JPH0980663A - ハロゲン化銀写真感光材料及びx線画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びx線画像形成方法

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JPH0980663A
JPH0980663A JP23264995A JP23264995A JPH0980663A JP H0980663 A JPH0980663 A JP H0980663A JP 23264995 A JP23264995 A JP 23264995A JP 23264995 A JP23264995 A JP 23264995A JP H0980663 A JPH0980663 A JP H0980663A
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JP
Japan
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silver halide
silver
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emulsion
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JP23264995A
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English (en)
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Kazuyoshi Goan
一賀 午菴
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高画質、現像銀色調に優れ、かつ低
補充、超迅速自動現像機での処理性に優れたハロゲン化
銀写真感光材料及びX線画像形成方法の提供。 【構成】 支持体上に固体分散染料を有する層及び、含
有するハロゲン化銀粒子が、(a)全投影面積の50%
以上が8≦アスペクト比≦100で(111)面を主平
面とする実質的に塩化銀を含まない沃臭化銀粒子からな
る沃化銀含有率0.01〜2モル%の乳剤と、(b)全
投影面積の50%以上が1.5≦アスペクト比≦8で
(100)面を主平面とするハロゲン化銀粒子からなる
塩化銀含有率50〜100モル%の乳剤とを有する層を
この順に有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料及びX線エネルギーが80kVpのX線に対して4
5%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が68%以上
80%以下で、かつ蛍光体の厚みが135μm以上20
0μm以下の蛍光増感紙にハロゲン化銀写真感光材料を
挟んでX線を照射することにより像様露光を行うことを
特徴とするX線画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料及びそれを用いるX線画像形成方法に関し、詳しく
は高感度、高画質で、現像銀色調が優れ、かつ低補充、
超迅速処理の自動現像機処理で写真性能の変動の少ない
ハロゲン化銀写真感光材料及びX線画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、感光材料とも言う)の消費量は増加の一途をたど
り、感光材料の処理枚数が増加し、一層の現像処理の迅
速化、つまり同一時間内での処理量を増加させることが
要求されている。
【0003】上記の傾向は、どの感光材料の分野でも言
われることであるが、例えば医療用X線感光材料の分野
では、診断回数の急増や検査項目の増加により、X線写
真の撮影枚数が増加している一方、診断結果を出来得る
かぎり早く受診者に知らせる必要があり、このため迅速
処理化が望まれている。
【0004】特に血管造影撮影、術中撮影等は本質的に
少しでも単時間で写真を提供する必要があり、また、患
者の負担軽減のためにも少しでも短時間に診断画像を得
る必要があるためである。
【0005】上記診断分野の要望を満たすには、感光材
料の撮影、搬送などの工程を自動化して一層の迅速処理
が必要である。
【0006】更に最近、環境規制が厳しく処理液の廃液
量を減少した低補充化が進んでいる。このような低補
充、超迅速処理を行うと、当然のことながら処理変動、
写真性能の劣化が大きくなる。
【0007】ハロゲン化銀粒子として塩化銀を使用する
と、現像性が迅速で、かつCl-がBr-、I-に比べ現
像液へのハライドイオンの影響が非常に小さい点でこれ
らのハライドイオンの現像液蓄積性の影響を改善でき
る。しかし一方では塩化銀粒子は十分な感度を得ること
が難しく満足する性能が得られなかった。
【0008】迅速処理化の要請に対して、近年平板状ハ
ロゲン化銀粒子が用いられている。平板状ハロゲン化銀
粒子は比表面積が大きいため、増感色素を多量に吸着で
き、従って分光感度を高くすることができ、更にX線用
感光材料に於けるクロスオーバー光を顕著に減少させる
とともに、光散乱が少なく解像力の高い画像が得られる
という特徴がある。
【0009】従って、このような平板状粒子を使用する
ことにより、高感度、高画質の感光材料が期待される
が、しかしながら、このような平板状粒子の大きな欠点
は、現像銀の色調が黄色味を帯び、ニュートラルな黒色
画像が得られないと言う問題である。この傾向は平均ア
スペクト比(円相当平均粒径/平均粒子厚みの比)が5
以上の平板状粒子で顕著に現れる。
【0010】更に、医療用X線画像は、通常、蛍光増感
紙(以下、増感紙とも言う)とX線用感光材料とを組み
合わせて画像形成しており、ハロゲン化銀写真感光材料
自体の画質に加えて蛍光増感紙の放射線画像に与える影
響も非常に大きい。
【0011】X線撮影を行う場合、利用される増感紙と
感光材料の組み合わせは、特に指定されているわけでは
ないが、高感度の撮影を必要とする場合、例えば腰椎撮
影、頭部アンギオグラフィー(頭部血管造影撮影)、拡
大撮影などにおいて高い発光の蛍光増感紙と標準感度、
又は高感度の感光材料とを組み合わせて用いるのが普通
である。また画質を特に重視する場合、例えば胸部単純
撮影、胃部造影撮影、骨撮影などにおいては高鮮鋭度の
増感紙と標準感度の感光材料とを組み合わせて用いるの
が普通である。従って高感度の増感紙と感光材料の組み
合わせでは画像の鮮鋭度が低下し、一方低感度の増感紙
と感光材料の組み合わせでは低感度となる。
【0012】特開平3−21898号では、増感紙の蛍
光体の充填密度を高めて鮮鋭性と粒状性を向上させる方
法が開示されている。またX線用感光材料に関しては、
表裏に写真特性の異なるハロゲン化銀乳剤層を設けたX
線用感光材料と、表裏に異なる増感紙を組み合わせるこ
とにより、クロスオーバー光をカットし鮮鋭性を高め、
かつ露光変動に対する寛容度を向上させた特開平2−2
66344号などが開示されている。
【0013】この技術は、蛍光増感紙との組み合わせを
変化させることで、種々の画像コントラストを得ること
を目的としているが、実用的には感光材料の鮮鋭性が向
上した分、粒状性が劣化してしまい診断性は低下してし
まう。
【0014】従来より、医療用X線写真画像の画質を大
きく左右する因子としては画像の粒状性、鮮鋭性及びコ
ントラストが挙げられている。このうち粒状性について
は、例えば標準的な感光材料であるSR−Gと標準的な
増感紙SRO−250(何れもコニカ〔株〕製)の組み
合わせで、通常の胸部撮影条件であるX線発生管の管電
圧110kVp以上の領域では、粒状性の劣化は50%
以上がX線の量子モトルに基づくものであり、この量子
モトルがX線写真の粒状性、画質を大きく劣化せしめて
いる。更に高感度の感光材料を用いた組み合わせでは、
一層量子モトルが増加して画質低下をきたしていた。
【0015】X線写真の画質向上には、この量子モトル
を低減しながら、かつ鮮鋭性を維持、向上させることが
必要である。X線用感光材料自体のクロスオーバー光を
カットして鮮鋭性を向上させた場合、鮮鋭性向上分の粒
状性劣化を伴い、必ずしも画質が向上したとは言えない
からである。そのため前述した如き特開平3−2189
8号に開示されているように増感紙の蛍光体の充填密度
を高めて鮮鋭性、粒状性を向上させる方法が行われてい
る。
【0016】なお、蛍光体充填率が66%以下の増感紙
と組み合わせてクロスオーバー光を大幅にカットした感
光材料を用いた場合、鮮鋭性向上分の粒状性が劣化する
という現象を生ずる。従ってX線用感光材料自体のクロ
スオーバー光は20%を越えた設計で粒状性と鮮鋭性の
画質のバランスをとっていた。しかし得られたX線写真
画像の画質は充分でなく、更なる改良が望まれていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、高感度、高画質、現像銀色調に優
れ、かつ低補充、超迅速自動現像機での処理性に優れた
感光材料及びX線画像形成方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、 支持体上に固体分散染料を有する層及び、含有する
ハロゲン化銀粒子が、(a)全投影面積の50%以上が
が8≦アスペクト比≦100で(111)面を主平面と
する実質的に塩化銀を含まない沃臭化銀粒子からなる沃
化銀含有率0.01〜2モル%の乳剤と、(b)全投影
面積の50%以上が1.5≦アスペクト比≦8で(10
0)面を主平面とするハロゲン化銀粒子からなる塩化銀
含有率50〜100モル%の乳剤とを有する層をこの順
に有することをを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0019】 前記乳剤(a)と乳剤(b)とを有す
る層が支持体側から乳剤層(b)を有する層、乳剤
(a)を有する層の順に分けて設けられることを特徴と
する記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0020】 乳剤(a)の(111)面を主平面と
する沃臭化銀粒子の平均円相当直径>乳剤(b)の(1
00)面を主平面とするハロゲン化銀粒子の平均円相当
直径であることを特徴とする又はに記載のハロゲン
化銀写真感光材料。
【0021】 X線エネルギーが80kVpのX線に
対して45%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が6
8%以上、80%以下で、かつ蛍光体の厚みが135μ
m以上、200μm以下の蛍光増感紙に、、又は
記載のハロゲン化銀写真感光材料を挟んでX線を照射す
ることにより像様露光を行うことを特徴とするX線画像
形成方法。
【0022】 記載の画像形成方法において、前記
ハロゲン化銀写真感光材料の感度が、前記蛍光増感紙の
主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ半値幅が1
5±5nmの単色光で露光し、下記組成の現像液を用い
て現像温度35℃、現像時間25秒で現像した際の露光
面の濃度が最低濃度+0.5になるように必要な露光量
が0.027ルクス秒乃至0.040ルクス秒となるこ
とを特徴とするX線画像形成方法。
【0023】 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g 1−フェニル−3−メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節する。
【0024】 前記及び記載の蛍光増感紙及び感
光材料を用いてX線を照射して画像を形成する方法にお
いて、該感光材料を自動現像機を用いて全処理時間40
秒以下で処理することを特徴とするX線画像形成方法。
【0025】により達成される。
【0026】以下、本発明を詳述する。
【0027】本発明の感光材料においては、ハロゲン化
銀乳剤中には、(a)アスペクト比8以上100以下の
沃化銀含有率0.01モル以上2モル以下の〔111〕
面を主平面とする実質的に塩化銀を含まない平板状ハロ
ゲン化銀粒子と、(b)アスペクト比1.5以上8未満
で塩化銀含有率50モル%以上100モル%以下の〔1
00〕面を主平面とする平板状ハロゲン化銀粒子が含有
される。
【0028】平板状ハロゲン化銀粒子において、アスペ
クト比とはハロゲン化銀粒子における厚みに対する主平
面の円相当直径の比を意味する。ここで円相当直径と
は、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指
す。該直径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍乃至
5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又
は投影時の面積を実測することにより得られる(測定個
数は無差別に1000個以上あるものとする)。また粒
子厚みも同様に電子顕微鏡写真を実測することによって
得られる。レプリカ法による電子顕微鏡写真の場合、粒
子厚みはレプリカの影の長さから算出することもでき
る。
【0029】個々の粒子について、以下に詳述する。
【0030】平板状粒子(a)平板状粒子(a)におい
ては、アスペクト比が8以上100以下である粒子が全
投影面積の50%以上を占める。好ましくはアスペクト
比8以上50以下であり、より好ましくは12以上40
以下である。
【0031】該粒子は実質的にハロゲン組成の異なる2
つ以上の層構造をもつものでも、均一な組成のものでも
よい。
【0032】該平板状粒子は主平面が〔111〕面であ
る粒子が80%以上を占める。より好ましくは90%以
上である。
【0033】主平面の形状は、隣接辺比率(最大辺長/
最小辺長)が2以下の六角形であることが好ましい。好
ましくは隣接辺比率が1以上1.6以下で、より好まし
くは1位上1.2以下である。
【0034】円相当直径の変動係数は20%以下の単分
散であることが好ましい。より好ましくは17%以下、
更に好ましくは15%以下である。ここで円相当直径の
変動係数とは、全てのハロゲン化銀粒子の円相当直径の
標準偏差を平均円相当直径で割った商である。
【0035】該粒子は、核形成、オストワルド熟成及び
/又は成長を行うことにより形成される。例えば、特開
昭62−99751号記載の実施例における乳剤Aの製
造方法で作成することができる。
【0036】核形成の方法としては、可溶性銀塩と可溶
性ハライド水溶液中に可溶性銀塩水溶液のみを添加する
いわゆるシングルジェット法と、可溶性銀塩水溶液と可
溶性ハライド水溶液を同時に添加するダブルジェット法
が知られているが、双晶発生確率を高める必要があるた
め、ダブルジェット法で行うことが好ましい。
【0037】平板状粒子(b)平板状粒子(b)におい
ては、アスペクト比が1.5以上8未満である粒子が全
投影面積の50%以上を占める。好ましくはアスペクト
比1.5以上7.5以下であり、より好ましくは2以上
5以下である。
【0038】該粒子は塩化銀含有率50モル%以上の塩
化銀、塩臭化銀、沃塩臭化銀或いは沃塩化銀である。好
ましい塩化銀含有率としては80モル%以上であり、よ
り好ましくは90モル%以上である。
【0039】該平板状粒子は主平面が〔100〕面であ
る粒子が全投影面積の80%以上を占める。
【0040】より好ましくは90%以上である。主平面
の形状は、隣接辺比率(最大辺長/最小辺長)が10以
下の平行四辺形であることが好ましい。好ましくは隣接
辺比率が1以上1.6以下で、より好ましくは1以上
1.2以下であり、正方形であることが最も好ましい。
【0041】本発明の実施態様では、該粒子(b)の平
均円相当直径は平板状粒子(a)の平均円相当直径より
小さいことがより好ましい。
【0042】円相当直径の変動係数は20%以下の単分
散であることが好ましく、より好ましくは17%以下、
更に好ましくは15%以下である。
【0043】該粒子は、例えば米国特許第5,320,
938号記載の方法で作成することができる。即ち、
〔100〕面を形成しやすい条件下で沃素イオンの存在
下、低pClで核形成することが好ましく、この核形成
の段階で異方成長性の原因となる欠陥(らせん転位)を
形成する。
【0044】塩化銀核の場合、米国特許第5,178,
997号や同第5,178,998号に記載された晶壁
制御剤や特別な条件を使用しない限り、通常の条件下で
は〔100〕結晶面が現れる。
【0045】従って、この条件下でらせん転位を形成す
ればよい。
【0046】平板状粒子(a)、平板状粒子(b)とも
に核形成後、必要に応じて昇温、pAgの調整、ハロゲ
ン化銀溶剤の添加によるオストワルド熟成等の手段によ
り平板状粒子以外の粒子の消滅を行う。このようにして
平板状粒子比率の高い粒子群を得た後、粒子成長過程に
より所望の平板状粒子を得る。この工程では、新たな核
発生が起こらないように銀及びハライド水溶液を添加す
ることが好ましい。
【0047】平板状粒子の平均アスペクト比はこの粒子
成長過程のpAg、温度、銀塩水溶液とハライド水溶液
の添加速度等により制御することができる。
【0048】ダブルジェット法の一つの形式としてハロ
ゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、
いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いるこ
とによって結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハ
ロゲン化銀乳剤が得られる。
【0049】また、粒子成長過程において添加される銀
やハロゲンの一部をハロゲン化銀微粒子として供給する
方法も使用できる。
【0050】ここで得られた粒子を種晶粒子として、更
に成長させる工程を設けてもよい。
【0051】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後に可溶性
塩類を除去して化学増感に適するpAgにするためにヌ
ードル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いて
もよく、好ましい水洗法としては、例えば特公昭35−
16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系ア
ルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平2−7037号
記載の高分子凝集剤である例示G−3、G−8などを用
いる脱塩法を挙げることができる。
【0052】本発明のハロゲン化銀乳剤は、バインダー
としてハロゲン化銀を包むための種々の親水性コロイド
が用いられる。この目的のためにゼラチンをはじめとし
て、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド
などの合成ポリマーやコロイド状アルブミン、ポリサッ
カライド、セルロース誘導体などの写真用バインダーが
用いられてよい。
【0053】化学増感する場合は、通常の硫黄増感、還
元増感、貴金属増感及びそれらの組み合わせが用いられ
る。更に具体的な化学増感剤としては、アリルチオカル
バミド(Allylthiocarbamido)、チ
オ尿素、チオサルフェート、チオエーテルやシスチンな
どの硫黄増感剤、ポタシウムクロロオーレイト、オーラ
スチオサルフェートやポタシウムクロロパラデート(P
otassium chloro palladat
e)などの貴金属増感剤、塩化錫、フェニルヒドラジン
やレダクトンなどの還元増感剤などを挙げることができ
る。また、セレン化合物やテルル化合物等を増感剤とし
て使用することができる。
【0054】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増感さ
れてもよい。分光増感色素は単独に用いてもよいが、そ
れらの組み合わせを用いてもよく、分光増感色素の組み
合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0055】本発明において、より好ましい実施態様は
支持体の少なくとも一方の側に感光性ハロゲン化銀乳剤
層を2層以上有し、該支持体に最も遠い乳剤層に含有さ
れるハロゲン化銀粒子の全投影面積の80%以上が前記
平板状粒子(a)であり、かつ最も支持体に近い乳剤層
に含有されるハロゲン化銀粒子の80%以上が前記平板
状粒子(b)であることである。
【0056】本発明のハロゲン化銀乳剤は、該乳剤の物
理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の写真用添加剤
を用いることができる。
【0057】このような工程で使用できる化合物として
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)17
643号、(RD)18716号(1979年11月)
及び(RD)308119号(1989年12月)に記
載されている各種の化合物が挙げられる。これら3つの
(RD)に記載されている化合物の種類と記載箇所を下
記にあげる。
【0058】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明の感光材料に用いられる支持体としては、上記
(RD)に記載されているものが挙げられるが、適当な
支持体としてはポリエチレンテレフタレートなどのプラ
スチックフィルムで、これら支持体の表面は塗布層の接
着をよくするため下引層を設けたり、コロナ放電、紫外
線照射などが施されてもよい。そして、このように処理
された支持体上の両面に本発明に係るハロゲン化銀乳剤
を塗布することができる。
【0059】本発明においては、乳剤層と支持体との間
に固体分散染料を含有する。
【0060】これに用いることのできる染料は、下記、
一般式(1)で表される化合物の他、例えば特開平5−
216143号に記載されたI−1〜I−2、II−1〜
II−10、III−1〜III−72の化合物を好ましく使用
することができる。但し、本発明に用いることができる
染料は、これらに限定されるものではない。
【0061】
【化1】
【0062】式中、R1は水素原子、アルキル基、アリ
ール基又はヘテロ環基を表し、R2は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ア
シルアミノ基、ウレイド基、アミノ基、アシル、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
基、シアノ基、スルファモイル基又はスルホンアミド基
を表し、Bは5員若しくは6員の含酸素ヘテロ環基又は
6員の含窒素ヘテロ環基を表し、L1〜L3はメチン基を
表し、nは0又は1を表す。
【0063】但し、一般式(1)の化合物は、カルボキ
シ基、スルホンアミド基及びスルファモイル基の少なく
とも1つを有する。
【0064】一般式(1)において、R1及びR2で表さ
れるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−
ペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル
基、エイコシル基等が挙げられる。これらのアルキル基
は置換基を有するものを含み、置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等の各原
子)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基
等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等)、ヘテロ環基(例えばピロリジル
基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等)、スルフィ
ン酸基、カルボキシル基、ニトロ基、水酸基、メルカプ
ト基、アミノ基(例えばアミノ基、ジエチルアミノ基
等)、アルキルオキシ基(例えばメチルオキシ基、エチ
ルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−プロピルオキシ
基等)、アリールオキシ基(フェニルオキシ基、ナフチ
ルオキシ基等)、カルバモイル基(例えばアミノカルバ
モイル基、メチルカルバモイル基、n−ペンチルカルバ
モイル基、フェニルカルバモイル基等)、アミド基(例
えばメチルアミド基、ベンズアミド基、n−オクチルア
ミド基等)、アミノスルホニルアミノ基(例えばアミノ
スルホニルアミノ基、メチルアミノスルホニルアミノ
基、アニリノスルホニルアミノ基等)、スルファモイル
基(例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル
基、フェニルスルファモイル基、n−ブチルスルファモ
イル基等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホン
アミド基、n−ヘプタンスルホンアミド基、ベンゼンス
ルホンアミド基等)、スルフィニル基(例えばメチルス
ルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフ
ィニル基、オクチルスルフィニル基等のアルキルスルフ
ィニル基、フェニルスルフィニル基等のアリールスルフ
ィニル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えばメ
チルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、
2−ヒドロキシエチルオキシカルボニル基、n−オクチ
ルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル
基(例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキ
シカルボニル基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチ
オ基、エチルチオ基、n−ヘキシルチオ基等)、アリー
ルチオ基(例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基
等)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル基、エチ
ルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−オクチ
ルカルボニル基等)、アリールカルボニル基(例えばベ
ンゾイル基、p−メタンスルンアミドベンゾイル基、p
−カルボキシベンゾイル基、ナフトイル基等)、シアノ
基、ウレイド基(例えばメチルウレイド基、フェニルウ
レイド基等)、チオウレイド基(例えばメチルチオウレ
イド基、フェニルチオウレイド基等が挙げられる。
【0065】R1及びR2で表されるアリール基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。該ア
リール基は置換基を有するものを含み、置換基として
は、例えば前記アルキル基、又はアルキル基の置換基と
して挙げた前述の基が挙げられる。
【0066】R1及びR2で表されるヘテロ環基として
は、例えばピリジル基(例えば2−ピリジル基、3−ピ
リジル基、4−ピリジル基、5−カルボキシ−2−ピリ
ジル基、3,5−ジクロロ−2−ピリジル基、4,6−
ジメチル−2−ピリジル基、6−ヒドロキシ−2−ピリ
ジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジ
ル基、3−ニトロ−2−ピリジル基等)、オキサゾリル
基(5−カルボキシ−2−ベンズオキサゾリン基、2−
ベンズオキサゾリン基、2−オキサゾリン基等)、チア
ゾリル基(5−スルファモイル−2−ベンズチアゾリル
基、2−ベンズチアゾリル基、2−チアゾリル基等)、
イミダゾリル基(1−メチル−2−イミダゾリル基、1
−メチル−5−カルボキシ−2−ベンズイミダゾリル基
等)、フリル基(3−フリル基等)、ピロリル基(3−
ピロリル基等)、チエニル基(2−チエニル基等)、ピ
ラジニル基(2−ピラジニル基等)、ピリミジニル基
(2−ピリミジニル基、4−クロロ−2−ピリミジニル
基等)、ピリダジニル基(2−ピリダジニル基等)、プ
リニル基(8−プリニル基等)、イソオキサゾリル基
(3−イソオキサゾリル基等)、セレナゾリル基(5−
カルボキシ−2−セレナゾリル基等)、スルホラニル基
(3−スルホラニル基等)、ピペリジニル基(1−メチ
ル−3−ピペリジニル基等)、ピラゾリル基(3−ピラ
ゾリル基等)、テトラゾリル基(1−メチル−5−テト
ラゾリル基等)が挙げられ、該ヘテロ環基は置換基を有
するものを含み、該置換基としては、前記アルキル基及
びアルキル基の置換基として例示したものが挙げられ
る。
【0067】R2で表されるアルコキシカルボニル基と
しては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカ
ルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ドデシルオ
キシカルボニル基等が挙げられる。
【0068】R2で表されるアリールオキシカルボニル
基としては、例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフ
チルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0069】R2で表されるカルバモイル基としては、
例えばアミノカルバモイル基、メチルカルバモイル基、
エチルカルバモイル基、i−プロピルカルバモイル基、
t−ブチルカルバモイル基、ドデシルカルバモイル基、
フェニルカルバモイル基、2−ピリジルカルバモイル
基、4−ピリジルカルバモイル基、ベンジルカルバモイ
ル基、モルホリノカルバモイル基、ピペラジノカルバモ
イル基等が挙げられる。R2で表されるアシルアミノ基
としては、例えばメチルカルボニルアミノ基、エチルカ
ルボニルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、
t−ブチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルア
ミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボ
ニルアミノ基等が挙げられる。
【0070】R2で表されるウレイド基としては、例え
ばメチルウレイド基、エチルウレイド基、i−プロピル
ウレイド基、t−ブチルウレイド基、ドデシルウレイド
基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基、チ
アゾリルウレイド基等が挙げられる。
【0071】R2で表されるアミノ基としては、例えば
アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、i−プロ
ピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、オクチルアミノ
基、ドデシルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ
基、ナフチルアミノ基、モルホリノ基、ピペラジノ基等
が挙げられる。
【0072】R2で表されるアシル基としては、例えば
メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、i−プロピ
ルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、オクチルカ
ルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニ
ル基、ナフチルカルボニル基等が挙げられる。
【0073】R2で表されるアルコキシ基としては、例
えばメトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−
ブチルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
【0074】R2で表されるアリールオキシ基として
は、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げら
れる。
【0075】R2で表されるスルファモイル基として
は、例えばアミノスルファモイル基、メチルスルファモ
イル基、i−プロピルスルファモイル基、t−ブチルス
ルファモイル基、ドデシルスルファモイル基、フェニル
スルファモイル基、2−ピリジルスルファモイル基、4
−ピリジルスルファモイル基、モルホリノスルファモイ
ル基、ピペラジノスルファモイル基等が挙げられる。
【0076】R2で表されるスルホンアミド基として
は、例えばメチルスルホンアミド基、エチルスルホンア
ミド基、i−プロピルスルホンアミド基、t−ブチルス
ルホンアミド基、ドデシルスルホンアミド基、フェニル
スルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等が挙げ
られる。
【0077】これらの各基は置換基を有するものを含
み、該置換基としては、前述のR1及びR2として示した
アルキル基及びR1及びR2として示したアルキル基の置
換基として例示したものが挙げられる。
【0078】一般式(1)において、Bで表される5員
又は6員の含酸素ヘテロ環基、及び6員の含窒素ヘテロ
環基としては、フリル基(2−フリル基、3−フリル
基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、1
−イソベンゾフラニル基等)、ピラニル基(2−テトラ
ヒドロピラニル基、3−2H−ピラニル基、4−2H−
ピラニル基、5−2H−ピラニル基、6−2H−ピラニ
ル基、2−4H−ピラニル基、3−4H−ピラニル基、
2−クロマニル基、3−クロマニル基、4−2H−クロ
メニル基、2−4H−クロメニル基、ピロニル基(2−
4H−ピロニル基、3−4H−ピロニル基、2−クロモ
ニル基、3−クマリニル基、3−クロモニル基等)、ピ
リジル基(2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリ
ジル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリ
ル基、9−アクリジル基、3−チエノピリジル基等)、
ピラジニル基(2−ピラジル基等)、ピリミジニル基
(2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリ
ミジニル基、2−キナゾリニル基等)、ピペリジニル基
(3−ピペリジニル基等)等が挙げられる。該ヘテリ環
基は置換基を有するものを含み、該置換基としては、前
記R1及びR2のアルキル基及びアルキル基の置換基とし
て例示したものが挙げられ、更に、R2のアミノ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基として例示したものが挙
げられる。
【0079】一般式(1)において、L1〜L3で表され
るメチン基は、置換基を有するものを含み、該置換基と
してはアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、t−ブチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
ベンジル基等)、アリール基(例えばフェニル基等)ハ
ロゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等)、
アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、ア
シルオキシ基(例えばメチルカルボニルオキシ基、フェ
ニルカルボニルオキシ基等)等が挙げられる。
【0080】以下、本発明に係るこれらの化合物の具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0081】
【化2】
【0082】
【化3】
【0083】
【化4】
【0084】
【化5】
【0085】本発明の感光材料には、他に必要に応じて
アンチハレーション層、中間層、フィルター層などを設
けることができる。
【0086】本発明の感光材料において、写真乳剤層、
その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により支持体
上、又は他の層上に塗布することができる。塗布法とし
てはディップ塗布法、ローラ塗布法、カーテン塗布法、
押し出し塗布法、スライド・ホッパー法などを用いるこ
とができる。詳しくはリサーチ・ディスクロージャー
(RD)176巻ページ27−28の「Coating
Procedures」の項に記載の方法を用いるこ
とができる。
【0087】本発明の感光材料の処理は、例えば前記R
D−17643のXX〜XXI、29〜30頁、或いは同3
08119のXX〜XXI、1011〜1012頁により記
載されているような処理液による処理がなされてよい。
【0088】白黒写真処理での処理剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン)、3−ピ
ラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えば、N−メチル−4−
アミノフェノール)などを単独若しくは組み合わせて用
いることができる。なお、現像液には公知の、例えば保
恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調財、硬水軟
化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いて
もよい。
【0089】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられる。更に硬膜剤として水溶性アル
ミニウム塩、例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明礬な
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含んでもよい。
【0090】本発明において、全処理時間(Dry t
o Dry)が40秒以下の超迅速処理することができ
る。
【0091】本発明における“現像工程時間”又は“現
像時間”とは、処理する感光材料の先端が自動現像機
(以下、自現機という)の現像液に浸漬してから次の定
着液に浸漬するまでの時間、“定着時間”とは、定着液
に浸漬してから次の水洗水(安定液)に浸漬するまでの
時間、“水洗時間”とは、水洗液に浸漬している時間を
いう。
【0092】また、“乾燥時間”とは、通常自動現像機
には35〜100℃、好ましくは40〜80℃の熱風が
吹き付けられる乾燥ゾーンが設置されており、その乾燥
ゾーンに入っている時間をいう。本発明の現像処理で
は、現像時間が3〜15秒、好ましくは3〜10秒であ
る。現像温度は25〜50℃が好ましく、30〜40℃
がより好ましい。定着温度及び時間は20〜50℃で2
〜12秒が好ましく、30〜40℃で2〜10秒がより
好ましい。水洗又は安定浴温度及び時間は0〜50℃で
2〜15秒が好ましい。15〜40℃で2〜8秒がより
好ましい。
【0093】本発明の方法によれば、現像、定着及び水
洗(又は安定化)されたハロゲン化銀写真感光材料は水
洗水をしぼり切るためのスクイズローラを経て乾燥され
る。
【0094】乾燥は40〜100℃で行われ、乾燥時間
は環境温度により適宜変えられるが、通常は3〜12秒
でよく、特に好ましくは40〜80℃で3〜8秒であ
る。
【0095】また、熱源としては遠赤外線ヒータを使用
することが好ましい。
【0096】本発明において現像時間10秒以下で、か
つ現像液補充量がハロゲン化銀写真感光材料1平方メー
トル当たり200ml以下で処理することができる。
【0097】その他、本発明の実施に際しては、写真技
術によって用いられる各種の技術を適用することができ
る。
【0098】本発明の感光材料には、他に必要に応じて
アンチハレーション層、中間層、フィルター層などを設
けることができる。
【0099】医療用X線画像形成に本発明を適用する場
合には、例えば透過性放射線曝射によって近紫外光ない
し可視光を発生する蛍光体を主成分とする増感紙が用い
られる。これを本発明の乳剤を両面に塗布してなる感光
材料両面に密着し露光する。
【0100】本発明の増感紙に用いられる好ましい蛍光
体としては、以下に示すものが挙げられる。
【0101】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土
類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:T
b、La22S:Tb、(Y.Gd)22S:Tb、
(Y.Gd)O2S:Tb.Tm等〕、テルビウム賦活
希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:T
b、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキ
シハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOB
r:Tb.Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:T
b.Tm、LaOCl:Tb.Tm.LaOBr:Tb
GdOBr:TbGdOCl:Tb等)、ツリウム賦
活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:T
m、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体〔B
aSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba.Sr)S
4:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アルカリ土
類金属燐酸塩系蛍光体〔(Ba2PO42:Eu2+
(Ba2PO42:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaF
Cl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu
2+.Tb、BaFBr:Eu2+.Tb、BaF2・Ba
Cl・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl
・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:N
a、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化物系
蛍光体〔ZnS:Ag(Zn.Cd)S:Ag、(Z
n.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.Al
等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27:Cu
等)、タンタル酸塩系蛍光体(YTaO4、YTaO4
Tm、YTaO4:Nb、〔Y.Sr〕TaO4:Nb、
GdTaO4:Tm、Gd23・Ta25・B25:T
b等)、ただし本発明に用いられる蛍光体はこれらに限
定されるものではなく、放射線の照射によって可視又は
近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0102】本発明の増感紙は、傾斜粒径構造で蛍光体
を充填することが好ましい。特に表面保護層側に大粒径
の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子
を塗布することが好ましく、小粒径のものは0.5〜
2.0μmで、大粒径のものは10〜30μmの範囲が
好ましい。
【0103】増感紙の製造は、 結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する工
程、前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤
の軟化温度若しくは融点以上の温度で、圧縮しながら前
記蛍光体シートを支持体に接着する工程で製造するのが
好ましい。
【0104】の増感紙の蛍光体層となる蛍光体シート
は、結合剤溶液中に蛍光体を均一に分散せしめた塗布液
を蛍光体シート形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥した
後、仮支持体から剥離することで製造できる。即ち、ま
ず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を添加し、
撹拌混合して結合剤中に蛍光体が均一に分散した塗布液
を調製する。
【0105】結合剤としては、軟化温度又は融点が30
〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、或いは他の
バインダーと共に用いる。熱可塑性エラストマーは常温
で弾力を持ち、過熱されると流動性を持つようになるの
で、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損を防止すること
ができる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリス
チレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジェン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジェンゴ
ム及びシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0106】結合剤における熱可塑性樹脂の混合比は、
10重量%以上、100重量%以下であればよいが、結
合剤はなるべく多くの熱可塑性エラストマー、特に10
0重量%の熱可塑性エラストマーからなっていることが
好ましい。
【0107】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエステル、エチレングリコー
ルモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合
物を挙げることができる。
【0108】塗布液における結合剤と蛍光体の混合比
は、目的とする増感紙の特性、蛍光体の種類などにより
異なるが、一般には結合剤と蛍光体の混合比は1:1乃
至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、特に1:8
乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0109】なお、塗布液には塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、又は形成後の蛍光
体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよ
い。
【0110】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げること
ができる。
【0111】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニー
ル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エス
テル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルな
どのフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエ
チル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコー
ル酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸と
のポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポ
リエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩
基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0112】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、シート形成用の仮支持体の表
面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。
【0113】この塗布手段としては、例えばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いること
により行うことができる。
【0114】仮支持体としては、例えばガラス、ウー
ル、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られた
ものが使用され得るが、情報記録材料としての取り扱い
上可撓性のあるシート或いはロールに加工できるものが
好ましい。この点から、例えばセルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスティクフィルム、アルミニウム箔、アル
ミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば写
真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用
原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許78
4,615号明細書に記載されているようなポリサッカ
ライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔
料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコールでサイ
ジングした紙等の加工紙が特に好ましい。
【0115】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布
し乾燥した後、仮支持体から剥離して増感紙の蛍光体層
となる蛍光体シートとする。従って仮支持体の表面は、
予め剥離剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが
仮支持体から剥離し易い状態にしておくのが好ましい。
【0116】について説明する。上記により形成され
た蛍光体をセットするためのシートを用意する。この支
持体は前記仮支持体で挙げた材料から任意に選ぶことが
できる。
【0117】公知の増感紙は、支持体と蛍光体層の結合
を強化するため支持体表面にゼラチンなどの高分子物質
を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感
度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸
化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しく
はカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層
などが設けられている。
【0118】本発明の増感紙に用いられる支持体につい
ても、これら各種の層を設けることができ、それらの構
成は所望の増感紙の目的、用途などに応じて任意に選択
することができる。
【0119】によって得られた蛍光体シートを支持体
上に載せ、結合剤の軟化温度又は融点以上の温度で圧縮
しながら蛍光体シートを支持体上に接着する。
【0120】このようにして、蛍光体シートを支持体上
に予め固定することなく圧着する方法を利用することに
よりシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷
を防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に比
較して同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることができ
る。
【0121】本発明の増感紙に用いられる蛍光体層の圧
縮処理のために用いられる圧縮装置の例としては、カレ
ンダーロール、ホットプレスなど一般的に知られている
ものを挙げることができる。例えばカレンダーロールに
よる圧縮処理は、支持体上にによって得た蛍光体シー
トを載せ、結合剤の軟化温度又は融点以上に加熱したロ
ーラの間を一定の速度で通過させることにより行われ
る。ただし本発明に用いられる圧縮装置はこれらのもの
に限定されるものではなく、上記シートを加熱しながら
圧縮することのできるものであればいかなるものであっ
てもよい。圧縮の際の圧力は、50kg/cm2以上で
あるのが好ましい。
【0122】通常、増感紙は、前述した支持体に接する
側と反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的、化
学的に保護するための透明な保護膜が設けられる。この
ような透明保護膜は、本発明の増感紙についても設置す
ることが好ましい。保護膜の膜厚は一般に0.1〜20
μmの範囲にある。
【0123】透明保護層は例えば酢酸セルロース、ニト
ロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメチ
ールメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質を適当な溶剤に溶解して
調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形
成することができる。
【0124】或いはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート、及
び透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に調製
して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するな
どの方法で形成することができる。
【0125】本発明の増感紙に用いられる保護層として
は、特に有機溶媒に可溶性の弗素系樹脂を含む塗布膜に
より形成された膜が好ましい。弗素系樹脂とは、弗素を
含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体、若し
くは弗素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共
重合体をいう。弗素系樹脂の塗布膜により形成された膜
は架橋されていてもよい。弗素系樹脂による保護膜は、
他の材料やX線フィルムなどの接触時にフィルムなどか
ら出る可塑剤などの汚れが保護膜内部に染み込みにくい
ので、拭き取りなどによって容易に汚れを除去すること
ができる利点がある。
【0126】保護膜形成材料としては、有機溶媒可溶性
弗素系樹脂を用いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶
解して調製した。即ち、保護膜は有機溶媒可溶性の弗素
系樹脂を含有する保護膜形成材料塗布液をドクターブレ
ードなどを用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを
乾燥することで形成する。この保護膜の形成は同時重層
塗布によって蛍光体の形成と同時に行われてよい。
【0127】弗素系樹脂としては、弗素を含むオレフィ
ン(フルオロオレフィン)の重合体若しくは弗素を含む
オレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフルオロエチ
レン、ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体及びフルオロオレイン−ビニルエーテ
ル共重合体などを例として挙げることができる。
【0128】弗素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶であ
るがフルオロオレフィンを共重合体成分として含む共重
合体は、共重合するフルオロオレフィン以外の構成単位
によって有機溶媒可溶性になるため、該樹脂を適当な溶
媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥
することで容易に保護層を形成することができる。この
ような共重合体の例としては、フルオロオレフィン−ビ
ニルエーテル共重合体を挙げることができる。また、ポ
リテトラフルオロエチレン及びその変性体もパーフルオ
ロ溶媒のような適当な弗素系有機溶媒に対して可溶性で
あるので、上記フルオロオレフィンを共重合体成分とし
て含む共重合体と同様に塗布によって保護膜を形成する
ことができる。
【0129】保護膜は弗素系樹脂以外の樹脂が含まれて
いてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含まれ
てもよい。しかしながら、前記した目的を充分達成する
ためには、保護膜中の弗素系樹脂の含有量は30重量%
以上であることが好ましく、更に好ましくは50重量%
以上、最も好ましく70重量%以上である。
【0130】保護膜に含まれる弗素系樹脂以外の樹脂と
してはポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロー
ス誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、
エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0131】また、本発明の増感紙の保護膜はポリシロ
キサン骨格含有オリゴマー若しくはパーフルオロアルキ
ル基含有オリゴマーの何れか一方、或いは両方を含む塗
布膜から形成してもよい。
【0132】ポリシロキサン骨格含有オリゴマーは、例
えばジメチルポリシロキサン骨格を有するものであり、
少なくとも一つの官能基、例えば水酸基を有するもので
あることが好ましく、また分子量500〜100000
の範囲にあることが好ましい。特に分子量が1000〜
100000の範囲になることが好ましく、更に好まし
くは3000〜10000の範囲である。また、パーフ
ルオロアルキル基、例えばテトラフルオロエチレン基な
どを含有するオリゴマーは、分子中に少なくとも一つの
官能基、例えば水酸基を含むものであることが望まし
く、分子量500〜100000の範囲にあることが好
ましい。特に分子量は1000〜100000の範囲に
あることがこのましく、更に10000〜100000
の範囲にあることが好ましい。
【0133】オリゴマーに官能基が含まれているものを
用いれば、保護膜形成時にオリゴマーと保護膜形成樹脂
との間で架橋反応が発生し、オリゴマーが膜形成樹脂の
分子構造に取り入れられるため、増感紙の長期の繰り返
し使用、あるは保護膜表面のクリーニングなどの操作に
よってもオリゴマーが保護膜から取り去られることがな
く、オリゴマーの添加効果が長期にわたり有効となるた
め、官能基を有するオリゴマーの使用が有利である。オ
リゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量の量で含ま
れていることが好ましく、特に0.1〜2重量%含まれ
ていることが好ましい。
【0134】保護層中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末若しくはシリコン樹脂粉末が含まれてもよい。パ
ーフルオロオレフィン樹脂粉末、若しくはシリコン樹脂
粉末としては、平均粒径0.1〜10μmの範囲にある
ものが好ましく、特に好ましくは平均粒径0.3〜5μ
mの範囲である。これらのパーフルオロオレフィン樹脂
粉末若しくはシリコン樹脂粉末は、保護膜中に保護膜重
量当たり0.5〜30重量%の量で含まれていることが
好ましく、更に2〜20重量%の量で含まれるのが好ま
しく、最も好ましくは5〜15重量%の量である。
【0135】増感紙の保護膜は、蛍光体層上に塗布形成
された厚さ5μm以下の透明な合成樹脂層であることが
好ましい。このような薄い保護層を用いることにより、
増感紙の蛍光体からハロゲン化銀乳剤までの距離が短く
なるため、得られるX線画像の鮮鋭度の向上に寄与する
ことになる。
【0136】本発明で言う蛍光体の充填率は、支持体上
に形成された蛍光体層の空隙率から次式により求めるこ
とができる。
【0137】
【数1】
【0138】ただし,V ;蛍光体層の全体積 Vair;蛍光体中の空気体積 A ;蛍光体の全重量 px ;蛍光体の密度 py ;結合剤の密度 pair;空気の密度 a ;蛍光体の重量 b ;結合剤の重量 更に式(1)において、pairはほぼ0であるから式
(1)は近似的に次の式(2)で表すことができる。
【0139】
【数2】
【0140】ただし、V、Vair、px、py、a及
びbの定義は式(1)と同じである。
【0141】本発明において蛍光体層の空隙率は式
(2)により求めた。また蛍光体の充填率は次式(3)
により求めることができる。
【0142】
【数3】
【0143】ただし、V、Vair、px、py、a及
びbの定義は式(1)と同じである。
【0144】本発明で用いる増感紙は、固有濾過がアル
ミニウム2.2mm相当のX線発生装置でのX線エネル
ギーが80kVpのX線に対して45%以上の吸収量を
示すことが好ましい。より好ましくは50%以上であ
る。
【0145】増感紙のX線吸収量は以下の方法で測定で
きる。
【0146】三相の電力供給で80kVpで運転される
タングステン・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3
mmのアルミニウム板を透過させ、ターゲット管のタン
グステン・アノードから200cmの位置に固定した試
料の増感紙に到達させ、次いでその増感紙を透過したX
線の量を、増感紙の蛍光体層から50cm後の位置で電
離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量を求める。な
お、基準としては増感紙を透過させないで測定した上記
測定位置でのX線量を用いることができる。
【0147】蛍光体の厚みは、135μm以上200μ
m以下が好ましく、更に好ましくは、このときの蛍光体
の充填率を68%以上、80%以下にすることである。
【0148】本発明の増感紙の製造は、特開平6−75
097号で開示されている方法に準じて作成することが
できる。即ち、蛍光体、バインダー、表面保護層、導伝
層の素材やこれらを組み合わせて製造する工程は特開平
6−75097号で開示されている方法で準じて作成す
ることが好ましい。更に蛍光体は重層塗布法などによっ
て表面保護層の近くに大粒径の粒子を配置することが好
ましい。
【0149】更に本発明のハロゲン化銀写真感光材料の
好ましい実施態様は、前記で規定したX線吸収量を示す
増感紙の主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ半
値幅が15±5nmの単色光で露光し、下記組成の現像
液(以下、標準現像液という)を用い、現像液温度35
℃、現像時間25秒で現像処理し露光面と反対側の感光
層を剥離除去した試料フィルムを濃度測定して得られる
濃度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な
露光量が0.027〜0.040ルクス秒となる感度を
有するものである。
【0150】 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5−メチルベンッゾトリアゾール 0.06g 1−フェニル−3−メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節する。
【0151】感光材料の感度を測定する方法において、
用いる露光光源は使用する増感紙の主発光ピークの波長
に一致、若しくはほぼ一致していなくてはならない。例
えば、増感紙の蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウムオ
キシスルフィドである場合には、主発光のピーク波長が
545nmであるところから感光材料の感度を測定する
ときの主光源は波長545nmを中心とする光とする。
単色光を得る方法としては、干渉フィルタを組み合わせ
た光学系を用いる方法が利用できる。この方法では干渉
フィルタの組み合わせにも依存するが、通常、必要な露
光量を持ち、かつ半値幅が15±5nmの単色光を容易
に得ることができる。なお、感光材料は分光増感処理が
なされているかどうかにかかわらず、その分光感度スペ
クトルは連続的であって、波長15±5nmの範囲では
その感度は実質的に変わらないということができる。
【0152】露光光源の例としては、組み合わせて使用
する増感紙の蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウムオキ
シスルフィドである場合には、タングステン光源(色温
度:2856K)と、添付図1に示した分光特性を有す
るフィルタと組み合わせた系を挙げることができる。ま
た、露光量はIM−3型照度計(トプコン〔株〕製)を
用いて求めたものである。また感度は、露光時間の1/
25秒で測定した。
【0153】上記標準現像液を用いた現像処理の標準的
な条件は下記の如くである。
【0154】現像時間:25秒 定着時間(定着液組成は下記に示す):20秒 水洗時間:12秒 スクイズ及び乾燥時間:26秒 使用する現像装置:市販ローラ搬送型自動現像機(例え
ば、富士写真フィルム〔株〕製FPM−5000型自動
現像機、現像タンク:容量22リットル、液温35℃、
定着タンク:容量15.5リットル、液温25℃)、
同種の市販ローラ搬送型自動現像機としては、イースト
マンコダック社製M−6AW型自動現像機がある。
【0155】 定着液組成(以下、定着液Fという) チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200ml 亜硫酸ナトリウム 20g 硼酸 8g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1g 硫酸アルミニウム 15g 硫酸 2g 氷酢酸 22g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナトリウム若しくは氷酢酸 を用いてpHを4.20に調節する。
【0156】本発明において感光材料は、透明支持体の
両面に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有
し、2枚の増感紙に挟んでX線を照射することにより像
様露光し画像形成を行う。
【0157】本発明の感光材料の処理は、例えば前記
(RD)−17643のXX〜XXI,29〜30頁、或い
は同308119のXX〜XXI,1011〜1012頁に
記載されているような処理液による処理がなされてよ
い。
【0158】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、当然のことながら、本発明は以下に述べる実施例に
限定されるものではない。
【0159】実施例1 (沃化銀微粒子の調製) 溶液A オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で 2000mlにする 溶液B AgNO3 360g 蒸留水で 605mlにする 溶液C KI 352g 蒸留水で 605mlにする 反応容器に溶液Aを加え、40℃に保ち撹拌しながら、
溶液B及び溶液Cを同時混合法により30分を要して定
速で添加した。
【0160】添加中のpAgは常法のpAg制御手段で
13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒径0.06
μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であった。この
乳剤を沃化銀微粒子乳剤と呼ぶ。
【0161】〈六角平板状種乳剤の調製〉以下の方法に
より、沃化銀含有量2.0モル%の六角平板状種乳剤E
M−Aを作成した。
【0162】 溶液D オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l HO−(CH2CH2O)n−〔CH(CH3)CH2O〕17 −(CH2CH2O)mH(n+m=5〜7)10%メタノール溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml 溶液E 硝酸銀 1487.5g 蒸留水で 3500mlにする 溶液F KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で 3500mlにする 溶液G 1.75N KBr水溶液 下記電位制御量 35℃において、特公昭58−58288号明細書に示
された混合撹拌機を用いて、溶液Dに溶液E及び溶液F
の各々64.1mlを同時混合法で2分の時間を要して
添加し、核形成を行った。
【0163】溶液E及び溶液Fの添加を停止した後、6
0分の時間を要して溶液Dの温度を60℃に上昇させ、
再び溶液Eと溶液Fを同時混合法で、各々68.5ml
/minの流量で50分間添加した。
【0164】この間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比
較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Gを用い
て+6mVになるように制御した。添加終了後、3%K
OHによってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行
い種乳剤EM−Aとした。このように作成した種乳剤E
M−Aは、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上
が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりな
り、六角平板の平均厚さ0.07μm、平均直径(円直
径換算)0.5μm、変動係数は25%であることが電
子顕微鏡観察により判明した。
【0165】(低アスペクト比沃化銀乳剤EM−1の調
製)以下の5種類の溶液を用いて1.3モル%AgIを
含有する平板状沃臭化銀乳剤を作成した。
【0166】 溶液H オセインゼラチン 29.4g HO−(CH2CH2O)n−〔CH(CH3)CH2O〕17 −(CH2CH2O)mH(n+m=5〜7)10%メタノール溶液 1.25ml 種乳剤EM−A 2.65モル相当 蒸留水で 3000mlとする 溶液I 3.50N AgNO3水溶液 1760ml 溶液J KBr 730g 蒸留水で 1760にする 溶液K 沃化銀微粒子乳剤 0.06モル相当 溶液L 1.75N KBr水溶液 下記電位制御量 60℃において、特公昭58−58288号明細書に示
された混合撹拌機を用いて、溶液Hに溶液I、及び溶液
Jの各658mlと溶液Kの全量を同時混合法(トリプ
ルジェット法)により添加終了時の流速が添加開始時の
流速の2倍になるように40分の時間を要し第1被覆層
の添加成長を行った。
【0167】その後、引き続き溶液I及び溶液Jの残り
全部をダブルジェット法により添加終了時の流速が添加
開始時の1.5倍になるように70分の時間を要して第
2被覆層の添加成長を行った。
【0168】この間の銀電位は溶液Lを用いて+40m
Vになるように制御した。
【0169】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、
以下に示す方法で沈殿脱塩を行った。
【0170】1.混合終了した反応液を40℃にして、
特開平2−7037号記載の例示凝集高分子剤G−3を
20g/AgX1モル加え、56wt%酢酸を加えてp
Hを表1に示す値まで落とし、静置、デカンテーション
を行った。
【0171】2.40℃の純水1.8l/AgX1モル
加え、10分間撹拌させた後、静置、デカンテーション
を行った。
【0172】3.上記2の工程をもう1回繰り返した。
【0173】4.ゼラチン15g/AgX1モルと炭酸
ナトリウム、水を加えpH6.0にして分散させ、45
0ml/AgX1モルに仕上げた。
【0174】得られた乳剤EM−1の粒子約3000個
を電子顕微鏡により観察、測定した形状を分析したとこ
ろ、全投影面積の90%以上の粒子の主平面が〔11
1〕面である隣接辺比率1.0〜2.0の六角平板粒子
であり、平均円相当直径0.95μm、平均厚さ0.1
7μm、粒径変動係数22%であった。
【0175】(高アスペクト比沃臭化銀乳剤EM−2の
調製)EM−1の調製において、調製中の銀イオン電位
を+5mVになるように制御することによって、全投影
面積の90%以上の粒子の主平面が〔111〕面である
隣接辺比率1.0〜2.0の六角平板粒子であり、平均
円相当直径0.84μm、平均厚さ0.08μm、粒径
変動係数23%であった。
【0176】 (塩化銀乳剤の調製) EM−3(純AgCl平板状粒子)の調製 溶液M 高メチオニンゼラチン(ゼラチン1g当たりメチオニン58μmol) 15g NaCl 2.85g 蒸留水で 6000mlとする 溶液N AgNO3 395g 蒸留水で 580mlにする 溶液O 4.5NNaCl水溶液 下記電位制御量 溶液P 低メチオニンゼラチン(ゼラチン1g当たりメチオニン3μmol) 30g NaCl 27.4g 蒸留水で 375mlとする 85℃において、混合撹拌機中の溶液MのpHを6.2
に調整し、溶液Nの375mlを5分間かけて一定流量
で添加した。この間、溶液Oを使用してpClを2.1
0に維持した。次に溶液Pを添加した後、更に溶液Oで
pClを1.13に維持しながら、直線的に加速(開始
時から終了時まで9.32倍)し、その間に溶液Nの全
量を添加した。添加終了後、過剰な塩類を除去するた
め、EM−1と同様に沈殿脱塩を行った。
【0177】EM−3の粒子約3000個を電子顕微鏡
により観察、測定した形状を分析したところ、全投影面
積の90%以上の粒子の主平面が〔100〕面である隣
接辺比率10以下の直角平行四辺形粒子であり、平均円
相当直径0.67μm、平均厚さ0.13μm、粒径変
動係数18%であった。
【0178】EM−4(AgBr0.10Cl0.90平板状粒
子)の調製 溶液MにKBr28gを追加する以外はEM−3と同様
の調製方法でEM−4を得たEM−4の粒子約3000
個を電子顕微鏡により観察、測定し形状を分析したとこ
ろ、全投影面積の80%以上の粒子の主平面が〔10
0〕面である隣接辺比率10以下の直角平行四辺形粒子
であり、平均円相当直径0.64μm、平均厚さ0.1
4μm、粒径変動係数20%であった。
【0179】EM−5(AgBr0.50Cl0.50平板状粒
子)の調製 溶液MにKBr138gを追加する以外はEM−3の調
製方法と同様の方法でEM−5を調製した。
【0180】EM−5の粒子約3000個を電子顕微鏡
により観察、測定し形状を分析したところ、全投影面積
の75%以上の粒子の主平面が〔100〕面である隣接
辺比率10以下の直角平行四辺形粒子であり、平均円相
当直径0.64μm、平均厚さ0.14μm、粒径変動
係数22%であった。
【0181】得られた各乳剤について、各々分光増感及
び化学増感を行った。
【0182】(分光増感色素の固体微粒子分散物の調
製)下記増感色素(A)及び(B)を100:1の比率
で予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾ
ルバー)で3500rpmにて30〜120分間にわた
って撹拌することによって、分光増感色素の固体微粒子
分散物を得た。このときの増感色素(A)の濃度が2%
になるように調製した。
【0183】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキ
サカルボシアニンナトリウム塩の無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム
塩の無水物 各乳剤を50℃にした後、上記分光増感色素の固体分散
物を、増感色素(A)が銀1モル当たり7.0×10-4
モルになるように添加した後、10分後に銀1モル当た
りチオシアン酸アンモニウムを7.0×10-4モル、塩
化金酸とハイポを最適量添加して化学熟成を行った。上
記化学増感剤添加後40分してから、前記沃化銀微粒子
乳剤を3×10-3モル添加し、その後、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを
3×10-2モル添加して安定化した。
【0184】(試料の作成)各々の乳剤を表1記載の割
合で混合した後、後記の各種添加剤を加えて、乳剤塗布
液とした。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示
す。
【0185】 t−ブチルカテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4.0g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0186】
【化6】
【0187】 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g また、保護層に添加した添加剤は次の通りである。添加
量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0188】 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイダルシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 30mg ビス−ビニルスルフォニルメチルエーテル 36g
【0189】
【化7】
【0190】以上の塗布液を、厚さ175μmの下引き
処理済みのブルーに着色したポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、両面に均一に塗布、乾燥して試料1〜
8を作成した。このとき各試料の片面当たりの銀付量を
1.8g/m2になるように調整した。なお、乳剤層と
下引層の間にクロスオーバーカット物質として下記染料
(a)を下記の方法で分散し、クロスオーバーカット層
として塗布挿入した。
【0191】
【化8】
【0192】分散方法 ボールミル容器に水300ml、他に界面活性剤アルカ
ノールXC(アルキルナフタレン−スルホネート:デュ
ポン社製)3gを入れ、染料(a)を加え、酸化ジルコ
ニウムのビーズを入れて容器を密閉し、4日間ボールミ
ル分散する。その後、ゼラチン水溶液を加えて10分間
混ぜ、前記ビーズを取り除き塗布液とした。
【0193】下記の増感紙を用意した。
【0194】 (増感紙1の製造) 蛍光体 Gd22S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合剤ポリウレタン系熱可塑性エラストマー デモラックTPKL−5−2625 固形分40% (住友バイエルウレタン〔株〕製) 20g ニトロセルローズ(消化度11.5%) 2g 上記にメチルエチルケトン溶媒を加え、プロペラ型ミキ
サーで分散させて粘度25ps(25℃)の蛍光体層形
成用塗布液を調製した。(結合剤/蛍光体比=1/2
2)また、別途に下塗層形成用塗布液として軟質アクリ
ル樹脂固形分90g、ニトロセルロース50gをメチル
エチルケトンを加えて分散、混合して粘度3〜6ps
(25℃)の分散液を調製した。
【0195】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレートベース(支持体)をガラ
ス板上に水平に置き、上記下塗り層形成用塗布液をドク
ターブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、25
℃から100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い
支持体上に下塗り層を形成した。塗布膜の厚さは15μ
mであった。
【0196】この上に上記の蛍光体層形成用塗布液をド
クターブレードを用いて膜厚240μm均一に塗布乾燥
し、次いで圧縮を行った。圧縮はカレンダーロールを用
いて800kgw/cm2の圧力、80℃の温度で行っ
た。この圧縮後、特開平6−75097号の実施例1記
載の方法で厚さ3μmの透明保護層を形成した。
【0197】以上の様にして支持体、下塗層、蛍光体
層、保護層からなる増感紙1を製造した。
【0198】(増感紙2の製造)蛍光増感紙1の製造に
おいて蛍光体層形成用塗布液の膜厚を150μmで塗布
し、圧縮を全く行わない以外は蛍光増感紙1と同様にし
て支持体、下塗層、蛍光体層、保護層からなる放射線蛍
光増感紙2を製造した。
【0199】(放射線増感紙の特性の測定) 1)感度の測定 イーストマン・コダック社製MRE片面ハロゲン化銀写
真感光材料に測定対象の放射線蛍光増感紙をX線源に対
して前面に感光材料、その後に蛍光増感紙を接触状態に
配置して、距離法にてX線露光量を変化させ、Δlog
E=0.15の幅でステップ露光した。露光したハロゲ
ン化銀写真感光材料を後述するハロゲン化銀写真感光材
料特性の測定に記載した方法で現像処理を行い測定試料
を得た。
【0200】測定試料について、可視光にて濃度測定を
行い特性曲線を得た。感度はDmin+濃度1.0を得
るX線露光量の逆数で表し、蛍光増感紙1を100(基
準値)とした相対感度で表した。それらの結果を表1に
示した。
【0201】2)X線吸収量の測定 三相の電力供給で80KVpで運転される固有濾過がア
ルミニウム2.2mm相当のタングステン・ターゲット
管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニウム板を透
過させ、ターゲット管のタングステン・アノードから2
00cmの位置に固定した試料放射線蛍光増感紙に到達
させ、次いでその増感紙を透過したX線量を蛍光増感紙
の蛍光体層から50cm後の位置で電離型線量計を用い
て線量測定し、X線の吸収量を求めた。なお、基準とし
て蛍光増感紙を透過させないで測定した上記測定位置で
のX線量を用いた。
【0202】得られたそれぞれの蛍光増感紙のX線吸収
量の測定値を表1に示す。
【0203】
【表1】
【0204】(感光材料の感度の評価)図1に示す分光
特性を有するフィルタを用い、色温度2856Kのタン
グステン光源(フィルタにより545nmの光〔後に一
緒に用いる放射線蛍光増感紙の主発光波長に対応〕を中
心とする光を選んで用いた。)を照射光として用いて得
られた試料及び比較用試料としてSR−G(コニカ
〔株〕製)を露光し、その感度を測定した。即ち、上記
の照射光を1/25秒間試料感光材料に照射し露光を行
った。
【0205】露光後、試料の感光材料を自動現像機FP
M−5000(富士写真フイルム〔株〕製)にて先に記
載した現像液で35℃にて25秒(全処理時間90秒)
間現像処理を行った。露光面と逆側の面の感光層を剥離
した後、濃度を測定し特性曲線を得た。その特性曲線か
ら最低濃度+0.5の濃度になるのに必要な露光量を算
出し、それを感度として表2に“ルクス秒”で示した。
なお、露光量を算出するに当たり、タングステン光源よ
り発光し、前述のフィルタを透過させた光の照度をIM
−3型照度計(トプコン〔株〕製)で測定した。
【0206】(センシトメトリー評価)得られたハロゲ
ン化銀写真感光材料を 前記蛍光増感紙1及び2で挟
み、ペネトロメータB型(コニカメディカル〔株〕製)
を介してX線を照射後、自動現像機SRX−503を用
い、処理液SR−DF(何れもコニカ〔株〕製)にて現
像温度35℃で全処理時間45秒処理を行った。
【0207】このとき、処理液の補充量は現像液、定着
液ともに210ml/m2とした。
【0208】感度は試料1が最低濃度+1.0の濃度を
得る必要なX線露光量の逆数を100とした相対値で示
した。
【0209】銀色調の評価 作成した試料を現像後の濃度が1.2になるように露光
した後、前記自動現像機を用いて現像処理を行った。得
られた現像済み試料を50℃、80%RHの温湿度下で
7日間保存した後、シャーカステンで観察し、透過光に
よる銀色調を目視により評価した。
【0210】4:純黒調 3:やや赤みを帯びた黒色 2:赤みを帯びた黒色 1:黄色みを帯びた黒色 低補充、迅速処理でのランニング変動の評価 センシトメトリーの評価と同様に、各試料を蛍光増感紙
1に挟んでX線照射後、自動現像機SRX−503を以
下の処理時間になるように改造してSR−DF処理液に
て現像温度35℃で処理を行った。処理液の補充量は現
像液、定着液ともに125mlで処理した。この条件で
大角サイズ(35.6×35.6cm)を1日70枚、
30日間現像して感度変動を確認した。
【0211】現像時間:8秒 定着時間:6.3秒 水洗時間:3.4秒 水洗−乾燥時間(スクイズ):2秒 乾燥時間:5.3秒 全処理時間:25秒 鮮鋭性及び粒状性の評価 感度を評価した各蛍光増感紙/感光材料の組み合わせに
ついて、京都科学製胸部ファントームを120KVp
(3mm厚のアルミニウム等価フィルタ装着)のX線源
を用い、距離140cmの位置にファントームを置き、
その後ろにグリッドレシオ8:1の散乱防止グリッド、
その後に感光材料と蛍光増感紙を置き撮影を行った。
【0212】何れの写真も肺野の最も濃度の高い部分が
濃度1.8±0.5になるようにX線露光量を露光時間
を変えることにより調節した。得られた写真について目
視で観察し、粒状性と鮮鋭性を下記の評価規準で評価し
た。
【0213】粒状性評価規準 A:ほとんど目立たない B:若干目立つ C:目立ち読影に若干支障あり D:非常に目立ち読影に支障あり 鮮鋭性評価規準 A:非常にシャープ B:良好だが僅かにボケがある C:ボケが目立ち読影に若干支障あり D:ボケにより読影困難 結果をまとめて表2に示す。
【0214】
【表2】
【0215】実施例−2 表3に示す乳剤構成で塗布を行い試料9〜16を得た。
これらについて実施例−1と同様の評価を行った。結果
を表3にまとめて示す。
【0216】
【表3】
【0217】
【発明の効果】上記の結果から、本発明の感光材料と本
発明の蛍光増感紙との組み合わせで、高感度、高画質で
鮮鋭性、粒状性の優れ、かつ自動現像機による低補充、
超迅速処理を行っても写真性能の変動の少ないハロゲン
化銀写真感光材料及びX線画像形成方法が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハロゲン化銀写真感光材料の感度測定にタング
ステン光源と組み合わせて用いられる緑色フィルタの特
性を示すスペクトル曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/17 G03C 5/17 5/26 5/26 5/30 5/30 G21K 4/00 G21K 4/00 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に固体分散染料を有する層及
    び、含有するハロゲン化銀粒子が、(a)全投影面積の
    50%以上が8≦アスペクト比≦100で(111)面
    を主平面とする実質的に塩化銀を含まない沃臭化銀粒子
    からなる沃化銀含有率0.01〜2モル%の乳剤と、
    (b)全投影面積の50%以上が1.5≦アスペクト比
    ≦8で(100)面を主平面とするハロゲン化銀粒子か
    らなる塩化銀含有率50〜100モル%の乳剤とを有す
    る層をこの順に有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記乳剤(a)と乳剤(b)とを有する
    層が支持体側から乳剤層(b)を有する層、乳剤(a)
    を有する層の順に分けて設けられることを特徴とする請
    求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 乳剤(a)の(111)面を主平面とす
    る沃臭化銀粒子の平均円相当直径>乳剤(b)の(10
    0)面を主平面とするハロゲン化銀粒子の平均円相当直
    径であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 X線エネルギーが80kVpのX線に対
    して45%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が68
    %以上、80%以下で、かつ蛍光体の厚みが135μm
    以上200μm以下の蛍光増感紙に、請求項1、2又は
    3記載のハロゲン化銀写真感光材料を挟んでX線を照射
    することにより像様露光を行うことを特徴とするX線画
    像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のX線画像形成方法におい
    て、前記ハロゲン化銀写真感光材料の感度が、前記蛍光
    増感紙の主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ半
    値幅が15±5nmの単色光で露光し、下記組成の現像
    液を用いて現像温度35℃、現像時間25秒で現像した
    際の露光面の濃度が最低濃度+0.5になるのに必要な
    露光量が0.027ルクス秒乃至0.040ルクス秒と
    なることを特徴とするX線画像形成方法。 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g 硼酸 10g ハイドロキノン 26g トリエチレングリコール 16g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g 1−フェニル−3−メルカプトテトラゾール 0.01g 氷酢酸 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとした後、pHを10.0に調節する。
  6. 【請求項6】 請求項3及び4記載の蛍光増感紙及びハ
    ロゲン化銀写真感光材料を用いてX線を照射して画像を
    形成する方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料を
    自動現像機を用いて全処理時間40秒以下で処理するこ
    とを特徴とするX線画像形成方法。
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