JP3083647B2 - ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体

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JP3083647B2 JP04193432A JP19343292A JP3083647B2 JP 3083647 B2 JP3083647 B2 JP 3083647B2 JP 04193432 A JP04193432 A JP 04193432A JP 19343292 A JP19343292 A JP 19343292A JP 3083647 B2 JP3083647 B2 JP 3083647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料と放射線増感スクリーンとの新規な組体および、該
組体に用いる放射線増感スクリーン、そしてハロゲン化
銀写真感光材料に関するものである。本発明は、特に感
度と画質のバランスにおいて優れた特性を示すハロゲン
化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの新規な組
体および、該組体に用いる放射線増感スクリーン、そし
てハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用放射線写真において、患者の組織
の画像は、透明支持体に塗布形成された少なくとも一層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む写真感光材料(ハロ
ゲン化銀写真感光材料)を使用し、そのハロゲン化銀写
真感光材料にX線の透過パターンを記録することにより
作られる。X線の透過パターンはハロゲン化銀写真感光
材料を単独に用いて記録することができる。しかしなが
ら、人体が大量のX線の露光にさらされることは望まし
くないため、通常は、ハロゲン化銀写真感光材料に放射
線増感スクリーンを組み合せてX線撮影を行なってい
る。放射線増感スクリーンは、支持体の表面に蛍光体層
を備えてなるもので、その蛍光体層がX線を吸収して、
感光材料にとって感光度の高い可視光に変換するため、
その使用はX線撮影系の感度を顕著に向上させることが
できる。
【0003】X線撮影系の感度を更に向上させる方法と
して、両面に写真乳剤層を有する感光材料、すなわち支
持体の前側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光
層を備えてなるハロゲン化銀写真感光材料を用い、その
両側を放射線増感スクリーン(単に増感スクリーンとも
よぶことがある)ではさんだ状態でX線撮影する方法が
開発されており、現在では、通常のX線撮影は、このよ
うな撮影方法が利用されている。この方法は、一枚の増
感スクリーンの使用では充分なX線吸収量が達成できな
いことから開発された方法である。すなわち、X線吸収
量を増すために一枚の増感スクリーンの蛍光体量を増量
しても、増量のため厚くなった蛍光体層内で変換された
可視光が、蛍光体層内部で散乱、反射するため、増感ス
クリーンから放出されて、増感スクリーンに接して配置
されている感光材料に入射する可視光が大きくぼけてし
まう。また、蛍光体層の深部で発生する可視光は蛍光体
層から出にくいため、むやみに蛍光体量を増加させて
も、増感スクリーンから放出される有効な可視光は増加
しない。従って、適度の厚さの蛍光体層を有する二枚の
増感スクリーンを使用したX線撮影方法は、全体として
のX線吸収量を増大させ、かつ増感スクリーンから有効
に変換された可視光を取り出すことができるとの利点を
有する。
【0004】放射線増感スクリーンとしては、高鮮鋭度
で低発光を示す、蛍光体層が比較的薄いものから、鮮鋭
度は良くないが、高発光を示す、蛍光体層が厚いものま
で非常に広い感度系列にて各種市販されている。一方、
両側に写真乳剤層を備えたハロゲン化銀写真感光材料
は、各種市販されているものの、その感度系列は、最も
低感度のもの(これが標準感度となる)を基準として、
せいぜい2〜3倍の程度のものがあるにすぎない。
【0005】X線撮影を行なう場合において、利用する
増感スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組合せ
は特に指定されているわけではないが、高感度の撮影を
必要とする場合、例えば腰ついの撮影、頭部アンジオグ
ラフィー、拡大撮影などにおいては高発光の増感スクリ
ーンと、標準感度乃至高感度のハロゲン化銀写真感光材
料とを組合せて用いるのが普通である。また画質を重視
する場合、例えば、胸部の単純撮影、胃部造影撮影、骨
の撮影などのにおいては、高鮮鋭度の増感スクリーンと
標準感度のハロゲン化銀写真感光材料とを組合せて用い
るのが普通である。従って、高感度側の増感スクリーン
と感光材料との組合せでは画像の鮮鋭度が低下(すなわ
ち画質が低下)し、一方高い画質を与える増感スクリー
ンと感光材料との組合せでは低感度となる。
【0006】画質と感度のバランスにおいて優れたX線
撮影系を見い出すための研究は、これまでにも絶え間な
く行なわれてきている。たとえば、従来では、タングス
テン酸カルシウム蛍光体の蛍光体層を有する青色発光の
増感スクリーンと、分光増感されていないハロゲン化銀
写真感光材料との組合せ(例、ハイスクリーン・スタン
ダードとRX(いずれも富士写真フィルム株式会社商品
名)との組合せ)が一般的に利用されていたが、最近で
は、テルビウム賦活希土類元素オキシスルフィド蛍光体
の蛍光体層を有する緑色発光の増感スクリーンと、オル
ソ分光増感されたハロゲン化銀写真感光材料との組合せ
(例、グリネックス4とRXO(いずれも富士写真フィ
ルム株式会社商品名)との組合せ)が用いられるように
なり、感度と画質の双方において向上した結果が得られ
ている。
【0007】なお、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料においては、クロスオーバー光による
画質の劣化が発生しやすいとの問題がある。このクロス
オーバー光とは、感光材料の両側に配置されたそれぞれ
の増感スクリーンから放出され、感光材料の支持体(通
常170〜180μm程度の厚いものが用いられる)を
透過して反対側の感光層に届く可視光で、画質(特に鮮
鋭度)の低下をもたらす光である。
【0008】上記のクロスオーバー光を減少させるため
に、これまでに各種の技術が開発されてきた。たとえ
ば、米国特許第4425425号と第4425426号
の明細書に示されている分光増感された高アスペクト比
平板状粒子乳剤を感光性ハロゲン化銀写真乳剤として用
いる発明があり、この発明によってクロスオーバーが1
5〜22%まで減少するとされている。また、米国特許
第4803150号明細書には、現像処理により脱色可
能な微結晶性染料層をハロゲン化銀写真感光材料の支持
体と感光層との間に設ける発明が開示されており、この
発明によりクロスオーバーが10%以下にまで減少する
とされている。
【0009】一方、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組合せを
特定の条件に設定して画質と感度とのバランスにおいて
優れたX線撮影系を見い出そうとの試みもなされてい
る。たとえば、特開平2−266344号公報、同2−
297544号公報、および米国特許4803150号
明細書には、X線照射側の増感スクリーン(前面増感ス
クリーン)と感光層(前面感光層)との組合せにより得
られる光特性(感度)を、反対側の増感スクリーン(後
面増感スクリーン)と感光層(後面感光層)との組合せ
により得られる光特性(感度)とを互いに相違するよう
に設定し、また前者の組合せと後者の組合せとが互いに
相違するコントラストを示すように設定したX線撮影系
が開示されている。一方、フォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング、第26巻、第1号
(1982)の40頁には、スリーエム社製放射線増感
スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組合せにお
いて、Trimax12(スリーエム社の市販増感スク
リーンの商品名)とXUD(スリーエム社の市販ハロゲ
ン化銀写真感光材料の商品名)との組合せが、Trim
ax4(スリーエム社の市販増感スクリーンの商品名)
とXD(スリーエム社の市販ハロゲン化銀写真感光材料
の商品名)との組合せに対して、ほぼ同等の感度、鮮鋭
度(MTF)を示すが、高いNEQ(アウトプットのシ
グナルノイズ比)を与えるとの実験結果を示している。
そして、この結果は、XUDがXDに比べて高い鮮鋭度
を示し、一方ではTrimax12がTrimax4に
比べて高いX線吸収量を示すためと教示している。
【0010】上記のように、これまでにも様々な方式に
よる画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影系を
見い出すための研究が行なわれてきている。しかしなが
ら、たとえば、胸部、胃部のX線画像診断の目的におい
て、これまで開発されてきたX線画像形成方法は依然と
して、充分な高画質と高感度を備えたX線撮影システム
ということはできない。すなわち、胸部のX線画像では
肺野の中の非常に細い血管陰影を末端まで観察できるこ
とが診断上において非常に重要である。しかしながら、
これまでに知られているX線撮影方法では、血管の陰の
コントラストが不足したり、画像の粒子により像が消さ
れてしまったり、また像のボケにより充分な観察ができ
ない。また、胃部のX線画像においても、細部胃壁構造
の描写性において同様に診断上充分なX線画像が得られ
ていない。
【0011】勿論、X線画像の画質のみに注目すれば、
高い画質のX線画像を得ることは、感度の低いハロゲン
化銀写真感光材料に同じく感度の低い放射線増感スクリ
ーンを組合せて用いることにより可能であった。しか
し、このような低感度同士の組合せを利用する場合に
は、必然的に人体へのX線の露光量(被曝量)が増加す
るため、そのような組合せは実用上好ましくなく、特に
集団検診のように、被検者の大部分が健康な人である場
合には、被曝量の増加は極力回避する必要があるため、
実際に利用することができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画質と感度
のバランスにおいて優れた新規なX線撮影系、すなわち
ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの
組体を提供することを主な目的とする。
【0013】本発明は、特に、実用上充分な感度を有
し、かつ画質の向上したX線画像を与えることのできる
新規なハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリー
ンとの組体を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明は、上記の新規なX線撮影系
において有利に用いることのできる放射線増感スクリー
、そしてハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
も、その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化銀
写真感光材料と該感光材料の前側および後側にそれぞれ
配置される二枚の放射線増感スクリーンとからなる放射
線画像形成性の組体であって、 (1)放射線増感スクリーンの内の少なくとも一方は、
X線エネルギーが80KVpのX線に対して25%以上
(好ましくは、32.8%以上)の吸収量を示し、コン
トラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数1本(l
p)/mmで0.79以上(好ましくは、0.802以
上、さらに好ましくは0.869以上)、そして空間周
波数3本(lp)/mmで0.36以上(好ましくは、
0.375以上、さらに好ましくは0.494以上)
ある放射線増感スクリーンであり、そして (2)ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体の前側およ
び後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光層が備えられた
構成を有し、少なくともその内の一方の感光層は、上記
(1)で規定した放射線増感スクリーンの主発光ピーク
波長と同一の波長を有し、かつ半値幅が15±5nmの
単色光で露光し、下記組成の現像液を用い、現像液温度
35℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の
感光層を剥離したのち測定して、該感光層にて得られる
濃度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な
露光量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒と
なる感度を有する、 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調
節する、ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料と
放射線増感スクリーンとの組体にある。
【0016】本発明のハロゲン化銀写真感光材料と放射
線増感スクリーンとの組体は、上述のように、高感度
で、特定の範囲のコントラスト伝達関数(CTF)を示
す放射線増感スクリーンに、特定の範囲の感度を有する
ハロゲン化銀写真感光材料を組合せてなるものであり、
本発明は、そのような特定の組合せにより、画質と感度
のバランスにおいて優れた新規なX線撮影系を提供する
ものである。すなわち、本発明のハロゲン化銀写真感光
材料と放射線増感スクリーンの組体では、それぞれの感
度の配分を規定している。仮に、組体の感度を一定とし
て、X線吸収量が非常に多く、高感度の増感スクリーン
と、低感度の感光材料とを組合せて用いた場合、得られ
る画像の粒状度は極めて良好になるが、鮮鋭度が顕著に
低下する。この場合において、感光材料として低感度で
鮮鋭度の高い感光材料を用いたとしても、得られる画像
の鮮鋭度は充分とならず、診断上好ましいX線画像とな
らない。逆に、X線吸収量の少ない低感度の増感スクリ
ーンと、標準感度もしくは高感度の感光材料を組合せて
用いた場合には、高い鮮鋭度のX線画像が得られるが、
粒状度が悪くなり、同じく診断上好ましいX線画像とな
らない。
【0017】本発明者の研究によると、ハロゲン化銀写
真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体において、
増感スクリーンと感光材料の感度の最適な配分は、組体
の感度レベル、被検体のサイズ等により変化することが
判明した。しかしながら、更に研究を行なった結果、感
光材料として適度な感度を示すものを用い、増感スクリ
ーンとしては、許容される鮮鋭度レベルを維持できる程
度に蛍光体量を多くしてX線吸収量を増加させ、かつ高
いコントラスト伝達関数(CTF)を示すように調製し
たものを用いた場合に、充分な感度で、高画質のX線画
像が得られることが判明した。
【0018】なお、好ましい鮮鋭度のレベルは被検体の
サイズに依存する。胸部及び胃部における臨床的評価に
おいては、変調伝達関数(MTF)の物理量で表現する
と、空間周波数0.5本/mm〜3本/mmに亙る変調
伝達関数が重要であり、その値は1本/mmで0.65
以上、2本/mmで0.22以上である。また、組体の
感度にも制限がある。高感度になる組体を選択すると最
も好ましいバランスを持った組合せにしても胸部等を診
断する上の高画質が得られないからである。逆に低感度
の組体はX線の被曝の問題で好ましくない。
【0019】次に、本発明において用いる放射線増感ス
クリーンについて詳しく説明する。
【0020】放射線増感スクリーンは、基本構造とし
て、支持体と、その片面に形成された蛍光体層とからな
る。蛍光体層は、蛍光体が結合剤(バインダ)中に分散
されてなる層である。なお、この蛍光体層の支持体とは
反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一
般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学
的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0021】本発明の放射線増感スクリーンに用いる蛍
光体として好ましいのは、下記の一般式で表わされるも
のである。 M(w−n)M’X (Mは、金属イットリウム、ランタン、ガドリニウム、
またはルテチウムの少なくとも一つであり、M’は、希
土類元素の少なくとも一種、好ましくは、ジスプロシウ
ム、エルビウム、ユウロピウム、ホルミウム、ネオジ
ム、プラセオジム、サマリウム、セリウム、テルビウ
ム、ツリウム、またはイッテルビウムであり、Xは、中
間カルコゲン(S、Se、またはTe)、あるいはハロ
ゲンであり、nは、0.0002〜0.2であり、そし
てwは、Xがハロゲンであるときは1であり、Xがカル
コゲンであるときは2である。
【0022】本発明の放射線増感スクリーンにおいて使
用するのが好ましい放射線増感用蛍光体の具体例として
は、次のような蛍光体を挙げることができる。 テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y22 S:
Tb、Gd22 S:Tb、La22 S:Tb、
(Y,Gd)22 S:Tb、(Y,Gd)22S:
Tb,Tm等]、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン
化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,
Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、G
dOBr:Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活
希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:T
m、LaOCl:Tm等)。 上記の蛍光体の内で本発明の放射線増感スクリーンに使
用するのが特に好ましい蛍光体としては、テルビウム賦
活ガドリニウム酸硫化物(オキシスルフィド)系蛍光体
を挙げることができる。テルビウム賦活ガドリニウムオ
キシスルフィド蛍光体については米国特許第37257
04号明細書に詳しい記載がある。
【0023】蛍光体層の支持体上への付設は、一般には
以下に説明するような常圧下での塗布方法を利用して行
なわれる。すなわち、粒子状の蛍光体および結合剤を適
当な溶剤中で混合分散して塗布液を調製し、この塗布液
をドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなど
の塗布手段を用いて常圧下にて放射線増感スクリーンの
支持体上に直接塗布した後、塗膜から溶媒を除去するこ
とによって、あるいはあらかじめ塗布液をガラス板など
の仮支持体の上に常圧下にて塗布し、次いで塗膜から溶
媒を除去して蛍光体含有樹脂薄膜を形成させ、これを仮
支持体から剥離して放射線増感スクリーンの支持体上に
接合することによって、蛍光体層の支持体上への付設が
行なわれている。
【0024】本発明において使用する放射線増感スクリ
ーンは、以下に記載するような熱可塑性エラストマーを
結合剤として用い、圧縮処理を行なって蛍光体の充填率
を高める(すなわち、蛍光体層中の空隙率を小さくす
る)ことにより製造したものであることが好ましい。
【0025】放射線増感スクリーンの感度は、基本的に
はパネルに含有されている蛍光体の総発光量に依存し、
この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみなら
ず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異な
る。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に
対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感
度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。
一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場
合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚
を薄くすることができるから、散乱による発光光の広が
りを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得る
ことができる。
【0026】上記の放射線増感スクリーンを製造するに
は、 a)結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する
工程、次いで b)前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の
軟化温度もしくは融点以上の温度で、圧縮しながら前記
蛍光体シートを支持体上に接着する工程、を含む製法に
よって製造することが好ましい。
【0027】まず、工程a)について述べる。放射線増
感スクリーンの蛍光体層となる蛍光体シートは、結合剤
溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を、蛍光体シー
ト形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥したのち仮支持体
からはがすことで製造することができる。すなわち、ま
ず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を添加し、
撹拌混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗
布液を調製する。
【0028】結合剤としては、軟化温度または融点が3
0℃〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、あるい
は他のバインダーポリマーと共に用いる。熱可塑性エラ
ストマーは常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持
つようになるので、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損
を防止することができる。熱可塑性エラストマーの例と
しては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、天然ゴ
ム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレ
ン、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどを挙
げることができる。結合剤における熱可塑性エラストマ
ーの成分比は、10重量%以上、100重量%以下であ
ればよいが、結合剤はなるべく多くの熱可塑性エラスト
マー、特に100重量%の熱可塑性エラストマーからな
っていることが好ましい。
【0029】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどのエーテル;及び、それらの
混合物を挙げることができる。塗布液における結合剤と
蛍光体との混合比は、目的とする放射線増感スクリーン
の特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には
結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100
(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至
1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0030】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を
向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合され
ていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例
としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油
性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。上記のよう
にして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液
を、次に、シート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布
することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作
は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロ
ールコータ、ナイフコータなどを用いることにより行な
うことができる。
【0031】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、
あるいは放射線増感スクリーンの支持体として公知の材
料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例と
しては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリ
アセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質
のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔など
の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート
紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、
ポリビニルアルコールなどサイジングした紙、アルミ
ナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミッ
クスの板あるいはシートなどを挙げることができる。仮
支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥した
後、仮支持体からはがして放射線増感スクリーンの蛍光
体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支持体の表
面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シ
ートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくこと
が好ましい。
【0032】次に工程b)について述べる。まず、上記
のように形成した蛍光体シート用の支持体を用意する。
この支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支
持体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
【0033】公知の放射線増感スクリーンにおいて、支
持体と蛍光体層の結合を強化するため、または放射線増
感スクリーンとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支
持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性
付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性
物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなど
の光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知
られている。本発明において用いられる支持体について
も、これらの各種の層を設けることができ、それらの構
成は所望の放射線増感スクリーンの目的、用途などに応
じて任意に選択することができる。工程a)によって得
られた蛍光体シートを支持体上に載せ、次いで、結合剤
の軟化温度または融点以上の温度で、圧縮しながら蛍光
体シートを支持体上に接着する。
【0034】このようにして、蛍光体シートを支持体上
に予め固定することなく圧縮する方法を利用することに
よりシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷
を防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に比
較して、同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることがで
きる。本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の
例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般
に知られているものを挙げることができる。たとえば、
カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に、工程
a)によって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温
度または融点以上に加熱したローラの間を一定の速度で
通過させることにより行なわれる。ただし、本発明に用
いられる圧縮装置はこれらのものに限られるものではな
く、上記のようなシートを加熱しながら圧縮することの
できるものであればいかなるものであってもよい。圧縮
の際の圧力は、50kgw/cm2 以上であるのが好ま
しい。
【0035】通常の放射線増感スクリーンにおいては、
前述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の
表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するため
の透明な保護膜が設けられている。このような透明保護
膜は、本発明の放射線増感スクリーンについても設置す
ることが好ましい。保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至
20μmの範囲にある。透明保護膜は、たとえば酢酸セ
ルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;
あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの
合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒
に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方
法により形成することができる。あるいは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなる
プラスチックシート;および透明なガラス板などの保護
膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な
接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成する
ことができる。
【0036】本発明の放射線増感スクリーンで用いる保
護膜としては、特に有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含
む塗布膜により形成された膜が好ましい。フッ素系樹脂
とはフッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の
重合体もしくはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分
として含む共重合体をいう。フッ素系樹脂の塗布膜によ
り形成された膜は架橋されていてもよい。フッ素系樹脂
よりなる保護膜は、他の材料やX線フィルムなどとの接
触時にフィルムなどからしみ出る可塑剤などの汚れが保
護膜内部にしみ込みにくいので、拭き取りなどによって
容易に汚れを除去することができるとの利点がある。保
護膜形成材料として有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を用
いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶解して調製した
溶液を塗布し、乾燥することで容易に成膜できる。すな
わち、保護膜は、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含有
する保護膜形成材料塗布液を、ドクターブレードなどを
用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを乾燥するこ
とで形成する。この保護膜の形成は同時重層塗布によっ
て、蛍光体層の形成と同時に行なってもよい。
【0037】フッ素系樹脂は、フッ素を含むオレフィン
(フルオロオレフィン)の重合体もしくはフッ素を含む
オレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポリ
テトラフルオルエチレン、ポリクロルトリフルオルエチ
レン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テト
ラフルオルエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体およびフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体
などを例として挙げることができる。フッ素系樹脂は、
一般に有機溶媒に不溶であるが、フルオロオレフィンを
共重合体成分として含む共重合体は、共重合する他の
(フルオロオレフィン以外の)構成単位によっては有機
溶媒可溶性となるため、該樹脂を適当な溶媒に溶解して
調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥することで容
易に保護膜を成膜することができる。このような共重合
体の例としてはフルオロオレフィン−ビニルエーテル共
重合体を挙げることができる。また、ポリテトラフルオ
ロエチレンおよびその変成体も、パーフルオロ溶媒のよ
うな適当なフッ素系有機溶媒に対して可溶性であるの
で、上記フルオロオレフィンを共重合体成分として含む
共重合体と同様に、塗布によって保護膜を成膜すること
ができる。
【0038】保護膜にはフッ素系樹脂以外の樹脂が含ま
れていてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含
有されていてもよい。しかしながら、前記した目的を充
分に達成するためには、保護膜中のフッ素系樹脂の含有
量は、30重量%以上であることが適当であり、好まし
くは50重量%以上、さらには70重量%以上であるこ
とが好ましい。保護膜に含まれるフッ素系樹脂以外の樹
脂の例としては、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹
脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。
【0039】また、本発明で用いる増感スクリーンの保
護膜は、ポリシロキサン骨格含有オリゴマーもしくはパ
ーフルオロアルキル基含有オリゴマーのいずれか一方、
あるいは両方を含む塗布膜から形成してもよい。ポリシ
ロキサン骨格含有オリゴマーは、たとえばジメチルポリ
シロキサン骨格を有するものであり、少なくとも一つの
官能基(例、水酸基)を有するものであることが望まし
く、また分子量(重量平均)500〜100000の範
囲にあることが好ましい。特に、分子量は1000〜1
00000の範囲にあることが好ましく、さらに300
0〜10000の範囲にあることが好ましい。また、パ
ーフロロアルキル基(例、テトラフロオロエチレン基)
含有オリゴマーは、分子中に少なくとも一つの官能基
(例えば、水酸基:−OH)を含むものであることが望
ましく、分子量(重量平均)500〜100000の範
囲にあることが好ましい。特に、分子量は1000〜1
00000の範囲にあることが好ましく、さらに100
00〜100000の範囲にあることが好ましい。オリ
ゴマーに官能基が含まれているものを用いれば、保護膜
形成時にオリゴマーと保護膜形成樹脂との間で架橋反応
が発生し、オリゴマーが膜形成性樹脂の分子構造に取り
入れられるため、増感スクリーンの長期の繰り返し使
用、あるいは保護膜表面のクリーニングなどの操作によ
っても、オリゴマーが保護膜から取り去られることがな
く、オリゴマーの添加効果が長期間にわたり有効となる
ため、官能基を有するオリゴマーの使用が有利である。
オリゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量%の量で
含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重量%で
含まれていることが好ましい。
【0040】保護膜中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末が含まれていてもよ
い。パーフルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコー
ン樹脂粉末としては、平均粒径が0.1〜10μmの範
囲にあるものが好ましく、特に平均粒径が0.3〜5μ
mの範囲にあるものが好ましい。そして、これらのパー
フルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉
末は、保護膜中に保護膜重量当り0.5〜30重量%の
量で含まれていることが好ましく、特に2〜20重量%
の量で、さらに5〜15重量%の量で含まれているのが
好ましい。
【0041】本発明で用いる放射線増感スクリーンは、
前述のように高感度のものであり、その特性として、コ
ントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数1本/m
mで0.79以上、そして空間周波数3本/mmで0.
36以上を示すように調製されている。
【0042】また、本発明で用いる放射線増感スクリー
ンは、その特性として、空間周波数(1p/mmまたは
本/mm)を横軸にとり、コントラスト伝達関数(CT
F)を縦軸にとったグラフにおいて、下記の1p/mm
値とCTF値とで表わされる各点を順次なめらかな曲線
となるように結んで作成した曲線が表わす1p/mm値
とCTF値との関係と比較して、全ての空間周波数領域
で、上記曲線よりも高いCTF値を示すものであること
が好ましい。1p/mm CTF 0.00 1.00 0.25 0.950 0.50 0.905 0.75 0.840 1.00 0.790 1.25 0.720 1.50 0.655 1.75 0.595 2.00 0.535 .50 0.430 3.00 0.360 3.50 0.300 4.00 0.255 5.00 0.180 6.00 0.130
【0043】放射線増感スクリーンから感光材料へのコ
ントラスト伝達関数の測定および算出は、矩形チャート
をイーストマン・コダック社製のMRE片面材料に焼き
付けた試料を用いて行なうことができる。
【0044】上記のlp/mm値とCTF値とで表わさ
れる各点を順次なめらかな曲線となるように結んで作成
した曲線を、添付図面において図1として示す。このよ
うな特性を有する好ましい放射線増感スクリーンは、先
に述べたような結合剤として熱可塑性エラストマーを用
い、蛍光体層を圧縮処理するような方法で容易に得るこ
とができる。
【0045】放射線増感スクリーンの保護層は、蛍光体
層の上に塗布形成された厚さが5μm以下の透明な合成
樹脂層であることが好ましい。このように薄い保護層を
用いることにより、放射線増感スクリーンの蛍光体から
ハロゲン化銀感光材料までの距離が短くなるため、得ら
れるX線画像の鮮鋭度の向上に寄与することになる。
【0046】次に、本発明において使用するハロゲン化
銀写真感光材料について述べる。本発明で使用するハロ
ゲン化銀写真感光材料は、前述のように支持体の前側お
よび後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光層が備えられ
た構成を有しており、まず、少なくともその内の一方の
感光層が、前記で規定した高感度の放射線増感スクリー
ンの主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ半値幅
が15±5nmの単色光で露光し、下記組成の現像液
(以下、標準現像液、あるいは現像液Aという)を用
い、現像液温度35℃、現像時間25秒で現像処理し、
露光面と逆側の感光層を剥離したのち測定して、該感光
層にて得られる濃度が、最低濃度に0.5を加えた値に
なるのに必要な露光量が0.010ルクス秒から0.0
35ルクス秒(好ましくは、0.012〜0.030ル
クス秒)となる感度を有するものである。 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化カリ
ウムもしくは氷酢酸を用いて、pH10.02に調節す
る。 上記のハロゲン化銀写真感光材料は、その前側に配置し
た放射線増感スクリーンより発光する光に対して、該感
光材料の後側の感光層に放射するクロスオーバーが15
%以下であるように調製されたものであることが好まし
い。
【0047】ハロゲン化銀写真感光材料の感度を測定す
る方法において、用いる露光光源は組合せて使用する放
射線増感スクリーンの発光主ピークの波長に一致もしく
はほぼ一致していなくてはならない。例えば、放射線増
感スクリーンの蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウムオ
キシスルフィドである場合には、主発光のピーク波長が
545nmであるところから、ハロゲン化銀写真感光材
料の感度を測定するときの光源は波長545nm中心と
する光とする。単色光を得る方法としては干渉フィルタ
ーを組合せたフィルター系を用いる方法が利用できる。
この方法によれば、干渉フィルターの組合せにも依存す
るが、通常、必要な露光量を持ち、かつ半値幅が15±
5nmの単色光を容易に得ることができる。なお、ハロ
ゲン化銀写真感光材料は、分光増感処理がなされている
かどうかにかかわらず、その分光感度スペクトルは連続
であって、波長15±5nmの範囲では、その感度は実
質的に変わらないということができる。露光光源の例と
しては、組合せて使用する放射線増感スクリーンの蛍光
体がテルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィドであ
る場合には、タングステン光源(色温度:2856K
゜)と、添付図面の図2に示したフィルター特性を有す
るフィルターとを組合せた系を挙げることができる。
【0048】上記の標準現像液を用いた現像処理の標準
的な条件を更に詳しく説明すると、下記のようになる。 現像時間:25秒(液中21秒+液外4秒) 定着時間:20秒(液中16秒+液外4秒、定着液は下
記組成のもの) 水洗:12秒 スクイズ及び乾燥:26秒 使用する現像装置:市販のローラ搬送自動現像機(例、
富士写真フィルム株式会社製FPM−5000自動現像
機) (現像タンク:容量22リットル、液温35℃) (定着タンク:容量15.5リットル、液温25℃) 同種の市販ローラ搬送自動現像機としては、イーストマ
ンコダック社製M−6AWがある。 定着液(以下、定着液Fという)組成 チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200ml 亜硫酸ナトリウム 20g ホウ酸 8g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1g 硫酸アルミニウム 15g 硫酸 2g 氷酢酸 22g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナト
リウムもしくは氷酢酸を用いて、pH4.2に調節す
る。
【0049】なお、クロスオーバーの測定は、一枚の増
感スクリーンを用い、増感スクリーンの前側に、両側に
感光層を備えた写真感光材料を接触させて置き、次いで
その感光材料の前側に黒紙を接触させて置いた状態で、
X線発生装置のフォーカルスポットと増感スクリーンと
の距離を変えることによりX線照射量を変えて露光して
行なう。露光後の感光材料を現像処理し、これを二分割
して、一方からは、増感スクリーンと接触していた側の
感光層(バック側感光層)を剥離し、他方からは、その
逆側の感光層(フロント側感光層)を剥離する。次い
で、各々の感光層における各露光量に対する濃度をグラ
フ上でプロットし、各感光層の特性曲線を作成する。そ
して各々の特性曲線における直線部分において両者の感
度差ΔlogEの平均値を求め以下の式に従って、クロ
スオーバーを算出する。 クロスオーバー(%)=100/_(antilog
(ΔlogE)+1)_
【0050】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、青色に着色した透明
支持体の両側(前側および後側)にそれぞれ、下塗り
層、必要に応じて設置するクロスオーバー低減のための
染料層、少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀乳剤層、
そして保護層が順次形成されてなる構成を挙げることが
できる。前側および後側の各々の層は、実質的に互いに
同一の層であることが望ましい。
【0051】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは16
0〜200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持
体の上には、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラ
チンなどの水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けら
れる。
【0052】下塗り層の上には、必要に応じて、クロス
オーバー低減のための染料層が設けられる。この染料層
は通常、染料を含むコロイド層として形成され、先に規
定した現像処理にて脱色される染料層であることが望ま
しい。染料層中では、染料が層の下部に固定されてい
て、上層の感光性ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散す
ることのないようにされていることが望ましい。
【0053】上記のような染料を含むコロイド層におけ
る染料の脱色性の向上および固定化の方法は各種知られ
ている。たとえば、EP特許公報第211273B1号
に記載されているカチオン性媒染剤とアニオン性染料と
の組合せ、特開平2−207242号に記載されている
アニオン性官能基を有するエチレン不飽和モノマーをカ
チオン媒染剤に添加して重合して得られる重合分散物を
媒染剤として用い、これにアニオン性染料を組合せる方
法、および米国特許第4803150号に記載の固体状
微結晶染料(微結晶性染料粒子)を用いる方法がある。
これらの方法のなかでは、固体状微結晶染料を用いる方
法が好ましい。上記の染料層は、クロスオーバーを15
%以下とするのに有効である。
【0054】染料層を、カチオン性媒染剤とアニオン性
染料との組合せにより形成させる場合に用いられるアニ
オン性染料の例としては次のものを挙げることができ
る。
【0055】
【化1】
【0056】
【化2】
【0057】
【化3】
【0058】
【化4】
【0059】
【化5】
【0060】また、染料層を、固体状微結晶より形成さ
せる場合に用いられる固体状微結晶の例としては、次の
ものを挙げることができる。
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】染料層の上には、感光性ハロゲン化銀乳剤
層が形成される。本発明の感光材料において使用する感
光性ハロゲン化銀乳剤は、周知の方法で調製することが
できる。ただし、本発明において用いられるハロゲン化
銀乳剤は、X線写真感光材料用のハロゲン化銀乳剤とし
ては比較的低感度のものであるので、一般的にはサイズ
の小さなハロゲン化銀粒子からなる乳剤を用いることが
好ましい。好ましいハロゲン化銀粒子のサイズは、非平
板型(アスペクト比が1に近いもの)の粒子について
は、投影面積の円相当直径の平均値が0.3〜0.8μ
m(特に好ましいのは0.5〜0.7μm)のものであ
り、一方、平板状粒子においてはアスペクト比が5/1
〜10/1であるとき、投影面積の円相当直径の平均値
が0.4〜1.4μm(特に好ましいのは0.5〜1.
0μm)のものである。
【0067】また、ハロゲン化銀乳剤の感度を低下させ
る他の方法としては、染料を添加する方法、および分光
増感あるいは化学増感の程度を下げる方法などがある。
【0068】なお、ハロゲン化銀写真感光材料は、一緒
に用いる増感スクリーンに対して感光性を持たなくては
ならない。通常のハロゲン化銀乳剤は、青色光〜紫外光
の範囲の光に対して感光性を持っているので、増感スク
リーンから発光する光が青色光〜紫外光の範囲のもの
(例えば、増感スクリーンの蛍光体としてタングステン
酸カルシム蛍光体を用いた場合がこれに該当する。)で
あればよいが、たとえば主波長545mmの光を発光す
るテルビウム賦活カドリニウムオキシスルフィド蛍光体
を用いた増感スクリーンを用いる場合には、感光材料の
ハロゲン化銀は緑色に分光増感されている必要がある。
【0069】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て用いるのに好ましいハロゲン化銀乳剤は、平板状ハロ
ゲン化銀粒子からなるものである。すなわち、平板状ハ
ロゲン化銀粒子乳剤は、感度と粒状性のバランスが良
く、分光増感特性が良い点、そしてクロスオーバーを減
じる能力が高い点などにおいて有利である。
【0070】平板状ハロゲン化銀粒子乳剤の製法につい
ては、近年各種の改良がなされており、本発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料の製造に用いる平板状ハロゲン化銀
粒子乳剤の調製に際しても、それらの改良技術を利用す
ることができる。そのような改良技術の例としては、還
元増感とメルカプト化合物、あるいは或る種の色素との
組合せによる圧力特性を良好にする技術、セレン化合物
による増感技術、粒子表面のヨード含量を減少させるこ
とによるローラ搬送時の圧力マーク減少技術、乳剤二層
構成の場合に、それぞれの層の銀/ゼラチン比率を最適
化することで、ローラ搬送時の圧力マークの減少と乾燥
性とのバランスを向上させる技術等である。これ等の技
術については、特願平3−145164号、同3−22
8639号、同2−89379号、同2−288898
号、同2−225637号、同3−103639号の各
出願明細書に述べられている。
【0071】なお、前述のように、本発明のハロゲン化
銀写真感光材料には、前記の現像処理条件にて脱色され
る染料層が設けられることが好ましいが、そのために
は、染料層の上層の感光層のバインダーの使用量を低く
押えることが好ましい。即ち、感光層のバインダー使用
量は5g/m2 以下とするのが好ましく、特に3g/m
2 以下とするのが好ましい。一方、感光層中の銀の含有
量は3g/m2 以下とするのが好ましく、特に2g/m
2 以下とするのが好ましい。
【0072】本発明の組体において使用するハロゲン化
銀写真感光材料は、X線によって階段露光し、前記の現
像処理条件にて得られる露光画像が、光学濃度(D)及
び露光量(logE)の座標軸単位長の等しい直交座標
上の特性曲線において、最小濃度(Dmin )+濃度0.
1の点と最小濃度(Dmin )+濃度0.5の点とで作る
平均ガンマ(γ)が0.5〜0.9であり、そして最小
濃度(Dmin )+濃度1.2の点と最小濃度(Dmin )
+濃度1.6の点とで作る平均ガンマ(γ)が3.2〜
4.0である特性曲線を有するように調製されているこ
とが好ましい。本発明のX線撮影系において、このよう
な特性曲線を有するハロゲン化銀写真感光材料を用いる
と、脚部が非常に延びていて、かつ中濃度部ではガンマ
の高いといった優れた写真特性のX線画像が得られる。
この写真特性により、X線透過量の少ない縦隔部、心陰
影等の低濃度域の描写性が良好になり、かつX線透過量
の多い肺野部の画像においても視覚し易い濃度となり、
またコントラストも良好になるとの利点がある。
【0073】上記のような好ましい特性曲線を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料は、たとえば、両側の感光層の
それぞれを、互いに異なった感度を持つ二層以上のハロ
ゲン化銀乳剤層から構成するような方法で容易に製造す
ることができる。特に、上層には高感度の乳剤を用い、
下層には低感度で硬調な写真特性を有する乳剤を用い
て、感光層を形成することが好ましい。このような二層
からなる感光層を用いる場合における各層間の乳剤感度
差は1.5倍以上、好ましくは2倍以上である。なお、
それぞれの層の形成に用いられる乳剤の量の比率は、用
いられる乳剤の感度差およびカバリングパワーにより異
なる。一般には、感度差が大きい程、高感度側の乳剤の
使用比率を下げる。たとえば、感度差が2倍であるとき
の好ましい各乳剤の使用比率は、カバリングパワーがほ
ぼ等しい場合には、銀量換算で、高感度乳剤対低感度乳
剤として1:20〜1:5の範囲の値となるように調整
される。
【0074】上記のようにして製造した、支持体の両側
に設けられた下塗り層と感光層との積層体の上に、常法
に従って、ゼラチンなどの水溶性高分子材料からなる保
護層が設けられ、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を
得ることができる。
【0075】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0076】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行から 同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−1158 37号公報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄1 0行目
【0077】次に、本発明の組体について説明する。本
発明の組体において、放射線増感スクリーンとハロゲン
化銀写真感光材料とは、特定範囲の空間周波数値を示
し、X線吸収量を示す高感度の放射線増感スクリーン
と、特定範囲の感度を示すハロゲン化銀写真感光材料と
の任意の組合せでよい。ただし、好ましい組合せとして
は、X線エネルギーが80KVpのX線に対して30〜
40%の吸収量を示す放射線増感スクリーンと、先に規
定した感度の値が0.012〜0.015ルクス秒であ
るハロゲン化銀写真感光材料との組合せを挙げることが
できる。この範囲の組合せによれば、標準的な感度で高
画質なX線画像を得ることができる。また、X線エネル
ギーが80KVpのX線に対して30〜40%の吸収量
を示す放射線増感スクリーンと、先に規定した感度が
0.02〜0.03ルクス秒であるハロゲン化銀写真感
光材料との組合せも好ましい組合せで、この場合には、
実用的に問題がない感度(すなわちX線の被曝量が許
できる範囲)で更に優れた画質のX綿画像を得ることが
できる。
【0078】本発明の組体においては、前側および後側
の感光層が前述の感度の要件を満たし、かつ互いに実質
的に同一の特性を有するハロゲン化銀写真感光材料を用
い、その両側(前側と後側)に、前述の特性を有する放
射線増感スクリーンを互いに実質的に同一の特性を有す
るように組合せて用いることが好ましい。ただし、画像
鮮鋭度と感度とのバランスを良くするために、前側の増
感スクリーンと後側の増感スクリーンとを、米国特許第
4710637号に記載されているように、前増感スク
リーンの蛍光体塗布量を、後増感スクリーンの蛍光体塗
布量よりも低減させることにより、画質と感度のバラン
スの向上を図ることもできる。
【0079】本発明の組体においては、実用上において
問題が生じない感度を有し、かつ撮影により得られるX
線画像の画質が高レベルにあるようにするために、組体
の感度として、80KVp、三相X線源を用いた場合に
0.5〜1.5mRの露光により、先に規定した現像液
および現像条件にて現像処理したときに濃度1.0を得
ることができるようにハロゲン化銀写真感光材料と二枚
の放射線増感スクリーンとを組合せて使用することが好
ましい。
【0080】次に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
と二枚の放射線増感スクリーンとの組体の評価のために
用いた測定技術およびその根拠について説明する。X線
写真撮影に用いるハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
感スクリーンとの組体の画像効率の測定方法として一般
的に利用されているものとして、量子検出効率(DQ
E)の測定があり、また鮮鋭度と粒状度とを総合的に評
価する画像測定方法としては、雑音等価量子(NEQ)
の測定がある。DQEは、組体を用いたX線撮影により
最終的に感光材料上に形成される画像の(信号/ノイ
ズ)2 値を入力X線の(信号/ノイズ)2 値で除した値
であって、理想的な画像形成が行なわれた場合には、そ
の値は「1」となるが、通常では、1に満たない数値と
なる。一方、NEQは、最終画像の(信号/ノイズ)2
値で表される数値である。そして、DQEとNEQと
は、下記の式により表わされる関係を有する。 DQE(ν)=NEQ(ν)/Q NEQ(ν)={log e×γ(MTF(ν)}2 /NPS0 (ν) (式中、γはコントラストを意味し、MTF(ν)は画
像の変調伝達関数)を意味し、NPS0 (ν)は出力ノ
イズパワースペクトルを意味し、νは空間周波数を意味
し、そしてQは入射X線量子数を意味する。)
【0081】感度と画質との関係についてはDQEを利
用して評価することができる。高いDQEを持つ組体
は、感度と画質とのバランスが優れていることを意味す
る。一方、最終画像の画質についてはNEQを利用して
評価することができる。すなわち、NEQが高い程、画
質が良いと判定することができる。ただし、NEQは物
理的な画質評価を意味する値であり、必ずしも臨床的な
画像の識別性と一対一の対応があるということはできな
い。なぜならば、画像の粒状度と鮮鋭度とにおいて極端
な偏りがあると、臨床的には視認性の高い画質というこ
とはできない。従って、臨床的な立場で考えるて画質を
評価するためには、NEQとMTFとの両方にて評価す
ることが望ましい。
【0082】
【実施例】
[実施例1] (1)下記の放射線増感スクリーンをそれぞれ二枚一組
(前置用および後置用)で用意した。 HR−3 (富士写真フィルム株式会社製市販品) HR−4 (富士写真フィルム株式会社製市販品) HR−8 (富士写真フィルム株式会社製市販品) 放射線増感スクリーンA(試作品A) 放射線増感スクリーンB(試作品B)
【0083】1)放射線増感スクリーンAの製造 蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体(Gd2
2S:Tb)200g、結合剤A(ポリウレタン、住友
バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモラックTPKL
-5-2625[固形分40%])20g、および結合剤B
(ニトロセルロース、硝化度11.5%)2gを、メチ
ルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサーで分散さ
せて、粘度が30PS(25℃)の塗布液を調製した
(結合剤/蛍光体比=1/20)。これをシリコーン系
離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレート
(仮支持体、厚み180μm)上に、膜厚が160μm
となるように塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離し
て蛍光体シートを形成した。別に下塗層形成用塗布液と
して、軟質アクリル樹脂90gとニトロセルロース50
gとをメチルエチルケトンに加え、混合分散して、粘度
が3〜6PS(25℃)の分散液を調製した。
【0084】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃にまで徐々に温度を上昇させて塗布膜の乾燥を
行ない、支持体上に下塗層を形成した(塗布膜の厚さ:
15μm)。この上に最初に作成しておいた蛍光体シー
トを載せ、カレンダーロールを用い、400Kgw/c
2 の圧力、80℃の温度で加圧圧縮操作を行った。
【0085】別に、フッ素系樹脂(フルオロオレフィン
・ビニルエーテル共重合体、旭硝子(株)製、商品名:
ルミフロンLF100)70g、架橋剤(イソシアネー
ト、住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジ
ュールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー
(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基
(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業(株)
製、商品名:X−22−2809)5gをトルエン・イ
ソプロピルアルコール(1:1、体積比)混合溶媒に添
加し、保護膜形成用塗布液を調製した。上記の保護膜形
成用塗布液を、先に支持体上で加圧圧縮操作を施した蛍
光体シートの表面にドクターブレードを用いて塗布し、
120℃にて30分間加熱処理して、乾燥と熱硬化を行
なわさせ、厚さ3μmの透明保護膜を形成した。以上の
ようにして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜か
ら構成された放射線増感スクリーンAを製造した。
【0086】2)放射線増感スクリーンBの製造 蛍光体シートの膜厚が230μmとなるように蛍光体シ
ートを形成した以外は、上記の放射線増感スクリーンA
の製造法を繰り返すことにより、支持体、下塗層、蛍光
体層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーン
Bを製造した。
【0087】(2)放射線増感スクリーンの特性の測定 1)X線吸収量の測定下記光源の X線を、ターゲット管のタングステン・アノ
ードから200cmの位置に固定した試料放射線増感ス
クリーンに到達させ、次いでその増感スクリーンを透過
したX線の量を、増感スクリーンの蛍光体層から50c
m後の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収
量を求めた。なお、基準としては、増感スクリーンを透
過させないで測定した上記測定位置でのX線量を用い
た。それぞれの増感スクリーンのX線吸収量の測定値を
表1に示す。
【0088】2)コントラスト伝達関数(CTF)の測
定 イーストマン・コダック社製MRE片面感光材料を、測
定対象の増感スクリーンに接触状態に配置し、MTF測
定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:80μm,空
間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影した。X
線管球から2mの位置にチャートを置き、X線源に対し
て前面に感光材料、そしてその後に増感スクリーンを配
置した。使用したX線管球は(株)東芝製DRX−37
24HDであり、タングステンターゲットを用い、フォ
ーカルスポットサイズ0.6mm×0.6mmとし、絞
りを含め、3mmのアルミニウム等価材料を通り、X線
を発生するものである。三相にパルス発生器で80KV
の電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmの
フィルターを通したX線を光源とした。撮影後の感光材
料は、富士写真フィルム(株)製のローラー搬送型自動
現像機(FPM−5000)で、富士写真フィルム
(株)製の現像液RD III(前記の現像液Aと同一
の組成を有するもの)を用い35℃、そして定着液F
(チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量)200m
l、亜硫酸ナトリウム20g、ホウ酸8g、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム(2水塩)0.1g、硫酸ア
ルミニウム15g、硫酸2g、および氷酢酸22g、に
水を加えて1リットルとしたのち、pHを4.2に調節
したもの)を用い25℃の条件で先に記載した現像処理
を行ない、測定試料を作成した。なお、先のX線撮影時
の露光量は、この現像処理後の最高濃度と最低濃度との
平均値が1.0となるように調節した。
【0089】次に測定試料をマイクロデンシトメータで
操作した。この時のアパーチャアは操作方向が30μ
m、それに垂直な方向が500μmのスリットを使用
し、サンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測
定した。この操作を20回繰り返して平均値を計算し、
それをCTFを計算する基の濃度プロフィールとした。
その後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩形波の
ピークを検出し、各周波数毎の濃度コントラストを算出
した。空間周波数1本/mmと3本/mmについて測定
された値を表1に示す。
【0090】3)感度の測定 CTFの測定で用いたものと同じX線源を用い、緑色増
感されているイーストマン・コダック社製MRE片面感
光材料を組合せ、距離法にてX線露光量を変化させ、l
ogE=0.15の幅でステップ露光した。露光後に感
光材料をCTF測定時と同じ条件にて現像処理を行な
い、測定試料を得た。測定試料について可視光にて濃度
測定を行ない、特性曲線を得た。Dmin +1.0の濃度
を得るに必要なX線露光量の逆数で感度を表わし、後側
配置用増感スクリーンHR−4(富士写真フィルム株式
会社製市販品)を基準(「100」とした)にとり、相
対的な感度を調べた。その結果を表1に示す。
【0091】 表 1 ──────────────────────────────────── 増感スクリーン X線吸収量 感度 CTF(1本/mm) CTF(3本/mm) ──────────────────────────────────── HR−3(前側) −−− −− 0.890 0.660 HR−3(後側) −−− −− 0.889 0.660 HR−4(前側) −−− −− 0.850 0.510 HR−4(後側) −−− −− 0.850 0.506 HR−8(前側) −−− −− 0.775 0.340 HR−8(後側) −−− −− 0.763 0.336 増感スクリーンA 32.8% 200 0.869 0.494 増感スクリーンB 43.2% 270 0.802 0.375 ────────────────────────────────────
【0092】(3)下記のハロゲン化銀写真感光材料を
用意した。 Super HRS (富士写真フィルム株式会社製市
販品) ハロゲン化銀写真感光材料I(試作品I) ハロゲン化銀写真感光材料II(試作品II) ハロゲン化銀写真感光材料III(試作品III) ハロゲン化銀写真感光材料IV(試作品IV)
【0093】1)ハロゲン化銀写真感光材料Iの製造 (微粒子単分散平板状粒子乳剤の製造)1リットルの水
に臭化カリウム6.0gとゼラチン8.0gとを添加
し、この混合液を撹拌し、55℃に維持しながら、これ
に、硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4.0g)と臭化カ
リウム5.7gを含む水溶液38ccとをダブルジェッ
ト法により37秒間で添加した。次に、この液にゼラチ
ン18.6gを添加したのち、70℃まで昇温させ、硝
酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間かけ
て添加した。次いで、25%のアンモニア水溶液7cc
を添加し、そのままの温度で10分間物理熟成させたの
ち、100%酢酸6.5ccを添加した。次いで、硝酸
銀153gの水溶液と臭化カリウム水溶液とを、上記の
液をpAg8.5に保ちながら、これにコントロールダ
ブルジェット法で35分間かけて添加した。更に、この
液に、2Nのチオシアン酸カリウム水溶液15ccを添
加した。5分間そのままの温度で放置して物理熟成さ
せ、次いで温度を35℃に下げた。上記の方法により、
平均投影円面積相当直径が1.10μm、厚み0.16
5μm、変動係数が18.5%の単分散純臭化銀平板状
粒子を含むハロゲン化銀乳剤を得た。この後、沈降法に
より塩類を除去した。再び乳剤を40℃に昇温して、こ
れにゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.8gを添加し、水酸化ナトリウムと硝酸銀溶液でp
H5.90、pAg8.25に調整した。次に、上記の
乳剤を撹拌しながら、56℃に保った状態で、ハロゲン
化銀の化学増感を行なった。すなわち、上記乳剤に、ヨ
ウ化銀微粒子を0.1モル%の割合で添加し、二酸化チ
オ尿素0.043mgを添加したのち、22分間そのま
まの状態で保持して還元増感を行なった。次に、還元増
感した乳剤に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン20mgと下記増感色素:
【0094】
【化11】
【0095】を400mg添加し、さらに塩化カルシウ
ム0.83gを添加した。引き続き、チオ硫酸ナトリウ
ム1.3mg、下記セレン増感剤2.7mg:
【0096】
【化12】
【0097】塩化金酸2.6mg、そしてチオシアン酸
カリウム90mgを添加し、40分後に35℃に冷却し
て、微粒子単分散平板状粒子乳剤を得た。
【0098】(塗布液の製造) イ)ハロゲン化銀乳剤塗布液 上記の微粒子単分散非平板状粒子乳剤に、下記の物質を
ハロゲン化銀1モル当りの量で下記の量となるように添
加して、乳剤塗布液を得た。 ゼラチン 65.6g トリメチロールプロパン 9.0g デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g 硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、 膨潤率が230%の値となるように添加量を調整)
【0099】
【化13】
【0100】
【化14】
【0101】ロ)表面保護層形成用塗布液 塗布量で1m2 当り下記の量となる各成分を含む塗布液
を調製した。 ゼラチン 0.966g ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023g 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン 0.015g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005g
【0102】
【化15】
【0103】 C1633O(CH2 CH2 O)10H 0.045g C1733CON(CH3 )CH2 CH2 SO3 Na 0.0065g C817SO2 N(C37 )(CH2 CH2 O)15H 0.003g C817SO2 N(C37)(CH2 CH2 O)4(CH2)4 HSO3 Na 0.001g
【0104】
【化16】
【0105】
【化17】
【0106】(支持体)二軸延伸された厚さ175μm
の青色染色ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面
をコロナ放電処理し、下記の各成分がそれぞれ下記の塗
布量(片面当り)となるように混合調製した塗布液をワ
イヤーバーコーターを用いて、順次塗布し、それぞれ二
層からなる下塗り層を形成した。
【0107】 イ)下塗り下層 ブタジエン・スチレン共重合体ラテックス (ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 0.322g/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s− トリアジン・ナトリウム塩 8.4mg/m2
【0108】
【化18】
【0109】
【化19】
【0110】ロ)下塗り上層 ゼラチン 300mg/m ポリエチレンアクリレート 20mg/m 1225O(CHCHO)10H 4mg/m
【0111】
【化20】
【0112】 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径2.5μm) 2.5mg/m2
【0113】(感光材料)前記のハロゲン化銀乳剤塗布
液と表面保護層形成用塗布液とを同時重層法により、上
記の両面下塗り層付き支持体の各面に順次塗布して、両
側にハロゲン化銀乳剤層と表面保護層とが形成されたハ
ロゲン化銀写真感光材料Iを製造した。なお、塗布量
は、ハロゲン化銀乳剤塗布液については、銀量が片面当
り1.8g/m2 となるようにした。
【0114】2)ハロゲン化銀写真感光材料IIの製造 容器内の最初のゼラチン量を6gに変えた以外は、ハロ
ゲン化銀写真感光材料Iの乳剤製造法をそのまま利用し
て、平均投影円面積相当直径が1.00μm、厚み0.
160μm、変動係数が17.5%の単分散純臭化銀平
板状粒子を含むハロゲン化銀乳剤を得た。次に上記ハロ
ゲン化銀乳剤に、ハロゲン化銀写真感光材料Iの乳剤製
造工程で行なったと同じ増感処理を行なって塗布用乳剤
を調製し、この乳剤を用いて、ハロゲン化銀写真感光材
料Iと同じ材料、工程により、片面当り1.64g/m
2の銀量のハロゲン化銀写真感光材料IIを製造した。
【0115】3)ハロゲン化銀写真感光材料III の製造 容器内の最初のゼラチン量を6gに変え、維持温度を5
0℃に変えた以外は、ハロゲン化銀写真感光材料Iの乳
剤製造法をそのまま利用して、平均投影円面積相当直径
が0.85μm、厚み0.155μm、変動係数が1
9.0%の単分散純臭化銀平板状粒子を含むハロゲン化
銀乳剤を得た。次に上記ハロゲン化銀乳剤に、ハロゲン
化銀写真感光材料Iの乳剤製造工程で行なったと同じ増
感処理を行なって塗布用乳剤を調製し、この乳剤を用い
て、ハロゲン化銀写真感光材料Iと同じ材料、工程によ
り、片面当り1.50g/m2の銀量のハロゲン化銀写
真感光材料III を製造した。
【0116】4)ハロゲン化銀写真感光材料IVの製造 容器内の最初のゼラチン量を5gに変え、維持温度を4
0℃に変えた以外は、ハロゲン化銀写真感光材料Iの乳
剤製造法をそのまま利用して、平均投影円面積相当直径
が0.65μm、厚み0.155μm、変動係数が1
8.0%の単分散純臭化銀平板状粒子を含むハロゲン化
銀乳剤を得た。次に上記ハロゲン化銀乳剤に、ハロゲン
化銀写真感光材料Iの乳剤製造工程で行なったと同じ増
感処理を行なって塗布用乳剤を調製し、この乳剤を用い
て、ハロゲン化銀写真感光材料Iと同じ材料、工程によ
り、片面当り1.38g/m2の銀量のハロゲン化銀写
真感光材料IVを製造した。
【0117】(4)ハロゲン化銀写真感光材料の特性の
測定 1)感度の測定 添付図面の図2に示すフィルター特性を有するフィルタ
ーを用い、色温度が2856K゜のタングステン光源
(フィルターにより545nmの光−−後に一緒に用い
る放射線増感スクリーンの主発光波長に対応−−を中心
とする光を選んで用いた)を照射光として用いて写真感
光材料を露光し、その感度を測定した。即ち、上記の照
射光をニートラルなステップウエッジに通し1/20秒
間感光材料に照射して露光を行なった。露光後に感光材
料を、自動現像機(富士写真フィルム株式会社製、商品
名FPM−5000)にて、現像液RDIII(富士写
真フィルム株式会社製、先に記載した現像液Aと同一組
成を有するもの)を用い、35℃にて25秒(全処理時
間90秒)現像した。露光面と逆側の感光層を剥離した
のち、濃度を測定し、特性曲線を得て、その特性曲線か
ら最低濃度(Dmin)に0.5加えた濃度となるに必
要な露光量を算出し、それを感度として表2にルクス秒
で示した。なお、露光量を算出するに当り、タングステ
ン光源より発光し、フィルターを透過させた光の照度を
PI−3F型照度計(更正済みのもの)測定した。
【0118】2)クロスオーバーの測定 ハロゲン化銀写真感光材料を、放射線増感スクリーンA
(テルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィド蛍光体
(主発光波長:545nm、緑色光)を用いたもの)と
黒紙とではさみ、黒紙側からX線を照射した。X線源と
しては、増感スクリーンの評価において用いたものと同
一のものを用いた。X線照射量を距離法により変えて、
X線を照射した。照射の後、感光材料を上記の感度の測
定において行なった処理と同じ方法で、現像処理した。
現像処理した感光材料を、二分割し、それぞれの感光層
を剥離した。増感スクリーンと接触していた側の感光層
の濃度は、逆側の感光層の濃度と比べると高くなってい
た。それぞれの感光層について特性曲線を得て、その特
性曲線の直線部分(濃度0.5から1.0まで)におけ
る感度差(ΔlogE)の平均値を求め、この平均値か
ら以下の式によりクロスオーバーを算出した。 クロスオーバー(%)=100/( antilog(Δ logE)+1) なお、増感スクリーンを他のものに変えた場合でも、ほ
ぼ同じ値が得られた。
【0119】算出されたクロスオーバー(%)を表2に
示す。 表 2 感光材料 片面の感度(Dmin +0.5) クロスオーバー Super HRS 0.0076ルクス秒 18% 感光材料 I 0.0070ルクス秒 20% 感光材料 II 0.0105ルクス秒 21% 感光材料 III 0.0140ルクス秒 22% 感光材料 IV 0.0250ルクス秒 24%
【0120】(5)ハロゲン化銀写真感光材料と放射線
増感スクリーンとの組体の特性評価 1)感度およびガンマの測定 評価対象の感光材料を、同じく評価対象の増感スクリー
ン二枚にて、常法通りはさんで配置した以外は、前述の
増感スクリーンの感度測定と同じ方法を利用して、露
光、現像処理を行なった。感度は、最低濃度(Dmi
n)+1.0の濃度を得るのに必要なX線露光量の逆数
を、組体HR−4/Super HRSの感度を基準
(100とする)として相対値にて示した。ガンマは濃
度0.8から濃度1.2の間の平均ガンマで示した。
【0121】2)MTFの測定 評価対象の感光材料を、同じく評価対象の増感スクリー
ン二枚にて、常法通りはさんで配置し、前記のMTF測
定用矩形チャートを撮影した。前記のX線管球から2m
の位置にチャートを置き、X線露光した。撮影後の感光
材料は、前記のローラー搬送型自動現像機(FPM−5
000)を用い、同様にして、現像処理を行ない、測定
試料を作成した。なお、X線撮影時の露光量も前記と同
様に調節した。次に測定試料をマイクロデンシトメータ
で操作し、濃度プロフィールを測定した。この操作を2
0回繰り返して平均値を計算し、それをCTFを計算す
る基の濃度プロフィールとした。その後、この濃度プロ
フィールの各周波数毎の矩形波のピークを検出し、各周
波数毎の濃度コントラストを算出した。次に別に求めた
特性曲線を用いて前記の濃度コントラストを有効露光量
矩形コントラストに変換した。MTFを導出するため
に、まずモデルMTF(ν)として、MTF(ν)=b
(1+(au)−1 (aとuは、それぞれパラメ
ータ)を仮定した。コルトマンの式の導出と同様の手順
で、有効露光量矩形コントラストを、MTF(ν)とそ
の高周波成分MTF(3)、MTF(5)、〜〜〜〜〜
〜〜、MTF(111)で表現し、実験値に合うように
上記のパラメータを決定した。この式変形の手順は、内
田他著「放射線画像情報工学(I)」(通商産業研究
社、1981年発行)の171頁に詳しく記載されてい
る。そして、その値を上式に代入して、MTF(ν)を
求めた。
【0122】 3)ノイズパワースペクトル(NPS0 (ν))の測定 MTFの測定と同じX線源(80Kvp、3mmアルミ
ニウム等価材料、水7cm幅のフィルタを使用)を用
い、X線管球から2mの位置に組体を置き、露光を与
え、感光材料を現像したとき、濃度が1.0となるよう
に露光量を調節し、NPS0 測定試料を作成した。得ら
れた試料をマクロデンシトメーターで走査した。この時
のアパーチャは走査方向が30μm、それに垂直な方向
が500μmのスリットを使用し、サンプリング間隔2
0μmにて濃度を測定した。8192(点/ライン)X
12(ライン)サンプリングを行ない、その結果から2
56点毎に分割してFFT処理を行なった。FFTの平
均回数は1320回である。この結果からノイズパワー
スペクトルを算出した。
【0123】4)NEQの算出 NEQ(ν)=(log10e×γ・MTF(ν))2 /NPS0 (ν) の式に従って計算を行ない、組体HR−4/Super
HRSのNEQ値を基準(100とする)として相対
値にて示した。結果については、空間周波数1本/mm
と3本/mmの値を代表値として示した。
【0124】5)DQEの算出 DQE(ν)=NEQ(ν)/Q (Qは入射X線量
子数) の式に従い計算した。NEQ(ν)は上記の相対値を用
い、Qは組体の感度に逆比例するので、上記の式は次の
ように表わすことができる。 相対DQE(ν)=相対NEQ×相対感度 この式より相対DQE(ν)を求め、組体HR−4/S
uper HRSのDQE値を基準(100とする)と
して相対値にて示した。結果については、空間周波数1
本/mmと3本/mmの値を代表値として示した。
【0125】6)目視評価 京都化学(株)製胸部ファントーム、三相12パルス1
00KVp(3mm厚のアルミニウム等価フィルター装
着)、フォーカルスポットサイズ0.6mm×0.6m
mのX線源を用い、距離140cmの位置にファントー
ムを置き、そしてその後にグリッドレシオ8:1の散乱
線防止グリッド、そしてその後に感光材料と増感スクリ
ーンとの組体を置き、撮影を行なった。現像処理は、写
真特性の測定の場合と同様に、自動現像機FPM−50
00、現像液RDIII、そして前述の定着液Fを用い、3
5℃で90秒処理(現像時間は25秒)をした。
【0126】肺野の中のある一点を定め、その濃度が
1.6となるようにX線露光量を、露光時間を変えるこ
とにより調節した。仕上った胸部ファントーム写真をシ
ャーカステンに並べ目視評価を行なった。主として肺野
の中の血管陰影の見え易さを評価し、極めて良好をA、
良好をB、なんとか診断可能をC、そして診断不可能を
Dとした。なお、同じ評点でも優位差のでるものについ
ては、Aa (Aの中で優れている)とAz (Aの中で劣
っている)のように、評点マークの末尾にaまたはzを
付した。
【0127】以上の評価結果を表3〜表4に示す。 表 3 ─────────────────────────────── 組体 感光材料/増感 感光材料の感度 クロスオーバー 番号 スクリーン (ルクス秒) (%) ─────────────────────────────── 本発明組体 1 感光材料II/ 試A 0.0105 21 2 感光材料III/試A 0.0140 22 3 感光材料IV/ 試A 0.0250 24 4 感光材料III/試B 0.0140 22 5 感光材料IV/ 試B 0.0250 24 比較用組体 6 感光材料I/ 試A 0.0076 20 7 感光材料II/ HR-8 0.0105 21 8 感光材料III/HR-8 0.0140 22 9 Super HRS/HR-3 0.0076 18 10 Super HRS/HR-4 0.0076 18 11 Super HRS/HR-8 0.0076 18 ───────────────────────────────
【0128】 表 4 組体 感度 γ DQE NEQ MTF 目視 番号 (Dmin+1.0)(0.8-1.2) 1本 3本 1本 3本 1本 3本 評価 本発明組体 1 159 2.62 160 130 100 82 0.71 0.31 C 2 119 2.80 155 128 130 107 0.70 0.31 B 3 67 2.90 158 131 236 196 0.69 0.30 A 4 155 2.80 182 105 117 68 0.67 0.25 C 5 87 2.90 180 110 207 126 0.67 0.26 Ba 比較用組体 6 220 2.58 155 125 70 57 0.72 0.32 Cz 7 138 2.62 150 95 109 69 0.64 0.22 Cz 8 103 2.80 145 95 141 92 0.63 0.21 Cz 9 55 2.55 72 89 131 162 0.82 0.51 Ca 10 100 2.55 100 100 100 100 0.75 0.37 C 11 180 2.55 148 93 82 52 0.65 0.23 D
【0129】上記のデータから下記の事実が判明した。 1)試作品である増感スクリーンAを用いた本発明に従
う(1)と(2)の組体は、比較用の(7)と(8)の
組体に比べて、DQE(3本/mm)が約1.35倍高
く、画質と感度とのバランスが良い。比較用の(7)と
(8)の組体では、胸部診断においてMTFが下限レベ
ルで、また血管陰影のボケが目立つ。 2)本発明の(2)および(3)の組体で、増感スクリ
ーンを、同じく試作品であるがX線吸収量の多い増感ス
クリーンBに変えた組体(4)および(5)では、DQ
E(1本/mm)は上昇するが、DQE(3本/mm)
は低下する。後者の組体(4)および(5)では特に粒
状性が良いX線画像が得られる。 3)本発明の(2)の組体は、比較用の(10)の組体
に対して19%高感度となっており、またNEQ(1本
/mm)およびNEQ(3本/mm)のいずれについて
も高くなっている。また、前者の組体で得られたX線画
像の方が「ざらつき」が少なく、血管陰影の視認性も優
れていた。 4)本発明の(2)の組体は、比較用の(9)の組体に
対して2倍以上高感度となっており、また、前者の組体
で得られたX線画像の方が、血管陰影の視認性も優れて
いた。
【0130】5)比較用の(11)の組体は、高感度で
あり、高いDQEを示すが、NEQが低く、X線画像の
目視観察によると、「ぼけ」と「ざらつき」がひどく、
そのX線画像では診断が困難であった。 6)本発明の(3)の組体は、感度が比較用の(9)の
組体に比べて21%高く、またNEQも極めて高い。そ
して、前者の組体で得られた胸部X線写真は非常に優れ
た画質を示した。 7)本発明の(1)の組体は、比較用の(10)の組体
に比べて高いDQEを示した。また、前者の組体で得ら
れた胸部X線写真の画質は、後者の組体で得られた胸部
X線写真の画質と同等であったが、前者の組体は後者の
組体の約1.5倍の感度を示した。 8)比較用の(6)の組体は、標準X線フィルムと高感
度増感スクリーンとの組合せであり、高いDQEを示
し、高感度であるが、NEQが低い。得られた胸部X線
写真では「ざらつき」が観察され、診断に利用すること
は可能であるが、細部の診断のためには満足できる画質
ではなかった。 9)比較用の(9)の組体はMTFは極めて高いが、X
線吸収量の少ない増感スクリーンを用いているため、D
QEが低い。また、感度も低く、得られた胸部X線写真
では「ざらつき」が観察され、細部の診断のためには適
当といえない。
【0131】[実施例2] 本発明の組体において用いるハロゲン化銀写真感光材料
のクロスオーバーのレベルを変えた場合の効果を検討し
た。 (1)ハロゲン化銀写真感光材料V、VI、VII、V
IIIの製造 実施例1のハロゲン化銀写真感光材料Iの製造に用いた
支持体の下塗り上層を、下記方法により調製した微結晶
染料粒子分散物を染料として80mg/m 含有した以
外は同一の材料と方法とにより、四種のハロゲン化銀写
真感光材料、ハロゲン化銀写真感光材料V、VI、VI
I、VIIIを製造した。
【0132】(微結晶染料粒子分散物の調製) 水434mlおよび界面活性剤トライトン−200(T
X−200)の6.7%水溶液791mlを2リットル
のボールミルに入れ、これ下記染料Aを添加した。酸
化ジルコニウム(ZrO )のビーズ(2mm径)40
0mlを添加し、内容物を4日間粉砕した。こののち、
12.5%ゼラチン水溶液を160g添加した。混合液
を脱泡したのち、濾過によりZrO ビーズを除去し
た。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された
染料の直径は0.05〜1.15μmにかけての広い分
布を有していて、平均粒径は0.37μmであった。さ
らに遠心分離操作を行なうことで0.9μm以上の大き
さの染料粒子を除去して、目的の染料分散物を得た。
【0133】
【化21】
【0134】 (2)ハロゲン化銀写真感光材料の特性の測定 実施例1に記載の方法により、感光層の片側の感度およ
びクロスオーバーを測定、算出した。測定された感度お
よび算出されたクロスオーバー(%)を表5に示す。ま
た、参考のために実施例1の感光材料I〜IVのデータも
示す。
【0135】 表 5 感光材料 片面の感度(Dmin +0.5) クロスオーバー 感光材料 I 0.0070ルクス秒 20% 感光材料 II 0.0105ルクス秒 21% 感光材料 III 0.0140ルクス秒 22% 感光材料 IV 0.0250ルクス秒 24% 感光材料 V 0.0078ルクス秒 5.0% 感光材料 VI 0.0118ルクス秒 5.2% 感光材料 VII 0.0157ルクス秒 5.4% 感光材料 VIII 0.0280ルクス秒 6.0%
【0136】(3)種々のクロスオーバーを示すハロゲ
ン化銀写真感光材料の放射線増感スクリーンとの組体の
特性の測定 実施例1に記載の方法により、放射線増感スクリーンA
を用いて、上記の各々のハロゲン化銀写真感光材料との
組体の各種特性を調べた。その測定結果を表6に示す。
なお、表6の目視評価における各評点マークは、表4に
おける対応する評点マークと同じ意味を有する。
【0137】 表 6 感光 感度 γ DQE NEQ MTF 目視 材料 (Dmin+1.0)(0.8-1.2) 1本 3本 1本 3本 1本 3本 評価 II 159 2.62 160 130 100 82 0.71 0.31 C III 119 2.80 155 128 130 107 0.70 0.31 B IV 67 2.90 158 131 236 196 0.69 0.30 A V 180 2.60 173 135 96 75 0.78 0.38 Cz VI 139 2.65 180 132 138 102 0.78 0.38 B VII 100 2.80 175 140 175 140 0.77 0.37 A VIII 55 2.90 175 135 318 245 0.77 0.37 Aa
【0138】上記のデータから下記の事実が判明した。 1)ハロゲン化銀写真感光材料のクロスオーバーを15
%以下にすることにより、若干の感度低下が生じている
が、一方、MTFおよびDQEが明らかに向上してい
る。また、組体の感度と胸部写真の画質との関係を上記
の結果に基づきグラフ化すると、添付図面の図3のよう
になる。なお、図3には、比較のために、先の表3と表
4に示したX線撮影用に一般的に利用されているハロゲ
ン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンの組体(比
較用組体番号9:Super HRSとHR−3、比較
用組体番号10:Super HRSとHR−4、前述
の富士写真フィルム株式会社市販商品)における感度と
胸部写真の画質との関係も記入した。
【0139】図3の結果から、本発明に従うハロゲン化
銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体は、現
在X線撮影用に一般的に利用されているハロゲン化銀写
真感光材料と放射線増感スクリーンの組体に比べて感度
と画質のバランスが優れていることがわかる。すなわ
ち、感度を同一とすると顕著に優れた画質のX線画像が
得られ、一方、求める画質を同一とすると、より少ない
X線被曝量でX線撮影を行なうことがわかる。
【0140】そして、特に本発明のハロゲン化銀写真感
光材料と放射線増感スクリーンとの組体で、クロスオー
バーが低いハロゲン化銀写真感光材料を用いると、本発
明の上記の効果が更に向上することがわかる。
【0141】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料と放
射線増感スクリーンとの組体は感度が良好で、かつ提供
するX線画像は高い鮮鋭度を示す。このため、人体への
X線被曝量を増加させることなく、極めて視認性が高い
X線画像が得られる。従って、本発明のハロゲン化銀写
真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体は、実際の
医療診断の精度を高めるために極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
感スクリーンとの組体において用いる放射線増感スクリ
ーンの特性を説明するための空間周波数(lp/mm)
とコントラスト伝達関数(CTF)との関係を示すグラ
フ。
【図2】ハロゲン化銀写真感光材料の感度測定にタング
ステン光源と組合せて用いられる緑色光フィルターの特
性を示すスペクトル。
【図3】本発明にハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
感スクリーンとの組体および市販のX線撮影用のハロゲ
ン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの一般的
な組合せにおける、感度と胸部写真の画質との関係の例
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 照美 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−339890(JP,A) 特開 平3−21898(JP,A) 特開 昭62−245200(JP,A) 特開 平2−298939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 5/17 G03C 1/46 G21K 4/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料と該感光材料
    の前側および後側にそれぞれ配置される二枚の放射線増
    感スクリーンとからなる放射線画像形成性の組体であっ
    て、 (1)放射線増感スクリーンの内の少なくとも一方は、
    X線エネルギーが80KVpのX線に対して25%以上
    の吸収量を示し、コントラスト伝達関数(CTF)が、
    空間周波数1本/mmで0.79以上、そして空間周波
    数3本/mmで0.36以上である放射線増感スクリー
    ンであり、そして (2)ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体の前側およ
    び後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光層が備えられた
    構成を有し、少なくともその内の一方の感光層は、上記
    (1)で規定した放射線増感スクリーンの主発光ピーク
    波長と同一の波長を有し、かつ半値幅が15±5nmの
    単色光で露光し、下記組成の現像液を用い、現像液温度
    35℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の
    感光層を剥離したのち測定して、該感光層にて得られる
    濃度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な
    露光量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒と
    なる感度を有する、 現像液組成 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調
    節する、 ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
    感スクリーンとの組体。
  2. 【請求項2】 上記(1)で規定した放射線増感スクリ
    ーンが、ハロゲン化銀写真感光材料に対面する側から見
    て、保護、蛍光体層および支持体層の順に配置された
    構成を有するものであって、その保護が、蛍光体層の
    上に塗布形成された厚さが5μm以下の透明な合成樹脂
    である請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料と
    放射線増感スクリーンとの組体。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料の前側に配置
    した放射線増感スクリーンより発光する光に対して、該
    ハロゲン化銀写真感光材料の後側の感光層に放射するク
    ロスオーバーが15%以下である請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組
    体。
  4. 【請求項4】 前側と後側の放射線増感スクリーンのそ
    れぞれが上記(1)で規定した特性を有する請求項1に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリー
    ンとの組体。
  5. 【請求項5】 前側及び後側の感光層がそれぞれ上記
    (2)で規定した特性を有する請求項1に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体。
  6. 【請求項6】 上記(1)で規定した放射線増感スクリ
    ーンが、X線エネルギーが80KVpのX線に対して3
    2.8%以上の吸収量を示す請求項1に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体。
  7. 【請求項7】 上記(1)で規定した放射線増感スクリ
    ーンのコントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数
    1本/mmで0.802以上である請求項1又は6に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーン
    との組体。
  8. 【請求項8】 上記(1)で規定した放射線増感スクリ
    ーンのコントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数
    1本/mmで0.869以上である請求項7に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組
    体。
  9. 【請求項9】 上記(1)で規定した放射線増感スクリ
    ーンのコントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数
    3本/mmで0.375以上である請求項1または6乃
    至8のいずれかの項に記載のハロゲン化銀写真感光材料
    と放射線増感スクリーンとの組体。
  10. 【請求項10】 上記(1)で規定した放射線増感スク
    リーンのコントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波
    数3本/mmで0.494以上である請求項9に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの
    組体。
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