粉末(P−22)380部、
微粉末シリカ25部を分散、混練し、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペタジオールモノイソブチレートにて粘度50000
cps(25℃)に調整し、蛍光体ペースト組成物を得た。
この蛍光体ペースト組成物をスクリーン印刷法によって
ガラス板上にパターン幅150μm、厚さ20μmのストラ
イプ状に塗布し、乾燥・焼成を行い、得られた蛍光体膜
面を調べた。蛍光体膜面は50〜400倍の光学顕微鏡によ
ってパターン精度、表面状態を評価した。その結果、得
られた蛍光体膜面のパターン精度は±10μm、蛍光体膜
表面は凹凸のない平滑な面を形成していた。
<実施例21,22、比較例13,14> 2,2,4−トリメチル1,3−ペンタジオールモノイソブチレ
ートを溶剤として用い蛍光体ペースト粘度を表−7に示
すように調整する以外は実施例20と同様にして4種の蛍
光体ペーストを作り、これらの蛍光体ペーストを用いて
作製し蛍光体膜の状態を評価した。
以上の結果より明らかなようにペースト粘度が5000cps
未満で印刷した蛍光体膜は、にじみによるパターン精度
不足となり、20万cpsを超えると、蛍光体膜表面のレベ
リング性が不良のため、凹凸が多く、スクリーンメッシ
ュ跡がはっきりと残ってしまい、好ましくない結果とな
るばかりでなく、パターン精度も不良となった。
<実施例23,24> チキソトロピー性付与剤の添加量を表−8に示す量用い
る以外は実施例20と同様にして2種の蛍光体ペーストを
作り、これらの蛍光体ペーストを用いて作製し蛍光体膜
の状態を評価した。
<発明の効果> 以上詳述したように、本発明の蛍光体ペースト組成物を
用いることにより、焼成性に優れ、かつ輝度、解像度に
優れたCRTを得ることが可能となり、その効果は極めて
大きいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)炭素数が1〜8のアルキルメタクリ
    レート52〜99.9重量%、 (b)不飽和カルボン酸0〜8重量部%、 (c)ヒドロキシル基含有アルキル(メタ)アクリレー
    ト0〜40重量%、 及び、 (d)前記(a)、(b)及び(c)成分以外の他の共
    重合可能なモノビニルモノマーとして、 エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
    クリレート等のアルキルアクリレート類、酢酸ビニル、
    エトキシ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メチルビニ
    ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニ
    ルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、メチルビニ
    ルケトン、エチルビニルケトン、n−プロピルビニルケ
    トン、イソプロピルビニルケトン、γ−メタクリロキシ
    プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
    ピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、メタクリ
    ロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ
    プロピルジメチルジメトキシシラン、スチレン、o−メ
    チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
    ン、o−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、2,4−
    ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメ
    チルスチレンから選ばれる1種又は2種以上0〜20重量
    %、 からなり、かつ(b)及び(c)成分から選ばれる少な
    くとも1種が0.1重量%以上含有されているモノマー混
    合物を重合して得られるアクリル系ポリマー (A)100重量部、 蛍光体微粉末(B)250〜2000重量部、及び 蛍光体ペースト組成物の粘度が5000〜200000センチポイ
    ズとなる量の、沸点150℃以上の有機溶剤(C) からなる陰極線管用蛍光体ペースト組成物。
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