JP2000144124A - 蛍光体ペースト組成物 - Google Patents

蛍光体ペースト組成物

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JP2000144124A
JP2000144124A JP32508098A JP32508098A JP2000144124A JP 2000144124 A JP2000144124 A JP 2000144124A JP 32508098 A JP32508098 A JP 32508098A JP 32508098 A JP32508098 A JP 32508098A JP 2000144124 A JP2000144124 A JP 2000144124A
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phosphor
paste composition
polymer
weight
fluorescent substance
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JP32508098A
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English (en)
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Atsushi Toda
淳 遠田
Akio Umemoto
明夫 梅本
Yukio Date
幸男 伊達
Norio Miura
典夫 三浦
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Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度のポリマー溶液をバインダー液とする
ことにより、蛍光体との分散性に優れ、スクリーン印刷
特性に優れた蛍光体ペースト組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも下記(A)、(B)及び
(C)を含有することからなる蛍光体ペースト組成物。 (A)溶液粘度が100センチポイズ以上4000セン
チポイズ以下であるポリマー含有溶液:100重量部、 (B)蛍光体:10重量部以上1000重量部以下、 (C)チクソ性トロピー性付与剤:0.1重量部以上1
0重量部以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光体ペースト組成
物、特にスクリーン印刷用蛍光体ペースト組成物に関す
るものである。詳しくは、本発明は印刷時の糸引きが少
なく、版の離れが良好で、版に残ったインクが容易に取
り除けるスクリーン印刷用蛍光体ペースト組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】テレビ向けディスプレイは、大画面陰極
線管(CRT=Cathode Ray Tube)が価格、コントラス
ト、視野角、寿命の関係で未だ市場性を失っていない。
しかし、CRTは奥行きが長いため設置場所の制約を受
けざるを得ず、また、発光する蛍光体面は構造上完全に
平面にすることはできないので、一般的な印刷法で均質
に印刷することは難しい。一方、LCD(Liquid Cryst
al Display)はノート型パソコンでフルカラー表示を達
成し、平面で薄い構造、低い消費電力を活かして更にテ
レビ用ディスプレイを目指している。また、同様にPD
P(Plasma Display Panel)、FED(Field Emissi
on Display)も完全な平面で薄い構造、大きい視野角、
製造の容易さから大型のディスプレイ商品を目指してい
る。これらは何れも平面薄型構造であるので、PDPで
は蛍光体を隔壁の壁面に均一に印刷したり、また、FE
DではCRTと同様にドット状またはストライブ状に印
刷する事によって蛍光体発光面を形成することが可能で
ある。
【0003】しかしながら、粉体である蛍光体を平面や
隔壁面に均一に固定させることは難しいので、一般的に
は蛍光体とバインダーポリマー及びその溶剤からなるペ
ースト材を用い各種印刷法で蛍光体を配置させている。
印刷法としてはスクリーン印刷、オフセット印刷、グラ
ビア印刷、フレキソ印刷等が挙げられるが、スクリーン
印刷が最も簡便である。また、ディスプレイとしての機
能を発揮させるには溶剤やバインダーポリマーは蛍光体
の発光を妨げるので、調製時の乾燥及び焼成工程でそれ
らを完全に加熱除去している。その際、蛍光体の種類に
よっては熱や酸素の影響により酸化されて構造が変化
し、結果的に輝度が劣化したりあるいは色調がずれるこ
とによってコントラストの低下、明るさの低下、色のず
れをおこし製品の品質を低下してしまうことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PDP、FEDの場
合、蛍光体含有ペーストをセル内の所定の位置に印刷塗
布した後、バインダーポリマー等の焼成は、通常400
から550℃の温度で行われている。しかし、塗布膜を
高温で酸素の存在下焼成処理すると、場合によりバイン
ダーが酸化したり構造変化を生じたりし、その影響が蛍
光体にまで及んで蛍光体の輝度が低下したり色調がずれ
たりする恐れがある。
【0005】PDP用蛍光体は、CRT用蛍光体と本質
的に種類及び構造が異なっており、波長147nm、1
72nmの紫外光で発光することが必要であるために、
青発光蛍光体はCRTと全く異なる2価のユーロピウム
付活化アルミン酸バリウム・マグネシウム等のアルミン
酸塩蛍光体が使用されている。この蛍光体は高温で酸素
の雰囲気下処理すると輝度の低下が著く、特にこれまで
のCRT用に使用されてきたバインダーと共に用いると
輝度が低下する。その結果、パネル全体の輝度が低下
し、特に青の劣化が激しいので、赤味、黄味を帯びた表
示となり色再現性、精彩性に欠ける事態が生じる。そこ
で、PDP用蛍光体の塗布のために使用するバインダー
としてはポリビニルアルコール、エチルセルロース等が
使用されているが、その熱分解性は良好とは言い難い。
【0006】一方、アクリルポリマーは熱分解性の良い
ことが知られており、例えば特公平7−96679号公
報に、特定のアクリルポリマー、蛍光体、有機溶剤から
なる粘度が5000〜20000センチポイズの高粘度のペース
トがCRT用として優れていることが記載されている。
しかし、このペーストが蛍光体そのものの輝度に及ぼす
影響については何等記載されておらず、また、蛍光体ペ
ーストの粘度が5000センチポイズ以下の低粘度では印刷
時に蛍光体膜端ににじみを生じ、20000センチポイズを
越えると流動性が低下し、均一な表面の蛍光体膜が得ら
れずいずれの場合もピンホール等の不良品を生じ好まし
くないとしている。更に、アクリルポリマーとして具体
的にはメタクリル酸を含むモノマー混合物からの共重合
体が示されているが、このようなアクリル酸、メタクリ
ル酸等の不飽和カルボン酸を構成成分とするポリマーを
使うと焼成性が格段に低下し残炭しやすくなり、その結
果蛍光体を汚染しやすくなる問題がある。上述の様に、
真空紫外領域の紫外線により蛍光体が励起されて発光す
るPDP用蛍光体は、CRTに用いられる蛍光体と構造
や組成を異にし、しかも該特許はペースト成分と蛍光体
の輝度との関係について一切言及していないので、特定
のアクリルポリマーの熱分解性が比較的良いとしても、
この特許からPDP用蛍光体のペースト組成物を窺い知
ることは難しい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は蛍光体ペー
ストの印刷による表面が均質な蛍光体膜の形成、特にス
クリーン印刷における問題点を解決すべく鋭意検討した
結果,バインダーとしての比較的低粘度のポリマー溶液
とチクソトロピー性付与剤を組合せて調製した蛍光体ペ
ーストがスクリーン印刷に適していることを見出した。
そして、ポリマー溶液はその粘度がE型粘度計で液温度
25℃、毎分5回転で測定した時に100以上4000
センチポイズ以下であり、またチクソトロピー性付与剤
として微粒子シリカ、脂肪族アミド、水添ひまし油、ポ
リアミノ酸、ポリオレフィン、ソルビトールと芳香族ア
ルデヒドの縮合物から選ばれるチクソトロピー性付与剤
を使用したペースト組成物は、印刷時の糸引きが少な
く、版の離れが良好で、版に残ったインクが容易に取り
除けることを見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち,本願発明の要旨は、少なくとも下記
(A)、(B)及び(C)を含有することからなる蛍光
体ペースト組成物に存する。 (A)溶液粘度が100センチポイズ以上4000セン
チポイズ以下であるポリマー含有溶液:100重量部、 (B)蛍光体:10重量部以上1000重量部以下、 (C)チクソトロピー性付与剤:0.1重量部以上10
重量部以下。
【0009】本発明組成物の好適な実施態様の一例は、
上記(A)のポリマー含有溶液がメタクリル酸エステル
系重合体であり、メタクリル酸エステル系重合体がポリ
メタクリル酸イソブチルであること;(C)のチクソト
ロピー性付与剤が微粒子シリカ、脂肪族アミド、水添ひ
まし油、ポリアミノ酸、ポリオレフィン及びソルビトー
ルと芳香族アルデヒドの縮合物から選ばれる少なくとも
一種であること;蛍光体がプラズマディスプレイパネル
用蛍光体であり、プラズマディスプレイパネル用蛍光体
は、アルミン酸塩が2価のユーロピウム及び/またはマ
ンガンで付活されている蛍光体であること、及びポリマ
ー溶液粘度が300センチポイズ以上2000センチポ
イズ以下であることよりなるものである。更に、本発明
組成物は、スクリーン印刷用の蛍光体ペースト組成物で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明の蛍光体ペースト組成物
において(A)成分として含まれるポリマー含有溶液中
のポリマーは、蛍光体の分散性に優れているものであれ
ば種類は問わないが、溶媒に均一に溶けることが必要で
ある。このようなポリマーとしては、例えばメタクリル
酸エステル系重合体、スチレンーアクリル酸エステル共
重合体、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース等を挙げることがで
きるが、焼成時の熱分解性からメタクリル酸エステル系
重合体が好ましい。メタクリル酸系重合体としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ノルマルブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸t−アミル、メタクリル酸シクロヘキシルメチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エス
テルの単独重合体又は共重合体でもよいし、また前記メ
タクリル酸アルキルエステルと、β位に水酸基を有する
メタクリル酸アルキルエステル、例えばメタクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブ
チル、ω位に水酸基を有するメタクリル酸アルキルエス
テル、例えばメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、或いはアクリル酸、メタクリル酸等の
不飽和カルボン酸などとの共重合体であってもよい。メ
タクリル酸エステル系重合体の中でも特にメタクリル酸
イソブチルを主成分とする重合体が熱分解性の点で好ま
しく、重合体中にメタクリル酸イソブチルを60〜10
0重量%含有するものが好ましい。
【0011】また、メタクリル酸エステル系重合体とし
てメタクリル酸アルキルエステルとβ位またはω位に水
酸基を有するメタクリル酸アルキルエステルとの共重合
体を使用すると、ペーストの分散性、耐水性が改善され
る利点がある。その場合、ω位に水酸基を有するメタク
リル酸アルキルエステルとしてメタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルを使用した場合、得られる共重合体はメタク
リル酸イソブチルのホモポリマーの熱分解性をほとんど
低下することが無いので特に好ましい。上記メタクリル
酸エステル系重合体としては、必要に応じ更に他の共重
合可能なモノマーを共重合して使用することができる。
共重合が可能な他のモノマー成分としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸アルキルエ
ステル、スチレン、α−メチルスチレンなどがあり、こ
れらは必要により2種類以上併用できる。これらの共重
合成分モノマーは、メタクリル酸エステル系重合体の熱
分解性、分散安定性を損なわない範囲で使用され、通
常、単量体全量に対し20重量%までとするのが良い。
【0012】アクリル酸やメタクリル酸などのカルボン
酸はあまり入れすぎると熱分解性が低下するので他のモ
ノマー成分100重量%に対し2重量%以下とするのが
良い。更にジメタクリル酸エステルなどの多官能モノマ
ーを添加することもできる。しかし、あまり多く添加す
ると、ゲル化して流動性が失われるので、他のモノマー
成分100重量%に対し3重量%以下が好ましい。
【0013】本発明の(A)成分としてのポリマー含有
溶液の溶剤としてはポリマーが均一に安定に溶解するも
のであれば特に制限されない。このような溶剤として
は、具体的にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化
合物、テトラヒドロフラン、1,2−ジブトキシエタン
等のエーテル化合物、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸2−
(2−ブトキシエトキシ)エチル、フタル酸ジオクチル
等のエステル化合物、イソプロピルアルコール、2−
(2−ブトキシエトキシ)エチルアルコール、テルピネ
オール、2−フェノキシエタノール等のアルコール化合
物等を挙げることが出来る。本発明ペースト組成物を特
にスクリーン印刷用に適用する場合は、溶剤は沸点が1
70℃以上であることが安定な印刷特性を維持するため
に好ましい。
【0014】本発明におけるポリマー含有溶液は、その
溶液粘度が100〜4000センチポイズの範囲に存すること
が必要である。なお、本発明において粘度は、E型粘度
計(東京計器(株))により液温度25℃、毎分5回転
の条件下で測定した値を表す。ポリマー溶液の粘度が1
00センチポイズに満たないと比重の大きな蛍光体が沈
降し分離するので好ましくなく、また、印刷の前に分散
しても印刷時に分離し、印刷面に筋状の模様が現れ不適
当である。他方、4000センチポイズを越えた場合は
版下に廻り込んだペーストが版に付着してその付着物が
取りにくいため生産性に劣る。ポリマー溶液粘度が30
0以上2000センチポイズ以下であればより印刷特性
に優れ好ましい。
【0015】本発明ペースト組成物の印刷特性に関して
は、ポリマー溶液の粘度が最も大切であり、ポリマーの
分子量やその濃度が印刷性に及ぼす影響は少ない。しか
し、ポリマーとしてはその分子量が重量平均分子量(M
W)で1万から150万程度まで使用可能であり、重量
平均分子量(MW)では3万から50万の範囲が好まし
く、5万〜30万の範囲が更に好ましい。またこのポリ
マーの重量平均分子量(MW)と数平均分子量(MN)
の比(MW/MN)は1.1〜7.0が好ましく、1.
3〜4.0がより好ましい。これより小さいと、蛍光体
組成物のセルへの塗布、乾燥時に蛍光体の沈降が起きて
セルの壁に残らず輝度が低下し、またこれより大きいと
乾燥時に表面が先に乾いて内部に泡を残し易くなり同様
に輝度の低下が起こる場合があるので好ましくない。
尚、上述の分子量を有するポリマーは、連鎖移動剤を使
用する公知の重合方法により製造できる。該連鎖移動剤
としては、公知のものが使用でき、具体的にはテルピノ
レンなどの不飽和炭化水素化合物、ドデカンチオールな
どのチオール化合物が例示でき、好ましいものである。
【0016】本願発明のポリマー溶液の製造方法は特に
制限されず、ポリマーを溶剤に溶解させることも出来る
が、溶剤中でポリマーの構成モノマーを重合して生成す
るのが簡便であある。其の場合、従来より行われている
この種のビニル化合物の重合技術を適宜採用することが
でき、一般的には生成ポリマー溶液の濃度、粘度等を考
慮して選定した所定量のモノマーを溶剤中、過酸化物や
アゾ化合物などのラジカル開始剤を触媒とし、溶液重
合、乳化重合、懸濁重合、溶融重合などの重合法で、特
定温度、特定時間反応させればよい。重合反応終了後、
得られたポリマー溶液の粘度が上記の範囲内であれば、
そのまま本発明の(A)成分として使用することが出来
るが、必要に応じ溶剤を添加して粘度を調整してもよ
い。
【0017】本願発明の(B)成分である蛍光体として
は、大別すると電子線励起型と紫外線励起型があるが、
そのどちらでも使用することが出来る。電子線励起型蛍
光体はCRTやFEDに、紫外線励起型蛍光体はPDP
に使用される。電子線励起型としては具体的に、赤はユ
ーロピウム付活硫化イットリウム、ユーロピウム付活酸
化イットリウム等、緑は銅・アルミニウム付活硫化亜
鉛、テルビウム付活アルミン酸イットリウム等、青は銀
付活硫化亜鉛、銀・アルミニウム付活硫化亜鉛等が挙げ
られる。また、紫外線励起型として具体的には、3価の
ユーロピウム付活ホウ酸イットリウム等、また緑はマン
ガン付活ケイ酸亜鉛、マンガン付活アルミン酸バリウム
・マグネシウム等、青は2価のユーロピウム付活アルミ
ン酸バリウム・マグネシウム他が挙げられる。
【0018】これらの蛍光体は、通常有機バインダーと
しての(A)成分とチクソトロピー性付与剤としての
(C)成分を共に混練する事によりペースト組成物を
得、これを印刷法によりセルの所定の位置に塗布し、乾
燥、焼成して有機物を完全に除去して蛍光体層を形成す
るが、この焼成の工程で有機物の分解が蛍光体の構造を
化学的に損傷させ結果的に輝度が著しく低下することが
ある。特にこの現象はアルミン酸塩、とりわけ青色ない
し緑色発光蛍光体である2価のユーロピウム及び/又は
マンガン付活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体
の場合の輝度低下が著しく、この蛍光体は単独でも高温
かつ酸素の存在下で輝度の劣化を起こし、ペーストにす
るために使用した有機バインダーの存在下ではなお一層
輝度の低下が著しく、できあがったPDP全体の輝度が
低下する。
【0019】本発明では、有機バインダーとして特定の
低粘度ポリマー溶液とチクソトロピー性付与剤とを組合
せ使用することによって得たペーストが印刷性に優れて
いるので印刷、特にスクリーン印刷でセルの所定位に均
質な塗布膜を形成する事を可能にし、焼成、乾燥工程で
のトラブルも少なく、輝度低下を防止することもできる
ので、本発明のペースト組成物の構成成分であるPDP
用蛍光体としては特に輝度劣化を生じ易いアルミン酸塩
に対し効果的である。このようなアルミン酸塩として
は、BaMgAlab:Eu2+、BaMgAlab:M
nで表現できる、アルミン酸塩が2価のユーロピウムま
たはマンガンで付活された蛍光体が特に好ましい。代表
的な蛍光体としてKX−501A(BaMgAl
1017:Eu2+化成オプトニクス社製)、KX−503
A((Ba、Sr、Mg)O・aAl23:Mn 化成
オプトニクス社製)が知られている。
【0020】(B)成分の蛍光体を使用するに当たっ
て、パネルのコントラストを上げる目的で蛍光体表面に
顔料成分を付着、被着させたものを使用することも出来
る。この場合の顔料の付着、被着の方法は問わないが、
一般的にはアクリルエマルジョン、ポリビニルアルコー
ル等が使用される。(B)成分の添加量は(A)成分1
00重量部に対して10重量部以上1000重量部以下
である。10重量部に満たない場合はセルの隔壁に十分
な量を堆積することが出来ずに輝度が低下する。また、
1000重量部を越える場合は液の流動性が無くなり、
ペーストが版を通過できなくなり、印刷ができなくなっ
てしまう。
【0021】本発明の(C)成分であるチクソトロピー
性付与剤は、ポリマー含有溶液にチクソトロピー性を付
与しペーストに適切なスクリーン印刷特性を付与する機
能を有するものであればいずれも使用することができ
る。具体的には、微粒子シリカ、脂肪族アミド、水添ひ
まし油、ポリアミノ酸及びポリオレフィンから選ばれる
チクソ性付与剤が好ましい。これらのチクソトロピー性
付与剤は、一般に市販されているものから適宜入手する
ことが出来、具体的商品としては、微粒子シリカはAE
ROSIL R−202,AEROSIL R−20
0、(商品名:日本アエロジル社製)、脂肪族アミドは
ディスパロン6500(商品名:楠本化成社製)、水添ひま
し油はディスパロン305(商品名:楠本化成社製)、ポ
リアミノ酸はGP−1(商品名:味の素社製)、ポリオ
レフィンは三菱化学社製ポリエチレンやポリプロピレ
ン、ソルビトールと芳香族アルデヒドの縮合物はゲルオ
ールD,ゲルオールMD(商品名:新日本理化社製)を
挙げることが出来る。
【0022】これらはその種類によってもことなるが、
ペーストに分散ないしは適切な温度で膨潤させることに
よって最適な機能を発揮する。また、C成分を適当な溶
剤に分散、膨潤、溶解させたマスターバッチを使用する
ことも可能である。また、これらはペースト組成物にチ
クソトロピー特性を与えるので、印刷特性を著しく改善
するのに効果的である。例えば、印刷ヘラとペースト間
に出来る糸を切る役目を有し、かつ印刷面から版の離れ
を良くし、しかも版下の汚れを容易に取り除くことが可
能になる。なお、シリカ粒子は、一般には親水性である
が、シリコーンオイルやアルキル基で変成し、粒子表面
を疎水化したものを使用することもできる。
【0023】(C)成分の添加量は、(A)成分100
重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下、好ま
しくは0.2〜8重量部である。0.1重量部に満たな
い場合はペースト粘度は殆ど変わらず効果が少ないため
スクリーン印刷特性が悪い。また、10重量部を超える
場合は静置時粘度が高く容器の入れ替えや移送に手間が
かかり使用に耐えられない。
【0024】本願発明の(A)、(B)及び(C)成分
からペースト組成物を製造する方法は特に制限されない
が、例えばポリマー成分を溶剤で予め溶解、分散させる
か、あるいは溶剤中でポリマー原料モノマーを重合して
ポリマー溶液を取得し(A)成分を調製した後、この溶
液に(B)及び(C)成分を加えて、それをボールミ
ル、サンドミル、3本ロールミル、ホモミキサー等で分
散、攪拌させて得ることが出来る。このようにして調製
したペースト組成物を、透明電極が印刷されたガラス基
板(裏面)上にスクリーン印刷で所定の位置に塗布する
ことにより平面CRT用蛍光板、FED用蛍光板やPD
P用蛍光板を作ることが出来る。
【0025】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため、以下
実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、これら実施例に限定されるものではない。
【0026】実施例 1.製造例 ポリマー溶液の製造 (1) ポリマー溶液A 攪拌装置、温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを
備えたセパラブルフラスコ(0.5リットル)に、メタクリル
酸イソブチル100重量部(100g)、2−フェノキシエ
タノール170重量部及びテルピノレン2重量部をい
れ、窒素を吹き込みフラスコ内を窒素置換する。一方滴
下ロートには重合開始剤パーブチルI(商品名:日本油
脂製 ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート)5重量部を2−フェノキシエタノール10重
量部に溶かした溶液を仕込んでおく。ついでフラスコを
110℃に昇温し、滴下ロートから先の重合開始剤溶液
を5分間で滴下する。滴下開始から4時間後に、さらに
同量の重合開始剤溶液を同様にして5分間で滴下し、さ
らに1時間で120℃に昇温し、その後2時間攪拌し反
応させ、ポリマー溶液Aを得た。得られたポリマー溶液
Aの粘度を、E型粘度計(東京計器社製)で液温度25
℃、毎分5回転で測定したところ1500センチポイズ
であった。
【0027】(2)ポリマー溶液B 上記(1)と同様にしてメタクリル酸イソブチル100重
量部、ブチルカルビトールアセテート138重量部、ブ
チルカルビトール32重量部、テルピノレン0.1重量
部、パーブチルI 1.5重量部を用いて重合反応を行
い、ポリマー溶液Bを得た。得られたポリマー溶液Bの
粘度をE型粘度計(東京計器社製)で液温度25℃、毎
分5回転で測定したところ、1500センチポイズであ
った。
【0028】上記(1)と同様にして、メタクリル酸イソ
ブチル100重量部、2−フェノキシエタノール170
重量部、テルピノレン0.1重量部、パーブチルI
1.5重量部よりポリマー溶液Cを得た。得られたポリ
マー溶液Cの粘度をE型粘度計(東京計器社製)で液温
度25℃、毎分5回転で測定したところ、7200セン
チポイズであった。
【0029】2.ペースト組成物の調製 実施例1〜5、比較例1〜3 上記の各ポリマー溶液100重量部に、プラズマディス
プレイ用青色蛍光体KX−501A(化成オプトニクス
社製)70重量部を加え混合、分散し、さらにこれを適
当な温度に加熱して表1に記載のチクソトロピー性付与
剤3重量部を加えて撹拌しその後冷却して蛍光体ペース
ト組成物を作成した。また、得られた各蛍光体ペースト
組成物の曳糸性、版清浄性、スクリーン印刷特性を下記
方法で評価し、結果を表1に示した。
【0030】(a)曳糸性:金属製のヘラを溶液に深さ2
mm浸漬し、ヘラを10cm/分の速度で上昇させてそ
の時の液表面とヘラとの間に出来る糸の切れる最大長さ
を測定した。これが短い程曳糸性は低く印刷に好適であ
る。 (b)版清浄性:版の上に液を1gたらし、これを速やか
にウレタンゴムのスキージで薄く広げ30秒後に紙ワイ
パー(商品名ベムコット;旭化成工業社製)で拭き取
り、版に残る程度を目視で評価し、ペーストが残ってい
なければ良好とした。
【0031】(c)スクリーン印刷特性:500メッシュのス
クリーンを通してペーストの出具合と塗布面の広がり具
合を評価し、塗布面の広がりの大きいものを良好とし
た。 評価 良好:塗布面を上から見て下地が見えない 不良:印刷下地が上から見えたり目詰まりを起こす
【0032】これら各蛍光体ペースト組成物を乾燥膜厚
が30μmになるようにガラス基板に塗布した。塗布蛍
光膜を120℃で15分乾燥した後、毎分10度で45
0度に昇温し、450℃で60分間焼成を行った。焼成
後の蛍光膜を真空紫外線(147nm)で励起させその
時の輝度を測定し、蛍光体粉末の輝度(標準:100%
とする)に対する値で表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本願発明による用蛍光体ペースト組成物
は、スクリーン印刷等の印刷時の曳糸性が低く、版裏の
ペーストに対する拭き取り性が良く、ペーストの安定性
に優れていることは勿論、乾燥性と焼成性に優れ、得ら
れた蛍光体は輝度の高いものであるので、特にPDPの
輝度の向上に大いに貢献するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅本 明夫 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内 (72)発明者 伊達 幸男 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内 (72)発明者 三浦 典夫 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内 Fターム(参考) 4H001 XA08 XA12 XA13 XA56 YA25 YA63 5C040 GG07 GG08 JA12 KA17 KB03 KB24 KB28 MA23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記(A)、(B)及び
    (C)を含有することを特徴とする蛍光体ペースト組成
    物。 (A)溶液粘度が100センチポイズ以上4000セン
    チポイズ以下であるポリマー含有溶液:100重量部、 (B)蛍光体:10重量部以上1000重量部以下、 (C)チクソトロピー性付与剤:0.1重量部以上10
    重量部以下。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分のポリマー含有溶液のポ
    リマーがメタクリル酸エステル系重合体であることを特
    徴とする請求項1記載の蛍光体ペースト組成物。
  3. 【請求項3】 メタクリル酸エステル系重合体がポリメ
    タクリル酸イソブチルであることを特徴とする請求項2
    記載の蛍光体ペースト組成物。
  4. 【請求項4】 上記(C)成分のチクソトロピー性付与
    剤が微粒子シリカ、脂肪族アミド、水添ひまし油、ポリ
    アミノ酸、ポリオレフィン及びソルビトールと芳香族ア
    ルデヒドの縮合物から選ばれる少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の蛍光体ペースト組成物。
  5. 【請求項5】 蛍光体がプラズマディスプレイパネル用
    蛍光体であることを特徴とする請求項1記載の蛍光体ペ
    ースト組成物。
  6. 【請求項6】 プラズマディスプレイパネル用蛍光体
    は、アルミン酸塩が2価のユーロピウム及び/またはマ
    ンガンで付活されている蛍光体であることを特徴とする
    請求項5記載の蛍光体ペースト組成物。
  7. 【請求項7】 ポリマー含有溶液の粘度が300センチ
    ポイズ以上2000センチポイズ以下であることを特徴
    とする請求項1記載の蛍光体ペースト組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の
    蛍光体ペースト組成物よりなるスクリーン印刷用蛍光体
    ペースト組成物。
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