JPH0815828A - 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体 - Google Patents

放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体

Info

Publication number
JPH0815828A
JPH0815828A JP14807894A JP14807894A JPH0815828A JP H0815828 A JPH0815828 A JP H0815828A JP 14807894 A JP14807894 A JP 14807894A JP 14807894 A JP14807894 A JP 14807894A JP H0815828 A JPH0815828 A JP H0815828A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
sensitive material
halide photographic
intensifying screen
photographic light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14807894A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Hasegawa
拓治 長谷川
Haruhiko Sakuma
晴彦 佐久間
Kazuyoshi Goen
一賀 午菴
Kazuhiro Iwasaki
和博 岩▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP14807894A priority Critical patent/JPH0815828A/ja
Publication of JPH0815828A publication Critical patent/JPH0815828A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒状性と鮮鋭度のバランスが優れた放射線増
感スクリーン及び従来の放射線増感スクリーンとX線フ
ィルムとの組み合わせに比して優れた粒状性、鮮鋭性の
バランスを有する高感度放射線増感スクリーンとX線フ
ィルムとの組体の提供。 【構成】 X線エネルギーが80kVpのX線に対して45
%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が68%以上で、
かつ蛍光体含有層の厚みが135μm以上200μm以下の放射
線増感スクリーン。増感スクリーンの主発光ピークと
同一波長で半値幅が15±5nmの単色光でハロゲン化銀写
真感光材料を露光し、最低濃度+0.5を得る露光量が0.0
04〜0.010ルクス秒の感度を有するハロゲン化銀写真感
光材料と記載の放射線増感スクリーンとの組体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感度と画質のバランス
において優れた写真特性を示す新規な放射線増感スクリ
ーン、及びハロゲン化銀写真感材料と該放射線増感スク
リーンとの新規な組体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療診断分野においては、さまざ
まな電子診断装置が導入され、得られた画像を情報源と
して診断が行われているが、従来から用いられている放
射線増感スクリーンとX線用ハロゲン化銀写真感光材料
とを組み合わせて作り出す、所謂スクリーン-フィルム
系診断画像も画像診断に重要な役割を果たしている。
【0003】X線撮影を行う場合、利用する放射線増感
スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組み合わせ
は特に指定されているわけではないが、高感度の撮影を
必要とする、例えば腰椎撮影、頭部アンギオグラフィー
(頭部血管造影撮影)、拡大撮影などにおいては高い発
光の放射線増感スクリーンと標準感度又は高感度のハロ
ゲン化銀写真感光材料とを組み合わせて用いるのが普通
である。また画質を特に重視する撮影、例えば胸部単純
撮影、胃部造影撮影、骨部の撮影などにおいては高鮮鋭
度の放射線増感スクリーンと標準感度のハロゲン化銀写
真感光材料とを組み合わせて用いるのが普通である。従
って高感度の放射線増感スクリーンと感光材料の組み合
わせでは画像の鮮鋭度が低下し、一方低感度の放射線増
感スクリーンと感光材料との組み合わせでは低感度とな
る。
【0004】特開平3-21898号では、放射線増感スクリ
ーンの蛍光体充填密度を高めて鮮鋭性と粒状性を向上さ
せる方法が開示されている。またX線用感光材料に関し
ては、表裏に写真特性の異なるハロゲン化銀乳剤層を設
けたX線用ハロゲン化銀写真感光材料と、表裏が異なる
放射線増感スクリーンを組み合わせることにより、クロ
スオーバー光をカットし鮮鋭性を高め、かつ露光変動に
対する寛容度を向上させた特開平2-41410号などが開示
されている。
【0005】従来より、医療用X線写真画像の画質を大
きく左右する因子としては、画像の粒状性、鮮鋭性及び
コントラストが挙げられている。このうち粒状性につい
ては、例えば標準的なフィルムであるSR-Gと標準的
な放射線増感スクリーンであるSRO-250(何れもコニ
カ[株]製)の組み合わせで、通常の胸部撮影条件である
X線発生管の管電圧110KVp以上の領域では、粒状性劣化
の50%以上がX線の量子モトルに基ずくものであり、こ
の量子モトルがX線写真の粒状性、画質を大きく劣化せ
しめている。さらに高感度のX線フィルムを用いた組み
合わせであると一層量子モトルが増加して画質低下をき
たしていた。
【0006】X線写真の画質向上には、この量子モトル
を低減しながら、かつ鮮鋭性を維持、向上させることが
必要である。X線フィルム自体のクロスオーバー光をカ
ットして鮮鋭性を向上させた場合、鮮鋭性向上分の粒状
性劣化を伴い、必ずしも画質が向上したとは言い得ない
からである。そのため前述した如き特開平3-21898号に
開示されているように放射線増感スクリーンの蛍光体の
充填密度を高めて鮮鋭性、粒状性を向上させる方法が行
われている。
【0007】なお、蛍光体充填率が66%以下の放射線増
感スクリーンと組み合わせてクロスオーバー光を大幅に
カットした感光材料を用いた場合、鮮鋭性は向上するが
粒状性が劣化するという現象を生ずる。従ってX線用ハ
ロゲン化銀写真感光材料自体のクロスオーバー光は20%
を越えた設計で粒状性と鮮鋭性の画質のバランスをとっ
ていた。しかし得られたX線写真画像の画質は充分でな
く、更なる改良が望まれていた。
【0008】従来から非常に高鮮鋭性を必要とする撮影
部位では、支持体の片面のみに感光性乳剤が塗布されて
いる、いわゆる片面感光材料が使用される。支持体の両
面に感光材料が塗布されている一般的なX線フィルムで
は露光面から入射した光が裏面に到着する、いわゆるク
ロスオーバー光によって裏面にボケた像が形成されるこ
とによって鮮鋭性の低い写真になってしまうことがあ
る。また、クロスオーバー光をカットしても、通常X線
は完全な平行光ではないため、感光材料の両面に放射線
増感スクリーンを用いる撮影方法では完全に像が一致し
ないため鮮鋭性の低下は避けられない。
【0009】さらに、現像後の写真を観察(診断)する
場合にも、写真に対して正対する位置で観察しないと両
面に形成された写真画像にズレが生じることがある。
【0010】このように両面写真感光材料では、撮影時
や観察時に鮮鋭性を劣化させる因子が介在するため非常
に高い鮮鋭性の写真を得ることが困難であることから片
面写真感光材料がしばしば用いられる。
【0011】一方、片面写真感光材料を用いる撮影では
使用する放射線増感スクリーンが1枚であることから、
X線吸収量が少なくX線量子ノイズが目立ち、粒状性が
劣化する欠点を有している。また放射線増感スクリーン
が1枚で、片面写真感光材料で撮影するためシステム感
度が低く被曝線量が増大する欠点を有している。被曝線
量を軽減するため、写真感光材料の感度を上げると一層
X線量子ノイズが目立ち易くなり、放射線増感スクリー
ンの発光輝度を上げたものを使用すると放射線増感スク
リーンの鮮鋭性が低下するため、撮影後の写真の鮮鋭性
が低下してしまう問題点があった。
【0012】X線撮影用片面写真感光材料として、CM
-H(コニカ[株]製)が最も高感度の製品であるが、前
述の感度で0.0144ルクス秒であり、感度不足は否めず、
高感度で高鮮鋭性システムが望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、粒状性と鮮鋭性のバランスが従来の放射線増感スク
リーンとX線フィルムとの組み合わせより優れ、かつ高
感度が得られる放射線増感スクリーン及びハロゲン化銀
写真感光材料と放射線増感スクリーンの組体を提供する
ことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】 X線エネルギーが80kVpのX線に対して45%以上の
吸収量を示し、蛍光体の充填率が68%で、かつ蛍光体含
有層の厚みが135μm以上200μm以下の放射線増感スクリ
ーン。
【0015】 記載の放射線増感スクリーンと主発
光ピーク波長が同一の波長を有し、かつ半値幅が15±5
nmの単色光でハロゲン化銀写真感光材料を露光し、か
つ、下記組成の現像液を用い、現像液温度35℃、現像時
間25秒で現像処理して得られる最低濃度に0.5を加えた
値になるのに必要な露光量が0.004ルクス秒から0.010ル
クス秒となる感度を有する支持体の片側にのみハロゲン
化銀写真感光層を有するハロゲン化銀写真感光材料と、
該ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀写真感光層
を有する側に記載の放射線増感スクリーンを密着させ
て使用するハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スク
リーンとの組体。
【0016】 支持体の両面に、写真特性の異なる感
光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、最高濃度の高い面から
前記で規定した放射線増感スクリーンの主発光ピーク
波長と同一波長で、かつ半値幅が15±5nmの単色光でハ
ロゲン化銀写真感光材料を露光し、かつ、下記組成の現
像液を用い、現像液温度35℃、現像時間25秒で現像処理
した際の露光面の濃度が最低濃度に0.5を加えた値にな
るのに必要な露光量が0.004ルクス秒以上、0.010ルクス
秒以下であり、かつ該最高濃度の高い面から裏面へのク
ロスオーバー光が5%以上であることを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料と前記記載の放射線増感スクリ
ーンを密着させて使用するハロゲン化銀写真感光材料と
放射線増感スクリーンとの組体により成った。
【0017】 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.06g 1-フェニル-3-メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節す
る。
【0018】以下、本発明を詳述する。
【0019】本発明に係る放射線増感スクリーンに用い
られる好ましい蛍光体としては、以下に示すものが挙げ
られる。
【0020】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgW
O4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系
蛍光体〔Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y.Gd)2
O2S:Tb、(Y.Gd)O2S:Tb.Tm等〕、テルビウム賦活希土
類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb
等)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb.Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb.
Tm、LaOCl:Tb.Tm.LaOBr:Tb GdOBr:Tb GdOCl:Tb
等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体
〔BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba.Sr)SO4:Eu2+等〕、2
価のユーロビウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体
〔(Ba2PO4)2:Eu2+、(Ba2PO4)2:Eu2+等〕、2価のユー
ロビウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光
体〔BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+.Tb、BaFB
r:Eu2+.Tb、BaF2・BaCl・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl・KC
l:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、Na
I、KI:Tl等)、硫化物系蛍光体〔ZnS:Ag(Zn.Cd)S:A
g、(Zn.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.Al等〕、燐酸ハフニウ
ム系蛍光体(HfP2O7:Cu等)、ただし本発明に用いられ
る蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の
照射によって可視又は近紫外領域の発光を示す蛍光体で
あれば使用できる。
【0021】本発明の放射線増感スクリーンは、傾斜粒
径構造で蛍光体を充填することが好ましい。特に表面保
護層側に大粒径の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒
径の蛍光体粒子を塗布することが好ましく、小粒径のも
のは0.5〜2.0μmで、大粒径のものは10〜30μmの範囲が
好ましい。
【0022】本発明に係る放射線増感スクリーンに用い
られる好ましい結合剤としては、熱可塑性エラストマー
が挙げられる。具体的には、ポリスチレン、ポリオレフ
ィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
ブタジェン、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天
然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチ
レン、スチレン-ブタジェンゴム及びシリコンゴムから
なる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラスト
マーが挙げられる。
【0023】蛍光増感スクリーンの製造は、結合剤と
蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する工程、前記
蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度
若しくは融点以上の温度で、圧縮しながら前記蛍光体シ
ートを支持体に接着する工程で製造するのが好ましい。
【0024】の放射線増感スクリーンの蛍光体層とな
る蛍光体シートは、結合剤溶液中に蛍光体を均一に分散
せしめた塗布液を蛍光体シート形成用の仮支持体上に塗
布し、乾燥した後、仮支持体から剥離することで製造で
きる。すなわち、まず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍
光体粒子を添加し、撹拌混合して結合剤中に蛍光体が均
一に分散した塗布液を調製する。
【0025】結合剤としては、軟化温度または融点が30
〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、或いは他のバ
インダーと共に用いる。熱可塑性エラストマーは常温で
弾力を持ち、過熱されると流動性を持つようになるの
で、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損を防止すること
ができる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリス
チレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジェン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン-ブタジェンゴ
ム及びシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。結合剤にお
ける熱可塑性樹脂の混合比は、10重量%以上、100重量
%以下であればよいが、結合剤はなるべく多くの熱可塑
性エラストマー、特に100重量%の熱可塑性エラストマ
ーからなっていることが好ましい。
【0026】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノールなど
の低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロ
ライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸
と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレン
グリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモ
ノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を
挙げることができる。
【0027】塗布液における結合剤と蛍光体の混合比
は、目的とする放射線増感スクリーンの特性、蛍光体の
種類などにより異なるが、一般には結合剤と蛍光体の混
合比は1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ば
れ、特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶの
が好ましい。
【0028】なお、塗布液には塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、又は形成後の蛍光
体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよ
い。
【0029】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げること
ができる。
【0030】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニー
ル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エス
テル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルな
どのフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエ
チル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコー
ル酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸と
のポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポ
リエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩
基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0031】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、シート形成用の仮支持体にの
表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。
【0032】この塗布手段としては、例えばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いること
により行うことができる。
【0033】仮支持体としては、例えばガラス、ウー
ル、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られた
ものが使用され得るが、情報記録材料としての取り扱い
上可撓性のあるシートあるいはロールに加工できるもの
が好ましい。この点から、例えばセルロースアセテート
フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、トリアセテートフィルム、ポチカーボネートフ
ィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム箔、ア
ルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば
写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷
用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許78
4,615号明細書に記載されているようなポリサッカライ
ド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を
含むピグメント紙、ポリビニールアルコールでサイジン
グした紙等の加工紙が特に好ましい。
【0034】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布
し乾燥した後、仮支持体から剥離して放射線増感スクリ
ーンの蛍光体層となる蛍光体シートとする。従って仮支
持体の表面は、予め剥離剤を塗布しておき、形成された
蛍光体シートが仮支持体から剥離し易い状態にしておく
のが好ましい。
【0035】について説明する。上記により形成され
た蛍光体をセットするためのシートを用意する。この支
持体は前記仮支持体で挙げた材料から任意に選ぶことが
できる。
【0036】公知の放射線増感スクリーンは、支持体と
蛍光体層の結合を強化するため支持体表面にゼラチンな
どの高分子物質を塗布して接着性を付与する下塗り層を
設けたり、感度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめ
るために二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反
射層、若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質から
なる光吸収層などが設けられてよい。
【0037】本発明に用いられる支持体についても、こ
れら各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線増感スクリーンの目的、用途などに応じて任意
に選択することができる。
【0038】によって得られた蛍光体シートを支持体
上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧
縮しながら蛍光体シートを支持体上に接着する。
【0039】このようにして、蛍光体シートを支持体上
に予め固定することなく圧着する方法を利用することに
よりシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷
を防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に比
較して同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることができ
る。
【0040】圧縮処理のために用いられる圧縮装置の例
としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般的
に知られているものを挙げることができる。例えばカレ
ンダーロールによる圧縮処理は、支持体上にによって
得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度、又は融点
以上に加熱したローラの間を一定の速度で通過させるこ
とにより行われる。ただし本発明に用いられる圧縮装置
はこれらのものに限定されるものではなく、上記シート
を加熱しながら圧縮することのできるものであればいか
なるものであってもよい。圧縮の際の圧力は、50kg/cm
2以上であるのが好ましい。
【0041】通常、放射線増感スクリーンは、前述した
支持体に接する側と反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体
層を物理的、化学的に保護するための透明な保護膜が設
けられる。このような透明保護膜は、本発明の放射線増
感スクリーンについても設置することが好ましい。保護
膜の膜厚は一般に0.1〜20μmの範囲にある。
【0042】透明保護層は例えば酢酸セルロース、ニト
ロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメチ
ールメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質を適当な溶剤に溶解して
調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形
成することができる。
【0043】或いはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート、及
び透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に調製
して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するな
どの方法で形成することができる。
【0044】本発明の放射線増感スクリーンで用いられ
る保護層としては、特に有機溶媒に可溶性の弗化系樹脂
を含む塗布膜により形成された膜が好ましい。弗素系樹
脂とは、弗素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)
の重合体、若しくは弗素を含むオレフィンを共重合体成
分として含む共重合体をいう。弗素系樹脂の塗布膜によ
り形成された膜は架橋されていてもよい。弗素系樹脂に
よる保護膜は、他の材料やX線フィルムなどの接触時に
フィルムなどから出る可塑剤などの汚れが保護膜内部に
染み込みにくいので、拭き取りなどによって容易に汚れ
を除去することができる利点がある。
【0045】保護膜形成材料としては、有機溶媒可溶性
弗素系樹脂を用いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶
解して調製した。即ち、保護膜は有機溶媒可溶性の弗素
系樹脂を含有する保護膜形成材料塗布液をドクターブレ
ードなどを用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを
乾燥することで形成する。この保護膜の形成は同時重層
塗布によって蛍光体の形成と同時に行われてよい。
【0046】弗素系樹脂はとしては、弗素を含むオレフ
ィン(フルオロオレフィン)の重合体若しくは弗素を含
むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフルオロエ
チレン、ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体及びフルオロオレイン-ビニルエー
テル共重合体などを例として挙げることができる。
【0047】弗素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶であ
るがフルオロオレフィンを共重合体成分として含む共重
合体は、共重合するフルオロオレフィン以外の構成単位
によって有機溶媒可溶性になるため、該樹脂を適当な溶
媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥
することで容易に保護層を形成することができる。この
ような共重合体の例としては、フルオロオレフィン-ビ
ニルエーテル共重合体を挙げることができる。また、ポ
リテトラフルオロエチレン及びその変性体もパーフルオ
ロ溶媒のような適当な弗素系有機溶媒に対して可溶性で
あるので、上記フルオロオレフィンを共重合体成分とし
て含む共重合体と同様に塗布によって保護膜を形成する
ことができる。
【0048】保護膜は弗素系樹脂以外の樹脂が含まれて
いてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含まれ
てもよい。しかしながら、前記した目的を充分達成する
ためには、保護膜中に弗素系樹脂の含有量は30重量%以
上であることが好ましく、さらに好ましくは50重量%以
上、最も好ましく70重量%以上である。
【0049】保護膜に含まれる弗素系樹脂以外の樹脂と
しては。ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロ
ース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0050】また、本発明で用いられる放射線増感スク
リーンの保護膜は、ポリシロキサン骨格含有オリゴマー
若しくはパーフルオロアルキル基含有オリゴマーの何れ
か一方、或いは両方を含む塗布膜から形成してもよい。
【0051】ポリシロキサン骨格含有オリゴマーは、例
えばジメチルポリシロキサン骨格を有するものであり、
少なくとも一つの官能基、例えば水酸基を有するもので
あることが好ましく、また分子量500〜100000の範囲に
あることが好ましい。特に分子量がは1000〜100000の範
囲なることが好ましく、さらに好ましくは3000〜10000
の範囲である。また、パーフルオロアルキル基、例えば
テトラフルオロエチレン基などを含有するオリゴマー
は、分子中に少なくとも一つの官能基、例えば水酸基を
含むものであることが望ましく、分子量500〜100000の
範囲にあることが好ましい。特に分子量は1000〜100000
の範囲にあることが好ましく、さらに100〜100000の範
囲にあることが好ましい。
【0052】オリゴマーに官能基が含まれているものを
用いれば、保護膜形成時にオリゴマーと保護層膜形成樹
脂との間で架橋反応が発生し、オリゴマーが膜形成樹脂
の分子構造に取り入れられるため、放射線増感スクリー
ンの長期の繰り返し使用、あるは保護膜表面のクリーニ
ングなどの操作によってもオリゴマーが保護膜から取り
去られることがなく、オリゴマーの添加効果が長期にわ
たり有効となるため、官能基を有するオリゴマーの使用
が有利である。オリゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量
の量で含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重量
%含まれていることが好ましい。
【0053】保護層中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末若しくはシリコン樹脂粉末が含まれてもよい。パ
ーフルオロオレフィン樹脂粉末、若しくはシリコン樹脂
粉末としては、平均粒径0.1〜10μmの範囲にあるものが
好ましく、特に好ましくは平均粒径0.3〜5μmの範囲で
ある。これらのパーフルオロオレフィン樹脂粉末若しく
はシリコン樹脂粉末は、保護膜中に保護膜重量当たり0.
5〜30重量%の量で含まれていることが好ましく、さら
に2〜20重量%の量で含まれるのが好ましいい、最も好
ましくは5〜15重量%の量である。
【0054】放射線増感スクリーンの保護膜は、蛍光体
層上に塗布形成された厚さ5μm以下の透明な合成樹脂
層であることが好ましい。このような薄い保護層を用い
ることにより、放射線増感スクリーンの蛍光体からハロ
ゲン化銀乳剤までの距離が短くなるため、得られるX線
画像の鮮鋭度の向上に寄与することになる。
【0055】本発明で言う蛍光体の充填率は、支持体上
に形成された蛍光体層の空隙率から次の式(1)により
求めることができる。
【0056】
【数1】
【0057】ただし、V ;蛍光体層の全体積 Vair;蛍光体中の空気体積 A ;蛍光体の全重量 px ;蛍光体の密度 py ;結合剤の密度 pair;空気の密度 a ;蛍光体の重量 b ;結合剤の重量 さらに式(1)において、pairはほぼ0であるから式
(1)は近似的に次の式(2)で表すことができる。
【0058】
【数2】
【0059】ただし、V、Vair、 px、py、a及びbの定
義は式(1)と同じである。
【0060】本発明において蛍光体層の空隙率は式
(2)により求めた。また蛍光体の充填率は次式(3)
により求めることができる。
【0061】
【数3】
【0062】ただし、V、px、py、a及びbの定義は式
(1)と同じである。
【0063】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、前
記で規定した高感度の放射線増感スクリーンの主発光ピ
ーク波長と同一の波長を有し、かつ半値幅が15±5nmの
単色光で露光し、下記組成の現像液(以下、標準現像液
という)を用い、現像液温度35℃、現像時間25秒で現像
処理し露光面と反対側の感光層を剥離除去した試料フィ
ルムを濃度測定して得られる最低濃度に0.5を加えた値
になるのに必要な露光量が0.004ルクス秒〜0.010ルクス
秒となる感度を有するものである。
【0064】 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.06g 1-フェニル-3-メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節す
る。
【0065】ハロゲン化銀写真感光材料の感度を測定す
る方法において、用いる露光光源は組み合わせ使用する
放射線増感スクリーンの発光主ピークの波長に一致、若
しくはほぼ一致していなくてはならない。例えば、放射
線増感スクリーンの蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウ
ムオキシスルフィドである場合には、主発光のピーク波
長が545nmであるところからハロゲン化銀写真感光材料
の感度を測定するときの主光源は波長545nmを中心とす
る光とする。単色光を得る方法としては、干渉フィルタ
を組み合わせた光学系を用いる方法が利用できる。この
方法では干渉フィルタの組み合わせにも依存するが、通
常、必要な露光量を持ち、かつ半値幅が15±5nmの単色
光を容易に得ることができる。なお、ハロゲン化銀写真
感光材料は、分光増感処理がなされているかどうかにか
かわらず、その分光感度スペクトルは連続的であって、
波長15±5nmの範囲ではその感度は実質的に変わらない
ということができる。
【0066】露光光源の例としては、組み合わせて使用
する放射線増感スクリーンの蛍光体がテルビウム賦活ガ
ドリニウムオキシスルフィドである場合には、タングス
テン光源(色温度:2856K)と、添付図2に示したフィ
ルタ特性を有するフィルタと組み合わせた系を挙げるこ
とができる。また露光量はIM-3型照度計(トプコン
[株]製)を用いて求めたものである。また感度は、露光
時間の1/25秒で測定した。
【0067】上記標準現像液を用いた現像処理の標準的
な条件は下記の如くである。
【0068】現像時間:25秒 定着時間(定着液組成は下記に示す):20秒 水洗時間:12秒 スクイズ及び乾燥時間:26秒 使用する現像装置:市販ローラ搬送型自動現像機(例え
ば、富士写真フィルム[株]製 FPM-5000型自動現像
機、現像タンク:容量22リットル、液温35℃、 定着タン
ク:容量15.5リットル、液温25℃)、同種の市販ローラ
搬送型自動現像機としては、イーストマンコダック社製
M-6AW型自動現像機がある。
【0069】 定着液組成(以下、定着液Fという) チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200ml 亜硫酸ナトリウム 20g 硼酸 8g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1g 硫酸アルミニウム 15g 硫酸 2g 氷酢酸 22g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナト
リウム若しくは氷酢酸を用いてpHを4.20に調節する。
【0070】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
は、例えば前記(RD)-17643のXX〜XXI,29〜30頁、或い
は同308119のXX〜XXI,1011〜1012頁に記載されている
ような処理液による処理がなされてよい。
【0071】白黒写真処理剤における処理剤としては、
ジヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン)、
3-ピラゾリドン類(例えば、1-フェニル-3-ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えば、N-メチル-アミノ
フェノール)などを単独若しくは組み合わせて用いるこ
とができる。なお、現像液には公知の、例えば保恒剤、
アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像
促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調財、硬水軟化剤、溶
解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0072】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられる、さらに硬膜剤として水溶性ア
ルミニウム塩、例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明礬
などを含んでよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬水軟
化剤などを含んでもよい。
【0073】本発明において全処理時間(Dry to Dry)
が40秒以下の超迅速処理することができる。本発明にお
ける“現像工程時間”又は“現像時間”とは、処理する
感光材料の先端が自動現像機(以下、自現機という)の
現像タンク液に浸漬してから次の定着液に浸漬するまで
の時間、“定着時間”とは、定着タンク液に浸漬してか
ら次の水洗タンク液(安定液)に浸漬するまでの時間、
“水洗時間”とは、水洗タンク液に浸漬している時間を
いう。また、“乾燥時間”とは、通常自動現像機には35
〜100℃、好ましくは40〜80℃の熱風が吹き付けられる
乾燥ゾーンが設置されており、その乾燥ゾーンに入って
いる時間をいう。本発明の現像処理では、現像時間が3
〜15秒、好ましくは3〜10秒である。現像温度は25〜50
℃が好ましく、30〜40℃がより好ましいい。定着温度及
び時間は20〜50℃で2〜12秒が好ましく、30〜40℃で2
〜10秒がより好ましい。水洗または安定浴温度及び時間
は0〜50で2〜15秒が好ましい。15〜40℃で2〜8秒が
好ましい。
【0074】本発明の方法によれば現像、定着及び水洗
(又は安定化)されたハロゲン化銀写真感光材料は水洗
水をしぼり切るためのスクイズローラを経て乾燥され
る。
【0075】乾燥は40〜100℃で行われ、乾燥時間は環
境温度により適宜変えられるるが、通常は3〜12秒でよ
く、好ましくは40〜80℃で3〜12秒、特に好ましくは40
〜80℃で3〜8秒である。より好ましくは遠赤外線ヒー
タを使用することが好ましい。
【0076】本発明のX線用ハロゲン化銀写真感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤について述べる。
【0077】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、例え
ば支持体に最も近い層のハロゲン化銀粒子の投影面積の
50%以上が、平均アスペクト比が2.0以下であり、かつ
支持体から最も遠い層のハロゲン化銀粒子の投影面積の
50%以上が平均アスペクト比が3.0以上のものが用いら
れる。
【0078】平均アスペクト比が3.0以上、20以下のも
のであり、粒子の円相当直径は0.2〜30μmで、より好ま
しくは0.4〜10μmである。さらに粒子の厚みは0.5μm以
下が好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。平均
アスペクト比が2.0以下のハロゲン化銀粒子としては、
好ましくは2.0〜1.0の粒子である。
【0079】平板状粒子は、分光増感効率の向上や画像
の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして、例え
ば英国特許2,112,157号、米国特許4,414,310号、同4,43
4,226号などで開示されており、乳剤はこれら公報に記
載の方法により容易に調製することができる。
【0080】本発明に用いることの出来るハロゲン化銀
乳剤のハロゲン化銀組成としては、例えば臭化銀、沃臭
化銀、塩沃臭化銀など何れのハロゲン化銀組成を用いて
もよく、好ましいハロゲン化銀組成としては2.5モル%
以下の沃化銀を含む沃臭化銀乳剤である。
【0081】ハロゲン化銀粒子は、本発明の構成であれ
ばどのような結晶型のものでもよく、例えば立方体、8
面体、14面体などの単結晶であてもよく、種々の形状を
有した多双晶粒子であってよい。
【0082】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリ
サーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)
・22〜23頁の1・乳剤製造法“Emulsion Preparation a
nd Types”乳剤に記載の方法、或いは同(RD)No.18716(1
979年11月)・648頁に記載の方法を参考に調製すること
ができる。
【0083】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic Process”第4版 Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤
化学」“Photographic Emulsion Chemistry”Focal Pre
ss社刊(1966年)、P.Glafkides著「写真の物理と化学」
“Chimie et Physique Photographique”Paul Montel社
刊(1967年)、V.L.Zelikman他著「写真乳剤の製造と塗
布」“Making and Coating Photographic Emulsion”Fo
cal Press社刊(1964年)などに記載の方法により調製す
ることができる。
【0084】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロールド・ダブルジェット法などの混合条
件、コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製
条件、及びこれらの組合わせ法を用いて製造することが
できる。
【0085】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここで言う
単分散乳剤とは、常法により平均粒子直径を測定したと
き、粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が平均粒子
径の±40%以内、好ましくは±30%以内にあるハロゲン
化銀粒子である。
【0086】ハロゲン化銀の粒径分布は、狭い分布を有
した単分散乳剤、或いは広い分布を有した多分散乳剤の
何れであってもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と
外部が異なったハロゲン化銀組成からなってもよく、例
えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆し
て明確な2層構造を有したコア/シェル型単分散乳剤で
あってもよい。
【0087】上記コア/シェル型乳剤の製造法は公知で
あり、例えばJ.Phot.Sci.24,198,(1976)、米国特許2,5
92,250号、同3,505,068号、同4,210,450号、同4,444,87
7号或いは特開昭60-143331号などに記載の方法を参考に
することができる。
【0088】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型、或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部の両方に潜像を形成する型の何れの乳
剤であってもよい。
【0089】これらの乳剤は物理熟成、或いは粒子調製
の段階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウ
ム塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその
錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0090】乳剤は可溶性塩類を除去する(脱塩処理工
程)ためにヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法
などの水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法として
は、例えば特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香
族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平
2-7037号記載の凝集高分子剤、例示G−3、G−8など
を用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0091】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で各種
の写真用添加剤を用いることができる。このような工程
で使用できる化合物としては、例えばリサーチディスク
ロージャー(RD)17643号、(RD)18716号(1979年11月)及び
(RD)308119号(1989年12月)に記載されている各種の化合
物が挙げられる。これら3つの(RD)に記載されている
化合物の種類と記載箇所を下記に掲げる。
【0092】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いることの
できる支持体としては、例えば前述の(RD)-17643の28頁
及び(RD)-308119の1009頁に記載されているものが挙げ
られるが、適当な支持体としてはポリエチレンテレフタ
レートなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよ
くするために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線
照射などを施してもよい。
【0093】なお、両側に写真乳剤層を有するハロゲン
化銀写真感光材料においては、クロスオーバー光による
画像の劣化が発生し易く、このクロスオーバー光とは、
感光材料の両側に配置されたそれぞれの増感スクリーン
から放出され、感光材料の支持体を透過して反対側の感
光層に届く可視光で、画質、特に鮮鋭性の低下をもたら
す光りである。
【0094】上記クロスオーバー光を減少させるため
に、これまでに各種の技術が開発されてきた。例えば米
国特許4,425,425号、同4,425,426号明細書に示されてい
る分光増感された高アスペクト比平板状ハロゲン化銀粒
子乳剤を感光性ハロゲン化銀写真乳剤として用いる発明
があり、この発明によってクロスオーバー光が15〜22%
まで減少するとされている。また米国特許4,803,150号
明細書には、現像処理により脱色可能な微結晶性染料層
をハロゲン化銀写真感光材料の支持体として感光層との
間に設ける発明が開示されており、この発明によりクロ
スオーバーが10%以下にまで減少するとされる。
【0095】ただし、本発明に使用する支持体の両側に
写真感光層を有するハロゲン化銀写真感光材料は、片面
からのみ放射線増感スクリーンを用いて露光されるた
め、クロスオーバー光は5%以上であることが好まし
く、さらに好ましくは10%以上30%以下である。
【0096】なお、クロスオーバー光の測定は、一枚の
放射線増感スクリーンを用い、この放射線増感スクリー
ンの前面に両側に感光層を有するハロゲン化銀写真感光
材料を接触させて置き、次いでそれらを黒紙を用いて遮
光した状態でX線発生装置のフォーカルスポットと放射
線増感スクリーンとの距離を変えることによりX線照射
量を変えて露光し、露光後の感光材料を現像処理し、こ
のフィルムを2分割して一方からは放射線増感スクリー
ンと接触していた側の感光層(バック側感光層)を剥離
し、他方からはその逆側の感光層(フロント側感光層)
を剥離する。次いで、各々の感光層における特性曲線の
直線部分から両者の感度差△logEの平均値を求め、以
下の式に従ってクロスオーバー光を算出する。
【0097】 クロスオーバー(%)=100/antilog
(△logE)+1 本発明のハロゲン化銀写真感光材料の代表的な構成とし
ては、青色に着色した透明支持体の両側に、それぞれ下
塗り層、必要に応じて塗設するクロスオーバーを低減せ
しめるための染料層、少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層、さらに保護層が順次塗設されてなる構成を挙げる
ことができる。支持体両側の各々の層は、実質的に互い
に同一の層であることが望ましい。
【0098】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは80〜
200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持体の上に
は、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラチンなど
の水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けられる。
【0099】下塗り層の上には、必要に応じてクロスオ
ーバー低減のための染料層が設けられる。この染料層は
通常、染料を含むコロイド層として形成され、先に規定
した現像処理液にて脱色される染料であることが望まし
い。染料層中では染料が下部に固定されていて、上部の
ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散することがないよう
にされていることが望ましい。
【0100】上記のような染料を含むコロイド層や保護
層における染料の脱色性の向上及び固定化の方法は各種
知られている。例えば、欧州特許第211273B1号に記載さ
れているカチオン性媒染剤とアニオン性染料との組み合
わせ、特開平2-207242号に記載されといるアニオン性官
能基を有するエチレン不飽和モノマーをカチオン媒染剤
に添加して重合して得られる重合分散物を媒染剤として
用い、これにアニオン性染料を組み合わせる方法及び米
国特許4,803,150号に記載の固体状結晶染料(微結晶性
染料粒子)を用いる方法がある。これらの方法のなかで
は、固体状微結晶染料を用いる方法が好ましい。上記の
染料層は、クロスオーバーを15%以下とするのに有効で
ある。
【0101】染料層をカチオン性媒染染料とアニオン性
染料との組み合わせにより形成させる場合に用いられる
アニオン性染料の例としては次のものを挙げることがで
きる。
【0102】
【化1】
【0103】
【化2】
【0104】
【化3】
【0105】
【化4】
【0106】
【化5】
【0107】また、染料層を固体状微結晶より形成させ
る場合に用いられる固体状微結晶染料の例としては、次
のものを挙げることができる。
【0108】
【化6】
【0109】
【化7】
【0110】
【化8】
【0111】
【化9】
【0112】
【化10】
【0113】次に、本発明の組体について説明する。
【0114】本発明の組体において、放射線増感スクリ
ーンとハロゲン化銀写真感光材料とは、特定範囲の蛍光
体充填率と蛍光体厚み及びX線吸収量を示す高感度の放
射線増感スクリーンと特定範囲の感度を示すハロゲン化
銀写真感光材料との任意の組み合わせでよい。ただし、
好ましい組み合わせとしては、X線エネルギーが80kVp
のX線に対して45%以上、特に好ましくは50〜60%の吸
収量を示し、蛍光体層中の蛍光体充填率が68%以上、好
ましくは70%以上、特に好ましくは72%以上を示し、ま
た、蛍光体層の厚みが135μm以上200μm以下で、好まし
くは150μm以上180μm以下を示す放射線増感スクリーン
と規定した感度の値が0.004ルクス秒〜0.010秒ルクス秒
であるハロゲン化銀写真感光材料との組み合わせを挙げ
ることができる。
【0115】この範囲の組み合わせによれば、標準的な
感度で高画質な、即ち粒状性と鮮鋭性のバランスが優れ
たX線画像を得ることができる。
【0116】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。但
し当然のことであるが本発明は以下に述べる実施例によ
り限定されるものではない。
【0117】実施例1 (1)下記の放射線増感スクリーンを用意した。
【0118】 1)放射線増感スクリーンの製造 (放射線増感スクリーン1、2の製造) 蛍光体 Gd2O2S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合剤ポリウレタン系熱可塑性エラストマー デモラックTPKL-5-2625 固形分40%(住友バイエルウレタン(株)製) 20g ニトロセルローズ(消化度11.5%) 2g 上記にメチルエチルケトン溶媒を加え、プロペラ型ミキ
サーで分散させて粘度25ps(25℃)の蛍光体層形成用塗
布液を調製した。(結合剤/蛍光体比=1/22) ま
た、別途に下塗層形成用塗布液として軟質アクリル樹脂
固形分90g、ニトロセルロース50gをメチルエチルケト
ンを加えて分散、混合して粘度3〜6ps(25℃)の分散
液を調製した。
【0119】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μmのポ
リエチレンテレフタレートベース(支持体)をガラス板
上に水平に置き、上記下塗り層形成用塗布液をドクター
ブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い支持体上
に下塗り層を形成した。塗布膜の厚さは15μmであっ
た。
【0120】この上に上記の蛍光体層形成用塗布液をド
クターブレードを用いて膜厚150μmと240μmの2種類の
厚みで均一に塗布乾燥し、次いで圧縮を行った。圧縮は
カレンダーロールを用いて300kgw/cm2の圧力、80℃の
温度で行った。この圧縮後、特開平6-75097号の実施例
〔1〕記載の方法で厚さ3μmの透明保護膜を形成し
た。
【0121】以上の様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護層からなる放射線増感スクリーン1、2を
製造した。
【0122】(放射線増感スクリーン3の製造)放射線
増感スクリーン1、2の製造において蛍光体層形成用塗
布液の膜厚を240μmで塗布し、圧縮の際の圧力を800kgw
/cm2とする以外は放射線増感スクリーン1、2と同様
にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護層からなる
放射線増感スクリーン3を製造した。
【0123】(放射線増感スクリーン4、5の製造)放
射線増感スクリーン1、2の製造において蛍光体層形成
用塗布液の膜厚を150μmと240μmの2種類の厚みで塗布
し、圧縮を全く行わない以外は放射線増感スクリーン
1、2と同様にして支持体、下塗層、蛍光体層、保護層
からなる放射線増感スクリーン4、5を製造した。
【0124】(放射線増感スクリーン6の製造)放射線
増感スクリーン3の製造において蛍光体層形成用塗布液
の膜厚を315μmとして塗布した以外は、放射線増感スク
リーン3と同様にして放射線増感スクリーン6を製造し
た。
【0125】2)放射線増感スクリーンの感度の測定 イーストマン・コダック社製MRE片面ハロゲン化銀写
真感光材料に測定対象の放射線増感スクリーンをX線源
に対して前面に感光材料、その後に放射線増感スクリー
ンを接触状態に配置して、距離法にてX線露光量を変化
させ、logE=0.15の幅でステップ露光した。露光後ハ
ロゲン化銀写真感光材料を次の3)項(ハロゲン化銀写
真感光材料の特性の測定)に記載した方法で現像処理を
行い測定試料を得た。 測定試料について、可視光にて
濃度測定を行い特性曲線を得た。
【0126】感度はDmin+濃度1.0を得るX線露光量の
逆数で表し、放射線増感スクリーン1を100(基準値)
とした相対感度で表した。それらの結果を表1に示し
た。
【0127】3)放射線増感スクリーンのX線吸収量の
測定 三相の電力供給で80KVpで運転されるタングステン・タ
ーゲット管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニウム
板を透過させ、ターゲット管のタングステン・アノード
から200cmの位置に固定した試料放射線増感スクリーン
に到達させ、次いで該スクリーンを透過したX線量を放
射線増感スクリーンの蛍光体層から50cm後の位置で電離
型線量計を用いて線量測定し、X線の吸収量を求めた。
なお、基準として放射線増感スクリーンを透過させない
で測定した上記測定位置でのX線量を用いた。
【0128】得られたそれぞれの放射線増感スクリーン
のX線吸収量の測定値を表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】(2)下記のハロゲン化銀写真感光材料を
用意した。
【0131】SR-G(コニカ(株)製) CM-H(コニカ(株)製) ハロゲン化銀写真感光材料1 ハロゲン化銀写真感光材料2 ハロゲン化銀写真感光材料3 ハロゲン化銀写真感光材料4 ハロゲン化銀写真感光材料5 ハロゲン化銀写真感光材料6 1)ハロゲン化銀写真感光材料の製造 公開特許公報特開平4-181238号の実施例1に開示されて
いる乳剤−3、の2種類の乳剤を同公報記載の方法
に準じて作成し、同様の方法で化学熟成を行った。得ら
れた乳剤について、表2に記載の混合比で混合した以外
は、同公報の記載と同様の方法で乳剤塗布液、保護層
液、支持体を用意し表2に記載された銀付き量となるよ
うに感光材料1、2、3、4を作成した。
【0132】また、特開平6-67365号の〔実施例2〕に
記載のされている(微結晶染料粒子分散物の調製)と同
様の方法で染料分散物を作成し、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料4の下塗層に添加し、表2に記載されてい
るクロスオーバー(%)になるように染料分散物の量を
調整し感光材料5、6を作成した。
【0133】2)ハロゲン化銀写真感光材料の感度の測
定 図1に示す分光特性を有するフィルタを用い、色温度28
56Kのタングステン光源(フィルタにより545nmの光
〔後に一緒に用いる放射線蛍光増感紙の主発光波長に対
応〕を中心とする光を選んで用いた)を照射光として用
いて得られた試料及び比較用試料としてSR-G、CM-
H(何れもコニカ(株)製)を露光し、その感度を測定し
た。即ち、上記の照明光を1/25秒間試料感光材料に照
射し露光を行った。
【0134】露光後、試料フィルムを自動現像機FPM
-5000(富士写真フィルム(株)製)にて先に記載した現
像液で35℃にて25秒(全処理時間90秒)で現像処理を行
った。露光面と逆側の面の感光層を剥離した後、濃度を
測定し特性曲線を得た。その特性曲線から最低濃度(D
min)に0.5を加えた濃度となるのに必要な露光量を算出
し、それを感度として表3に“ルクス秒”で示した。な
お、露光量を算出するに当たり、タングステン光源より
発光し、前述のフィルタを透過させた光の照度をIM-
3型照度計(トプコン(株)製)で測定した。
【0135】感光材料4、5、6は最高感度の高い面か
ら露光を行い、これらの3種の感度は現像処理後裏面を
剥離して感度を求めた。
【0136】
【表2】
【0137】(3)ハロゲン化銀写真感光材料と放射線
増感スクリーンとの組体の特性評価 評価対象の感光材料を同じく評価対象の放射線増感スク
リーンと組み合わせて下記の特性について評価した。
【0138】放射線増感スクリーン1は2枚用意し、感
光材料SR-Gの前後に挟んで配置した。その他の放射
線増感スクリーンと試料フィルムはX線源に対して前面
に試料フィルム、その後に蛍光増感スクリーンを配置し
たシングルバック法で撮影した。なお、感光材料4、
5、6は最高濃度の高い面を放射線増感スクリーンに密
着した。
【0139】1)感度及びガンマの測定 評価対象の放射線増感スクリーンと感光材料の組体につ
いて、前述のハロゲン化銀写真感光材料の特性の測定と
同じ方法で露光、現像処理を行った。感度は最低濃度
(Dmin+1.0の濃度を得るのに必要なX線露光量の逆数
を、組体スクリーン1/SR-Gの感度を基準とする)
として相対値で示した。ガンマは濃度0.8から濃度1.5の
間の平均ガンマで示した。
【0140】2)鮮鋭性及び粒状性の評価 評価対象の放射線増感スクリーンと感光材料の組体につ
いて、京都科学製胸部ファントームを120kVp(3mm厚の
アルミニウム等価フィルタ装着)のX線源を用い、距離1
40cmの位置にファントームを置き、その後ろにグリッド
レシオ8:1の散乱防止グリッド、その後に感光材料と
放射線増感スクリーンとの組体を置き撮影を行った。現
像処理は、前記の感度及びガンマの測定の場合と同様の
処理剤を行った。何れの写真も肺野の最も濃度の高い部
分が濃度1.8±0.5にX線露光量を露光時間を変えること
により調節した。仕上がり写真について目視で観察し、
粒状性と鮮鋭性を下記に示すような評価規準で評価し表
3,表4に示した。
【0141】鮮鋭性の評価規準 A:非常にシャープ B:良好だが僅かにボケがある C:ボケが目立ち読影に若干支障あり D:ボケにより読影困難 粒状性の評価規準 A:ほとんど目立たない B:若干目立つ C:目立ち読影に若干支障あり D:非常に目立ち読影に支障あり
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】上記の結果から、本発明の放射線増感スク
リーン2、3は比較スクリーン1,4,5に比して高感
度で高画質でバランスが良く、従来の放射線増感スクリ
ーンと感光性材料の組み合わせ(組体1)に比して高い
感度を有している。また、クロスオーバーが5%以下に
した感光材料6は、同一感光材料層を設けた感光材料に
対し、感度、ガンマが低下し好ましくない。さらに両面
に感光性層を設けた感光材料4、5、6の組体につい
て、クロスオーバーが本発明の5%以上のものが画質の
バランスが良いことがわかる。
【0145】
【発明の効果】本発明により、粒状性と鮮鋭性のバラン
スが優れた放射線増感スクリーン及び従来の放射線増感
スクリーンとX線フィルムとの組み合わせに比して優れ
た粒状性、鮮鋭性のバランスを有する高感度の放射線増
感スクリーンとX線フィルムとの組体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハロゲン化銀写真感光材料の感度測定にタング
ステン光源と組み合わせて用いられる緑色フィルタの特
性を示すスペクトル曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩▲崎▼ 和博 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線エネルギーが80kVpのX線に対して4
    5%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が68%以上
    で、かつ蛍光体含有層の厚みが135μm以上200μm以下の
    放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線増感スクリーンと
    主発光ピーク波長が同一の波長を有し、かつ半値幅が15
    ±5nmの単色光でハロゲン化銀写真感光材料を露光し、
    かつ、下記組成の現像液を用い、現像液温度35℃、現像
    時間25秒で現像処理して得られるハロゲン化銀写真感光
    材料の最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な露光
    量が0.004ルクス秒から0.010ルクス秒となる感度を有す
    る支持体の片側にのみハロゲン化銀写真感光層を有する
    ハロゲン化銀写真感光材料と、該ハロゲン化銀写真感光
    材料のハロゲン化銀写真感光層を有する側に請求項1記
    載の放射線増感スクリーンを密着させて使用するハロゲ
    ン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体。 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.06g 1-フェニル-3-メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節す
    る。
  3. 【請求項3】 支持体の両面に、写真特性の異なる感光
    性ハロゲン化銀乳剤層を有し、最高濃度の高い面から前
    記請求項2で規定した放射線増感スクリーンの主発光ピ
    ーク波長と同一波長で、かつ半値幅が15±5nmの単色光
    でハロゲン化銀写真感光材料を露光し、上記、請求項2
    記載の組成を有する現像液を用い、現像液温度35℃、現
    像時間25秒で現像処理した際の露光面の濃度が最低濃度
    に0.5を加えた値になるのに必要な露光量が0.004ルクス
    秒以上、0.010ルクス秒以下であり、かつ該最高濃度の
    高い面から裏面へのクロスオーバー光が5%以上である
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料と前記請求
    項1記載の放射線増感スクリーンを密着させて使用する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
    感スクリーンとの組体。
JP14807894A 1994-06-29 1994-06-29 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体 Pending JPH0815828A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14807894A JPH0815828A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14807894A JPH0815828A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0815828A true JPH0815828A (ja) 1996-01-19

Family

ID=15444736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14807894A Pending JPH0815828A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0815828A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5475229A (en) Radiographic intensifying screen
US5460916A (en) Silver halide photographic material and method of forming radiation image using said material
US5482813A (en) Radiological image forming method
EP0692735B1 (en) A composite of silver halide photographic light-sensitive material and radiation fluorescent screen
JP3051605B2 (ja) 放射線画像形成方法とそれに用いるハロゲン化銀写真材料
JPH09146228A (ja) 放射線画像形成方法
JPH10171049A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた写真組体
EP0577027B1 (en) Combination of silver halide photographic material and radiographic intensifying screens
JPH0815827A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体
US5853945A (en) High-contrast silver halide photographic material and photographic image forming system using the same
JPH0815828A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組体
JP3083648B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体およびハロゲン化銀写真感光材料
JP3635380B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体及び処理方法
JPH0876322A (ja) X線用ハロゲン化銀写真感光材料の撮影方法
JP3083647B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体
JP3427281B2 (ja) 撮影材料及び撮影方法
JPH11174197A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像形成組体
JPH086202A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び放射線画像形成方法
JPH0934048A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びx線画像形成方法
JPH08220663A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびx線画像形成方法
JPH0934049A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびx線画像形成方法
JPH08234353A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びx線画像形成方法
JPH0980663A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びx線画像形成方法
JPH1062881A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びそれを用いた写真組体
JPH10186594A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料